JP2968396B2 - 口腔用水性ゲル基剤 - Google Patents

口腔用水性ゲル基剤

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由華 小川
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は口腔用水性ゲル基剤に関
する。
【0002】
【従来の技術および課題】歯磨剤をはじめとする水系の
口腔用組成物における非イオン性粘結剤としては、ヒド
ロキシエチルセルロース(以下、HECという)などが
あるが、ゲル化に非常に時間がかかる上、チキソトロピ
ー性が低いなど使用に適した良好な物性を得ることは難
しい。一方、特開昭60−104008号において、ゲ
ル状練歯磨における物性をコントロールするため、炭素
数8〜25の炭化水素基で疎水的に改質されたHECを
用いることが開示されているが、この物質のチキソトロ
ピー性は低く、さらに無機系増粘剤を添加しなければ口
腔用ゲルとしての適当な物性を得ることはできない。ま
た、この物質の疎水基は均一な鎖長であり、異なる鎖長
の疎水基を組み合わせて用いることは開示されていな
い。さらに、原料ポリマーとしてヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(以下、HPMCという)を用いて疎水
的改質を行った物質を、口腔用のゲル基剤として用いる
ことについては未だ提案されていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑み、無機系増粘剤を加えることなく、非イオ
ン性粘結剤により、チキソトロピー性に富んだ口腔用の
水性ゲルを得ることを目的として鋭意研究を行なった結
果、炭素数の異なる2種の置換アルキル基を導入して疎
水的改質を行ったHPMCを粘結剤として用い、さらに
特定の湿潤剤、および水を配合することにより、良好な
物性を有する口腔用水性ゲル基剤が得られることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明は、(1)ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースにおいて、水酸基が、(a)3
−アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシル基(ただ
し、アルコキシの炭素数は8〜12)および(b)3−
アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシル基(ただし、
アルコキシの炭素数は14〜18)によって置換され、
かつ(a)の置換度(M.S.)が0.0005〜0.0
3、(b)の置換度(M.S.)が0.0005〜0.0
05であり、(a)および(b)の置換度(M.S.)の
合計が0.001〜0.03であるように疎水的に改質
されたヒドロキシプロピルメチルセルロース、 (2)グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコールおよびそれらの混合物からなる群より選ば
れる湿潤剤、および (3)水 からなる口腔用水性ゲル基剤を提供するものである。こ
こに、「M.S.」はグルコース単位当たりに結合した置
換基の平均モル数を意味する。
【0005】本発明における、疎水的に改質されたHP
MC(以下、HM−HPMCという)は、HPMCの水
酸基が、
【0006】
【化1】 [式中、R1は炭素数8〜12のアルキル基を意味す
る]、
【0007】
【化2】 [式中、R2は炭素数14〜18のアルキル基を意味す
る]で表される基で置換されてエーテル結合を形成した
化合物である。
【0008】本発明において、HM−HPMCの原料と
なるHPMCのメチル基、ヒドロキシプロピル基の置換
度は、該HPMCが水溶性であれば特に限定されず、例
えば、市販のHPMCではメトキシル基が19.0〜3
0.0重量%、ヒドロキシプロポキシル基が4.0〜1
2.0重量%までのものがあり、このうちいずれも使用
できる。また該HPMCの粘度も特に限定されず、例え
ば、2%水溶液における20℃での粘度が10〜10
0,000cP程度のものまでいずれも使用できるが、
より少ない添加量で高い粘性のものを得るためには1,
000〜100,000cP程度のものを用いることが
望ましい。例えば、信越化学工業社のメトローズ60S
H10,000、65SH15,000、90SH10
0,000などが使用できる。疎水基を導入するための
改質剤として、各々、炭素数8〜12および14〜18
のアルキル基を有する2種のアルキルグリシジルエーテ
ルが使用される。本発明で用いられるHM−HPMC
は、中鎖(C8〜C12)および長鎖(C14〜C18)の異
なる疎水基2種を持つことが特徴である。市販のアルキ
ルグリシジルエーテルを用いるにあたり、必ずしも同数
の炭素原子から構成されない場合がある。例えば、C18
の疎水基を導入する時、ステアリルグリシジルエーテル
を改質剤として使用できるが、安価に市販されているス
テアリルグリシジルエーテルでは約30%のセチルグリ
シジルエーテルを含んでいるため、実際にはこの改質剤
で、C18とC16の混合置換基が導入されることとなる。
しかし、本発明においては、このような置換基は異なる
2種の疎水基とは見なさない。
【0009】HM−HPMCの製造は、常法により、例
えば、HPMCをイソプロピルアルコールやt−ブチル
アルコールのような低級アルコールに分散させ、アルカ
リを添加してアルカリセルロースとし、これにアルキル
グリシジルエーテルを加えて、加熱することにより行な
うことができる。中和により反応を停止した後、有機溶
媒で洗浄して精製する。このようにして得られたHM−
HPMCは、水に対する溶解度が25℃において少なく
とも0.1重量%である。該HM−HPMCを口腔用水
性ゲル基剤に応用するにあたり、その含量は、通常、
0.5〜5重量%である。0.5重量%より低いと充分
な粘性が得られず、5重量%を超えると高粘度となり、
ゴム様の弾性を示すため使用に適さない。
【0010】本発明で用いる湿潤剤は、グリセリン、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびそ
れらの混合物からなる群より選ばれ、口腔用水性ゲル基
剤に1〜80重量%、好ましくは、10〜40重量%の
割合で含有される。通常、残部は水である。本発明の口
腔用水性ゲル基剤は自体公知の方法により製造すること
ができ、口腔用水性ゲル基剤における本発明の効果を損
なわない範囲で、他の成分(例、研磨剤、界面活性剤及
び香味剤)を配合することもできる。
【0011】
【実施例】つぎに製造例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。なお、特に断ら
ない限り、「%」は、重量%を表す。
【0012】製造例1 HM−HPMCの製造 双軸撹拌機を有する5リットル反応機に、メトキシル基
が29%、ヒドロキシプロポキシル基が9.0%で、2
%水溶液の20℃における粘度が、9,000cPであ
るHPMC400g、イソプロピルアルコール400
g、NaOH12g、さらにアルキルグリシジルエーテ
ルを仕込み、窒素流入下、80℃で5時間反応させた。
ついで反応スラリーを酢酸で中和し、冷却後、ヘキサン
−イソプロピルアルコール混合液(1:1 w/w)1
200gで3回洗浄し、乾燥後、粉砕してHM−HPM
Cを得た。HM−HPMC中の3−アルコキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシル基の含量は、試料をヨウ化水素酸
で分解後に生成されるヨウ化アルキルをガスクロマトグ
ラフで定量することにより測定した。
【0013】実施例1〜3および比較例1〜4 前記処方によりHM−HPMCとグリセリンを1分間撹
拌混合した後、水を加えて10分間さらに撹拌する。こ
のゲルについて、以下の条件で粘度の測定と、非ニュー
トン性指数の算出を行った。
【0014】粘度測定条件 BH型粘度計、ローターNo.7、20℃、2分間 非ニュートン性指数 以下の式により算出される指数で、数値が低いほどチキ
ソトロピー性は高くなる。
【0015】
【数1】
【0016】2.総合評価 以下の基準に従ってHM−HPMCの疎水基置換度によ
る物性を総合的に評価した。結果を表1に示す。 ○…20rpm測定時のみかけ粘度300ポアズ以上、か
つ非ニュートン性指数が0.35以下。 ×…20rpm測定時のみかけ粘度が300ポアズ未満、
または非ニュートン性指数が0.35より大きい。
【0017】(結果)
【表1】
【0018】表1は、HPMCにおける置換疎水基に基
づく物性の違いを示す。比較例1および3は単独の疎水
基で置換されたHM−HPMCでは不溶である。しか
し、実施例1および3のように、各々比較例1および3
と同程度の合計置換基である混合した疎水基で置換され
たHM−HPMCでは可溶化することがわかる。また比
較例4において、C6アルキル疎水基によって置換され
たHM−HPMCはチキソトロピー性が低く、口腔用の
ゲルとしては適さないことがわかる。したがって、アル
キルグリシジルエーテル疎水基の炭素数はC8以上であ
るとした。また、比較例2のように混合置換基でも不溶
となる場合があるため、C8〜C12アルキル基置換度
(M.S.)は0.0005〜0.03、C14〜C18アル
キル基置換度(M.S.)は0.0005〜0.005、
かつこれらアルキル基置換度(M.S.)の合計は0.0
01〜0.03、と範囲を限定した。
【0019】実施例4〜6および比較例5〜7 前記と同様の方法により、ゲル物性を評価した。但し、
HM−HPMCの疎水基組成は実施例1(表1)のもの
を用いた。結果を表2に示す。
【0020】(結果)
【表2】
【0021】表2は、種々の湿潤剤に対するHM−HP
MC(実施例1)の相容性についての評価を示す。実施
例4〜6に示されるように、HM−HPMCはグリセリ
ン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールに
対しては相容性が良く、チキソトロピー性の高いゲルが
得られる。一方、比較例5〜7のように1,3−ブチレ
ングリコール、ソルビトール、マルチトールに対しては
粘度・チキソトロピー性ともに低く、相容性が悪い。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、粘度およびチキソトロ
ピー性の物性が極めて優れ、かつ経時的にも安定した口
腔用水性ゲル基剤が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 由華 京都府乙訓郡大山崎町大山崎谷田77−42 (72)発明者 森 茂樹 大阪府高槻市奈佐原1−1−407 (56)参考文献 特開 昭60−104008(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ヒドロキシプロピルメチルセルロ
    ースにおいて、水酸基が、(a)3−アルコキシ−2−
    ヒドロキシプロポキシル基(ただし、アルコキシの炭素
    数は8〜12)および(b)3−アルコキシ−2−ヒド
    ロキシプロポキシル基(ただし、アルコキシの炭素数は
    14〜18)によって置換され、 かつ(a)の置換度(M.S.)が0.0005〜0.0
    3、(b)の置換度(M.S.)が0.0005〜0.0
    05であり、(a)および(b)の置換度(M.S.)の
    合計が0.001〜0.03であるように疎水的に改質
    されたヒドロキシプロピルメチルセルロース、 (2)グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレ
    ングリコールおよびそれらの混合物からなる群より選ば
    れる湿潤剤、および (3)水からなることを特徴とする口腔用水性ゲル基
    剤。
  2. 【請求項2】 疎水的に改質されたヒドロキシプロピル
    メチルセルロースを0.5〜5重量%含有する請求項1
    記載の口腔用水性ゲル基剤。
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