JP2896233B2 - 高融点金属シリサイドターゲット,その製造方法,高融点金属シリサイド薄膜および半導体装置 - Google Patents

高融点金属シリサイドターゲット,その製造方法,高融点金属シリサイド薄膜および半導体装置

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JP2896233B2
JP2896233B2 JP7505739A JP50573995A JP2896233B2 JP 2896233 B2 JP2896233 B2 JP 2896233B2 JP 7505739 A JP7505739 A JP 7505739A JP 50573995 A JP50573995 A JP 50573995A JP 2896233 B2 JP2896233 B2 JP 2896233B2
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道雄 佐藤
尚 山野辺
透 小松
美治 深沢
典章 八木
利広 牧
博美 志津
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、高融点金属シリサイドターゲット,その製
造方法,高融点金属シリサイド薄膜および半導体装置に
係り、特に混合組織の微細化と組成の均一化とを図り、
さらに高密度化および高純度化を図ることにより、スパ
ッタ時におけるパーティクルの発生を低減し、高品質な
薄膜を形成することが可能な高融点金属シリサイドター
ゲット,その簡易な製造方法,高融点金属シリサイド薄
膜および半導体装置に関する。
背景技術 MOS・LSIデバイス等の半導体装置のゲート電極、ソー
ス電極、ドレイン電極あるいは配線用の高融点金属シリ
サイド薄膜の形成に有効な1つの方法としてスパッタリ
ング法がある。スパッタリング法は、量産性と成膜の安
定性に優れており、高融点金属シリサイドの円盤状ター
ゲットにアルゴンイオンを衝突させてターゲット構成金
属を放出させ、この放出金属をターゲットと対向した基
板上に薄膜として堆積させる方法である。したがって、
スパッタリングで形成したシリサイド薄膜の性質は、タ
ーゲットの特性に大きく左右されることになる。
近年、半導体素子の高集積化および微細化に伴って、
高融点金属シリサイド薄膜の形成に用いられているスパ
ッタリングターゲットには、パーティクル(微細な粒
子)の発生量が少ないことが要求されている。すなわ
ち、スパッタリング中にターゲットから発生するパーテ
ィクルは、粒径が0.1〜10μm程度と非常に微細であ
り、このパーティクルが堆積中の薄膜に混入した場合、
これが回路配線間のショートや配線のオープン不良など
の不具合を引き起こし、半導体装置の歩留りが大幅に低
下する深刻な問題となるため、そのパーティクルの低減
が強く要求されている。
従来、ターゲットから発生するパーティクル量を低減
するためには、ターゲットの組織を微細化すること、す
なわちMSi2粒子と遊離Si粒子とを可及的に小さくするこ
とが有効な手段となり得るため、下記に示すように、組
織を微細化する製造方法が種々提案されている。
例えば、特開昭63−219580号公報では、高純度高融点
金属粉末と高純度シリコン粉末との混合粉末を高真空中
でシリサイド反応させて仮焼体を形成後、仮焼体を粉砕
することなしに圧密用封入缶内に充填し、圧密用封入缶
内を真空排気後封止し、熱間静水圧プレスで焼結するこ
とにより、微細組織で、高密度、かつ低酸素のターゲッ
トを得ることが開示れている。その場合、MSi2の最大粒
径が20μm以下、遊離Siの最大粒径が50μm以下の微細
組織となり、酸素含有量が200ppm以下であって、密度比
が99%以上となっている。
また、特開平2−47261号公報では、高純度高融点金
属粉末と高純度シリコン粉末との混合粉末を高真空中で
シリサイド反応させて仮焼体を形成後、仮焼体を150μ
m以下に粉砕して、さらに高純度シリコン粉末を添加混
合して、圧密用封入缶内に充填し、圧密用封入缶内を真
空排気後封止し、熱間静水圧プレスで焼結することによ
り、微細組織で、高密度のターゲットを得ることが開示
されている。その場合、MSi2の最大粒径が20μm以下
で、遊離Siの粒界のみにあって、密度比が99%以上のタ
ーゲットが得られている。
近年、半導体素子の高集積化および微細化に伴って、
高融点金属シリサイド薄膜の形成に用いられているスパ
ッタリングターゲットには、素子特性の劣化を招くよう
な不純物の非常に少ない高純度なターゲットが要求され
ている。特に、シリサイド層と下地層との界面に濃縮し
て膜抵抗を増大させる酸素は、信号遅延を引き起こして
素子の信頼性の低下を招くため、ターゲット中の酸素量
はできる限り低減することが強く要求されている。
従来、ターゲットの酸素量を低減するためには、原料
である仮焼体を真空中で加熱し、酸素をシリコン酸化物
(SiOまたはSiO2)として揮発させて脱酸素することが
有効な手段であるとのことから、下記のような酸素低減
の製造方法が提案されている。
例えば、特開昭62−171911号公報では、Mo粉あるいは
W粉とSi粉との混合粉を真空中800〜1300℃未満の温度
で加熱処理してMoシリサイド粉あるいはWシリサイド粉
を合成後、真空中にて1300〜1500℃の温度で保持するこ
とにより、酸素を過剰SiによりSiOとして脱酸素し、低
酸素含有量のMoシリサイドあるいはWシリサイドを得て
いる。
一方、遊離Siの凝縮がパーティクルの発生量の増大に
繋るとの観点から、原料粉末の粒径やホットプレス条件
を最適化する試みがなされて、下記のような製造方法も
提案されている。
例えば、特開昭63−74967号公報では、−100メッシュ
の合成シリサイド粉に−42メッシュのシリコン粉を添加
した混合粉末を60〜170kg/cm2の予荷重を加えながら130
0〜1400℃に加熱した後、プレス圧力200〜400kg/cm2
加えてホットプレスして、プレス後ホールドすることに
より、凝縮シリコンを取り除いたターゲットを得てい
る。
また、特開昭64−39374号公報では、組成が異なる2
種類の−100メッシュ合成シリサイド粉を用意し、目標
組成になるように調整した混合粉末を前記方法と同じ条
件でホットプレスし、凝縮シリコンを取り除いたターゲ
ットを得ている。
しかしながら、上記従来製法において、1枚のターゲ
ットを形成するために必要な混合粉末全量を一度に高真
空中でシリサイド合成した場合、シリサイド反応が発熱
反応であるため、反応時の急激な温度上昇により、生成
したMSi2粒子が急速に成長して粗大化するとともに、仮
焼体全体にひび割れが発生し、そのままの状態でプレス
焼結すると、でき上がった焼結体にはひぼ割れが残存し
て使用できない状態となる問題がある。
また、シリサイド反応時の急激な温度上昇に伴い、原
料混合粉末が容器から噴出したり、揮発性の高いSiが揮
散して目標組成からずれるため、仮焼体をそのままプレ
ス焼結した場合、所望の組成を有するターゲットを得る
ことができない問題がある。
さらに、仮焼体を粉砕して粉末化しても一旦粒子成長
して粗大化した硬質のMSi2粒子は細かく粉砕されずに残
ってしまうため、均一で微細な組織を有するターゲット
を得ることができないとともに、粉砕によって不純物の
汚染量が増加し、特に酸素量が大幅に増加する問題があ
る。
一方、特開昭62−171911号公報に開示されているよう
に、不純物酸素を低減するために、混合粉末を800〜130
0℃でシリサイド合成した後、さらに高温に加熱して脱
酸素した場合、得られた仮焼体の焼結性が向上し過ぎる
あまり、後工程の粉砕で仮焼体が充分に粉砕されず、MS
i2やSiが不均一に分散した偏折組織となり、特に加熱温
度が1400℃を超える温度領域に達すると、その傾向が一
層顕著となる問題がある。
また、仮焼体を粉砕する場合、酸素量の増加を防止す
るためにAr置換雰囲気中で行なっているが、粉砕時の酸
素汚染を完全に防ぐことは困難である。しかも粉砕した
粉末をボールミル等の容器から取り出したとき、必ず酸
素が粉末に吸着して酸素量は多くなり、微粉砕した粉末
では表面積が増大し、粉末の酸素吸着量が非常に多くな
る問題がある。
一方、特開昭63−74967号公報および特開昭64−39374
号公報に開示された製造方法に従い、合成粉を60〜170k
g/cm2の予荷重を加えながらホットプレスしても凝縮シ
リコンは発生し、微細で均一な組織のターゲットを得る
ことができなかった。
また、予荷重を加えることなしにホットプレスした場
合には、合成で得られたMSi2粒子が成長するとともに、
ターゲット内で組成が傾斜分布となり、均一な組成する
ターゲットを得ることは困難であった。
一方、特開昭62−70270号公報には密度比が97%以上
の高融点金属シリサイドターゲットが開示されている。
また特開昭62−230676号公報に高融点金属シリサイドタ
ーゲットの製造方法が開示されており、高温度,高真
空,高プレス圧の条件下で一軸圧縮成形することが記載
されている。
しかしながら、上記各従来例においては、ターゲット
原料粉末をホットプレス(HP)処理して製造することの
みが記載されているだけであり、微細で均一な組織に関
しては全く記載されておらず、パーティクルを効果的に
抑制するという目的は達成できない。
一方、特許協力条約(PCT)に基づく特許出願公開公
報(国際公開番号WO91/18125)は、ターゲットの混合組
織断面1mm2内に粒径0.5〜30μmのシリサイドが400〜4
00×104個存在し、Siの最大粒径が30μm以下であるシ
リサイドターゲット、さらにシリサイドの平均粒径が2
〜15μmである一方、硅素の平均粒径が2〜10μmのシ
リサイドターゲットを開示している。
しかしながら、上記従来例に記載された製造方法で
は、微細で、かつ均一なターゲット組織を得るには不十
分であり、パーティクルの発生を抑制するという目的は
十分に達成できない。
そこで本発明は、微細な混合組織を有し、高密度であ
り、組成が均一で、かつ酸素等の不純物含有量が少ない
高純度である高融点金属シリサイドターゲット、その製
造方法、高融点金属シリサイド薄膜および半導体装置を
提供するものであり、このターゲットによりスパッタ時
に発生するパーティクル、ウェハ面内の膜抵抗変化およ
び膜不純物などを低減し、半導体装置の製造歩留りおよ
び信頼性の向上を目的とするものである。
発明の開示 本発明者らは、パーティクルの発生原因を鋭意検討し
た結果、下記のような知見を初めて得た。すなわち、 (1)遊離SiがMSi2に比べてスパッタレートが大きいた
め、スパッタリングの進行とともにエロージョン面にMS
i2が露出した形態となり、単独のMSi2粒子あるいは隣接
のMSi2との結合力の弱いMSi2粒子がエロージョン面から
脱落し易く、特に非常に微細なMSi2粒子ほどその傾向が
顕著になること、 (2)遊離Si部分のエロージョン形態は波状を呈する
が、Si部分が大きくなるに伴い波状形態の先端が鋭く、
しかも波状形態の高さが大きくなり、スパッタ時の熱変
動によりSi先端部が欠落し、パーティクルになり易いこ
と、 (3)ターゲットのMSi2と遊離Siとの界面あるいは遊離
Siの内部にポアが残存すると、ポア周辺に突起物が形成
され、スパッタ時に突起物が存在する部分で異常放電が
発生して突起物が欠落してパーティクルとなること等を
見出した。
また、上記パーティクルの発生を抑制するためには、 (1)混合組織の任意の表面または断面0.01mm2内に単
独で存在するMSi2粒子(Mは高融点金属)が15個以下で
あり、MSi2の平均粒径が10μm以下で、MSi2の間隙に存
在する遊離Siの最大粒径が20μm以下である微細な混合
組織を形成すること、 (2)混合組織の1mm2内のSi/M原子比Xのばらつきが
X±0.02で、遊離Siが均一に分散するように構成するこ
と、 (3)密度比がターゲット全面に亘って99.5%以上とす
ることが極めて有効であること 等を見出した。
またシリサイド合成工程において1回のシリサイド合
成を行うに際し、成形用型に充填する混合粉末を少量ず
つ分け、すなわち混合粉末の成形用型に対する充填深さ
を200mm以内に設定し、真空中で加熱して合成処理する
ことにより、生成するMSi2の粒成長を抑制できること、
Siの揮散が殆どなく大きな組成ずれ(組成比のばらつ
き)を防止できることを見出した。
さらに、ターゲットの不純物を低減して高純度化する
ため、 (1)シリサイド合成によって得られた仮焼体をそのま
ま加熱して脱酸素するのではなく、一旦、仮焼体を粉砕
した後、その粉末を真空中で加熱したり、または減圧し
た水素雰囲気中で加熱したりして脱酸素することによ
り、従来法では得られなかった200ppm以下の酸素量が少
ない高融点金属シリサイドの仮焼体を得ることができる
こと、 (2)仮焼体をそのままの形状でホットプレス等の方法
により焼結できるように、同一内径を有する複数の粉末
挿入容器を用意して粉砕した粉末を脱酸素した場合、仮
焼体が同寸法であるため、複数個の仮焼体を同時焼結す
ることが可能であり、ターゲットの生産性が向上する利
点があること、 (3)黒鉛製のヒータおよび断熱材を用いた真空炉を使
用してシリサイド合成した場合、合成によって得られた
仮焼体内に炭素および鉄が混入汚染する一方、高純度高
融点材料製のヒータおよび断熱材を用いた真空炉では汚
染を効果的に防止できること、 (4)高純度材料で内張りしたボールミル本体と高純度
材料で形成した粉砕媒体(ボール)とを有するボールミ
ルで仮焼体を粉砕することにより原料の不純物汚染を効
果的に防止できること、 等を見出した。
さらに、本発明者らは、合成粉を用いてホットプレス
条件を鋭意検討した結果、プレス圧を加える温度と昇温
の仕方によって、生成されるMSi2粒子サイズが異なるこ
と、ターゲット内で組織の傾斜分布が形成されることを
発見した。すなわち、合成粉を共晶温度直下まで加熱し
た後プレス圧を加えた場合、合成によって形成されたMS
i2粒子が再成長することMSi2粒の成長に伴い遊離Siがタ
ーゲット端部方向に流動して組成が傾斜した不均一分布
となることを発見した。
また、1200℃未満の温度段階において、ある程度のプ
レス圧を加えた後、共晶温度直下までステップ状あるい
は低速で加熱し、さらに大きなプレス圧を加えることに
より、MSi2粒子の成長が抑制されること、ターゲット内
の組成が均一となること、ターゲットが高密度化するこ
と等の知見を初めて得た。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであ
る。
すなわち本発明に係る高融点金属シリサイドターゲッ
トは、MSi2粒子(但しMは高融点金属)とSi粒子とから
成る微細な混合組織を有し、混合組織の断面0.01mm2
に単独で存在するMSi2粒子が15個以下であり、上記MSi2
粒子の平均粒径が10μm以下である一方、MSi2粒子の間
隙に存在する遊離Si粒子の最大粒径が20μm以下である
ことを特徴とする。上記金属シリサイド(MSi2)を構成
する金属(M)としては、具体的に、W,Mo,Ti,Ta,Zr,H
f,Nb,V,Co,Cr,Niが使用される。
なお上記混合組織におけるMSi2粒子およびSi粒子の形
状および個数は以下のように測定される。すなわちMSi2
粒子の場合は、ターゲット焼結体の破断面を走査型電子
顕微鏡(SEM)により、倍率1000で撮影して組織写真を
得て、この組織写真を画像解析装置で解析し、最大粒径
と平均粒径と個数とを測定する。解析視野は10箇所とす
る。
一方、遊離Si粒子および連鎖状Si粒子の場合は、ター
ゲット焼結体の研摩面を走査型電子顕微鏡(SEM)によ
り、倍率1000で撮影して組織写真を得て、この組織写真
を画像解析装置で解析し、最大粒径と平均粒径と個数と
を測定する。この場合、研摩面の厚さ方向に10μm毎に
5等分した5断面を測定し、Si粒子が他のSi粒子から遊
離している場合は遊離Siと見做す一方、いずれかにおい
て他のSi粒子と接続している場合は連鎖状Siと見做す。
解析視野は1断面毎に20箇所とする。
上記混合組織において、スパッタによりSiがMSi2に比
べてより深くエロージョンされるため、MSi2がSi相中に
単独で存在する部分では、MSi2がエロージョン面から脱
落し易いので、ターゲットの低パーティクル化には、MS
i2は連鎖状に結合し、その間隙にSiが存在した組織であ
ることが好ましい。
また、MSi2粒子が大きくなると、MSi2からSiが選択的
に飛散して粒状の突起物を形成し、これが脱落してパー
ティクルとなるので、この発生を防止するため、MSi2
平均粒径は10μm以下であることが好ましい。さらには
5μm以下であることが好ましい。一方、Siはスパッタ
により波状模様にエロージョンされ、Siが大きくなるに
従って、波状模様が鋭く、しかも深くなって欠落し易く
なるため、Siの最大粒径は20μm以下であることが好ま
しい。さらには15μm以下であることが好ましく、さら
には10μm以下であることが好ましい。
またターゲット全体におけるSi/M原子比の平均値をX
とした場合において、混合組織の任意の断面1mm2内のS
i/M原子比のばらつきがX±0.02の範囲に設定するとよ
い。すなわちターゲットが微細な組織を呈してもMSi2
Siの分散が不均一な場合、特に遊離Siが局所的に集合し
て不均一な分布状態であるとターゲット面内の組成変化
が大きくなるとともに、プラズマ放電が不安定となって
パーティクルを誘発するので、1mm2内のSi/M原子比X
のばらつきはX±0.02が好ましく、さらに好ましくはX
±0.01である。
さらにターゲットの密度比がターゲット全面に亘って
99.5%以上である高密度シリサイドターゲットを形成す
るとよい。ターゲットの密度不足によりポア(空孔)が
多く残存した場合、ポアはMSi2とSiとの界面やSi内部に
存在し、スパッタ時にポア周辺に突起物が形成され、そ
の部分で異常放電を引き起こし、突起物が破壊、脱落し
てパーティクルが発生するため、ポアをできる限り少な
くする必要があり、そのため、ターゲット密度比は全面
に亘って99.5%以上であることが好ましい。さらには9
9.7%以上であることが好ましく、さらには99.8%以上
であることが好ましい。
また不純物としての酸素の含有量は200ppm以下、炭素
の含有量は50ppm以下に設定されることが好ましい。酸
素を含有するターゲットのスパッタリングにより積層膜
中に酸素が取り込まれると、積層膜の界面でシリコン酸
化物が形成されて抵抗の増大を引き起こすため、低抵抗
化をさらに図るためには、ターゲット中の酸素含有量は
200ppm以下であることが好ましく、さらには100ppm以下
であることが好ましい。また、炭素もシリコン炭化物を
形成して抵抗増大を招くので、低抵抗化をさらに図るた
めには、ターゲットにおける炭素の含有量は50ppm以下
であることが好ましく、さらには30ppm以下であること
が好ましい。
さらに不純物としての鉄およびアルミニウムの含有量
はそれぞれ1ppm以下に設定される。鉄およびアルミニウ
ムが膜中に混入した場合、積層膜の界面にディープレベ
ルを形成して接合リークの原因となり、半導体素子の動
作不良、特性劣化を招く。したがって、ターゲットにお
ける鉄およびアルミニウムの含有量はそれぞれ1ppm以下
であることが好ましく、さらには0.5ppm以下であること
が好ましい。
以下、本発明に係る高融点金属シリサイドターゲット
の製造方法について述べる。
第I工程においては、最大粒径が15μm以下の高融点
金属粉末と最大粒径が30μm以下のシリコン粉末とをSi
/M原子比(X値)で2〜4となるように配合し、ボール
ミルあるいはV型ミキサ等を用いて、シリコン粉末が高
融点金属粉末中に均一分散するように充分に乾式混合す
る。混合が不均一であると、ターゲットの組織と組成が
不均一となって膜特性が劣化するので好ましくない。こ
の粉末混合は、酸素汚染を防止するため10-3Torr以下の
真空中あるいはArガスなどの不活性ガス雰囲気中で行な
うことが好ましい。特にボールミル等の粉砕混合機を使
用する場合に、粉砕機本体からの不純物の汚染を防止す
るために、5N(99.999%)以上の高純度材料で内張りし
た本体と高純度材料製の粉砕媒体(ボール)とを備えた
ボールミルを使用して乾式混合することにより、不純物
汚染を効果的に防止できる。
上記高純度材料としては、ターゲットを構成する高融
点金属(M)と同一の材料を使用することが好ましく、
例えば、W,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,Nb,V,Co,Cr,Niなどが使用さ
れる。
また粉砕機本体を高純度材料で内張りする方法として
は、高純度材料板を張り付ける方法、あるいはCVD法や
プラズマ蒸着法などの各種被覆方法によって本体内面に
高純度材料層を一体に形成する方法などが採用できる。
ターゲット原料として使用する高融点金属粉末とシリ
コン粉末は、半導体デバイスの特性劣化を招くような不
純物はなるべく少ないことが好ましく、純度的には5N
(99.999%)以上であることが好ましい。また、粗大な
粉末は、形成されるMSi2粒子とSi粒子との粗大化を招
き、またSiの分散性を低下させるため、高融点金属粉末
は15μm以下、シリコン粉末は30μm以下であることが
好ましい。さらには高融点金属粉末は10μm以下、シリ
コン粉末は20μm以下であることが好ましい。さらに
は、高融点金属粉末は5μm以下、シリコン粉末は10μ
m以下であることが好ましい。
ここでSi/M原子比のX値を2≦X≦4に限定した理由
は、以下の通りである。すなわちX値が2未満になる
と、シリサイドターゲット中において遊離Siが減少さら
には消滅し、本発明で規定する組織が得られなくなる。
一方、X値が4を超えると、遊離Siは連続的に存在する
こととなり、MSi2粒子はSiのマトリックス中に存在する
組織となり、MSi2粒子が連鎖状に結合し、その間隙にSi
粒子が存在するという本発明の組織が得られ難くなるた
めである。また、X値が2未満になると、形成されたシ
リサイド膜に大きな張力応力が発生して基板との密着性
が悪くなり剥離し易くなる。一方、X値が4を超える
と、膜抵抗が高くなって電極配線膜としては不適当とな
るためである。また、X値が2以上の混合粉末をシリサ
イド合成した場合、遊離Siが存在するため、後述する第
III工程における粉砕性が向上する利点がある。
Siの配合量としては、高温加熱したとき、Si粉末表面
からのSiおよびSiO2被膜の揮散損失分を見込んで目標組
成よりも若干過剰に配合するのが適当である。その過剰
量は5%弱と少なく、原料粉末の酸素量は後工程での温
度および時間等の処理条件を考慮して経験的に定める。
第II工程は、第I工程において調製した混合粉末を成
形用型に充填し、高真空中または不活性ガス雰囲気中で
加熱処理することにより、高融点金属シリサイドを合成
するとともに仮焼体を形成する工程である。この第II工
程において、1回の合成操作に対する成形用型への混合
粉末の充填量は、生成するMSi2粒子の大きさは揮発する
Si量に影響を及ぼすため、1回当りの充填深さは20mm以
下に設定することが好ましい。この充填深さが20mmを超
えると、シリサイド反応による温度上昇により形成され
るMSi2粒子が粗大化し、粉末が爆発的な反応により容器
外に噴出する場合がある。一方、容器に充填する混合粉
末の充填深さを1mm以下にした場合、ターゲット1枚当
りに使用する容器の数が非常に多くなるとともに、1回
の合成処理による製造量が大幅に低減して生産性が低下
する。好ましい充填深さは1〜10mmである。但し、高融
点金属粉末としてMoを使用する場合は、シリサイド反応
による発熱量が特に多いため、容器1個当りの混合粉末
充填量は充填深さとして10mm以下にすることが好まし
い。さらに好ましい充填深さは5mm以下である。
ここで使用する容器は、混合粉末への容器からの不純
物汚染と熱変形とを防止するため、高純度Mo,W,Ta,Nb材
料等を使用することが好ましく、さらに目的とする高融
点金属シリサイドを構成する高融点金属(M)と同一の
金属材料を使用することが好ましい。また容器の平面部
の形状および大きさは、使用する焼成設備に挿入できる
形状および大きさに設定すればよい。
加熱パターンは、MSi2粒子の成長抑制と組成変化を最
小限に抑えるため、シリサイド反応開始温度から少なく
とも200℃低い温度からは、ステップ状に昇温すること
が好ましい。昇温幅は20〜200℃であることが好まし
い。すなわち昇温幅が20℃未満であると合成処理に長時
間を要して生産性が低下する一方、200℃を超えた場合
は、急激な昇温によりMSi2粒子が成長するともに、粉末
が容器外に飛び出して組成変化が生じたり、炉内汚染等
を引き起こす。また、各温度の保持時間は0.1〜3hrであ
ることが好ましく、0.1hr未満であると容器内の粉末の
温度が均一にならず、温度差が急激に拡大してMSi2粒子
が粗大化する。一方、3hrを超えると長時間を要して生
産性が低下する。なお、昇温幅は20〜200℃、さらに好
ましくは50〜100℃、保持時間は0.5〜2hrの範囲に設定
することがさらに好ましい。特に、シリサイド反応開始
温度から100℃以上の温度に昇温する場合は、シリサイ
ド反応開始温度または開始温度+50℃以内で保持時間を
長くすることが好ましく、その保持時間は1hr以上に設
定することが好ましい。このシリサイド反応開始温度
は、反応熱で揮発するSiあるいはシリコン酸化物(SiO
またはSiO2)の発生によって炉内の真空度が低下するこ
とを検知することで判断できる。
また上記ステップ状の昇温操作に代えて、低速加熱を
行なった場合にも同様な効果が得られる。この場合は、
5℃/min以下に加熱速度を制御することが好ましい。こ
の加熱速度が余り大きすぎると、急激な昇温によりMSi2
粒子が成長すると共に、粉末が容器外に飛び出して組成
変化が生じたり、炉内汚染等を引き起こす。
合成時の最高加熱温度は、シリサイド反応が開始して
合成が完了すると1100℃まで昇温することが好ましい
が、混合粉末の含有酸素量によって反応温度が異なるた
め、酸素含有量は低減を考慮して1300℃程度までの温度
範囲に昇温することが好ましい。この昇温が1300℃を超
えた場合にはシリサイド反応によって形成された仮焼結
体の焼結が進行し、第III工程での粉砕が困難となり、
さらに遊離Siが溶融すると共に共晶反応によりMSi2粒子
が成長した粗大化するなど、MSi2粒子およびSi粒子が不
均一に分散した組織となり、結果として目的とする結晶
組織を有するシリサイドターゲットは得られない。一
方、MがNiの場合を除き、1000℃以下ではシリサイド反
応が開始せずに合成が不可能となる。このような状況か
ら、さらに好ましい範囲は、1150〜1250℃である。
なお、上記合成時の最高加熱温度において、MがNiの
場合は、加熱温度が高すぎると他のMに比較し焼結が進
行し易いため、Niの場合のみ好ましくは800℃程度まで
の昇温が好ましく、さらに好ましくは700〜800℃の範囲
である。
この第II工程で高融点金属シリサイドを合成するとと
もに仮焼体を形成する場合において、加熱に使用する真
空炉は高純度高融点材料製のヒータ、例えば高純度Moヒ
ータあるいは高純度Wヒータ、および高純度高融点材料
製の断熱材を用いた真空炉を使用することが好ましい。
これにより、合成によって得られる仮焼体にヒータある
いは断熱材からの不純物の汚染を効果的に防止できる。
第III工程は、シリサイド合成処理により得られた原
子比Xが2≦X≦4の高融点金属シリサイドの仮焼体を
粉砕し、粉砕粉末を調製する工程である。この粉砕処理
により、合成時に形成されたMSi2の集合体に偏折した遊
離Siが存在する粉塊が微細に粉砕され相互に均一に分散
される。この粉砕操作が不均一であると、MSi2および遊
離Siの分散性が低下し、ターゲットの組織と組成が不均
一となって膜特性が劣化するので、粉砕時間は24hr以上
であることが好ましい。一方、粉砕時間が長いほど粉砕
効率は向上するが、生産性の低下とともに酸素による汚
染量が増加するため、粉砕時間は72hr以下であることが
好ましい。この粉砕によって得られる粉末の最大粒径
は、本発明で規定する微細,均一な組織を得るための重
要な因子であり、本発明で規定するMSi2粒子の平均粒径
が10μm以下、遊離Si粒子の最大粒径が20μm以下とい
う本発明の組織を得るためには、その最大粒径は20μm
以下、さらには15μm以下であることが好ましい。
また、この粉砕は酸素汚染を防止するため、第I工程
と同様に真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で行なうこ
とが好ましい。特にボールミル等の粉砕混合機を使用す
る場合に、粉砕機本体からの不純物の汚染を防止するた
めに、高純度材料板で内張りした本体と高純度材料製の
粉砕媒体(ボール)とを備えたボールミルを使用して乾
式粉砕することにより、不純物汚染を効果的に防止でき
る。
さらに、粉砕粉に含有される酸素や炭素等の不純物を
除去するために、第III工程の後に下記のような不純物
除去工程を設けることがより好ましい。すなわち、この
不純物除去工程は、第III工程で調製した粉砕粉末を加
熱し、特に酸素等の不純物を除去して高純度粉末や高純
度仮焼体を調製する工程である。加熱温度は、粉砕粉末
に吸着した酸素を効果的に除去するため、1150〜1300℃
に設定することが好ましい。すなわち加熱温度が1150℃
未満では酸素をシリコン酸化物(SiOまたSiO2)として
揮発除去して200ppm以下の低酸素ターゲットを得ること
が困難である。一方、加熱温度が1300℃を超えると、遊
離Siの揮発損失が著しくなり所定組成のターゲットが得
られ難く、さらに、仮焼体に亀裂が発生し、焼結が進行
して収縮量が増大してそのまま状態でホットプレスでき
ない問題が生じる。したがって、さらに好ましい範囲
は、1200〜1250℃である。
特に、上記加熱温度が高くなると仮焼体に亀裂が発生
し易くなるため、低圧力のプレス圧を加えながら処理す
ることが好ましい。その圧力の大きさは、10kg/cm2以下
の範囲であることが好ましい。
また、上記加熱温度の保持時間は1〜8hrであること
が好ましく、1hr未満では脱酸素が不充分である一方、8
hrを超えると長時間を要して生産性が低下するととも
に、Siの揮発損失分が多くなり、シリサイドターゲット
の組成のずれが大きくなる。したがって、保持時間は2
〜5hrの範囲に設定することがさらに好ましい。
さらに、シリコン酸化物は揮散により、酸素の低減を
より効果的に進行させるため、真空度は10-3Torr以下と
することが好ましい。さらには10-4Torr以下が好まし
い。また、上記真空度に調整した後に、加熱炉内に水素
を導入し、減圧した水素雰囲気中で加熱することによ
り、より一層の脱酸素効果が得られ低酸素含有量のター
ゲットを得ることが可能になる。
粉砕した粉末を挿入する容器の形状と大きさは、後述
するホットプレスなどの焼結工程で使用する成形型と同
寸法にしたり、または仮焼体の焼き縮み量を考慮した寸
法に設定することにより、脱酸素した仮焼体を成形型内
に挿入し易く、同時に複数個の仮焼体を焼結でき、生産
性が大幅に改善される利点がある。この容器は、粉砕粉
末への不純物汚染と熱変形を防ぐため、高純度Mo,W,Ta,
Nb材料などを使用することが好ましい。
容器内に粉砕粉末を充填後、粉末を専用の型でならし
て粉末の表面を前後および回転移動して平面化すること
により、脱酸素後の仮焼体をそのままホットプレスでき
るので好ましい。
第IV工程は、第III工程で調製した粉砕粉末あるいは
不純物除去工程後の仮焼体を本焼結し緻密化を図る工程
であり、Si/M原子比Xが2〜4に調整され、MSi2と過剰
Siとから成る粉砕粉末あるいは不純物除去工程後の仮焼
体を成形用型に充填し、温度および圧力を2段階に設定
して緻密化焼結が実施される。
ここで、使用する成形用型としては、例えば型内表面
に離型剤として、高温での耐剥離性を有するBN粉等をス
プレーまたはハケ等により塗布した上に、さらに隔壁板
を両面テープまたは接着剤等の接着手段により貼着した
黒鉛製成形型を使用するとよい。前記離型剤は、ホット
プレス時において成形型本体と隔壁板との融着を防止す
るために設けられる。一方、隔壁板は、仮焼結体と離型
剤とが直接接触しないように隔離するために配設される
ものである。隔壁板としては、焼結時の温度に耐えるM
o,W,Ta,Nbなどの高融点金属、加工製に優れた材料であ
るNi,Ti等を0.1〜0.2mm程度の厚さに成形したものを使
用する。この隔壁板の板厚が厚くなりすぎると、強度が
高くなるために成形用型に貼着する際に成形性が悪く作
業性が低下すると共に、この隔壁板が焼結体に付着する
ため研削加工等による除去に長時間を要する。一方、こ
の板厚が薄くなり過ぎると、強度が低いために取扱いが
難しくやはり作業性が低下する。
前記のように型内表面に離型剤を塗布し、さらに隔壁
板を張設した成形用型を使用することにより、成形用型
と隔壁板との融着が防止されるとともに、離型剤の剥離
脱落がなく、離型剤に含有される不純物が焼結体中に混
入することが効果的に防止できる。特に、離型剤として
BNを使用する場合においても、不可避的に含有されるア
ルミニウムあるいは鉄等の不純物によるターゲットの汚
染が効果的に防止できる。
次に、10-3Torr以下の高真空中で10〜50kg/cm2の低プ
レス圧を加えた後、共晶温度直下の温度までステップ状
あるいは低速度で昇温して焼結する。
また、第1段階におけるプレス圧力の大きさは凝集シ
リコンの残存とMSi2の粒子サイズに影響を及ぼすため、
10〜50kg/cm2に設定することが好ましく、10kg/cm2未満
ではMSi2が粒成長するとともに、組成が不均一な分布と
なる。一方、圧力が50kg/cm2以上になると、遊離Siの塑
性流動が抑制されて凝集Siが残存し、不均一なSi分散状
態の組織となる。さらにはプレス圧力は20〜30kg/cm2
好ましい。
さらに、圧力を加えながら共晶温度直下の温度まで加
熱して焼結する場合、加熱方法はMSi2粒子の成長抑制の
ため、ステップ状あるいは低速で昇温することが好まし
い。昇温幅は20〜200℃であることが好ましく、昇温幅
が20℃未満であると焼結に長時間を要して生産性が低下
する一方、200℃を超えた場合は、急激な昇温によりMSi
2粒子が成長するとともに、遊離Siの流動によって組成
がターゲット面内で傾斜分布となる。また、各温度は保
持時間は0.1〜3hrであることが好ましく、0.5hr未満で
あると型内の焼結体の温度が均一分布とならず、2hrを
超えると長時間を要して生産性が低下する。したがっ
て、昇温は50〜100℃、保持時間は0.5〜2hrの範囲に設
定することがさらに好ましい。
また低速加熱する場合、加熱速度が20℃/minを超える
とMSi2粒子の粗大化を招くため、加熱速度は20℃/min以
下に設定することが好ましい。さらに加熱速度が3℃/m
in未満であると焼結操作に長時間を要して生産性の低下
を招くため、加熱速度は3〜20℃/minの範囲に設定する
ことが好ましく、さらには5〜10℃/minの範囲に設定す
ることがより好ましい。
焼結の最終温度Tは、共晶温度Ts直下の温度、すなわ
ちTs−50≦T<Tsの範囲に設定することが好ましい。こ
こで例えば、MとしてW,Mo,Ti,Taを使用する場合の共晶
温度Tsは、それぞれ1400,1410,1330,1385℃である。な
お上記共晶温度Tsは、“CONSTITUTION OF BINARY ALLOY
S"(Dr.phil.Max Hansen and Dr.Kurt Anderko;McGRAW
−HILL BOOK COMPANY,1958)等の文献を参照することに
より容易に得られる。Tが(Ts−50)以下であると、ポ
アが残存して所望の高密度ターゲットが得られない。一
方、TがTs以上になると、遊離Siが溶融し、成形用型か
ら流出し、組成ずれの大きなターゲットとなる。
また、第2段階におけるプレス圧力の大きさは得られ
る焼結体の密度に影響を及ぼすため、200〜500kg/cm2
設定することが好ましい。プレス圧力が200kg/cm2未満
では焼結体の密度が99%以上のものが得られず、残存す
る空孔がパーティクルの発生原因となる。一方、圧力が
500kg/cm2以上になると、黒鉛製の成形用型が破損し易
くなる。したがって、プレス圧力の大きさは300〜400kg
/cm2の範囲に設定することがさらに好ましい。
このプレス圧力を加える時は、最終温度に到達してか
ら1〜5hr後であることが好ましい。1hr未満であると型
内部の仮焼体の温度が均一にならず、その状態でプレス
圧力を加えた場合、温度むらにより均一な密度分布ある
いは均一な組織にならない問題が生じる。一方、5hrを
超えると、型内の仮焼体は完全に均一な温度となってい
るが、それ以上の保持は生産性の低下を招く。好ましく
は2〜3hrである。
さらに、このプレス圧力の保持時間は、1〜8hrが適
切である。1hr以下であると、ポアが多く残存し、高密
度のターゲットが得られず、一方、8hr以上になると、
緻密化がそれ以上に進行しないのでターゲットの製造効
率が低下する。さらに好ましい保持時間は3〜5Hrであ
る。この緻密化焼結は、不純物の混入による汚染を防止
するため、真空中で行なうことが好ましい。
得られたターゲット焼結体を所定の形状に機械加工を
施すことにより、最終的に目的とするターゲットが得ら
れる。この際、最終の仕上げ加工においては、ターゲッ
トの表面部において表面欠陥が発生しない加工法で仕上
げることが好ましい。
そして、このターゲットを用いてスパッタリングを行
うことにより高純度シリサイド薄膜が形成される。さら
に、この薄膜にエッチング処理などを施すことにより、
半導体装置のゲート電極,ソース電極,ドレイン電極あ
るいは薄膜などの各種電極あるいは配線材用薄膜が形成
される。
図面の簡単な説明 図1Aおよび図1Bは、実施例1に係るターゲットの研摩
面および破断面の金属組織をそれぞれ示す電子顕微鏡写
真。
図2Aおよび図2Bは、実施例6に係るターゲットの研摩
面および破断面の金属組織をそれぞれ電子顕微鏡写真。
図3Aおよび図3Bは、比較例1に係るターゲットの研摩
面および破断面の金属組織をそれぞれ示す電子顕微鏡写
真。
図4Aおよび図4Bは、比較例4に係るターゲットの研摩
面および破断面の金属組織をそれぞれ示す電子顕微鏡写
真。
図5は、実施例11に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
図6は、比較例7に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
図7は、比較例8に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
図8は、実施例12に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
図9は、比較例9に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
図10は、比較例10に係るターゲット仮焼体の表面の金
属組織を示す電子顕微鏡写真。
発明の実施するための形態 次に、以下の実施例により、本発明の構成および効果
をより詳細に説明する。
実施例1〜10 最大粒径が15μmの高純度M(Mは表1に示すW,Mo)
粉末と最大粒径が30μmの高純度Si粉末を用意し、各粉
末を高純度Moで内張りしたボールミル内に高純度Mo製ボ
ールとともに挿入後、Arガスで置換して48hr混合した。
得られた各混合粉末をM=Moのときの充填深さを3mm
(充填重量として250g程度)、M=Wのときの充填深さ
を10mm(充填重量として750g程度)に設定して高純度Mo
製容器に挿入し、この容器をMoヒータおよびMo断熱材を
使用した真空炉を用い、1×10-4Torr以下の真空中で95
0℃から1300℃まで50℃毎に昇温し、各温度の保持時間
を1hrとしてシリサイド合成した。高純度材料はいずれ
も純度5N以上(99.999%以上)のものを使用した。
次に、シリサイド合成により得られた仮焼体を高純度
Moで内張りしたボールミル内に高純度Mo製ボールととも
に挿入後、Arガスで置換して72hr粉砕した。得られた粉
砕粉末を直径280mmの高純度Mo製容器に挿入し、この容
器を1×10-4Torr以下の真空中で1250℃×4hr加熱して
脱酸素処理した。
さらに、得られた仮焼体(約φ280mm×40tmm)をTa箔
を張り付けた黒鉛製の成形型にセットし、10-4Torr以下
の真空中で1000℃に加熱後、20kg/cm2のプレス圧を加え
ながら1380℃で昇温幅50℃毎に昇温し、各度の保持時間
を1hrとし、1380℃に到達して2hr後に300kg/cm2のプレ
ス圧を加えてホットプレスを行ない、φ280mm×14tmmの
焼結体を作製した。
得られた焼結体を研削研磨、放電加工してφ258×10t
mmのターゲットに仕上げた。
比較例1〜6 比較例1〜6として、実施例1〜10と同じM粉末と最
大粒径50μmのSi粉末を混合し、次に、得られた各混合
粉末を、M=Moのときの充填深さを6mm、M=Wとのき
の充填深さを20mmに設定して各混合粉末を従来のカーボ
ン(C)ヒータおよびカーボン(C)断熱材を有する真
空炉に挿入し、1×10-4Torr以下の真空中で1300℃まで
10℃/minの速度で加熱してシリサイド合成した。
次に、実施例1と同じ方法で粉砕した粉末を脱酸素処
理しないまま黒鉛製の成形型にセットし、真空中で1000
℃に加熱後、200kg/cm2のプレス圧を加えながら1380℃
まで昇温し、2hr保持してホットプレスを行ない、φ280
mm×14tmmの焼結体を作製した。
実施例1〜10と比較例1〜6の断面組織の観察し、0.
01mm2内に単独で存在するMSi2の個数とMSi2の平均粒径
およびSiの最大粒径を走査型電子顕微鏡(SEM)により
測定した結果を下記表1に示した。また実施例1,6およ
び比較例1,4に係るターゲット焼結体の研摩面の金属組
織の電子顕微鏡写真をそれぞれ図1A,図2A,図3Aおよび図
4Aに示す。また上記各ターゲット焼結体の破断面の金属
組織を示す電子顕微鏡写真をそれぞれ図1B,図2B,図3お
よび図4Bに示す。なお、測定値は断面の20箇所を調査し
た結果の平均値である。また粒径は粒子に外接する最小
円の直径で示す。
上記表1および図1〜図4に示す結果から明らかなよ
うに、本実施例1〜10の方が比較例1〜6に比べてMSi2
粒子が連鎖状に結合し、単独で存在するMSi2の個数が少
なく、その間隙にSiが分散する均一な組織で、しかもMS
i2とSiの粒径が小さく、微細な組織を呈していた。すな
わち図1〜図2に示す実施例ターゲットの金属組織にお
いては、灰色部で示される微細なMSi2粒子が連鎖状に結
合している一方、その間に黒色部で示される微細なSi粒
子が分散した混合組織が形成されている。一方、図3〜
図4に示す比較例ターゲットの金属組織においては、粗
大なMSi2粒子(灰色部)およびSi粒子(黒色部)が成長
しているとともに、Si相中に微細なMSi2粒子が単独で存
在する割合が高くなり、パーティクルが発生し易い組織
を有していることが判明した。
また、表面分析装置(X線マイクロアナライザ:EPM
A)により各ターゲットの混合組織断面1mm2内のSi/W原
子比を分析した結果も、表1に示したが、本実施例の方
が比較例に比べて目標組成に近く、しかも均一な組成で
あることが判明した。
また、各ターゲットについて密度を測定した結果と酸
素、炭素、鉄およびアルミニウムに分析結果とを下記表
2に示す。
上記表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜
10に係るターゲットの密度比はいずれも99.5%以上であ
り、本実施例1〜10の方が比較例1〜6に比べて不純物
の含有量が非常に少ないことが判った。
また、実施例1〜10および比較例1〜6に係る各ター
ゲットをマグネトロン・スパッタリング装置にセットし
た後、アルゴン圧2.3×10-3Torrの条件下でスパッタリ
ングを行ない、6インチSiウェハ上にシリサイド膜を約
3000オングストローム堆積した。同一操作を10回行な
い、粒径0.2μm以上のパーティクル混入量を測定し、
その結果を表2に併記した。表2に示す結果からも明ら
かなように、実施例1〜10に係るターゲットによれば、
6インチウェハ上に混入するパーティクル数は、いずれ
も33個以下と極めて少なくなる一方、比較例1〜6によ
れば10倍程度の多量のパーティクルが発生することが判
明した。
実施例11 高純度(5N)の最大粒径が8μmのW粉末4658gと高
純度(5N)で最大粒径が30μmのSi粉末1992gを用意
し、各粉末を高純度Moで内張りしたボールミル内に高純
度Moボールとともに挿入後、Arガス置換して48hr混合し
た。得られたSi/W原子比=2.80の混合粉末を高純度Mo製
容器に充填深さ3mm(充填重量として250g程度)に分割
して充填し、この容器をMoヒータおよびMo断熱材を使用
した真空炉を用い、1×10-4Torr以下の真空中で950℃
から1300℃まで50℃の幅で昇温し、各温度の保持時間を
1hrとしてシリサイド合成し、実施例11の仮焼体を調整
した。
比較例7〜8 一方、比較例7として、実施例11で調製したターゲッ
ト1枚分の混合粉末全量を同様の真空下で950℃から130
0℃まで10℃/minの昇温速度で加熱して形成した仮焼体
を比較例7とした。また、実施例11と同じ混合粉末を充
填深さ3mmずつに分割した後、1×10-4Torr以下の真空
中で1300℃まで10℃/minの昇温速度で連続的に加熱して
形成した仮焼体を比較例8とした。
実施例11、比較例7および比較例8に係る各ターゲッ
ト仮焼体の表面金属組織を走査型電子顕微鏡(SEM)で
拡大観察し、それぞれ、図5,図6および図7に示す顕微
鏡写真が得られた。そして図5〜図7において各金属組
織を構成するWSi2粒子およびSi粒子の最大粒径を調べた
結果、本実施例11の方が比較例7および比較例8に比べ
て各粒子の粒径が小さく、微細な組織が形成され、パー
テイクルの発生がより低減されることが確認できる。
また、合成処理により得られた仮焼体を組成分析した
結果を表3に示す。その結果、本実施例の方が比較例7
および比較例8に比べて組成ずれの程度が小さかった。
実施例12 高純度(5N)で最大粒径が5μmのMo粉末2850gと高
純度(5N)で最大粒径が30μmのSi粉末2250gを用意
し、各粉末を高純度Moで内張りしたボールミル内に高純
度Moボールとともに挿入後、Arガス置換して48hr混合し
た。得られたSi/Mo原子比=2.70の混合粉末を充填深さ
1.5mm(充填重量として100g程度)に分割して高純度Mo
製容器に充填し、この容器をMoヒータおよびMo断熱材を
使用した真空炉を用い、1×10-4Torr以下の真空中で90
0℃から1250℃まで50℃の幅で昇温し、各温度の保持時
間を1hrとしてシリサイド合成し、実施例12の仮焼体を
調製した。
比較例9〜10 一方、比較例9として、実施例12で調製したターゲッ
ト1枚分の混合粉末全量を同様の真空下で900℃から125
0℃まで10℃/minの昇温速度で加熱して形成した仮焼体
を比較例9とした。また、実施例12と同じ混合粉末を充
填深さ1.5mmずつに分割した後、1×10-4Torr以下の真
空中で1250℃まで10℃/minの加熱速度で連続的に加熱し
て形成した仮焼体を比較例10とした。
実施例12、比較例9および比較例10に係る各仮焼体の
表面金属組織を走査型電子顕微鏡(SEM)で拡大観察
し、それぞれ図8,図9および図10に示す顕微鏡写真が得
られた。そして図8〜図10において各金属組織を構成す
るMoSi2粒子(灰色部)およびSi粒子(黒色部)の粒径
を測定するとともに、各仮焼体の組成のばらつきを分析
した結果、下記表3に示す結果を得た。
表3および図8〜図10に示す結果から明らかなよう
に、本実施例12の方が比較例9および比較例10に比べて
MoSi2粒子の粒径が小さく、微細で均一な金属組織が得
られた。
また、合成処理により得られた仮焼体を組成分析した
結果、本実施例12の方が比較例9および比較例10に比べ
て組成ずれの程度が小さく、より均質なターゲットを提
供することが可能となる。
次に脱酸素効果の違いについて説明する。
実施例13 実施例11において得られた仮焼体を、高純度Mo材で内
張りしたボールミル内に高純度Mo製ボールとともに挿入
後、ボールミル内をArガス置換して48hr粉砕した。得ら
れた粉砕粉末を直径280mmの高純度Mo製容器に挿入し、
この容器を1×10-4Torr以下の真空中で1250℃×4hr加
熱した。
実施例14 一方、実施例13と同じ混合粉末を1×10-4Torr以下の
真空中で1100℃×4hr加熱したものを実施例14とした。
実施例13と実施例14の各仮焼体について酸素分析した
結果を表4に示す。
表4に示す結果から明らかなように、本実施例13の方
が実施例14に比べて酸素含有量が1/3程度に減少するこ
とが確認された。
実施例15 実施例12において得られた仮焼体を、高純度Mo材で内
張りしたボールミル内に高純度Mo製ボールとともに挿入
後、ボールミル内をArガス置換して48hr粉砕した。得ら
れた粉砕粉末を直径280mmの高純度Mo製容器に挿入し、
この容器を1×10-4Torr以下の真空中で1250℃×4hr加
熱した。
実施例16 一方、実施例15と同じ混合粉末を1×10-4Torr以下の
真空中で1100℃×4hr加熱したものを実施例16とした。
実施例17 また実施例11において得られた仮焼体を、高純度Mo材
で内張りしたボールミル内に高純度Mo製ボールとともに
挿入後、ボールミル内をArガス置換して48hr粉砕した。
得られた粉砕粉末を直径280mmの高純度Mo製容器に挿入
し、この容器を1×10-4Torrの真空排気を行なった後、
水素を導入し0.1Torrの減圧雰囲気中で1250℃×4hr加熱
した。得られた資料(仮焼体)の酸素含有量を分析した
結果を下記表4に示す。
上記表4に示す結果から明らかなように、本実施例15
によれば、実施例16に比べて仮焼体お酸素含有量が1/3
程度に低減されていた。
また実施例7に示すように、不純物除去工程を単なる
真空下で実施するよりも還元性が強い水素を導入した減
圧雰囲気で実施した方が、より高い脱酸素効果が得られ
た。
このように本実施例の製造方法によって得られる高融
点金属シリサイドの仮焼体は、酸素含有量が非常に少な
いため、低酸素ターゲットが容易に得られ、本ターゲッ
トの使用により膜抵抗が低減し、半導体装置の信頼性向
上が可能となる。
実施例18〜23 前述した実施例1〜10と同様な手順および処理条件に
従い、最大粒径15μmの高純度W粉末またはMo粉末と最
大粒径が30μmの高純度Si粉末を混合し、得られた混合
粉末を真空中で加熱してシリサイド合成した。さらにシ
リサイド合成により得られた仮焼体をボールミルで粉砕
し、得られた粉砕粉末を真空中で加熱する脱酸素処理を
行なうことにより、平均組成がWSi2.8またはMoSi2.7
あり、直径280mm×厚さ40mmの仮焼体を多数調製した。
次に得られた各仮焼体を表5に示す2段階の加圧条件
および加熱条件としてホットプレスして、それぞれ実施
例18〜23に係るシリサイドターゲットを製造した。なお
加熱条件は温度1000℃までは5〜20℃/minの昇温速度で
連続的に加熱するとともに、温度1000℃から1380℃まで
ステップ状に昇温し、その各ステップの温度幅は50〜15
0℃とした。
比較例11〜15 一方、実施例19〜23で使用した仮焼体をそれぞれ表5
に示す2段階の加圧条件および加熱条件にてホットプレ
スして、それぞれ比較例11〜15に係るシリサイドターゲ
ットを製造した。
こうして得られた実施例18〜23および比較例11〜15に
係る各シリサイドターゲットの混合組成を走査型電子顕
微鏡にて観察し、混合組織を構成するWSi2粒子、MoSi2
粒子の平均粒径およびSi粒子の最大粒径を測定するとと
もに、各シリサイドターゲットの端部および中央部の組
成分析を行なって下記表5に示す結果を得た。
実施例18〜23に係るターゲットにおいては、いずれも
低プレス圧条件下において、Siが塑性流動して仮焼体の
間隙部に分散移動し、その間隙部を埋める挙動をとるた
め、Siの偏折が少なく、均一に分散される。そのため表
5に示す結果から明らかなように、各実施例のターゲッ
トは、比較例のものと比較してWSi2粒子、MoSi2粒子お
よびSi粒子が小さく、微細で緻密な混合組織が得られて
いる。またターゲットの端部と中央部とにおいて組成
(Si/M原子比)のばらつきも小さく、比較例より均一な
組成分布を呈していることが判明した。
一方、比較例11,13,14のターゲットのように、焼結開
始初期から高圧力を作用させると、Si成分が拘束されて
蘇生流動が起こりにくくなるため、Si粒子が粗大化し、
微細な混合組織が得られないことが判明した。
一方、比較例12および15に示すように低プレス圧力下
で急激に加熱すると、MSi2粒子の粒成長が進行し、同様
に微細組織が得られないことも判明した。
実施例24〜34 最大粒径が15μmの高純度M(Mは表6に示すW,Mo,T
i,Zr,Hf,Nb,Ta,V,Co,Cr,Ni)粉末と最大粒径が30μmの
高純度Si粉末を用意し、各粉末を高純度Moで内張りした
ボールミル内に高純度Mo製ボールとともに挿入後、Arガ
スで置換して48hr混合した。得られた各混合粉末を高純
度Mo製容器に充填した。混合粉末の充填深さは5mm,充填
重量は約2000gに設定した。この容器をMoヒータおよびM
o断熱材を使用した真空炉を用い、1×10-4Torr以下の
真空中で800℃から1300℃までの温度範囲内(材料によ
って異る)で50℃毎に昇温し、各温度の保持時間を1hr
としてシリサイド合成した。高純度材料はいずれも純度
5N以上のものを使用した。
次に、上記シリサイド合成により得られた仮焼体を高
純度Moで内張りしたボールミル内に高純度Mo製ボールと
ともに挿入後、Arガスで置換して72hr粉砕した。得られ
た粉砕粉末を直径280mmの高純度Mo製容器に挿入し、こ
の容器を1×10-4Torr以下の真空中で1250℃×4hr加熱
して脱酸素処理した。
さらに、得られた仮焼体(約φ280mm×40tmm)をTa箔
を張り付けた黒鉛製の成形型にセットし、10-4Torr以下
の真空中で1000℃に加熱後、20kg/cm2の低プレス圧を加
えながら各材料の共晶温度より30℃低い温度(最終温
度)まで昇温幅50℃毎に昇温し、各温度での保持時間を
1hrとし、最終温度に到達して2hr後に350kg/cm2の高プ
レス圧を加えてホットプレスを行ない、φ280mm×14tm
の焼結体を作製した。
得られた焼結体を研削研磨、放電加工してφ258×10t
mmのターゲットに仕上げた。
比較例16〜26 比較例16〜26として、実施例24〜34と同じM粉末と最
大粒径50μmのSi粉末を混合し、次に、得られた各混合
粉末の充填深さを20mmに設定して各混合粉末を従来のカ
ーボン(C)ヒータおよびカーボン(C)断熱材を有す
る真空炉に挿入し、1×10-4Torr以下の真空中で800〜1
300℃までの温度範囲(材料によって異なる)で10℃/mi
nの速度で加熱してシリサイド合成して仮焼体を得た。
次に、シリサイド合成した仮焼体を脱酸素処理しない
まま黒鉛製の成形型にセットし、真空中で1000℃に加熱
後、200kg/cm2のプレス圧を加えながら各材料の共晶温
度より30℃低い温度(最終温度)まで昇温し、2hr保持
してホットプレスを行ない、φ280mm×14tmmの焼結体を
作製した。さらに実施例と同一寸法のターゲットに仕上
げた。
実施例24〜34と比較例16〜26に係る各ターゲットの断
面組織を観察し、0.01mm2内に単独で存在するMSi2の個
数とMSi2の平均粒径およびSiの最大粒径を走査型電子顕
微鏡(SEM)により測定した結果を下記表6に示した。
なお、測定値は断面の20箇所を調査した結果の平均値で
ある。また粒径は粒子に外接する最小円の直径で示す。
上記表6に示す結果から明らかなように、本実施例24
〜34の方が比較例16〜26に比べて単独で存在するMSi2
個数が少なく、その間隙にSiが分散する均一な組織で、
しかもMSi2とSiの粒径が小さく、微細な組織を呈してい
た。また各実施例のターゲットにおいては、図1〜図2
に示す前記実施例1および6に係るターゲットの金属組
織と同様に、白色部で示される微細なMSi2粒子が連鎖状
に結合している一方、その間に黒色部で示される微細な
Si粒子が分散した混合組織が形成されている。一方、比
較例16〜26に係るターゲットにおいては、図3〜図4に
示す比較例1および4に係るターゲットの金属組織と同
様に、粗大なMSi2粒子(灰色部)およびSi粒子(黒色
部)が成長しているとともに、Si相中に微細なMSi2粒子
が単独で存在する割合が高くなり、パーティクルが発生
し易い組織を有していることが判明した。
また、表面分析装置(X線マイクロアナライザ:EPM
A)により各ターゲットの混合組織断面1mm2内のSi/W原
子比を分析した結果も、表6に示したが、本実施例の方
が比較例に比べて目標組成に近く、しかも均一な組成で
あることが判明した。
また、各ターゲットについて密度を測定した結果と、
酸素、炭素、鉄およびアルミニウムの分析結果とを下記
表7に示す。
上記表7に示す結果から明らかなように、実施例24〜
34に係るターゲットの密度比はいずれも99.5%以上であ
り、本実施例に係るターゲットの方が比較例16〜26に比
べて不純物の含有量が非常に少ないことが判った。
また、実施例24〜34および比較例16〜26に係る各ター
ゲットをマグネトロン・スパッタリング装置にセットし
た後、アルゴン圧2.3×10-3Torrの条件下でスパッタリ
ングを行ない、6インチSiウェハ上にシリサイド膜を約
3000オングストローム堆積した。同一操作を10回行な
い、粒径0.2μm以上のパーティクル混入量を測定し、
その結果を表7に併記した。表7に示す結果からも明ら
かなように、実施例24〜34に係るターゲットによれば、
6インチウェハ上に混入するパーティクル数は、いずれ
も20個以下と極めて少なくなる一方、比較例16〜26によ
れば10倍以上の多量のパーティクルが発生することが判
明した。
産業上の利用可能性 以上説明したように本発明に係る高融点金属シリサイ
ドターゲットは、高融点金属シリサイド粒子とSi粒子と
から成る微細な混合組織を有し、高密度であり、Si粒子
が均一分散してターゲット内での組成が均一で、かつ高
純度である。したがって、本ターゲットの使用により、
スパッタ時に発生するパーティクルやウェハ面内の膜抵
抗変化および膜不純物等が低減し、半導体装置の製造歩
留りおよび信頼性の向上が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 典章 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町2121 東芝 戸塚台コーポD103 (72)発明者 牧 利広 神奈川県横浜市港南区港南3―8―15 こびのハイツP2―101 (72)発明者 志津 博美 神奈川県藤沢市亀井野1―25―7―208 (56)参考文献 特開 平3−130360(JP,A) 特開 平2−47261(JP,A) 特開 昭61−179534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/34 B22F 1/00 - 7/08 C22C 1/04 - 1/05 C22C 33/02 H01L 21/203,21/285,21/31

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MSi2粒子(但しMはW,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,Nb,
    V,Co,Cr,Niから選択される少なくとも1種の高融点金
    属)とSi粒子とからなる微細な混合組織を有し、混合組
    織の断面0.01mm2内に単独で存在するMSi2粒子が15個以
    下であり、上記MSi2粒子の平均粒径が10μm以下である
    一方、MSi2粒子の間隙に存在する遊離Si粒子の最大粒径
    が20μm以下であることを特徴とする高融点金属シリサ
    イドターゲット。
  2. 【請求項2】ターゲット全体におけるSi/M原子比の平均
    値をXとした場合において、混合組織の任意の断面1mm
    2内のSi/M原子比のばらつきがX±0.02の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高融点金属シリサイドタ
    ーゲット。
  3. 【請求項3】密度比がターゲット全面に亘って99.5%以
    上であることを特徴とする請求項1記載の高融点金属シ
    リサイドターゲット。
  4. 【請求項4】酸素の含有量が200ppm以下、炭素の含有量
    が50ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の高
    融点金属シリサイドターゲット。
  5. 【請求項5】鉄およびアルミニウムの含有量がそれぞれ
    1ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の高融点
    金属シリサイドターゲット。
  6. 【請求項6】MSi2粒子(但しMはW,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,Nb,
    V,Co,Cr,Niから選択される少なくとも1種の高融点金
    属)とSi粒子とからなる微細な混合組織を有し、混合組
    織の断面0.01mm2内に単独で存在するMSi2粒子が15個以
    下であり、上記MSi2粒子の平均粒径が10μm以下である
    一方、MSi2粒子の間隙に存在する遊離Si粒子の最大粒径
    が20μm以下である高融点金属シリサイドターゲットの
    製造方法において、 I.最大粒径が15μm以下である高純度高融点金属粉末と
    最大粒径が30μm以下である高純度シリコン粉末とをSi
    /M原子比が2〜4となるように混合して混合粉末を調製
    する工程と、 II.前記混合粉末を容器に充填し、真空中で少なくとも
    シリサイド反応開始温度より200℃低い温度から、昇温
    幅が20〜200℃で保持時間が0.1〜3hrでステップ状に昇
    温加熱するか、または、5℃/min以下の加熱速度で低速
    加熱して温度1300℃までの範囲で加熱処理することによ
    り高融点金属シリサイドを合成するとともに仮焼体を形
    成する工程と、 III.真空中または不活性ガス雰囲気中で上記仮焼体を粉
    砕し、粉砕粉末を調製する工程と、 IV.上記粉砕粉末を成形用型に充填し、真空中または不
    活性ガス雰囲気中で、1200℃未満の温度で、10〜50kg/c
    m2の低プレス圧力を加えて共晶温度直下の温度まで昇温
    し、しかる後に200〜500kg/cm2の高プレス圧力下におい
    て緻密化を図る工程と、 を具備することを特徴とする高融点シリサイドターゲッ
    トの製造方法。
  7. 【請求項7】第III工程と第IV工程との間に不純物除去
    工程を設け、この不純物除去工程は、第III工程で調製
    した粉砕粉末を容器に充填し、真空中で温度1100〜1300
    ℃に加熱することにより、酸素および炭素等の不純物を
    低減して高純度粉末を調製する工程であることを特徴と
    する請求項6記載の高融点金属シリサイドターゲットの
    製造方法。
  8. 【請求項8】第III工程と第IV工程との間に不純物除去
    工程を設け、この不純物除去工程は、第III工程で調製
    した粉砕粉末を容器に充填し、減圧した水素雰囲気中で
    温度1100〜1300℃に加熱することにより、酸素および炭
    素等の不純物を低減して高純度粉末を調製する工程であ
    ることを特徴とする請求項6記載の高融点金属シリサイ
    ドターゲットの製造方法。
  9. 【請求項9】第II工程において1回の加熱処理に対して
    容器に充填する混合粉末の充填深さを20mm以下に設定す
    ることを特徴とする請求項6記載の高融点金属シリサイ
    ドターゲットの製造方法。
  10. 【請求項10】不純物除去工程において粉砕粉末を充填
    する容器の内径と、第IV工程において粉砕粉末を充填す
    る成形用型の内径とを同一に設定することを特徴とする
    請求項7記載の高融点金属シリサイドターゲットの製造
    方法。
  11. 【請求項11】MSi2粒子(但しMはW,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,N
    b,V,Co,Cr,Niから選択される少なくとも1種の高融点金
    属)とSi粒子とからなる微細な混合組織を有し、混合組
    織の断面0.01mm2内に単独で存在するMSi2粒子が15個以
    下であり、上記MSi2粒子の平均粒径が10μm以下である
    一方、MSi2粒子の間隙に存在する遊離Si粒子の最大粒径
    が20μm以下であることを特徴とする高融点金属シリサ
    イドターゲットを用いて形成された高融点金属シリサイ
    ド薄膜。
  12. 【請求項12】高融点金属シリサイド薄膜は、半導体装
    置のゲート電極,ソース電極,ドレイン電極および配線
    の少なくとも一種を構成する薄膜である請求項11記載の
    高融点金属シリサイド薄膜。
  13. 【請求項13】MSi2粒子(但しMはW,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,N
    b,V,Co,Cr,Niから選択される少なくとも1種の高融点金
    属)とSi粒子とから成る微細な混合組織を有し、混合組
    織の断面0.01mm2内に単独で存在するMSi2粒子が15個以
    下であり、上記MSi2粒子の平均粒径が10μm以下である
    一方、MSi2粒子の間隙に存在する遊離Si粒子の最大粒径
    が20μm以下であることを特徴とする高融点金属シリサ
    イドターゲットを用いて形成された高融点金属シリサイ
    ド薄膜からなるゲート電極,ソース電極,ドレイン電極
    および配線の少なくとも1種を備えた半導体装置。
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