JP3009686B2 - インダクタ - Google Patents

インダクタ

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JP3009686B2
JP3009686B2 JP1289614A JP28961489A JP3009686B2 JP 3009686 B2 JP3009686 B2 JP 3009686B2 JP 1289614 A JP1289614 A JP 1289614A JP 28961489 A JP28961489 A JP 28961489A JP 3009686 B2 JP3009686 B2 JP 3009686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気回路部品として広く用いられるインダク
タンス素子、即ち、インダクタンスが出力電流により変
化する特性を有するインダクタに関するものである。特
に、電源回路のチョークコイルとして有効な機能をもつ
インダクタに関するものである。
(従来の技術) インダクタは大別してコイルのみにより構成されたも
のと、磁心にコイルを施した構造をもつものの2種類が
ある。磁心を用いたインダクタは磁心を持たない空心の
ものに比して、体積当りのインダクタンスの値を大きく
することが出来るため、現在ではほとんどが磁心を有す
るものになっている。例えば、チョークコイルとして電
流の平滑回路に多用されているインダクタは、トロイダ
ル状の磁心にコイルを施した構造のものが一般的であ
る。
一方、近年の電源回路ではスイッチング方式による制
御が一般的になってきた。これは、スイッチング周波数
の高周波数化によりチョークコイルとしての上記インダ
クタの小型化が可能であるためである。この様なスイッ
チング方式による制御に於いて用いられるインダクタ
は、出力電流がゼロまたはゼロ付近に於いては大きなイ
ンダクタンスを示し、且つ磁気飽和に於ける出力電流
値、即ち、飽和電流値も大きいものが望ましい。
しかし、従来のインダクタに於いては、出力電流が小
さいときに大きなインダクタンスを示すものは飽和電流
値が小さく、又、飽和電流値の大きなものは出力電流の
小さいときにインダクタンスが小さいというもので、両
者の特性を兼備したものは無かった。
このため、従来では、上記それぞれの特性を有する各
インダクタを複数個直列に接続してこれらの特性を互い
に補完するか、或いはトロイダル状の形態を有するイン
ダクタにおいては、その磁心の外周部に切れ込みをいれ
て作られるギャップを設けることにより、上記両者の特
性を実現していた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記複数のインダクタを用いることは部品点
数の増加につながり、回路コストの上昇や回路の大型化
をもたらすという問題がある。
また、磁心に切込みを入れる方法は、ギャップからの
漏れ磁束に起因するノイズの増加を招き好ましくなく、
また、磁束の有効利用が図られていないため、コイル寸
法の小型化が阻害されており、装置の小型化の上で大き
な問題となる。さらに、コイル設計が複雑となり、実際
にはカットアンドトライでコイルが設計、製作され、製
品品質の安定化や設計製造の効率化の意味においても問
題がある。
本発明は、出力電流が小さいときに大きなインダクタ
ンスを示し、且つ飽和電流値が大きく、更に設計製作が
容易で小型化が可能なインダクタを提供することを目的
とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究の結
果、磁気的性質の異なる複数の磁性材が利用できること
を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、透磁率と飽和磁気特性が異なる複
数の磁性材により成る磁心を有するインダクタを要旨と
するものである。
本発明によれば、磁性材を2種以上用いて磁心とす
る。磁性材は透磁率と飽和磁気特性が異なっていること
を必要とする。磁性体は一般に、透磁率が大きくなると
磁気飽和に達し易く、逆に透磁率が小さいと磁気飽和に
達しにくくなる。従って、透磁率の大きい磁性材を磁心
に用いたインダクタは、出力電流が小さい時には大きな
インダクタンスを示すが飽和電流値が小さく(第3図の
一点鎖線7参照)、逆に透磁率の小さい磁性材を磁心に
用いたインダクタは、出力電流が小さい時にはインダク
タンスは大きくないが飽和電流値が大きい(第3図の破
線9参照)。従って、透磁率は高いが磁気飽和し易い磁
性材と、透磁率は比較的低いが磁気飽和しにくい磁性材
を組合せることが好ましい。飽和磁気特性は磁気飽和点
(A/m)により決定することができ、磁気飽和点が低い
と磁気飽和し易いことを示し、磁気飽和点が高いと磁気
飽和しにくい。例えば、2種の磁性材(AとB)と組合
せて本発明の磁心を構成する場合、Aの透磁率は500〜
5,000、好ましくは750〜2,000、磁気飽和点160〜1,600A
/m、好ましくは300〜800A/mを有し、Bの透磁率は100〜
500、好ましくは200〜400、磁気飽和点1,300〜6,400A/
m、好ましくは1,600〜3,200A/mが好適である。両者の透
磁率の差は少なくとも200以上あることが好ましく、磁
気飽和点の差は少なくとも400A/m以上あることが好まし
い。
磁心の製造に使用される複数の磁性材は、それらの透
磁率と飽和磁気特性が互いに異なっていればよく、異な
る化学種のものでも同一の化学種のものでも良い。その
ような磁性材としては、例えばアモルファス[(Co94Fe
672.5Si12.5B15]磁性材、[Fe77.5Si7.5B15]磁性材
(数字はいずれも原子%を表す。)等、或いはそれらを
通常の熱処理したもの等が挙げられる。
本発明のインダクタのインダクタンス−飽和電流特性
は、上記複数の磁性材をそれぞれの使用量で個別に作製
した場合の各インダクタの特性の和として現れる。尚、
これらの各特性の強さは、使用する磁性材の各使用量に
比例するので、本発明のインダクタのインダクタンス−
飽和電流特性は、用いる各磁性材の使用量を考慮した加
重平均により前もって計算される。
即ち、簡単のため本発明のインダクタが、第3図の一
点鎖線7で表わされる特性を有する磁性材M1と破線9で
表わされる特性を有する磁性材M2から成る磁心を有する
第2図に示すような構造のインダクタである場合、イン
ダクタンスLは、次式 (式中、μは真空の透磁率、μr1及びμr2はそれぞれ
磁性材M1及びM2に固有の比透磁率、S1及びS2はそれぞれ
磁性材M1及びM2の断面積、Nはコイルの巻数、は磁路
長を表す。)で表わされる。磁性体の一般的特性とし
て、透磁率の大きな材料の磁気飽和点は小さく、透磁率
の小さな材料の磁気飽和点は大きい。従って、本チョー
クコイルのインダクタンスLは、コイルに流れる電流が
微小のときは、(1)式にて表わされる値をとるが、電
流量が増大すると磁性材M1が磁気飽和するため、磁性材
M1のインダクタンスに対する寄与は無くなり、次式 L=μ・μr2・S2・N2/ …(2) で表わされるインダクタンス値となる。
よって、本コイルのインダクタンスは、第3図の実線
8に示したような電流特性をもつようになる。
上記のようにして個々の磁性材の磁気特性とその組成
比を選ぶことにより、任意の電流−インダクタンス特性
をもつチョークコイル、即ちインダクタが簡単に設計製
作できる。
本発明のインダクタの磁心に巻かれるコイルは特に限
定されず、通常のものが用いられる。コイルの巻数も所
望のインダクタンス強度に応じて適宜選択して良い。
本発明のインダクタの製造に於いて、磁心は磁気特性
が異なる複数の磁性材を複合していればよく、その複合
形態は特に限定されない。
以下、本発明のインダクタの製造を添付の図を用いて
具体的に説明する。
第1図は、磁気特性の異なる磁性材2〜4の3層から
成るトロイダル状磁心を有するチョークコイルを示す。
このチョークコイルの製造に於いては、使用する各磁性
材は薄帯の形状にしたものを使う。
即ち、先ず、適当な大きなボビンを芯体として磁性材
2の薄帯をこれに巻回し層の厚みが所定になったところ
で巻回操作を停止し、次いで、この層上に磁性材3の薄
帯を、所定の層厚になるまで巻回する。次いで、同様に
この形成された層上に磁性材4の薄帯を、所定の層厚に
なるまで巻回した後、巻戻しが起こらないような処置を
施したのちボビンを除去する。かくして得られた磁心部
に直接コイルを巻くか、或いは、例えば静電塗装により
磁心に被覆を施したのちコイルを巻くことにより、チョ
ークコイルが得られる。
又、本発明のインダクタは、第2図に示すように磁気
特性の異なる複数の磁心を積層して得られ、磁心にコイ
ルを巻いたものであっても良い。
更に又、本発明のインダクタは、複数の磁性材の各々
所定量を細線形状にし、これらを集束して磁心を作成
し、これにコイルを巻いて得られるチョークコイルでも
良い。或いは、複数の磁性材を粉体または薄片にし、こ
れらの各々の所定量を適当な容器、例えば、エポキシ系
樹脂で作られた凹型のミゾを有する円形の容器等に入
れ、その容器の外側からコイルを巻いて得られるもので
も良い。
また、上記磁性材の粉体又は薄片とともに樹脂等の固
化材、例えばエポキシ系熱硬化性樹脂等を容器に入れ、
樹脂等を固化したのち容器を取り除くことによって得ら
れる磁心に直接、又は塗装を行った後、コイルを施すこ
とにより得られるインダクタでも良い。
(実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 表−1の磁気特性を有する直径30μmのコバルト系ア
モルファス細線A及びBを、表−1に示す本数用いて実
行断面積0.5mm2のソレノイド状磁心を作製した。次い
で、この磁心に直径0.25mmのコイルを60回巻いてインダ
クタを製造した。得られたインダクタのインダクタンス
−出力電流特性を第4図(実線13)に示す。
比較例1及び2 上記のアモルファス細線A及びBをそれぞれ単独に用
いた以外は実施例1と同様にしてそれぞれインダクタを
製造した(それぞれ比較例1及び2)。これらのインダ
クタのインダクタンス−出力電流特性を第4図に示す
(それぞれ一点鎖線14及び破線15)。
(発明の効果) 本発明のインダクタは上記のような構成を有するの
で、第3図の実線8で示されるような、低出力電流時に
大きなインダクタンスを示し、且つ飽和電流値の大きい
インダクタが得られ、又、小型化が可能である。更に、
磁心に使用する磁性材の磁気特性及びその使用量より、
インダクタのインダクタンス−飽和出力電流特性を簡単
に推察及び計算が可能となり、品質の安定したチョーク
コイルを事前に設計でき簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明のインダクタの斜視図であ
り、第3図及び第4図はインダクタンス−出力電流の特
性図である。 1……コイル、2〜6……磁性材、7及び9……一種の
みの磁性材より成る磁心のインダクタの特性図、8……
複数の磁性材より成る磁心のインダクタの特性図、10〜
…12……飽和出力電流値、13……実施例1の特性図、14
及び15……それぞれ比較例1及び2の特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/24 H01F 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透磁率500〜5,000および磁気飽和点160〜
    1,600A/mの磁性材(A)少なくとも1つと透磁率100〜5
    00および磁気飽和点1,300〜6,400A/mの磁性材(B)少
    なくとも1つを、磁性率の差が少なくとも200でかつ磁
    気飽和点の差が少なくとも400A/mになるように組み合わ
    せて成る磁心を有するインダクタ。
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