JP2944866B2 - 地図画面上の位置または区間設定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地図画面上に自車位置
や目的地を表示することができる、いわゆるナビゲーシ
ョン装置などに好適に実施され、地図画面上に前記自車
位置や目的地に対応した位置または区間などの設定を行
うための方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】前記ナビゲーション装置は、自動車に搭
載され、地図画面上に自車の車両位置を併せて表示し、
その表示を自車の走行に伴って更新してゆく装置であ
る。また近年、このナビゲーション装置において、現在
地および目的地または経由地を入力することによって、
現在地からのその目的地または経由地までで、たとえば
最短距離となる経路が演算されて、推薦経路として表示
するようにした経路探索機能なども付加されるようにな
ってきている。

【０００３】したがって、前記現在地や目的地などを設
定する車両位置の設定操作が必要となる。

【０００４】図８は、典型的な従来技術による位置設定
時の表示例を示す図である。前記ナビゲーション装置に
おいて、地図画面は、いわゆるＣＤ−ＲＯＭディスクな
どの記録媒体に記録されており、車両の進行や操作者の
入力操作に対応して所望とする領域の地図画面が読出さ
れて表示される。前記ＣＤ−ＲＯＭディスクなどに記録
される地図情報は、カーブを折線近似した折点や交差点
などのノードと示される地点の座標と、各ノード間を接
続するリンクと称される道路区間の距離となどである。

【０００５】一方、設定された目的地や経由地は、たと
えばその緯度と経度とが１／１０秒程度の精度で記憶さ
れる。典型的な従来技術では、図８において参照符Ｐ１
で示されるようなカーソルを所望とする位置に移動さ
せ、設定を行うことで、参照符Ｐ２で示されるように前
記現在地や目的地の設定が完了する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように設定された
目的地までの推薦経路の探索は、現在地から、目的地に
最も近いノードまでで行われる。したがって上述の従来
技術では、複雑な形状の交差点などでは、参照符Ｌ１で
示される本来設定すべき道路区間ではなく、該道路区間
に隣接した参照符Ｌ２で示される道路区間に設定してし
まうおそれもある。この場合、設定された位置が目的地
であるときには、たとえば参照符Ｌ１で示される正しい
推薦経路の道路区間に対して、参照符Ｌ２で示される誤
った道路区間に基づいて推薦経路が演算されてしまう。

【０００７】また、このような不具合を防止するために
は、典型的な従来技術では、地図画面の縮尺を切換える
ような煩雑な操作が必要となる。しかしながら、縮尺を
一番大きく選んでも、交差点などの道路形状が複雑な箇
所では、やはり設定を正確に行うことは困難である。

【０００８】本発明の目的は、簡便な操作で正確に地図
画面上に所望の位置や、渋滞区間および工事区間などの
所望の区間を設定することができる位置または区間設定
方法を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、地図画面上に
位置または区間を設定するための方法において、前記地
図画面上でカーソルを移動して所望とする位置を仮設定
し、前記仮設定に応答して、前記仮設定された位置付近
の地図画面が拡大表示され、拡大された表示画面上でカ
ーソルを移動して前記所望とする位置または区間を本設
定することを特徴とする地図画面上の位置または区間設
定方法である。

【００１０】また本発明は、前記地図画面を、交差点ま
たはカーブの折点等の地点と、前記地点間を連結する道
路区間とを備えて形成し、前記所望とする位置または区
間を、前記仮設定された位置付近の前記地点または道路
区間上で選択的に設定可能とすることを特徴とする。

【００１１】さらにまた本発明は、前記仮設定された位
置付近の前記地点または道路区間に対して、キー操作に
応答して前記カーソルを順次的に移動して隣接表示して
ゆくことを特徴とする。

【００１２】また本発明は、選択された地点または道路
区間に関する情報を表示することを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明に従えば、地図画面上に現在地や目的地
などの所望の位置を表示して、或いは渋滞区間や工事区
間などの所望の区間を表示して、経路案内などに用いら
れるナビゲーション装置などにおいて、前記位置または
区間を設定するにあたって、操作者はまず、前記地図画
面上でカーソルを移動して所望とする位置付近に仮設定
を行う。これに応答して、前記仮設定された位置付近の
地図画面が拡大表示される。続いて、操作者は、その拡
大表示された画面上でカーソルを移動して所望とする位
置または区間を本設定する。したがって、複雑な形状を
した交差点付近などでも、所望とする位置または区間を
簡単な操作で正確に設定することができる。

【００１４】また好ましくは、前記地図画面を、交差点
またはカーブの折点等の地点と、前記地点間を連結する
道路区間とを備えて形成し、これに対応して前記位置ま
たは区間の設定は、仮設定された位置付近で前記所望と
する地点または道路区間上で選択的に設定可能とする。
したがって、カーソルの細かな移動操作を必要とするこ
となく、容易に前記地点または道路区間上に所望とする
位置または区間を設定することができる。

【００１５】さらにまた好ましくは、仮設定された位置
付近の地点または道路区間に対して、キー操作に応答し
てカーソルを順次的に移動して隣接表示させる。これに
よって、本設定すべき位置または区間の探索を、煩雑な
カーソル操作を必要とすることなく、容易に行うことが
できる。

【００１６】また好ましくは、選択された地点または道
路区間に関する情報、たとえば交差点名や道路名、或い
は渋滞区間や工事区間等の種別などを画像や音声などに
よって表示する。これによって、設定すべき位置または
区間の確認を容易に行うことができる。

【００１７】

【実施例】図１は、本発明の一実施例の設定方法が用い
られるナビゲーション装置１の電気的構成を示すブロッ
ク図である。このナビゲーション装置１は、自動車に搭
載されて、現在地表示や目的地までの経路案内表示を行
い、運転者の進路決定などに役立てられる。

【００１８】したがって、概略的に、このナビゲーショ
ン装置１では、操作キー２への入力操作に応答して、マ
イクロコンピュータなどで実現される中央処理装置３が
通信バス１０を介して、ＣＤ−ＲＯＭ装置４へ所望とす
る地域の地図情報の読取りを指示する。その指示に応答
して処理回路５がデコーダ６を介して、記録媒体である
ＣＤ−ＲＯＭディスク７に記録されている地図情報から
対応する地域の地図情報を読出す。こうして処理回路５
から前記通信バス１０を介して入力された地図情報に対
応して、前記中央処理装置３が表示駆動回路８を介し
て、液晶表示装置などで実現される表示装置９を表示駆
動することによって、前記所望とする地域の地図画面表
示が実現される。

【００１９】また、後述するように現在地設定が行われ
ると、中央処理装置３は、前記通信バス１０を介して処
理回路１１から入力される地磁気センサ１２および車輪
速センサ１３の検出結果に対応して、自車の走行した方
位および距離を演算し、現在地に対応した地図画面の地
図情報を前記ＣＤ−ＲＯＭ装置４から読出し、前記地図
画面をスクロールして現在地とともに表示する。

【００２０】また所定周期毎に、自車の走行軌跡と、前
記地図情報から求められる道路形状とを比較し、たとえ
ば交差点での右左折時に前記走行軌跡が道路形状に一致
するように現在地補正を行うマッチング処理を行う。こ
うして図２（１）において参照符Ｐ１１で示されるよう
に、現在地と自車の進行方向とを示すマーカが地図画面
とともに自車の走行に従って更新して表示される。

【００２１】さらに上述のように現在地の入力が行わ
れ、その後、地図画面のスクロールが行われて操作者が
目的地を検索してその目的地の位置を設定し、経路探索
を選択することによって、図２（２）で示すように、参
照符Ｐ１１で示される現在地から、参照符Ｐ１２で示さ
れる目的地までの、たとえば距離が最短となる推薦経路
が演算されて表示される。

【００２２】なお、前記ＣＤ−ＲＯＭディスク７に記録
されている地図情報は、カーブを折線近似した折点や交
差点などのノードと示される地点の座標と、各ノード間
を接続するリンクと称される道路区間の距離と、各リン
クの道幅と、各リンクの、たとえば高速道路や国道など
の種別等である。また、設定された目的地や経由地は、
その緯度と経度とが１／１０秒程度の精度で記憶され、
経路探索が指示されると、その目的地や経由地の緯度と
経度とに最寄りの地点やリンクまでの経路が探索され
る。

【００２３】図３は、上述のような推薦経路の演算表示
動作を説明するための機能ブロック図である。前記操作
キー２や処理回路１１などの入力部２１から、現在地お
よび目的地または経由地が入力されると、経路探索部２
２は、ＣＤ−ＲＯＭ装置４などから参照符２３で示すよ
うに地図情報を読出し、その読出した地図情報を記憶部
２４で記憶するとともに、データ操作部２５で演算処理
を行い、前述のようにたとえば距離が最短となる経路を
演算し、経路案内部２６へ出力する。

【００２４】一方、前記地図情報はまた現在地検出部２
７に与えられて、こうして地図画面に現在地を併せた画
像が前記表示装置９などの出力部２８で表示出力され
る。また、前記経路案内部２６では、経路探索部２２か
ら入力された推薦経路を出力部２８に表示させるととも
に、現在地検出部２７で検出された現在地と照合し、た
とえば交差点名や道路名などの付加情報を表示すべきタ
イミングとなると、前記出力部２８を介して出力する。
なおこの付加情報の出力は、画像表示だけでなく、音声
表示によって行われてもよい。

【００２５】上述のように構成されたナビゲーション装
置１において、前記操作キー２は、現在地設定キー２ａ
と、目的地設定キー２ｂと、経由地設定キー２ｃと、カ
ーソルキー２ｄと、設定キー２ｅと、経路探索キー２ｆ
とを備えて構成されている。前述の設定動作をこれらの
キー２ａ〜２ｆを用いて以下に詳述する。

【００２６】操作者がカーソルキー２ｄを操作して、図
４（１）で示すように、所望とする位置付近へマーカＰ
２１を移動して現在地設定キー２ａまたは目的地設定キ
ー２ｂもしくは経由地設定キー２ｃを操作すると、仮設
定が行われて、画面表示は図４（２）で示されるよう
に、前記マーカＰ２１を中心とした所定範囲が拡大され
る。この状態で本発明の一実施例では、操作者は再び前
記カーソルキー２ｄを操作してカーソルＰ２０を所望と
する位置まで移動し、設定キー２ｅを操作する。こうし
て、前記現在地または目的地もしくは経由地などの位置
の設定が終了する。

【００２７】これによって、ノードと称される交差点Ｐ
２２，Ｐ２３，Ｐ２４や、リンクと称される道路区間Ｌ
２１〜Ｌ２７に関連して、正確に前記所望の位置を設定
することができる。また、その設定にあたって、縮尺を
変更したりするなどの煩雑な操作を必要とすることな
く、容易に設定することができる。

【００２８】図５は、本発明の他の実施例の設定動作を
説明するための図である。この実施例では、所望の位置
を前記交差点や折点などの地点上と、道路区間の区間上
とのいずれに設定するかをまず選択した後に設定が行わ
れる。したがって、地点設定が選択されると、図５
（１）で示されるように、交差点などの地点が参照符Ｐ
３１，Ｐ３２，Ｐ３３で示すようにマーカ表示され、前
記カーソルキー２ｄを操作することによってカーソルＰ
３５がこれらの地点Ｐ３１，Ｐ３２，Ｐ３３を順次的に
移動してゆき、設定キー２ｅが操作された時点でカーソ
ルＰ３５の示す地点、図５（１）の場合には地点Ｐ３３
が所望の位置として設定される。

【００２９】これに対して区間設定が選択されると、図
５（２）で示すように、前記各区間Ｌ２１〜Ｌ２７がカ
ーソルキー２ｄの操作によって順次的に選択されてカー
ソルＰ３５が移動してゆき、設定キー２ｅが操作された
時点でのカーソルＰ３５の示す区間、すなわち図５
（２）の場合には区間Ｌ２３が所望の区間として設定さ
れる。

【００３０】また本発明のさらに他の実施例として、カ
ーソルが示している地点または区間に関連する、たとえ
ば交差点名や道路名などの情報があるときには、図６で
示すように、表示画面の隅角部にその情報を表示すると
ともに、音声などによって操作者に報知するようにして
もよい。これによって、操作者の所望とする位置または
区間を速やかに、かつ正確に検索することができる。

【００３１】図７は、上述のような所望の位置または区
間の設定動作を説明するためのフローチャートである。
前記カーソルキー２ｄが操作されて図４（１）で示すよ
うにマーカＰ２１が所望とする位置付近に移動されてい
る状態で、ステップｎ１において現在地設定キー２ａま
たは目的地設定キー２ｂもしくは経由地設定キー２ｃの
いずれかが操作されると、位置設定要求が発生し、ステ
ップｎ２で仮設定が行われる。ステップｎ３では、図４
（２）で示すように、仮設定された位置付近が拡大表示
される。

【００３２】ステップｎ４では地点・区間選択キーの選
択状態に対応して、交差点や折点などの地点に設定する
のか、あるいはその地点間の道路区間に設定するのかが
選択される。ステップｎ５では、カーソルキー２ｄの操
作によって所望とする位置の徴調整が行われる。ステッ
プｎ６では、前記ステップｎ５で指定された地点または
区間に、たとえば交差点名や道路名、或いは渋滞区間や
工事区間等の種別などの関連した情報があるときには、
その情報が前記図６で示すように表示される。

【００３３】ステップｎ７では設定キー２ｅが操作され
たか否かが判断され、そうでないときには前記ステップ
ｎ４に戻り、そうであるときにはステップｎ８に移って
設定動作を終了し、設定された位置または区間にマーカ
表示をして動作を終了する。

【００３４】なお、上述の実施例では、自車の走行経路
を求めるために地磁気センサ１２および車輪速センサ１
３が用いられたけれども、本発明の他の実施例として、
地球周回軌道を回る衛星からの信号を受信して三角測量
によって現在地を計測するいわゆるＧＰＳ（Global Pos
itioning System）を用いて現在地を計測するようにし
てもよく、また地磁気センサ１２に代えて振動ジャイロ
センサや光ファイバジャイロセンサなど他の方位センサ
が用いられてもよい。

【００３５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、地図画面
上に現在地や目的地などの所望の位置や渋滞区間、工事
区間などの所望の区間を設定するにあたって、まず仮設
定を行うと、その仮設定された位置付近の地図画面を拡
大表示し、その拡大表示された画面に基づいて本設定を
行うので、縮尺の変更などの煩雑な操作を必要とするこ
となく、正確に所望の位置や所望の区間を設定すること
ができる。

【００３６】また好ましくは、前記地図画面を交差点ま
たはカーブの折点等の地点と、前記地点間を連結する道
路区間とを備えて形成し、これに対応して前記位置また
は区間設定を、仮設定された位置付近で前記所望とする
地点または道路区間上で選択的に設定可能とするので、
カーソルの細かな移動操作を必要とすることなく、容易
に前記地点または道路区間上に所望とする位置または区
間を設定することができる。

【００３７】さらにまた好ましくは、仮設定された位置
付近の地点または道路区間に対して、キー操作に応答し
てカーソルを順次的に移動して隣接表示させるので、本
設定すべき位置または区間の探索を、煩雑なカーソル操
作を必要とすることなく、容易に行うことができる。

【００３８】また好ましくは、選択された地点または道
路区間に関する情報、たとえば交差点名や道路名などを
画像や音声などによって表示するので、設定すべき位置
または区間の確認を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の設定方法が用いられるナビ
ゲーション装置１の電気的構成を示すブロック図であ
る。

【図２】現在地および推薦経路の表示例を示す図であ
る。

【図３】本発明の一実施例の動作を説明するための機能
ブロック図である。

【図４】本発明の一実施例の位置または区間の設定動作
を説明するための図である。

【図５】本発明の他の実施例の位置または区間の設定動
作を説明するための図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例の表示例を示す図で
ある。

【図７】前記図６で示される実施例の動作を説明するた
めのフローチャートである。

【図８】従来技術の位置設定動作を説明するための図で
ある。

【符号の説明】

１ ナビゲーション装置 ２ 操作キー ２ａ 現在地設定キー ２ｂ 目的地設定キー ２ｄ カーソルキー ２ｆ 経路探索キー ３ 中央処理装置 ４ ＣＤ−ＲＯＭ装置 ５，１１ 処理回路 ９ 表示装置 １２ 地磁気センサ １３ 車輪速センサ

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地図画面上に位置または区間を設定する
   ための方法において、前記地図画面上でカーソルを移動
   して所望とする位置を仮設定し、 前記仮設定に応答して、前記仮設定された位置付近の地
   図画面が拡大表示され、 拡大された表示画面上でカーソルを移動して前記所望と
   する位置または区間を本設定することを特徴とする地図
   画面上の位置または区間設定方法。
2. 【請求項２】 前記地図画面を、交差点またはカーブの
   折点等の地点と、前記地点間を連結する道路区間とを備
   えて形成し、 前記所望とする位置または区間を、前記仮設定された位
   置付近の前記地点または道路区間上で選択的に設定可能
   とすることを特徴とする請求項１記載の地図画面上の位
   置または区間設定方法。
3. 【請求項３】 前記仮設定された位置付近の前記地点ま
   たは道路区間に対して、キー操作に応答して前記カーソ
   ルを順次的に移動して隣接表示してゆくことを特徴とす
   る請求項２記載の地図画面上の位置または区間設定方
   法。
4. 【請求項４】 選択された地点または道路区間に関する
   情報を表示することを特徴とする請求項２または３のい
   ずれかに記載の地図画面上の位置または区間設定方法。