JP3505894B2 - 化合物系超電導線材 - Google Patents

化合物系超電導線材

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物系超電導線
材に係り、特に、ブロンズ法によって作製されるNb−
Sn系の化合物系超電導線材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のブロンズ法によって作製されるN
b−Sn系の化合物系超電導線材30は、図12(萩原
宏康著:「応用超電導」、日刊工業新聞社、P75 )に示すよ
うに、ブロンズ31中にNbロッド32が分散した構造
のブロンズロッド33を、バリア材としてのNbまたは
Ta34、および安定化Cu35を被覆した構造を有す
る線材(図示せず)に熱処理を施し、Nbロッド32に
ブロンズ31中のSn成分を拡散・反応させて、Nbロ
ッド32の表面にNb3 Snを生成させたものである。
【0003】ブロンズ法によって作製されたNb−Sn
系の化合物系超電導線材30における非Cu部の臨界電
流密度JC は、外部磁界12Tにおいて600〜700
A/mm2 である(G.Iwaki et al.,IEEE Trans. on Ap
plied Superconductivity,1993,pp998-pp1001.)。この
臨界電流密度JC を決定する要因として、磁束を動かな
いようにする役割を果たすピンニングセンターの密度や
材質が挙げられ、例えば、Nb−Sn系超電導体のピン
ニングセンターとしては、その粒界が挙げられるという
ことは周知の事実である。
【0004】この臨界電流密度JC を、更に向上させる
試みとして、Nb−Sn系超電導線材内部にピンニング
センターを人工的に導入させる手法があり、 Nbの周囲に銅メッキを施す方法(R.Zhou et al.,
IEEE Trans. on AppliedSuperconductivity,1993,pp986
-pp989.)、 化合物超電導体層とCu層とを交互に積層した基本
クラスタ線の多数本を合体させる方法(特開平6−33
3439号公報)、などが挙げられる。
【0005】また、Cu以外の人工ピンニング材とし
て、Taを用いた例があり、その導入の手法として、
(1) Nb芯の周囲にTaバリアを形成する方法(バリア
タイプ)(松本 要他:「第45 回低温工学・超電導学
界講演概要集」、(1991、5月)、p243)、(2) Nb中にTa
を分散させる方法(アイランドタイプ)(M.Klemn et a
l.,tobe published in "Superconductors,Science and
Technology". )、(3) NbとTaのメッシュを層状に
巻く方法(K.De Moranville et al.,IEEE Trans. on Ap
plied Superconductivity,Vol.3,NO1,MARCH,1993,pp982
-pp985. )、などが挙げられる。
【0006】また、付け加えると、Nb−Ti系超電導
線材においては、と同様なもの(松本 要他:低温工学
Vol.29. No.6(1994)、PP245-PP250. )や、Nbロッド
(三浦大介他:低温工学Vol.29. No.12(1994)、PP624-PP6
36.)をNbTi芯内に埋め込んだものが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブロン
ズ法によるNb−Sn系超電導線材作製に用いられるブ
ロンズ(スズ青銅)は、ブロンズ中のSn濃度を15w
t%以上にすると、α母相中にδ相(Cu31Sn8)が
析出するため、母材の脆化により線材への加工が困難と
なる(井上 至他:低温工学予稿集(1989春)C2−
4)。したがって、ブロンズ中のSn濃度が制限される
ため、Nb−Sn系超電導層の厚さを十分に成長させる
ことができない。
【0008】従来のブロンズ法によって作製されたNb
−Sn系超電導線材における臨界電流値は、熱処理条件
などの最適化を図って得られた値である。このため、従
来のブロンズ法によって作製されたNb−Sn系超電導
線材において、Nb−Sn系超電導体内の粒界を増大さ
せてピンニングすると共に、臨界電流密度JC を更に向
上させることは困難であった。
【0009】この臨界電流密度JC を更に向上させる方
法として、,、および(1)〜(3)が挙げられ
た。しかし、これらの方法を用いることによって、ピン
ニングセンターが人工的に導入されたNb−Sn系超電
導線材において、臨界電流値が、従来のブロンズ法によ
って作製されたNb−Sn系超電導線材の臨界電流密度
とほぼ同程度しかないこともあった。また、これらの方
法は、従来のブロンズ法と比較して1.5〜2倍の製造
工程を要するため、コストパフォーマンスの観点から利
点が活かせないものが多かった。
【0010】すなわち、コスト面と性能面(臨界電流密
度)の両方を満足するようなNb−Sn系超電導線材は
存在しなかった。
【0011】そこで、本発明は、上記課題を解決し、高
磁界下において超電導特性を有すると共に、特に、高い
臨界電流密度を有した化合物系超電導線材を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、ブロンズ内にNbもしくはNb合
金芯を埋め込んで作製されるNb−Sn系の化合物系超
電導線材において、上記NbもしくはNb合金芯を、N
bもしくはNb合金とCuまたはTaの薄板を重ねて密
巻きにして形成されるCuまたはTaの分散構造とした
ものである。
【0013】
【0014】請求項2の発明は、上記薄板は、シート状
あるいはメッシュ状に形成される請求項1記載の化合物
系超電導線材である。
【0015】
【0016】
【0017】請求項3の発明は、上記Nb合金は、純N
b、もしくは純Nbの母材中に、Ta、Ti、Hf、Z
rからなる添加元素の内の一種または二種以上が添加さ
れてなる請求項1または2記載の化合物系超電導線材で
ある。
【0018】請求項4の発明は、上記Nb合金中への上
記添加元素の添加量が10at%以下である請求項3
載の化合物系超電導線材である。
【0019】請求項5の発明は、上記ブロンズ中に、T
i、In、Znからなる添加元素の内の一種または二種
以上が添加されてなる請求項1記載の化合物系超電導線
材である。
【0020】以上の構成によれば、Cuメッキ等による
ピンニングセンターの代わりに、Nb合金芯をNbとC
uまたはTaの薄板を重ねて密巻きにして形成したもの
を用いて化合物系超電導線材を作製することによって、
大幅に臨界電流密度を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】本発明の化合物系超電導線材は、図1に示
すように、Nb合金芯1をブロンズ2で被覆してなるブ
ロンズロッド6を複数本束ねると共に、そのブロンズロ
ッド6をバリア材(図示せず)および安定化Cu(図示
せず)で被覆してなるものである。本発明の化合物系超
電導線材は、Nb合金芯1中にCuまたはTaをピンニ
ング材として分散させた構造としたことに特徴がある。
【0023】先ず、ブロンズ2(例えば、Cu− 14.5a
t%Sn−0.3at%Ti)のロッドの中央部に穴を形成す
る。その穴に嵌合すべく、Nb合金(例えば、Nb−0.
5at%Ta)シート4(薄板)とピンニング材であるCu
またはTaシート5(薄板)を、Nb合金シート4を外
側に、CuまたはTaシート5を内側にして重ねると共
に、純Cuロッド3に密巻きにしてNb合金芯1を形成
する。ブロンズ2のロッドに形成された穴にNb合金芯
1を挿入した後、そのブロンズロッド6に押出し加工お
よび伸線加工を施すことによって、断面6角形状のブロ
ンズロッド6に成形する。この断面6角形状に成形され
たブロンズロッド6を複数本束ねると共にTaバリア
(図示せず)で被覆した後、安定化CuであるCu管
(図示せず)に入れてビレット(図示せず)とする。こ
のビレットに押出し加工および伸線加工を施して所定の
直径・長さを有した複合線材とする。この複合線材に熱
処理を加えて、ブロンズ2中のSn成分をNb中に拡散
・反応させることによって、Nb合金芯1の周囲に(N
bTi)3 Snが形成された超電導線材とする。
【0024】本発明の化合物系超電導線材に用いられる
Nb合金シート4とCuまたはTaシート5の形状は特
に限定しないが、シート状あるいはメッシュ状に形成さ
れたものが好ましい。
【0025】本発明の化合物系超電導線材に用いられる
Nb合金芯1は、純Nbの母材中に、Ta、Ti、H
f、Zrからなる添加元素の内の一種または二種以上が
添加されてなるものである。Nb合金中への添加元素の
添加量は特に限定しないが、10at%以下が好まし
い。
【0026】本発明の化合物系超電導線材に用いられる
ブロンズ2は特に限定しないが、ブロンズ中に、Ti、
In、Znからなる添加元素の内の一種または二種以上
が添加されてなるものを用いてもよい。
【0027】本発明の化合物系超電導線材に用いられる
Nb合金シート4とCuまたはTaシート5は、純Cu
のロッドに密巻きにしているが、Cu−NiやCu−Z
rなどの合金を用いてもよく、それらの合金を用いた場
合においても、本発明の化合物系超電導線材と同等の作
用効果が得られることは言うまでもない。
【0028】尚、本発明の化合物系超電導線材において
は、線材の中央部に超電導線材の芯群を配置した構造と
したが、線材の中央部に安定化Cuを配置した構造や、
超電導線材の芯群を安定化Cu内に分散させた構造であ
ってもよい。
【0029】次に、本発明の対称範囲外である化合物系
超電導線材の構造について、他の実施の形態として説明
する。
【0030】図2に、本実施の形態の化合物系超電導線
材の横断面図を示す。尚、図1と同様の部材には同じ符
号を付している。
【0031】本実施の形態の化合物系超電導線材は、図
2に示すように、ブロンズ2のロッドの中央部に形成さ
れた穴に挿入されるNb合金芯9として、Nb合金(例
えば、Nb−0.5at%Ta)ロッド7の内部に単数または
複数の穴(図中では、中央に1個、その周囲に6個)を
形成し、それぞれの穴にCuまたはTaロッド8を挿入
したものを用いる。このようにして形成されるブロンズ
ロッド10を用いて、Nb合金芯9の周囲に(NbT
i)3 Snが形成された超電導線材を作製する。
【0032】尚、CuまたはTaの形状は、ロッド状に
特に限定されるものではなく、板状、管状などの任意の
形状であってもよい。
【0033】
【実施例】図3に実施例1(本発明の実施例)および実
施例2(本発明の対象範囲外の実施例、以下同じ。)
作製した超電導線材の製造工程を示す。
【0034】(実施例1)図3に示すように、Nb合金
(Nb−0.5at%Ta)シートとピンニング材であるCu
またはTaシートを、Nb合金シートを外側に、Cuま
たはTaシートを内側にして重ねると共に、純Cuロッ
ドに密巻き(シート巻き)にしてNb合金芯を形成し、
これをブロンズロッド(Cu− 14.5at%Sn−0.3at%T
i)に形成された穴に挿入した後、そのブロンズロッド
に押出し加工(静水圧押出し)および伸線加工を施し
て、断面6角形状のブロンズロッドを作製する。この断
面6角形状のブロンズロッドを複数本束ねる(矯正・切
断)と共にTaバリアで被覆し、その後、Cu管に入れ
てビレットとする。このビレットに押出し加工(静水圧
押出し)および伸線加工を施して、所定の直径・長さを
有した複合線材を作製する(ツイスト)。この複合線材
に、真空中で620℃×200hrの熱処理を加え、ブ
ロンズ中のSn成分をNb中に拡散・反応させて、Nb
合金芯の周囲に(NbTi)3 Snが形成された化合物
系超電導線材を作製した。
【0035】ここで、ピンニング材の種類としてCu、
Taの2種類を用い、シートの形状は、シート状、メッ
シュ状の2種類を用い、合計4種類作製した。
【0036】(実施例2)図3に示すように、Nb合金
(Nb−0.5at%Ta)ロッドに穴を形成し、その穴にピ
ンニング材であるCuまたはTaロッドを挿入してNb
合金芯を形成し、このNb合金芯に押出し加工(静水圧
押出し)および伸線加工を施して、断面6角形状のNb
合金芯を作製する。これを複数本束ねて(矯正・切
断)、ブロンズロッド(Cu− 14.5at%Sn−0.3at%T
i)に形成された穴に挿入し、実施例1と同様にして化
合物系超電導線材を作製した。
【0037】表1に実施例1および実施例2で作製した
化合物系超電導線材の基本諸元を示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1および実施例2で作製した化合物
系超電導線材は、線径が0.81mm、線材中のCuに
対する(NbTi)3 Snの割合(銅比)が1.44、
Taバリアの厚さが10μm、フィラメントの径が4.
2μm、フィラメントの数は4579本である。
【0040】表2に実施例1におけるNb合金芯(表中
ではNb合金コア)内の銅の厚み、銅メッシュの厚み、
Taの厚み、Taメッシュの厚みを示す。それぞれの厚
みは、2、5、7、10、30、50、70、100
(nm)とした。また、表3に実施例2におけるNb合
金芯内の銅の平均直径、Taの平均直径を示す。それぞ
れの平均直径は、2、5、7、10、30、50、7
0、100(nm)とした。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】実施例1および実施例2で作製した化合物
系超電導線材は、図4に示すように、先ず、外径25m
m、ピッチ10mmのコイル状に巻かれた化合物系超電
導線材をサンプル24とし、このサンプル24をFRP
(G−10)製のホルダーに取り付け、真空グリースで
サンプル24とホルダーとの隙間を埋めると共に、測定
中に電磁力でサンプル24が必要以上に動かないように
配慮を施した。
【0044】それぞれの化合物系超電導線材の評価は、
外部磁界12Tでの臨界電流密度の測定によって行っ
た。その時における測定温度は液体ヘリウム温度、サン
プル24の電圧タップ間距離は28mmとした。臨界電
流密度の測定は、図5に示すような装置を用いて行っ
た。
【0045】容器29の内側に、液体窒素21によって
壁面を冷却されてなる容器28を配置する。その容器2
8の内側に、液体ヘリウム22が充填された容器27を
配置する。その液体ヘリウム22中に最大中心磁界12
Tを発生できる円筒状の超電導マグネット23を浸漬す
る。この超電導マグネット23の円筒部内側に、ホルダ
ー30に取り付けられたサンプル24が対峙すべく配置
する。サンプル24は、電源27によって電圧が印加さ
れると共に、シャント抵抗器25によって抵抗値を変化
させることができる。サンプル24への通電電流値は、
シャント抵抗器25の電圧をX−Yレコーダ26に記録
させることによって求められ、また、電圧の記録は、ア
ンプを介してX−Yレコーダ26で行う。
【0046】臨界電流密度の測定は、サンプル24が圧
縮歪を受ける方向と拡張歪を受ける方向の両方向の通電
を行うことによって測定する。また、臨界電流値の定義
は、0.1μV/cmの電圧が発生したときの電流値か
ら求めた。
【0047】図6〜図9に、実施例1によって作製され
た化合物系超電導線材の非銅部の臨界電流密度および
(NbTi)3 Sn部の臨界電流密度の測定結果を示
す。また、図10、図11に、実施例2によって作製さ
れた化合物系超電導線材の非銅部の臨界電流密度および
(NbTi)3 Sn部の臨界電流密度の測定結果を示
す。尚、通常のブロンズ法によって作製されると共に、
CuまたはTaをピンニングセンターとして配置してい
ないサンプルは、それぞれの図中における横軸ゼロ(n
m)の点で表す。
【0048】図6〜図11のいずれにおいても、本実施
例の非銅部の臨界電流密度(図中の○印)および(Nb
Ti)3 Sn部の臨界電流密度(図中の黒丸印)は、C
uまたはTaをピンニングセンターとして配置していな
いサンプルの非銅部の臨界電流密度(図中の△印)およ
び(NbTi)3 Sn部の臨界電流密度(図中の▲印)
と比較して、Cuの厚みまたは平均直径およびTaの厚
みまたは平均直径が2nm以上の場合の全てにおいて良
好な特性を示す。
【0049】また、本実施例におけるCuの厚みまたは
平均直径およびTaの厚みまたは平均直径が約5nmの
時において、非銅部の臨界電流密度および(NbTi)
3 Sn部の臨界電流密度が共に最高値を示す。Cuの厚
みまたは平均直径およびTaの厚みまたは平均直径が5
nm以下の時に臨界電流密度が低下するのは、近接効果
の影響が加味されるためであり、逆に、Cuの厚みまた
は平均直径およびTaの厚みまたは平均直径が5nm以
上の時に臨界電流密度が低下するは、Nb−Sn系超電
導体のNb合金芯内の体積分率が減少するためである。
【0050】超電導体のコヒーレント長をξ、Nb合金
芯内のCuの厚みおよび平均直径またはTaの厚みまた
は平均直径をdpとした時、臨界電流値は、dp=2ξ
の時に最大値を示すことが知られている(山藤 馨:低温
工学Vol.29,No.4,(1994),p123-p137.)。超電導体のコ
ヒーレント長ξは、 ξ=Φ0 /2πBC2 (Φ0 :磁束量子、BC2:下
部臨界磁界) なる式で与えられ(「超電導工学」電気学界編、コロナ社、p18
)、ここで、Nb−Sn系超電導体のBC2を24Tと
すると、ξは2.5nmとなり、Cuの厚みまたは平均
直径およびTaの厚みまたは平均直径dpが5nmの時
に、臨界電流密度は最大値を示すことになる。すなわ
ち、実施例1および実施例2の測定結果は、理論値によ
って求められる値とほぼ一致することになる。
【0051】本発明によって得られる化合物系超電導線
材は、超電導導体、あるいは超電導マグネットなどに用
いることができる。
【0052】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、高磁界下
において、高い臨界電流密度を有した化合物系超電導線
材を得ることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物系超電導線材のブロンズロッド
の横断面を示す図である。
【図2】本発明の化合物系超電導線材における他の実施
の形態のブロンズロッドの横断面を示す図である。
【図3】本発明の化合物系超電導線材の製造工程を示す
フローチャートである。
【図4】本発明の化合物系超電導線材を用いて作製した
臨界電流密度測定用サンプルの外観を示した図である。
【図5】本発明の化合物系超電導線材の臨界電流密度を
測定する装置の概略を示した図である。
【図6】本発明の化合物系超電導線材において、ピンニ
ング材としてCuシートを用いた場合におけるCuシー
トの厚みと臨界電流密度との関係を示した図である。
【図7】本発明の化合物系超電導線材において、ピンニ
ング材としてCuメッシュを用いた場合におけるCuメ
ッシュの厚みと臨界電流密度との関係を示した図であ
る。
【図8】本発明の化合物系超電導線材において、ピンニ
ング材としてTaシートを用いた場合におけるTaシー
トの厚みと臨界電流密度との関係を示した図である。
【図9】本発明の化合物系超電導線材において、ピンニ
ング材としてTaメッシュを用いた場合におけるTaメ
ッシュの厚みと臨界電流密度との関係を示した図であ
る。
【図10】他の実施の形態のブロンズロッド中に配置さ
れるピンニング材としてCuロッドを用いた場合におけ
るCuロッドの平均直径と臨界電流密度との関係を示し
た図である。
【図11】他の実施の形態のブロンズロッド中に配置さ
れるピンニング材としてTaロッドを用いた場合におけ
るTaロッドの平均直径と臨界電流密度との関係を示し
た図である。
【図12】従来の化合物系超電導線材の横断面を示す図
である。
【符号の説明】
1 Nb合金芯 2 ブロンズ 5 CuまたはTaシート(CuまたはTa) 8 CuまたはTaロッド(CuまたはTa)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−101720(JP,A) 特開 平4−32111(JP,A) 特開 平3−216915(JP,A) 特開 平6−139841(JP,A) 特公 平5−70888(JP,B2) 特公 昭63−66889(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/00 - 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロンズ内にNbもしくはNb合金芯を
    埋め込んで作製されるNb−Sn系の化合物系超電導線
    材において、上記NbもしくはNb合金芯を、Nbもし
    くはNb合金とCuまたはTaの薄板を重ねて密巻きに
    して形成されるCuまたはTaの分散構造としたことを
    特徴とする化合物系超電導線材。
  2. 【請求項2】 上記薄板は、シート状あるいはメッシュ
    状に形成される請求項1記載の化合物系超電導線材。
  3. 【請求項3】上記Nb合金は、純Nbの母材中に、T
    a、Ti、Hf、Zrからなる添加元素の内の一種また
    は二種以上が添加されてなる請求項1記載の化合物系超
    電導線材。
  4. 【請求項4】 上記Nb合金中への上記添加元素の添加
    量が10at%以下である請求項3記載の化合物系超電
    導線材。
  5. 【請求項5】 上記ブロンズ中に、Ti、In、Znか
    らなる添加元素の内の一種または二種以上が添加されて
    なる請求項1記載の化合物系超電導線材。
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