JP2968460B2 - X線分析方法 - Google Patents

X線分析方法

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JP2968460B2
JP2968460B2 JP7195944A JP19594495A JP2968460B2 JP 2968460 B2 JP2968460 B2 JP 2968460B2 JP 7195944 A JP7195944 A JP 7195944A JP 19594495 A JP19594495 A JP 19594495A JP 2968460 B2 JP2968460 B2 JP 2968460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料の2次元的な濃
度や膜厚の分布を分析するX線分析方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の第1のX線分析方法として、試料
の2次元的な濃度や膜厚の分布を分析するために、試料
における多数の疎らな微小部分に、絞った1次X線を照
射し、各微小部分から発生する蛍光X線を測定する方法
がある。この方法では、多数の微小部分を測定するのに
時間を要し、また、絞られた1次X線を用いるので発生
する蛍光X線の強度が不十分となり、さらに測定されな
い部分もあるので、正確な分析ができない。
【0003】この他に、従来の第2のX線分析方法とし
て、特開平7−72101号公報掲載の蛍光X線分析方
法がある。この方法は、図10(a)に示すように、ま
ず、ライン状のX線源1から発生させた1次X線B1を
ラインフォーカス用のコリメータ2を通過させ、試料3
にライン状に1次X線B1を照射するとともに、試料3
における1次X線の照射位置3cを変化させて、図10
(b)に示すような互いに平行な多数のライン状部分3
cについて蛍光X線B2の強度をX線検出器4により測
定して、その強度をライン方向Sに投影した投影データ
を求める。更に、図10(c),(d)に示すように、
投影データをラインの長手方向Sが異なる複数の方向に
ついて求める。そして、上記複数の方向についての蛍光
X線B2の投影データに基づいて、たとえば画像処理に
より、2次元的な多数の点状部分についての元素の濃度
分布等を求めるものである。この方法では、ある長手方
向Sについての投影データを求めるのに、多数のライン
状部分3cについて蛍光X線B2の強度を測定する必要
があるので、分析全体としてやはり時間を要する。
【0004】そこで、従来の第3のX線分析方法とし
て、図11に示すように、CCDカメラやイメージング
プレート等の2次元情報の得られる検出手段13を用い
る方法が考えられる。この方法は、X線源5から発生さ
せた1次X線6を、試料台7に固定された試料3に照射
し、試料3から発生した蛍光X線8を分光前ソーラスリ
ット9を通過させて平行なX線ビームとし、分光素子1
0で所望の分析すべき蛍光X線11のみを回折させ、分
光後ソーラスリット12を通過させて平行なX線ビーム
とし、2次元情報の得られる検出手段13でその強度を
測定する。なお、分光前および分光後ソーラスリット
9,12は、その入射端面を図5に示すように、従来よ
りある、多数の平板14を平行に並べてボディ37に収
め、平板14の間(単位ライン状スリット)15に2次
X線8,11を通過させる平行板型ソーラスリット9,
12である。
【0005】ここで、たとえば図11の試料3の座標X
1 −Y1 における濃度分布が図12(a)のようであっ
たとする。図11において、Y1 の下の丸の中に×を描
いた印は、Y1 軸が紙面に垂直で向こう向きであること
を示し、図12(a)において、円の中に黒い三角形を
描いたのは、図11の試料3における1次X線6の照射
面が円であり、その中で分析しようとする元素が三角形
状に分布していることを示す。すなわち、図12(a)
に示す試料3の三角形状の部分から蛍光X線8(図1
1)が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、その蛍光X
線8が通過する分光前ソーラスリット9は、前述したよ
うに、図5に示すような単位ライン状スリット15を積
み重ねた構造であるため、ラインの長手方向(Y1 ,Y
2 方向)には、入射した蛍光X線8(図11)を分解せ
ず、その強度が均一化してしまい、その結果、分光素子
10の座標X2 −Y2 に投影される蛍光X線8の強度分
布は、図12(b)に示すように、Y2 方向には均一
で、X2 方向にのみ濃淡のついた(X2 の正方向ほど強
度が高いので濃く描く)ものとなる。図11において、
分光素子10で所望の分析すべき蛍光X線11のみを回
折させて、分光後ソーラスリット12を通過させても、
図12(b)に示す分布は維持されるので、結局、2次
元情報の得られる検出手段13に入射し検出される蛍光
X線11の強度分布は、座標X3 −Y3 において図12
(c)に示すものとなる。すなわち、2次元情報の得ら
れる検出手段13を用いても、実質X3 方向の1次元情
報しか得られない。この問題は、濃度分布に限らず、膜
厚等の分布についても同様に生じる。
【0007】そこで本発明は、試料の2次元的な濃度や
膜厚の分布を、短時間に正確に分析できるX線分析方法
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
に、請求項1 のX線分析方法は、まず、試料から発生し
た2次X線を、軸方向に延びる多数の細長い筒状の通路
を束ねた分光前キャピラリー型ソーラスリットに入射さ
せ、その分光前キャピラリー型ソーラスリットを通過し
た2次X線を分光素子に入射させて回折させる。そし
て、その回折した2次X線を、軸方向に延びる多数の細
長い筒状の通路を束ねた分光後キャピラリー型ソーラス
リットに入射させ、その分光後キャピラリー型ソーラス
リットを通過した2次X線を2次元情報の得られる検出
手段に入射させ、その検出手段での検出結果に基づい
て、試料表面について2次元的な分析を行う。ここで、
前記分光前および分光後キャピラリー型ソーラスリット
の少なくとも一方と直列に、多数の平板を平行に並べて
この間に2次X線を通過させる平行板型ソーラスリット
を配置して、分光前および分光後組合せスリットの少な
くとも一方を構成し、必要に応じて、前記少なくとも一
方のキャピラリー型ソーラスリットを、前記平行板型ソ
ーラスリットを通過する2次X線の通路外に退避させ
る。
【0011】請求項のX線分析方法は、請求項にお
いて、前記少なくとも一方のキャピラリー型ソーラスリ
ットを、平行板型ソーラスリットの前後双方に配置す
る。
【0012】請求項のX線分析方法は、請求項また
において、前記分光前組合せスリットまたは前記分
光前キャピラリー型ソーラスリットにおける2次X線の
入射面および出射面が、それぞれ前記試料表面および分
光素子表面と平行であり、前記分光後組合せスリットま
たは前記分光後キャピラリー型ソーラスリットにおける
2次X線の入射面および出射面が、それぞれ前記分光素
子表面および検出手段における2次X線の入射面と平行
である。
【0013】請求項のX線分析方法は、まず、試料か
ら発生した2次X線を、多数の平板を平行に並べた分光
前平行板型ソーラスリットに入射させ、その分光前平行
板型ソーラスリットを通過した2次X線を分光素子に入
射させて回折させる。そして、その回折した2次X線
を、多数の平板を平行に並べた分光後平行板型ソーラス
リットに入射させ、その分光後平行板型ソーラスリット
を通過した2次X線を2次元情報の得られる検出手段に
入射させ、試料をその表面に垂直な軸まわりに回転させ
て得られる前記検出手段からの複数の検出結果に基づい
て、試料表面について2次元的な分析を行う。
【0014】請求項のX線分析方法は、請求項にお
いて、前記分光前平行板型ソーラスリットにおける2次
X線の入射面および出射面が、それぞれ前記試料表面お
よび分光素子表面と平行であり、前記分光後平行板型ソ
ーラスリットにおける2次X線の入射面および出射面
が、それぞれ前記分光素子表面および検出手段における
2次X線の入射面と平行である。
【0015】
【0016】
【0017】
【作用および効果】 請求項のX線分析方法によれば、
通過させる2次X線を2次元的に分解できるキャピラリ
ー型ソーラスリットと、2次元情報の得られる検出手段
とを併せて用いるので、試料の分析すべき面全体につい
て、2次元的な濃度や膜厚の分布の情報が一時に得ら
れ、短時間に分析できる。また、1次X線を微小部分に
絞らないので試料から発生する2次X線の強度が十分で
あり、測定されない部分もないので、正確な分析ができ
る。さらに、2次X線の通路において、前記キャピラリ
ー型ソーラスリットとそれよりも安価で減衰の少ない平
行板型ソーラスリットとを直列に配置して用いるので、
キャピラリー型ソーラスリットのみを用いる場合よりも
キャピラリー型ソーラスリットの長さが短くてすみ、用
いる装置全体がより安価となり、かつ減衰の少ない2次
X線が得られる。また、2次X線の通路において、平行
板型ソーラスリットを固定し、キャピラリー型ソーラス
リットを進退させるので、平行板型ソーラスリットのみ
を用いて、試料の分析すべき面全体について、1次元的
ではあるが濃度や膜厚の分布を示す減衰の少ない2次X
線を一時に得ることにより、1次元的な分布について短
時間に正確に分析することもできる。
【0018】請求項のX線分析方法によれば、請求項
の方法による作用および効果に加え、キャピラリー型
ソーラスリットが平行板型ソーラスリットの前後に分け
て配置されているので、分けられたものを合わせたのと
同じ長さの単一のキャピラリー型ソーラスリットが平行
板型ソーラスリットの前後いずれか一方のみに配置され
る場合よりも、2次X線に対する絞りの効果が大きく、
いっそう高い分解能で正確に分析できる。
【0019】請求項のX線分析方法によれば、請求項
またはの方法による作用および効果に加え、分光前
ソーラスリットにおける入射面等が試料表面等と平行で
あるので、試料表面上等の位置による分解能が一定にな
り、いっそう正確な分析ができる。
【0020】請求項のX線分析方法によれば、試料を
回転させて、2次元情報の得られる検出手段からの複数
の検出結果に基づくので、キャピラリー型のような特殊
なソーラスリットを用いずとも、特に試料の分析すべき
面が大きい場合に、2次元的な濃度や膜厚の分布を従来
よりも短時間に分析できる。また、1次X線を微小部分
に絞らないので試料から発生する2次X線の強度が十分
であり、測定されない部分もないので、正確な分析がで
きる。
【0021】請求項のX線分析方法によれば、請求項
の方法による作用および効果に加え、分光前ソーラス
リットにおける入射面等が試料表面等と平行であるの
で、試料表面上等の位置による分解能が一定になり、い
っそう正確な分析ができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本発明の第1実施例のX線分析方法で
は、図1に示すように、X線源5から発生させた1次X
線6を、試料台7に固定された試料3に照射し、試料3
から発生した2次X線8を分光前組合せスリット18ま
たは分光前平行板型ソーラスリット17を通過させ、分
光素子10で所望の分析すべき2次X線19のみを回折
させ、分光後組合せスリット22または分光後平行板型
ソーラスリット21を通過させ、2次元情報の得られる
検出手段13たとえばCCDカメラでその強度を測定す
る。ここで、分光前および分光後組合せスリット18,
22は、いずれも、平行板型ソーラスリット17,21
の前後にキャピラリー型ソーラスリット16a,16
b,20a,20bを配置して構成されている。
【0023】平行板型ソーラスリット17,21の構造
については前述したとおりであるが、キャピラリー型ソ
ーラスリット16,20は、その入射端面を図4に示す
ように、軸方向に延びる多数の細長い角筒状の通路27
を束ねてボディ38に収めたものであり、2次X線8,
19はこの通路27を通過する。なお、この通路27の
断面形状は図4のような四角形に限らず、三角形、六角
形等でもよく、図3のような円筒状の通路26でもよ
い。また、必要に応じ、キャピラリー型ソーラスリット
16,20は、図1の進退機構23により、平行板型ソ
ーラスリット17,21と直列に配置される進出位置
(図1に示す位置)と、平行板型ソーラスリット17,
21を通過する2次X線8,19の通路外(たとえば図
1の紙面奥方向)に退避した退避位置とに選択的に移動
させる。さらに、第1実施例のX線分析方法では、行う
べき試料3についての濃度等の分布の分析が、2次元的
なものであるか、1次元的なものであるかを入力手段2
5に入力し、その入力手段25からの入力信号を受けた
制御手段24に、進退機構23へ進退制御信号を出力さ
せる。
【0024】なお、分光前組合せスリット18における
2次X線8の入射面および出射面は、それぞれ試料3表
面および分光素子10表面と平行であり、分光後組合せ
スリット22における2次X線19の入射面および出射
面は、それぞれ分光素子10表面および検出手段13に
おける2次X線19の入射面と平行である。さらに、分
光前平行板型ソーラスリット17における2次X線8の
入射面および出射面も、それぞれ試料3表面および分光
素子10表面と平行であり、分光後平行板型ソーラスリ
ット21における2次X線19の入射面および出射面
も、それぞれ分光素子10表面および検出手段13にお
ける2次X線19の入射面と平行である。
【0025】次に、試料3の2次元的な濃度等の分布を
分析する際の第1実施例の作用について説明する。ま
ず、入力手段25に、行うべき分析が2次元的なもので
ある旨を入力し、その旨の入力信号を制御手段24へ出
力させ、それを受けた制御手段24に、進退機構23へ
進退制御信号を出力させる。進退制御信号を受けた進退
機構23は、キャピラリー型ソーラスリット16,20
を前記進出位置に移動させる。これによって、X線源5
から発生させた1次X線6が、試料台7に固定された試
料3に照射され、発生した2次X線8が分光前組合せス
リット18を通過し、分光素子10で所望の分析すべき
2次X線19のみが回折され、分光後組合せスリット2
2を通過し、検出手段13に入射してその強度が測定さ
れる。
【0026】ここで、たとえば試料3の座標X1 −Y1
における濃度分布が図2(a)のようであったとする
と、その図に示す試料3の三角形状の部分から2次X線
8(図1)が発生する。この2次X線8が通過するキャ
ピラリー型ソーラスリット16は、前述したように、図
4または図3に示すような、軸方向に延びる多数の細長
い筒状の通路27,26を束ねた構造であるため、入射
した2次X線8(図1)を、軸方向に垂直な任意の平面
上で2次元的に分解する。その結果、分光素子10の座
標X2 −Y2 に投影される2次X線8の強度分布は、図
2(b)に示すように、図2(a)の試料3の座標X1
−Y1 における濃度分布と合致したものとなる。
【0027】図1において、分光素子10で所望の分析
すべき2次X線19のみを回折させて、分光後組合せス
リット22を通過させても、同様の理由で、図2(b)
に示す分布は維持されるので、結局、2次元情報の得ら
れる検出手段13に入射し検出される2次X線19の強
度分布は、座標X3 −Y3 において図2(c)に示すよ
うに、やはり、図2(a)の試料3の座標X1 −Y1
おける濃度分布と合致したものとなる。分析対象が濃度
分布でなく、単位面積当たりの元素濃度に比例した膜厚
の分布であっても同様である。
【0028】このように、第1実施例によれば、試料3
の分析すべき面全体について、2次元的な濃度や膜厚の
分布の情報が一時に得られ、短時間に分析できる。ま
た、1次X線6を微小部分に絞らないので試料3から発
生する2次X線8の強度が十分であり、測定されない部
分もないので、正確な分析ができる。また、2次X線
8,19の通路において、キャピラリー型ソーラスリッ
ト16,20とそれよりも安価で減衰の少ない平行板型
ソーラスリット17,21とを直列に配置して用いるの
で、キャピラリー型ソーラスリットのみを用いる場合よ
りもキャピラリー型ソーラスリットの長さが短くてす
み、用いる装置全体がより安価となり、かつ減衰の少な
い2次X線が得られる。
【0029】さらに、キャピラリー型ソーラスリット1
6a,16b,20a,20bを、平行板型ソーラスリ
ット17,21の前後に分けて配置するので、分けられ
たものを合わせたのと同じ長さの単一のキャピラリー型
ソーラスリットを平行板型ソーラスリット17,21の
前後いずれか一方のみに配置する場合よりも、2次X線
8,19に対する絞りの効果が大きく、いっそう高い分
解能で正確に分析できる。
【0030】また、従来の技術においては、図11に示
すように、分光前平行板型ソーラスリット9における入
射面が試料3表面と平行でないので、図6の断面図に示
すように、試料3表面の異なる位置において、異なる面
積Sc,Sdから発生する2次X線8c,8dが、分光
前平行板型ソーラスリット9の各単位ライン状スリット
15c,15dに入射する。すなわち、試料3表面上の
位置による分解能が一定でない。
【0031】これに対し、第1実施例によれば、図1に
示すように、分光前組合せスリット18における入射面
が試料3表面と平行であるので、図7の断面図に示すよ
うに、試料3表面の異なる位置においても、同じ面積S
から発生する2次X線8a,8bが、分光前組合せスリ
ット18の各通路27a,27bに入射する。すなわ
ち、試料3表面上の位置による分解能が一定になり、い
っそう正確な分析ができる。図1において、分光前組合
せスリット18における2次X線8の出射面が、分光素
子10表面と平行であり、分光後組合せスリット22に
おける2次X線19の入射面および出射面が、それぞれ
分光素子10表面および検出手段13における2次X線
19の入射面と平行であることからも、同様の効果が得
られる。
【0032】次に、試料3の1次元的な濃度等の分布を
分析する際の第1実施例の作用について説明する。図1
において、まず、入力手段25に、行うべき分析が1次
元的なものである旨を入力し、その旨の入力信号を制御
手段24へ出力させ、それを受けた制御手段24に、進
退機構23へ進退制御信号を出力させる。進退制御信号
を受けた進退機構23は、キャピラリー型ソーラスリッ
ト16,20を前記退避位置に移動させる。これによっ
て、X線源5から発生させた1次X線6が、試料台7に
固定された試料3に照射され、発生した2次X線8が分
光前平行板型ソーラスリット17のみを通過し、分光素
子10で所望の分析すべき2次X線19のみが回折さ
れ、分光後平行板型ソーラスリット21のみを通過し、
検出手段13に入射してその強度が測定される。
【0033】ここで、たとえば試料3の座標X1 −Y1
における濃度分布が図2(a)のようであったとする
と、従来の第3のX線分析方法で説明したのと同様に、
分光素子10の座標X2 −Y2 に投影される2次X線8
の強度分布は、図12(b)に示すようになり、2次元
情報の得られる検出手段13に入射し検出される2次X
線19の強度分布は、座標X3 −Y3 において図12
(c)に示すものとなる。分析対象が濃度分布でなく、
膜厚の分布であっても同様である。
【0034】すなわち、第1実施例によれば、2次X線
8,19の通路において、平行板型ソーラスリット1
7,21を固定し、キャピラリー型ソーラスリット1
6,20を進退させるので、平行板型ソーラスリット1
7,21のみを用いて、試料3の分析すべき面全体につ
いて、1次元的ではあるが濃度や膜厚の分布を示す減衰
の少ない2次X線を一時に得ることにより、図12
(c)に示すような1次元的な分布について短時間に正
確に分析することもできる。また、2次元的な濃度等の
分布を分析する際の作用において説明したのと同様に、
分光前平行板型ソーラスリット17における2次X線8
の入射面等が、試料3表面等と平行であることから、試
料3表面上等の位置による分解能が一定になり、いっそ
う正確な分析ができる。
【0035】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本発明の第2実施例のX線分析方法では、図8に示
すように、X線源5から発生させた1次X線6を、試料
台28に固定された試料3に照射し、試料3から発生し
た2次X線29を分光前平行板型ソーラスリット30を
通過させ、分光素子10で所望の分析すべき2次X線3
1のみを回折させ、分光後平行板型ソーラスリット32
を通過させ、2次元情報の得られる検出手段13たとえ
ばCCDカメラに入射させる。
【0036】ここで、第2実施例では、試料3を固定し
た試料台28を試料3の表面に垂直な軸まわりにモータ
33で回転させ、得られる検出手段13からの複数の検
出結果に基づいて、試料3表面の元素の2次元的な濃度
分布等を分析する。モータ33の回転の条件は、入力手
段35に入力し、その入力手段35からの入力信号を受
けた制御手段34に、モータ33および画像処理手段3
6へそれぞれ回転制御信号および画像取り込み制御信号
を出力させる。画像処理手段36は、その画像取り込み
制御信号を受けて検出手段13からの画像信号を取り込
み、適切な画像処理により、回転前の試料3の座標X1
−Y1 における濃度分布等に合致した画像を作成する。
【0037】なお、分光前平行板型ソーラスリット30
における2次X線29の入射面および出射面は、それぞ
れ試料3表面および分光素子10表面と平行であり、分
光後平行板型ソーラスリット32における2次X線31
の入射面および出射面は、それぞれ分光素子10表面お
よび検出手段13における2次X線31の入射面と平行
である。
【0038】次に、第2実施例の作用について説明す
る。まず、入力手段35に、モータ33の回転ピッチ角
および累積回転角を、たとえば45度および180度と
入力し、その旨の入力信号を制御手段34へ出力させ、
それを受けた制御手段34に、モータ33および画像処
理手段36へそれぞれ回転制御信号および画像取り込み
制御信号を適時出力させる。一方、X線源5から発生さ
せた1次X線6を、試料3に照射し、発生した2次X線
29を分光前平行板型ソーラスリット30を通過させ、
分光素子10で所望の分析すべき2次X線31のみを回
折させ、分光後平行板型ソーラスリット32を通過さ
せ、検出手段13に入射させる。
【0039】ここで、たとえば、分析開始時すなわちモ
ータ33の回転前において、試料3の座標X1 −Y1
おける濃度分布が図9(a1)のようであったとする
と、従来の第3のX線分析方法で説明したのと同様に、
分光素子10の座標X2 −Y2に投影される2次X線2
9の強度分布は、図12(b)に示すようになり、2次
元情報の得られる検出手段13に入射し検出される2次
X線31の強度分布は、座標X3 −Y3 において図12
(c)に示すもの、すなわち図9(c1)に示すものと
なる。制御手段34から最初の画像取り込み制御信号を
受けた画像処理手段36は、検出手段13から図9(c
1)に示す内容の画像信号を取り込み、回転角0度の画
像として記憶する。
【0040】次に、回転制御信号を受けたモータ33
が、回転ピッチ角45度だけ回転し、図8の試料3をX
線源5側からみて右回りに45度回転させる。これによ
り、試料3の座標X1 −Y1 (試料3表面上で空間に固
定されている)における濃度分布は、図9(a2)のよ
うになり、検出手段13に入射し検出される2次X線3
1の強度分布は、座標X3 −Y3 において図9(c2)
に示すものとなる。ここで、制御手段34から2回目の
画像取り込み制御信号を受けた画像処理手段36は、検
出手段13から図9(c2)に示す内容の画像信号を取
り込み、回転角45度の画像として記憶する。以上の試
料3の回転と画像信号の取り込みとを、回転角が累積回
転角180度になるまで繰り返し、画像処理手段36
に、図9(c1)ないし(c5)に示す内容の画像信号
を、各回転角の画像として記憶させる。
【0041】画像処理手段36は、画像信号の取り込
み、画像の記憶が終了すると、記憶した図9(c1)な
いし(c5)に示す画像に基づいて、公知の適切な画像
処理、たとえば特開平7−72101号公報掲載の画像
処理により、図9(d)に示すような、図9(a1)の
回転前の試料3の座標X1 −Y1 における濃度分布に合
致した画像を作成し、その内容の画像信号を図示しない
表示手段等に出力する。分析対象が濃度分布でなく、膜
厚の分布であっても同様である。なお、説明の簡単のた
めに回転ピッチ角および累積回転角を45度および18
0度としたが、実際の分析にあっては、いずれも分析対
象に応じた適切な値とすることができる。
【0042】このように、第2実施例によれば、試料3
を回転させて、2次元情報の得られる検出手段13から
の複数の検出結果に基づくので、キャピラリー型のよう
な特殊なソーラスリットを用いずとも、特に試料3の分
析すべき面が大きい場合に、2次元的な濃度や膜厚の分
布を従来よりも短時間に分析できる。また、1次X線6
を微小部分に絞らないので試料3から発生する2次X線
29の強度が十分であり、測定されない部分もないの
で、正確な分析ができる。また、分光前平行板型ソーラ
スリット30における2次X線29の入射面等が、試料
3表面等と平行であるので、第1実施例と同様に、試料
3表面上等の位置による分解能が一定になり、いっそう
正確な分析ができる。
【0043】なお、第1および第2実施例において、2
次元情報の得られる検出手段13としてCCDカメラを
用いたが、これに限らずイメージングプレート等を用い
ることもできる。また、試料3から発生させ、検出手段
13に入射させる2次X線8,29,19,31は、蛍
光X線に限らず、コンプトン散乱線等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のX線分析方法に用いる装
置を示す概略側面図である。
【図2】第1実施例における試料の濃度分布等を示す図
であり、(a)は、試料の座標X1 −Y1 における濃度
分布を示し、(b)は、分光素子の座標X2 −Y2 に投
影される2次X線の強度分布を示し、(c)は、検出手
段に入射し検出される2次X線の座標X3 −Y3 におけ
る強度分布を示す。
【図3】第1実施例に用いるキャピラリー型ソーラスリ
ットの一例を示す正面図である。
【図4】第1実施例に用いるキャピラリー型ソーラスリ
ットの他の例を示す正面図である。
【図5】平行板型ソーラスリットの一例を示す正面図で
ある。
【図6】従来の技術において、試料表面の異なる位置か
ら発生する2次X線が、分光前平行板型ソーラスリット
に入射する状態を示す側面断面図である。
【図7】第1実施例において、試料表面の異なる位置か
ら発生する2次X線が、分光前組合せスリットに入射す
る状態を示す側面断面図である。
【図8】本発明の第2実施例のX線分析方法に用いる装
置を示す概略側面図である。
【図9】第2実施例における試料の濃度分布等を示す図
であり、(a1)ないし(a5)は、試料の座標X1
1 における濃度分布を示し、(c1)ないし(c5)
は、検出手段に入射し検出される2次X線の座標X3
3 における強度分布を示し、(d)は、それら強度分
布に基づき画像処理により作成した画像を示す。
【図10】従来の第2のX線分析方法を示す工程図であ
る。
【図11】従来の第3のX線分析方法に用いる装置を示
す概略側面図である。
【図12】従来の第3のX線分析方法における試料の濃
度分布等を示す図であり、(a)は、試料の座標X1
1 における濃度分布を示し、(b)は、分光素子の座
標X2 −Y2 に投影される2次X線の強度分布を示し、
(c)は、検出手段に入射し検出される2次X線の座標
3 −Y3 における強度分布を示す。
【符号の説明】
3…試料、6…1次X線、8…試料から発生した2次X
線、10…分光素子、13…2次元情報の得られる検出
手段、16a,16b…分光前キャピラリー型ソーラス
リット、17,21…平行板型ソーラスリット、18…
分光前組合せソーラスリット、19…回折した2次X
線、20a,20b…分光後キャピラリー型ソーラスリ
ット、22…分光後組合せソーラスリット。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に1次X線を照射して試料から発生
    した2次X線に基づいて試料の分析を行うX線分析方法
    において、 試料から発生した2次X線を、軸方向に延びる多数の細
    長い筒状の通路を束ねた分光前キャピラリー型ソーラス
    リットに入射させ、 その分光前キャピラリー型ソーラスリットを通過した2
    次X線を分光素子に入射させて回折させ、 その回折した2次X線を、軸方向に延びる多数の細長い
    筒状の通路を束ねた分光後キャピラリー型ソーラスリッ
    トに入射させ、 その分光後キャピラリー型ソーラスリットを通過した2
    次X線を2次元情報の得られる検出手段に入射させ、 その検出手段での検出結果に基づいて、試料表面につい
    て2次元的な分析を行い、 前記分光前および分光後キャピラリー型ソーラスリット
    の少なくとも一方と直列に、多数の平板を平行に並べて
    この間に2次X線を通過させる平行板型ソーラスリット
    を配置して、分光前および分光後組合せスリットの少な
    くとも一方を構成し、必要に応じて、前記少なくとも一
    方のキャピラリー型ソーラスリットを、前記平行板型ソ
    ーラスリットを通過する2次X線の通路外に退避させる
    ことを特徴とするX線分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記少なくとも一方
    のキャピラリー型ソーラスリットを、平行板型ソーラス
    リットの前後双方に配置するX線分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記分光前
    組合せスリットまたは前記分光前キャピラリー型ソーラ
    スリットにおける2次X線の入射面および出射面が、そ
    れぞれ前記試料表面および分光素子表面と平行であり、
    前記分光後組合せスリットまたは前記分光後キャピラリ
    ー型ソーラスリットにおける2次X線の入射面および出
    射面が、それぞれ前記分光素子表面および検出手段にお
    ける2次X線の入射面と平行であるX線分析方法。
  4. 【請求項4】 試料に1次X線を照射して試料から発生
    した2次X線に基づいて試料の分析を行うX線分析方法
    において、 試料から発生した2次X線を、多数の平板を平行に並べ
    た分光前平行板型ソーラスリットに入射させ、 その分光前平行板型ソーラスリットを通過した2次X線
    を分光素子に入射させて回折させ、 その回折した2次X線を、多数の平板を平行に並べた分
    光後平行板型ソーラスリットに入射させ、 その分光後平行板型ソーラスリットを通過した2次X線
    を2次元情報の得られる検出手段に入射させ、 試料をその表面に垂直な軸まわりに回転させて得られる
    前記検出手段からの複数の検出結果に基づいて、試料表
    面について2次元的な分析を行うことを特徴とするX線
    分析方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記分光前平行板型
    ソーラスリットにおける2次X線の入射面および出射面
    が、それぞれ前記試料表面および分光素子表面と平行で
    あり、前記分光後平行板型ソーラスリットにおける2次
    X線の入射面および出射面が、それぞれ前記分光素子表
    面および検出手段における2次X線の入射面と平行であ
    るX線分析方法。
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