JP4848936B2 - 感光性黒色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
BM形成法としては、透明基板上にクロム等の金属化合物を用いて、蒸着法、スパッタ法などで金属薄膜を形成したのち、フォトリソグラフィー法とエッチング工程を経て微細パターンを形成する方法(金属BM法)、カーボンブラック等の黒色成分を感光性材料に分散した感光性黒色組成物を用い、フォトリソグラフィー法で形成する方法(樹脂BM法)が開発されている。
上記の低コスト化の観点、技術的観点、さらには環境問題の観点から、近年では、金属BMに代わり樹脂BMが着目されている。しかしながら、樹脂BMにおいては、金属BMに比べて遮光性(光学濃度=OD)が低いという問題点がある。すなわち、金属BMでは一般的に膜厚0.1〜0.2μmで所望の遮光性を得ることができるのに対し、樹脂BMで同等の遮光性を発現するためには、膜厚をより厚く設定しなければならない。カラーフィルタを作成する際には、光漏れをなくすためにBMと隣接するRGB層とを重ねあわせて形成するが、遮光性の低い樹脂BMでは、BMとRGB層とが重なる部分の段差が大きくなり、この段差部分が液晶配向を乱して表示品質を低下させるという問題が生じる。
そこで、ブラックマトリックスの遮光性を向上させて段差を低くする目的で、組成物中に含まれるカーボンブラックなどの遮光成分の含有量を多くする試みがなされている。しかしながら、遮光成分の含有量を多くする方法においては、ガラス基板に対する密着性の低下および感度低下に加え、現像性、解像性、ブラックマトリックスのパターン形状および組成物の安定性(経時における感度変化、現像性変化、解像性変化およびパターン形状変化)などが悪化する等の問題があった。
例えば、特許文献1および2には、特定の色素誘導体や特定の開始剤を用いた感光性黒色組成物が開示されているが、これらは、感光性黒色組成物の安定性(経時における感度変化およびパターン形状変化)と高遮光性およびガラス基板に対する密着性を同時に満足させるという点で未だ不十分であった。
一般式(1)
(HOOC−)m−R1−(−COO−[−R3−COO−] n−R2)t
(式中、R1は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R2はモノアルコール残基、R3はラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
また、上記一般式(1)で表される(e)樹脂のR1が芳香族環を2つ以上有するテトラカルボン酸化合物残基であり、R2が分岐脂肪族モノアルコール残基である上記の感光性黒色組成物が好ましい。
また、(b)光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤およびボレート系光重合開始剤から選ばれる少なくとも一種の光重合開始剤である上記の感光性黒色組成物が好ましい。
さらに、多官能チオールを含有する上記の感光性黒色組成物も好ましい。
さらに、(c)色素誘導体が、下記一般式(2)で示される色素誘導体を含む上記の感光性黒色組成物が好ましい。
一般式(3)
また、本発明は、透明基板上に、上記の感光性黒色組成物を用いて形成されたブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の感光黒色性組成物は、(a)カーボンブラック、(b)光重合開始剤、(c)色素誘導体、(d)エチレン性不飽和化合物、および下記一般式(1)で表される(e)樹脂を含有する。
本発明の感光性黒色組成物は、下記一般式(1)で表される樹脂を含むことを特徴とする。
一般式(1)
(HOOC−)m−R1−(−COO−[−R3−COO−] n−R2)t
(式中、R1は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R2はモノアルコール残基、R3はラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
エチレン性不飽和二重結合の例としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられるが、好ましいのは(メタ)アクリロイル基である。モノアルコールは、単独のエチレン性不飽和二重結合を有しても良いし、複数のエチレン性不飽和二重結合を有しても良い。また、異なる種類のエチレン性不飽和二重結合を有しても良い。
上記のうちエチレン性不飽和二重結合の数が2個以上のものを使用すると、感光性黒色組成物の硬化性に優れることから,エチレン性不飽和二重結合の数は2個以上のものを使用することが好ましい。
上記のモノアルコールのうち、たとえば4−メチル−2−ペンタノール、イソペンタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルデカノールなどの分岐脂肪族モノアルコール、または片末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを用いることで結晶性が低下し室温で液状になる場合があるので作業性の点と、上記一般式(1)で示される樹脂以外の樹脂との相溶性の点で好ましい。
本発明のラクトンは、上記例示に限定されることなく用いることができ、また単独で用いても、2種類以上を併用して用いても構わない。2種類以上を併用して用いることで結晶性が低下し室温で液状になる場合があるので作業性の点と、上記一般式(1)で示される樹脂以外の樹脂との相溶性の点で好ましい。
モノアルコール1モルに対するラクトンの付加モル数は、1〜50モル、好ましくは、3〜20モル、最も好ましくは4〜16モルである。付加モル数が、1モルより少ない、あるいは50モルより大きいと、感光性黒色組成物の安定性効果を得ることができない。
反応温度は100℃から220℃、好ましくは、110℃〜210℃の範囲で行う。反応温度が100℃以下では反応速度がきわめて遅く、210℃以上ではラクトンの付加反応以外の副反応、たとえばラクトン付加体のラクトンモノマーへの分解、環状のラクトンダイマーやトリマーの生成等が起こりやすい。
第二の工程で使用される脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
第二の工程には触媒を用いてもかまわない。触媒としては、3級アミン系化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
反応温度は80℃〜180℃、好ましくは、90℃〜160℃の範囲で行う。反応温度が80℃以下では反応速度が遅く、180℃以上ではハーフエステル化したものが、再度環状無水物を生成し、反応が終了しにくくなる場合がある。
(a)カーボンブラックとしては、平均一次粒子径20〜40nm、比表面積70〜180m2/g、吸油量100cm3/100g以下のカーボンブラックを好ましく使用することができる。なお,本発明の吸油量とはフタル酸ジブチルの吸油量をいう。
一方、平均一次粒子径が40nmを超えるカーボンブラックを含む感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が少数となり光硬化性は有利となるが、遮光性およびブラックマトリックスのパターン形状、特に直線性が不十分である。
カーボンブラックの吸油量は、光硬化性の観点から100cm3/100g以下であることが好ましく、0〜80cm3/100gであることがより好ましく、0〜50cm3/100gであることが特に好ましい。
本発明の感光性黒色組成物において、OD値を高めるために2種類以上のカーボンブラックを併用する場合は、平均一次粒子径の差が5nm以上である、(a1)平均一次粒子径が8〜20nmであるカーボンブラックと、(a2)平均一次粒子径が21〜40nmであるカーボンブラックとを含有することが好ましく、さらには40nmを超えるカーボンブラックを含まないことが好ましい。
一方、平均一次粒子径が21〜40nmであるカーボンブラック(a2)を単独で使用した感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が少数となり光硬化性は有利となるが遮光性が不十分である。
カーボンブラック(a1)としては、平均一次粒子径が10〜18nmのものが好ましく、さらに比表面積が200〜600m2/gであるカーボンブラックを好適に使用することができる。比表面積が200m2/g未満のカーボンブラックを用いる場合には、ブラックマトリックスのパターン形状の劣化や密着性の低下を引き起こし易く、600m2/gより大きいカーボンブラックを用いる場合は、カーボンブラックの安定分散が難しくなる。なお、平均一次粒子径が8nm未満のカーボンブラックは製造が困難であるため、カーボンブラック(a1)として適当ではない。
さらに、カーボンブラック(a1)とカーボンブラック(a2)の平均一次粒子径の差が5nm未満の場合は、カーボンブラック(a1)とカーボンブラック(a2)を併用する場合に発現する高い遮光性の効果が期待できない。
(a1)1重量部に対して、(a2)が3重量部未満の場合、つまり(a1)が多い場合は、カーボンブラックの安定分散が困難になる。一方、(a1)1重量部に対して、(a2)が30重量部を超える場合、つまり(a1)が少なくなる場合は、カーボンブラック(a1)と(a2)を併用する場合に発現する高遮光性の効果が期待できない傾向がある。
上記(a)カーボンブラックは、平均一次粒子径の異なるカーボンブラックを併用する場合も含めて、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは合計して40〜65重量%、より好ましくは合計して45〜60重量%の量で用いることができる。
式(14)
ボレート系光重合開始剤としては、下記一般式(15)〜(18)で示される化合物が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
チオキサンソン系光重合開始剤としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。
キノン系光重合開始剤としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いられる。(b)光重合開始剤は、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは2〜20重量%の量で用いることができる。
一般式(2)
一般式(3)
モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、オリゴマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(d)エチレン性不飽和化合物は、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは5〜30重量%、光硬化性、現像性の観点からより好ましくは7〜28重量%、特に好ましくは10〜25重量%の量で用いることができる。エチレン性不飽和化合物の含有量が30重量%より多い場合は、ブラックマトリックスのパターン形状の直線性不良,断面形状不良を生じる傾向があり、5重量%より少ない場合は、低感度となって光硬化性が不充分となる傾向がある。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン,トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
また、これらの多官能チオールは、上記光重合開始剤のうち、特にイミダゾール系光重合開始剤と組み合わせると、感度が増加し光硬化性が向上するため好ましい。
多官能チオールは、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%の量で用いることができる。0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて解像度が低下したり、感光性黒色組成物の安定性が低下したりする。
溶剤は、感光性黒色組成物の全固形分100重量部に対して、好ましくは150〜3500重量部、より好ましくは250〜2000重量部の量で用いることができる。
感光性黒色組成物は、カーボンブラック、色素誘導体、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、樹脂、溶剤、および必要に応じて、その他の添加剤を混合し、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター、マイクロス等の各種分散装置を用いて分散することにより製造することができる。
感光性黒色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性黒色組成物を用いて形成されたブラックマトリックスと、黒以外の少なくとも2色のフィルタセグメントとを備えるものである。フィルタセグメントの色は、青色、緑色、赤色、シアン、エロー、マゼンタ、橙色、紫色などから2〜6色程度選択される。同色系の色で、濃度の違うフィルタセグメントが形成されていてもよい。
感光性黒色組成物の塗布膜厚は、0.2〜5μm(乾燥時)の範囲であることが好ましく、塗工性と遮光性のバランス取りが容易な0.5〜2μmの範囲であることがより好ましい。
アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
橙色の着色剤としては、ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65等が挙げられる。
赤色およびマゼンタの着色剤としては、ピグメントレッド9、97、122、123、144、149、166、168、177、190、192、215、216、224、254、255等が挙げられる。
青色およびシアンの着色剤としては、ピグメントブルー15(15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6等)、21、22、60、64等が挙げられる。
緑色の着色剤としては、ピグメントグリーン7、10、36、47等が挙げられる。
これらの着色剤は、所望の色を得るために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガス導入管、温度計、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換し、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸36.6部を加え、120℃で2時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後に反応を終了して樹脂を得た。得られた樹脂は常温で白色固形であり、酸価は49mgKOH/gであった。この樹脂を不揮発分が30%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液1を調製した。
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
n−ブチルメタクリレート 35.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2、2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート20.0部
(東亞合成社製「アロニックスM−110」)
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量(GPC測定)は、約40000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、樹脂溶液2を調製した。
カーボンブラック(三菱化学製#47,平均一次粒子径23nm,比表面積132m2/g,吸油量64cm3/100g)100部、下記式(19)に示す色素誘導体4部、樹脂溶液1を14部、樹脂溶液2を56部混合し、シクロヘキサノンで希釈して最終固形分を20%とした。このものを、直径0.8mmのガラスビーズを用いペイントシェーカーにて2時間分散することにより、カーボンブラック分散体Aを調製した。得られたカーボンブラック分散体Aの粘度は、25℃のとき8.70mPa・sであった。
(式19)
カーボンブラック分散体Aの調製において、カーボンブラックを、CABOT製REGAL250R(平均一次粒子径35nm,比表面積50m2/g,吸油量46cm3/100g)80部と、DEGUSSA製のPrintex95(平均一次粒子径15nm,比表面積250m2/g,吸油量52g/100g)20部に変更した以外は、カーボンブラック分散体Aの調整と同様の操作を行ってカーボンブラック分散体Bを調製した。得られたカーボンブラック分散体Bの粘度は、25℃のとき6.27mPa・sであった。
カーボンブラック分散体Aの調製において、カーボンブラックを、CABOT製MONARCH120(平均一次粒子径75nm,比表面積25m2/g,吸油量72cm3/100g)100部に変更した以外は、カーボンブラック分散体Aの調製と同様の操作を行ってカーボンブラック分散体Cを調製した。得られたカーボンブラック分散体Cの粘度は、25℃のとき5.88mPa・sであった。
[カーボンブラック分散体Dの調製]
カーボンブラック分散体Aの調製において、樹脂溶液1を14部、樹脂溶液2を56部混合する代わりに、樹脂溶液2のみを70部使用した以外は、カーボンブラック分散体Aの調製と同様の操作を行ってカーボンブラック分散体Dを調製した。得られたカーボンブラック分散体Dの粘度は、25℃のとき10.82mPa・sであった。
(感光性黒色組成物の調製)
表1に示す配合組成で、混合物を均一になるように攪拌混合した後、2μmのフィルタで濾過して、感光性黒色組成物を得た。得られた感光性黒色組成物について、感度、安定性、遮光性(単位膜厚当たりのOD値)、ブラックマトリックスのパターン形状、ガラスに対する密着性を下記の方法で評価した。得られた結果を表2に示す。
光重合開始剤A:式(14)で示されるオキシム系光重合開始剤(エタノン, 1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア OXE02」)
光重合開始剤B:2,2'ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4',5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール
光重合開始剤C:式(15)で示されるボレート系光重合開始剤
光重合開始剤D:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ ル)-ブタノン-1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 369」)
多官能チオール:トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
溶剤 :シクロヘキサノン
感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。その後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して各種露光量(mJ/cm2)の紫外線を露光した。炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像した後、イオン交換水で洗浄することで未露光部分を取り除いた。現像・水洗後の露光部分の膜厚を測定し、現像前の膜厚に対し95%以上の膜厚が得られる最小露光量(mJ/cm2)を感度とした。感度が10〜50mJ/cm2を○、50mJ/cm2を超える場合を×として評価した。なお、フォトマスクには10マイクロメーターのマスクパターンを使用し、ストライプ状のブラックマトリックスパターンを形成した。
感光性黒色組成物の作成直後と40℃で7日間保存後の現像速度を比較し、安定性を評価した。
(現像速度)感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。このものを、炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像し、感光性黒色組成物が消失する時間を測定した。測定時間を測定膜厚で除し、単位膜厚当たりの時間(秒/μm)を現像速度とした。
保存後の現像速度が、保存前の現像速度に対して±15%以内の変化であった場合を○、±15%を超えて高速変化あるいは低速変化した場合を×として評価した。ただし、比較例1に関し、40℃で7日間保存後の感光性黒色組成物では、粘度が25℃で100mPa・sを超え、さらにゲル状となった。そのため、現像速度評価を行うに際して必要な塗工工程を行うことができず、本発明の感光性黒色組成物として不適格であった。よって、比較例1では、感光性黒色組成物を40℃で7日間保存した後の現像速度評価は行わずに評価は×とした。
感光性黒色組成物を[感度]評価と同様の方法でガラス基板に塗工し,露光工程は行わずに230℃で1時間加熱した後、膜厚を測定した。このようにして得られた感光性黒色組成物塗工基板の光学濃度(OD)を、マクベス濃度計(GRETAG D200−II)により測定し、測定光学濃度(OD)を測定膜厚で除し、単位膜厚当たりの光学濃度(OD/μm)を求めた。
ブラックマトリックスのパターン形状の評価は、[感度]評価と同様の方法において露光量70mJ/cm2でストライプ状のブラックマトリックスパターンを形成し、作成されたストライプ状のブラックマトリックスのパターン形状を、光学顕微鏡あるいは電子線走査顕微鏡で観察し、直線性・断面形状を観察した。ただし,実施例3の感光性黒色組成物は感度が低かったため300mJ/cm2で露光した。
(直線性)直線部分に欠けやギザギザが見られない場合には直線性○、直線部分の一部にギザギザあるいは欠けが見られる場合は直線性△、直線部分の全体にわたってギザギザあるいは欠けが多数見られる場合は直線性×として評価した。
(断面形状)断面形状が順テーパー(ガラスに接触する面である底辺が上底より幅広)から垂直の場合は、断面形状○、断面形状がオーバーハング(上底がガラスに接触する面である底辺より幅広)の場合は×として評価した。
(初期密着性)感光性黒色組成物を[感度]評価と同様の方法でガラス基板に塗工し、露光工程は行わずに230℃で1時間加熱した。得られた感光性黒色組成物塗工基板上の感光性黒色組成物塗工面に高性能エポキシ急速硬化接着剤(室温1時間硬化型)を付け、JIS K5400に準じた碁盤目付着性試験方法により塗膜のガラス密着性を評価した。剥離は、M6ボルトの頭に高性能エポキシ急速硬化接着剤(室温1時間硬化型)を付け、碁盤目上に接着(自重)し、90℃で5分間加熱後、手でボルトを剥がした。1mm×1mm×100個の碁盤目に比べてボルトが小さいので、ボルトの接着面積に対する塗膜の非剥離面積率で初期密着性を表した。
密着性(%)=(接着面碁盤目数−ボルト膜付着碁盤目数) ×100
ボルト接着面の碁盤目数
少数点以下四捨五入
◎:80%≦密着性≦100%
○:60%≦密着性<80%
△:30%≦密着性<60%
×:20%<密着性<30%
Claims (8)
- (a)カーボンブラック、(b)光重合開始剤、(c)色素誘導体、(d)エチレン性不飽和化合物、および下記一般式(1)で表される(e)樹脂を含有してなる感光性黒色組成物。
一般式(1)
(HOOC−)m−R1−(−COO−[−R3−COO−] n−R2)t
(式中、R1は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R2はモノアルコール残基、R3はラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。) - 上記一般式(1)で表される(e)樹脂のR1が芳香族環を2つ以上有するテトラカルボン酸化合物残基であり、R2が分岐脂肪族モノアルコール残基であることを特徴とする請求項1記載の感光性黒色組成物。
- (a)カーボンブラックが、平均一次粒子径20〜40nm、比表面積70〜180m2/g、および吸油量100cm3/100g以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1または2記載の感光性黒色組成物。
- (b)光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤およびボレート系光重合開始剤から選ばれる少なくとも一種の光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の感光性黒色組成物。
- さらに、多官能チオールを含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の感光性黒色組成物。
- (c)色素誘導体が、下記一般式(2)で示される色素誘導体を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の感光性黒色組成物。
一般式(2)
一般式(3)
- (e)樹脂の重量(P)と(d)エチレン性不飽和化合物の重量(M)との比率(M/P)が、0.10〜0.70であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の感光性黒色組成物。
- 透明基板上に、請求項1〜7いずれか1項に記載の感光性黒色組成物を塗布したのち、フォトリソグラフィー法により形成されたブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
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