JP2915549B2 - 通電発熱型ヒーター及び触媒コンバーター - Google Patents

通電発熱型ヒーター及び触媒コンバーター

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ハニカム構造体に、ゼオライトを主成分と
する吸着材を被覆した通電発熱型ヒーター及び触媒コン
バーターに関する。
これらは温風ヒーターなどの民生用ヒーター、自動車
の排気ガス浄化用のプレヒーター等の工業用ヒーターと
して好適に使用でき、また自動車の排気ガス浄化用など
の触媒コンバーターとしても好ましく適用できる。
[従来の技術] 自動車等の排気ガスを浄化するために用いられる触媒
コンバーターは、触媒が触媒作用を発揮するために所定
温度以上に昇温されることが必要であるので、自動車の
始動時等の未だ触媒が十分に昇温していない場合には触
媒を加熱することが必要となる。
従来、このような触媒を加熱するための提案として、
例えば実開昭63−67609号公報に記載の技術が知られて
いる。この実開昭63−67609号公報には、セラミック製
主モノリス触媒の上流側に近接させてメタル担体にアル
ミナをコートした電気通電可能なメタルモノリス触媒を
配設した触媒コンバーターが開示されている。
また、排気ガス中の有害成分(HC、CO、NOX)のう
ち、特にHC(炭化水素)は光化学スモッグ(オキシダン
ト)の原因となるため、規制が強化されつつあり、エン
ジン始動時に大量に排出されるHCをゼオライトの吸着作
用を利用して浄化する試みがなされている。例えば、排
ガス系に浄化触媒とその上流側にゼオライト等の吸着
材、あるいは触媒を担持した吸着材を配置した自動車排
ガス浄化装置も提案されている。(例えば、特開平2−
75327号公報、特開平2−173312号公報、特開平2−135
126号公報等を参照) さらに、特開平2−126937号公報には、メタル担体上
にゼオライトをコートした吸着材が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、実開昭63−67609号公報記載の触媒コ
ンバーターは、プレヒーターたるメタルモノリス触媒と
主モノリス触媒から構成されるもので、エンジン始動時
に排気ガス中のHC成分が浄化され難いという問題があ
る。
また、排ガス系に、浄化触媒とその上流側にゼオライ
ト等の吸着材を配置した自動車排気ガス浄化装置(特開
平2−75327号公報)では、浄化触媒の上流側で吸着材
によってHCが吸着されても、暖機とともに吸着材からHC
が脱離し、その結果相当量のHCが未だ十分に加熱されて
いない浄化触媒を通過してしまうという問題がある。
特開平2−173312号公報は、主通路に触媒を、バイパ
ス通路には吸着材を備え、エンジン始動時には切換手段
によりバイパス通路に排気ガスを通し、エンジン始動後
排気ガスが触媒の活性温度に達した時切換手段により排
気ガスを主通路の触媒に流す技術が開示されているが、
この場合、主通路の触媒が完全に暖まるまで待機するの
は機構が複雑となり主通路の触媒自身が暖まるまでの未
浄化成分の触媒通過が無視できない。
又、排ガス系に、浄化触媒とその上流側に触媒を担持
した吸着材を配置した自動車排気ガス浄化装置(特開平
2−135126号公報)においては、吸着材自体の熱容量で
浄化触媒の立上りが遅れるという問題があり、さらに吸
着材に触媒成分を添加してもその容量に限界があり、充
分な浄化ができないという欠点がある。
さらに、特開平2−126937号公報には吸着材のみが記
載され、ヒーターあるいはCO、HC、NOXを含めた排気ガ
スの触媒コンバーターについては記載されていない。
[課題を解決するための手段] 従って、本発明は上記従来の問題を解消した通電発熱
型ヒーター及び触媒コンバーターを提供することを目的
とするものである。
そしてその目的は、本発明によれば、通電により発熱
する材料からなり、多数の貫通孔を有するハニカム構造
体に、ゼオライトを主成分とする吸着材、あるいは該吸
着材に触媒成分を担持させた吸着・触媒組成物を被覆す
るとともに、通電のための少なくとも2つの電極を設
け、前記ハニカム構造体における貫通孔内のガス流体を
加熱することを特徴とする通電発熱型ヒーター、により
達成することができる。
また、本発明では、主モノリス触媒の上流側または下
流側、あるいは主モノリス触媒と主モノリス触媒の間
に、上記の通電発熱型ヒーターを配設した触媒コンバー
ター、が提供される。
本発明においては、電極間にスリット等の抵抗調節機
構を設けることがエンジン始動時の低温排気ガスを迅速
に加熱・昇温できるため好ましい。
また、ゼオライトとしては、Si/Al比が40以上の高シ
リカゼオライトを用いると、耐熱性が向上して触媒の適
用条件が緩和され、好ましい。
さらに吸着・触媒組成物が、(a)Pt、Pd、Rh、Ir及
びRuから選択される少なくとも1種の貴金属とイオン交
換されたSi/Al比が40以上の高シリカゼオライトと、
(b)Pt、Pd、Rh、Ir及びRuから選択される少なくとも
1種の貴金属を含有する耐熱性酸化物とからなる組成物
を用いることが好ましい。
なお、ハニカム構造体としては、粉末原料をハニカム
状に成形し焼結させたものを用いることが好ましい。
[作用] 本発明は、ハニカム構造体に、ゼオライトを主成分と
する吸着材、あるいはそれに触媒成分を担持させた吸着
・触媒組成物を被覆し、かつ通電のための電極を設けた
通電発熱型のヒーター、および、当該ヒーターと主モノ
リス触媒とからなる触媒コンバーターである。
吸着材又は吸着・触媒組成物がハニカム構造体に被覆
されていない従来の通電発熱型ヒーターの場合、消費電
力の都合上、エンジン始動前に数十秒間通電して、セル
モーター駆動時はオフとし、その後再びヒーターを通電
発熱させるシステムが主流であった。
しかしながら、本発明のヒーターは吸着材あるいは吸
着・触媒組成物がハニカム構造体に被覆されているた
め、エンジン始動前に通電することなく、セルモーター
駆動のエンジン始動時においてはゼオライトによる吸着
機能を利用して低温排気ガス中の未燃HCを捕捉し、その
後このヒーターに通電すると同時に捕捉されたHCは脱離
を開始し、その下流側等に配置された主モノリス触媒お
よび/又はヒーター上の触媒が瞬時に加熱されるために
HCは好適に反応浄化される。
尚、エンジン始動時のエンジン排ガスはリッチ側(酸
素不足雰囲気)になるため、HCやCOの酸化に必要な酸化
性ガス、例えば二次空気の排ガス中への導入が必要であ
る。
本発明において吸着材として用いるゼオライトの種類
としては特に限定されないが、Y型、モルデナイトなど
の他、一般に市販されているモービル社、コンテック社
のZSM−5、ZSM−8、シリカライト(UOP社)などが好
適である。また、X型、Y型、モルデナイト等をゼオラ
イト骨格から脱アルミニウム処理をしてSi/Al比を高め
たものも好適に用いることができる。さらに、Si/Al比
が40以上の高シリカゼオライトを用いることが好まし
い。Si/Al比が40未満であると、耐熱性が不足すると共
に、親水性が増大するため、排ガス中の水分が強く吸着
し好ましくない。
上記高シリカゼオライトは、よく知られる通常のゼオ
ライトと同様、結晶の単位格子の最小単位が結晶性アル
ミノ珪酸塩で、Al2O3及びSiO2が互いに酸素イオンによ
り連続的に結合したものであるが、Si/Al比が通常のゼ
オライトの1〜5に比し約10以上と高いものである。本
発明においては、上記のように特にSi/Al比が40以上の
高シリカゼオライトが好ましい。一方、Si/Al比が1000
を超えると吸着容量そのものが低下すること、及び触媒
成分を添加する場合、イオン交換サイトの数が少なくな
るため、少量の貴金属しかゼオライト中にイオン交換で
きず、好ましくない。また、上記高シリカゼオライトは
H(プロトン)型であることが耐熱性の点で好ましい。
本発明において、ゼオライトを主成分とする吸着材に
担持する触媒成分としては、Pt、Pd、Rh等の貴金属を含
有することが好ましく、さらに高比表面積の耐熱性酸化
物を添加することが着火特性の向上の点で好ましい。P
t、Pd、Rh等の貴金属はゼオライト及び/又は耐熱性酸
化物に担持されるが、耐熱性およびNOXの選択的除去能
(副生成物NH3の発生抑制)などから、ゼオライトにイ
オン交換によって担持されることが好ましい。
以上の触媒特性などに鑑みると、本発明で最適な吸着
・触媒組成物としては、(a)Pt、Pd、Rh、Ir及びRuか
ら選択される少なくとも1種の貴金属とイオン交換され
たSi/Al比が40以上の高シリカゼオライトと、(b)P
t、Pd、Rh、Ir及びRuから選択される少なくとも1種の
貴金属を含有する耐熱性酸化物とからなる組成物、が挙
げられる。
ここで上記(a)成分は、高シリカゼオライトとPt、
Pd、Rh、Ir及びRuから選択される少なくとも1種の貴金
属とを適当な水溶液にてイオン交換することにより得る
ことができる。上記した所望の性能を発揮するために
は、貴金属のイオン交換率は10〜85%が好ましく、30〜
85%が更に好ましい。
高シリカゼオライトとイオン交換された貴金属は、ゼ
オライトの交換サイトに固定されて分散性が高く、触媒
活性を有効に保持するとともに飛散されにくく、また高
温下においても凝集することなく長期間にわたり高活性
を維持できる。
この貴金属イオン交換ゼオライトは、例えば次のよう
に作製される。
高シリカゼオライトを10-4〜10-1mol/のカチオン型
金属イオンを含有する溶液に浸漬し、常温から100℃、
好ましくは80〜90℃で約2時間以上静置または撹拌ある
いは還流することにより貴金属成分をイオン交換し、要
すれば濾過、水洗を繰り返してイオン交換された貴金属
以外を除去する。イオン交換後は、通常80〜150℃で乾
燥し、更に300〜1000℃、酸化または還元雰囲気下で約
1〜10時間焼成することにより作製できる。
またゼオライトへ、CeO2、La2O3等希土類金属やアル
カリ土類金属の酸化物を添加すると、希土類金属の酸素
貯蔵能力による三元浄化性能が広がることになりその適
用が多様化でき、しかもアルカリ土類金属添加によって
耐熱性が向上することから好ましい。
一方上記(b)成分の耐熱性酸化物としては、Al
2O3、TiO2、ZrO2、SiO2あるいはこれらの複合酸化物を
用いることができる。又、これらの酸化物にCeO2、La2O
3等希土類金属やアルカリ土類金属の酸化物を添加する
ことも、上述のように三元浄化性能が広がり、しかも耐
熱性が向上することから好ましい。そして、この(b)
成分は、耐熱性酸化物に上記した貴金属の少なくとも1
種を担持させて構成される。
上記(a)成分と(b)成分の構成重量比としては、
(a):(b)=10〜85:90:15とすることが好ましい。
(a)成分が10重量%未満では、NOXの選択的除去能
(副生成物NH3の発生抑制)が得られ難く、85重量%を
超えると着火性能が劣るようになる。
本発明の吸着・触媒組成物において、貴金属の総担持
量は、10〜35g/ft3の範囲が好ましく、15〜30g/ft3がさ
らに好ましい。貴金属担持量が10g/ft3未満の場合、着
火特性、耐久性に問題があり、35g/ft3を超えるとコス
ト高となる。このようにSi/Al比40以上の高シリカゼオ
ライトを用いることにより、本発明の触媒では、貴金属
のRhを、従来の排気ガス浄化用触媒が5g/ft3以上担持さ
せる必要があったのに対し、5g/ft3未満の担持量でも十
分にNOXのN2への選択的浄化能を発現でき、更に0〜2g/
ft3の担持量でも、低温で被毒物質低含有量等の比較的
穏和な条件で使用される場合には、実用上十分な選択性
を発現できる。
次に、本発明に用いるハニカム構造体としては、粉末
原料をハニカム状に成形し焼結させて作製することが好
ましい。この場合には、いわゆる粉末冶金および押出し
成形法を用いて作製することが好ましく、この場合に
は、工程が簡略で低コスト化が図れる利点がある。
また、このヒーター及び触媒コンバーターは粉末原料
を用いたハニカム構造体(一体物)とすると、テレスコ
ープ現象が生じず、均一な発熱を達成でき、好ましい。
なお、本発明の通電発熱型ヒーターはハニカム構造体
を金属質とし、そのハニカム構造体の隔壁及び気孔の表
面をAl2O3、Cr2O3等の耐熱性金属酸化物で被覆すること
が耐熱性、耐酸化性、耐食性が向上し好ましい。
本発明の基体であるハニカム構造体の構成材料として
は、通電により発熱する材料からなるものであれば制限
はなく、金属質でもセラミック質でもよいが、金属質が
機械的強度が高いため好ましい。金属質の場合、例えば
ステンレス鋼やFe−Cr−Al、Fe−Cr、Fe−Al、Fe−Ni、
W−Co、Ni−Cr等の組成を有する材料からなるものが挙
げられる。上記のうち、Fe−Cr−Al、Fe−Cr、Fe−Alが
耐熱性、耐酸化性、耐食性に優れ、かつ安価で好まし
い。さらに金属質の場合、フォイルタイプに形成したも
のでもよい。
本発明のハニカム構造体は、多孔質であっても非多孔
質であってもよいが、ゼオライトを主成分とする吸着
材、あるいは吸着材に触媒成分を担持した吸着・触媒組
成物を担持するため、多孔質のハニカム構造体が吸着材
あるいは吸着・触媒組成物との密着性が強く熱膨張差に
よる吸着材あるいは吸着・触媒組成物の剥離が生ずるこ
とがほとんどないことから好ましい。
次に、本発明のハニカム構造体のうち金属質ハニカム
構造体の製造方法の例を説明する。
まず、所望の組成となるように、例えばFe粉末、Al粉
末、Cr粉末、又はこれらの合金粉末などにより金属粉末
原料を調製する。次いで、このように調製された金属粉
末原料と、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等
の有機バインダー、水を混合した後、この混合物を所望
のハニカム形状に押出成形する。
なお、金属粉末原料と有機バインダー、水の混合に際
し、水を添加する前に金属粉末にオレイン酸等の酸化防
止剤を混合するか、あるいは予め酸化されない処理を施
した金属粉末を使用することが好ましい。
次に、押出成形されたハニカム成形体を、非酸化雰囲
気下1000〜1400℃で焼成する。ここで、水素を含む非酸
化雰囲気下において焼成を行なうと、有機バインダーが
Fe等を触媒にして分解除去し、良好な焼結体を得ること
ができ、好ましい。
焼成温度が1000℃未満の場合、成形体が焼結せず、焼
成温度が1400℃を超えると得られる焼結体が変形するた
め、好ましくない。
なお、望ましくは、次いで、得られた焼結体の隔壁及
び気孔の表面を耐熱性金属酸化物で被覆する。この耐熱
性金属酸化物による被覆方法としては、下記の方法が好
ましいものとして挙げられる。
金属ハニカム構造体を酸化雰囲気中700〜1100℃で熱
処理する。
Al等を焼結体の隔壁及び気孔の表面にメッキ(例えば
気相メッキ)し、酸化雰囲気中700〜1100℃で熱処理す
る。
Al等の金属溶湯中に浸漬し、酸化雰囲気中700〜1100
℃で熱処理する。
アルミナゾル等を用い焼結体の隔壁及び気孔の表面に
被覆し、酸化雰囲気中700〜1100℃で熱処理する。
尚、熱処理温度は、耐熱性、耐酸化性の点で900〜110
0℃とすることが好ましい。
次に、得られた金属質ハニカム構造体について、後述
する電極間に、各種の態様により抵抗調節機構を設ける
ことが好ましい。
ハニカム構造体に設ける抵抗調節機構としては、例え
ばスリットを種々の方向、位置、長さで設けること、
貫通孔軸方向の隔壁長さを変化させること、ハニカ
ム構造体の隔壁の厚さ(壁厚)を変化させるか、または
貫通孔のセル密度を変化させること、およびハニカム
構造体のリブ部にスリットを設けること、等が好ましい
ものとして挙げられる。
上記のようにして得られた金属質ハニカム構造体は、
通常その外周部の隔壁または内部に、ろう付け、溶接な
どの手段によって電極を設けることにより、本発明の通
電発熱型ヒーターが作製される。
尚、ここでいう電極とは、通電発熱型ヒーターに電圧
をかけるための端子の総称を意味し、ヒーター外周部と
缶体を直接接合したものや、アース等の端子を含む。
この金属質ハニカム構造体はヒーターとして用いる場
合、全体としてその抵抗値が0.001Ω〜0.5Ωの範囲とな
るように形成することが好ましい。
本発明におけるハニカム構造体のハニカム形状として
は特に限定はされないが、具体的には、例えば6〜1500
セル/In2(0.9〜233セル/cm2)の範囲のセル密度を有す
るように形成することが好ましい。又、隔壁の厚さは50
〜2000μmの範囲が好ましい。
また、上記したようにハニカム構造体は多孔質であっ
ても非多孔質でもよくその気孔率は制限されないが、0
〜50%、好ましくは25%未満の範囲とすることが強度特
性、耐酸化性、耐食性の面から望ましい。また、吸着材
あるいは吸着・触媒組成物を担持する場合には、それら
との密着性の点から5%以上の気孔率を有することが好
ましい。
尚、本発明においてハニカム構造体とは、隔壁により
仕切られた多数の貫通孔を有する一体構造をいい、例え
ば貫通孔の断面形状(セル形状)は円形、多角形、コル
ゲート形等の各種の任意な形状が使用できる。
本発明の通電発熱型ヒーターは、上記したゼオライト
を主成分とする吸着材、あるいはそれに触媒成分を担持
させた吸着・触媒組成物をハニカム構造体に被覆して製
造される。ハニカム構造体に被覆される吸着材あるいは
吸着・触媒組成物の膜厚は、10〜100μmの範囲とする
のが好ましい。10μm未満では耐久性に問題があり、10
0μmを超えると圧力損失が大きくなり好ましくない。
吸着材あるいは吸着・触媒組成物のハニカム構造体へ
の被覆は、一般にこれらの成分のスラリーを用い、スラ
リー塗布やハニカム構造体の浸漬等により行なうことが
できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(実施例1) 平均粒径10、20、22μmのFe粉、Fe−Al粉(Al50wt
%)、Fe−Cr粉(Cr50wt%)の原料を用い、Fe−22Cr−
5Al(重量%)の組成になるよう原料を配合し、これに
有機バインダー(メチルセルロース)と酸化防止剤(オ
レイン酸)、水を添加して坏土を調製し、リブ厚4mil、
貫通孔数400セル/In2(cpi2)の四角セルよりなるハニ
カムを押出し成形し、乾燥後H2雰囲気下1300℃で焼成
し、その後空気中、1000℃で熱処理を行った。得られた
ハニカム構造体の気孔率は22%であり、平均細孔径は5
μmであった。
上記方法により得られた外径90mmφ、長さ50mmのハニ
カム構造体上に、Si/Al比48のH−ZSM−5が95wt%に、
バインダーとして5wt%のベーマイトを添加し、さらに
硝酸を適量添加したスラリーを50μm被覆コートし、乾
燥、焼成することにより、ゼオライトを主成分とする吸
着材が担持されたハニカム構造体を得、その後、第1図
に示すように、その外壁10上に2ヶ所電極11をセットし
た。又、第1図に示すように、70mmの長さのスリット12
を貫通孔の軸方向に6個所設け(両端のスリット長は50
mm)、かつスリット12間のセル数が7個(約10mm)とな
るように形成した。さらに、スリット12の外周部13には
ジルコニア系の耐熱性無機接着剤を充填して絶縁部と
し、通電発熱型ヒーターを作製した。
このようにして得られた通電発熱型ヒーターを、主モ
ノリス触媒である市販の三元触媒(担体がセラミック質
で、リブ厚6mil、貫通孔数400セル/In2の四角セルより
なるハニカム構造体)の上流側(前方)に設置し、触媒
コンバーターを作製した。
次いで、この触媒コンバーターについて、下記の如く
評価を行なった。
すなわち、エンジン始動時の性能を確認するために、
排気量2400ccの自動車を用い、FTPにおけるBag1テスト
を実施した。
ここで、ヒーターへの供給電圧は12V、エンジン始動
後10秒後に通電を開始し、その後40秒後に通電を停止し
た。通電中はヒーター中央部のガス温度が400℃になる
よう制御した。また、エンジン始動後50秒間、200/mi
nで二次空気を触媒コンバーターに導入した。
得られた結果を表1に示す。
(実施例2) ヒーターへの通電をエンジンクランク直後に実施した
以外は、実施例1と同様の条件で評価を行なった。結果
を表1に示す。
(比較例1) 触媒コンバーターとして、市販三元触媒のみを用い、
又二次空気の供給も行なわないで、実施例1と同様の条
件で評価を行なった。結果を表1に示す。
(比較例2) ヒーターに通電しないこと以外は、実施例1と同様の
条件で評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例3) 実施例1のゼオライト吸着材の代りに、ゼオライトの
吸着・触媒組成物を被覆したものを用いた。
ゼオライトの吸着・触媒組成物は以下のように調製し
た。
ゼオライトとしてSi/Al比が48のH−ZSM−5を用い、
これを10-2mol/のカチオン型白金錯塩((NH34PtCl
2水溶液に浸漬し、90℃で24時間還流することによりイ
オン交換した。次いで得られたゼオライトを真空濾過し
ながら水洗を5回繰り返し、100℃で16時間乾燥した
後、550℃で3時間焼成してPtをイオン交換したゼオラ
イトを得た。
次に、市販のγ−Al2O3(BET比表面積:200m2/g)40部
と、酢酸セリウムとCeO2粉をCeO2換算で10部、上記で得
られたイオン交換ゼオライト50部に、酢酸を適量添加し
て形成したスラリーを用い、実施例1と同様のハニカム
構造体上に50μm被覆し、乾燥・焼成した。さらに、Pt
とRhとをγ−Al2O3・CeO2上に含浸・担持し、焼成工程
を経て最終的にPt/Rh=19/1で、30g/ft3担持したゼオラ
イトを主成分とする吸着・触媒組成物を得た。
この吸着・触媒組成物を用いて実施例1と同様の触媒
コンバーターを作製し、これを実施例1と同様の条件で
評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例4) ヒーターへの通電をエンジン始動直後に実施した以外
は、実施例3と同様の条件で評価を行なった。結果を表
1に示す。
(実施例5) ゼオライトを主成分とする吸着・触媒組成物を市販の
三元触媒の後方(下流側)に設置した以外は、実施例4
と同一の方法で評価を行なった。その結果を表1に示
す。
(比較例3) ヒーターに通電しないこと以外は、実施例3と同様の
条件で評価を行なった。その結果を表1に示す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ゼオライトに
よる吸着効果とヒーターへの通電発熱の相乗効果によ
り、排ガス中の各エミッション、特にHC、COの浄化が大
きく改善され、大気中への排出量を大幅に低減すること
ができる。
また、ゼオライトの吸着・触媒組成物を用いる場合、
ゼオライトの吸着効果と特異的な触媒作用とが相まって
排ガス中の各エミッションの浄化性能が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る通電発熱型ヒーターの一実施例を
示す説明図である。 10……外壁、11……電極、12……スリット、13……スリ
ットの外周部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/08,3/20,3/22 F01N 3/24,3/32 B01D 53/00 - 53/96

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通電により発熱する材料からなり、多数の
    貫通孔を有するハニカム構造体に、ゼオライトを主成分
    とする吸着材を被覆するとともに、通電のための少なく
    とも2つの電極を設け、前記ハニカム構造体における貫
    通孔内のガス流体を加熱することを特徴とする通電発熱
    型ヒーター。
  2. 【請求項2】通電により発熱する材料からなり、多数の
    貫通孔を有するハニカム構造体に、ゼオライトを主成分
    とする吸着材に触媒成分を担持させた吸着・触媒組成物
    を被覆するとともに、通電のための少なくとも2つの電
    極を設け、前記ハニカム構造体における貫通孔内のガス
    流体を加熱することを特徴とする通電発熱型ヒーター。
  3. 【請求項3】電極間に抵抗調節機構を設けた請求項1ま
    たは2記載の通電発熱型ヒーター。
  4. 【請求項4】ゼオライトとして、Si/Al比が40以上の高
    シリカゼオライトを用いる請求項1、2または3記載の
    通電発熱型ヒーター。
  5. 【請求項5】吸着・触媒組成物が、(a)Pt、Pd、Rh、
    Ir及びRuから選択される少なくとも1種の貴金属とイオ
    ン交換されたSi/Al比が40以上の高シリカゼオライト
    と、(b)Pt、Pd、Rh、Ir及びRuから選択される少なく
    とも1種の貴金属を含有する耐熱性酸化物とからなる組
    成物である、請求項2、3または4記載の通電発熱型ヒ
    ーター。
  6. 【請求項6】ハニカム構造体が、粉末原料をハニカム状
    に成形し焼結させたものである請求項1〜5のいずれか
    に記載の通電発熱型ヒーター。
  7. 【請求項7】抵抗調節機構がスリットである請求項3〜
    6のいずれかに記載の通電発熱型ヒーター。
  8. 【請求項8】主モノリス触媒の上流側または下流側、あ
    るいは主モノリス触媒と主モノリス触媒の間に、請求項
    1〜7のいずれかに記載の通電発熱型ヒーターを配設し
    たことを特徴とする触媒コンバーター。
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