JP2931541B2 - 型抜き機械の工具支持フレームをセンタリングし且つ係止するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型抜き機械（ダイカッ
タ）、より詳細には、紙、又は、厚紙を加工するために
用いる型抜き機械の工具支持フレームをセンタリング
（心出し）し且つ係止するための装置に関する。

【０００２】

【従来技術】折り畳み式箱の半加工品を得る目的で紙、
又は、厚紙を加工する公知の型抜き機械は、一般に、連
続して順次配置されたいくつかのステーションを有し、
これらは、通常、配置の順序に、送込みステーション、
型抜きステーション、取除きステーション、そして、送
出しステーションと呼ばれる。この種の機械にあって
は、加工される紙又は厚紙は、しばしば、ほぼ直方形の
シートの形態を有する。これらのシートは、送込みステ
ーションに置かれた束の一番上から取出され、搬送機構
にのせられ、以後、この搬送機構によって型抜きステー
ション、取除きステーション、そして、送出しステーシ
ョンへと搬送される。この種の型抜き機械のあるものに
おいては、型抜きステーションが、通常、二つの横フレ
ームの間に取付けられた上方ビーム即ち上方クロスバー
と、垂直方向に移動可能な下方ビーム即ち下方プラテン
とを有する。この場合、上方ビームの下方部分には、切
断装置及び折り目付け用定規を備えた板状の型抜き具が
取り付けられ、移動可能な下方ビームが下方位置から上
方位置まで垂直方向に移動する途中で紙又は厚紙のシー
トに型抜き動作が加えられる構成となっている。もちろ
ん、一回の作業で、一枚のシート上に多数の箱の半加工
品を形成することも可能である。しかし、これら半加工
品の間には、常に僅かながら不要部分が残り、送出しス
テーションで後は切り離すばかりの互いにつながれた状
態で複数の半加工品のみからなるシートを得るために
は、これらの不要部分を取除かなければならない。

【０００３】上記の僅かな不要部分は、取除きステーシ
ョンでシートから取除かれるが、該ステーションは、通
常、上方工具と下方工具を有し、その間にパーフォレー
ション付きの板が取り付けられ、その開口は、取除かれ
る不要部分に正確に対向するようになっている。更に、
この開口は、不要部分と同じ幾何学的形状を有する。該
上方工具、下方工具及び該パーフォレーション付き板
は、機械の中を進むシートの動きに同期して下方位置か
ら上方位置へ、そして又、下方位置へと垂直方向に移動
する。上方の取除き工具は、入れ子式の取除き用ピンの
形状をした取除き機構が取付けられた直方形のフレーム
からなる。これらの取除き用ピンは、移動可能である
が、直方形のフレームの横即ち長手方向のバーに接続さ
れたクロスバーに取付けることが可能で、それによっ
て、該ピンを、取り除くべき不要部分が位置し、且つ、
下方の取除き工具に取付けられた入れ子式のピンに正確
に対向する場所に位置決めできる。あるいは、他の構成
例では、上方の取除き工具が、適当な場所に入れ子式で
ないピンが取付けられた木の板の形状であり、一方、下
方の取除き工具が、該上方の取除き工具のピンに対向し
て配置された入れ子式ピンを有するものであってもよ
い。

【０００４】上記のように、不要部分は、上方工具と下
方工具のピンの間に挟まれ、取除き機構が垂直移動する
間に、パーフォレーション付き板の開口を通って下方に
下ろされる。このような取除きステーションは、米国特
許第３７８６７３１号明細書により詳細に記載されてい
る。型抜き機械は、種類及び寸法の異なる各種半加工品
に対応して異なる作業を行うことができるため、所定の
作業に応じて取除き工具の位置を設定し、また実施する
作業に対応するようにパーフォレーション付き板を交換
する必要がある。通常、型抜き又は取除きのいずれかに
用いられる異なる工具の各々は、機械の中央軸を基準に
従って、且つこの中央軸上にあって各工具の前部に配置
された基準に対してセンタリングされ、それによって、
両者の相対的位置合わせが最大限に確保され、又、工具
がそれぞれのステーションから取外され又該ステーショ
ンに取付けられる度ごとにその配置が確実に再現できる
ようになっている。この取付けを容易にするために、機
械の上方工具、下方工具、及び、パーフォレーション付
き板は取外し可能とされる。この作業は、これら各部品
を取除きステーションから引出しのように横方向へ引抜
くことによって行なわれる。そのため、上方工具、下方
工具、及び、パーフォレーション付き板は、それぞれの
受け台に設けられた溝の中に挿入されて、それぞれの位
置にセンタリングされそして作動位置に係止される。上
方工具、下方工具、及び、パーフォレーション付き板の
間の相対位置を正確に保持するためには、このセンタリ
ングを高い精度で行なうことがきわめて重要である。今
日知られている取除きステーションでは、パーフォレー
ション付き板と上方及び下方工具は、工具支持フレーム
の長手方向の一方のバーに取付けられた第１の塊部材
と、このフレームの長手方向の他方のバーに取付けられ
た第２の塊部材を用いてセンタリングされる。さらに、
工具支持フレームの係止は、第２のセンタリング用塊部
材と組合わされる。従って、工具の横の位置および長手
方向の位置の調節は、これらセンタリング用塊部材を用
いて行なうことができる。要するに、工具のセンタリン
グは、工具支持フレームの長手方向のバーの全長のほぼ
中央部分にある二つの点で行なわれる。工具支持フレー
ムの係止は、受け台に取付けられたフックを用いて行な
われ、六角頭ねじを締めることによって、該係止が第２
のセンタリング用塊部材の端部で確実に行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】センタリングおよび係
止用にこの装置を用いることにはいくつかの問題がとも
なう。第１に、工具支持フレームの各側に、二つのセン
タリング点があるだけなので、係止中にフレームの歪み
が生じ、それが上方および下方取除き工具とパーフォレ
ーション付き板の間の相対的な位置の精度に悪影響を与
えるが、取除かれる不要部分がきわめて小さい場合に
は、このような精度の低下は許容限度を越える。工具支
持フレームの歪みは、また、取除きピンを支持するバー
の取付け方によっても生じる場合があるが、その場合に
は、センタリングする点が二つしかないためにこの歪み
を補償することができない。さらに、センタリングされ
且つ係止されたときに、フレームが二点でだけ係止され
ているため、フレームがあまり剛性を有するものではな
いことは明らかである。更に、上方ピンと下方ピンの位
置合わせが狂うと、取り除かれる不要部分が傾いて、機
械が停止して詰まりが起こる。この歪みは、また、機械
の他のステーションに取付けられた工具の間のアライン
メントにも影響する。また、係止作業には、工具支持フ
レームをブロックする六角頭ねじを締めるための工具を
使用を必要とすることも指摘しておかなければならな
い。

【０００６】包装の分野では、型抜き機械の使用者は、
いくつかの工具の交換を必要とするような作業に直面す
ることがますます増加しており、これらの作業に必要な
時間を大幅に減らして機械の有効な生産活動に割り振ら
れる時間をできるだけ増やすことが望まれている。型抜
き機械の各種工具の正確な位置決めに関するこれらの欠
点は、不要部分の詰まりなどの不具合の原因にもなるた
め、機械の生産性を高めるためにはなくさなければなら
ない。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、工具支持フレ
ームのセンタリング・係止装置において、正確で信頼性
が高くまた取付け及び取除きを迅速に行なうことができ
る装置を提供することを目的とするものである。この目
的は、特許請求の範囲の請求項１に記載した装置によっ
て達成される。本発明は、添付の図面を参照して以下に
行なう本発明に基づくセンタリング・係止装置の実施例
の説明からよく理解されよう。ただし、該実施例が本発
明の範囲を限定するものではない。

【０００８】

【実施例】図１は、型抜き機械の取除きステーション１
の概要を示す斜視図である。この取除きステーション
は、図示の例では、取除きピン４を備えた木の板３の形
状の上方工具２を含む。該上方工具２は、上方工具支持
フレーム５内に保持され、該上方工具支持フレーム５
は、引出しのように摺動可能である。取除きステーショ
ン１は、下方工具支持フレーム１１内に保持された下方
工具１０を含み、この下方工具支持フレーム１１は、引
出しのように摺動可能である。通常、下方工具は数本の
バー１６を有するが、図には分かりやすいようにその中
の何本かのみを示す。これらのバー１６には、上方工具
２の取除き工具（取除きピン）４に対向した一連の入れ
子式取除きピン１７が取り付けられている。更に、取除
きステーション１は、引出しのように取除きステーショ
ン１から取出せるパーフォレーション付き板１８の形状
の第三の部品を含む。このパーフォレーション付き板１
８の開口は、取除かれる不要部分の形状、及び、互いに
対向して配置された取除きピン４、１７を考慮して配置
されており、これらのピンは加工される厚紙のシートが
該取除きステーションで停止しているときに、不要部分
を挟んで板１８の開口を通して押す。図２は、図１に示
す取除きステーション１の正面図である。取除きステー
ション１は上方工具２を備え、この上方工具２は、レバ
ー７及び引きハンドル８、９を有する装置の作動を受け
て垂直方向に移動可能な上方受け台６に嵌め込まれ、引
出しのように摺動することができる。前記取除きステー
ション１は又、下方工具支持フレーム１１内に保持され
た下方工具１０を備え、この下方工具支持フレーム１１
も、レバー１３及び引きハンドル１４、１５を有する装
置の作動を受けて垂直方向に移動可能な下方受け台１２
に嵌め込まれ、引出しのように摺動することができる。
最後に、取除きステーション１は、取除き板支持フレー
ム１９に取付けられたパーフォレーション付き板１８の
形状をもった第３の部品を備え、このパーフォレーショ
ン付き板１８は、引出しのように取除きステーション１
から取り出すことができる。

【０００９】図３は、上方工具支持フレーム５の概略斜
視図である。この上方工具支持フレーム５は、剛性フレ
ームを形成するように二本のクロスバー２３、２４によ
って連結された前方バー２１及び後方バー２２を含む。
更に、前方バー２１及び後方バー２２は、２本の他のク
ロスバー２５、２６で支えられている。図示の例では、
加工すべきシートは、矢印２７で示す方向に取除きステ
ーションの中へ送り込まれ、上方工具支持フレーム５
は、例えば工具の交換中に、矢印２７の方向と直角の方
向に、このステーションから取出される。又、同図は、
上方工具支持フレーム５のセンタリング（心出し）及び
係止の手段を概略的に示す。上方工具支持フレーム５の
前方部分の前方バー２１の近傍には、スロット２９を有
する案内ブロック２８が設けられ、上方工具支持フレー
ム５を双方向の矢印３１で示す方向に移動させることが
できる案内機構３０がこのスロット２９に係合する。更
に、上方工具支持フレーム５の前方部分には、案内ブロ
ック２８と反対側に、スロット３３及びボア３４を有す
るセンタリング・係止用ブロック３２があり、センタリ
ング・係止用塊部材６１がこのボア３４に係合する。上
方工具支持フレーム５の後方部分の後方バー２２の近傍
には、スロット３６を有する他の案内ブロック３５が設
けられ、このスロット３６には上方工具支持フレーム５
を、双方向の矢印３８で示す方向に移動させることがで
きる案内機構３７が係合する。上方工具支持フレーム５
の後方部分には、案内ブロック３５と反対側に、上方工
具支持フレーム５を案内する機能を有する支持機構３９
が設けられている。溝８５で上方工具支持フレーム５を
案内し、センタリングし、係止するこの構成により、上
方工具支持フレーム５を機械に係止したとき、上方工具
支持フレーム５に優れた剛性を与える。

【００１０】図１及び図２の下方工具支持フレーム１１
の構造も上方工具支持フレーム５と同じ原理にもとづい
て作られているが、スロット２９、３３、３６が下方工
具支持フレーム１１の下方を向くように、案内ブロック
２８、３５及びセンタリング・係止用ブロック３２が逆
転している点で異なる。図４は、取除き板支持フレーム
１９の概略平面図である。図４を参照すると、この取除
き板は、パーフォレーション付き板１８からなるが、同
図では取除くべき不要部分の領域に対応する開口を省略
して示す。このパーフォレーション付き板１８は、サド
ル４３及びねじ４４によってフレーム４２上に取付けら
れ、このねじ４４は、調節可能な支持バー４６に取付け
られた方形部材４５に締込まれている。この調節可能な
支持バー４６は、取除き板支持フレーム１９の横方向の
前方バー４７と、横方向のバー４８に載っている。この
バー４８も調節可能であり、このバー４８は、２本の長
手方向のバー４９、５０を連結する。バー４９、５０
は、横方向の前方バー４７を取除き板支持フレーム１９
の横方向の後方バー５１に連結する。横方向の前方バー
４７は、移動可能な受け台５４に設けられた溝５２に係
合している。後方バー５１は、移動可能な受け台５４に
設けられた溝５３に係合している。枢動レバー５５は、
横方向の後方バー５１の近辺に配置された枢動点５６を
中心として、制御手段（図示せず）の作用によって枢動
する。移動可能な受け台５４は、２つのビーム５４ａ及
び５４ｂを備えている。２つのビーム５４ａ及び５４ｂ
は、それらの端部が滑りブロック５４ｃ、５４ｄに案内
されている。移動可能な受け台５４の機能は、移動可能
な受け台５４が、他のレバー（図示せず）によって作動
した枢動レバー５５によって作動されたときに、取除き
板支持フレーム１９の垂直方向の移動を確実に行うため
に、取除き板支持フレーム１９を支持することである。
このような構成の一例は、米国特許第３，０６０，７７
６号に示されている。移動可能な受け台５４は、調節可
能なセンタリング機構５７によってセンタリングされ、
センタリング・係止装置５８によってセンタリングされ
かつ係止される。枢動レバー５５を枢動させることによ
って、センタリング機構５７が移動可能な受け台５４に
係合して、それによって、移動可能な受け台５４をセン
タリングする。センタリング機構５７の機能は、取除き
板支持フレーム１９を適当な位置に保持することであ
る。このセンタリング機構５７は、枢動レバー５５内に
配置された凹部に係合するような、取除き板支持フレー
ム１９の突出した部分であってもよい。センタリング・
係止装置５８の機能は、取除き板支持フレーム１９を取
除きステーション内の適所に固定することである。この
センタリング・係止装置５８については、図１１及び図
１２を参照して、後で詳細に説明する。

【００１１】図５は、上方工具支持フレーム５を係止し
且つセンタリングするための第１の機構５９の概略部分
断面図である。この図５は、上方工具支持フレーム５の
前方の部分を示しており、特に、図２に見えている上方
受け台６と係合しているとき、前記上方工具支持フレー
ム５の左側に位置している前方バー２１を示す。この第
１の係止・センタリング機構５９は可撓性ロッド６２を
有し、この可撓性ロッド６２は、その一端が２つのねじ
６４によって、スリット付きブロック６３に取付けられ
ている。このスリット付きブロック６３は、上方受け台
６に取付けられている。可撓性ロッド６２は、センタリ
ング・係止用塊部材６１の上方部分を通り抜けており、
センタリング・係止用塊部材６１は、屋根状をなす二つ
の対向した傾斜面６５、６６を有する皿孔を備える。セ
ンタリング・係止用塊部材６１はブッシング７４に取付
けられ、このブッシング７４は、一端に調整用ブロック
７６を備えた調整用詰め金７５に取り付けられている。
調整用ブロック７６は、上方受け台６に取付けられたア
ンカー・ブロック７８を通り抜けるねじ溝付きロッド７
７を受入れている。故に、ねじ溝付きロッド７７に取付
けられたナット７９により、調整用詰め金７５を動かす
ことによって、センタリング・係止用塊部材６１を所望
位置に調節することが可能となり、調整用詰め金７５
は、円筒状のピン８１が係合した長円スリット８０内を
案内される。この可撓性のロッド６２の他端には、ハン
ドル６７が備えられている。係止位置及び係止解除位置
を維持するため、可撓性バー６２は差込み方形部材６８
に係合しており、この差込み方形部材６８の形状を図７
に示すが、この図７については以下で説明する。差し込
み方形部材６８は、調整用詰め金７５に取付けられてい
る。図５に示す状態では、上方工具支持フレーム５は、
センタリングされ且つ係止された位置にあり、即ち、セ
ンタリング・係止用塊部材６１の円錐形部分が、ボア３
４に係合し、それによって、この上方工具支持フレーム
５が横方向に引抜かれるのを防いでいる。係止用ブロッ
ク３２の反対側部分で、上方工具支持フレーム５は、案
内ブロック２８のスロット２９に係合する案内機構３０
によって保持されている。案内機構３０は、案内ブロッ
ク６９で構成され、該案内ブロック６９は、確実に上方
工具支持フレーム５を正確に案内するために、案内ブロ
ック２８（図８参照）のスロット２９の傾斜した側面８
２、８３と協働する傾斜面７１、７２（図８参照）を有
するノーズ部７０を備えている。案内ブロック６９は、
２本のねじ７３を介して上方受け台６に取付けられてい
る。上方工具支持フレーム５の係止を解除するために
は、センタリング・係止用塊部材６１が鎖線で示す位置
６１ａを占めるまで、可撓性ロッド６２を方形部材６８
の差込み部内に移動させなければならず、これによっ
て、センタリング・係止用塊部材６１がボア３４との係
合から解除され、上方工具支持フレーム５の横方向への
引き抜きが可能となる。

【００１２】図６は、上方工具支持フレーム５の第２の
係止・センタリング機構８４の概略部分断面図である。
この図６は、上方工具支持フレーム５の後方の部分を示
している。図６は、特に、上方受け台６と係合している
とき、上方工具支持フレーム５の右側に位置している後
方バー２２を示す。第２の係止・センタリング機構８４
は、可撓性ロッド８６を有し、該可撓性ロッド８６は、
その一端が２本のねじ８８によってスリット付きブロッ
ク８７に取付けられている。スリット付きブロック８７
は、上方受け台６に取付けられている。可撓性ロッド８
６は、屋根状をなす二つの対向した傾斜面９０、９１を
有する皿孔を備えたセンタリング・係止用塊部材８９の
上方部分を通り抜けている。センタリング・係止用塊部
材８９はブッシング９２に取付けられ、このブッシング
９２は、一端に調整用ブロック９４を備えた調整用詰め
金９３に取付けられている。調整用ブロック９４は、上
方受け台６に取付けられたアンカー・ブロック９６を通
り抜けるねじ溝付きロッド９５を受入れている。従っ
て、ねじ溝付きロッド９５に取付けられたナット９７に
より、調整用詰め金９３を動かすことによって、センタ
リング・係止用塊部材８９を所望位置に調節することを
可能にし、調整用詰め金９３は、円筒状のピン９９が係
合した長円のスリット９８内を案内される。可撓性ロッ
ド８６の他端にはハンドル１００が備えられている。係
止位置及び係止解除位置を維持するため、可撓性ロッド
８６は差込み方形部材１０１に係合しており、この差込
み方形部材１０１の形状を図９に示すが、この図９につ
いては、以下で説明する。差込み方形部材１０１は、調
整用詰め金９３に取付けられている。図６に示す状態で
は、上方工具支持フレーム５は、センタリングされ且つ
係止された位置にある。即ち、センタリング・係止用塊
部材８９の円錐形部分が、スロット３６に係合し、これ
によって、上方工具支持フレーム５が横方向に引き抜か
れるのを防いでいる。係止用ブロック３５の反対側部分
で、上方工具支持フレーム５は、溝８５の内側に作用す
る案内機構３９によって、保持されている（図１０参
照）。上方工具支持フレーム５の係止を解除するために
は、センタリング・係止用塊部材８９が鎖線で示す位置
８９ａを占めるまで、可撓性ロッド８６を方形部材１０
１の差込み部内に移動させなければならず、これによっ
て、センタリング・係止用塊部材が溝３６との係合から
解除され、上方工具支持フレーム５の横方向への引き抜
きが可能となる。

【００１３】上方工具支持フレーム５をこの機械から横
方向へ引抜くためには、それぞれ位置６２ａ、８６ａに
ある二本の可撓性ロッド６２、８６を、同時に或いは順
々に動かして、二本の可撓性ロッド６２、８６を利用者
の方に向かって引けばよい。この簡単で迅速な実行方法
により、取除き工具を交換する時間を大幅に節減するこ
とができる。それと共に、上述したように、下方工具支
持フレーム１１も、同じ方法で、この機械から横方向へ
引抜くことができる。下方工具支持フレーム１１も、３
点に設けられているセンタリング・係止装置を使用す
る。下方工具支持フレーム１１の構造は上方工具支持フ
レーム５の構造に類似しているので、上方工具支持フレ
ーム５に関する説明を、下方工具支持フレーム１１の構
造を理解するために言い換えるのはたやすいことである
ので、下方工具支持フレーム１１については、これ以
上、詳細に説明しない。図７は、図５のＡ方向からに見
た図である。この図は、上方工具支持フレーム５と第１
の係止・センタリング機構５９とが上方受け台６に対し
てどのように配置されているかを示している。図７を理
解するためには、同じ参照符号を用いている図５も参照
されたい。図８は、図５のＢ方向から見た図である。こ
の図は、上方工具支持フレーム５と案内機構３０とが上
方受け台６に対してどのように配置されているかを示
し、又、案内機構３０が板１０２によって上方受け台６
にどのように接続されているかを示している。図８を理
解するためには、同じ参照符号を用いている図５も参照
されたい。

【００１４】図９は、図６のＣ方向から見た図である。
この図は、上方工具支持フレーム５と第２の係止・セン
タリング機構８４とが上方受け台６に対してどのように
配置されているかを示している。図９を理解するために
は、同じ参照符号を用いている図６も参照されたい。図
１０は、図６のＤ方向から見た図である。この図は、上
方工具支持フレーム５と案内機構３９とが上方受け台に
対してどのように配置されているかを示し、又、上方工
具支持フレーム５が溝８５によって上方受け台６に対し
てどのように支持されているかを示している。図１０を
理解するためには、同じ参照符号を用いている図６も参
照されたい。図１１は、パーフォレーション付き板１８
が取付けられた取除き板支持フレーム１９のセンタリン
グ・係止装置５８の概略図である。図１２は、図１１の
ＸＩＩ−ＸＩＩ線に沿った断面図である。図１１及び図
１２と図４に示すように、この取除き板支持フレーム１
９は、一つのセンタリング・係止装置５８のみを有す
る。取除き板支持フレーム１９は、移動可能な受け台５
４に取付けられている。係止用ブロック１０４は、移動
可能な受け台５４のサドル１０５に取付けられた対応部
分１０６に取付けられる。取除き板支持フレーム１９の
係止位置を調節するために、係止用ブロック１０４は、
ねじ溝付きロッド１０７を有し、このロッドが対向部分
１０６のボアに係合する。ねじ溝付きロッド１０７のナ
ット１０８を操作することによって係止用ブロック１０
４の位置を調節することができる（図１２を参照）。係
止用ブロック１０４はボア１０９を有し、その中にボル
ト１１０の円筒状部分が係合する。ボルト１１０は、取
除き板支持フレーム１９に取付けられた支持部１１２内
に押し込まれたブッシング１１１内に、摺動するように
取付けられる。ブッシング１１１を受入れるボアは、一
端が閉じ、該端には、ボルト１１０の上端に開けられボ
ア１１４に案内されるばね１１３が当接する。ボルト１
１０は、制御ロッド１１５を備え、その円筒状部分１１
６は、支持部１１２に形成された差込み部１１７に係合
する。更に、制御ロッド１１５は、ハンドル１１８を備
え、それによって、ばね１１３の作用に抗して、図１２
に示す係止位置から図１１の鎖線で示す係止解除位置１
１９への切り換えを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 取除きステーション全体の概略斜視図であ
る。

【図２】 取除きステーションの正面図である。

【図３】 上方工具支持フレームの概略斜視図である。

【図４】 パーフォレーション付き板支持フレームの概
略平面図である。

【図５】 上方工具支持フレームを係止するための第１
の機構の部分断面側面図である。

【図６】 上方工具支持フレームを係止するための第２
の機構の部分断面側面図である。

【図７】 図５のＡ方向から見た図である。

【図８】 図５のＢ方向から見た図である。

【図９】 図６のＣ方向から見た図である。

【図１０】 図６のＤ方向から見た図である。

【図１１】 パーフォレーション付き板支持フレームの
係止機構の側面図である。

【図１２】 図１１のＸＩＩ−ＸＩＩ線に沿った断面図
である。

【符号の説明】

１ 取除きステーション ５ 上方工具支持フレーム ６ 上方受け台 ７ レバー ８、９ ハンドル １１ 下方工具支持フレーム １２ 下方受け台 １８ パーフォレーション付き板１９ 取除き板支持フレーム ２８ センタリング用ブロック ２９ スロット ３２ センタリング・係止用ブロック３３ スロット ５８ センタリング・係止装置 ５９ 第１のセンタリング・係止機構 ６１ センタリング及び係止用塊部材 ６２ ロッド ６３ 係止用ブロック ６７ ハンドル ６８ 差込み方形部材 ８４ 第２のセンタリング・係止機構 ８６ ロッド ８７ 係止用ブロック １００ ハンドル １０１ 差込み方形部材 １１５ ロッド １１７ 差込み方形部材 １１８ ハンドル

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙又は厚紙を加工するのに用いられる型
   抜き機械の工具支持フレームをセンタリングし且つ係止
   するための装置において、 上方工具（２）を保持するための上方工具支持フレーム
   （５）と、 下方工具（１０）を保持するための下方工具支持フレー
   ム（１１）と、 パーフォレーション付き板（１８）を取付けた取除き板
   支持フレーム（１９）と、 前記上方工具支持フレーム（５）を摺動可能に取り付け
   た上方受け台（６）と、 前記下方工具支持フレーム（１１）を摺動可能に取り付
   けた下方受け台（１２）と、 前記取除き板支持フレーム（１９）を取り付けた移動可
   能な受け台（５４）とを備え、 前記上方工具支持フレーム（５）は、２つのセンタリン
   グ点と、１つのセンタリング・係止点とを有しており、 第１のセンタリング・係止装置（５９）が、前記上方工
   具支持フレーム（５）を上方受け台（６）に対してセン
   タリングし且つ係止するために、前記上方工具支持フレ
   ーム（５）の一方のセンタリング点とセンタリング・係
   止点に配置され、 第２のセンタリング・係止装置（８４）が、前記上方工
   具支持フレーム（５）を上方受け台（６）に対してセン
   タリングするために、前記上方工具支持フレーム（５）
   の他方のセンタリング点に配置されており、 前記下方工具支持フレーム（１１）は、２つのセンタリ
   ング点と、１つのセンタリング・係止点とを有してお
   り、 第１のセンタリング・係止装置（５９）が、前記下方工
   具支持フレーム（１１）を下方受け台（１２）に対して
   センタリングし且つ係止するために、前記下方工具支持
   フレーム（１１）の一方のセンタリング点とセンタリン
   グ・係止点に配置され、 第２のセンタリング・係止装置（８４）が、前記下方工
   具支持フレーム（１１）を下方受け台（１２）に対して
   センタリングするために、前記下方工具支持フレーム
   （１１）の他方のセンタリング点に配置されており、 調節可能なセンタリング機構（５７）が、前記取除き板
   支持フレーム（１９）を前記移動可能な受け台（５４）
   に対してセンタリングするために設けられ、 第３のセンタリング・係止装置（５８）が、前記取除き
   板支持フレーム（１９）を前記移動可能な受け台（５
   ４）に対してセンタリングし且つ係止するために設けら
   れており、 前記第１のセンタリング・係止装置（５９）、前記第２
   のセンタリング・係止装置（８４）、前記第３のセンタ
   リング・係止装置（５８）の各々が、係止位置から係止
   解除位置まで差込み方形部材（６８、１０１、１１７）
   内で手動で動かされるハンドル（６７、１００、１１
   ８）を有するロッド（６２、８６、１１５）を備えてい
   る、 ことを特徴とする、型抜き機械の工具支持フレームをセ
   ンタリングし且つ係止するための装置。
2. 【請求項２】 案内機構（３０、３７）が係合するスロ
   ット（２９、３６）をもった案内ブロック（２８、３
   ５）が前記センタリング点に配置されており、スロット
   （３３）を含みかつセンタリング及び係止用塊部材（６
   １）が係合するボア（３４）を含むセンタリング・係止
   ブロック（３２）が前記センタリング・係止点に配置さ
   れており、 前記ロッド（６２、８６）は、各々、一端が前記上方受
   け台（６）、前記下方受け台（１２）に取付けられた係
   止用ブロック（６３、８７）に固定されており、且つ、
   係止位置から係止解除位置まで差込み方形部材（６８、
   １０１）内で手動で動かされるように構成されている、 ことを特徴とする、請求項１に記載の型抜き機械の工具
   支持フレームをセンタリングし且つ係止するための装
   置。
3. 【請求項３】 第１のセンタリング・係止装置（５９）
   のセンタリング用ブロック（２８）及びセンタリング・
   係止用ブロック（３２）のスロット（３３、２９）が、
   上方工具支持フレーム（５）の前方バー（２１）の各端
   部で互いに整列するように構成され、 第２のセンタリング・係止装置（８４）のセンタリング
   用ブロック（３５）のスロット（３６）が、第１のセン
   タリング・係止装置（５９）の係止・センタリング用ブ
   ロック（３２）に向かい合っている上方工具支持フレー
   ム（５）の後方バー（２２）の端部のところで、第１の
   センタリング・係止装置（５９）のスロット（２９、３
   ３）に対して垂直に配置されていることを特徴とする、
   請求項２に記載の型抜き機械の工具支持フレームをセン
   タリングし且つ係止するための装置。