JP2915174B2 - 顔料分散用樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

顔料分散用樹脂組成物及びその製造方法

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JP2915174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料やインキあるいは
プラスチック等の製造において顔料を配合する際に用い
られる顔料分散用樹脂組成物及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】顔料は一般に分散性が悪いために、塗料
やインキあるいはプラスチック等に配合するにあたって
は顔料分散用樹脂組成物に分散させて使用されている
が、このような顔料分散用樹脂組成物にあって顔料の分
散安定性が悪いと、顔料が凝集して著しいチキソトロピ
ー性を示すようになる。そしてこのように凝集した顔料
粒子を含有する顔料分散用樹脂組成物を用いて調製した
塗料においては、光沢の低下、鮮映性の低下、着色力の
低下や色分かれ等の種々の問題が発生するおそれがあ
り、このような顔料分散用樹脂組成物では顔料の性能を
十分に発揮させることができない。
【0003】このために、従来から数多くの顔料分散用
樹脂組成物の改良が提案されており、例えば特開昭60
−166318号公報、特開昭61−174939号公
報、特開平1−141968号公報、特開平2−219
866号公報などで提供されている。本発明者等も例え
ば特開昭61−281161号公報等で新規な顔料分散
用樹脂組成物を提供している。この特開昭61−281
161号公報に係る顔料分散用樹脂組成物は、ポリアミ
ンとポリイソシアナートの反応生成物を分散剤として調
製したものであり、上記問題がかなり解決された有用な
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの顔料分散用
樹脂組成物にあっては、調製する塗料のビヒクル樹脂が
低分子量の場合やカルボキシル基などの酸性官能基の量
が少ない場合には、分散の安定性の効果がまだ十分に満
足できないことがある。特に最近では脱溶剤化の要請か
ら塗料のハイソリッド化(高固形分化)の傾向があり、
また高耐候性などの塗膜物性が高度に要求される傾向が
あるが、ハイソリッド化に対応するためにビヒクル樹脂
として粘度の小さい低分子量のものを用いる必要があ
り、また酸性官能基の量が多いと耐候性等が悪くなるた
めにビヒクル樹脂として酸性官能基の少ないものを用い
る必要があり、このようなビヒクル樹脂の使用に対応す
ることが困難になっている。
【0005】この問題に対処するために、顔料分散用樹
脂組成物に分散剤として高い分子量の樹脂や高酸価の樹
脂を配合して用いることが検討されているが、分散安定
性の十分な効果を出すためにはこの樹脂の配合量を多く
する必要があり、結果として塗料のハイソリッド化に不
利になったり、塗料の耐候性等の塗膜物性が低下したり
することになる。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、塗料のハイソリッド化や耐候性などの塗膜物性に
影響を与えることなく、顔料に対して少量の使用でチキ
ソトロピー性少なく顔料を安定して分散させることがで
きる顔料分散用樹脂組成物及びその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る顔料分散用
樹脂組成物は、少なくとも2個の一級及び/又は二級の
アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも2個のイソ
シアナート基を有するポリイソシアナートとを、イソシ
アナート基に対して一級及び/又は二級のアミノ基を化
学量論的に少なくとも等量になるように反応させて得ら
れる反応生成物と、酸性官能基を固形分1グラム当たり
0.1〜2.0ミリ当量含有する樹脂とから成り、樹脂
の酸性官能基1当量に対して上記ポリアミンとポリイソ
シアナートとの反応生成物が含有する塩基性アミノ基が
0.1〜3.0当量であることを特徴とするものであ
る。
【0008】また、本発明に係る顔料分散用樹脂組成物
の製造方法は、酸性官能基を固形分1グラム当たり0.
1〜2.0ミリ当量含有する樹脂中で、少なくとも2個
の一級及び/又は二級のアミノ基を有するポリアミン
と、少なくとも2個のイソシアナート基を有するポリイ
シソシアナートとを、イソシアナート基に対して一級及
び/又は二級のアミノ基を化学量論的に少なくとも等量
になるように配合して反応させ、樹脂の酸性官能基1当
量に対してポリアミンとポリイソシアナートとの反応生
成物が含有する塩基性アミノ基が0.1〜3.0当量に
なるように調整することを特徴とするものである。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。 (樹脂)本発明で使用する樹脂は、その基本骨格がエス
テル連鎖、ビニル連鎖、アクリル連鎖、エーテル連鎖な
どで構成されるものであり、分子中の水素原子の一部が
ハロゲン原子で置換されているものでもよい。これらの
中でもアクリル樹脂やポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、特にアクリル樹脂とポリエステル樹脂が好適であ
る。この樹脂の分子量は、数平均分子量で800〜20
000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
る測定、ポリスチレン換算)の範囲が好ましく、より好
ましくは数平均分子量で1000〜10000の範囲で
ある。分子量が800未満であると顔料の分散安定性を
高める効果が十分に得られないものであり、逆に分子量
が20000を超えると顔料分散用樹脂組成物の粘度が
高くなって、塗料のハイソリッド化が不利になる。
【0010】そしてこの樹脂としては酸性官能基を樹脂
固形分1グラム当たり0.1〜2.0ミリ当量含有する
ものが用いられる。酸性官能基はカルボキシル基、スル
ホン基、リン酸基などで構成されるが、酸性官能基とし
てカルボキシル基を有する樹脂が主として使用される。
酸性官能基の含有量が1グラム当たり0.1ミリ当量未
満であると、顔料の分散安定性を高める効果が十分に得
られず、また酸性官能基の含有量が1グラム当たり2.
0ミリ当量を超えると、この顔料分散用樹脂組成物を用
いて調製する塗料の耐候性等の塗膜物性が低下するおそ
れがある。ここで、酸性官能基(以下カルボキシル基で
代表させて説明する)は通常の塗料樹脂のように樹脂の
分子中に全くランダムに配置されていてもよいが、1〜
3個のカルボキシル基が樹脂の分子の末端のみに配置さ
れているもの、特に1〜3個のカルボキシル基が樹脂の
分子の片方の末端のみに配置されているものが好ましい
ものであり、このようにカルボキシル基が実質的に特定
の1か所又は2か所に配置されているのが有利である。
カルボキシル基を分子中にランダムに含有する樹脂で
は、ポリアミンとポリイソシアナートとの反応生成物を
多量に含有させようとすると、粘度上昇が著しく高くな
ったり、この反応生成物を樹脂中に均一に存在させるこ
とができず析出したり濁ったりすることがある。これに
対してカルボキシル基が分子中の特定の箇所に配置され
ている樹脂は、カルボキシル基を分子中にランダムに含
有する樹脂やカルボキシル基などの酸性官能基を含有し
ない樹脂に比べて、ポリアミンとポリイソシアナートと
の反応生成物を多量に含有させることができ、この点で
有利である。またこのカルボキシル基が分子中の特定の
箇所に配置されている樹脂はランダムに配置されている
樹脂よりも、顔料に吸着したときに溶媒和による顔料の
分散安定化構造をとり易く、この点でも有利である。こ
のような樹脂としては例えば、Q−OHなる一般式で
(式中Qはアクリル樹脂残基又はポリエステル樹脂残
基)数平均分子量が800〜10000のモノオール
と、カルボン酸の環式酸無水物とを反応させて得られる
ものなどがある。
【0011】次に本発明において用いて好適な樹脂の合
成方法を各種例示する。 <例1:アクリル樹脂>カルボキシル基を含有しないア
クリルモノマーをアクリル樹脂の合成に際して通常用い
られる開始剤、例えばアゾ−ニトリル化合物として2,
2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、或いはパーオキ
サイド化合物としてt−ブチルパーオキサイドなどを使
用して重合を開始せしめ、連鎖移動剤としてカルボキシ
ル基を有する化合物、例えばメルカプト酢酸、メルカプ
トこはく酸を用いることによって、アクリルプレポリマ
ーの末端にカルボキシル基を導入することができる。
【0012】またカルボキシル基を含有しないアクリル
モノマーを重合させてアクリル樹脂を合成するに際し
て、カルボキシル基を含有する開始剤、例えば4,4−
アゾ−ビス−(4−シアノペンタノイック酸)を用いて
重合を開始することによっても、アクリルプレポリマー
の末端にカルボキシル基を導入することができる。さら
にカルボキシル基を含有する連鎖移動剤とカルボキシル
基を含有する開始剤の両者を併用したアクリルモノマー
の重合によっても、アクリルプレポリマーの末端にカル
ボキシル基を導入することができる。
【0013】ここで、上記のカルボキシル基を含有しな
いアクリルモノマーには、中性モノマーと官能基含有モ
ノマーとがある。中性モノマーとしては、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、アクリ
ル酸エステル(例えばメチル、エチル、ブチルエステル
など)、メタクリル酸エステル(例えばメチル、エチ
ル、ブチルエステルなど)、ニトリル誘導体(例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなど)、スチレ
ン、スチレン誘導体(例えばα−メチルスチレンなど)
などが挙げられる。また官能基含有モノマーとしては、
アミド基含有モノマーとしてアクリルアミド、メタクリ
ルアミドなどが、アルコキシ基含有モノマーとしてN−
メトキシメチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチ
ロールアクリルアミドなどが、ヒドロキシル基含有モノ
マーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、N−メチロールアクリル
アミドなどを挙げることができる。
【0014】上記のようにアクリルプレポリマー(アク
リル樹脂)を重合するにあたっては、公知の溶液重合法
を用いて全量仕込み法、開始剤滴下法、あるいはモノマ
ー滴下法により開始剤の分解温度以上、通常は70〜1
70℃の反応温度で1〜8時間反応させることによって
おこなうことができる。 <例2:アクリル樹脂>メルカプトエタノールなどの水
酸基を有する連鎖移動剤を用いて中性アクリルモノマー
の重合をおこない、片末端に水酸基を有するアクリルモ
ノオールを調製し、さらにこれを酸無水物と反応させる
ことによって、アクリルプレポリマーの末端にカルボキ
シル基を導入することができる。
【0015】この酸無水物としては、無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、
無水コハク酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸などのカルボン酸の環式無水物を挙げることができ
る。 <例3:ポリエステル樹脂>ブタノール、ラウリルアル
コールなどの1価アルコールに炭素原子数6〜8のラク
トン類を加え、開環重合反応をおこなって片末端に水酸
基を有するポリエステルモノオールを調製する。反応は
窒素雰囲気下で120〜180℃の温度でおこない、触
媒としてテトラブチルチタネート、ジブチル錫ラウレー
トなどの有機金属触媒を使用することができる。得られ
たポリエステルモノオールに酸無水物を反応させること
によって、末端にカルボキシル基を有するポリエステル
樹脂を得ることができる。炭素原子数6〜8のラクトン
類としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン等を挙げることができる。また
酸無水物としては上記列挙したものを挙げることができ
る。
【0016】<例4:ポリエステル樹脂>ヒドロキシカ
ルボン酸、又はモノカルボン酸に炭素数6〜8のラクト
ン類を反応させることによって、末端にカルボキシル基
を有するポリエステル樹脂を得ることができる。反応は
窒素雰囲気下で120〜180℃の温度でおこない、触
媒としてテトラブチルチタネート、ジブチル錫ラウレー
トなどの有機金属触媒を使用することができる。ヒドロ
キシカルボン酸としては、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ
ステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸などを、モノ
カルボン酸としては、酢酸、安息香酸、オクチル酸、ラ
ウリン酸、ステアリン酸などを挙げることができる。ま
たラクトン類や酸無水物としては上記列挙したものを挙
げることができる。
【0017】<例5:ポリエステル樹脂>12−ヒドロ
キシステアリン酸などヒドロキシカルボン酸を脱水ポリ
縮合反応させることによって、末端にカルボキシル基を
有するポリエステル樹脂を得ることができる。反応は公
知のエステル化触媒、例えばりん酸、p−トルエンスル
フォン酸、テトラ−n−ブチルチタネート、ジブチル錫
オキサイド等を用いて、120〜200℃の温度で生成
水を系外に除去することによっておこなうことができ
る。
【0018】<例6:ポリエステル樹脂>モノカルボン
酸を開始剤にして、モノエポキシ化合物と酸無水物とを
窒素雰囲気下で140〜160℃で反応させる。反応触
媒としてはテトラ−n−ブチルチタネート、ジブチル錫
オキサイド、ジメチルベンジルアミン等を使用すること
ができる。またモノカルボン酸としては上記列挙したも
のを用いることができ、モノエポキシ化合物としてはプ
ロピレンオキシド、ラウリン酸グリシジルエステル、ス
テアリン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グル
シジルエステルなどを用いることができる。この反応で
は、まずモノカルボン酸がエポキシ基を開環させて第二
級水酸基が生成し、これに酸無水物が反応してカルボキ
シル基が生成される。このカルボキシル基にさらにモノ
エポキシ化合物が反応してエステル結合と第二級水酸基
が生成され、この第二級水酸基に酸無水物が反応してカ
ルボキシル基が生成される。この繰り返しでポリエステ
ル主鎖が伸長していく。そして反応の最後を酸無水物と
の反応で終了させれば、片末端にカルボキシル基を有す
るポリエステル樹脂を得ることができる。
【0019】同様の反応機構で、1価アルコールを開始
剤として、モノエポキシ化合物と酸無水物とを窒素雰囲
気下で140〜160℃で反応させることによって、片
末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂を得る
ことができる。尚、上記の各例のようにして得られる樹
脂の他に、他のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂に代表され
るアミノ樹脂など、塗料、インキ工業で通常使用される
樹脂を混合して併用することもできる。
【0020】(ポリアミン)本発明において使用される
少なくとも2個の一級及び/又は二級のアミノ基を有す
るポリアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−プ
ロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレ
ンヘキサミン、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレ
ンポリアミン、N,N−ビス(γ−アミノプロピル)ピ
ペラジン、N−(β−アミノエチル)ピペラジンなどの
脂環式ポリアミン、ビスアミノピリジン、キシリレンジ
アミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンなどを挙げる
ことができる。これらの中でも一級及び/又は二級のア
ミノ基を少なくとも3個有するポリアミンや、一級及び
/又は二級のアミノ基を少なくとも2個と3級アミノ基
の少なくとも1個を有するポリアミンを好適に用いるこ
とができる。また顔料に対する分散性を向上させるた
め、生成する分散剤中の官能基の密度を高めることは有
利である。このためこれらポリアミンのアミン当量(分
子量/1,2,3級アミノ基の総数)は低いほうが好ま
しく、100以下、より好ましくは50以下のポリアミ
ンが有利である。この好適なポリアミンの例を挙げれ
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、エチレンイミンのカチオン重合によって工業的に得
られるポリエチレンイミン、すなわち式(A)のような
一般式で代表されるポリエチレンイミンなどのポリアル
キレンポリアミン、N,N−ビス(γ−アミノプロピ
ル)ピペラジン、N−(β−アミノエチル)ピペラジン
などの脂環式ポリアミン、ビスアミノピリジンなどの芳
香族ポリアミンなどである。
【0021】
【化1】
【0022】(ポリイソシアナート)本発明において使
用される少なくとも2個のイソシアナート基を有するポ
リイソシアナートとしては、トリレンジイソシアナート
(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート(MDI)、キシリレンジイソシアナート(XD
I)、ヘキサメチレンジイソシアナート、水素化MD
I、水素化TDI、水素化XDI、インホロンジイソシ
アナート等のジイソシアナート化合物を例示することが
できるが、より好ましくはより多官能性のポリイソシア
ナートが有利である。このようなポリイソシアナートと
しては、ポリオールにジイソシアナートを反応させて得
られる式(1)〜式(4)に示されるような化合物や、
ジイソシアナートからビウレット反応によって得られる
式(5)で示されるような化合物や、ジイソシアナート
の環形成によって得られる式(6)〜式(8)で示され
るような化合物や、式(9)及び式(10)で示されるよ
うな化合物を例示することができる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】これらの化合物を主成分として含む市販品
の商品名を例示すると次の通りである。すなわち、式
(1)の化合物を主成分とするものは日本ポリウレタン
工業株式会社製「コロネートHL」、式(2)の化合物
を主成分とするものは住友バイエルウレタン株式会社製
の「スミジュールL」、式(3)の化合物を主成分とす
るものは武田薬品工業株式会社製の「タケネートD−1
10N」、式(4)の化合物を主成分とするものは武田
薬品工業株式会社製の「タケネートD−120N」、式
(5)の化合物を主成分とするものは武田薬品工業株式
会社製の「タケネートD−165N」や「タケネートD
−165N−90CX」、住友バイエルウレタン株式会
社製の「スミジュールN」、式(6)の化合物を主成分
とするものは日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネ
ートEH」、式(7)の化合物を主成分とするものはバ
イエル・アーゲー製の「デスモジュールIL」、式
(8)の化合物を主成分とするものはバイエル・アーゲ
ー製の「デスモジュールHL」、式(9)の化合物を主
成分とするものはバイエル・アーゲー製の「デスモジュ
ールR」、式(10)の化合物を主成分とするものは日本
ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR」であ
る。これらの商品は純粋なものではなく、それぞれの式
が示すような構造の化合物を主体とし、その構造と類似
の構造を有する化合物との混合物であるが、いずれも
2.5乃至6の平均官能基数(平均分子量当たりのイソ
シアナート基の数)を有するものである。
【0029】(有機溶剤)本発明に係る顔料分散用樹脂
組成物には、必要に応じて有機溶剤を含有させることが
できる。溶剤として使用できるものは、塗料やインキ工
業で普通に使用されているものであれば特に制限される
ものではなく、例えば、トルエン、キシレン、エッソス
タンダード社製「ソルベッソ100」、「ソルベッソ1
50」などの炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノノルマルブ
チルエーテル等のエーテル系溶剤、、n−ブタノール、
イソブタノール等のアルコール系溶剤などを例示するこ
とができる。
【0030】これらの溶剤は一種あるいは複数種を混合
して使用することができるものであり、これらの溶剤に
前記した樹脂を溶解させることによって、本発明に係る
顔料分散用樹脂組成物の製造を容易におこなうことがで
きるものである。溶剤の配合量は必要に応じて任意に設
定することができるが、顔料分散用樹脂組成物中の固形
分が5〜80重量%になるように溶剤の配合量を調整す
るのが一般的である。顔料分散用樹脂組成物の製造にお
いて、溶剤の割合が多いほうが顔料の分散性に有利な場
合があるが、顔料分散用樹脂組成物中の溶剤は、顔料分
散用樹脂組成物を製造した後に、取り扱い易いように減
圧濃縮などの手法で除去することによって調整すること
もできる。
【0031】(ポリアミンとポリイソシアナートの配合
比率)本発明において、少なくとも2個の一級及び/又
は二級のアミノ基を有するポリアミンと、少なくとも2
個のイソシアナート基を有するポリイソシアナートとの
配合比率は、イソシアナート基に対して一級及び/又は
二級のアミノ基が化学量論的に少なくとも等量になるよ
うに設定するのが好ましく、一般にはアミノ基がイソシ
アナート基の当量以上になるように配合比率を調整する
のが好ましい。
【0032】一級及び/又は二級のみのアミノ基を有す
るポリアミンを用いて、アミノ基がイソシアナート基に
対して過剰になるように配合する場合には、一級及び/
又は二級のアミノ基を少なくとも3個含有するポリアミ
ンを用いるようにし、そのうち少なくとも2個のアミノ
基がイソシアナート基と反応するように配合するのが好
ましい。
【0033】一級及び/又は二級のアミノ基の他に三級
アミノ基も有するポリアミンを用いる場合にも、一級及
び/又は二級のアミノ基の少なくとも2個がイソシアナ
ート基と反応するように配合するのが好ましい。更に好
ましくは、少なくとも4個の一級及び/又は二級のアミ
ノ基を含有するポリアミンを用いると共に、平均官能基
数(すなわちイソシアナート官能基/平均分子量)が
2.5乃至6のポリイソシアナートを用い、ポリアミン
の少なくとも3個のアミノ基がポリイソシアナートのイ
ソシアナート基と反応するように配合するのがよい。こ
のいずれの場合も、反応前の一級アミノ基、二級アミノ
基、及び三級アミノ基の総量は、イソシアナート基の当
量の1.05〜5倍の範囲であることが好ましい。
【0034】(ポリアミン及びポリイソシアナートと樹
脂との配合比率)本発明において、ポリアミン及びポリ
イソシアナートと前記の樹脂との配合比率は、樹脂の酸
性官能基1当量に対してポリアミンとポリイソシアナー
トとの反応生成物が含有する塩基性アミノ基、すなわち
未反応のアミノ基が化学量論的に0.1〜3.0当量
に、より好ましくは0.2〜2.0当量になるように設
定するものである。本発明に係る顔料分散用樹脂組成物
による顔料の分散の発現機構は明確ではないが、ポリア
ミンとポリイソシアナートの反応によって生成されるポ
リウレアと酸性官能基を有する樹脂とが巨大な複合体を
形成し、これが顔料に吸着して顔料の分散安定化に寄与
するためと考えられる。従って、樹脂の酸性官能基1当
量に対してポリアミンとポリイソシアナートとの反応生
成物が含有する塩基性アミノ基が0.1当量未満である
と、この複合体の形成が不十分になって顔料の分散安定
性を高める効果を十分に得ることができない。また逆に
樹脂の酸性官能基1当量に対してポリアミンとポリイソ
シアナートとの反応生成物が含有する塩基性アミノ基が
3.0当量を超えると、塩基性官能基の存在が過剰にな
って硬度や耐候性などの塗膜物性に悪影響を与えるおそ
れがある。
【0035】ポリアミン及びポリイソシアナートと樹脂
の重量比での配合比率は、樹脂に対するポリアミンとポ
リイソシアナートの合計量の重量比率が99:1〜7
0:30の範囲になるようにするのが好ましく、より好
ましくは97:3〜80:20の範囲である。ポリアミ
ンとポリイソシアナートの合計量の配合量が多すぎる
と、顔料分散用樹脂組成物の粘度が著しく高くなってゲ
ル化したり不溶化したりするおそれがあるので好ましく
なく、また少なすぎると顔料の分散性が不十分になるた
めに好ましくない。
【0036】(顔料分散用樹脂組成物の製造)本発明に
係る顔料分散用樹脂組成物は以下のようにして製造する
ことができる。すなわち、先ず酸性官能基を含有する樹
脂とポリアミンと必要に応じて有機溶剤を混合し、さら
にポリイソシアナートを加えて、ポリアミンとポリイソ
シアナートとを反応させることによって、本発明に係る
顔料分散用樹脂組成物を得ることができる。このときポ
リイソシアナートは攪拌しながら加えるのが好ましい。
勿論、先にポリイソシアナートを混合しておいて、後か
らポリアミンを加えて反応させるようにしてもよい。ま
た必要に応じて、上記酸性官能基を有する樹脂の他に、
酸性官能基を有しているいないにかかわらず他の樹脂、
例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂に代表されるアミ
ノ樹脂など、塗料やインク工業で通常使用される樹脂を
混合しておいて、ポリアミンとポリイソシアナートの反
応をおこなわせることもできる。反応は常温でおこなう
ことができるが、必要に応じて加温して反応させるよう
にしてもよい。また反応時間は通常30分以内である。
【0037】(顔料分散用樹脂組成物の利用)上記のよ
うに製造される本発明に係る顔料分散用樹脂組成物は、
顔料を分散させて顔料分散組成物を調製するための顔料
分散剤として使用されるものであり、例えば、顔料と本
発明に係る樹脂組成物、必要に応じてさらに有機溶剤及
びビヒクル樹脂を加えて攪拌混合し、これを分散機を用
いて分散させることによって、顔料分散組成物を調製す
ることができるものである。分散機としては塗料工業や
インキ工業で一般に用いられる、サンドグラインドミ
ル、ボールミル、ロールミル、アトライター、ディゾル
バー等を用いることができる。またビヒクル樹脂として
は、塗料やインク工業で通常使用される樹脂、例えばア
ルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリア
ミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂などを用いることができる。顔料と本発明に係る顔
料分散用樹脂組成物との混合比は、顔料の種類によって
異なるが、顔料に対する顔料分散用樹脂組成物の固形分
の重量比で99:1〜70:30の範囲が一般的に好ま
しい。
【0038】また、顔料としては塗料工業あるいは印刷
インキ工業で通常用いられている各種の無機顔料又は有
機顔料を使用することができる。無機顔料の例は、亜鉛
華、酸化チタン、アンチモン白、ベンガラ、黄色酸化
鉄、透明酸化鉄、鉛丹、カドミウムイエロー、硫化亜
鉛、リトポン、硫酸バリウム、硫酸鉛、炭酸バリウム、
鉛白、アルミナホワイト、カーボンブラックなどであ
り、また有機顔料の例は、アゾ系、ポリ縮合アゾ系、メ
タルコンプレックスアゾ系、ベンズイミダゾロン系、フ
タロシアニンブルー系、フタロシアニングリーン系、チ
オインジゴ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、
インダンスレン系、アンスラピリミジン系、ピランスロ
ン系、イソインドリノン系、ペリレン系、ペリノン系、
キナクリドン系などである。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に例証
する。実施例1 冷却管と攪拌機、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応
容器に第1表の(a)欄の溶剤を仕込み、窒素気流下で
130℃に加熱した。次に滴下ロートで第1表の(a)
欄のモノマーを3時間かけて等速滴下し、また同時に第
1表の(a)欄の開始剤溶液と連鎖移動剤溶液を混合し
て別の滴下ロートで等速滴下した。滴下が終了してから
30分後、第1表の(a)欄の後添加溶液を30分かけ
て等速滴下して、重合を完結させた。そして1時間経過
後、冷却して反応溶液から取り出すことによって、分子
末端に酸性官能基(カルボキシル基)を有する固形分約
50%の樹脂溶液(a)を得た。
【0040】この樹脂溶液の固形分、樹脂固形分中の酸
性官能基の量、数平均分子量を測定した。固形分の測定
は、樹脂溶液を110℃で3時間加熱して乾燥すること
によっておこない、結果を第2表に重量%で示した。樹
脂固形分中の酸性官能基の量の測定は、フェノールフタ
レインを指示薬として水酸化カリウムで滴定することに
よっておこない、結果を第2表に酸価(mgKOH/
g)として示した。数平均分子量の測定は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによっておこなった。
【0041】次に、上記のようにして調製した樹脂溶液
(a)に溶剤としてメチルイソブチルケトンとポリアミ
ンとしてテトラエチレンペンタミンを第3表の添加量で
加え、攪拌した。攪拌したままポリイソシアナートとし
て武田薬品工業株式会社製の「タケネートD−165N
−90CX」(アミン当量200)を第3表の添加量で
加え、そのままさらに攪拌することによって、顔料分散
用樹脂組成物(a−1)(a−2)(a−3)を得た。
【0042】このようにして得た顔料分散用樹脂組成物
の固形分を、110℃で3時間加熱して乾燥することに
よって測定すると共に、顔料分散用樹脂組成物の状態を
観察した。さらにポリアミンとポリイソシアナートの反
応生成物が含有するアミノ基の量(B)と、顔料分散用
樹脂組成物の固形分中のカルボキシル基の量(A)を測
定し、両者の比を当量比(B/A)で求めた。ここでア
ミノ基の量の測定は、顔料分散樹脂組成物を酢酸に溶解
した後、過塩素酸で滴定することによっておこなった。
終点の決定は電位差滴定によった。これらの結果を第3
表に示す。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして、第1表の(b)の欄の配合で、
分子末端に酸性官能基(カルボキシル基)を有する固形
分約50%の樹脂溶液(b)を得た。この樹脂溶液
(b)を用いて、実施例1と同様にして、第3表の配合
でポリアミンやポリイソシアナートを加えて反応させる
ことによって、顔料分散用樹脂組成物(b−1)(b−
2)(b−3)を得た。
【0044】実施例3 加熱温度を100℃にした以外は実施例1と同様にし
て、第1表の(c)の欄の配合で、分子末端に酸性官能
基(カルボキシル基)を有する固形分約50%の樹脂溶
液(c)を得た。この樹脂溶液(c)を用いて、実施例
1と同様にして、第3表の配合でポリアミンやポリイソ
シアナートを加えて反応させることによって、顔料分散
用樹脂組成物(c−1)(c−2)(c−3)を得た。
【0045】実施例4 実施例1と同様にして、第1表の(d)の欄の配合で、
分子中にランダムに酸性官能基(カルボキシル基)を有
する固形分約50%の樹脂溶液(d)を得た。この樹脂
溶液(d)を用いて、実施例1と同様にして、第3表の
配合でポリアミンやポリイソシアナートを加えて反応さ
せることによって、顔料分散用樹脂組成物(d−1)
(d−2)(d−3)を得た。
【0046】実施例5 実施例1と同様にして、第1表の(e)の欄の配合で、
分子中にランダムに酸性官能基(カルボキシル基)を有
する固形分約50%の樹脂溶液(e)を得た。この樹脂
溶液(e)を用いて、実施例1と同様にして、第3表の
配合でポリアミンやポリイソシアナートを加えて反応さ
せることによって、顔料分散用樹脂組成物(e−1)
(e−2)(e−3)を得た。
【0047】上記実施例1〜5のうち、分子中にランダ
ムに酸性官能基を有する樹脂を用いた実施例4及び実施
例5のものでは、実施例4中の顔料分散用樹脂組成物
(d−2)(d−3)や、実施例5中の顔料分散用樹脂
組成物(e−2)(e−3)にみられるように粘度が高
くなってのり状やゲル状になるものもあり、安定した顔
料分散用樹脂組成物を得るには実施例1〜3のように分
子末端に酸性官能基を有する樹脂を用いるほうが好まし
いことが確認される。
【0048】比較例1 実施例3で得た樹脂溶液(c)を用い、後は実施例1と
同様にして、第4表の配合でポリアミンやポリイソシア
ナートを加えず、あるいは加えて反応させることによっ
て、顔料分散用樹脂組成物(c−4)(c−5)を得
た。比較例2 実施例1と同様にして、第1表の(f)の欄の配合で樹
脂溶液(f)を得た。この樹脂溶液(f)を用いて、実
施例1と同様にして、第4表の配合でポリアミンやポリ
イソシアナートを加えて反応させることによって、顔料
分散用樹脂組成物(f−1)(f−2)(f−3)を得
た。(f−2)(f−3)は粘度が著しく高く、分散剤
として使用不可であった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】(塗料の調製)樹脂溶液(f)50重量
部、キシレン30重量部、顔料としてチバガイギー社製
「シンカシャレッドY」20重量部に、分散剤として顔
料分散用樹脂組成物(a−3)(b−3)(c−1)
(c−2)(c−3)(d−1)(e−1)及び(c−
4)(c−5)(f−1)を顔料に対する添加量(固形
分に換算して)で0〜30重量%配合し、ペイントシェ
ーカーで1時間攪拌して分散させた。このようにして顔
料を分散させた後、樹脂溶液(f)20重量部と三井東
圧化学株式会社製メラミンホルムアルデヒド樹脂ワニス
「ユーバン20N−60ワニス」20重量部を加え、フ
ォードカップ#4で20秒になるようにシンナーを加え
ることによって塗料を調製した。
【0057】この塗料をブリキ板にスプレー塗装した
後、130℃で20分焼き付けて塗膜を得た。このよう
にして得た塗膜の20°鏡面光沢と顔料分散用樹脂組成
物の添加量との関係を図1に示す。各実施例で得た顔料
分散用樹脂組成物(a−3)(b−3)(c−1)(c
−2)(c−3)(d−1)(e−1)を配合すること
によって、塗膜の光沢を高めることができ、顔料の分散
性が改善されていることが確認される。これに対して、
(c−4)(f−1)のものは塗膜の光沢を高めること
ができず、顔料の分散性が改善されていないものであっ
た。また、上記のようにして得た塗膜の硬度を鉛筆硬度
で測定した。各実施例で得た顔料分散用樹脂組成物(a
−3)(b−3)(c−1)(c−2)(c−3)(d
−1)(e−1)を配合したものは、使用量にかかわら
ず全て「F」であり、配合しない場合と同じであった。
一方、顔料分散用樹脂組成物(c−5)を用いることに
よって塗膜の光沢を高めることができるが、このものは
アミノ基を多量に含むために顔料に対して固形分で10
重量%以上使用すると塗膜の硬度は鉛筆硬度で「F」か
ら「B」に低下した。
【0058】実施例6 n−ブタノール74重量部、ダイセル化学工業株式会社
製ε−カプロラクトン「プラクセルM」2000重量
部、ジブチル錫オキサイド4重量部を反応容器に仕込
み、窒素雰囲気下で150℃で反応させて末端に水酸基
を有するポリエステル樹脂を調製し、これを固形分50
重量%にキシレンで溶解することによって樹脂溶液
(g)を得た。
【0059】このポリエステル樹脂溶液(g)100重
量部と無水フタル酸3.6重量部を120℃で2時間反
応させることによって分子末端に酸性官能基(カルボキ
シル基)を有する樹脂を得た。そしてこれにポリアミン
としてペンタエチレンヘキサミン4.0重量部、ポリイ
ソシアナートとして武田薬品工業株式会社製の「タケネ
ートD−165N−90CX」(アミン当量200)1
2.0重量部を加えて攪拌反応させ、キシレンで固形分
50%に調整して顔料分散用樹脂組成物(g−1)を得
た。
【0060】また上記ポリエステル樹脂溶液(g)10
0重量部と無水トリメリット酸7.3重量部を120℃
で2時間反応させることによって分子末端に酸性官能基
(カルボキシル基)を有する樹脂を得た。そしてこれに
ポリアミンとしてペンタエチレンヘキサミン4.0重量
部、ポリイソシアナートとして上記武田薬品工業株式会
社製の「タケネートD−165N−90CX」12.0
重量部を加えて攪拌反応させ、キシレンで固形分50%
に調整して顔料分散用樹脂組成物(g−2)を得た。
【0061】実施例7 分子の両末端に水酸基を持つポリエステル樹脂としてダ
イセル化学工業株式会社製「プラクセル220L」のキ
シレン50%溶液を用い、この樹脂の固形分100重量
部に対して無水フタル酸7.4重量部を加え、120℃
で2時間反応させることによって、分子の両末端に酸性
官能基(カルボキシル基)を有する樹脂を得た。そして
これにポリアミンとしてペンタエチレンヘキサミン4.
0重量部、ポリイソシアナートとして上記武田薬品工業
株式会社製の「タケネートD−165N−90CX」1
2.0重量部を加えて攪拌反応させ、キシレンで固形分
50%に調整して顔料分散用樹脂組成物(h)を得た。
【0062】(顔料分散組成物の調製)大日精化工業株
式会社製顔料「クロモファインマゼンタ6880」20
重量部に顔料分散用樹脂組成物(g−1)(g−2)
(h)をそれぞれ固形分換算で1〜20重量部加え、キ
シレンを配合して100重量部にし、これをペイントシ
ェーカーで1時間分散することによってペースト状の顔
料分散組成物を得た。
【0063】この顔料分散組成物について、コーンプレ
ート型回転粘度計(東京計器株式会社製E型粘度計)を
用いて、ずり速度19.2/秒、温度20℃の条件で粘
度を測定した。顔料分散用樹脂組成物の添加量と粘度の
関係を図2に示す。実施例6,7で得た顔料分散用樹脂
組成物は少ない添加量で顔料分散組成物のチキソトロピ
ー性を軽減して粘度を下げることができ、優れた流動性
が得られることが確認される。特に顔料分散用樹脂組成
物(g−1)(g−2)は優れているものであった。
【0064】また、樹脂溶液(g)をそのまま用いて同
様にしてペースト状の顔料分散組成物を得た。このもの
についても同様にして粘度を測定し、添加量と粘度の関
係を図2に示した。樹脂溶液(g)はそのまま用いても
顔料分散組成物のチキソトロピー性を下げる効果はない
ことが確認される。
【0065】
【発明の効果】上記のように本発明に係る顔料分散用樹
脂組成物は、少量の使用でチキソトロピー性少なく顔料
を安定して分散させることができるものであり、また塗
料のハイソリッド化や耐候性などの塗膜物性に影響を与
えることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】顔料分散用樹脂組成物の添加量と塗膜の光沢と
の関係を示すグラフである。
【図2】顔料分散用樹脂組成物の添加量と顔料分散組成
物の粘度との関係を示すグラフである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個の一級及び/又は二級の
    アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも2個のイソ
    シアナート基を有するポリイソシアナートとを、イソシ
    アナート基に対して一級及び/又は二級のアミノ基を化
    学量論的に少なくとも等量になるように反応させて得ら
    れる反応生成物と、酸性官能基を固形分1グラム当たり
    0.1〜2.0ミリ当量含有する樹脂とから成り、樹脂
    の酸性官能基1当量に対して上記ポリアミンとポリイソ
    シアナートとの反応生成物が含有する塩基性アミノ基が
    0.1〜3.0当量であることを特徴とする顔料分散用
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記樹脂がアクリル樹脂、ポリエステル
    樹脂、アルキド樹脂から選ばれるものであり、数平均分
    子量が800〜20000であることを特徴とする請求
    項1に記載の顔料分散用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記樹脂が酸性官能基として1〜3個の
    カルボキシル基を分子の末端に有するものであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の顔料分散用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記樹脂が酸性官能基として1〜3個の
    カルボキシル基を分子の片末端に有するものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の顔料分散用樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 酸性官能基を固形分1グラム当たり0.
    1〜2.0ミリ当量含有する樹脂中で、少なくとも2個
    の一級及び/又は二級のアミノ基を有するポリアミン
    と、少なくとも2個のイソシアナート基を有するポリイ
    ソシアナートとを、イソシアナート基に対して一級及び
    /又は二級のアミノ基を化学量論的に少なくとも等量に
    なるように配合して反応させ、樹脂の酸性官能基1当量
    に対してポリアミンとポリイソシアナートとの反応生成
    物が含有する塩基性アミノ基が0.1〜3.0当量にな
    るように調整することを特徴とする顔料分散用樹脂組成
    物の製造方法。
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