JP2964370B2 - 調味液の製法 - Google Patents
調味液の製法Info
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Description
くは蛋白質分解物であるアミノ酸乃至苦みのないオリゴ
ペプチドを呈味成分とし、殊に旨味の主体であるグルタ
ミン酸含量を著しく向上させ得、しかも無塩の調味液を
製造する方法に関する。
質分解物を呈味成分とする調味液は知られているが、之
等はかなり多量の食塩の利用を必須としており、これが
製品の利用面で種々の制約を受ける原因となっている。
即ち、一般に醤油は、蒸煮大豆を主とする麹原料に種麹
を接種して麹を製し、これに塩水を混ぜて仕込みを行な
い、得られるもろみを発酵させて生揚げ醤油として製造
されるが、上記麹の仕込みの際には、麹由来の微生物
(雑菌等)の繁殖による腐敗をおさえ、もろみの発酵、
熟成が良好に行なわれるように、通常約23%前後の高
濃度の食塩を利用しており、これが一方では醤油特有の
味を出す反面、製品の塩濃度を16〜17%の高濃度と
し、その用途に制約を受ける原因となっている。
HVP)、即ち塩酸で動植物蛋白を分解させた調味料も
従来より知られており、インスタント食品等に用いられ
る天然調味料の一部(補助調味料)としてその需要が次
第に増大してきている。しかるに、かかるHAP、HV
Pについては、最近、上記蛋白質を塩酸で加水分解する
際にできる有機塩素系の副生成物と考えられる変異原物
質、即ち遺伝子に傷を付け細胞に突然変異を起こさせる
物質を含むものがあることが確認され、その安全性が問
題となりつつある。
APに代わって安全であり、しかも無塩で且つ呈味性の
優れた新しい天然調味液を提供する点にある。
りこの種動植物蛋白の酵素加水分解物からなる調味液に
つき鋭意研究を重ね、先に食用動物性蛋白質原料に蛋白
可溶化酵素と醤油麹の自己消化液を作用させることによ
って、呈味性が良好でしかも苦みのないオリゴペプチド
を呈味成分とする品質良好な調味液を提供する方法を開
発した(特公平4−20581号公報参照)。
はあるが、尚食塩濃度が高く、この点では醤油と同様で
あった。
をエチルアルコール等の有機溶媒に浸漬する時には、無
塩条件下でも腐敗のおそれがなく、しかも非常に優れた
酵素活性が発揮され、これが上記目的の無塩調味液の製
造に有効で、その利用によって目的とする品質良好な所
望の無塩調味液が得られるという新しい事実を発見する
と共に、上記アルコール浸漬は、醤油麹に限らず、その
他の各種微生物の固体培養物にも適用でき、この場合も
同様に優れた酵素活性が発揮され、所望の無塩調味液が
製造できるという事実をも見出した。本発明はかかる新
しい知見に基いて完成されたものである。
リウム属、リゾープス属及びバチルス属からなる群から
選択される少なくとも1種の微生物を固体培養して得ら
れる麹のアルコール浸漬物を、15℃以下の温度条件下
に熟成させることを特徴とするアミノ酸を呈味成分とす
る無塩調味液の製法に係わる。
してエキスとすることもでき、広範な各種の加工食品乃
至食品素材、例えばインスタント食品、漬物、ドレッシ
ング、ソース等を始めとする各種用途に幅広く適用でき
る。殊に、醤油麹からの本発明調味液は、後述する実施
例にも示す通り、旨味の主体であるグルタミン酸等の含
量が醤油と比べても著しく向上しており、コクのある非
常に優れた味を呈しており、之等は従来の塩酸分解物に
比べても何等遜色なく、また蛋白分解物に特有の苦みを
有する欠点もない。
麹の有機溶媒浸漬物の利用を必須とする。ここで上記微
生物を固体培養した麹の代表例としては、従来よりよく
知られている各種の醤油麹や味噌麹、例えば濃口醤油
麹、淡口醤油麹、溜醤油麹等を例示できる。これは蒸煮
大豆を主とする麹原料に種麹として麹菌、即ちアスペル
ギルス オリーゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギ
ルス ソーヤ(Aspergillus sojae )等のアスペルギル
ス属に属する菌を接種培養させたものであるが、本発明
では、これに限らず、その他の従来から食用に供される
ことのよく知られている各種の微生物、例えばアスペル
ギルス ニガー(Aspergillus niger )や、ペニシリウ
ム属(Penicillium 、代表的にはカツオブシに付着する
Penicillium citrinum等)、リゾープス属(Rhizopus、
テンペに用いられるRizopus niveus等)、バチルス属
(Bacillus、練製品等に利用されるBacillus subtilis
等)等の固体培養物、即ちそれらの麹をも同様に有利に
利用できる。また上記バチルス属の固体培養物には納豆
類も包含される。之等各種微生物の培養のための固体培
地は、醤油麹と同様の大豆等であってもよく、また之等
各菌の生育に支障をきたさない各種の栄養素、例えば各
種蛋白質、糖質、繊維類等を適宜選択して含有させて、
之等原料に由来する特徴をもたせたものであってもよ
い。
な有機溶媒溶液に浸漬して調整される。ここで有機溶媒
としては、通常エタノールが好適に利用できるが、特に
これに限定されることなく、例えばイソプロパノール等
であってもよい。之等有機溶媒は、通常最終濃度が約5
〜20%、好ましくは6〜15%程度となる範囲で利用
されるのが好適である。
を20℃以下、好ましくは15℃以下の温度条件下に、
1〜2ケ月程度熟成させることにより実施される。しか
してこの熟成の温度条件が20℃を上回る場合は、該熟
成が無塩条件下で行なわれるものであるため、尚腐敗微
生物の増殖を完全には避け得ず、製品が腐敗するおそれ
があり好ましくない。
できる。これは、必要に応じて、下記に示す如き公知の
各種方法により後処理乃至加工することができる。
知の方法によって処理して、固形物等を除去する。
〜30分程度)することにより、液中の酵素を失活させ
る。
て不要な臭等を除去する。
ように濃縮する。
によって粉末状調味料とする。
の主体であるグルタミン酸等の含量が醤油と比べても著
しく向上しており、また従来の塩酸分解アミノ酸液に比
べてもコクのある非常に優れた味を呈し、更に蛋白分解
物に特有の苦みは有しない品質良好な調味液を製造でき
る。
例及び実施例を挙げる。
れぞれ以下の方法により測定されたものである。
質として、pH7.0(中性プロテアーゼの場合)又は
pH3.0(酸性プロテアーゼの場合)、温度30℃で
1分間に1μgのチロシン相当量の分解物を精製する力
価を1単位とする。
性〉カルボベンゾキシ−グルタミル−チロシン(Cbz
−Glu−Tyr)を基質とし、30℃、60分間に1
μgのチロシンを生成する活性を1単位とする。
活性〉ロイシル−グリシル−グリシン(Leu−Gly
−Gly)を基質とし、30℃、1分間に1μモルのア
ミノ酸(グルタミン酸として計算)を遊離する活性を1
単位とする。
を基質とし、37℃、60分間に生成するグルタミン酸
のmg数を単位とする。
示す方法により行なった。
ミノ酸分析計)により分析した。
浸漬物における麹中酵素の活性発現を、通常の醤油麹
(食塩存在下)の場合と比較して調べたものであり、次
の通り実施した。
ホモジナイズして100mlとし、得られる液を、食塩
水溶液(終濃度16%)又はエチルアルコール溶液(終
濃度15%)でホモジナイズして、酵素液を調製し、之
等のそれぞれを、所定濃度の食塩又はアルコールを含む
各基質溶液に作用させて、それぞれの酵素活性を調べ
た。
(100)とした相対活性にて表わしたものであり、該
基準における各酵素活性(単位/g)は上記基準値の下
に括弧を付して表示した。
コール浸漬物は、食塩利用の場合に比して、いずれの酵
素の場合もそれらの活性が顕著に向上していることが明
らかである。殊にグルタミナーゼ活性は、食塩利用の場
合、わずか5%に過ぎないのに対して本発明に従うアル
コール利用の場合、実に95%となっており、これは実
質的に活性阻害乃至低下のないものであることが明らか
であり、これが呈味性の優れた調味液の製造に非常に役
立つ有効なものであると確認できる。
エチルアルコール液とを用いて仕込みを行ない(塩水混
合ミキサー、株式会社愛工舎製作所製カッターミキサー
25S型使用)、15℃で1ケ月半熟成させて、本発明
の調味液を得た。
なった後、常温(25℃)で2ケ月熟成させて、調味液
を得た。
ス、色、分解率、常法による)及び分析結果(T.N、
F.N及びグルタミン酸量)を下記表2に示す。
1.0とした相対値(mg/dl)にて表示する。
だ醤油麹の熟成によれば、優れた品質の調味液が得られ
ることが明らかであり、殊に15℃の低温仕込みによる
本発明の調味液は、L−グルタミン酸量が非常に高くな
っており、呈味性の良好なものであることが明らかであ
る。
ール液に浸漬処理した濃口醤油麹を、15℃下で45日
間熟成させて、本発明の調味液を得た。
す。但し、該表における数値はT.N1.0当りのアミ
ノ酸量(mg/dl)にて表示したものである。
(25℃)下に60日間行なったものの同結果並びに比
較のため市販醤油(特級)の同結果及び塩酸分解アミノ
酸液(塩酸加水分解処理による市販味液)の同結果を併
記する。
醤油に比して、殊に呈味成分の主体であるグルタミン酸
量が顕著に向上されており、これは塩酸分解の場合(理
論的には100%である)と同程度であることが明らか
である。勿論、本発明調味液は塩酸分解の場合とは異な
って、酵素利用による特有のアミノ酸組成を有してお
り、これが醤油と同様の呈味性であって、しかも該醤油
を越える品質を与えていることが判る。
組成:粗蛋白16.5%、粗脂肪10%、糖質10.1
%、繊維2.3%、灰分2.6%、水分58.5%)8
5gに水80ml及び純エチルアルコール15mlを加
えて撹拌し、15℃で1ケ月間熟成させ、その後濾過に
より上清として本発明の調味液を得た。
様にして分析した結果は次の通りであり、このものは優
れた呈味性を有していた。
ち、脱脂大豆粒20%、煮干(いわし)粉50%、小麦
麸20%及びコーンスターチ10%(但しコーンスター
チは加水の一部に酵素液化して混入した)からなる原料
10kgに等量の水を加えたものを麹原料とし、これを
加圧蒸気殺菌後、冷却し、これに種菌としてのPenicill
ium citrinumを接種、植菌後、30〜35℃で3日間を
要して麹式培養した。
コール(20%)溶液17リットルを加え、15℃で2
ケ月熟成させて、本発明の調味液(取得液量約26リッ
トル)を得た。
析した結果は次の通りであり、優れた呈味性を有してい
た。
ことにより、粉末調味料6.1kgが得られた。
ち、コーン蛋白粒50%、小麦麸42%及びコーンスタ
ーチ8%(但しコーンスターチは加水の一部に酵素液化
して混入した)からなる原料20kgに等量の水を加え
たものを麹原料とし、これを加圧蒸気殺菌後、冷却し、
これに種菌としてのRhizopus niveus を接種、植菌後、
30〜35℃で2日間を要して麹式培養した。
%)溶液35リットルを加え、15℃で2ケ月熟成させ
て、本発明の調味液(取得液量約62リットル)を得
た。
析した結果は次の通りであり、優れた呈味性を有してい
た。
Claims (1)
- 【請求項1】 アスペルギルス属、ぺニシリウム属、リ
ゾープス属及びバチルス属からなる群から選択される少
なくとも1種の微生物を固体培養して得られる麹のアル
コール浸漬物を、15℃以下の温度条件下に熟成させる
ことを特徴とするアミノ酸を呈味成分とする無塩調味液
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280314A JP2964370B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 調味液の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280314A JP2964370B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 調味液の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06125735A JPH06125735A (ja) | 1994-05-10 |
JP2964370B2 true JP2964370B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=17623271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4280314A Expired - Lifetime JP2964370B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 調味液の製法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2964370B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007474A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Shikoku Res Inst Inc | 植物活力剤 |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP5414183B2 (ja) * | 2008-01-15 | 2014-02-12 | 国立大学法人九州大学 | 無塩アルコール発酵調味液及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP4280314A patent/JP2964370B2/ja not_active Expired - Lifetime
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