JP4855339B2 - 不定形耐火物、及び耐火物の製造方法 - Google Patents

不定形耐火物、及び耐火物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不定形耐火物や耐火煉瓦等の耐火物の耐熱スポーリング性や耐剥離性を高め耐火物の長寿命化を図ることができる不定形耐火物、及びこの不定形耐火物から製造される高強度耐火物の製造方法に関する。
従来、樋、精錬炉あるいは二次精錬炉、取鍋、連鋳用タンディッシュ等には、耐火原料に水やバインダーを加えて混練した不定形耐火物や耐火原料を予め成形して焼成した耐火煉瓦等の耐火物が内張りされている。
これらの耐火物は、使用中に加熱・冷却による熱変化を受け、熱スポーリング等を起こして、局部あるいは全体が損耗したり、付着物を除去する際に機械的衝撃により剥落や亀裂を誘発する。その結果、精錬炉や鋳造用耐火物等の寿命が短くなって生産性が低下し、耐火物の補修のコストも上昇する。
従って、損耗した部位に吹き付けや鏝塗り等の補修をしたり、耐火原料の選択や補修方法の改善等を行って、耐火物や炉寿命の延長に努めている。
しかし、精錬炉等の使用条件の過酷化や耐火物の一層の高品質化が指向されており、スポーリングや溶損に対し、十分な特性を備えた耐火物が求められている。この対策として、金属ファイバーを多量に添加して強度補強する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、断面最大径が0.2〜1.5mmで長さが20〜50mmの長い金属ファイバーと断面最大径が0.2〜1.5mmで長さが1〜20mmの短い金属ファイバーとを総量で外掛で35質量%(文献中の表現は重量%)以下の割合で組合わせて不定形耐火物に添加することにより、高い作業性を維持したまま、耐火物の靭性を向上するとともに、熱的及び構造的スポーリングによる亀裂の発生及び進展を阻止することが提案されている。
また、特許文献2には、直径が0.1〜0.6mm、長さが20〜80mmの金属ファイバーの表面に0.1〜10μmの有機物被覆を施し5〜20質量%(文献中の表現は重量%)の割合で添加する流し込み耐火材の流動性を改善する手段が提案されている。
さらに、特許文献3においても、多量に金属を添加し、高熱伝導性を達成する手段が提案されている。
特開平8−268767号公報 特開2006−89321号公報 特開2004−315348号公報
しかしながら、前記特許文献1では、金属ファイバーに長さの異なる金属ファイバーの使用により混練性や流動性の改善を提案しているものの、最大径が1〜10mmの耐火粒子を使用しているために金属ファイバーを多量に添加した場合、流し込み施工作業において金属ファイバーが重なりあって金属ファイバ−の分布が高濃度となった部位や混練物の流動性が低下する為に型枠の狭隘部への耐火粒子が充填されずに空隙として残留する課題があった。
前記特許文献2では、かかる課題に対して断面が略円形で、表面が滑らかな直線状の金属ファイバーに0.1〜10μmの有機物被覆を施した被覆金属ファイバーを添加し流動性を改善することを提案しているが、適用する耐火材の粒径について記載されておらず、金属ファイバ−の分布が高濃度となった部位には粗粒が充填されず金属ファイバーの分布状態によって、耐火材の粒度偏析が発生し施工体としてのバラツキが大きく本来の機能が発揮出来ない。前記特許文献3においても同様である。
本発明ではかかる諸課題に対し、金属ファイバーの有する高強度の補強効果と、施工作業上の空隙の発生の抑制による施工体の均一性の確保を達成することが可能な不定形耐火物、およびこの不定形耐火物を用いて形成される耐火物の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上述した施工作業上における空隙または未充填部位の発生の抑制と施工体の均一性を得る為の手段として下記(1)乃至(7)を提案するものである。
(1) 20質量部以上、60質量部以下の形状が樹枝状の金属骨材と、40質量部以上、80質量部以下で、かつ最大粒子径が0.85mm以下の耐火性骨材とからなる骨材に、さらに前記耐火性骨材100質量部に対して水分が外掛けで10質量部以下添加されてなり、前記形状が樹枝状の金属骨材は、線材を複数本ワイヤー状に縒ってせん断することにより製造された、毛細血管のように先端が複数に分岐した形状であり、一本の枝の断面積が0.05mm以上、1mm以下であることを特徴とする不定形耐火物。
(2) 前記耐火性骨材がアルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、またはジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上であることを特徴とする(1)に記載の不定形耐火物。
)(1)又は(2)に記載の金属骨材、耐火性骨材、及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする耐火物の製造方法。
)施工空間を充填する所望の量の前記金属骨材と、前記耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする()に記載の耐火物の製造方法。
)(1)又は(2)に記載の金属骨材を予め型枠に投入し、施工空間を該金属骨材で充填した後、(1)又は(2)に記載の耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする耐火物の製造方法。
本発明によれば、耐火物の強度を大幅に向上でき、耐スポーリング性を向上することができる。そして、鋳造用ノズルの機能性耐火物、精錬炉や二次精錬炉等の炉寿命を延長でき、生産性の向上や耐火物コストの低減、割れトラブル等の減少を図ることができる。
本発明者は、金属骨材を耐火性骨材中に多量に含有させて強度を補強させる際に、金属骨材の分布が高濃度となった部位には、耐火性骨材の粒度偏析が発生し、施工体としてのバラツキが大きいという課題に対して、耐火性骨材のサイズが耐火性骨材の粒度偏析に起因していると考え、耐火性骨材の最大径に着目し、鋭意、検討を行った。その結果、耐火性骨材の最大径が所定のサイズよりも小さければ、耐火性骨材の粒度偏析の発生を抑制でき、施工体の均一性を確保でき、金属骨材の強度補強も併せて、耐火物の強度を大幅に向上できるとともに、耐火物の割れも抑制できることを新たに見出した。以下に詳細に説明する。
金属骨材を耐火性骨材中に多量に含有させた場合について、耐火性骨材の充填性の限界値を見極める為に、耐火性骨材の最大径を変えて充填性の試験を実施した。
具体的には、内径200mmφ×高さ300mmの型枠を、ユーラスモーターが設置された振動架台の上に取付固定した後、型枠に径0.5mm、最長25mmのSUS310の金属ファイバーを内掛けで35質量%先行充填した。続いて最大粒子径が3.35mm、2.0mm、1.0mm、0.85mm、0.6mm、0.3mm及び0.106mmのアルミナ−マグネシア質の耐火粉末100質量部に対して、外掛けで8.5質量部の添加水分で混練して、スラリーを得た。その後、金属ファイバーが先行充填された型枠中に0.3Gの加振を加えながら、混練スラリーを鋳込んだ後、型枠を振動架台より取り外し、10時間大気養生後、110℃の乾燥炉にて15時間乾燥を行い脱枠を行い、成形体の見掛け気孔率の測定と、未充填部位の有無について調査した。
その結果は、図2に示す通り、耐火性骨材の最大径が0.85mm以下の場合、見掛け気孔率の顕著な低減が可能となる事が判明した。これは、耐火性骨材の未充填箇所が劇的に減少し、施工作業上の空隙の発生が回避できていることを裏付けていることがわかる。
本発明の不定形耐火物は、金属骨材を多量に含有することを特徴とするものであるが、後述の製造方法にあるように、養生硬化中に金属骨材が沈殿分離しない量の添加を行うためには、もともとの施工空間を充填できる量の金属骨材が必要である。
本発明においては、高強度を得るために耐火物の全容積に金属骨材を充填することが必要であり、そのためには金属骨材の含有量を20質量%以上とする。好ましくは30質量%以上とし、更に40質量%以上とすることが好適である。
一方、不定形耐火物が金属骨材に充分に充填され、かつ耐火性を発現するためには、金属骨材の含有量は60質量%以下とすることが必要である。
金属骨材の形状としては特に規定するものではなく、例えば、後述の、樹枝状、フレーク状、またはファイバー状の何れでも構わない。
ちなみに、金属骨材に用いられる金属は、高温溶融金属に適用する為、融点が高く高温まで引張強度を有する金属であれば、特に限定するものではなく、例えば、鉄、ステンレス、タングステン、モリブデン等が好適に使用される。
一方、耐火性骨材の種類は特に限定することなく、最大粒子径を0.85mm以下とすることにより、本発明の効果を得ることができることを確認している。また、金属骨材の種類や形状に関わらず、同様に最大粒子径を0.85mm以下とすることにより、図2に示す様に、施工体の見掛け気孔率を低減できるという本発明の効果を得ることができることを確認している。
また、耐火性骨材の最大粒子径を0.85mm以下とすることにより、簡易にスラリー状の混練物が得られるので、その観点からも好適である。
ちなみに、耐火性骨材の最大粒子径の下限値は特に規定するものではないが、粉砕コスト等を考慮すると、0.31mm以上とすることが好ましい。
一方、最大粒径が0.85mmを超えると、金属骨材の空間に耐火性骨材が充填されにくくなり、施工後空間として残り、施工体の見掛け気孔率が大きくなって、高強度が得られにくくなる。
本発明に係るキャスタブル耐火物はコンクリートと違い、高温環境で使用する際の爆裂防止のために、耐火性骨材100質量部に対して、水分添加量を外掛けで10質量部以下と規定する。好ましくは9質量部以下とし、更に8質量部以下であることが好適である。
水分量を10質量部以下に制御するためには、後述する公知の手段である養生、乾燥により適宜実施することができる。
耐火性骨材としては、アルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、ジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上を好適に選定して用いることができる。
すなわち、使用環境に応じて、これらの何れかの耐火性骨材を使用することにより、高強度な耐火物を得ることができる。
金属骨材の形状としては、樹枝状、フレーク状、ファイバー(金属片)状等のものが推奨される。
樹枝状とは、毛細血管のように先端が複数に分岐した形状を意味しており、3次元に張り巡らした金属枝によりキャスタブル補強に非常に有効である。樹枝状の場合には、一本の枝の断面積が0.05mm以上、1mm以下が補強上好ましく、骨材の最大径は、金属骨材の充填性から1.0mm以上、50mm以下とすることが好ましい。
ちなみに、樹枝状の金属骨材は、例えば、市販線材を複数本ワイヤー状に縒ってせん断することにより製造できる。
また、フレーク状の場合、最大長が1.0mm以上、50mm以下、断面積0.5mm以上、10mm以下が好ましい。断面積及び長さが上記の範囲を超えると金属骨材の均一な密充填が困難になり、高強度が得られにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
一方、最大長及び長さが上記の範囲未満の場合、耐火粒子の架橋に寄与出来ず補強効果が発現しにくくなる。従って、充填性を満足し、且つ補強効果が発現する大きさ以上とすることが好ましい。
ちなみに、フレーク状の金属骨材は、例えば、断面積0.5mm以上、10mm以下で圧延された金属箔を長さ1.0mm以上、50mm以下に切断することにより製造できる。
又は、金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状であっても良い。ここで、金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状とは、一概にその形状を規定しにくいため、この様な表現で表している。
金属母材を削る方法としては、例えば、金属母材に穴を開ける場合、金属母材を切断する場合、金属母材の一部を掻き削る場合等が挙げられる。ここでの金属骨材の形状は、上記の様な場合に作製される形状(切り粉状と記載することがある)をすべて含む。
また、切り粉状の金属骨材の大きさは、例えば、断面積0.5mm以上、10mm以下で長さ0.5mm以上、30mm以下とすることが施工上好ましい。断面積又は長さが上記の範囲を超えると金属骨材の均一な密充填が困難になり、高強度が得られにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
ファイバー状の場合、断面積0.05mm以上、1mm以下で長さ1.0mm以上、50mm以下とすることが施工上好ましい。断面積又は長さが上記の範囲を超えると、金属骨材の均一な密充填が困難になり、高強度が得られにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
ちなみに、ファイバー状の金属骨材は、例えば、市販線材を上記長さにせん断することにより製造できる。
次に、本発明の不定形耐火物を用いて形成される耐火物の製造方法について説明する。
本発明は、金属骨材、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする。特に、金属骨材が上記フレーク状又はファイバー状のときには、事前に金属骨材と耐火性骨材と水分を混ぜたスラリーとして型枠に流し込むことによって、空隙のない金属骨材が空間に均一に密充填された不定形耐火物を容易に施工することができるので、好ましい。
ちなみに、予定している施工空間で要求される不定形耐火物の強度の程度に応じて、充填する金属骨材の所望の量を、適宜、設定し、この所望の金属骨材の量に応じて、耐火性骨材と水を混合して、混練後に、型枠に流し込み、養生乾燥することが好ましい。
また、本発明では、上記の各骨材と水を混合混練した後施工する場合とは別に、金属骨材のみを予め型枠に投入し、施工空間を前記金属骨材で充填した後、耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することも可能である。
本方法の場合には、金属骨材と耐火骨材の比重差が高い場合に有効で先行して金属骨材のみを充填する為に金属骨材の沈下による偏析が防止出来る。
流し込み成形時に型枠に振動を加えながら行うと充填が効率的に進むので好ましく、特に金属骨材が切り粉状又はファイバー状のときは好適である。
養生乾燥は公知の方法で実施すればよく、使用時の爆裂防止のため耐火材質量に対して水分を10質量%以下に調整する。
本発明に係る不定形耐火物は、必要に応じ結合剤を添加することができる。結合剤は焼結剤、分散剤、界面活性剤、硬化剤、硬化調整剤等の何れか1種以上を添加すればよい。養生収縮による崩壊防止のため、結合剤の含有量は合計で65質量%以下とすることが好ましい。
焼結剤として、超微粉アルミナ、超微粉SiC、超微粉SiOなどを使用できる。
分散剤としては、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリ酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、フミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、有機リン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウムなどがある。
界面活性剤として、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、カルボキシル基含有ポリエーテル系分散剤、酒石酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウム等から選ばれる1種または2種以上が使用できる。
硬化剤はアルミナセメントが最も好ましいが、これに限らず、例えばケイ酸ナトリウム、シリカゾル、アルミナゾル、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどから選ばれる1種または2種以上が使用できる。
適当な可使時間を得るために、必要に応じて硬化調整剤を添加することができるが、これには例えばホウ酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸アンモニウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、炭酸リチウム、消石灰、リチウム塩、オキルカルボン酸、ジカルボン酸、第一リン酸カルシウム、レゾルシンなどから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
参考例1]
金属骨材と、耐火性骨材とからなる骨材に水分を添加して得られた不定形耐火物を、タンデイッシュ下ノズル、羽口ブロック及びタンディッシュカバーに施工し、実炉に供した。以下その詳細について記述する。
図1(A)に示すタンデイッシュ下ノズル用の型枠2(外径310φ×内径90φ×高さ350mm)を、ユーラスモーターの設置された振動テーブル1上に取付固定した後、型枠にSUS310の金属ファイバーを先行充填した。
続いて最大粒子径が0.3mmのアルミナ−マグネシア質の耐火粉末100質量部に対して外掛けで8.0質量部の添加水分で混練してスラリーを作成した。
その後、金属ファイバーが先行充填された型枠中に0.3Gの加振を加えながら、混練スラリーを鋳込んだ後、型枠を振動テーブルより取り外し10時間大気養生後、110℃の乾燥炉にて15時間乾燥を行い脱枠を行った。
その後、60トン容量タンディッシュの下ノズルとして設置し、1時間30分の昇熱後、360トンの溶鋼を3ヒートを240分で完鋳した。
また、図1(B)に示すタンディッシュ羽口においても、羽口型枠3を用いて上記のタンデイッシュ下ノズルの場合と同様の方法で製作を行い、60トン容量タンディッシュの羽口として設置し、初回の適用に際しては、1時間30分の昇熱後、適用を開始した。その後、58ヒート使用し、計画的に交換した。
一方、幅2000mm、長さ3000mm、厚み212mmの直方体形状のタンディッシュカバーに、SUS304の金属ファイバーを先行充填し、最大粒子径が0.5mmのアルミナ−シリカ質の耐火粉末100質量部に対して、外掛けで添加水分7.9質量部で混練した耐火粉末スラリーを鋳込み成形した。
表面温度が600℃になるまで事前乾燥し実炉に供した。これらの結果を表1にまとめた。
尚、比較例として、耐火粒子の最大径が1.2mm、2.0mm、5.66mm及び3.35mmの耐火粉末に金属ファイバーを内掛けでそれぞれ2質量%、2質量%、4質量%、3質量%添加し、同時混練して試作した下ノズル、羽口及びタンディッシュカバーでの実炉における結果を合わせて金属ファイバーの場合を表2に示す。
表1及び表2中の一般物性のかさ比重、気孔率については、JIS R 2553で規定された成形後の試験片を用いて、JIS R 2205に基づいて、圧縮強度については、JIS R 2553に基づいて、それぞれ測定した。
Figure 0004855339
Figure 0004855339
参考例2、実施例
金属ファイバー以外の金属骨材の場合についてもタンデイッシュ下ノズルに施工し、実炉に供した。以下その詳細について記述する。
金属ファイバー時と同様に図1(A)に示すタンデイッシュ下ノズル用の型枠2(外径310φ×内径90φ×高さ350mm)を、ユーラスモーターの設置された振動テーブル1上に取付固定した後、最大粒子径が0.3mmのアルミナ−マグネシア質の耐火粉末と、SUS310材質のフレーク状の削り粉、及び線径0.5φの線材を10本縒ったワイヤーを長さ25mmに切断した樹枝状の金属骨材を内掛けで35質量%添加し、アルミナ−マグネシア質の耐火粉末100質量部に対して外掛けで其々8.0質量部、8.3質量部、8.2質量部の添加水分で同時混練した。
その後、型枠2にそれぞれの混練物を0.3Gの加振を加えながら鋳込んだ後、型枠2を振動テーブル1より取り外し10時間大気養生後、110℃の乾燥炉にて15時間乾燥を行い脱枠を行った。
その後、60トン容量タンディッシュの下ノズルとして設置し、いづれも1時間30分の昇熱後、1ヒート当り360トンの溶鋼の鋳造に供した。これらの結果を表3に示す。
Figure 0004855339
表1〜表3に示すように、下ノズルでは外観・切断面上亀裂発生は特に認められず良好な結果を得た。金属骨材の形態としては、樹枝状がもっとも良く次にフレーク状、ファイバー状の順位で高耐用を示した。
羽口についても外観・内部には亀裂発生は認められず、いずれのサンプルも使用後焼結が進み、高強度化していた。
一方、タンディッシュカバー(TDカバー)では、従来技術の比較例では開口部周辺の剥離損傷が初期に発生するのに対し、本発明品では7倍以上のヒート回数でも剥離損傷が発生せず長寿命化を達成することができた。
タンディッシュ下ノズルの成形時、及びタンディッシュ羽口の成形時の概要を示す説明図。 耐火骨材の最大径と施工体の見掛け気孔率の関係を示す説明図。
符号の説明
1…ユーラスモーター付き振動テ−ブル、2…下ノズル型枠、3…羽口型枠

Claims (5)

  1. 20質量部以上、60質量部以下の形状が樹枝状の金属骨材と、40質量部以上、80質量部以下で、かつ最大粒子径が0.85mm以下の耐火性骨材とからなる骨材に、さらに前記耐火性骨材100質量部に対して水分が外掛けで10質量部以下添加されてなり、前記形状が樹枝状の金属骨材は、線材を複数本ワイヤー状に縒ってせん断することにより製造された、毛細血管のように先端が複数に分岐した形状であり、一本の枝の断面積が0.05mm以上、1mm以下であることを特徴とする不定形耐火物。
  2. 前記耐火性骨材が、アルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、またはジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の不定形耐火物。
  3. 請求項1又は2に記載の金属骨材、耐火性骨材、及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする耐火物の製造方法。
  4. 施工空間を充填する所望の量の前記金属骨材と、前記耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする請求項3に記載の耐火物の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の金属骨材を予め型枠に投入し、施工空間を該金属骨材で充填した後、請求項1又は2に記載の耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする耐火物の製造方法。
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