JP3000625U

JP3000625U - 食品用保存容器

Info

Publication number: JP3000625U
Application number: JP1994001248U
Authority: JP
Inventors: 政行森井
Original assignee: 株式会社森井
Priority date: 1994-01-31
Filing date: 1994-01-31
Publication date: 1994-08-09
Anticipated expiration: 1999-12-15

Abstract

(57)【要約】【目的】冷蔵庫での食品保存と共に、電子レンジによる
加熱用の容器としても使用する容器で、容器の温度状態
を通常の使用時に自然に確認できるようにする。【構成】蓋体２に回転摘形式の蒸気抜き機構３を付設
し、回転摘３５の外周囲部分に蒸気孔が閉塞される範囲
内で日付目盛４１を表示し、目盛近傍に可逆性熱変色部
材を用いて形成した所定温度以下を表示する低温表示部
４３と、所定温度以上を表示する高温表示部４４とを備
えさせた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は食品保存並びにそのまま電子レンジ加熱調理を行う樹脂製の容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

食品用保存容器は、冷蔵庫での食品保存と共に、電子レンジによる加熱用の容器としても使用されるもので、一般に容器体に蓋体を単に被冠した非密閉タイプの容器と、適宜な密閉手段を付設した密閉タイプの食品容器がある。またこの種の容器には、加熱時に内部の圧力を逃がす蒸気抜き機構が付設されており、蒸気抜き機構は、蓋体に蒸気孔を設けると共に当該蒸気孔を開閉する回転摘を蓋体に装着しているものである。

【０００３】ところで電子レンジ用容器に於いて、加熱時に外側から加熱温度を知る手段として容器に感温変色材を塗布する技術が知られており（実開昭５６−１００８号）、また飲料容器ではその飲み頃を表示する手段として、やはり容器のキャラクター図柄の表示を可逆的に熱変色する材質のもので表示したものが知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記した食品用保存容器に、電子レンジ加熱時の加熱状態を視認できる感温部材による表示部を設けたとしても、それは単に加熱時のみしかその状態を知るのに役に立たない。特に食品保存用容器は、冷蔵庫での長期保存に使用する場合もあり、冷蔵状態について知る必要がある。そこで本考案は、冷蔵保存及び電子レンジ加熱時に共に利用できる感温表示部を備えた食品保存用容器を提案したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る食品用保存容器は、合成樹脂製の容器体並びに蓋体とで構成され、蓋体の上面の外周近傍に蒸気孔を形成した回転摘形式の蒸気抜き機構を付設した食品用保存容器、若しくは容器体と蓋体との何れかに両方の端面部分を枢結して他方に掛止する煽り板状掛止部材を付加して密閉構造とした食品用保存容器に於いて、前記回転摘の外周囲部分に蒸気孔が閉塞される範囲内で日付目盛を表示すると共に、目盛り近傍に、高低変色温度の相違する複数の可逆性熱変色部材を用いて形成した所定温度以下の状態を表示する低温表示部及び所定温度以上の状態を表示する高温表示部とを備えたことを特徴とするものである。

【０００６】また特に前記食品保存容器に於いて、高低温表示部が所定の変色温度で、現出したり、消去したり、或は変色するものであり、更には表示部が日付目盛を兼ねることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

容器内に食品を収納し、冷蔵庫に保存するときは回転摘を操作して、収納日と対応する日付目盛に合致させると、自然に蒸気孔は閉塞され、その儘冷蔵庫に収納して食品の保存をなす。この食品の保存に際して、保存に必要な低温状態であるか否やは、低温表示部で確認できる。

【０００８】また電子レンジでの加熱に際しては、前記の保存状態の適否をその低温表示部で確認すると共に、回転摘を操作し蒸気孔を開放してレンジ加熱を施す。レンジ加熱による温度上昇は、蒸気の吹き出し状態並びに高温表示部で確認ができる。

【０００９】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。＜第一実施例＞図１乃至図３は本考案の第一実施例を示したもので、この実施例に係る食品用保存容器は、蓋体１、容器体２から構成され、蓋体１の上面には蒸気抜き機構３及び表示部４を設けたものである。

【００１０】蒸気抜き機構３は、蓋体２の外側に近い箇所に円形凹部３１を形成すると共に、凹部３１の中央に軸体３２を突設し、凹部３１の適宜な底面に蒸気孔３３を穿設し、他方前記蒸気孔３３と対応する連通孔３４を穿設した回転摘３５を前記軸体３２に回転自在に装着してなるものである。

【００１１】表示部４は、回転摘３５の連通孔３４位置に指示印４１を設け、回転摘３５の外周の蓋体２の上面の回転摘３５の操作で蒸気孔３３が閉塞される範囲に、日付目盛４２を設ける。更に表示部は低温表示部４３と高温表示部４４を設けたもので、低温表示部４３は、約１０℃以上で透明となる青色等の寒色系色彩の塗料（感温部材）を、前記日付目盛４２の外周に添って塗布して青色表示部を形成したものであり、高温表示部４４は、前記低温表示部４３以外の範囲の回転摘３５の外周側に、赤色等の暖色系の色彩の塗料を塗布して赤色表示部４４Ａを形成し、更にその上面を約４０℃以上で透明となる蓋体２のベース色の塗料（感温部材）４４Ｂで被覆してなるものである。

【００１２】而して容器体１内に食品を収納し、食品保存及び電子レンジ加熱に使用するものである。食品保存に際しては、回転摘３５を操作して収納日と対応する日付目盛４２に回転摘３５の指示印４１を合致させると、自然に蒸気孔３３は閉塞されるので、その儘冷蔵庫に収納して食品の保存を行う。また電子レンジ加熱を行う際には、温度上昇による内部の圧力増加で蓋体２が飛散せず、且つ食品が加熱で乾燥しない様に、蒸気孔３３と連通孔３４との一致程度を調節して、レンジ加熱を施すものである。

【００１３】また温度表示は、常温（１０〜約４０℃）では、低温表示部（青色表示部）４３は、変色温度以上であるため透明であり、高温表示部４４は、ベース色の被覆表示部４４ｂが変色温度以下であるためベース色を呈している。従って常温では何等の色彩表示はなされない。

【００１４】そこで容器を冷蔵庫に収納して、約１０℃以下となると、低温表示部４３が変色温度以下となり、青色表示がなされる。このため食品の保存状態の適否は、加熱処理するために回転摘３５を操作する際に自然にその低温表示部で確認することができる。

【００１５】またレンジ加熱を行うと、内部食品も暖められると共に、容器自体も暖められるので、所定温度（約４０℃以上）となると、ベース色の被覆表示部４４ｂが変色温度以上となって透明になり、下地の赤色表示部４４ａが現出して、高温状態を表示することになる。特に高温表示部４４を蒸気抜き機構３と共に容器の外周側に形成していると、レンジ加熱途中でも蒸気の吹き出し具合を視認すると、自然に温度確認もできるものである。

【００１６】＜第二実施例＞図４及び図５は本考案の第二実施例を示すもので、この実施例に係る食品用保存容器は、前記第一実施例と同様に、蓋体１ａ、容器体２ａから構成され、蓋体１ａの上面には蒸気抜き機構３及び表示部４ａを設けると共に、係止部５を付設したものである。

【００１７】係止部５は、容器体２ａの上縁に掛止受部５１を設けてなり、板状で端面を蓋体２ａに枢結した係止板５２からなる。また表示部４ａにおける低温表示部４３ａ及び高温表示部４４ａは、回転摘３５の周囲に適宜に形状で表示するようにしたものである。

【００１８】而して食品を収納すると密閉状態とすることができ、蒸気孔３３の開放によって密閉状態のままレンジ加熱が可能であり、而も前記第一実施例と同様に摘み操作並びに蒸気吹き出し状態確認と同時に容器の温度状態も知ることができるものである。

【００１９】尚本考案は前記実施例に限定されるものではなく、例えば図６に例示する通り蓋体１ｂの表面に、赤色塗料を塗布して高温表示部４４ｂとし、その上面に変色温度が約４０℃で、変色温度以上で透明となる黄色（中間色）色彩の常温表示部４５を積層し、更に常温表示部４５の上面に変色温度が約１０℃で、変色温度以上で透明となる青色色彩の低温表示部４５を積層塗布して、高低温表示部が積層された表示部を形成したものでも良い。

【００２０】この積層表示部は、約１０℃以下では表面側の青色が視認され、１０〜４０℃ の間は、低温表示部４３ｂが透明となり黄色表示（常温表示）が視認され、更に４０℃以上になると、常温表示部４５が透明となって赤色表示（高温表示部）が視認されることになる。

【００２１】また本考案の低温表示部は、図７に例示する通り日付目盛りを兼ねるようにしても良く、例えば低温表示部４３ｃを下層が緑色表示とし、上層が変色温度が低温の感温部材の青色表示層にすると、常温では上層が透明で緑色表示となり、低温では青色表示となるものである。更に高温表示部４４ｃを文字表示とし、所定温度以上になると、文字表示が現出するようにしても良いものである。

【００２２】本考案に採用する感温部材は、必ずしも変色温度以上に透明となる材質に限定されるものではなく、変色温度以上となると他色に変化するものを採用してもよいものである。また表示部の温度表示手段も、必ずしも所定温度で所定表示色が現出する構成でなく、表示色が消去する構成でも良く、本考案は少なくとも保存温度であるか否や、所定以上に加熱されているや否やが直ちに認識できるものであれば良いものである。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は以上のようにこのように食品の保存と共に、電子レンジで加熱する容器に於いて、蒸気抜きの回転摘をそのまま保存の為の日付チェックに使用し、且つ高低温の温度表示部を近傍に設けることで、保存の日付合わせで自然に蒸気孔を閉塞し、また保存状態から加熱処理する際に、蒸気孔の開放のために回転摘を操作すると同時に保存が適切であったかが低温表示部の視認で確認ができ、更にレンジ加熱に際しても、蒸気の吹き出し状態の確認と同時に高温表示部による加熱状態の確認ができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例の全体斜視図。

【図２】同蒸気抜き機構部分及び表示部の平面図。

【図３】同蒸気抜き機構部分の断面図。

【図４】本考案の第二実施例の全体斜視図。

【図５】同蒸気抜き機構部分及び表示部の平面図。

【図６】本考案の高低温表示部の別例（第三実施例）の
断面図。

【図７】本考案の表示部の別例（第四実施例）の平面
図。

【符号の説明】

１、１ａ容器体２，２ａ蓋体３蒸気結抜き機構３１凹部３２軸体３３蒸気孔３４連通孔３５回転摘４，４ａ表示部４１指示印４２日付目盛４３，４３ａ，４３ｂ低温表示部４４Ａ，４４ａ，４４ｂ高温表示部５係止部５１係止突起５２係止板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】合成樹脂製の容器体並びに蓋体とで構成
され、蓋体の上面の外周近傍に蒸気孔を形成した回転摘
形式の蒸気抜き機構を付設した食品用保存容器に於い
て、前記回転摘の外周囲部分に蒸気孔が閉塞される範囲
内で日付目盛を表示すると共に、目盛り近傍に、高低変
色温度の相違する複数の可逆性熱変色部材を用いて形成
した所定温度以下の状態を表示する低温表示部及び所定
温度以上の状態を表示する高温表示部とを備えたことを
特徴とする食品用保存容器。
【請求項２】請求項第１項記載の食品用保存容器に於
いて、低温表示部は日付目盛と対応して形成し、高温表
示部は蒸気孔の外周側に形成したことを特徴とする食品
用保存容器。
【請求項３】請求項第１項又は第２項記載の食品用保
存容器に於いて、低温表示部は、所定の低温変色点温度
以下で寒色色彩が現出して表示し、高温表示部は所定の
高温変色点温度以上で暖色系色彩が現出して表示するこ
とを特徴とする食品用保存容器。
【請求項４】請求項第３項記載の食品用保存容器に於
いて、低温表示部は、所定の低温変色点以下で寒色系色
彩が現出し、低温変色点温度以上で透明となる熱変色部
材を使用して形成し、高温表示部は、暖色系色彩の表示
面の上に高温変色点温度以上で透明となる蓋体ベース色
の熱変色部材を塗布して形成したことを特徴とする食品
用保存容器。
【請求項５】請求項第３項又は第４項記載の食品用保
存容器に於いて、低温表示部及び高温表示部を文字表示
としたことを特徴とする食品用保存容器。
【請求項６】請求項第１項記載の食品用保存容器に於
いて、低温表示部及び高温表示部の一方若しくは両方
が、その表示が消去することで温度状態を表示すること
を特徴とする食品用保存容器。
【請求項７】請求項第１項記載の食品用保存容器に於
いて、低温表示部及び高温表示部の何れか一方若しくは
両方の表示色が所定の高低変色温度で表示色が変化して
温度状態を表示することを特徴とする食品用保存容器。
【請求項８】請求項第７項記載の食品用保存容器に於
いて、暖色系色彩塗料を塗布して形成した高温表示部の
上面に、高温変色温度以上で透明となる中間色系色彩塗
料を塗布して常温表示部を積層し、更に常温表示部の上
面に、低温変色温度以上で透明となる寒色系色彩の塗料
を塗布して低温表示部を積層形成したことを特徴とする
食品用保存容器。
【請求項９】請求項第２項記載の食品用保存容器に於
いて、低温表示部及び高温表示部の何れか一方若しくは
両方の表示色が所定の高低変色温度で表示色が変化して
温度状態を表示することを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１０】請求項第７項又は第９項記載の食品用
保存容器に於いて、低温表示部と日付目盛とを兼ねさせ
たことを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１１】請求項第８項記載の食品用保存容器に
於いて、積層した各表示部と日付目盛とを兼ねさせたこ
とを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１２】合成樹脂製の容器体並びに蓋体とで構成
され、蓋体の上面に蒸気孔を形成した回転摘形式の蒸気
抜き機構を付設すると共に、容器体と蓋体との何れかに
両方の端面部分を枢結して他方に掛止する煽り板状掛止
部材を備えて密閉構造とした食品用保存容器に於いて、
前記回転摘の外周囲部分に蒸気孔が閉塞される範囲内で
日付目盛を表示すると共に、目盛り近傍に、高低変色温
度の相違する複数の可逆性熱変色部材を用いて形成した
所定温度以下の状態を表示する低温表示部及び所定温度
以上の状態を表示する高温表示部とを備えたことを特徴
とする食品用保存容器。
【請求項１３】請求項第１２項記載の食品用保存容器
に於いて、低温表示部は日付目盛と対応して形成し、高
温表示部は蒸気孔の外周側に形成したことを特徴とする
食品用保存容器。
【請求項１４】請求項第１２項又は第１３項記載の食
品用保存容器に於いて、低温表示部は、所定の低温変色
点温度以下で寒色色彩が現出して表示し、高温表示部は
所定の高温変色点温度以上で暖色系色彩が現出して表示
することを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１５】請求項第１４項記載の食品用保存容器
に於いて、低温表示部は、所定の低温変色点以下で寒色
系色彩が現出し、低温変色点温度以上で透明となる熱変
色部材を使用して形成し、高温表示部は、暖色系色彩の
表示面の上に高温変色点温度以上で透明となる蓋体ベー
ス色の熱変色部材を塗布して形成したことを特徴とする
食品用保存容器。
【請求項１６】請求項第１３項又は第１４項記載の食
品用保存容器に於いて、低温表示部及び高温表示部を文
字表示としたことを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１７】請求項第１２項記載の食品用保存容器
に於いて、低温表示部及び高温表示部の一方若しくは両
方が、その表示が消去することで温度状態を表示するこ
とを特徴とする食品用保存容器。
【請求項１８】請求項第１２項記載の食品用保存容器
に於いて、低温表示部及び高温表示部の何れか一方若し
くは両方の表示色が所定の高低変色温度で表示色が変化
して温度状態を表示することを特徴とする食品用保存容
器。
【請求項１９】請求項第１８項記載の食品用保存容器
に於いて、暖色系色彩塗料を塗布して形成した高温表示
部の上面に、高温変色温度以上で透明となる中間色系色
彩塗料を塗布して常温表示部を積層し、更に常温表示部
の上面に、低温変色温度以上で透明となる寒色系色彩の
塗料を塗布して低温表示部を積層形成したことを特徴と
する食品用保存容器。
【請求項２０】請求項第１３項記載の食品用保存容器
に於いて、低温表示部及び高温表示部の何れか一方若し
くは両方の表示色が所定の高低変色温度で表示色が変化
して温度状態を表示することを特徴とする食品用保存容
器。
【請求項２１】請求項第１８項又は第２０項記載の食
品用保存容器に於いて、低温表示部と日付目盛とを兼ね
させたことを特徴とする食品用保存容器。
【請求項２２】請求項第１９項記載の食品用保存容器
に於いて、積層した各表示部と日付目盛とを兼ねさせた
ことを特徴とする食品用保存容器。