JPH072442Y2 - 食品の真空密閉保存容器の逆止弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として家庭における食品の冷蔵用真空密閉
保存容器及び常温で弁当箱などとして使用する真空密閉
保存容器の蓋に設ける逆止弁に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の真空密閉容器に用いられる逆止弁は、こ
の逆止弁上に真空ポンプの吸引部をかぶせて前記容器内
部の空気を吸引して真空密閉するために、前記容器の蓋
の通気孔上に設けられており、この逆止弁の傘形密封部
の中央下方には、途中に突起を有する軸部が形成され、
前記蓋の開口に挿入して外れないように、傘形密封部と
軸部がゴム又はゴム状弾性体で一体成形されている。

また、逆止弁として、実公昭58-22938号公報および実公
昭58-9887号公報記載のものが公知であるが、何れも傘
形密封部と軸部がゴム又はゴム状弾性体にて一体成形さ
れたものである。

（考案が解決しようとする課題） 食品の保存容器に使用する逆止弁としては、食品を扱う
のであるから逆止弁の内面及びそれに対応する蓋の面を
洗う必要がある。ところが、前記の如く傘形密封部と軸
部を一体成形した逆止弁を容器の蓋に嵌着するようにし
た場合には、逆止弁の内面及びそれに対応する蓋の面を
清潔に洗うことが困難であり、従って不衛生である。

かかる点を解決し得る逆止弁を提供することが本考案の
目的である。

（課題を解決するための手段） 本考案の要旨とするところは、食品の真空密閉保存容器
の蓋５に穿設した通気孔３を閉塞する如く、ゴム又はゴ
ム状弾性体にて形成された逆止弁傘形密封部１をかぶ
せ、該傘形密封部１の内側中央に構成した嵌合孔1aに蓋
５の開口部４の裏側より無理に挿入した硬質樹脂製の逆
止弁ストッパー２の頭部2aを無理嵌めして一体となし、
該傘形密封部１の周縁1cが蓋５の面に気密に接する如く
したことを特徴とする食品の真空密閉保存容器の逆止弁
にある。

本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

第１図は本考案の逆止弁を嵌着した真空密閉保存容器の
断面を示す説明図である。

第２図は本考案の逆止弁を蓋の開口に嵌着した状態の断
面を示す説明図である。

第１図において１は逆止弁の傘形密封部であり、２は逆
止弁のストッパーである。３は蓋に穿設された数個の通
気孔であり、４は蓋５に設けられた開口である。

６は蓋５の周縁に設けられたパッキンケースであり、８
はパッキンケース内に嵌入されたパッキンで、容器本体
７の上端面に均一に当接するようにかつ無端状に構成さ
れ、ゴム又はゴム状弾性体にてつくられている。

９は容器本体７（図示の実施例では角型容器）の長辺側
の両側に設けられた掛けがねであり、10は蓋５に設けら
れた受けレバーである。

次に逆止弁について第２図に基づいて詳述する。

逆止弁はゴム又はゴム状弾性体でつくられた傘形密封部
１と硬質樹脂製のストッパー２とからなり、これらは別
々に成形されたもので、以下に述べる如く両者は無理嵌
めにより一体化されている。

傘形密封部１は傘状に形成されており、内側中央に嵌合
孔1aを有し、その入口内径は、ストッパー２の拡径頭部
2aが無理嵌めされるように該頭部2aの直径よりも若干小
さく成形されている。また密封部１は傘の周辺に当る部
分に切欠部1bを有する。３は切欠部1bに対向して蓋５に
設けられた通気孔である。傘形密封部１の周縁先端1cは
蓋５の面に気密に接触する如く構成される。

ストッパー２の軸2bの直径は蓋５の開口４の直径より小
さくなっており、従って軸２は開口４内を遊動自在であ
る。軸2bの下方には開口４より大きな直径を有する円板
2cが形成されている。

またストッパー２の拡径頭部2aの直径は蓋５の開口４の
それよりやや大きく形成されており、頭部2aを蓋５の裏
側より開口４に無理嵌めの状態で挿入する。従って、逆
止弁の傘形密封部１を取り外して洗う際にストッパー２
が蓋５から容易には外れない。

さらに挿入したストッパー２の拡径頭部2aに傘形密封部
１の嵌合孔1aを無理嵌めして一体化すれば逆止弁が形成
され、傘の周縁先端1cが蓋５の面に押圧状態で気密に接
触する構成となる。

本考案の逆止弁は以上の如き構成を有するから、食品の
真空密閉容器にこれを装着した場合に、以下に述べるよ
うに、食品の真空密閉容器としての機能を遺憾無く発揮
することができる。

加熱調理（殺菌）直後の食品を、この容器に充填して掛
けがねを係合させて密閉し、内容食品が冷却されると容
器内は真空となり、さらにこれを冷蔵すればさらに真空
度は強くなり密閉されて食品は安定して保存される。

また冷えた食品でも充填したのち、掛けがねを係合させ
て密閉し、これを冷蔵すればある程度の真空となり密閉
されて短期間の保存には充分である。

内容食品を取り出すときは逆止弁のつまみ1eを持ち上げ
て外気を流入すればよい。

また電子レンジで再加熱するときは逆止弁は安全弁とし
て働き、蓋をしたままの状態で加熱することができるか
ら均一にしかも速かに内容食品を加熱することができ
る。

（考案の効果） 前記のように本考案の逆止弁は傘形密封部とストッパー
に分けて構成し無理嵌めして一体化されているので、下
記の如き実用的効果を奏する。

傘形密封部を軸部より取り外すことができるので傘形密
封部内面およびそれに対応する蓋の面を清潔に洗うこと
ができ、その際軸部は蓋から外れない構成になっている
から、軸部の紛失のおそれがなく、家庭生活上極めて有
用である。

また軸部が軟質材で一体成形されていると蓋の開口に軸
がひっかかって自在に遊動せず逆止弁の機能を果さない
場合があるが、本考案では軸部が硬質材であるので、前
記の如き難点がなくなり、逆止弁としての機能を十分発
揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は真空密閉保存容器の断面を示す説明図、第２図
は本考案の逆止弁の説明図である。 １……逆止弁傘形密封部、２……逆止弁ストッパー、３
……通気孔、４……開口、５……蓋、６……パッキンケ
ース、７……容器本体、８……パッキン、９……掛けが
ね、10……受けレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食品の真空密閉保存容器の蓋５に穿設した
   通気孔３を閉塞する如く、ゴム又はゴム状弾性体にて形
   成された逆止弁傘形密封部１をかぶせ、該傘形密封部１
   の内側中央に構成した嵌合孔1aに蓋５の開口部４の裏側
   より無理に挿入した硬質樹脂製の逆止弁ストッパー２の
   頭部2aを無理嵌めして一体となし、該傘形密封部１の周
   縁1cが蓋５の面に気密に接する如くしたことを特徴とす
   る食品の真空密閉保存容器の逆止弁。