JP2870151B2 - 1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法 - Google Patents

1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法

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JP2870151B2 JP20545390A JP20545390A JP2870151B2 JP 2870151 B2 JP2870151 B2 JP 2870151B2 JP 20545390 A JP20545390 A JP 20545390A JP 20545390 A JP20545390 A JP 20545390A JP 2870151 B2 JP2870151 B2 JP 2870151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高分子重合体製造用モノマーとして有用な1,
3−フェニレンジオキシジ酢酸(以下、1,3-PDDAと略
す)の製法に関する。
(従来の技術) 水酸化ナトリウム水溶液中でアリーロキシ酢酸に対応
するアリーロキシ化合物(例えば、フェノール、ナフト
ール等)をモノクロロ酢酸と共に加熱し、次に該混合物
を塩酸で処理することによりアリーロキシ酢酸を工業的
に製造することが知られている。〔ウルマン;工業化学
百科辞典,第4版,第9巻578頁(1975年)〕。また、
1,3-PDDAに関してもレゾルシンとモノクロロ酢酸とを水
酸化ナトリウム水溶液中で加熱攪拌して合成できること
が報告されている〔N.Yoda et.al.,Makromol.Chem.,32,
1,(1959年);堤繁等,日本化学雑誌,81,1167,(1960
年)〕。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の技術では、モノクロロ酢酸のア
ルカリによる加水分解反応が著しく併発し、過剰のモノ
クロロ酢酸を用いても目的の1,3-PDDAの収率を高めるこ
とは一般に困難で、堤らの報告によると、1,3-PDDAの収
率は55%程度である。この点を改良するために、反応溶
媒として、DMSOの使用が提案されているが、プロセスが
複雑化しコスト的に問題があり、再現性にも乏しく満足
な結果が得られていない。〔G.S.Kazakova.et.al.,Osno
vn.Org.Sint.Nettekhim.,16,26〜8,(1982)〕。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記実情に鑑み、レゾルシンとモノクロ
ロ酢酸を反応させて1,3-PDDAを製造する際に、モノクロ
ロ酢酸の分解及び副反応を抑制し、高収率で1,3-PDDAを
回収できる方法を得るべく種々検討した結果、ある特定
の反応方式を採用するとともに、反応系内のpHをある特
定範囲に保持しつつ反応を進行させることにより本発明
の目的が達成されることを見い出した。
すなわち、本発明の要旨は、レゾルシンとモノクロロ
酢酸とをアルカリ性水溶液中で反応させ、1,3-PDDAを製
造するに当り、レゾルシンのアルカリ塩を含む水溶液を
敷液とし、これにモノクロロ酢酸を供給し、かつアルカ
リ水溶液を供給して反応系内のpHを8〜11の範囲内に保
持して反応を行うことを特徴とする1,3-PDDAの製法に存
する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明ではレゾルシンのアルカリ塩を含む水溶液を敷
液とするが、レゾルシンのアルカリ塩としては、通常、
ナトリウム塩又はカリウム塩である。この敷液は通常、
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸
化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸
アルカリ等のアルカリ水溶液にレゾルシンを均一混合す
ることにより容易に調製することができる。なお、敷液
中のレゾルシンの濃度としては、通常、10〜50重量%程
度である。
上述の敷液にモノクロロ酢酸を供給し反応を実施する
が、モノクロロ酢酸の使用量は、通常、レゾルシンに対
して、2.1〜3モル倍である。本発明ではモノクロロ酢
酸の分解が少ないため、多量のモノクロロ酢酸を使用す
る必要はなく、そのため、過反応による副生物の生成も
抑制することができるが、モノクロロ酢酸の使用量があ
まり少ないと、中間体である3−オキシ酢酸フェノール
の生成量が増大する。モノクロロ酢酸は間欠的又は連続
的に供給することができるが、その供給速度が速すぎる
とモノクロロ酢酸の分解及びこれに伴なう副反応が起こ
るので、通常、反応系内に供給された未反応モノクロロ
酢酸の反応液に対する濃度が10重量%以下になるように
調節される。この際のモノクロロ酢酸の供給時間は反応
条件などにより異なるが、一般的に1〜10時間程度であ
る。
本発明においては、モノクロロ酢酸の供給に合わせ、
アルカリ水溶液を供給することにより、反応系内のpHを
8〜11、好ましくは8.5〜10の範囲に保持しつつ反応を
行なうことを必須の要件とする。すなわち、モノクロロ
酢酸の供給により、それ自体によって系内のpHが低下す
るとともに、しかも、反応の進行に伴なって塩酸が副生
するため、反応系内のpHは次第に低下するが、本発明で
はこれを一定範囲に調節しようとするものである。反応
系内のpHが前記範囲よりも低い場合には、反応が良好に
進行せず目的とする1,3-PDDAを高収率で得ることができ
ず、逆に、前記範囲よりも高い場合には、クロロ酢酸の
加水分解が激しくなり、また、過反応による副生物の生
成が増大するので好ましくない。なお、ここで使用する
アルカリ水溶液としては、上述の敷液に用いたものと同
様のものが挙げられ、その水溶液濃度は、通常、10〜50
重量%である。アルカリ水溶液の供給は、通常、反応系
内のpHを測定しながら間欠的又は連続的に行なうことが
できる。
本発明における反応温度は、通常、40〜100℃、好ま
しくは50〜95℃である。反応温度があまり低いと反応速
度が遅く良好に目的物を得ることができず、一方、あま
り高すぎると副生物の生成量が多くなる。反応時間は反
応温度及びモノクロロ酢酸の供給方法により異なるが、
通常、モノクロロ酢酸の供給終了後、0.5〜10時間、好
ましくは1〜7時間である。
本発明の反応を実施するには、通常、反応器に所定量
のレゾルシンのアルカリ塩を含む水溶液を仕込み、これ
を反応温度に加熱して攪拌しつつ、モノクロロ酢酸とア
ルカリ水溶液とを反応系内のpHを一定に保ちながら滴下
することにより行なうことができる。この際、モノクロ
ロ酢酸とアルカリ水溶液とは別々に滴下した方が望まし
いが、場合により、直前に混合して滴下してもよい。
反応終了後の混合物はアルカリ性であり、生成した1,
3-PDDAもアルカリ塩として存在しているので、常法に従
って、これを酸性化し遊離酸の形で回収する。例えば、
反応混合物に塩酸又は硫酸などの酸を加え、系内のpHを
3以下に調節することにより1,3-PDDAの結晶を得ること
ができる。なお、上記反応の際のレゾルシンのアルカリ
塩濃度によっては、反応混合物中に1,3-PDDAのジアルカ
リ塩結晶が析出している場合もあるが、このような場合
でも、反応混合物に酸を加え酸性化することにより1,3-
PDDA結晶を得ることができる。そして、1,3-PDDA結晶は
反応混合物から分離し、次いで、必要に応じて、水再結
晶及び/又は水洗浄して回収される。
(実施例) 以下に本発明方法を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に制約されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1 複合電極、冷却管、温度計及び攪拌機を装着した内容
量2.5lのジャケット付セパラブルフラスコ(パイレック
ス製)に、脱塩水125ml、レゾルシン165.2g(1.500mo
l)を入れ窒素雰囲気下で攪拌しつつジャケットに温水
を流し70℃迄昇温し、溶解後、47%苛性ソーダ水溶液を
ポンプで添加し、pHを9.30としてレゾルシンのナトリウ
ム塩を含む水溶液を調製した。続いてこれに70℃で47%
苛性ソーダ水溶液をポンプで添加しpHを9.30±0.10に制
御しつつ、モノクロロ酢酸水溶液605.8g〔モノクロロ酢
酸378.9g(4.001mol)を含む〕をポンプで5時間で滴下
した。更に同温で2時間、47%苛性ソーダを添加する事
により、pHを9.30±0.1に制御しつつ反応を続けた。
反応中に析出した結晶を水を加える事により溶解し反
応液を均一化した後、分析を行った結果を第1表に示
す。
実施例2〜4 第1表に記載したpH及び温度以外は実施例−1と同様
に反応を行った。結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1の方法において、モノクロロ酢酸を敷液と
し、これに苛性ソーダを添加して系内のpHを9.3とした
後、次いで、レゾルシンの水溶液を滴下液として、それ
以外は実施例1と同様な条件で反応を行なった場合の結
果を第1表に示す。
比較例2 第1表に記載したpH以外は実施例−1と同様に反応を
行った。結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1でpHをコントロールする為に添加した47%苛
性ソーダ水溶液508gをあらかじめレゾルシン塩水溶液に
加えた後、モノクロロ酢酸水溶液の添加を行い、系内の
pHが9.3となった時点で47%苛性ソーダ水溶液の供給を
開始し、pHを9.3に保持した以外は実施例1と同様に反
応を行った。結果を第1表に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、レゾルシンを敷液とし、これにモノ
クロロ酢酸を供給すると言う特定の反応方式を採用する
ことにより、モノクロロ酢酸の分解を抑え、高収率で目
的とする1,3-PDDAを得ることができる。これは反応系内
のpHを8〜11と言う狭い範囲に保持することと一体とな
って達成されるものである。また、本発明ではモノクロ
ロ酢酸の分解が少ない上、過反応による副生物も少ない
ので、比較的高い温度で反応を実施することが可能であ
り、その結果、反応時間も短かくてよいとの効果もあ
る。更に、得られる1,3-PDDA結晶の純度も高く、着色の
ない高品位のものを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−204833(JP,A) 特開 平3−38544(JP,A) 特開 昭64−3146(JP,A) 特開 昭59−95237(JP,A) 特公 昭27−1113(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 51/00 - 66/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レゾルシンとモノクロロ酢酸とをアルカリ
    性水溶液中で反応させ、1,3−フェニレンジオキシジ酢
    酸を製造するに当り、レゾルシンのアルカリ塩を含む水
    溶液を敷液とし、これに、モノクロロ酢酸を供給し、か
    つアルカリ水溶液を供給して反応系内のpHを8〜11の範
    囲内に保持して反応を行なうことを特徴とする1,3−フ
    ェニレンジオキシジ酢酸の製法。
JP20545390A 1990-08-02 1990-08-02 1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法 Expired - Lifetime JP2870151B2 (ja)

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