JP2910483B2 - 燃料噴射装置の異常診断装置 - Google Patents

燃料噴射装置の異常診断装置

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JP2910483B2
JP2910483B2 JP5097393A JP5097393A JP2910483B2 JP 2910483 B2 JP2910483 B2 JP 2910483B2 JP 5097393 A JP5097393 A JP 5097393A JP 5097393 A JP5097393 A JP 5097393A JP 2910483 B2 JP2910483 B2 JP 2910483B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃料噴射ポンプ等よ
りなる燃料噴射装置に係り、詳しくはその燃料噴射装置
のフェイルセーフのための異常診断装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような燃料噴射装置を備え
た内燃機関として、ディーゼルエンジンや高圧ガソリン
噴射式エンジン等が挙げられる。例えば、電子制御ディ
ーゼルエンジンの燃料噴射ポンプでは、そのプランジャ
のリフトにより高圧室内の燃料が燃料噴射ノズルへと圧
送されてディーゼルエンジンの各気筒へと噴射される。
そして、そのときの燃料噴射量がエンジン運転状態に応
じて決定される目標噴射量となるよう、燃料噴射ポンプ
に設けられた電磁弁(電磁スピル弁)が開弁となるよう
に制御される。この制御により、プランジャ高圧室が燃
料室へと開放され、プランジャ高圧室内の燃料の一部が
燃料室へと溢流(スピル)される。これにより、燃料噴
射ポンプから燃料噴射ノズルへの燃料の圧送終わり、即
ち燃料噴射ノズルから各気筒への燃料噴射の終了時期が
制御される。
【0003】ところで、この種の燃料噴射ポンプでは、
電磁スピル弁の断線や短絡、或いは制御回路の故障等に
起因して、電磁スピル弁が狙いのタイミングで開弁しな
くなったり、閉弁したままとなったりする異常事態のお
それが考えられた。そこで、この種の異常事態に対処す
るために、特開昭61−28735号公報では、フェイ
ルセーフの一つとして、電磁スピル弁の系の異常を判断
して燃料カットを行う技術が開示されている。
【0004】即ち、この従来技術では、燃料噴射ポンプ
に電磁スピル弁の他に、プランジャ高圧室への燃料の供
給を遮断するための燃料カット弁が設けられている。
又、電子制御装置(ECU)では、これら電磁スピル弁
及び燃料カット弁の駆動が制御されると共に、電磁スピ
ル弁が作動しているか否かを示す駆動信号が入力され
る。又、ECUには、ディーゼルエンジンの回転数信号
が入力される。そして、ECUでは、これら駆動信号と
回転数信号とに基づいて電磁スピル弁の系の異常の有無
が検出される。詳しくは、回転数信号が入力されていて
駆動信号が交流信号でない場合に、電磁スピル弁の系の
異常が検出される。そして、その異常が検出された場合
に、燃料カット弁が駆動されてプランジャ高圧室への燃
料の供給が遮断されるようになっている。通常、電磁ス
ピル弁は通電(オン)により閉弁される常開式の弁であ
ることから、その事で既にフェイルセーフが図られてい
る。従って、上記のようなフェイルセーフを更に付加す
ることにより、フェイルセーフの信頼性を更に向上させ
ることができるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、電磁スピル弁の断線や短絡、或いは制御回路の
故障等、主に電気的な故障を前提として電磁スピル弁の
駆動信号が監視されているだけであった。そのため、電
磁スピル弁そのものが機械的に故障した場合には、その
ことを異常として検出することができなかった。即ち、
電磁スピル弁の電気系統が正常であっても、燃料性状の
悪化や異物の噛み込み等に起因して、電磁スピル弁が動
き難くなったり、閉弁状態で固着したりすることは、稀
ではあるが予測されることである。従って、従来技術で
は、このような電磁スピル弁の機械的な故障による異常
に対処して、燃料カット等のフェイルセーフを図ること
ができなかった。
【0006】又、電磁スピル弁の機械的な故障による異
常を判断する場合に、その機械的な故障の程度と実際の
燃料噴射の不具合の程度とが必ずしも整合するとは限ら
ない。そのため、ただ単に電磁スピル弁の機械的な故障
を直接監視しているだけでは、実際の燃料噴射の挙動の
上で異常の程度を細かく評価することができない。従っ
て、異常の程度に応じた的確なフェイルセーフを図るこ
ともできない。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、電磁スピル弁の電気的な故
障を原因とする異常、並びに機械的な故障を原因とする
異常等を共に診断することが可能で、しかも、それらの
異常を実際の燃料噴射の挙動に則して的確に診断するこ
との可能な燃料噴射装置の異常診断装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明においては、図1に示すよ
うに、電磁スピル弁M2を閉弁駆動して(M4)内燃機
関M1の燃料噴射弁に燃料を圧送するとともに該燃料圧
送圧に基づき燃料噴射弁を開弁させて燃料噴射を開始す
る一方、電磁スピル弁M2を開弁駆動して(M4)燃料
圧送圧を減少させることにより燃料噴射弁を閉弁させて
燃料噴射を終了するようにした燃料噴射装置M3の異常
診断装置において、燃料噴射弁への燃料圧送圧を検出す
る検出手段M5と、電磁スピル弁M2の開弁に伴って燃
料圧送圧が減少する際に、該燃料圧送圧の減少率が燃料
噴射弁の閉弁動作に応じて変化する時期を燃料噴射終了
時期として判断する判断手段M6と、電磁スピル弁M2
の開弁駆動が指令される時期と前記判断される燃料噴射
終了時期との差を演算する演算手段M7と、前記演算さ
れる差が所定の判定値以上であるときに燃料噴射装置M
3が異常であると診断する診断手段M8とを備えるよう
にしている。 また、請求項2に記載した発明では、請求
項1に記載した燃料噴射装置の異常診断装置において、
診断手段は、判定値として第1の判定値と該第1の判定
値よりも大きい第2の判定値とを設定するものであり、
同診断手段により演算される差が第1の判定値以上であ
り且つ第2の判定値未満であると異常診断されるときに
電磁スピル弁の開弁駆動時期を早める第1のフェイルセ
ーフ手段と、同じく診断手段により演算される差が第2
の判定値以上であると異常診断されるときに燃料噴射装
置の燃料圧送を強制的に停止させる第2のフェイルセー
フ手段とを更に備えるようにしている。
【0009】
【作用】請求項1に記載した構成では、電磁スピル弁の
開弁に伴って燃料圧送圧が減少する際に、その燃料圧送
圧の減少率が燃料噴射弁の閉弁動作に応じて変化する時
期を燃料噴射終了時期として判断するようにしているた
め、電磁スピル弁の動作不良のみならず、燃料噴射弁の
開弁特性変化にも対応した実際の燃料噴射終了時期が極
めて高い精度で判断されるようになる。そして、この燃
料噴射終了時期と電磁スピル弁の開弁駆動時期との差に
基づいて燃料噴射装置の異常が診断されるため、その診
断結果も実際の燃料噴射の挙動に則した的確なものとな
る。
【0010】請求項2に記載した発明によれば、上記作
用に加えて、燃料噴射時期と電磁スピル弁の開弁駆動時
期との差が小さいとき、換言すれば、燃料噴射装置にお
ける異常の程度が小さいときには、燃料噴射量の目標量
が減量されることにより機関出力が最小限に抑えられる
一方、異常の程度が大きいときには、内燃機関への燃料
圧送が強制的に停止されることにより機関運転が停止さ
れるようになる。
【0011】
【実施例】以下、この発明における燃料噴射装置の異常
診断装置を自動車の電子制御ディーゼルエンジンに具体
化した第1実施例を図2〜図13に基づいて詳細に説明
する。
【0012】図2はこの実施例における過給機付ディー
ゼルエンジンシステムの概略構成を示し、図3はその分
配型燃料噴射ポンプ1を拡大して示している。燃料噴射
装置を構成する燃料噴射ポンプ1はドライブプーリ2を
備え、そのドライブプーリ2が内燃機関としてのディー
ゼルエンジン3のクランクシャフト40に対しベルト等
を介して駆動連結されている。そして、クランクシャフ
ト40によりドライブプーリ2が回転駆動されて燃料噴
射ポンプ1が駆動されることにより、ディーゼルエンジ
ン3の各気筒(ここでは4つの気筒が設けられている)
毎に設けられた燃料噴射ノズル4に燃料管路4aを通じ
て燃料が圧送される。
【0013】この実施例において、燃料噴射ノズル4は
針弁とその針弁の開弁圧を調整するスプリングとを内蔵
してなる自動弁となっており、所定レベル以上の燃料圧
力Pを得て開弁される。従って、燃料噴射ポンプ1から
圧送される燃料により、燃料噴射ノズル4に所定レベル
以上の燃料圧力Pが付与されることにより、同ノズル4
からディーゼルエンジン3へと燃料が噴射される。
【0014】燃料噴射ポンプ1にはドライブシャフト5
が設けられ、そのドライブシャフト5の先端にドライブ
プーリ2が取付けられている。ドライブシャフト5の途
中には、べーン式ポンプよりなる燃料フィードポンプ
(この図では90度だけ展開されている)6が設けられ
ている。又、ドライブシャフト5の基端側には、円板状
のパルサ7が取付けられている。このパルサ7の外周面
には、ディーゼルエンジン3の気筒数と同数の、即ちこ
の実施例では4ヶ所(合計で「8個分」)の欠歯が等角
度間隔をもって形成されている。又、各欠歯の間には、
14個ずつ(合計で「56個」)の突起が等角度間隔を
もって形成されている。そして、ドライブシャフト5の
基端部は図示しないカップリングを介してカムプレート
8に連結されている。
【0015】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられている。又、ローラリング9の
円周方向には、カムプレート8のカムフェイス8aに対
向する複数のカムローラ10が取付けられている。カム
フェイス8aはディーゼルエンジン3の気筒数と同数だ
け設けられている。又、カムプレート8は、スプリング
11によってカムローラ10に係合するように付勢され
ている。
【0016】カムプレート8には燃料加圧用のプランジ
ャ12の基端が一体回転可能に取付けられている。そし
て、それらカムプレート8とプランジャ12とがドライ
ブシャフト5の回転に伴って一体的に回転駆動される。
即ち、ドライブシャフト5の回転力がカップリングを介
してカムプレート8に伝達されることにより、カムプレ
ート8がカムローラ10に係合しながら回転される。こ
れにより、カムプレート8が回転されながら気筒数と同
数だけ図中左右方向へ往復動され、それに伴ってプラン
ジャ12が回転しながら同方向へ往復動される。つま
り、カムフェイス8aがローラリング9のカムローラ1
0に乗り上げる過程でプランジャ12が往動(リフト)
される。又、その逆にカムフェイス8aがカムローラ1
0を乗り下げる過程でプランジャ12が復動(ダウン)
される。
【0017】ポンプハウジング13にはシリンダ14が
形成され、そのシリンダ14にプランジャ12が嵌挿さ
れている。そして、プランジャ12の先端面とシリンダ
14の底面との間が高圧室15となっている。又、プラ
ンジャ12の先端側外周には、気筒数と同数だけ吸入溝
16と分配ポート17がそれぞれ形成されている。更
に、それら吸入溝16及び分配ポート17に対応して、
ポンプハウジング13には分配通路18及び吸入ポート
19がそれぞれ形成さている。
【0018】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を通じて燃料室
21内へと燃料が導入される。又、プランジャ12が復
動されて高圧室15が減圧される吸入行程では、吸入溝
16の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃
料室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、
プランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧
縮行程では、燃料管路4aを通じて分配通路18から各
気筒の燃料噴射ノズル4へ燃料が圧送されて噴射され
る。
【0019】ポンプハウジング13において、高圧室1
5と燃料室21との間には、燃料を溢流(スピル)させ
るためのスピル通路22が形成されている。又、このス
ピル通路22の途中には電磁弁としての電磁スピル弁2
3が設けられている。そして、その電磁スピル弁23は
高圧室15からの燃料のスピルを調整するために開閉さ
れる。電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル2
4が無通電(オフ)の状態では弁体25によりスピル通
路22が開放され、即ち開弁され、高圧室15内の燃料
が燃料室21へとスピルされる。一方、コイル24が通
電(オン)されることにより、弁体25によりスピル通
路22が閉鎖され、即ち閉弁され高圧室15から燃料室
21への燃料のスピルが遮断される。
【0020】従って、電磁スピル弁23が通電によって
オン・オフ制御されることにより、同弁23が閉弁・開
弁制御され、高圧室15から燃料室21への燃料のスピ
ルが調整される。そして、プランジャ12の圧縮行程中
に電磁スピル弁23が開弁されることにより、高圧室1
5内における燃料が減圧されて燃料噴射ノズル4からの
燃料噴射が停止される。つまり、プランジャ12が往動
していても、電磁スピル弁23が開弁されている間は、
高圧室15内の燃料圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4
からの燃料噴射が行われない。又、プランジャ12の往
動中に、電磁スピル弁23の開弁時期が制御されること
により、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射の終了時期、
即ち燃料噴射終了時期が調整されて気筒への燃料噴射量
が制御される。
【0021】この実施例において、ポンプハウジング1
3には吸入ポート19を開閉するための電磁弁よりなる
燃料カット弁36が設けられている。この燃料カット弁
36が閉弁されることにより、吸入ポート19が閉鎖さ
れて燃料室21から高圧室15への燃料の導入が遮断さ
れる。この燃料カット弁36は、通常はプランジャ12
が復動される吸入行程で開弁され、その他の行程では閉
弁される。又、燃料カット弁36は、必要に応じて、燃
料噴射ポンプ1からの燃料の圧送を遮断するために、即
ち燃料カットを行うために、常時閉弁される。
【0022】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を進角側或いは遅角側へ制御するためのタイマ装
置(この図では「90度」だけ展開されている)26が
設けられている。このタイマ装置26は、ドライブシャ
フト5の回転方向に対するローラリング9の回転位置を
変更させることにより、カムフェイス8aがカムローラ
10に係合する時期、即ちプランジャ12が往復動され
る時期を変更させるためのものである。
【0023】タイマ装置26は制御油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28とを備えてい
る。又、タイマハウジング27内においてタイマピスト
ン28の両側はそれぞれ低圧室29と加圧室30となっ
ている。そして、低圧室29には、タイマピストン28
を加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリング31が設
けられている。更に、タイマピストン28はスライドピ
ン32を介してローラリング9に連結されている。
【0024】加圧室30には燃料フィードポンプ6によ
り加圧された燃料が導入される。そして、その燃料圧力
とタイマスプリング31の付勢力との釣り合い関係によ
ってタイマピストン28の位置が決定される。又、その
タイマピストン28の位置が決定されることにより、ロ
ーラリング9の位置が決定され、カムプレート8を介し
てプランジャ12の往復動時期が決定される。
【0025】タイマ装置26の制御油圧としては燃料噴
射ポンプ1内の燃料圧力が用いられている。そして、そ
の燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイ
マ制御弁(TCV)33が設けられている。即ち、タイ
マハウジング27の加圧室30と低圧室29との間には
連通路34が設けられており、その連通路34の途中に
TCV33が設けられている。TCV33はデューティ
制御された通電信号により開閉制御される電磁弁であ
り、そのTCV33が開閉制御されることによって加圧
室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃料圧
力が調整されることにより、プランジャ12の往復動時
期が制御され、以て燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時
期が進角側或いは遅角側へと制御される。
【0026】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなる回転数センサ35がパルサ7の外周
面に対向して取付けられている。この回転数センサ35
はパルサ7の突起等に横切られる際に、それらの通過を
検出してパルス信号として出力する。即ち、回転数セン
サ35は一定クランク角度毎のエンジン回転パルス信号
を出力する。併せて、回転数センサ35は、パルサ7の
欠歯による一定クランク角度に相当するエンジン回転パ
ルス信号を基準位置信号として出力する。又、この回転
数センサ35は、一連のエンジン回転パルス信号をエン
ジン回転速度NEを求めるための信号として出力する。
尚、回転数センサ35はローラリング9と一体であるこ
とから、タイマ装置26の制御動作に関わりなく、プラ
ンジャ12の往復動に対し一定のタイミングで基準とな
るエンジン回転パルス信号を出力可能である。
【0027】次に、ディーゼルエンジン3について説明
する。図2において、ディーゼルエンジン3ではシリン
ダボア41、ピストン42及びシリンダヘッド43によ
り各気筒に対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されて
いる。又、シリンダヘッド43には、各主燃焼室44に
連通する副燃焼室45がそれぞれ形成されている。そし
て、各副燃焼室45には各燃料噴射ノズル4から燃料が
噴射される。更に、各副燃焼室45には、始動補助装置
としての周知のグロープラグ46がそれぞれ設けられて
いる。
【0028】図2,4に示すように、この実施例の各燃
料噴射ノズル4には、燃料圧力検出手段としての圧力セ
ンサ47が設けられている。圧力センサ47は燃料噴射
ポンプ1から各燃料噴射ノズル4へ圧送されてくる燃料
の圧力、即ち燃料圧力Pを検出し、その検出値の大きさ
に応じた信号を出力する。
【0029】一方、ディーゼルエンジン3には、各気筒
に連通する吸気通路49及び排気通路50がそれぞれ設
けられている。又、吸気通路49には過給機を構成する
ターボチャージャ51のコンプレッサ52が設けられ、
排気通路50にはターボチャージャ51のタービン53
が設けられている。更に、排気通路50にはウェイスト
ゲートバルブ54が設けられている。周知のように、タ
ーボチャージャ51は排気ガスのエネルギーを利用して
タービン53を回転させ、その同軸上にあるコンプレッ
サ52を回転させて吸入空気を昇圧させる。そして、吸
入空気が昇圧されることにより、高密度の空気が主燃焼
室44へ送り込まれて、副燃焼室45を通じて噴射され
た燃料が多量に燃焼され、ディーゼルエンジン3の出力
が増大される。又、ウェイストゲートバルブ54が開閉
されることにより、ターボチャージャ51による吸入空
気の昇圧レベルが調節される。
【0030】吸気通路49と排気通路50との間には、
エキゾーストガスリサキュレイションバルブ通路(EG
R通路)56が設けられている。そして、このEGR通
路56により、排気通路50内の排気の一部が吸気通路
49における吸気ポート55の近くに再循環される。
又、EGR通路56の途中にはEGRバルブ57が設け
られ、そのEGRバルブ57によって排気再循環量(E
GR量)が調節される。更に、そのEGRバルブ57を
開閉駆動させるために、開度調節されるエレクトリック
バキュームレギュレーティングバルブ(EVRV)58
が設けられている。そして、EVRV58によりEGR
バルブ57が開閉駆動されることにより、EGR通路5
6を通じて排気通路50から吸気通路49へ導かれるE
GR量が調節される。
【0031】吸気通路49の途中にはスロットルバルブ
59が設けら、同バルブ59がアクセルペダル60の踏
み込みに連動して開閉される。又、吸気通路49には、
スロットルバルブ59と並んでバイパス通路61が設け
られており、同通路61にはバイパス絞り弁62が設け
られている。このバイパス絞り弁62を開閉駆動させる
ために、二段ダイヤフラム室式のアクチュエータ63が
設けられている。又、そのアクチュエータ63を駆動さ
せるための二つのバキュームスイッチングバルブ(VS
V)64,65が設けられている。そして、各VSV6
4,65がオン・オフ制御されてアクチュエータ63が
駆動されることにより、バイパス絞り弁62が開閉制御
される。例えば、このバイパス絞り弁62は、アイドル
運転時に騒音振動等の低減のために半開状態に制御さ
れ、通常運転時には全開状態に制御され、更に運転停止
時には円滑な停止のために全閉状態に制御される。
【0032】尚、この実施例の自動車において、その運
転席には、燃料噴射ポンプ1の異常を運転者に知らせる
ために点灯される警告ランプ66が設けられている。こ
の警告ランプ66は、後述する異常診断の結果として点
灯制御されるものである。
【0033】上記のような電磁スピル弁23、TCV3
3、燃料カット弁36、グロープラグ46、EVRV5
8、各VSV64,65及び警告ランプ66は電子制御
装置(以下単に「ECU」という)71にそれぞれ電気
的に接続されている。そして、それら各部材23,3
3,36,46,58,64,65,66の駆動タイミ
ングがECU71により制御される。
【0034】ディーゼルエンジン3の運転状態を検出す
るセンサとしては、前述した回転数センサ35に加え
て、以下の各種センサが設けられている。即ち、吸気通
路49の入口に設けられたエアクリーナ67の近傍に
は、吸気温度THAを検出してその検出値の大きさに応
じた信号を出力する吸気温センサ72が設けられてい
る。又、スロットルバルブ59の近傍には、同バルブ5
9の開閉位置からエンジン負荷に相当するアクセル開度
ACCPを検出してその検出値の大きさに応じた信号を
出力するアクセルセンサ73が設けられている。吸気ポ
ート55の近傍には、ターボチャージャ51によって過
給された後の吸入空気の圧力、即ち過給圧PiMを検出
してその検出値の大きさに応じた信号を出力する吸気圧
センサ74が設けられている。更に、ディーゼルエンジ
ン3の冷却水の温度、即ち冷却水温THWを検出してそ
の検出値の大きさに応じた信号を出力する水温センサ7
5が設けられている。又、クランクシャフト40の回転
基準位置、例えば特定気筒の上死点に対するクランクシ
ャフト40の回転位置を検出し、その回転位置に対応す
る信号を出力するクランク角センサ76が設けられてい
る。更に又、図示しないトランスミッションには、車両
の速度(車速)SPDを検出する車速センサ77が設け
られている。この車速センサ77はトランスミッション
の出力軸により回転されるマグネット77aを備え、そ
のマグネット77aによりリードスイッチ77bが周期
的にオンされることより、車速SPDに相当するパルス
信号が出力される。
【0035】そして、この実施例では、ECU71によ
り駆動制御手段、噴射終了時期判断手段、終了時期差演
算手段及び異常診断手段が構成されており、ECU71
には上述した各センサ72〜77がそれぞれ接続される
と共に、回転数センサ35及び圧力センサ47がそれぞ
れ接続されている。又、ECU71は各センサ35,4
7,72〜77から出力される各信号に基づき、電磁ス
ピル弁23、TCV33、燃料カット弁36、グロープ
ラグ46、EVRV58、各VSV64,65及び警告
ランプ66等を好適に制御する。
【0036】次に、前述したECU71の構成を図5の
ブロック図に従って説明する。ECU71は中央処理装
置(CPU)81、所定の制御プログラム及びマップ等
を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)82、C
PU81の演算結果等を一時記憶するランダムアクセス
メモリ(RAM)83、記憶されたデータを保存するバ
ックアップRAM84等を備えている。そして、ECU
71はこれら各部81〜84と入力ポート85及び出力
ポート86等とをバス87によって接続した論理演算回
路として構成されている。
【0037】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセルセンサ73、吸気圧センサ74、水温
センサ75及び圧力センサ47が、各バッファ88,8
9,90,91,92、マルチプレクサ94及びA/D
変換器95を介して接続されている。同じく、入力ポー
ト85には、前述した回転数センサ35、クランク角セ
ンサ76及び車速センサ77が、波形整形回路96を介
して接続されている。そして、CPU81は入力ポート
85を介して入力される各センサ35,47,72〜7
7等からの各信号をそれぞれ入力値として読み込む。
又、出力ポート86には各駆動回路97,98,99,
100,101,102,103,104を介して電磁
スピル弁23、TCV33、燃料カット弁36、グロー
プラグ46、EVRV58、各VSV64,65及び警
告ランプ66等が接続されている。そして、CPU81
は各センサ35,47,72〜77から読み込んだ入力
値に基づき、電磁スピル弁23、TCV33、燃料カッ
ト弁36、グロープラグ46、EVRV58、各VSV
64,65及び警告ランプ66等をそれぞれ好適に制御
する。
【0038】尚、この実施例において、CPU81はタ
イマ機能を兼ね備えている。又、この実施例において、
グロープラグ46及び圧力センサ47はディーゼルエン
ジン3の各気筒毎に設けられているものであるが、図5
のブロック図では便宜上その中の一つのみが図示されて
いる。
【0039】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射量制御の処理動作と、燃料噴射ポンプ1の異
常診断のための処理動作について図6〜図13に従って
説明する。
【0040】図6はECU71により実行される各処理
のうち、燃料噴射量制御のための「燃料噴射量制御ルー
チン」の処理内容を示すフローチャートであって、所定
間隔毎に周期的に実行される。
【0041】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ110において、回転数センサ35、アクセルセ
ンサ73、吸気圧センサ74及び水温センサ75等から
の各種信号に基づき、エンジン回転速度NE、過給圧P
iM、冷却水温THW及びアクセル開度ACCP等をそ
れぞれ読み込む。
【0042】続いて、ステップ120において、エンジ
ン回転速度NE及びアクセル開度ACCPに基づき、今
回の運転状態に応じた基本噴射量Qbを演算する。又、
ステップ130において、今回の冷却水温THW及び過
給圧PiM等に基づき、今回求められた基本噴射量Qb
を補正演算することにより目標噴射量Qを求める。即
ち、冷間時やターボチャージャ51の作動状態に応じて
基本噴射量Qbを補正することにより目標噴射量Qを求
めるのである。
【0043】そして、ステップ140において、今回求
められた目標噴射量Qに基づき燃料噴射を実行する。即
ち、目標噴射量Qに基づき電磁スピル弁23を制御する
ことにより、燃料噴射ポンプ1から燃料噴射ノズル4へ
の燃料の圧送を制御する。それによって、燃料噴射ノズ
ル4からの燃料噴射量を制御するのである。詳しくは、
プランジャ12の圧縮行程前に電磁スピル弁23がオン
(閉弁)された後に、燃料噴射の終了に際して電磁スピ
ル弁23がオフ(開弁)されるべき時刻を噴射終了設定
時刻tesとして求めるのである。この時刻tesは、
燃料噴射量Qを時間換算することにより決定される。そ
して、その噴射終了設定時刻tesに基づき電磁スピル
弁23を実際にオフ(開弁)させることにより、1回の
燃料噴射に際して燃料噴射ポンプ1からの燃料の圧送を
終了させるのである。このステップ140の処理を終了
した後、その後の処理を一旦終了する。
【0044】次に、燃料噴射ポンプ1の異常診断のため
の一連の処理動作について説明する。図7はECU71
により実行される各処理のうち、CPU81のタイマ機
能によって計時され、各時刻ti毎に実行される「サブ
ルーチン」の処理内容を示すフローチャートである。
【0045】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ210において、圧力センサ47からの信号に基
づき、燃料圧力Pをサンプリングする。続いて、ステッ
プ220において、その時の時刻tiにおける燃料圧力
Piを演算する。
【0046】次いで、ステップ230において、その時
の時刻tiにおける燃料圧力Piの変化率としての一回
微分値(dPi/dti)を演算する。又、ステップ2
40において、その時の時刻tiにおける燃料圧力Pi
の二回微分値(d2 Pi/dti2 )をを演算する。
【0047】そして、ステップ250においては、今回
求められた燃料圧力Pi、一回微分値(dPi/dt
i)及び二回微分値(d2 Pi/dti2 )を時刻ti
に対応する演算用データとしてそれぞれRAM83に記
憶し、その後の処理を一旦終了する。
【0048】従って、上記の「サブルーチン」の処理に
よれば、1回の燃料噴射が実行される毎に各時刻tiに
対応した燃料圧力Pi、一回微分値(dPi/dti)
及び二回微分値(d2 Pi/dti2 )がそれぞれ演算
用データとしてRAM83に順次記憶される。
【0049】図8及び図9はECU71により実行され
る各処理のうち、異常診断のために用いられる噴射終了
時刻te等を演算するための「te演算ルーチン」の処
理内容を示すフローチャートである。このルーチンの処
理は、1回の燃料噴射が行われる毎に実行される。
【0050】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ310において、RAM83に記憶されている時
刻tiに対応する燃料圧力Pi及びその一回微分値(d
Pi/dti)と、時刻tiより一つ前の時刻t(i−
1)に対応する燃料圧力P(i−1)をそれぞれ読み込
む。
【0051】続いて、ステップ320において、時刻t
iに対応する燃料圧力Piがその一つ前の時刻t(i−
1)に対応する燃料圧力P(i−1)よりも大きいか否
かを判断する。そして、燃料圧力Piが一つ前の燃料圧
力P(i−1)よりも大きくない場合には、燃料圧力P
の増加過程ではないものとして、ステップ310へジャ
ンプし、ステップ310,320の各処理を繰り返す。
又、ステップ320において、燃料圧力Piが一つ前の
燃料圧力P(i−1)よりも大きい場合には、燃料圧力
Pの増加過程であるものとして、ステップ330へ移行
する。
【0052】ステップ330においては、今回読み込ま
れた一回微分値(dPi/dti)がプラス側の所定の
しきい値d1を越えて所定の基準時間T1だけ経過した
か否かを判断する。ここで、一回微分値(dPi/dt
i)がしきい値d1を越えて基準時間T1だけ経過して
いない場合には、ステップ310へジャンプし、ステッ
プ310〜330の処理を繰り返す。又、ステップ33
0において、一回微分値(dPi/dti)がしきい値
d1を越えて基準時間T1だけ経過した場合には、燃料
噴射の開始に至るべき燃料圧力Pの増加過程であるもの
として、ステップ340へ移行する。
【0053】そして、ステップ340においては、RA
M83に記憶されている時刻tiに対応する燃料圧力P
iの一回微分値(dPi/dti)及び二回微分値(d
2 Pi/dti2 )をそれぞれ読み込む。
【0054】次に、ステップ350において、今回読み
込まれた二回微分値(d2 Pi/dti2 )がある基準
値αよりも小さいか否かを判断する。ここで、二回微分
値(d2 Pi/dti2 )が基準値αよりも小さくない
場合には、燃料圧力Piの変化率が大きく落ち込んでい
ないものとして、ステップ340へジャンプし、ステッ
プ340,350の処理を繰り返す。これに対し、ステ
ップ350において、二回微分値(d2 Pi/dt
2 )が基準値αよりも小さい場合には、燃料圧力Pの
増加過程の間でその燃料圧力Pの変化率が大きく落ち込
んだものとして、ステップ360へ移行する。
【0055】そして、ステップ360においては、今回
読み込まれた一回微分値(dPi/dti)がマイナス
側の所定のしきい値d2を下回って所定の基準時間T2
だけ経過したか否かを判断する。ここで、一回微分値
(dPi/dti)がしきい値d2を下回って基準時間
T2だけ経過していない場合には、燃料噴射の開始に起
因して一回微分値(dPi/dti)に変化が起きてい
ないものとして、ステップ340へジャンプし、ステッ
プ340〜360の処理を繰り返す。又、ステップ36
0において、一回微分値(dPi/dti)がしきい値
d2を下回って基準時間T2だけ経過した場合には、燃
料噴射の開始に起因して一回微分値(dPi/dti)
に変化が、つまりは燃料圧力Pの変化率の低下が確実に
起きたものとして、ステップ370へ移行する。
【0056】ステップ370においては、燃料圧力Pの
変化率の低下が確実に起きたと判断された時点から、一
回微分値(dPi/dti)が「0」となる時刻tiま
で遡って、RAM83に記憶されている演算用データを
検索する。ここで、一回微分値(dPi/dti)が
「0」となる時刻tiは、燃料圧力Pの増加過程の間で
その燃料圧力Pの増加率が最初に正から負へと変化する
時点に対応している。
【0057】そして、ステップ380では、検索された
演算用データの中で、一回微分値(dPi/dti)が
「0」となる時刻tiにおいて、その時刻tiを燃料噴
射ノズル4からの燃料噴射開始時期と判断し、その時刻
tiを噴射開始時刻tsとして設定する。又、その時刻
tsの燃料圧力Piを噴射開始圧力Psとして設定す
る。
【0058】続いて、ステップ390において、RAM
83に記憶されている時刻tiに対応する燃料圧力Pi
と、その時刻tiより一つ前の時刻t(i−1)に対応
する燃料圧力P(i−1)をそれぞれ読み込む。
【0059】続いて、ステップ400において、今回読
み込まれた燃料圧力Piがステップ380で求められた
噴射開始圧力Psよりも小さいか否かを判断する。そし
て、燃料圧力Piが噴射開始圧力Psよりも小さくない
場合には、ステップ390へジャンプし、ステップ39
0,400の各処理を繰り返す。又、ステップ400に
おいて、燃料圧力Piが噴射開始圧力Psよりも小さい
場合には、ステップ410へ移行する。
【0060】ステップ410においては、時刻tiに対
応する燃料圧力Piがその一つ前の時刻t(i−1)に
対応する燃料圧力P(i−1)よりも小さいか否かを判
断する。そして、燃料圧力Piが一つ前の燃料圧力P
(i−1)よりも小さくない場合には、燃料圧力Pの減
少過程でないものとして、ステップ390へジャンプ
し、ステップ390〜410の各処理を繰り返す。又、
ステップ410において、燃料圧力Piが一つ前の燃料
圧力P(i−1)よりも小さい場合には、燃料圧力Pが
噴射開始圧力Psよりも低い範囲で減少する過程であ
り、燃料噴射の終了に至るべき範囲であるものとして、
ステップ420へ移行する。
【0061】ステップ420においては、今回の燃料噴
射行程に先立って電磁スピル弁23がオフされた、即ち
閉弁された時点からの経過時間Toffを読み込む。こ
の経過時間Toffは、別途の処理ルーチンによってカ
ウットアップされるものである。そして、ステップ43
0において、今回読み込まれた経過時間Toffが、所
定の基準時間T3よりも小さいか否か、即ち経過時間T
offが基準時間T3に達していないか否かを判断す
る。ここで、経過時間Toffが基準時間T3に達して
いる場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。
一方、経過時間Toffが基準時間T3に達していない
場合には、燃料噴射終了時期の判断を行うものとして、
ステップ440へ移行する。
【0062】ステップ440においては、RAM83に
記憶されている時刻tiに対応する燃料圧力Piの一回
微分値(dPi/dti)を読み込む。そして、ステッ
プ450において、今回読み込まれた一回微分値(dP
i/dti)がマイナス側のあるしきい値d3よりも小
さいか否かを判断する。ここで、一回微分値(dPi/
dti)がしきい値d3よりも小さくない場合には、燃
料圧力Pの変化率が充分に小さくないものとして、即ち
燃料圧力Pの減少率が増加過程にないものとして、ステ
ップ440へジャンプし、ステップ440,450の処
理を繰り返す。これに対し、ステップ450において、
一回微分値(dPi/dti)がしきい値d3よりも小
さい場合には、燃料圧力Pの減少率が増加過程にあるも
のとして、ステップ460へ移行する。
【0063】ステップ460においては、RAM83に
記憶されている時刻tiに対応する燃料圧力Piの一回
微分値(dPi/dti)を読み込む。そして、ステッ
プ470において、今回読み込まれた一回微分値(dP
i/dti)がマイナス側のあるしきい値d4(d3<
d4)よりも大きいか否かを判断する。ここで、一回微
分値(dPi/dti)がしきい値d4よりも大きくな
い場合には、燃料圧力Pの変化率が小さい状態から一旦
大きくなっていないものとして、即ち燃料圧力Pの減少
率が増加過程から一旦減少過程へと変化していないもの
として、ステップ460へジャンプし、ステップ46
0,470の処理を繰り返す。これに対し、ステップ4
70において、一回微分値(dPi/dti)がしきい
値d4よりも大きい場合には、燃料圧力Pの減少率が増
加過程から一旦減少過程へと変化したものとして、ステ
ップ480へ移行する。
【0064】そして、ステップ480においては、直前
のステップ470で一回微分値(dPi/dti)がし
きい値d4よりも大きくなった時点の時刻tiを、燃料
噴射ノズル4における燃料噴射終了時期と判断し、その
時刻tiを噴射終了時刻teとして設定する。又、その
噴射終了時刻teから修正時間TPだけ前の「te−T
P」の時点における燃料圧力Piを噴射終了圧力Peと
して設定する。ここで、実際の噴射終了時刻teにおけ
る燃料圧力Pは、燃料系の燃料性状や経路長さ等に起因
して、圧力センサ47より検出される波形上に若干遅れ
て表れることが分かっている。上記の修正時間TPはそ
の遅延分を補うためのものであり、燃料系の条件の違い
に応じて設定される極めて短い時間である。
【0065】そして、ステップ480の処理が終了する
と、その後の処理を一旦終了し、次の燃料噴射を待って
再びステップ310からの処理を開始する。従って、上
記の「te演算ルーチン」の処理によれば、1回の燃料
噴射が実行される毎に、そのときの噴射開始時刻tsと
その噴射開始圧力Ps、並びに噴射終了時刻teとその
噴射終了圧力Peがそれぞれ求められる。そして、それ
らの値がそれぞれRAM83に記憶される。
【0066】ここで、上記のように求められる噴射開始
時刻ts、噴射終了時刻te、燃料圧力Pとその一回微
分値(dPi/dti)の挙動等について、その一例を
図10のタイムチャートに従って説明する。今、燃料噴
射ノズル4から燃料が噴射されるのに際し、燃料噴射ポ
ンプ1のプランジャ12が往動し始めると、同図(a)
に示すように、時刻t1において燃料圧力Pが上昇し始
める。そして、その燃料圧力Pはプランジャ12の往動
に伴って徐々に増加する。この時、燃料圧力Pの一回微
分値(dP/dt)は、同図(b)のような変化を示
す。ここで、時刻t1の直後に一回微分値(dP/d
t)がプラス側のしきい値d1を越えて基準時間T1だ
け経過すると、ECU71では、燃料噴射の開始に至る
べき燃料圧力Pの増加過程であると判断される。
【0067】その後、時刻t2において、増加中の燃料
圧力Pが大きく変曲すると、その一回微分値(dP/d
t)が大きく落ち込む。そして、時刻t2の直後に、一
回微分値(dP/dt)がマイナス側のしきい値d2を
下回って基準時間T2だけ経過すると、ECU71で
は、燃料噴射の開始に起因して燃料圧力Pの変化率の低
下が確実に起きたと判断される。又、ECU71では、
その判断時点から遡って一回微分値(dPi/dti)
が「0」となる時刻t2が求められ、その時刻t2が噴
射開始時刻tsとして求められる。更に、その時刻t2
の燃料圧力Pが噴射開始圧力Psとして求められる。つ
まり、同図(a)に示すように、燃料圧力Pの増加率が
最初に正から負へと変化する変曲点Aに対応する噴射開
始時刻tsとそのときの噴射開始圧力Psが求められ
る。
【0068】その後、時刻t2から燃料噴射が続くと、
それに伴い燃料圧力P及び一回微分値(dPi/dt
i)は、同図(a),(b)のような変化を示す。そし
て、燃料圧力Pが噴射開始圧力Psよりも低い範囲で減
少する過程において、時刻t3で燃料圧力Pの一回微分
値(dPi/dti)がマイナス側のしきい値d3を下
回って大きく落ち込むと、ECU71では、燃料圧力P
の減少率の増加過程であると判断される。続く時刻t4
において、燃料圧力Pの一回微分値(dPi/dti)
がマイナス側のしきい値d4を上回って一旦大きく立ち
上がると、ECU71では、燃料圧力Pの減少率が増加
過程から一旦減少過程へと変化する時点であると判断さ
れる。そして、その時刻t4が燃料噴射ノズル4におけ
る噴射終了時刻teとして求められる。又、その時刻t
4から修正時間TPだけ前の時刻(この場合、時刻t
3)における燃料圧力Pが噴射終了圧力Peとして求め
られる。つまり、同図(a)に示すように、燃料圧力P
が減少する過程でその減少が一旦下げ止まるよう変化す
る変曲点Bに対応する噴射終了時刻teとそのときの噴
射終了圧力Peが求められるのである。そして、噴射開
始時刻tsから噴射終了時刻teまでが、実際に燃料噴
射が行われた噴射期間となる。
【0069】次に、上記のように求められた噴射終了時
刻teを使用して行われる燃料噴射ポンプ1の異常診断
について説明する。図11はECU71により実行され
る「異常診断ルーチン」の処理内容を示すフローチャー
トであり、所定間隔毎に周期的に実行される。
【0070】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ500において、エンジン回転数センサ35及び
アクセルセンサ73等より得られるエンジン回転速度N
E及びアクセル開度ACCP等をそれぞれ読み込む。
【0071】続いて、ステップ510において、燃料噴
射ポンプ1の異常診断を行うべき条件が成立しているか
否かを判断する。この判断は、今回読み込まれたエンジ
ン回転速度NE及びアクセル開度ACCP等に基づいて
行われる。即ち、ディーゼルエンジン3が始動完了後で
あり、且つエンジン回転速度NEの変化の少ないアイド
リング状態、或いは定常運転状態であるか否か等によっ
て判断される。ここで、異常診断の条件が成立していな
い場合には、異常診断を行うことなくその後の処理を一
旦終了する。一方、異常診断の条件が成立している場合
には、異常診断を行うためにステップ520へ移行す
る。
【0072】ステップ520においては、前述した「燃
料噴射量制御ルーチン」の処理で前回の燃料噴射に際し
て決定された噴射終了設定時刻tesを読み込む。即
ち、電磁スピル弁23をオフ(開弁)すべき指令タイミ
ングとして決定された最新の噴射終了設定時刻tesを
読み込むのである。
【0073】又、ステップ530において、前述した
「te演算ルーチン」の処理で前回の燃料噴射に際して
求められた最新の噴射終了時刻teを読み込む。即ち、
燃料圧力Pの波形から実際に求められた燃料噴射終了時
期に対応する噴射終了時刻teを読み込むのである。
【0074】更に、ステップ540において、今回読み
込まれたエンジン回転速度NEより、それに応じた遅延
時間Tdの領域を演算する。この遅延時間Tdは噴射終
了時刻teの遅れを許容し得る時間について設定された
ものであり、図12に示すように予め定められたマップ
を参照して求められる。
【0075】次いで、ステップ550において、今回読
み込まれた噴射終了時刻teと噴射終了設定時刻tes
との差を演算し、その演算結果を噴射終了時刻差ΔTと
して設定する。即ち、図13のタイムチャートに示すよ
うに、燃料噴射の終了に際して燃料圧力Pの波形により
実際に求められた噴射終了時刻teと、ECU71の指
令により電磁スピル弁23がオフ(開弁)されたときの
噴射終了設定時刻tesとの差を噴射終了時刻差ΔTと
して求めるのである。
【0076】そして、ステップ560において、今回求
められた遅延時間Tdの領域と噴射終了時刻差ΔTとを
比較する。ここで、今回の噴射終了時刻差ΔTが充分に
小さくて、図12のマップにおける「正常」の領域に含
まれる場合には、燃料噴射ポンプ1が正常であるものと
診断して、そのままその後の処理を一旦終了する。
【0077】一方、ステップ560において、噴射終了
時刻差ΔTがやや大きくて、図12のマップにおける
「異常小」の領域に含まれる場合には、電磁スピル弁2
3が何らかの原因で少し動き難くなっていて、燃料噴射
ポンプ1が少し異常であるものと診断して、ステップ5
70へ移行する。そして、ステップ570において、警
告ランプ66を点灯させる。又、ステップ580におい
て、燃料噴射量の減量制御を実行する。即ち、目標噴射
量Qに対応する燃料噴射量を一律に減量させるための、
つまりは噴射終了設定時刻tesを一律に早めるための
制御を実行するのである。そして、ステップ580の処
理を終了した後、その後の処理を一旦終了する。
【0078】或いは、ステップ560において、噴射終
了時刻差ΔTが非常に大きくて、図12のマップにおけ
る「異常大」の領域に含まれる場合には、電磁スピル弁
23が何らかの原因で動かなくなっていて、燃料噴射ポ
ンプ1の異常が大きいものと診断して、ステップ590
へ移行する。そして、ステップ590において、警告ラ
ンプ66を点灯させる。又、ステップ600において、
燃料噴射ポンプ1からの燃料の圧送を遮断するために、
燃料カット弁36を閉弁させて、その後の処理を一旦終
了する。
【0079】従って、上記の「異常診断ルーチン」の処
理によれば、1回の燃料噴射が実行される毎に、電磁ス
ピル弁23が故障しているか否かが判断される。そし
て、電磁スピル弁23が故障している場合には、燃料噴
射ポンプ1が異常であるものと診断されて、警告ランプ
66が点灯されると共に、異常の程度に応じた処置がな
される。
【0080】以上説明したように、この実施例の異常診
断装置によれば、1回の燃料噴射の実行に際して、目標
噴射量Qから噴射終了設定時刻tesが決定される。
又、その噴射終了設定時刻tesに同期したタイミング
で、電磁スピル弁23がオン(閉弁)状態からオフ(開
弁)へ切り換え制御される。これにより、燃料噴射ポン
プ1から燃料噴射ノズル4への燃料の圧送終わりが制御
され、ディーゼルエンジン2に供給される燃料噴射量が
制御される。このとき、燃料噴射ポンプ1から圧送され
る燃料の圧力、即ち燃料圧力Pが圧力センサ47により
実際に検出される。そして、その燃料圧力Pの変化状態
に基づき、燃料噴射ポンプ1における実際の噴射終了時
刻teが求められる。即ち、燃料圧力Pの波形変化に基
づき、電磁スピル弁23の実際の開弁時期に対応した実
際の噴射終了時刻teが求められる。更に、電磁スピル
弁23をオフ(開弁)させるべき噴射終了設定時刻te
sと、実際の噴射終了時刻teとの差が、噴射終了時刻
差ΔTとして求められる。つまり、電磁スピル弁23の
狙いの開弁時期と、実際の噴射終了時刻teとの差が演
算される。そして、その噴射終了時刻差ΔTが予め設定
された遅延時間Tdよりも必要以上に大きい場合には、
電磁スピル弁23の各種故障に起因した燃料噴射ポンプ
1の異常であると診断され、警告ランプ66が点灯され
る。又、噴射終了時刻差ΔTの大きさから判断される異
常が軽度である場合には、フェイルセーフとして燃料噴
射量の減量制御が行われる。或いは、噴射終了時刻差Δ
Tの大きさから判断される異常が重大である場合には、
フェイルセーフとして燃料カットが実行され、燃料噴射
ポンプ1からディーゼルエンジン3への燃料の圧送が社
団される。
【0081】従って、この実施例によれば、電磁スピル
弁23が何らかの原因で狙い通りに動かなかった場合に
は、燃料圧力Pの波形の変化状態から求められる噴射終
了時刻teが大きく変化することになる。よって、噴射
終了時刻差ΔTにより電磁スピル弁23の各種故障を原
因とする燃料噴射ポンプ1の異常が診断される。その結
果、電磁スピル弁23の電気的な故障を原因とする異常
だけでなく、電磁スピル弁23の機械的な故障を原因と
する異常をも併せて診断することができる。即ち、電磁
スピル弁23の断線や短絡、或いはECU71における
駆動回路97の故障等、電気系統の故障に起因して、万
が一、電磁スピル弁23が作動不良となった場合には、
その異常を確実に診断することができる。併せて、燃料
性状の悪化や異物の噛み込み等に起因して、万が一、電
磁スピル弁23の弁体24が動き難くなったり、その弁
体24が閉弁状態で固着したりした場合にも、その異常
を確実に診断することができる。
【0082】又、この実施例によれば、噴射終了時刻差
ΔTの大きさの違いにより、実際の燃料噴射に則して異
常の程度が区別されている。つまり、単に電磁スピル弁
23の機械的な故障を直接監視(検出)して異常が診断
されるのではなく、燃料圧力Pの波形から実際の燃料噴
射に則して異常の程度が細かく評価されている。その結
果、燃料噴射ポンプ1の異常を実際の燃料噴射の挙動に
則して的確に診断することができる。つまり、燃料噴射
ポンプ1が正常であるか、或いは異常の程度が軽度であ
るか重大であるかを、実際の燃料噴射の上から的確に診
断することができる。
【0083】そして、この実施例によれば、上記のよう
な異常診断の結果から、異常の程度に応じた的確なフェ
イルセーフを図ることができる。具体的に、異常に対処
して警告ランプ66を点灯させることにより、その異常
の発生を直ちに運転者に知らせることができる。又、異
常が軽度である場合には、フェイルセーフとして燃料噴
射量の減量制御が行われることから、ディーゼルエンジ
ン3を低速回転で運転させながら、自動車を最寄りの退
避所や修理場まで移動させることができる。同じく、異
常が重大である場合には、フェイルセーフとして燃料カ
ットが行われることから、ディーゼルエンジン3を停止
させることができ、ディーゼルエンジン3が必要以上に
高速回転で運転されることを未然に防止することができ
る。
【0084】しかも、この実施例では、実際の噴射終了
時刻teの求め方に関してより具体的な検討がなされて
いる。即ち、この実施例では、各燃料噴射ノズル4に設
けられた圧力センサ47より得られる燃料圧力Pの波形
が監視されている。そして、その燃料圧力Pが噴射開始
圧力Psよりも低い範囲で減少する過程であるときに、
その一回微分値(dPi/dti)に基づき、燃料圧力
Pの減少率が増加過程から一旦減少過程へと変化する時
点が求められる。ここで、燃料圧力Pの減少率が増加過
程から一旦減少過程へと変化するところとは、燃料噴射
ノズル4が閉じられるときに燃料圧力Pの減少が一旦下
げ止まる部分に相当することが確認されている。つま
り、図10(a),(b)に示すような波形パターンの
中で、燃料圧力Pの減少過程において、燃料圧力Pの減
少率が増加過程から一旦減少過程へと変化する時点と
は、燃料圧力Pが一瞬だけ下げ止まる際の変曲点Bを意
味することが確認されている。
【0085】従って、実際の噴射終了時刻teが燃料圧
力Pの変曲点Bとして具体的に特定されることになり、
燃料噴射ノズル4の経時変化や固体差、或いはノイズ等
の影響を排除して噴射終了時刻teが求められる。その
結果、燃料噴射ノズル4の経時変化や固体差、ノイズ等
に影響されることなく、噴射終了時刻teを正確に求め
ることができる。その意味からも、前述した異常診断の
ための噴射終了時刻差ΔTをより正確に求めることがで
き、もって異常診断の信頼性を高めることができる。
【0086】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、圧力センサ47を各気筒の燃料
噴射ノズル4にそれぞれ設けたが、圧力センサを各燃料
噴射ノズルに通じる燃料管路の途中にそれぞれ設けるこ
ともできる。
【0087】(2)前記実施例では、圧力センサ47を
各気筒の燃料噴射ノズル4にそれぞれ設けて各燃料噴射
ノズル4にかかる燃料圧力Pをそれぞれ検出するように
構成したが、一つの圧力センサを燃料噴射ポンプに設け
てプランジャ高圧室における燃料圧力Pを検出するよう
に構成してもよい。この場合には、一つの圧力センサを
用いるだけでよく、構成部品の点数を少なくすることが
できる。
【0088】(3)前記実施例では、異常診断装置を自
動車の電子制御ディーゼルエンジンに具体化したが、同
じように燃料噴射装置からの燃料噴射量を電磁弁で制御
するようにした高圧ガソリン噴射式エンジン等に具体化
することもできる。
【0089】(4)前記実施例では、噴射終了時刻te
を求めるために使用される噴射開始圧力Psを実際に求
められる噴射開始時刻tsに対応して決定したが、予め
実験的に定められた基準値を噴射開始圧力Psとして使
用することもできる。
【0090】(5)前記実施例では、診断される異常の
程度に応じ、フェイルセーフとして、燃料噴射量の減量
制御と燃料カットとを行うようにしたが、異常の程度に
かかわらず燃料カットのみを行う場合に具体かしてもよ
い。或いは、目標噴射量Qに対応する燃料噴射量を減量
制御する代わりに、燃料噴射量を予め定められた少ない
噴射量に固定するようにしてもよい。
【0091】(6)前記実施例では、燃料噴射ポンプ1
が異常と診断された場合に、そのことを運転者に知らせ
るために警告ランプ66を点灯させるようにしたが、警
告ランプ66を点灯させると共に、異常診断の結果をバ
ックアップRAM84に記録しておくようにしてもよ
い。この場合、必要に応じてバックアップRAM84の
記録データを読み出すことにより、異常発生の過去の履
歴を後から知ることができる。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載し
発明によれば、電磁スピル弁の動作不良のみならず、
燃料噴射弁の開弁特性変化にも対応した実際の燃料噴射
終了時期を極めて高い精度で判断することができ、この
燃料噴射終了時期と電磁スピル弁の開弁駆動時期との差
に基づいて、電磁スピル弁の電気的及び機械的な故障を
原因とする異常や燃料噴射弁の故障を原因とする異常を
実際の燃料噴射の挙動に則して的確に診断することがで
きるようになる。
【0093】また、請求項2に記載した発明によれば、
上記効果に加えて、異常の程度に応じた的確なフェイル
セーフ処理を実行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を説明する概念構
成図である。
【図2】この発明を具体化した一実施例における過給機
付ディーゼルエンジンシステムを示す概略構成図であ
る。
【図3】一実施例における分配型燃料噴射ポンプを示す
断面図である。
【図4】一実施例において燃料噴射ノズルに設けられた
圧力センサを示す図である。
【図5】一実施例におけるECUの構成を示すブロック
図である。
【図6】一実施例において、ECUにより実行される
「燃料噴射量制御ルーチン」の処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】一実施例において、ECUにより実行される
「サブルーチン」の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図8】一実施例において、ECUにより実行される
「te演算ルーチン」の処理内容を示すフローチャート
である。
【図9】一実施例において、同じく「te演算ルーチ
ン」の処理内容の続きを示すフローチャートである。
【図10】一実施例において、1回の燃料噴射の際に求
められる噴射開始時刻、噴射終了時刻、燃料圧力及び一
回微分値の挙動を説明するタイムチャートである。
【図11】一実施例において、ECUにより実行される
「異常診断ルーチン」の処理内容を示すフローチャート
である。
【図12】一実施例において、エンジン回転速度と遅延
時間との関係について予め定められ、異常診断のために
使用されるマップである。
【図13】一実施例において、1回の燃料噴射の際の燃
料圧力と電磁スピル弁のオン・オフの挙動、並びに噴射
終了設定時刻と実際の噴射終了時刻との関係を説明する
タイムチャートである。
【符号の説明】
1…燃料噴射装置としての燃料噴射ポンプ、3…内燃機
関としてのディーゼルエンジン、4…燃料噴射ノズル、
23…電磁弁としての電磁スピル弁、47…燃料圧力検
出手段としての圧力センサ、71…駆動制御手段、噴射
終了時期判断手段、終了時期差演算手段及び異常診断手
段を構成するECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/22 380 F02M 65/00 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁スピル弁を閉弁駆動して内燃機関の
    燃料噴射弁に燃料を圧送するとともに該燃料圧送圧に基
    づき前記燃料噴射弁を開弁させて燃料噴射を開始する一
    方、電磁スピル弁を開弁駆動して燃料圧送圧を減少させ
    ることにより前記燃料噴射弁を閉弁させて燃料噴射を終
    了するようにした燃料噴射装置の異常診断装置におい
    て、 前記燃料噴射弁への燃料圧送圧を検出する検出手段と、 前記電磁スピル弁の開弁に伴って前記燃料圧送圧が減少
    する際に、該燃料圧送圧の減少率が前記燃料噴射弁の閉
    弁動作に応じて変化する時期を燃料噴射終了時期として
    判断する判断手段と、 前記電磁スピル弁の開弁駆動が指令される時期と前記判
    断される燃料噴射終了時期との差を演算する演算手段
    と、 前記演算される差が所定の判定値以上であるときに前記
    燃料噴射装置が異常であると診断する診断手段と を備え
    たことを特徴とする燃料噴射装置の異常診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した燃料噴射装置の異常
    診断装置において、 前記診断手段は、前記判定値として
    第1の判定値と該第1の判定値よりも大きい第2の判定
    値とを設定するものであり、 同診断手段により前記演算される差が前記第1の判定値
    以上であり且つ前記第2の判定値未満であると異常診断
    されるときに前記電磁スピル弁の開弁駆動時期を早める
    第1のフェイルセーフ手段と、 同じく診断手段により前記演算される差が前記第2の判
    定値以上であると異常診断されるときに前記燃料噴射装
    置の燃料圧送を強制的に停止させる第2のフェイルセー
    フ手段とを更に備えることを特徴とする燃料噴射装置の
    異常診断装置。
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