JP2915177B2 - スパッタリングターゲットの製造方法及びこの方法によって製造されたスパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲットの製造方法及びこの方法によって製造されたスパッタリングターゲット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子計算機、電子交換器
等の情報処理機器等に適する高密度配線基板の製造にお
いて、回路中の抵抗素子を形成する高比抵抗薄膜をスパ
ッタリングにより形成するために用いるスパッタリング
ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりCrとSiとOからなる比抵抗
の大きな薄膜は抵抗温度係数が小さく、熱的・化学的に
も安定で、薄膜抵抗素子を形成する上で非常に有用な薄
膜として知られている。該薄膜を形成するための手段と
してジャーナル オブ バキューム サイエンス アン
ド テクノロジー 4巻4号(1967年)第163頁
から第170頁(J.Vac.Sci.Techno
l.,4(1967)pp163−170)に記載の如
くCr粉末と一酸化珪素(SiO)粉末の混合物を電子
線により加熱して蒸着する手法が述べられている。
【0003】また、特開昭54−1898および特開昭
58−82770等に記載の如くCrとSiからなる複
合型ターゲットまたは合金ターゲットを用いて酸素含有
雰囲気中で反応性スパッタリングを行い上記薄膜を得る
ことができると記載されている。
【0004】さらに、シィン ソリッド フィルムズ
57巻(1979年)第363頁から第366頁(Th
in Solid Films,57(1979)pp
363−366)に記載の如くCr粉末とSiO2粉末
の混合物を粉末のままスパッタリングターゲットとして
上記薄膜を形成した例も見られる。
【0005】また、材料系は異なるが金属と珪素と酸素
からなる薄膜として知られるタンタル(Ta)と珪素
(Si)と酸素(O)とからなる薄膜を得るためのスパ
ッタリングターゲットとして金属タンタル(Ta)とS
iO2の粉末を加圧成形してスパッタリングターゲット
とした例が特開昭58−119605に記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のうちCr
とSiとOからなる薄膜を形成するための例においては
いずれも短期的には所期の薄膜を得ることができるが、
長期にわたって再現性良く薄膜を得るための経時的安定
性の点で配慮されておらず、組成のずれが生じ易いため
に工業的に用いるには問題があった。また、金属Taと
SiO2から成形したスパッタリングターゲットの例に
おいては、タンタルと珪素,タンタルと酸素間の化学反
応が高温において生じる結果ターゲットが非常に脆いも
のとなるため極力低温での成形を行う必要がある。この
ため相対密度が上がらず、種々の対策を施しても90%
程度に留まる。このため、スパッタリングターゲットに
内包される微小空隙の面内分布及び厚さ方向の分布が生
じやすく、やはり長期にわたる再現性(経時的安定性)
の点で問題がある。また、該微小空隙はクラックの起点
となるばかりでなく、これの伝播を非常に容易にするた
め、相対密度の低いターゲット材は機械的強度が小さく
使用中に割れやすい。また、肉眼で確認できるような大
きな空隙はスパッタ中のグロー放電の局所的集中を生
じ、放電が不安定となる。これを防ぐために相対密度を
90%以上に向上させるため高圧で加圧すると加圧時の
粒子間の摩擦等により発熱し、上記反応の進行を抑制で
きなくなる。このため得られるターゲット材は非常に脆
いものであり、スパッタ成膜中の放電による発熱のため
に割れることが多く使用に耐えない。
【0007】本発明の目的は、CrとSiとOからなる
比抵抗の高い薄膜を安定にかつ大量に形成するための量
産に適したスパッタリングターゲットを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的はCrとSiと
Oからなる均質かつ機械的強度の高い即ち相対密度の高
いスパッタリングターゲットを得ることで達成される。
このために、原料としてCrと安定な酸化物であるSi
2の粉末を用い、その粒度をタイラーナンバーで32
メッシュアンダー(粒径500μm以下)のものを選別
し、これを充分に水分を除去した後に20〜80重量%
Crの比率で混合して原料粉とする。ここで、成形のた
めの加熱によってCrとSiとの反応が生じることを防
ぐために、熱処理によってCr粒の表面に薄い酸化膜を
形成させた粉末をSiO2と混合して原料粉としても良
い。その後、ニオブ(Nb)等の高融点金属の箔を内張
りした圧密用封止缶内に充填して200〜800℃に加
熱しながら缶内の気体を排気してから封止し、熱間静水
圧プレスにより加圧成形してスパッタリングターゲット
を製造するものである。
【0009】または、混合した原料粉を通常のプレスに
て成形した後ダイスに装着して熱間プレスによって加圧
成形してスパッタリングターゲットを製造するものであ
る。
【0010】
【作用】CrとSiO2の粉末の各々の粒度が32メッ
シュ以下(粒径500μm以下)となるよう選別し、こ
れらを20〜80重量%Crの範囲の比率とした上で十
分に撹拌することで均一な混合原料粉を得ることができ
る。この混合原料粉を用いることで、局所的なCrとS
iO2の比率のばらつきが非常に小さい焼結体を製造す
ることができる。また、Cr本来の性質からCr粉末を
大気中に放置するだけでCr粒の表面に自然酸化膜が形
成され、この酸化膜が高温高圧による成形工程中でもC
rとSiO2中のSiとの化学反応を防ぐため脆い化合
物の生成や化合物生成時の体積変化による焼結体の破壊
が起こらず安定に製造できる。さらにCr粒表面に加熱
処理により酸化膜を形成させることでより確実な効果が
得られる。両者が高温での加圧においても安定であるた
め、1200℃程度の温度と1000kg/cm2の高
圧の条件による成形時にはCrの粒子間にあるSiO2
が軟化流動して空隙を埋めるためCr粒子間がほぼ完全
にSiO2により充填された混合2相組織を有するよう
になり、焼結体の相対密度が95%以上となる。さら
に、封止缶に内張りした反応防止層であるNb箔が封止
缶の材料と原料粉とが反応して加圧成形体中に封止缶の
構成元素が混入したり加圧成形体表面から封止缶を除去
できなくなることを防ぐ。このような反応防止処理は熱
間プレスによって加圧成形を行う場合のダイスにも必要
である。これらの製造法の総合的な効果により焼結体中
の局所的なCrとSiO2の比率のばらつきが小さいた
めに非常に均質であり、且つその相対密度が95%以上
の機械的強度の高い焼結体を得ることができる。このよ
うな特性を有する本スパッタリングターゲットを用いて
得られる薄膜は膜特性の面内分布が小さく、且つ長期に
渡って再現性良く薄膜を得ることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図を用いて説明する。
【0012】[実施例1]図1に示す如く、原料となる
99.5%以上の純度のCr粉末の粒度が120メッシ
ュ以下、99.5%以上の純度のSiO2粉末の粒度を
200メッシュ以下となるように各々選別する。Cr粉
末は比較的水分吸着が少ないため保管に注意していれば
選別後にそのまま原料粉として用いても良い。また、保
存中の水分吸着が懸念される場合は大気中で200℃程
度に加熱しながら撹拌することで確実な水分除去が行え
る上、同時にCr粒表面全面に酸化膜が形成され、これ
が高温でのSiO2との反応を確実に防ぐ働きをする。
この乾燥時の加熱を300℃を越えるような高温にする
とCr粒の表面酸化が著しくなり、ターゲット全体とし
ての酸素含有量にも影響が現われるため、上記の温度範
囲が適当である。SiO2粉末は大気または窒素等の乾
燥雰囲気中において、800℃以上に加熱して撹拌する
ことにより水分の除去を必ず行う。SiO2粉末はその
製法によっては結晶水の形態で水分を10重量%前後含
んでいることがある上に、保管中に大気中の水分をかな
り吸着してしまうため、水分を極力除去するために上記
のような高温での乾燥処理が必須である。SiO2粉末
に水分が残っている場合は焼結中の1000℃前後の高
温下で水蒸気となり、これによってCr粉が極端に酸化
されて脆い酸化物となってしまうため、事実上焼結でき
ない。
【0013】その後、各々所定の重量に調整したCrお
よびSiO2の粉末を十分に混合して原料粉末とした。
ここで、原料粉末の混合比率が20重量%Cr以下およ
び80重量%Cr以上のように大幅に異なるような組成
では原料粉の均一な混合が困難となり、スパッタリング
ターゲット中においてもCrまたはSiO2が偏在しや
すい。このため、スパッタリングターゲットの組成とし
ては20重量%Cr〜80重量%Crの範囲にあること
が必要である。高温高圧下で混合粉末と合金化等の反応
を抑制するために数十μmの厚さのニオブ(Nb)また
はタンタル(Ta)の箔を内張りした鋼製圧密用封止缶
に詰め、200〜800℃の範囲で加熱しながら数時間
かけて容器内の空気を排気する。温度が高い方が早くか
つ確実に排気できるが、800℃を越えるとCrが昇華
してしまうため上記範囲にする必要がある。排気は容器
内の圧力が0.01Pa以下になるまで行うのが望まし
く、0.001Pa以下であれば残留空気および水分に
よる焼結中の過度の酸化を防ぐために十分な効果がある
上、スパッタリングターゲットとしての諸特性の再現性
も良好である。排気完了後に容器を密封溶接し、これを
熱間静水圧プレスにより1000℃〜1400℃の温度
および1000〜1200kg/cm2の圧力の下で焼
結する。焼結後は室温まで10時間以上の時間をかけて
徐々に冷却し、冷却完了後に圧密用封止缶を機械的に切
断除去して焼結された成形体取り出す。この焼結工程に
より、封止缶の体積は10〜20%程度減少する。得ら
れた成形体の相対密度を測定したところ、98%の密度
が得られていることが明らかとなった。その後、成形体
を所定の形状に機械加工した後、有機溶剤および純水等
により洗浄・乾燥し、スパッタ装置への取付を容易にす
るためにバッキングプレートへターゲットを接着して完
成する。
【0014】[実施例2]原料粉の粒度をCrを32メ
ッシュアンダー,SiO2を200メッシュアンダーと
しても実施例1と全く同じ工程によりスパッタリングタ
ーゲットを製造することができるが、ターゲット中での
Cr粉の局所的な偏在が目立つ上、相対密度も上記例に
比べれば若干低く96%程度であった。該スパッタリン
グターゲットの使用にあたっては膜質再現性の点で十分
な注意が必要であり、変動に応じて成膜条件を調整する
ことによりスパッタリングターゲットとして使用するこ
とは可能であった。
【0015】[実施例3]実施例1と同様に原料粉を準
備し所期の比率で均一に混合した後、所望の形状を有し
た金型に充填し約400kg/cm2の圧力で圧粉成形
する。これを炭素製の容器に装着し、容器内真空度0.
01Paまで排気する。この後、1300℃の温度下で
窒化硼素を塗布した炭素性スペーサを介して約260k
g/cm2の圧力を成形体に加え、この加圧状態を約2
時間保持した。この方法によっても実施例1と同等のス
パッタリングターゲットを得ることができた。
【0016】この製造法において、圧力を下げて焼結す
ると相対密度の小さなスパッタリングターゲットを得る
ことができるため、相対密度約80%のものを製作し、
3.0W/cm2の電力密度で放電させたが、数分の放
電によりターゲットが割れてしまい実用に耐えなかっ
た。これに対して、相対密度95%以上のターゲットの
ものは実施例1および2に記載のものも含めて何れの方
法で製作したものでも放電による破損の兆候は見られな
かった。
【0017】[実施例4]実施例1,2および3にて得
られた66重量%Cr-34重量%SiO2の組成を有す
るターゲットの表面を研磨して光学顕微鏡で観察する
と、図2に示す如くSiO2の中にCr粒1が散らばっ
ている組織になっている。これは高温高圧下においてS
iO2が流動性を帯び、Cr粒1の間に流れ込むことに
よって空隙をほぼ完全に埋めることでこのような組織に
なったものである。このような組織を有する試料に対し
て蛍光X線の線分析を行うと、図3に示す如くCr粒1
とSiO2の間ではCrの特性X線の強度4およびSi
2の特性X線強度3が急激な立上りおよび立下がりを
示して逆転していることから、相互拡散が生じておら
ず、明確な境界が存在することが判る。これはCr粒表
面の自然酸化膜または熱酸化膜が焼結工程における高温
高圧下において相互拡散を防ぐ障壁の働きをしたためと
考えられる。このような組織を有する焼結体の相対密度
(この場合の理論密度は4.06g/cm3)を測定す
ると、約98%前後の値となっており、充分高い値であ
った。
【0018】[実施例5]CrとSiO2の粉末の粒度
を変えて同じ条件で焼結したターゲットの機械的強度を
比較してみると、表1に示すごとく機械的強度はCr粉
末の粒度に依存し、Cr粒が大きいほど脆くなる。表中
1の条件では焼結後の機械加工の段階で割れが発生し、
スパッタリングターゲットとしては評価できなかった。
しかしながら、表中2の条件を用いて矩形のスパッタリ
ングターゲットを製作し、これに3.1W/cm2の電
力密度でRF電力を加え、これによりグロー放電を発生
させるという負荷を通算200時間にわたってかけた
が、なんら異常を生じることなく使用することができ
た。従って、Cr粉の粒度の上限は表の条件の1と2の
間にあり、2より細かいものは充分使用に耐えることが
明らかである。
【0019】また、CrおよびSiO2の粉末の粒度が
大きい場合は、成形体における局所的なCrとSiO2
の比率のばらつきが大きくなり、薄膜の膜特性の再現性
が悪くなる。従って、原料となるCrおよびSiO2
粉末の粒度はこの点からも32メッシュより細かい粒度
である必要があり、さらにSiO2の粉末については均
一な混合という点でCr粉末と同等またはそれよりも細
かい必要がある。ただし、Cr粉末はあまり細くしても
機械的強度は飽和してしまう上、Cr粒の表面積の増加
に伴う酸化層の量的増加により酸素量が所期の量よりも
増えることや不純物の含有量が相対的に多くなる等の影
響が顕著になるために1000メッシュアンダーより細
かくても利点は無い。SiO2粉末においても細かい方
が水分の吸着量が増える他、粒の凝集が顕著になるため
実効的には粗い粉末と同じ結果となるため1000メッ
シュアンダーより細かくとも利点は無い。従って、実際
にスパッタリングターゲットを製作するにあたっては原
料粉の不純物含有量、取扱いの容易さおよびターゲット
の特性から考えてCrおよびSiO2の粉末はともに3
2〜1000メッシュアンダーの範囲が最適粒度であ
る。
【0020】
【表1】
【0021】[実施例6]127×381mm角のCr
-SiO2焼結ターゲットを製作して基板移動成膜型のス
パッタリング装置に取り付け、1.5kWのRF電力に
て放電させて薄膜を形成したところ、得られた薄膜のシ
ート抵抗分布は127mm角の基板上において±3%以
下であった。また、本装置により一定の成膜条件のもと
での成膜再現性を調べ、累積バッチ数と平均シート抵抗
値の関係を図4に示す。この図よりCr板とSiO2
を組み合わせて同じ外形とした複合型ターゲットによる
この関係5はバッチが重なる毎に上昇し、上述のシート
抵抗およびその分布特性を有する薄膜を得ることができ
るバッチ数が約20バッチであったものが、本発明によ
るスパッタリングターゲットを用いた例6ではそのバッ
チ数は300バッチ以上にも達し、量産性の大幅な向上
が確認された。また、これらの検討を通じて本焼結ター
ゲットが放電により破壊される兆候は全く見られず、上
記製造上の各条件の設定が適切であることも確認でき
た。
【0022】[実施例7]CrとSiO2の粉末を混合
する割合を55〜80重量%Crの範囲で変えたスパッ
タリングターゲットを製作し、これらを用いてRFスパ
ッタリングによりCr−Si−O薄膜を形成した。その
成膜されたままの状態の比抵抗を図5に示した。この図
より明かなように、一般的に知られているNiCr(ニ
クロム)薄膜と同等の比抵抗である1μΩ・mの比抵抗
を有する薄膜が本発明のスパッタリングターゲットでは
80重量%Crの組成で得られ、更に、従来は安定して
得ることが困難であった高比抵抗領域の薄膜がSiO2
の量を増すことで広い範囲に渡って容易に得ることがで
きる。
【0023】得られる薄膜の比抵抗の点から見るとター
ゲット組成として50〜80重量%Crの範囲が特に有
用である。また、20重量%CrよりCr量が少ない場
合、得られる薄膜は実質的に絶縁物となってしまい、本
発明の目的から外れる。このように、得られる薄膜の特
性の面からも本発明によるスパッタリングターゲットの
組成は、20重量%Cr乃至80重量%Crの範囲にあ
ることが必要であり、中でも50〜80重量%Crが好
適である。
【0024】
【発明の効果】本発明に依れば、CrとSiO2の混合
比に偏りがなく均質なスパッタリングターゲットを得る
ことができる。また、本ターゲットは機械的強度も高
く、長時間に渡る放電にも耐えることができるため、タ
ーゲットの使用可能時間も従来ターゲットの10倍以上
とすることができる。さらに、本ターゲットを用いるこ
とで所望の比抵抗を有する薄膜を膜質の基板内分布が小
さい状態で再現性良く得られるので、この薄膜を抵抗素
子として形成した場合に素子抵抗値の誤差を小さくで
き、薄膜回路の回路特性を大幅に向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCr−SiO2焼結ターゲットの
製造工程を示す図、
【図2】本発明によるCr−SiO2焼結ターゲット顕
微鏡組織を示す図、
【図3】図2中のAからA’にかけて蛍光X線により線
分析した結果を示す図、
【図4】本発明による焼結ターゲットの使用に伴う比抵
抗変動を同じ形状の複合型ターゲットのものと比較した
図、
【図5】SiO2粉の混合比を変えた焼結ターゲットに
より得られた薄膜の比抵抗の混合比依存性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…Cr粒子,2…SiO2,3…Siの蛍光X線の検
出強度,4…Crの蛍光X線の検出強度,5…複合型タ
ーゲットにおける消耗に伴う薄膜シート抵抗の変動,6
…本発明によるターゲットにおける消耗に伴う薄膜シー
ト抵抗の変動。を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲釼▼持 秋広 神奈川県秦野市堀山下1番地株式会社日 立製作所神奈川工場内 (72)発明者 千葉 ▲芳▼孝 島根県安来市安来町2107−2日立金属株 式会社内 (72)発明者 平木 明敏 島根県安来市安来町2107−2日立金属株 式会社内 (56)参考文献 特開 平2−54760(JP,A) 特開 平4−14203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/34 C22C 1/05 H01L 21/203,21/285

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属クロム(Cr)の粉末と二酸化珪素
    (SiO2)の粉末を加圧焼結して製造するスパッタリ
    ングターゲットの製造方法において、両者の粉末の粒度
    が30メッシュ以下(粒径500μm以下)であるとと
    もに二酸化珪素(SiO2)の粉末の粒径が金属クロム
    (Cr)の粉末の粒径と同等ないしは細かいものを用
    い、金属クロム(Cr)粉末を大気中にて100〜30
    0℃の温度に加熱して水分を除去し、二酸化珪素(Si
    O2)の粉末を大気中にて800〜1200℃の温度に
    加熱して水分を除去し、両者を金属クロム(Cr)の粉
    末の重量比が20〜80%の範囲の比率に混合し、得ら
    れた混合粉末を加圧焼結することで、その混合比におけ
    る理論密度に対する実際の密度の比率(相対密度)が9
    5%以上の焼結一体物とすることを特徴とするスパッタ
    リングターゲットの製造方法
  2. 【請求項2】金属クロム(Cr)の粉末と二酸化珪素
    (SiO2)の粉末を加圧焼結して製造されるスパッタ
    リングターゲットであって、両者の粉末の粒度が30メ
    ッシュ以下(粒径500μm以下)であるとともに二酸
    化珪素(SiO2)の粉末の粒径が金属クロム(Cr)
    の粉末の粒径と同等ないしは細かいものが用いられ、金
    属クロム(Cr)粉末を大気中にて100〜300℃の
    温度に加熱して水分が除去され、二酸化珪素(SiO
    2)の粉末を大気中にて800〜1200℃の温度に加
    熱して水分が除去され、両者が金属クロム(Cr)の粉
    末の重量比が20〜80%の範囲の比率に混合され、得
    られた混合粉末を加圧焼結することで、その混合比にお
    ける理論密度に対する実際の密度の比率(相対密度)が
    95%以上の焼結一体物とされたスパッタリングターゲ
    ット。
  3. 【請求項3】請求項記載のスパッタリングターゲット
    製造方法における加圧焼結に際して、原料である金属
    クロム(Cr)の粉末と二酸化珪素(SiO2)の粉末
    を充分に混合した後に、原料との反応を防止するための
    内張りを施した圧密用封止缶内に原料粉を充填し、該缶
    を200〜800℃で加熱しながら缶内を0.01Pa
    以下の真空度まで排気した後に封止し、熱間静水圧プレ
    スにより焼結することを特徴とするスパッタリングター
    ゲットの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のスパッタリングターゲッ
    トを用いて、RFスパッタリング法により1〜1000
    μΩ・mの比抵抗を有するクロム(Cr),珪素(S
    i)および酸素(O)からなる薄膜を形成してなる電気
    回路
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