JP2910586B2 - Nb▲3▼Sn超電導線材 - Google Patents

Nb▲3▼Sn超電導線材

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導マグネットの構
成素材に用いられるNb3 Sn超電導線材に関し、特に
安定した高磁場臨界電流特性を備えたNb3 Sn超電導
線材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導物質によって実現される永久電流
現象を利用し、電力を消費せずに大電流を流し、コイル
状にして磁場を発生させる超電導マグネットは、核磁気
共鳴(NMR)装置等の各種物性測定装置の他、超電導
発電機、磁場浮上列車、核融合装置等への応用が進めら
れている。そして上記の様な超電導マグネットの構成素
材としては、従来からNb3 SnやV3 Ga等の超電導
線材が使用されている。
【0003】上記超電導線材のうち、実用に供せられる
Nb3 Sn超電導線材は、いわゆるブロンズ法と呼ばれ
る複合加工法によって主に製造されている。上記ブロン
ズ法の一般的方法を、図面を用いて更に詳細に説明す
る。
【0004】まず単芯型超電導線材の場合から述べる
と、図2に示す様に、Cu−Sn合金やCu−Sn−T
i合金等のCu−Sn基合金製のビレットケース1(線
状母材)にNb線2を埋設した後、端部を電子ビーム溶
接して単芯型複合ビレット3を組み立てる。該単芯型複
合ビレット3を熱間静水圧押出しに付して一体化と減面
加工を同時に行ない、さらに冷間加工によって所定の寸
法まで伸線加工する。このとき、冷間伸線加工により、
Cu−Sn合金は著しく加工硬化するため、加工率30
〜60%程度の加工毎に加工硬化ひずみを除去するため
の中間焼鈍が必要となる。その後熱処理(600〜70
0℃)によって、Cu−Sn合金製線状母材1とNb線
2の界面にNb3 Snを生成させてNb3 Sn超電導線
材とする。
【0005】次に多芯型超電導線材の場合は、前記した
図2或は図3に示す様に1本または複数本のNb線2を
Cu−Sn基合金のビレットケース1a製(線状母材)
に埋設してこれを断面減少加工に付して断面六角形の1
次多芯ビレット8を構成し、これを複数本円筒状に束ね
て線材群10(図4参照)とし、図4に示す様に、Cu
やCu−Sn基合金からなる円筒状の外層ケース9(最
外層)に挿入し、単芯型の場合と同様の方法で伸線し
て、最終形状において3000〜30000本のNb線
2が含まれた2次多芯ビレット11(多芯型複合ビレッ
ト)を構成する。尚2次多芯ビレット11では、前記図
4に示した様に、その中央部に安定化材となる線・棒状
の無酸素銅7(安定化銅)が組み込まれており、前記1
次多芯ビレット8の線材群10と無酸素銅7の間には、
Cu−Sn基合金からなる筒状の内部層5、およびNb
3 Sn生成のための拡散熱処理時にCu−Sn合金から
のSnの拡散を防止するバリア層として円筒状のNb層
またはTa層(以下拡散バリア層)6が形成されてい
る。従って拡散バリア層6は前記無酸素銅7がSnによ
って汚染されることを防ぐものである。最後に熱処理を
施すことにより、Cu−Sn基合金製線状母材1aとN
b線2の界面にNb3 Snを生成させて多芯型Nb3
n超電導線材とする。
【0006】尚2次多芯ビレットとしては、上記の他
に、中心側に安定化銅やバリア層を設ける代わりに、1
次多芯ビレットをCu−Sn基合金等にスタックしたそ
の外周側にバリア層、次いで安定化銅を配置したものも
あり、これらの設計変更は本発明を制限するものではな
い。
【0007】上記の様にして得られる各Nb3 Sn超電
導線材は、超電導線材同士の接続を行う場合、Cu−S
n基合金を硝酸等で化学的に除去し、露出した超電導フ
ィラメントを直接的に接続させることができるため、容
易でかつ安定に超電導接続が可能であるという特長があ
る。したがって、Nb3 Sn超電導線材は非常に高い磁
場安定度を要求するNMR装置用として、最適の構造を
有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところでNMR装置に
用いられる超電導マグネットは、極めて高い精度の磁場
の空間的均一度と時間的安定度が要求される。前者はマ
グネットの設計に依存する課題であり、後者は使用する
超電導線材の性能に大きく依存する事項である。即ち、
磁場の時間的不安定性は、超電導線材中に流れる永久電
流の減衰によって生じるからである。このような現象
は、NbTi超電導線材に比べてより高磁場で使用され
るNb3 Sn線材でより顕著になっている。一般に使用
されるNb3Sn超電導線材における約0.1〜100p
pm /h 程度の減衰は、これまでの汎用的応用機器にと
ってはそれほど重大な問題にならなかったのであるが、
NMR装置の様な分析機器においては、わずかな減衰で
あっても、正確性という点で極めて重大な問題を生じ
る。
【0009】永久電流の減衰の原因としては、線材中の
Nb3 Sn生成フィラメントの不均一さから生じる電流
分流や近接効果による磁束クリープがあげられる。前者
の不均一性について述べると、加工工程でフィラメント
の表面に凹凸を生じることがあり、この結果としてフィ
ラメント断面積が局所的に小さい部分を生じ、当該部分
の臨界電流が平均のフィラメント当たりの臨界電流より
小さくなる。このとき臨界電流に余裕のある他のフィラ
メントに電流が分流し、その際抵抗が発生して永久電流
の減衰につながる。後者の近接効果について述べると、
超電導フィラメントの間隔が狭い場合は、フィラメント
間の常伝導部分にも超電導電子がしみだしてフィラメン
ト間にも弱い超電導部が生成する現象であり、この部分
の磁束は容易にクリープして動くことになり、抵抗が発
生し、電流減衰となる。
【0010】一方、超電導マグネットで磁場を発生させ
る場合、マグネットを構成する超電導線材にはフープ力
と呼ばれる外向きの力が働く。Nb線2の全体を全てN
3Snに変化させると、このNb3 Snは金属間化合
物で機械的に脆いため、ときにはフープ力によりNb3
Snに割れが発生し、線材ひいてはマグネットの特性を
大きく劣化させることがある。このような劣化を防ぐた
め、Nb線2の全てを完全にNb3 Sn化させずに、N
b線2の中央部に延性で強度の高いNb芯を未反応で残
留させ、周囲のみをNb3 Sn化させる手法を用いてい
る。そしてこのNb芯の残留量は、一般に線材断面にお
いて一様であることが望ましい。
【0011】しかしながら、前述の様にして製造される
多芯型Nb3 Sn超電導線材は、線材中央部付近と外周
部ではNb線2の周囲のSn量が大きく異なっており、
Sn量の少ない中央部ではNb芯の残留量が多いのに対
し、Sn量の多い外周部ではNb芯が残らず、Nbフィ
ラメントが完全にNb3 Sn化してしまう欠点があっ
た。この欠点は、NMR装置の超電導マグネットにおい
ては永久電流の減衰、すなわち磁場のわずかな減衰(約
0.1〜100ppm /h )として現れることが判明し
た。ところが、上述した如くこの減衰が分析機器として
の性能を大きく劣化させることになり、上記多芯型超電
導線材はNMR装置用超電導線材として若干の問題を有
している。
【0012】更に、上記ブロンズ法によって製造される
各Nb3 Sn超電導線材は、600〜700℃程度の熱
処理によって、Nb線2とCu−Sn合金製線状母材1
(または1a)の界面にNb3 Sn化合物を生成させた
後、液体ヘリウム温度に冷却して使用するので、線材中
のNb3 Snはヘリウム温度では圧縮歪がかかってお
り、無歪状態に比べて臨界電流や臨界温度がやや劣化し
た状態にある。
【0013】本発明者等は、かねてから、上記の様な従
来のNb3 Sn超電導線材の有する技術的課題を解決す
る為に種々研究を行ない、永久電流の減衰等の問題を生
じることなく、NMR装置用超電導マグネットの素材と
して有用なNb3 Sn超電導線材に到達し、先に特許出
願を済ませた(特願平5−109594号)。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記先願発明は、上記目
的を達成する上での重要構成要件の一つとして、Cu−
Sn基合金製線状母材中で最隣接するNb3 Sn同士の
間隔Ds(図1参照)を0.5〜1.0μmの範囲内に
制御することを示した。しかしながらその後更に研究を
進めたところ、0.5μm未満であっても、0.1μm
以上を確保できさえすれば、永久電流の減衰等の問題を
生じることなく、長期間に亘って安定使用できる有用な
Nb3 Sn超電導線材となることが分かった。即ち、今
回提供する本発明とは、線・棒状の安定化銅、円筒状の
拡散バリア層、円筒状のCu−Sn基合金製内部層、任
意本数のNb線を埋設したCu−Sn基合金製線状母材
を円筒状に複数束ねた線材群、更に円筒状のCuまたは
Cu−Sn基合金製最外層を、半径方向中心側から外周
側に向かって上記々載順序で配置されると共に、熱処理
によって前記Nb線と前記Cu−Sn基合金製線状母材
との界面にNb3 Snを生成させたNb3 Sn超電導線
材であって、Cu−Sn基合金製線状母材中で最隣接す
るNb3 Sn同士の間隔Dsが0.1μm以上0.5μ
m未満の範囲内であると共に、下記(1),(2)式を
満足することを要旨とするものである。 0.3≦R≦0.6 ……(1) Df<7μm ……(2) 但しR=(S/Sf)−1であり、Sは図3に示す1次
多芯材中に含まれるNb線2のフィラメント全体の外接
円Pの面積、Sfは熱処理前のNb線2の各面積の総
和、DfはNb線の直径である。
【0015】
【作用】本発明は上述の如く構成されるが、要するに前
記先願発明とここに提供する本発明は、前記Ds値の範
囲を互いに補完し合うことにより、全体として0.1〜
1.0μmという意義のある有効範囲を示し得たのであ
る。
【0016】前記先願発明において、最隣接するNb3
Snの間隔Dsを0.5μm以上と定めた理由は、0.
5μm未満ではNb3 Snの相互の間隔が狭くなりす
ぎ、近接効果が顕著になると認識した為である。即ち、
近接効果による電流は磁束クリープされやすく、このク
リープが電流減衰につながると考えたのである。尚、前
記間隔Dsを1.0μm以下と定めた理由は、これより
大きくなるとNb線2の均一加工が困難となるためであ
る。即ち、加工工程でNb線2の表面に凹凸を生じるこ
とがあり、Nb線2の断面積が小さい部分の臨界電流が
Nb線2個々の平均臨界電流より小さくなり、この小さ
くなった部分の電流が、臨界電流に余裕のある隣接した
他のNb3 Snに分流し、このとき抵抗が発生して永久
電流の減衰につながるのである。結局のところ、上記の
要件は、前記間隔Dsを所定の範囲内にすることによっ
て、電流減衰の原因となる近接効果と電流の分流を低減
することができるものであると評価されるのである。
【0017】一方本発明においては、前記Ds値が0.
5μmより短くなってもよいこと、且つ0.1μm以上
でなければならないことを夫々見出したので、以下この
点について述べる。
【0018】上記Nb3 Snは熱処理時の相互拡散によ
って生成されるものであるため、Nb3 Sn層の厚さは
熱処理条件に支配される。Nb3 Sn層の厚さが変化す
ればDs値も変化する。そこでこの熱処理条件が若干変
動してもDs値の変動幅を小さくし得る様な設計上のパ
ラメータについて検討したところ、下記のパラメータ及
びその最適範囲を見出した。 0.3≦R≦0.6 ……(1) Df<7μm ……(2) 但しR=(S/Sf)−1である。
【0019】式中Sは図3に示す1次多芯材中に含まれ
るNb線2のフィラメント全体の外接円Pの面積、Sf
は熱処理前のNb線2の各面積の総和、DfはNb線の
直径である。
【0020】上記設計範囲を定める為に、後記実施例の
表1に示す様にDf値及びR値を変化させて多芯型複合
ビレットの伸線加工材を得、これを熱処理した後のDs
値及びIc(臨界電流)、P(交流損失)、電流減衰を
測定し、夫々を評価した。詳細条件は実施例の項で述べ
るが、結論的にはRを0.3〜0.6の範囲とし、且つ
Dfを7μm未満とすれば、評価はいずれも○印とな
り、このときのDs値は0.1〜0.7μmの範囲であ
った。従って前記先願発明において好適範囲と定めた
0.5〜1.0μmよりも低い領域である0.1〜0.
5μmにおいても、電流減衰を0.01ppm/h以下
の好適レベルに抑制し得ることが分かった。
【0021】尚R(以下局所ブロンズ比Rと言うことが
ある)が0.3を下回るとNb線の一部が隣接Nb線と
一体化することがあり、またDs値が0.1μm未満の
部分が増えるので、超電導線材中での磁化の増大、磁束
のクリープによる永久電流の減衰が顕著になる。一方R
が0.6を超えると、Nb線の均一加工が困難となり、
線材の途中で表面に凹凸が生じ、断面の不均一によって
電流の分流を招き、やはり永久電流が減衰する。またD
fが7μm以上になると熱処理によって生成したNb3
Snの結晶性が大きくなり易く、これによって臨界電流
が低下することがある。
【0022】尚本発明でNb線2を埋設する線状母材
1、内部層5および外最層9は、純Cu−Sn合金が一
般的に用いられるが、Cu−Snに第3元素または第4
元素を添加した合金を用いても同様の効果が得られる。
本発明では、これらを一括してCu−Sn基合金として
いる。
【0023】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいず
れも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0024】
【実施例】直径17mmのNbロッド7本を外径65m
mのCu−13%Sn合金母材中に図3の様な配置で挿
入し、断面減少加工を行なった後、6角成形した(1次
多芯線)。この時、伸線後の局所ブロンズ比Rが異なる
5種類の1次多芯線(No.1〜5)と、直径18.5m
m及び20mmのNbロッドを用いて同様に6角成形し
た1次多芯線を製作した(No.6,7)。これらの1次
多芯線材を夫々834本スタックし、再びCu−13%
Sn合金母材中に挿入し、内側のCu−Sn合金管の内
部にSn拡散防止障壁としてTa管を挿入し、中心部に
安定化のためのCuロッドを挿入した。ここで内周部、
外周部のブロンズにはCu−13%Sn−0.3%Ti
を用いた(2次多芯線)。この後、断面減少加工を行な
い線径0.8mmの線材を得た。
【0025】尚ここでTaを用いたのは、前記先願明細
書で述べた通り、Taの降伏応力の方がNbの降伏応力
より大きいので、全体として割れが入る限界歪が高くな
るからである。
【0026】Nb3 Snを生成させるために、これら6
種類の線材に670℃、50時間の熱処理を施した。こ
れらの線材について、電子顕微鏡を用いて最隣接Nb3
Sn間隔Dsを測定した。更に外部磁場12T中で臨界
電流Icの測定をした。また、これらの線材の磁化を見
積もるために−0.5Tから+0.5Tの間で変化する
外部磁場中での交流損失Pを測定した。さらに、これら
6種類の線材を用いて小コイルを作製し、その中心部の
磁場の時間減衰を測定することで永久電流モードでの電
流減衰の度合いを測定した。以上の測定の結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】この結果は次の様に考察できる。No.1の
線材ではフィラメント同士が接触しており、そのため磁
化が大きくなり電流減衰も大きくなっている。一方、N
o.6の線材ではフィラメント径が大きく、このためNb
3 Snの臨界電流が小さくなり、電流減衰が大きくなっ
た。また、No.5の線材の母材を硝酸を用いて除去し、
フィラメントの表面を電子顕微鏡で観察したところ、数
10μmの周期の凹凸が見られた。従って、この線材に
見られた大きな電流減衰は、この凹凸による電流の分流
のためと思われる。これらの線材以外の本発明による線
材(No.2〜4,7)は、いずれも電流減衰が0.01
ppm/h以下になっており、電流減衰が非常に小さい
ことが分かる。また、ここではNo.4のDs値が前記先
願発明で規定された範囲内に入っているが、本発明によ
る局所ブロンズ比Rの規定を用いると、従来法での規定
よりもDsの小さい領域でも電流減衰を抑制できること
が確認された。結局上記から、Ds値が0.1μm以上
0.5μm未満であっても、超電導コイルの永久電流モ
ードでの運転電流減衰の低減に有効であることが分かっ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、最
隣接Nb3 Sn同士の間隔が狭い領域においても磁場安
定度のきわめて優れた超電導マグネットの構成素材とな
り得るNb3 Sn超電導線材が実現でき、これによって
分析、医療等の幅広い分野における機器の性能向上が期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で規定する平均間隔Dsを説明する為の
図である。
【図2】ブロンズ法による単芯型複合ビレットの断面を
示す図である。
【図3】ブロンズ法による1次多芯ビレット8の断面を
示す図である。
【図4】ブロンズ法による2次多芯ビレット11の断面
を示す図である。
【符号の説明】
1 ビレットケース(Cu−Sn基合金製線状母材) 2 Nb線 3 混合ビレット(単芯型複合ビレット) 5 内部層 6 Nb層(拡散バリア層) 7 無酸素銅(安定化銅) 8 1次多芯ビレット 9 外層ケース(最外層) 10 線材群 11 2次多芯ビレット(多芯型複合ビレット)
フロントページの続き (72)発明者 井上 康彦 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 枩倉 功和 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 嶋田 雅生 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平5−334920(JP,A) 特開 平4−190514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 12/10 ZAA C22F 1/00 H01B 13/00 565 H01F 6/06 ZAA

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線・棒状の安定化銅、円筒状の拡散バリ
    ア層、円筒状のCu−Sn基合金製内部層、任意本数の
    Nb線を埋設したCu−Sn基合金製線状母材を円筒状
    に複数束ねた線材群、更に円筒状のCuまたはCu−S
    n基合金製最外層を、半径方向中心側から外周側に向か
    って上記々載順序で配置されると共に、熱処理によって
    前記Nb線と前記Cu−Sn基合金製線状母材との界面
    にNb3 Snを生成させたNb3 Sn超電導線材であっ
    、 Cu−Sn基合金製線状母材中で最隣接するNb3 Sn
    同士の間隔Dsが0.1μm以上0.5μm未満の範囲
    内であると共に、 下記(1),(2)式を満足する ことを特徴とするNb
    3 Sn超電導線材。0.3≦R≦0.6 ……(1) Df<7μm ……(2) 但しR=(S/Sf)−1であり、Sは図3に示す1次
    多芯材中に含まれるNb線2のフィラメント全体の外接
    円Pの面積、Sfは熱処理前のNb線2の各面積の総
    和、DfはNb線の直径である。
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