JP2917498B2 - 1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法 - Google Patents

1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は1,3−フェニレンジオキシジ酢酸(以下、1,3
−PDDAと言う)の製法に関するものである。
[従来の技術] 1,3−PDDAはポリエステルやポリアミドなどのポリマ
ーを製造するためのモノマーになり得る芳香族ジカルボ
ン酸であり、工業的に有用な化合物である。1,3−PDDA
の合成法としては、従来より、いくつかの方法が知られ
ていたが、本出願人はレゾルシンとモノクロロ酢酸とを
特定の条件下で反応させることにより、高収率で1,3−P
DDAを回収する方法を先に見い出し特許出願を行った
(特願平1-343981号)。
しかしながら、この方法によれば、レゾルシンとモノ
クロロ酢酸とをアルカリ性水溶液中で反応を行うため、
得られる1,3−PDDAがジアルカリ塩として生成するの
で、これを酸性化して1,3−PDDAの結晶を回収する必要
があるが、ここで回収される結晶は微量不純物の影響で
若干、着色する傾向がある。そして、この着色した結晶
は水などによる再結晶によっても簡単に精製しにくい。
着色した1,3−PDDA結晶を用いてポリマーを製造した場
合には、高い透過率を有するポリマーが得られ難いの
で、1,3−PDDA結晶の着色度はできるだけ小さい方が望
ましい。
[発明が解決しようとする課題とそれを解決するための
手段] 本発明者等は上記実情に鑑み、レゾルシンとモノクロ
ロ酢酸とから1,3−PDDAを製造するに当たり、着色度の
少ない高純度の結晶を得る方法につき種々検討した結
果、レゾルシンとモノクロロ酢酸との反応時に酸化防止
剤を存在させることにより、最終的に回収される1,3−P
DDA結晶の着色度が改善されることを見い出し、本発明
を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、レゾルシンとモノクロロ
酢酸とをアルカリ性水溶液中で反応させ、1,3−PDDAを
製造するに当たり、反応系内に酸化防止剤を存在させる
ことを特徴とする1,3−PDDAの製法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明ではレゾルシンとモノクロロ酢酸とをアルカリ
性水溶液中で反応させるが、アルカリ水溶液としては、
通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化
アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸ア
ルカリが挙げられる。また、反応系内のpHは、通常、7.
5〜12、好ましくは8〜11の範囲に保持するのが望まし
い。すなわち、反応の進行に伴って塩酸が副生するの
で、反応系内のpHは次第に低下する傾向にあるが、本発
明では反応系内を常にアルカリ性に保持するのが好まし
い。レゾルシンに対するモノクロロ酢酸の使用量は2モ
ル倍以上、好ましくは2.1〜3モル倍であり、この使用
量があまり少ないと中間体である3−オキシ酢酸フェノ
ールの生成量が増大するので好ましくない。なお、アル
カリ水溶液中のレゾルシンの濃度は、通常、10〜50重量
%である。
本発明における反応温度は、通常、40℃〜100℃、好
ましくは50℃〜95℃である。反応温度があまり低いと反
応速度が遅く、良好に目的物を得ることができず、一
方、あまり高すぎると副生物の生成が増えるので好まし
くない。また、反応時間は反応温度及び反応方式により
異なるが、通常、両原料の混合終了後、0.5〜10時間、
好ましくは1〜7時間程度である。
本発明の反応を実施するに当たっては、例えば、レゾ
ルシンを含むアルカリ水溶液を敷液とし、これにアルカ
リ水溶液を添加した反応系内のpHを所望の値に保持しつ
つ、モノクロロ酢酸を供給する方法が望ましい。この場
合のモノクロロ酢酸の供給は、連続的又は間欠的でよい
が、あまり供給速度が速いとモノクロロ酢酸の分解が起
るので、通常、反応系内に供給された未反応モノクロロ
酢酸の反応液に対する濃度が10重量%以下になるように
調節される。この際の供給時間は反応条件などにより異
なるが、通常、1〜10時間程度である。なお、レゾルシ
ンはアルカリ水溶液中ではジアルカリ塩として存在し、
また、反応により生成する1,3−PDDAもジアルカリ塩と
なる。
本発明においては、上述の反応時に酸化防止剤を存在
させることを必須の要件とするものである。要するに、
反応系内に酸化防止剤を存在させることにより、着色の
原因となる微量不純物の生成を抑制しようとするもので
ある。本発明で使用可能な酸化防止剤としては、例え
ば、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水
素ナトリウムなどのイオウ系酸化防止剤、亜リン酸ナト
リウム、亜リン酸水素ナトリウムなどのリン系酸化防止
剤、ヒドロキシアミンなどのアミン系酸化防止剤、フェ
ノール系酸化防止剤等が挙げられ、特に、イオウ系及び
リン系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の使用量は、
通常、レジルシンに対して、0.01〜5重量%、好ましく
は0.1〜1重量%であり、あまり少ない場合には、最終
的に得られる1,3−PDDA結晶の着色を十分に抑制するこ
とができない。なお、本発明では反応器内の気相部をN2
ガスで置換しておく方がより効果的である。
反応終了後の混合物は常法に従って酸性化することに
より目的とする1,3−PDDA結晶を析出させるが、この操
作は、通常、反応混合物に塩酸又は硫酸の水溶液を加
え、混合物のpHを3以下に調節することにより実施する
ことができる。なお、上記反応におけるレゾルシンの濃
度などによっては、反応混合物中に1,3−PDDAのジアル
カリ塩の結晶が析出している場合もあるが、このような
場合でも、反応混合物に酸を加え同様に酸性化すること
により、1,3−PDDA結晶を得ることができる。そして、
析出した1,3−PDDA結晶は混合物から分離し、次いで、
必要に応じて、水再結晶及び水洗浄の両方あるいは一方
で処理した後回収される。
[実施例] 以下、本発明を実施例に従い、詳細に説明するが、本
発明は以下の実施例によっては、何ら限定されるもので
はない。
実施例1 [エーテル化反応] 複合電極、冷却管、温度計及び撹拌機を装着した内容
量2.5lのジャケット付きセパラブルフラスコ(パイレッ
クス製)に、レゾルシン165.2g(1.50mol)及び、亜硫
酸ナトリウム0.735gを溶解した水溶液125mlを入れ窒素
雰囲気下で撹拌しつつジャケットに温水を流し、内温を
50℃迄昇温し結晶を溶解した。続いて、同温度で47%苛
性ソーダ水溶液をポンプで添加し、系内のpHを8.2に抑
制しつつ、95℃まで昇温しレゾルシンのナトリウム塩を
含む水溶液を調製した。続いて、これに95℃で、47%苛
性ソーダ水溶液をポンプで添加し、pHを8.2に制御しつ
つ、モノクロ酢酸水溶液605.8g(モノクロロ酢酸378.9g
(4.00mol)を含む)を同じくポンプで5時間滴下し
た。更に同温度で2時間、pHを8.2に制御しつつ反応を
続けた。反応系はモノクロロ酢酸供給過程で結晶が析出
し、スラリー状態となった。
[酸析] エーテル化反応で得られた上記スラリーに、脱塩水50
0mlを添加した後、内温を90℃をし、30%硫酸833gを添
加して、同温度で30分間撹拌を続けた。次にジャケット
に冷水を流し、20℃迄降温した後1時間保持し、小型セ
ントル(国産遠心器(株)製、H-110型)にて結晶を
別し、脱塩水1000mlを振りかけ洗浄を行った。
[再結晶] 冷却管、温度計、撹拌機を装着した2l4つ口フラスコ
(パイレクス製)に酸析で得られた結晶及び脱塩水1300
mlを仕込み、内温を100℃迄昇温したところ、系内は均
一となった。加熱を停止し、内温を40℃迄降温し、1時
間保持した後、小型セントルにて結晶を別し、脱塩水
500mlを振りかけ洗浄を行った。得られた結晶を90℃で
真空乾燥を行い283.2gの1,3−PDDAを得た。
この結晶5gを2N苛性ソーダ水溶液25mlに溶解し、脱塩
水にて50mlにメスアップした液の400nmに於ける透過率
を測定した。
この結果を表−1に示す。
実施例2,3 実施例1の亜硫酸ナトリウムに代え、表−1に記載し
た酸化防止剤を各々0.735g用いた以外は実施例1と同様
に操作を行った。得られた1,3−PDDAの透過率を表−1
に示す。
比較例 実施例1の亜硫酸ソーダの使用を行わなかった以外は
実施例1と同様に操作を行った。得られた1,3−PDDAの
透過率を表−1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−173764(JP,A) 特開 平4−91052(JP,A) 特開 平3−204833(JP,A) Chem.Abstr.,Vol. 101 abstract No.191261 Chem.Abstr.,Vol.89 abstract No.42699 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 59/70 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レゾルシンとモノクロロ酢酸とをアルカリ
    性水溶液中で反応させ1,3−フェニレンジオキシジ酢酸
    を製造するに当たり、反応系内に酸化防止剤を存在させ
    ることを特徴とする1,3−フェニレンジオキシジ酢酸の
    製法。
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