JP2991943B2 - 被削性に優れた強靱鋼 - Google Patents

被削性に優れた強靱鋼

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JP2991943B2 JP7013314A JP1331495A JP2991943B2 JP 2991943 B2 JP2991943 B2 JP 2991943B2 JP 7013314 A JP7013314 A JP 7013314A JP 1331495 A JP1331495 A JP 1331495A JP 2991943 B2 JP2991943 B2 JP 2991943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被削性に優れた強靱鋼
に関する。更に詳しくは、油圧ショベルの油圧ブレーカ
内部に組み込まれるピストンなど、土木建設機械に使用
される各種ピストン用鋼材として好適な切り粉特性に優
れた強靱鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルの油圧ブレーカ内部に組み
込まれる図1に示すようなピストンを始めとして、土木
建設機械に使用される各種のピストン類はチゼルなどと
激しく衝突するため、強度(硬さ)と靱性が共に必要と
される。すなわちピストン1は、チゼルなどの極めて硬
い部品と衝突することにより所謂「へたり」を生じ、そ
れによる「かえり」2のため滑らかな動きを妨げられる
こととなるので、上記の「へたり」による「かえり」2
を防止するための硬さを要求される。しかしながら硬い
ばかりであると靱性が低くなるため、衝突時の激しい衝
撃に耐えきれずに割れ3が起こるという問題が生じるの
で、靱性が同時に要求されることとなる。
【0003】そこで従来、前記ピストン類には強度(硬
さ)と靱性の両方を具備させるために、この両者に優れ
るSNC631鋼(JIS G 4102(1979))やSNCM42
0鋼(JIS G 4103(1979))などをベースに成分改良を行
ったNi添加系の鋼が用いられてきた。
【0004】ところが多量のNi添加は被削性、特に、
切り粉特性を極めて劣化させるため、前記の従来鋼を用
いた場合には切り粉が長くなって巻き付いてしまうの
で、切削機械加工の途中で巻き付いた切り粉を取り除か
ねばならず、NC旋盤を使った自動化が困難となって作
業性の低下とコストアップを招くこととなっていた。
【0005】そのため産業界からは、土木建設機械用の
各種ピストン用の素材として、良好な切り粉特性を得る
ためにNiを多量に含有すること無く、しかもNi添加
系の鋼と同等以上の強度(硬さ)と靱性を有し、かつ廉
価な鋼の開発が待望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、油圧
ショベルの油圧ブレーカ内部に組み込まれるピストンな
ど、土木建設機械に使用される各種ピストン用鋼材とし
て好適な被削性、特に、切り粉特性に優れた強靱鋼を廉
価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
達成するため検討を重ねた結果、下記(a)〜(d)の
知見を得た。
【0008】(a)ピストン中心部の硬さがHR Cで4
0.0以上であれば、チゼルなどの極めて硬い部品と衝
突した場合でもピストンにおける「へたり」は極めて発
生し難くなり、したがって、「かえり」の問題が解消さ
れて滑らかなピストンの動きが達成できること。
【0009】(b)実機に組み込んだ予備テストの結
果、ピストンが使用中の衝撃に充分耐えて割れを生じな
いためには、図1の径の細い部分であるa部においてピ
ストンの中心からR/2部位置(ここでRはピストンの
a部における半径、以下a部におけるピストンの中心か
らR/2部のことを単にピストンのR/2部という。ま
た中心からR/2部のことを単にR/2部という。)に
おける靱性としてJIS3号試験片での常温における衝
撃値が38.0J/cm2 以上あればよいこと。
【0010】(c)多量のNiを添加せずとも、適正量
のCr、MoおよびVを複合添加することにより、強度
(硬さ)と靱性が著しく向上し、Ni添加鋼と同等以上
の強靱性が得られ、しかもNi添加鋼に比べて切り粉特
性は極めて良好であること。
【0011】(d)強度と靱性に関しては、下記のfn
1で整理でき、この値が2.0%以上の場合に上記の
(a)と(b)に示した所定の硬さと靱性が得られるこ
と。
【0012】fn1=(2/3) %Cr +(4/5) %Mo +2 %V 但し、 %Cr はCr含有量の重量%を意味し、 %Mo お
よび %V についても同様である。
【0013】上記知見に基づく本発明は下記(1)〜
(4)に示す化学組成を有する靱性に優れた窒化用鋼を
要旨とする。
【0014】(1)重量%で、C:0.25〜0.45
%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.35〜
2.00%、Cr:1.00〜4.00%、Mo:0.
50〜1.50%、V:0.05〜0.50%、Ni:
0.50%以下、B:0.0100%以下、N:0.0
030〜0.02%を含有し、残部はFeおよび不可避
不純物からなり、かつ、前記fn1の値が2.0〜5.
0%である被削性に優れた強靭鋼。
【0015】(2)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.005〜0.050%のNb、0.
01〜0.10%のTiおよび0.010〜0.100
%のAlのうちの1種以上を含有し、かつ、前記fn1
の値が2.0〜5.0%である被削性に優れた強靱鋼。
【0016】(3)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.005〜0.100%のS、0.0
1〜0.30%のPb、0.005〜0.100%のT
e、0.01〜0.30%のBiおよび0.0005〜
0.0100%のCaのうちの1種以上を含有し、か
つ、前記fn1の値が2.0〜5.0%である被削性に
優れた強靱鋼。
【0017】(4)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.005〜0.050%のNb、0.
01〜0.10%のTiおよび0.010〜0.100
%のAlのうちの1種以上、並びに0.005〜0.1
00%のS、0.01〜0.30%のPb、0.005
〜0.100%のTe、0.01〜0.30%のBiお
よび0.0005〜0.0100%のCaのうちの1種
以上を含有し、かつ、前記fn1の値が2.0〜5.0
%である被削性に優れた強靱鋼。
【0018】
【作用】以下に、本発明における鋼の化学組成を上記の
ように限定する理由について説明する。なお、「%」は
「重量%」を意味する。
【0019】C:Cは所望の強度(硬さ)を確保するの
に有効な元素であるが、反面靱性を低下させる元素でも
ある。ピストン中心部における硬さを確保して「へた
り」による「かえり」を抑制することでピストンの滑ら
かな動きを達成し、かつピストンのR/2部靱性の確保
により激しい衝撃を吸収して耐割れ性を向上させるため
には、硬さと靱性のバランスが必要で、最低限の硬さ
(ピストン中心部の硬さがHRCで40.0以上)を得
るためには、Cを0.25%以上含有させることが必要
である。一方、0.45%を超えて含有させると靱性が
著しく低下し、所定の靱性(ピストンのR/2部靱性と
してJIS3号試験片での常温における衝撃値が38.
0J/cm2 以上)を得ることができない。従って、C
の含有量は、0.25〜0.45%とした。
【0020】Si:Siは鋼の脱酸に必要であるととも
に、所定の強度(硬さ)を付与するのに必要な元素であ
る。しかし、その含有量が0.05%未満では所望の効
果が得られず、1.00%を超えると靱性が著しく劣化
するようになり所定の靱性を確保できないので、その含
有量を0.05〜1.00%とした。
【0021】Mn:Mnは脱酸に必要であるとともに、
焼入れ性を高めて硬さと靱性を向上させる作用がある。
しかし、その含有量が0.35%未満では所望の効果が
得られず、2.00%を超えるとかえって靱性が劣化
し、所望の靱性が得られないので、その含有量を0.3
5〜2.00%とした。
【0022】Cr:Crは焼入れ性を高めて硬さと靱性
を向上させる作用を有している。その作用は特に、Mo
およびVとの複合添加で大きく発揮され、Ni添加鋼と
同等以上の強靱性が得られる。しかし、その含有量が
1.00%未満では所望の効果が得られず、4.00%
を超えて含有してもその効果は飽和し経済性を損なうこ
とになるので、その含有量を1.00〜4.00%とし
た。
【0023】Mo:Moは焼入れ性を高めて硬さと靱性
の向上に極めて有効な元素である。特に、CrおよびV
との複合添加でその効果が著しく、Ni添加鋼と同等以
上の強靱性が得られる。しかし、その含有量が0.50
%未満では所望の効果が得られず、一方1.50%を超
えて含有してもその効果は飽和し、コストのみが上昇す
ることになるので、その含有量を0.50〜1.50%
とした。
【0024】V:Vは焼戻し軟化抵抗を高めて硬さを向
上させる作用に加えて、特に、CrおよびMoとの複合
添加で硬さと靱性を著しく向上させ、Ni添加鋼と同等
以上の強靱性を鋼に付与する作用を有する。しかし、そ
の含有量が0.05%未満では所望の効果が得られず、
一方0.50%を超えるとV炭窒化物が凝集粗大化し、
かえって靱性の低下をきたし耐割れ性を劣化させること
となるので、その含有量を0.05〜0.50%とし
た。
【0025】Ni:Niは添加しなくても良い。添加す
れば強度と靱性を向上させる効果がある。
【0026】この効果を確実に得るには、Niは0.1
0%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その
含有量が0.50%を超えると被削性、就中、切り粉特
性が極めて劣化し、本発明の所期の目的を達成できなく
なってしまう。従って、Niの含有量は0.50%以下
とする必要がある。
【0027】B:Bも添加しなくても良い。添加すれば
焼入れ性が向上する効果がある。この効果を確実に得る
には、Bは0.0005%以上の含有量とすることが望
ましい。
【0028】しかし、その含有量が0.0100%を超
えると、熱間加工性が低下する。従って、B含有量の上
限を0.0100%とした。
【0029】N: Nは、含有させれば窒化物を形成して結晶粒を微細にし
靭性を向上させる効果を有する。この靭性向上に対する
効果を確実に得るには、Nは0.0030%以上の含有
量とすることが望ましい。しかし、その含有量が0.0
2%を超えると窒化物が凝集し、結晶粒が逆に粗大化し
て靭性を劣化させることとなるので、N含有量の上限を
0.02%とした。
【0030】fn1:適正量のCr、MoおよびVを複
合添加することにより、強度(硬さ)と靱性が著しく向
上し、Ni添加鋼と同等以上の強靱性が得られる。既に
述べたように%X を元素Xの含有量とした時、強度と靱
性は、fn1=(2/3) %Cr +(4/5) %Mo+2 %V の値で整
理でき、前記fn1の値が2.0%未満の場合には良好
な強度と靱性とを兼備することができない。すなわち、
ピストン中心部の硬さがHR Cで40.0以上、かつピ
ストンのR/2部靱性としてJIS3号試験片での常温
における衝撃値が38.0J/cm2 以上という所望の
硬さと靱性を兼備できない。一方、この値が5.0%を
超えると強靱性兼備の効果は飽和し、経済性が損なわれ
るようになる。従って、fn1の値は2.0〜5.0%
とした。
【0031】本発明の被削性に優れた強靱鋼には、上記
の成分に加えて、更にNb、Ti、Alのうちの1種以
上および/またはS、Pb、Te、Bi、Caのうちの
1種以上を含んでいても良い。これらの合金元素の作用
効果と望ましい含有量は下記の通りである。
【0032】Nb、TiおよびAl:Nb、Tiおよび
Alは結晶粒を微細化し、靱性を向上させる効果を有す
る。
【0033】従って、Nb、TiおよびAlは必要に応
じて添加しても良い。しかし、Nbの場合には、0.0
05%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.0
50%を超えて含有すると靱性の低下をきたして耐割れ
性の劣化を招く。一方、Tiの場合には、0.01%未
満の含有量では所望の効果が得られず、0.10%を超
えて含有するとかえって結晶粒が粗大化し靱性の低下を
きたして耐割れ性の劣化を招く。更に、Alの場合に
も、0.010%未満の含有量では所望の効果が得られ
ず、0.100%を超えて含有するとかえって結晶粒が
粗大化し靱性の低下をきたして耐割れ性の劣化を招く。
従って、これらの合金元素を1種以上添加する場合に
は、Nb:0.005〜0.050%、Ti:0.01
〜0.10%、Al:0.010〜0.100%の含有
量とするのが良い。
【0034】S、Pb、Te、BiおよびCa:S、P
b、Te、BiおよびCaには被削性、とりわけ工具寿
命を向上する作用がある。従って、S、Pb、Te、B
iおよびCaは必要に応じて添加しても良い。但し、S
の場合には0.005%未満の含有量では所望の効果が
得られず、0.100%を超えて含有すると靱性の著し
い低下をきたす。また、Pbの場合には、0.01%未
満の含有量では所望の効果が得られず、0.30%を超
えて含有すると靱性の低下をきたす。Teの場合には
0.005%未満の含有量では所望の効果が得られず、
0.100%を超えて含有すると熱間加工性が劣化す
る。一方、Biの場合は、0.01%未満の含有量では
所望の効果が得られず、0.30%を超えて含有すると
靱性が劣化する。更に、Caの場合にも、0.0005
%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.010
0%を超えて含有すると靱性の低下をきたす。従って、
これらの合金元素を1種以上添加する場合は、S:0.
005〜0.100%、Pb:0.01〜0.30%、
Te:0.005〜0.100%、Bi:0.01〜
0.30%およびCa:0.0005〜0.0100%
の含有量とするのが良い。
【0035】上記の化学組成を有する鋼は通常の方法で
溶製された後、例えば、熱間で圧延または鍛造され、そ
の後必要に応じて焼準され、しかる後に通常の方法で調
質処理され、所望のピストン形状に加工される。この
後、一般には、耐摩耗性付与のために通常の方法で窒化
処理を施される。なお、調質処理において焼入れは90
0〜950℃程度の温度に加熱後水や油で冷却すれば良
く、焼戻しはAc1変態点以下の温度で、窒化処理などの
最終の熱処理を受けた後で所望のピストン中心部の硬さ
とピストンのR/2部靱性の得られるような温度範囲、
例えば500〜550℃程度の温度で行えば良い。焼戻
し後の冷却は加速冷却や放冷など適当な方法を選択すれ
ば良い。更に、窒化処理は520〜540℃程度の温度
で行えば良い。
【0036】
【実施例】
(実施例1)表1、2に示す化学組成を有する鋼を通常
の方法により3トン試験炉を用いて溶製した。表1にお
ける鋼1〜15は本発明鋼、表2における鋼16〜33
は成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から
外れた比較鋼である。なお表2における比較鋼のうち鋼
32および鋼33が従来鋼に相当するものである。
【0037】次いで、これらの本発明鋼および比較鋼を
通常の方法によって150mmφに圧延し、その後これ
らの供試鋼材から強靱性調査用に直径が130mmφで
長さが1000mmの熱処理素材を加工し、930℃で
2時間加熱して水焼入れを行い次いで530℃で5時間
の焼戻しを行って空冷する調質処理を施した。更にこの
後、530℃で60時間の窒化処理を行い、空冷処理し
た。
【0038】こうして得られた窒化処理後の130mm
φの鋼材の中心部位置から硬さ試験片を、またR/2部
位置からJIS3号シャルピー衝撃試験片を切り出し、
常温での中心部硬さとR/2部靱性を調査した。その結
果を表3、4に示す。
【0039】一方、150mmφの圧延材を500mm
長さに切断し旋盤での被削性調査に供した。すなわち、
イゲタロイST40E(商品名)の超硬工具を使用し、
湿式潤滑を用いて、切削速度100m/min、送り
0.2mm/rev、切り込み1.5mmの条件で旋盤
による切削加工を行い、被削性(切り粉の巻き付き状
況)を調査した。被削性調査結果を表3、4に併せて示
す。なお、切り粉の巻き付きが2巻以下で、切削の途中
で自然に切れて被加工材から外れるため旋盤切削加工の
自動化が可能と判断されるものについて評価を○とし、
切り粉の巻き付きが2巻を超え、切削の途中で自然に被
加工材から外れないものについては評価を×とした。
【0040】本発明鋼である鋼1〜15はいずれも良好
な常温での中心部硬さ(HR Cで40.0以上)とR/
2部靱性(38.0J/cm2 以上)並びに良好な切り
粉特性を有することが明らかである(表3参照)。
【0041】これに対して、成分のいずれかが本発明で
規定する含有量の範囲から外れた比較鋼である鋼16〜
33では、常温での中心部硬さとR/2部靱性のいずれ
かまたは両方において前記の値を満足しないか、切り粉
特性が悪い(表4参照)。
【0042】(実施例2)前記の表1および表2に記載
した鋼2(本発明鋼)、鋼16および17(比較鋼)を
素材として通常の方法で油圧ショベルの油圧ブレーカ用
ピストン(サイズは、図1のa部径:120mmφ、b
部径:140mmφ、長さ:500mm)を各鋼種5個
ずつ製作し、実機に組み込んで100時間のフィールド
テストを行った。なお、調質処理および窒化処理は前記
の実施例1における処理と同一とした。
【0043】実機によるフィールドテストの結果、本発
明鋼である鋼2を用いたピストンはいずれも耐へたり
性、耐割れ性とも問題はなく、100時間の実機使用後
も健全な状態であった。他方、比較鋼である鋼16およ
び17を用いたピストンは耐へたり性と耐割れ性のいず
れかまたは両方に問題があり、全て100時間に達する
前に「へたり」による「かえり」や割れが生じ、製品寿
命は短いものであった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、油圧ショベルの油圧ブ
レーカ内部に組み込まれるピストンなど、土木建設機械
に使用される各種ピストン用鋼材に好適な切り粉特性に
優れた強靱鋼を廉価に得ることが可能で、産業上の効果
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの油圧ブレーカ内部に組み込まれ
たピストンに生じる「へたり」による「かえり」および
割れの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1:ピストン、2:「へたり」による「かえり」、3:
割れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 雅紀 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地住 友金属工業株式会社小倉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−202441(JP,A) 特開 平6−184694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.25〜0.45%、S
    i:0.05〜1.00%、Mn:0.35〜2.00
    %、Cr:1.00〜4.00%、Mo:0.50〜
    1.50%、V:0.05〜0.50%、Ni:0.5
    0%以下、B:0.0100%以下、N:0.0030
    〜0.02%以下を含有し、残部はFeおよび不可避不
    純物からなり、かつ、下記fn1の値が2.0〜5.0
    %である被削性に優れた強靭鋼。 fn1=(2/3)[%Cr]+(4/5)[%Mo]+2[%V] 但し、[%X]は元素Xの重量%である。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.005〜0.050%のNb、0.01〜
    0.10%のTiおよび0.010〜0.100%のA
    lのうちの1種以上を含有し、かつ、下記fn1の値が
    2.0〜5.0%である被削性に優れた強靱鋼。 fn1=(2/3) %Cr +(4/5) %Mo +2 %V 但し、 %X は元素Xの重量%である。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.005〜0.100%のS、0.01〜0.
    30%のPb、0.005〜0.100%のTe、0.
    01〜0.30%のBiおよび0.0005〜0.01
    00%のCaのうちの1種以上を含有し、かつ、下記f
    n1の値が2.0〜5.0%である被削性に優れた強靱
    鋼。 fn1=(2/3) %Cr +(4/5) %Mo +2 %V 但し、 %X は元素Xの重量%である。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.005〜0.050%のNb、0.01〜
    0.10%のTiおよび0.010〜0.100%のA
    lのうちの1種以上、並びに0.005〜0.100%
    のS、0.01〜0.30%のPb、0.005〜0.
    100%のTe、0.01〜0.30%のBiおよび
    0.0005〜0.0100%のCaのうちの1種以上
    を含有し、かつ、下記fn1の値が2.0〜5.0%で
    ある被削性に優れた強靱鋼。 fn1=(2/3) %Cr +(4/5) %Mo +2 %V 但し、 %X は元素Xの重量%である。
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