JP2007214002A - Nb3Sn超電導線材の製造方法およびそのための前駆体 - Google Patents

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Abstract

【課題】臨界電流密度を良好に維持したままn値を更に向上することができ、NMR分析装置等で用いる超電導マグネットへの用途適用を可能にできるNbSn超電導線材を製造するための前駆体の構成を提供する。
【解決手段】本発明の超電導線材製造用前駆体の構成は、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数本のNbまたはNb基合金からなるフィラメントが配置され、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するモノエレメント線材であって、減面加工後の最終形状における前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、NbSn超電導線材を内部Sn法によって製造する方法、およびこうしたNbSn超電導線材を製造するための前駆体(超電導線材製造用前駆体)に関するものであり、殊に高磁場発生用超電導マグネットの素材として有用なNbSn超電導線材を製造する為の技術に関するものである。
超電導線材が実用化されている分野のうち、高分解能核磁気共鳴(NMR)分析装置や核融合装置、加速器等に用いられる超電導マグネットについては、発生磁場が高いほど分解能が高まることから、超電導マグネットは近年ますます高磁場化の傾向にある。
高磁場発生用超電導マグネットに使用される超電導線材としては、NbSn線材が実用化されており、このNbSn超電導線材の製造には主にブロンズ法が採用されている。
このブロンズ法は、Cu−Sn基合金(ブロンズ)マトリクス中に、複数のNbまたはNb基合金からなる芯材を埋設して複合線材が構成される。この複合線材を、押出し若しくは伸線加工等の減面加工を施すことによって、上記芯材を細径化してフィラメント(以下、Nb基フィラメントと呼ぶ)とし、このNb基フィラメントとブロンズからなる複合線材を複数束ねて線材群となし、その外周に安定化の為の銅(安定化銅)を配置した後、更に減面加工する。引き続き、減面加工後の上記線材群を600℃以上、800℃以下程度で熱処理(拡散熱処理)することにより、Nb基フィラメントとブロンズマトリクスの界面にNbSn化合物層を生成する方法である。
しかしながら、この方法ではブロンズ中に固溶できるSn濃度には限界があり(15.8質量%以下)、生成されるNbSn化合物層の厚さが薄く、また結晶性が劣化してしまい、高磁場特性が良くないという欠点がある。
NbSn超電導線材を製造する方法としては、上記ブロンズ法の他に、内部Sn法も知られている。この内部Sn法(内部拡散法とも呼ばれている)では、ブロンズ法のような固溶限によるSn濃度に限界がないのでSn濃度をできるだけ高く設定でき、良質なNbSn層が生成可能であるため、高磁場での高い臨界電流密度Jcが得られるといわれている。
内部拡散法では、図1(NbSn超電導線材製造用前駆体の模式図)に示すように、CuまたはCu基合金(以下、「Cuマトリクス」と呼ぶことがある)4の中央部に、SnまたはSn基合金からなる芯材(以下、「Sn基金属芯」と呼ぶことがある)3を埋設すると共に、Sn基金属芯3の周囲のCuマトリクス4中に、複数のNbまたはNb基合金からなる芯材(即ち、「Nb基フィラメント」)2を相互に接触しないように配置して前駆体(超電導線材製造用前駆体)1とし、これを伸線加工した後、熱処理(拡散熱処理)によってSn基金属芯3中のSnを拡散させ、Nb基フィラメント2と反応させることによってNbSnを生成させる方法である(例えば、特許文献1)。
また上記のような前駆体1においては、図2に示すように、前記Nb基フィラメント2とSn基金属芯3が配置された部分(以下、「超電導マトリクス部」と呼ぶことがある)と、その外部の安定化銅層4aの間に拡散バリア層6を配置した構成を採用するのが一般的である。この拡散バリア層6は、例えばNb層またはTa層、或いはNb層とTa層の2層からなり、拡散熱処理の際に超電導マトリクス部内のSn(Sn基金属芯3)が外部に拡散してしまうことを防止し、超電導マトリスク部内でのSnの純度を高める作用を発揮するものである。
上記のような、超電導線材製造用前駆体を製造するには、下記の手順で行われる。まず、Nb基フィラメントをCuマトリスク管に挿入し、押出し加工や伸線加工等の減面加工を施して複合体とし(通常、断面形状が六角形に形成される)、これを適当な長さに裁断する。そして、Cu製外筒を有し、拡散バリア層を設け或いは設けないビレット内に前記複合体を充填し、その中央部にCuマトリクス(Cu製中実ビレット)を配置して押出し加工した後、中央部のCuマトリクスを機械的に穿孔してパイプ状複合体を構成する。或いは、他の方法として、Cu外筒とCu内筒で構成され、拡散バリア層6を有しまたは有さない中空ビレット内(外筒と内筒の間)に前記複合体を複数本充填してパイプ押出ししてパイプ状複合体を構成する。
そして、これらの方法に作製されたパイプ状複合体の中央空隙部内に、Sn基金属芯を挿入して減面加工して、前記図1、2に示したような前駆体が製造される。以下では、これらのものを、「モノエレメント線材」と呼ぶことがある。
上記のようにして構成された各前駆体(モノエレメント線材)は、拡散バリア層6を有するか或いは有さないCuマトリクス管内部に複数本束ねて充填され、更に減面加工されて多芯型の超電導線材製造用前駆体(以下、「マルチエレメント線材」と呼ぶことがある)とされる。
図3、4は、マルチエレメント線材の構成例を示したものである。このうち図3は、前記図1に示した前駆体1(モノエレメント線材)を、拡散バリア層6aを有するCuマトリクス5内に複数本束ねて埋設し、マルチエレメント線材11としたものである。図4は、前記第2図に示した前駆体(モノエレメント線材)を、拡散障壁層を有さないCuマトリクス5内に複数本束ねて埋設してマルチエレメント前駆体11aとしたものである。
上記のような各種前駆体を用いて内部拡散法で超電導線材を製造するに当って、得られる超電導線材の特性(前記臨界電流密度Jc)を向上させるための技術として、例えば特許文献2のような技術も知られている。
この技術では、Nb基フィラメントへのSnの拡散(Sn金属芯からの拡散)が容易となるように、最終断面形状(減面加工後で拡散熱処理前の断面形状)でNb基フィラメントの直径が1〜3μm程度となるように、或は各モノエレメント(厳密には、超電導マトリクス部)の平均断面積が0.0314〜0.0019625mmの範囲内となるように設定された線材について提案されている。しかしながら、こうした前駆体を用いて製造された超電導線材では、超電導特性の一つである「n値」が低くなるという問題がある。
特開昭49−114389号公報 特許請求の範囲等 特許第327395号公報 特許請求の範囲等
上記n値とは、超電導線材における線材方向に流れる電流の均一性、即ち線材長手方向での超電導フィラメントの均一性を示す指標となるものであり、このn値が大きいほど超電導特性(即ち、電流の均一性)が優れているといわれている。
こうしたn値に関して、これまで提案されている技術を検討すると、必ずしも良好な結果が得られていないことが判明した。超電導線材を製造するための前駆体としては、Nb基フィラメント径をできるだけ小さくすることが超電導特性(特に、臨界電流密度Jc)を向上させる上で有効とされていたのであるが、内部拡散法に適用される前駆体に関する限りでは、Nb基フィラメント径を小さくすることは、超電導特性の一つであるn値が却って低下するという問題がある。こうした事態によって、内部拡散法によって得られた超電導線材がNMR分析装置のマグネットの用途への適用が困難なものとしていた。
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、臨界電流密度を良好に維持したままn値を更に向上することができ、NMR分析装置等で用いる超電導マグネットへの用途適用を可能にできるNbSn超電導線材を製造するための前駆体の構成、およびこうした前駆体を用いて良好な超電導特性を発揮することのできるNbSn超電導線材を製造するための有用な方法を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の超電導線材製造用前駆体とは、内部Sn法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体において、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数本のNbまたはNb基合金からなるフィラメントが配置され、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するモノエレメント線材であって、減面加工後の最終形状の前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものである点に要旨を有するものである。
上記した前駆体は、モノエレメント線材の構成(基本的な構成は前記図2参照)の場合を示したものであるが、本発明の超電導線材製造用前駆体は、前記したようなものエレメント線材を束ねたマルチエレメント線材(基本的な構成は、前記図3、4参照)の場合であってもその目的を達成することができる。
即ち、本発明の超電導線材製造用前駆体の他の構成としては、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数本のNbまたはNb基合金フィラメントが配置されたモノエレメント線材を複数束ねて、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するマルチエレメント線材であって、減面加工後の最終形状の前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものである点にも要旨を有するものである。
或は、本発明のマルチエレメント線材の構成として、内部Sn法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体において、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数のNbまたはNb基合金からなるフィラメントが配置され、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するモノエレメント線材を複数束ねて、その外周に安定化銅層を有するマルチエレメント線材であって、減面加工後の最終形状の前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものである点にも要旨を有するものである。
また、上記のようなモノエレメント線材またはマルチエレメント線材の構成を有する超電導線材製造用前駆体を、拡散熱処理することによって希望する超電導特性(臨界電流密度Jc、n値)を発揮するNbSn超電導線材を製造することができる。
本発明によれば、前記超電導マトリクス部内のNb基フィラメントの直径を比較的大きくすると共に、SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、SnまたはSn基合金芯との距離をできるだけ小さくすることによって、臨界電流密度Jcおよびn値のいずれをも向上させた超電導線材を製造することのできるNbSn超電導線材製造用前駆体が実現できた。
本発明者らは、上記目的を達成するために様々な角度から検討した。その結果、前記図2に示したモノエレメント線材、或は図3、4の示したようなマルチエレメント線材において、最終形状の段階(減面加工後の段階)でNb基フィラメントの直径を従来よりも比較的大きくすればn値が向上し得ること、SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、SnまたはSn基合金芯との平均距離をできるだけ小さくすれば、臨界電流密度が大きくできることを見出し、本発明を完成した。
前述のごとく、内部Sn法による超電導線材の製造においては、Nb基フィラメントの直径はできるだけ小さい方が超電導特性の向上には有効であると考えられていたのであるが、こうした構成では、超電導特性の一つであるn値に却って悪影響を与える結果となる。こうした理由について様々検討したところ、次のような知見が得られた。
ブロンズ法における前駆体では、その構成上の理由から、多数回の中間焼鈍を行ないながら、減面加工を行うことができるのであるが、内部Sn法では線材中央部にSn基金属芯が配置される関係上、Sn基金属芯を配置した後では上記のような中間焼鈍は行なわずに、ほとんど冷間でのみ減面加工が行われることになる。従って、内部Sn法に適用される超電導線材製造用前駆体では、減面加工の際に、Nb基フィラメントの加工硬化が発生し、Nb基フィラメントが小さくなるまで加工を行うと長手方向でのフィラメント径の均一性が、ブロンズ法で適用される前駆体に比べて劣化することになる。こうしたことが、内部Sn法によって製造された超電導線材では良好はn値が得られにくいという理由であると考えることができた。
そこで本発明者らは、内部Sn法に適用される超電導線材製造用前駆体において、n値をできるだけ向上させるための構成について検討した。そして、最終形状(減面加工後の断面形状)でNb基フィラメントの平均直径が5〜30μmとなるように設定すれば、長手方向で均一な形状のNb基フィラメントが得られ、超電導線材におけるn値の向上に寄与できたのである。
即ち、Sn基金属芯挿入後に、冷間加工のみでNb基フィラメント径が5μm未満になるような加工を行なえば、Nb基フィラメントの不均一変形によるn値の低下を招くばかりか、Nb基フィラメントの内部断線や、線材自体の断線の可能性が高くなる。Nb基フィラメントの直径が30μmを超えると、臨界電流密度Jcが低下することになる。Nb基フィラメントの平均直径の好ましい下限10μmであり、好ましい上限は15μmである。但し、本発明の前駆体において、Nb基フィラメントの直径の全てが必ずしも上記の範囲に入る必要はなく、平均的に上記の範囲に入るように設定した場合であっても上記の効果が発揮できるものとなる。
Nb基フィラメントの直径が大きくなるにつれて、臨界電流密度Jcは低下する傾向を示すものとなるが、本発明の前駆体では臨界電流密度Jcの低下を抑えるために、最終形状においてSn基金属芯とNb基フィラメントの最短距離を100μm以下となるようにしたのである。こうした構成を、図面によって説明する。
図5は、本発明の前駆体(モノエレメント線材)の構成例を模式的に示した断面図であり、その基本的構成は前記図1に示した構成と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付してある。尚、本発明のモノエレメント線材では、超電導マトリクス部の外周に拡散バリア層と安定化銅を配置した構成であるが(前記図2参照)、図5では、説明の便宜上これらの構成は省略してある。
本発明の前駆体では、最終形状(減面加工後の最終断面形)において、Sn基金属芯3とその最近傍(半径方向で最も内側の領域)に存在するNb基フィラメントとの距離Lの平均値を100μm以下に設定することが重要である。これによって、この部分に存在するCuマトリクス部の厚みが薄いものとなって、Sn金属芯3からNb基フィラメント2へのSnの拡散が容易となり、NbSn相の生成率が向上し、最終的に超電導線材の臨界電流密度Jcが向上することになる。
尚、Sn基金属芯3とその最近傍に存在するNb基フィラメントとの平均距離とは、Cuマトリクス中に配置される複数のNb基フィラメントのうち、Sn基金属芯3に最も近い位置(即ち、半径方向内側)に配置される複数のNb基フィラメント2とSn基金属芯3との距離L(図5参照)を平均化した値を意味するが、必ずしも半径方向内側に存在するNb基フィメント群の全てが「距離L:100μm以下である」要件を満足している必要はなく、最近傍にあるNbフィラメントであってもその距離Lは均一でない場合が多いので、半径方向の最も内側に存在する複数のNb基フィメントのうち、少なくとも50%以上のものの距離Lが100μm以下の位置に存在し、全体として平均距離が100μmを満足するような構成であれば良い。但し、半径方向内側に存在するNb基フィメント群の全てが「距離L:100μm以下である」要件を満足していることが好ましい。
上記平均距離は、50μm以下であることが好ましいが、Nb基フィラメントとSn基金属芯3が接触すると、熱処理過程で中央に配置されたSn基金属芯が溶ける段階でNb基フィラメントがSn基合金中に動いてずれてしまうことがあるので、できるだけ接触しない(即ち、距離Lは0を含まない)状態とすることが好ましい。
図5に示した構成は、モノエレメント線材の場合を示したが、本発明で規定する要件を満足させることは、マルチエレメント線材の場合であっても全く同様である。即ち、(A)図5に示したような構成のマルチエレメント線材を複数束ねて、その外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するマルチエレメント線材(前記図3参照)、(B)図5に示したような構成の線材の外周に拡散バリア層と安定化銅層を配置したモノエレメン線材を複数束ねて配置し、その周囲に安定化銅を有するマルチエレメント線材(前記図4参照)であっても、減面加工後の最終形状のNbフィラメントの平均直径を5〜30μmに設定すると共に、上記平均距離が100μm以下となるように設定することによって、本発明の目的が達成される。
本発明の前駆体において、Nb基フィラメントは相互に接触しないような配置される必要があるが、良好な超電導特性を発揮させるという観点からすれば、Nb基フィラメント相互の距離は、Nb基フィラメント径の0.05〜0.3倍程度であることが好ましい。この値が0.05倍未満となるような距離では、Snの拡散が十分にできず臨界電流密度Jcが低くなり、0.3倍を超えるような距離では、NbSn生成層の面積が小さくなるため臨界電流密度Jcが低くなる。
本発明の前駆体では、その基本的な構成として、CuまたはCu基合金マトリクス中に、Nb基フィラメント(NbまたはNb基合金からなるフィラメント)およびSn基金属芯(SnまたはSn基合金芯)構成素材とするものであるが、素材として用いるCu合金としては、CuにNb,Ni等の元素を含有(5質量%程度)したものを用いることができる。またSn基金属芯として用いるSn基合金としては、Ti,Ta,Zr,Hf等の元素を、加工性を阻害しない程度(5質量%程度以下)でSnに含有させたものを使用することができる。更に、Nb基フィラメントで用いるNb基合金としては、Ta,Hf,Zr等の添加元素を10質量%程度までを、Nbに含有させたものを使用することができる。
本発明方法においては、上記のような前駆体を用い、ブロンズ化熱処理も含めた拡散熱処理(通常200℃以上、800℃未満程度)することによって、良好な超電導特性(臨界電流密度Jcおよびn値)を発揮するNbSn超電導線材を得ることができる。具体的には、180〜600℃の温度範囲でブロンズ化熱処理(SnをCuに拡散させる)を行なった後に、650〜750℃の温度範囲で100〜200時間のNbSnを生成させる熱処理を行なう。尚、ブロンズ化熱処理としては、180〜200℃で50時間程度、340℃前後で50時間、550℃前後で50〜100時間等の多段階の熱処理の組合せにすることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
外径:21mm、内径:18mmのCu製パイプ内に、外径:17mmのNb−1質量%Ti合金芯を挿入した後、減面加工して六角断面形状のCu/Nb−Ti複合線(六角対辺:4.3mm)を作製し、これを400mmの長さに裁断した。
一方、Cu製外筒(外径:143mm、内径:125mm)およびCu製内筒(外径:70mm、内径:61mm)からなるCu中空ビレットを準備した。
このCu中空ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなる拡散バリア層(厚さ:5mm)を配置した後、前記Cu製内筒の周り(即ち、Cu製外筒とCu製内筒の間の空隙)に、前記Cu/Nb−Ti複合線を336本束ねて挿入した。Cu/Nb−Ti複合線を挿入したCu中空ビレットに蓋をして、真空引きした後、前記蓋を溶接した。
こうして得られたビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、六角断面形状のモノエレメント線材(六角対辺:3.5mm)を作製した。
次いで、このモノエレメント線材を裁断した後、更に19本束ねてCu製パイプ(外径:21mm、内径:18mm)内に挿入し、次いで押出しによって減面加工を行い、外径:1.0mmまたは2.0mmの各マルチエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図4参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:1.0mmのもの)を、550℃×100時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。得られたNbSn超電導線材について、下記の条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の直径(平均直径)、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を下記の方法で計算した。
[臨界電流密度Jcの測定]
液体ヘリウム中(温度4.2K)で、16T(テスラ)の外部磁場の下、試料(超電導線材)に通電し、4端子法によって発生電圧を測定し、この値が0.1μV/cmの電界が発生した電流値(臨界電流Ic)を測定し、この電流値を、線材の非Cu部当りの断面積で除して臨界電流密度Jcを求めた。
[n値の測定]
臨界電流を求めたのと同じ計測によって得られた(Ic−V)曲線において、0.1μV/cmと1.0μV/cmの間のデータを両対数表示し、その傾きとして求めた。尚、上記電流と電圧の関係は、経験的に下記(1)式のような近似式で表されるが、この式に基づいてnの値(即ち、「n値」)を求めたものである。
V=Vc(Iop/Ic) …(1)
但し、IopおよびIcは、夫々超電導マグネットの運転電流、線材の臨界電流であり、VcはIcを定義する基準電圧である。
[Nb基フィラメントの平均直径の計算方法]
走査型顕微鏡(SEM)によって観察し、1/6エレメント内のNbフィラメント10本について、線材断面中央部、外周部で夫々直径を測り、その平均値をNbフィラメント径とした。
[Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離の計算方法]
走査型顕微鏡(SEM)によって観察し、線材断面中央部、外周部で夫々、1エレメント内でのNb基フィラメントとSn基合金芯との最短距離Lを測定し、平均距離とした。
(実施例2)
実施例1と同様にして、六角断面形状のCu/Nb−1質量%Ti複合線(但し、六角対辺:2.0mm)を作製した後、400mmの長さに裁断した。
一方、Cu製外筒(外径:143mm、内径:125mm)およびCu製内筒(外径:70mm、内径:61mm)からなるCu中空ビレットを準備した。
この中空ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなる拡散バリア層(厚さ:5mm)を配置した後、前記Cu製内筒の周り(即ち、Cu製外筒とCu製内筒の間の空隙)に、前記Cu/Nb−Ti複合線を1602本束ねて挿入した。Cu/Nb−Ti複合線を挿入したCu中空ビレットに蓋をして、真空引きした後、前記蓋を溶接した。
こうして得られたビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、外径:1.5mmのモノエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図2参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:1mmのもの)を、550℃×50時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、六角断面形状のCu/Nb−1質量%Ti複合線(但し、六角対辺:2.0mm)を作製した後、400mmの長さに裁断した。
一方、Cu製外筒(外径:143mm、内径:125mm)およびCu製内筒(外径:67.5mm、内径:61mm)からなるCu中空ビレットを準備した。
この中空ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなる拡散バリア層(厚さ:5mm)を配置した後、前記Cu製内筒の周り(即ち、Cu製外筒とCu製内筒の間の空隙)に、前記Cu/Nb−Ti複合線を1686本束ねて挿入した。Cu/Nb−Ti複合線を挿入したCu中空ビレットに蓋をして、真空引きした後、前記蓋を溶接した。
こうして得られた中空ビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、外径:2.2mmのモノエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図2参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:2.2mmのもの)を、550℃×100時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
(比較例1)
実施例2と同様にして作製した中空ビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、外径:2.2mmのモノエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図2参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:2.2mmのもの)を、550℃×50時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。
得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
(比較例2)
実施例1と同様にして、六角断面形状のCu/Nb−Ti複合線(但し、六角対辺:2.0mm)を作製し、これを400mmの長さに裁断した。
一方、Cu製外筒(外径:143mm、内径:125mm)およびCu製内筒(外径:65.5mm、内径:61mm)からなるCu中空ビレットを準備した。
この中空ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなる拡散バリア層(厚さ:5mm)を配置した後、前記Cu製内筒の周り(即ち、Cu製外筒とCu製内筒の間の空隙)に、前記Cu/Nb−Ti複合線を1758本束ねて挿入した。Cu/Nb−Ti複合線を挿入したCu中空ビレットに蓋をして、真空引きした後、前記蓋を溶接した。
こうして得られた中空ビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、外径:3.0mmのモノエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図2参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:3.0mmのもの)を、550℃×50時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。
得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
(比較例3)
実施例1と同様にして、六角断面形状のCu/Nb−Ti複合線(但し、六角対辺:2.0mm)を作製し、これを400mmの長さに裁断した。
一方、Cu製外筒(外径:143mm、内径:127mm)およびCu製内筒(外径:68mm、内径:61mm)からなるCu中空ビレットを準備した。
この中空ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなる拡散バリア層(厚さ:5mm)を配置した後、前記Cu製内筒の周り(即ち、Cu製外筒とCu製内筒の間の空隙)に、前記Cu/Nb−Ti複合線を1674本束ねて挿入した。Cu/Nb−Ti複合線を挿入したCu中空ビレットに蓋をして、真空引きした後、前記蓋を溶接した。
こうして得られた中空ビレットを、パイプ押出し加工およびパイプ抽伸加工した後、前記Cu製内筒内にSn金属芯を挿入して更に伸線し、外径:3.0mmのモノエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図2参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:3.0mmのもの)を、550℃×50時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。
得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
(比較例4)
実施例1と同様にして、六角断面形状のモノエレメント線材(但し、六角対辺:2.1mm)を作製した。この複合線材を裁断した後、これを55本束ねてCu製パイプに(外径:21mm、内径:18mm)内に挿入して複合線材とした。この複合線材を減面加工を行い、外径:1.0mmのモマルチエレメント線材(超電導線材製造用前駆体)とした(前記図4参照)。
得られたマルチエレメント線材(外径:1.0mmのもの)を、550℃×50時間+700℃×100時間の熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。
得られたNbSn超電導線材について、実施例1と同じ条件で臨界電流密度(Jc)およびn値を測定した。また熱処理前の線材において、Nb基フィラメント(Nb−1質量%Ti合金フィラメント)の平均直径、Sn金属芯の最近傍に存在するNb基フィラメントと、Sn基合金芯の平均距離を実施例1と同様に計算した。
実施例1〜3、および比較例1〜4で得られた超電導線材の超電導特性(臨界電流密度Jc、n値)を、Nb基フィラメントの平均直径、前記平均距離、およびNb基フィラメント相互間距離と共に、一括して下記表1に示す。尚、下記表1には、ブロンズ法で得られる超電導線材(製造条件は、Cu−15質量%Sn−0.3質量%Ti合金を使用した場合のもの)標準的な超電導特性(Jc,n値)についても参考のために同時に示した。
Figure 2007214002
この結果から明らかなように、本発明で規定する要件を満足する実施例1〜3のものでは、良好なn値が得られると共に、臨界電流密度Jcも良好な値が得られていることが分かる。尚、臨界電流密度Jcは少なくとも550A/mm以上は必要であり(好ましくは650A/mm以上)、n値は少なくとも50以上(好ましくは60以上)は必要である。
内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体(モノエレメント線材)の構成例を模式的に示した断面図である。 内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体(モノエレメント線材)の他の構成例を模式的に示した断面図である。 内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体(マルチエレメント線材)の構成例を模式的に示した断面図である。 内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体(マルチエレメント線材)の他の構成例を模式的に示した断面図である。 本発明の超電導線材製造用前駆体(モノエレメント線材)の構成例を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1 超電導線材製造用前駆体(モノエレメント線材)
2 Nb基フィラメント
3 Sn基金属芯
4,5 Cuマトリクス(Cu母材)
4a 安定化銅
6,6a 拡散障壁層
11,11a 超電導線材製造用前駆体(マルチエレメント線材)

Claims (5)

  1. 内部Sn法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体において、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数本のNbまたはNb基合金からなるフィラメントが配置され、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するモノエレメント線材であって、減面加工後の最終形状における前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものであることを特徴とするNbSn超電導線材製造用前駆体。
  2. 内部Sn法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体において、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数本のNbまたはNb基合金フィラメントが配置されたモノエレメント線材を複数束ねて、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するマルチエレメント線材であって、減面加工後の最終形状の前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものであることを特徴とするNbSn超電導線材製造用前駆体。
  3. 内部Sn法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体において、中央にSnまたはSn基合金芯が配置されると共に、その周囲にCuまたはCu基合金マトリクスと、複数のNbまたはNb基合金からなるフィラメントが配置され、更にその外周に拡散バリア層と安定化銅層を有するモノエレメント線材を複数束ねて、その外周に安定化銅層を有するマルチエレメント線材であって、減面加工後の最終形状の前記NbまたはNb基合金フィラメントの平均直径が5〜30μmに設定され、且つ前記SnまたはSn基合金芯の最近傍に存在する複数本のNbまたはNb基合金フィラメントと、前記SnまたはSn基合金芯との平均距離が100μm以下となるように設定されたものであることを特徴とするNbSn超電導線材製造用前駆体。
  4. 前記NbまたはNb基合金フィラメントの相互の間隔は、該フィラメントの平均直径の0.05〜0.3倍である請求項1〜3のいずれかに記載のNbSn超電導線材製造用前駆体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の超電導線材製造用前駆体を、熱処理することによってNbSn系超電導相を形成することを特徴とするNbSn超電導線材の製造方法。
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