JP2955004B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、制振性を有する熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
[従来の技術] プラスチック材料は、一般的に金属など他の材料に比
較して軽量であり、耐衝撃性や強靭性のような機械的特
性、耐熱変形性のような熱的特性などに優れ、安価な材
料としてそれらが使用されている用途分野は広範囲にわ
たっている。特に、車両関係の用途分野において熱費、
環境問題によって車両の軽量化の要請が年々高まる中
で、様々の部分に使用されている金属材料部品をプラス
チック材料によって代替する傾向が強まってきている。
これらのプラスチック材料の中でも、機械強度、耐熱
性、耐薬品性あるいは耐久性に優れたエンジニアリング
樹脂が自動車分野における金属代替材料として機構部
品、構造材料などでの適用が進んでおり、例えば、耐熱
性、機械的特性に優れたポリアミド樹脂系の材料などは
自動車エンジン周りを中心とした高温環境下における使
用が注目されつつある。
一方、最近の環境問題の一つとして自動車などの騒音
規制がクローズアップされており、特に起音体としての
エンジンに近接した部位で使用される機会の多いアンダ
ーフード部位に対して制振性改良の要請も高まってきて
いる。
しかしながら、高温条件下においてプラスチック材料
を使用する場合にはその物性が温度に対して大きく影響
され、制振性や遮音性についても温度依存性が極めて大
であることが知られている。例えば、ポリアミド系樹脂
については、40〜70℃のTgにおける高分子の動的粘弾性
に基づく損失正接(tan δ)が極大となって大きな制振
効果を示す。しかしながらこの領域をはさんでtan δが
急激に減少するので、室温あるいは100〜200℃の中高温
領域における制振性の効果は小さい。したがってこの様
な材料が例えば、エンジンルーム等の比較的高い温度環
境で用いられる場合には、前述した制振、遮音性等の効
果を期待することはできない。
こうした点を改良する方法として、高分子材料中に他
の成分を配合することが考えられている。例えば、ガラ
ス繊維やカオリン、マイカ、炭酸カルシウム等の無機充
填剤を配合することによってマトリクス相となる高分子
材料と分散相となる無機充填剤との界面における機械的
摩擦に基づく減衰効果が期待されているが、これは高分
子材料の動的粘弾性を本質的に変え得る方法ではなく、
熱可塑性樹脂に前述の無機充填剤を配合した組成物につ
いては本質的にTgは変動せず、tan δ温度曲線がブロー
ドになるが、そのことによって、実質的な制振性の改良
効果は小さい(特開昭75−44633号、特開平1−263151
号)。
制振性の温度依存性を小さくする他の方法としてポリ
マーブレンドの手法が考えられる。例えば、ガラス転移
領域を低温側に拡大させるためにTgの低い熱可塑性エラ
ストマーやそれらの変性体を混合する方法もあるが、一
般にこれらの熱可塑性エラストマーのTgは0℃以上であ
り、実用的な制振性が要求される室温以上での効果が期
待したほどには上がらない。さらにまた前述の熱可塑性
エラストマーに加えて高温側における制振性能の向上を
目的として粘着性付与剤(例としてフェノールテルペン
系、水素化ロジンエステル系、クマロン・インデン系な
どの通常タッキーファイアーtackifierと称されるも
の)を配合する方法(特開昭61−36357号、特開昭61−9
1251号)、あるいはマトリ樹脂自体のTgを高温側にシフ
トさせるべく異骨格の高分子を共重合あるいはポリマー
ブレンドで導入する方法が考えられている(特開昭62−
164761号、62−230855号、特開平1−74248号、2−113
064号、2−120360号、2−120361号、2−120362号、
2−120363号、2−140265号)。
しかしながら、前述のこれらの方法では粘着性付与樹
脂を定量的に配合する必要があり、実質的に制振性を改
良しようとすると機械的物性などの低下の原因となり好
ましくない。又、異骨格ポリマーの導入については例え
ばポリアミド樹脂の場合、そのTgを高温側にシフトさせ
るために芳香族性成分が考えられるが、結晶化度が低く
なり剛性の低下の原因となる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、こうした実情の下に、制振性、特に低周波
領域における二次固体音(固体伝幡音)を制する効果に
優れ、しかも機械的特性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性
などにも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること目的
とするものである。
[課題を解決するための手段] 以上のような諸問題を解決するために、本来熱可塑性
樹脂組成物の持っている機械的特性や熱的特性を損なう
こと無く、低温から常温、中、・高温に至まで幅広い温
度領域にわたって優れた制振性を付与させるべく鋭意検
討を重ねた結果、本発明者らは、以下に示すような熱可
塑性樹脂組成物を発明することができた。
すなわち、本発明は、 a.ガラス転移温度[Tg,a]が0℃よりも高い熱可塑性樹
脂、 b.ホモポリマーとして存在した際のガラス転移温度[T
g,H]が 10<TG,H−Tg,a<100 である硬質成分、及び ホモポリマーとして存在した際のガラス転移温度[T
g,S]が 10<Tg,a−TgS<200 である軟質成分 からなる実質的にブロック構造を有するオレフィン系
共重合体及び/又は当該オレフィン系共重合体を官能性
付与モノマー又はシス2重結合を有する不飽和カルボン
酸又はこの誘導体によって変性された変性オレフィン系
共重合体であって、その実質的なブロック構成単位の硬
質成分のモル分率をX(H)モル%軟質成分のモル分率
をX(S)モル%とするとき、 50≦X(H)<100、かつ0<X(S)≦50 であるブロック共重合体、及び 50≦X(S)<100,かつ0<X(H)≦50 であるブロック共重合体からなるブロック構成単位の異
なる2種類以上のブロック共重合体混合物、及び必要に
より、 c.数平均分子量500〜50000を有し、かつ酸無水物を少な
くとも一方の末端にのみ有するオレフィン系重合体 からなる樹脂組成物であって、当該樹脂組成物を構成し
ている成分a,b,cについての重量分率を各々Wa%,Wb%,W
c%とするとき、 50<Wa<100 0<Wb<50 0≦WC≦50 Wa+Wb+Wc=100 である熱可塑性樹脂組成物である。
本発明に使用するa.成分である熱可塑性樹脂は、市販
されている成形加工用熱可塑性樹脂の中でTgが0℃より
も高温領域にあるものがその対象となり得る。Tgが0℃
未満の場合には、tan δの極大値が低温側に出るため
に、実用上の制振性が中〜高温側で低下してしまい好ま
しくない。以上の条件に合致する代表的な熱可塑性樹脂
の例を列挙してみると、ポリアミド6;10;11;12;6,6;6,1
0;6,12;6T/6;等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(変性)ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系
樹脂等である。
これら熱可塑性樹脂は、次に述べるオレフィン系共重
合体や変性オレフィン系共重合体、あるいは末端変性オ
レフィン系重合体との相溶性や熱可塑性樹脂組成物とし
た際の実用上の使用環境や性能を考慮することによって
選択されるが、特に自動車エンジン周りの部品などに供
することを考えた場合エンジニアリング樹脂の中から選
択することが好ましく、またアンダーフード部品を考慮
した場合には、特にポリアミド系樹脂やポリフェニレン
スルフィド系樹脂が好適である。
本発明に使用するb.成分のオレフィン系共重合体は、 ホモポリマーとして存在した際のガラス転移温度[T
g,H]が 10<TG,H−Tg,a<100 である硬質成分(以下、成分Hと称する)、及びホモポ
リマーとして存在した際のガラス転移温度[Tg,S]が 10<Tg,a−TgS<200 である軟質成分(以下、成分Sと称する)、からなる実
質的にブロック構造を有するオレフィン系共重合体及び
/又は当該オレフィン系共重合体を官能性付与モノマー
又はシス2重結合を有する不飽和カルボン酸又はその誘
導体によって変性された変性オレフィン系共重合体であ
って、その実質的なブロック構成単位の硬質成分のモル
分率をX(H)モル%、軟質成分のモル分率をX(S)
モル%とするとき、 50≦X(H)<100、かつ0<X(S)≦50 であるブロック共重合体(以下、グループAと称す
る)、及び 50≦X(S)<100、かつ0<X(H)≦50 であるブロック共重合体、(以下、グループBと称す
る)、 好ましくは、 50≦X(H)≦80、かつ20≦X(S)≦50 であるグループA、及び、 50≦X(S)80、≦かつ20≦X(H)≦50 であるグループB、 からなるブロック構成単位の異なる2種類以上のブロッ
ク共重合体混合物から構成されることが必要である。こ
の際に、b.成分の2種類以上の混合物に対するa.成分の
熱可塑性樹脂との融点差が100℃未満であることが好ま
しい。
実質的なブロック構成単位のモル分率が上記の範囲を
逸脱して当該共重合体を用いた場合には、所望の温度領
域においてtan δを制御することができない。すなわ
ち、実質的に成分sが上記範囲に規定されるよりも多い
当該樹脂組成物では、熱可塑性樹脂a.のTgよりも高い温
度領域において、tan δの急激な減少が抑えられず、結
果的に当該温度領域における制振性の効果が期待できな
い。逆に実質的に成分Hが上記範囲に規定されるよりも
多い当該樹脂組成物では、熱可塑性樹脂a.のTgよりも低
い温度領域において、tan δの急激な減少が抑えられ
ず、結果的に当該温度領域における制振性の効果が期待
できない。これらと同様な理由によって、当該オレフィ
ン系共重合体成分からなる成分組成比の異なる2種類以
上の混合物を用いることが必要であり、いずれかを単独
で用いた場合には熱可塑性樹脂a.のTgをはさんで低温側
もしくは高温側において熱可塑性樹脂組成物のtanδの
急激な減少が抑えられず、結果的には当該温度領域にお
ける制振性の効果が期待できない。
以上のような制振性の改良効果は驚くべきことに、2
種類以上の混合物の組み合わせ方がグループ[A]及び
グループ[B]から選ばれるブロック共重合体である場
合に実現され、例えば、成分H及び成分Sのそれぞれの
ホモポリマー同志をどのような割合で配合したとしても
当該温度領域における制振性の改良は期待できないこと
があきらかとなった。グループ[A]及びグループ
[B]から選ばれる混合物の混合比率(重量)は、制振
性と他の物性とのバランス上から50:50〜10:90(または
90:10)の範囲が好ましく、とくに50:50〜20:80(また
は80:20)の範囲が好ましい。
当該オレフィン系共重合体を構成する成分Hとして
は、(メタ)アクリル酸及びそのエステル誘導体、(メ
タ)アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーやスチレ
ン及び/又はスチレン系誘導体を挙げることができる。
成分Hとして好ましいのは、スチレン及び/又はスチレ
ン系誘導体であり、特にスチレンが好ましい。また、成
分Sとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテンなどのα−オレフィン系モノマーや1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ブタジエ
ン、イソプレンなどの非共役及び/又は共役ジエン系モ
ノマーを挙げることができる。
又本発明に係わるオレフィン系共重合体はそれを組み
合わせて使用することのほかに官能性付与モノマー又は
シス2重合体を有する不飽和カルボン酸又はその誘導体
によって変性されたオレフィン系共重合体との組み合わ
せで使用することができる。この際の変性剤の具体例は
α.β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が好適であ
り、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽
和カルボン酸又は不飽和カルボン酸ハライド、アミド、
イミド、酸無水物、エステル誘導体が好ましく、無水マ
レイン酸、酸化マレニル、マレイミド、マレイン酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジル等が特に好ましい。
当該オレフィン共重合体及び/又は変性オレフィン系
共重合体の製造方法については公知のいかなる方法をも
採用することが可能であるが、一般的な方法としてラジ
カル重合又は(アニオン)カチオンリビング重合又はそ
れらの組み合わせによって当該オレフィン系共重合体の
前駆体をつくり、その後残存している2重結合がある場
合には水素添加を行うことで一定量以下に2重結合を減
少させる操作を行う。又変性の方法としては当該オレフ
ィン系共重合体に変性剤及び過酸化物などラジカル開始
剤などの存在下又は存在しない状態で、溶液状態又は溶
融状態で当該変性剤を付加させることによって実施され
る。
次に、本発明に使用する末端部が変性されたオレフィ
ン系重合体とは、 数平均分子量が500〜50,000であって酸無水物を少なく
とも一方の末端にのみ有する成分(b)とは異なるオレ
フィン系共重合体である。当該オレフィン系重合体は主
鎖に次式(I)、(II)、(III)の単位を繰り返し有
するホモ重合体、または共重合体である。
CH2−CH2 …(I) R1は炭素数1〜12のアルキル基または (Q1〜Q5は水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン
原子) R2、R3は炭素数1〜12のアルキル基。
繰り返し単位が(II)、(III)の例としては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン
等α−オレフィン、スチレン及び/又はスチレン系誘導
体等が挙げられる。
本発明に関わる末端部変性オレフィン系重合体におい
て末端に有する酸無水物基は分子内に少なくとも1つ以
上存在し、その分子構造単位の例としては例えば下記の
ものを挙げることができる。
は好適な例である。
当該オレフィン系重合体は酸無水物基を末端にのみ有
することが重要である。当該オレフィン系重合体が酸無
水物基を末端部以外の側鎖や主鎖中に有する場合には、
それらを用いてなる当該熱可塑性樹脂組成物の成形加工
性や機械的特性に好ましくない影響を及ぼす。末端部に
存在する酸無水物は片末端でもよいが両末端に存在する
ほうが好ましい。
当該オレフィン系重合体の数平均分子量は500〜50,00
0であり500よりも低い場合にも熱的に不安定であり当該
樹脂組成物の加工時に発泡などの好ましくない状態を引
き起こしたり、逆に50,000を越えると末端酸無水物濃度
が相対的に低くなるために混和剤としての相溶化の作用
が低くなる。当該オレフィン系重合体の数平均分子量は
好ましくは1,000以上20,000以下でありさらに好ましく
は1,000以上10,000以下である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する際の成分
(a)、(b)及び(c)の重量分率を各々wa%、wb
%、wc%とすると 50<wa<100 0<wb<50 0≦wc≦50 wa+wb+wc=100 である。当該熱可塑性樹脂組成物を製造する際の各成分
の重量分率が上記範囲を逸脱している場合、すなわち、 wa≦50 では所望の温度領域において制振性が向上するものの成
分(a)の持つ特性が充分には発現しないので好ましく
ない。又 wa=100 では成分(a)単独であるから当然制振性は改良されな
い。又、成分(b)については、組み合わせるべき当該
オレフィン系共重合体の種類と所望の温度領域における
tan δの調節との関係によって重量分率が変わるが、ど
のような組み合わせであっても wb≧50 である場合には成分(a)の物性が充分発現しないので
好ましくない。又、成分(c)については成分(a)及
び(b)間の相溶性の程度によって必要に応じて添加さ
れるが wc>50 の場合成分(a)及び成分(b)の相溶性が成分(c)
配合程度にまで向上しないばかりか、成形加工性の低下
を招くので好ましくない。特に成分(c)の重量分率の
下限は好ましくは0.5%でありさらに好ましくは3%で
ある。又、上限については好ましくは20%であり、さら
に好ましくは5%である。
本発明に関わる熱可塑性樹脂組成物には、その他の添
加剤としてガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤や酸
化防止剤、離形剤、可塑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、
帯電防止剤、染料、顔料、カーボンブラック等を該熱可
塑性樹脂組成物の製造や成形、加工性又は当該熱可塑性
樹脂組成物を成形加工してなる成形体の特性に支障のな
い限り適量配合することは全く差し支えない。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
(参考例) スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物の
調製方法 n−ヘキサン又はシクロヘキサン中において、テトラ
ヒドロフランをビニル含量調節剤として所望のモル分率
比のブタジエン及びスチレンをアニオンブロック共重合
し、さらにこれをナフテン酸コバルト及びトリエチルア
ルミニウムを触媒として水素圧7(kg/cm2)温度50℃で
5時間水素添加を行って、ブタジエンブロックの2重結
合を実質的にすべて水添することによって表1中のグル
ープ[A]及びグループ[B]に示されたようなスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物を得た
(本方法は特公昭63−44784に開示された方法によって
いる)。
変性スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加
物の調製方法 表1中のグループ[A]及びグループ[B]に示され
たようなスチレン−ブタジエンブロック共重合体の100
重量部に対して2.5重量部の無水マレイン酸、0.1重量部
のパーヘキサ25B(日本油脂社製)を均一に混合したの
ち、窒素雰囲気下においてスクリュー型押出機(単軸、
スクリュー径20mmφ、L/D=24、フルフライト型スクリ
ュー)にてシリンダー温度250℃で反応押出を行った。
得られた変性ブロック共重合体から未反応の無水マレイ
ン酸を加熱減圧除去して、安定剤として2,6−ジターシ
ャリーブチル−4−メチルフェノールを重合体100重量
部あたり0.5重量部添加した。この変性ブロック共重合
体における無水マレイン酸の付加量は約1重量%であっ
た(本方法は特公昭63−44784に開示された方法によっ
ている)。
末端部変性オレフィン系共重合体の調整方法 両末端部に水酸基を有する水素添加ポリブタジエン
(NISSO PB GI−3000日本曽達製)、ピリジンを酢酸エ
チル中に溶解させ氷冷却したのち乾燥窒素雰囲気下にお
いて無水トリメリット酸クロリドの酢酸エチル溶液をゆ
っくりと滴下して徐々に室温にまで昇温させ、さらに撹
拌を続けた。沈殿してくる不純物を分別した後溶液を濃
縮させ残渣をクロロホルムに溶解させカラムクロマトグ
ラフィーを通した後溶媒を留去して粘着液状のポリマー
を得た。このポリマーは両末端部がトリメリット酸無水
基によって変性されていることがH1−NMR及びC13−NMR
によって確認された。又このポリマーの数平均分子量は
4,900であることが測定の結果確認された。
実施例1〜14、比較例1〜7 (a)としてポリアミド6,6[レオナ1300S、旭化成工
業(株)]76.5重量% (b)として表−1に示されたグループ[A]及びグ
ループ[B]に属するものの組合せによる混合物20重量
% (C)として末端部トリメリット酸無水物変性水素添
加ポリブタジエン3.5重量%をPCM30mmφ2軸押出機(池
貝鉄工社製)を用いてシリンダー温度270℃、スクリュ
ー回転数100rpmで溶融混練しペレタイズした後、射出成
形膜(J−28SH日本製鋼所製)を用いて測定用成形片を
作成した。
実施例15〜24、比較例8〜11 (a)としてポリアミド6,6(レオナ1300S旭化成工業
(株))と (b)として表−1に示されたスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体及び/またはその無水マレイン酸変性
体についてグループ[A]およびグループ[B]に属す
るものの組合せによる混合物とを表−4に示された組合
せおよび配合比率で均一混合しさらに (C)として末端部トリメリット酸無水物変性水素添
加ポリブタジエン3.5重量%を添加したものを実施例1
と同様に溶融混合しペレタイズしたものを用いて測定用
成形片を作成した。
測定項目 (1)(a)及び(b)のTg測定示差熱量分析法(DSC
法)によって測定した。
(2)(c)の数平均分子量の測定 ナトリウムメチラートを用いて末端定量法に基づいて
測定した。
(3)機能的特性の評価 ・引張強さ:厚み1/8インチ短冊状片を用いASTM D638
に従って試験した。
・曲げ強さ:厚み1/8インチ短冊状片を用いASTM D790
に従って試験した。
・引張強さ:厚み1/8インチ短冊状片を用いASTM D790
に従って試験した。
試験用成形片はいずれの場合も射出成形直後の乾燥さ
れた状態のものを23℃RH50%下で測定した。
(4)正接損失(tan δ)の測定方法 高分子材料に対して、ある種の周期を持った歪みを与
えたときにその高分子に生ずる応力と歪みとの比は複素
弾性率(G*)で定義される。それを実数部及び複素数
部とに分けて表現した場合 G*=G′+G″ となり、G′を貯蔵弾性率(storage modulus)G″を
損失弾性率(loss modulus)とよんでこれらの比 G′/G″ を正接損失(tanδ)と称する(東京化学同人高分子学
会編 高分子化学の基礎)。
短冊状試験片(厚み:1.5mm、幅:4.5mm)を用いて粘弾
性スペクトロメーター(F−III岩本制作所製)にて温
度を変化させて測定した。
スパン間距離(S.L.):3.00cm 荷重 (Load):100g 周波数(Freqency):35Hz 以上の結果について表−2、3、5に示した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は
低温から常温、中高温に至るまでの広い温度範囲で優れ
た制振性を発現することができ、したがって、本発明の
熱可塑性樹脂組成物を用いて作られる高分子材料は自動
車を初めとした車両用途の制振性、遮音性の改良に大き
く寄与する。中でも自動車部品において制振・遮音性が
問題となる用途、例えばシリンダーヘッドカバー、ロッ
カカバー、エアークリーナーキャップ、オイルパン、タ
イミングベルトカバー等エンジン周りの部品からエンジ
ンマウント、サスペンションブッシュの様な伝達系部
品、ドアパネル、フロアパネル等の構造部材への応用が
好適である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−73758(JP,A) 特開 昭63−306014(JP,A) 特開 平2−247240(JP,A) 特開 昭63−122755(JP,A) 特開 昭61−291610(JP,A) 特開 昭62−250053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 101/00 C08L 53/00 - 53/02 C08L 23/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.ガラス転移温度[Tg,a]が0℃よりも高
    い熱可塑性樹脂、 b.ホモポリマーとして存在した際のガラス転移温度[T
    g,H]が 10<TG,H−Tg,a<100 である硬質成分、及び ホモポリマーとして存在した際のガラス転移温度[Tg,
    S]が 10<Tg,a−TgS<200 である軟質成分 からなる実質的にブロック構造を有するオレフィン系共
    重合体及び/又は当該オレフィン系共重合体を官能性付
    与モノマー又はシス2重結合を有する不飽和カルボン酸
    又はその誘導体によって変性された変性オレフィン系共
    重合体であって、その実質的なブロック構成単位の硬質
    成分のモル分率をX(H)モル%軟質成分のモル分率を
    X(S)モル%とするとき、 50≦X(H)<100、かつ0<X(S)≦50 であるブロック共重合体、及び 50≦X(S)<100、かつ0<X(H)≦50 であるブロック共重合体からなるブロック構成単位の異
    なる2種類以上のブロック共重合体混合物、及び必要に
    より、 c.数平均分子量500〜50000を有し、かつ酸無水物を少な
    くとも一方の末端にのみ有するオレフィン系重合体 からなる樹脂組成物であって、当該樹脂組成物を構成し
    ている成分a,b,cについての重量分率を各々Wa%,Wb%,W
    c%とするとき、 50<Wa<100 0<Wb<50 0≦WC≦50 Wa+Wb+Wc=100 である熱可塑性樹脂組成物。
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