JP2904901B2 - 車両の運転制御装置 - Google Patents

車両の運転制御装置

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JP2904901B2
JP2904901B2 JP2261055A JP26105590A JP2904901B2 JP 2904901 B2 JP2904901 B2 JP 2904901B2 JP 2261055 A JP2261055 A JP 2261055A JP 26105590 A JP26105590 A JP 26105590A JP 2904901 B2 JP2904901 B2 JP 2904901B2
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lateral acceleration
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和俊 信本
徹 尾中
俊明 津山
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の運転制御装置に関する。
(従来の技術) 車両の横方向に作用する重力加速度である横加速度
は、車両の運転状態を制御する際の制御パラメータとし
て利用されている。後えば、特公昭63−66703号公報に
は、ブレーキ油圧を制御して各車輪の制動力を調節する
ことにより、制動時における車輪のロックないしはスキ
ッド状態の発生を防止するアンチスキッドブレーキ装置
において、上記横加速度に基いて各車輪のブレーキ油圧
の制御閾値を変更するようにしたものが開示されてい
る。このものでは、上記横加速度はGセンサーによって
検出するようになっている。
また、車両のタイヤと路面との摩擦係数、すなわち、
路面摩擦係数も車両の運転状態の制御に利用されてい
る。この路面摩擦係数は、駆動力の変化に伴う従動輪の
車輪速の変化から推定する方法が一般に採用されてい
る。
また、車両の運転状態を制御する手段としては、上記
アンチスキッドブレーキ装置の他に、パワーステアリン
グ装置、後輪転舵制御装置、トラクション制御装置等が
知られている。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如く、車両の横加速度は車両の運転状態の制御
に有用であるが、従来はこの横加速度の精度を得るため
に、Gセンサーを必要とする。
すなわち、本発明の課題は、上述のGセンサーを用い
ずに車両の横加速度を検出できるようにするとともに、
得られた横加速度に基いて車両の運転状態の制御特性を
変更できるようにすること、特に路面摩擦係数を考慮し
た制御特性の変更になるようにすることにある。
(課題を解決するための手段) 上記課題に対しては、車両の従動輪の内輪及び外輪の
各々の回転速度を用いて横加速度Gを検出するととも
に、前輪転舵角と車速とに基づいて規範横加速度Goを検
出し、この両横加速度G,Goの比較結果に基いて車両の制
御特性を変更するものである。
そのための具体的な手段は、 車両の従動内輪及び従動外輪の回転速度を検出する車
輪速検出手段と、 上記車輪速検出手段により検出される従動内輪の回転
速度と従動外輪の回転速度と車両のトレッドとに基いて
車両に発生している横加速度Gを算出する横加速度算出
手段と、 前輪の転舵角を検出する舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 上記舵角検出手段により検出された転舵角θと、上記
車速検出手段により検出された車速vとに基いて規範横
加速度Goを下記の式により算出する規範横加速度算出手
段と、 車両の運転状態を調節する運転状態調節手段と、 上記運転状態調節手段を運転状態に応じて所定の制御
特性に従って制御する制御手段と、 上記横加速度算出手段により検出された横加速度Gと
上記規範横加速度算出手段により算出された規範横加速
度Goとの差Aに基いて、上記制御手段の制御特性を変更
する制御特性変更手段とを備えていることを特徴とする
車両の運転制御装置である。
式;Go=v2・θ/L・g (但し、Lはホイールベース、gは重力加速度) この車両の運転制御装置において、制御手段は、路面
摩擦係数の高低によって異なる制御特性を有し、 制御特性変更手段は、差Aが所定値A1以上のときに上
記制御手段の制御特性を低路面摩擦係数の制御特性に変
更するものとすることができる。
また、制御手段がパワーステアリング装置に係るもの
であるときには、制御特性変更手段は、差Aが所定値A2
以上のときに上記操舵力を補助する力が低下するように
制御特性を変更するものとする。
制御手段が後輪転舵制御装置に係るものであるときに
は、制御特性変更手段は、差Aが所定値A3以上のとき
に、前輪に対する後輪の転舵比が同位相側に移行するよ
うに制御特性を変更するものとする。
制御手段がトラクション制御装置に係るものであると
きには、制御特性変更手段は、差Aが所定値A4以上のと
きに、駆動輪の駆動力が低下するようにトラクション制
御手段の制御特性を変更するものとする。
(作用) 上記解決手段においては、横加速度Gを得るための検
出手段としては従動内輪及び従動外輪の回転速度を検出
するものだけでよく、且つこの内外の従動輪の回転速度
は、実際に発生している横加速度の大きさに依存するか
ら、得られる横加速度Gも実際に発生している横加速度
に対応したものになる。
そうして、車両に実際に発生している横加速度は、路
面摩擦係数の影響により、車速と舵角とから得られる規
範横加速度Goよりも小さくなるから、上記横加速度算出
手段で得られる横加速度Gと規範横加速度Goとの差Aは
路面摩擦係数に対応したものになる。よって、上記差A
に基いて運転状態の制御手段の制御特性を変更すると、
路面摩擦係数に適した制御を行なうことができるように
なる。
そして、運転状態の制御手段の制御特性を路面摩擦係
数の高低によって異なるものとし、上記差Aが所定値A1
以上のときに上記制御手段の制御特性を低路面摩擦係数
の制御特性に変更するようにすれば、路面摩擦係数を別
途検出することなく、路面摩擦係数が低い場合にこの路
面摩擦係数に適した制御を行なうことができる。
また、制御手段がパワーステアリング装置に係るもの
であるときには、上記差Aが所定値A2以上のときに上記
操舵力を補助する力が低下するように制御特性を変更す
れば、路面の摩擦係数が低い場合に、過度に大きな転舵
角になることを予防し、車両にスリップないしはスピン
が発生することを防止することができる。
また、制御手段が後輪転舵制御装置に係るものである
ときには、差Aが所定値A3以上のときに後輪が前輪と同
位相になるように制御特性を変更するようにすれば、路
面の摩擦係数が低い場合に、後輪が前輪と逆位相に転舵
されるときにはその転舵角が小さくなるように、若しく
は同位相側の転舵角になるようにし、後輪が前輪と同位
相に転舵されるときにはその転舵角がより大きくなるよ
うにして、車両の走行安定性を向上せしめることができ
る。
また、制御手段がトラクション制御装置に係るもので
あるときには、差Aが所定値A4以上のときに、駆動輪の
駆動力が低下するように制御特性を変更するようにすれ
ば、トラクション制御中において路面を摩擦係数が低い
場合に、上記駆動力の低下によって車両にスピンが発生
することを防止することができる。
(発明の効果) 従って、本発明によれば、従動内輪の回転速度と従動
外輪の回転速度とにより得られる横加速度Gと、車速と
前輪転舵角とにより得られる規範横加速度Goとの差Aに
基いて車両の制御特性を変更するようにしたから、Gセ
ンサー及び摩擦係数検出手段を別途設けることなく、路
面摩擦係数に適した制御を行なうことができる。
そして、上記差Aが所定値以上のときに上記制御手段
の制御特性を低路面摩擦係数の制御特性に変更するよう
にすれば、摩擦係数検出手段を別途設けることなく、低
路面摩擦係数が低い場合にこの路面摩擦係数に適した制
御を行なうことができる。
また、上記差Aが所定値以上のときに、パワーステア
リング装置においては操舵力を補助する力が低下するよ
うに、後輪転舵制御装置においては前輪に対する後輪の
転舵比が同位相側に移行するように、トラクション制御
装置においては駆動輪の駆動力が低下するように、それ
ぞれ制御特性を変更すれば、路面摩擦係数が低いとき
に、車両の走行安定性の向上を図ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
−全体構成− 第1図に示す車両において、1はエンジン、2FL,2FR
は左右の前輪、2RL,2RRは左右の後輪であり、この車両
では左右の後輪2RL,2RRが上記エンジン1により自動変
速機3を介して駆動される駆動輪とされ、左右の前輪2F
L,2FRが従動輪とされている。そして、4は制御ユニッ
トである。
制御ユニット4は、マイクロコンピュータを内蔵した
ものであって、横加速度算出手段5、摩擦係数演算手段
6、記憶手段7、車両の運転状態を制御する制御手段
8、規範横加速度算出手段9及び制御特性変更手段10を
備えている。
−車両の横加速度検出装置− 車両の横加速度Gは、上記前輪2FL,2FRの回転素度を
検出する車輪速センサ66FL,66FRにからの検出信号に基
いて横加速度算出手段5により算出するようになってい
る。その算出式は次のI式である。
<I式> G(Vo2−Vi2)/2・T・g (但し、Voは従動外輪の回転速度、Viは従動内輪の回転
速度、Tはトレッド、gは重力加速度) 具体的に説明すると、右前輪2FRを従動外輪、左前輪2
FLを従動内輪とすれば、Voは右前輪2FRの回転速度、Vi
は左前輪2FLの回転速度ということになる。そして、左
前輪2FLの旋回半径をr、角速度をωとすれば、上記回
転速度Vi,Voは次のようになる。
Vi=rω ……(1) Vo=(r+T)ω ……(2) (2)式から(1)式を差し引くと、 Tω=Vo−Vi これから、 ω=(Vo−Vi)/T ……(3) また、トレッド中心の旋回半径Rは次の通りになる。
R=(Vo+Vi)/2・ω これに(3)式を代入して整理すると、 R=T・(Vo+Vi)/{2・(Vo−Vi)}……(4) 等速円運動しているトレッド中心位置に関し、直交座
標(r,0)からt秒後の位置を直交座標(x,y)とする
と、x,yは次の通りである。
x=R・cos(ωt) ……(5) y=R・sin(ωt) ……(6) そして、上記(x,y)点の横加速度Gは次式で与えら
れる。
上記(5)式及び(6)式から、 =ω・R{−cos(ωt)} =ω・R{−sin(ωt)} 従って、上記(7)式は、 G=ω・R ……(8) (8)式に(3)式と(4)式とを代入して整理する
と、 G=(Vo2−Vi2)/2・T 重力加速度gを用いて表わすと、 G=(Vo2−Vi2)/2・T・g つまり、上述のI式が得られる。
そうして、上記I式に含まれる変数である内外の従動
輪の回転速度Vi,Voは、実際に発生している横加速度の
大きさに依存するから、得られる横加速度Gも実際に発
生している横加速度に対応したものになる。
−路面摩擦係数検出装置− タイヤ路面との間の摩擦係数である路面摩擦係数μ
は、上記横加速度算出手段5により算出される横加速度
Gに基いて摩擦係数演算手段6により記憶手段7から演
算される。
すなわち、車両の旋回走行においては、前輪2FL,2FR
のコーナリングパワーC1,横滑り角β1と、後輪2RL,2RR
のコーナリングパワーC2,横滑り角β2とにより決まる
求心力と横加速度による遠心力Fとがつり合う。
F=2(C1・β1+C2・β2) コーナリングパワーCは、一般に路面摩擦係数μが低
い範囲では、このμの増加に略比例して増加し、高μに
なると略一定になる。そして、上記遠心力Fは横加速度
Gと車両の荷重Wとの積であるから、路面摩擦係数μと
横加速度Gとには一定の関係がある。この関係を記憶し
たものが上記記憶手段7であり、上記摩擦係数演算手段
6は横加速度算出手段5により算出される横加速度Gに
基いて記憶手段7からタイヤと路面との間に最低限ある
路面摩擦係数μを演算することができるということにな
る。
−車両運転制御装置− <概略説明> 制御手段8は、車両の運転状態を調節するブレーキ手
段、パワーステアリング装置のパワーシリンダ等の運転
状態調節手段100を各種の制御パラメータに基いて所定
の制御特性に従って制御するものである。そして、制御
特性変更手段10は、上記横加速度算出手段5により得ら
れる横加速度Gと、規範横加速度算出手段9により得ら
れる規範横加速度Goとの比較結果に基いて上記制御手段
8の制御特性を変更するものである。
<規範横加速度算出> 規範横加速度Goは、上記横加速度Gと比較する規範の
横加速度であって、前輪の転舵角を検出する舵角検出手
段により検出される転舵角θと、車速を検出する車速検
出手段により検出される車速vとに基いて、規範横加速
度算出手段9により次の式IIによって算出される。
<式II> Go=v2・θ/L・g (但し、Lはホイールベース、gは重力加速度) <制御特性の変更> 制御特性変更手段10は、上記横加速度算出手段5によ
り算出された横加速度Gと、上記規範横加速度算出手段
9により算出された規範横加速度Goとの差Aに基いて、
上記制御手段8の制御特性を変更するものである。
(具体例) 第2図にはアンチスキッドブレーキ制御とトラクショ
ン制御のための全体構成が示されている。
なお、同図には、制御手段70及び制御特性変更手段73
を、アンチスキッドブレーキ制御用とトラクション制御
とで分けずに記載しているが、制御内容はそれぞれで異
なるものである。
まず、上記自動変速機3は、トルクコンバータ11と多
段変速歯車機構12とから構成されている。この変速歯車
機構12は、既知のように油圧作動式とされて、実施例で
は、前進4段、後進1段用とされている。すなわち、そ
の油圧回路に組込まれた複数のソレノイド13aの励磁と
消磁との組合わせを変更することにより変速が行われ
る。また、トルクコンバータ11は、油圧作動式のロック
アップクラッチ11aを有し、その油圧回路に組込まれた
ソレノイド13bの励磁と消磁とを切換えることにより、
締結と締結解除とが行われる。
上記ソレノイド13a,13bは、自動変速機3の変速制御
用のATコントローラ60によって制御される。該ATコント
ローラ60は、変速特性とロックアップ特性とを予め記憶
しており、これに基いて変速制御とロックアップ制御と
を行なう。このため、ATコントローラ60には、メインス
ロットル弁43の開度を検出するメインスロットル開度セ
ンサ61及びサブスロットル弁45の開度を検出するサブス
ロットル開度センサ62からの各スロットル開度信号と、
車速を検出する車速センサ63からの車速信号(実施例で
はプロペラシャフト4の回転信号)とが入力される。
<制動力調節機構> 運転状態調節手段としての制動力調節機構について説
明する。
各車輪2FL,2FR,2RL,2RRにはブレーキ21FL〜21RRが設
けられている。該各ブレーキ21FL〜21RRのキャリパ(ホ
イールシリンダ)22FL〜22RRには、それぞれ配管23FL〜
23RRを介してブレーキ液圧が供給されている。このブレ
ーキ液圧の供給のための構成は、次のようになってい
る。
先ず、ブレーキペダル25の踏込力が、液圧倍力式の倍
力装置26によって倍力されて、タンデム型のマスタシリ
ンダ27に伝達される。該マスタシリンダ27の第1の吐出
口27aには左前輪用のブレーキ配管23FLが接続され、マ
スタシリンダ27の第2の吐出口27bには右前輪用のブレ
ーキ配管23FRが接続されている。
左前輪用のブレーキ配管23FLと右前輪用のブレーキ配
管23FRとには、電磁式の開閉弁50A,51Aが介設されてい
るとともに、該開閉弁50A,51Aの下流に接続されたリリ
ーフ通路52L,52Rには、電磁式の開閉弁50B,51Bが介設さ
れている。
上記倍力装置26には、配管28を介してポンプ29からの
液圧が供給され、余剰油圧はリターン用配管30を介して
リザーバタンク31へ戻される。上記配管28から分岐した
分岐管28aは合流部aに連なっており、この分岐管28aに
は電磁式の開閉弁32が介設されている。また、倍力装置
26で発生される倍力用液圧は、配管33を介して上記合流
部aへと供給されるようになっており、この配管33にも
電磁式の開閉弁34が介設されている。そして、上記配管
33には、合流部aへ向けての流れのみを許容する一方向
弁35が開閉弁34と並列に設けられている。
上記合流部aには、左右後輪用のブレーキ配管23RL,2
3RRが接続されている。この配管23RL,23RRには、電磁式
の開閉式の開閉弁36Aまたは37Aが介設されているととも
に、該開閉弁36A,37Aの下流に接続されたリリーフ通路3
8Lまたは38Rには、電磁式の開閉弁36Bあるいは37Bが接
続されている。
上記各開閉弁32,34,36A,37A,36B,37B,50A,51A,50B,51
Bは、制御手段70によって制御される。この場合、トラ
クション制御(ブレーキ制御)を行わないときには、図
示のように開閉弁32が閉じ、開閉弁34が開かれ、かつ開
閉弁36B,37Bが閉じ、開閉弁36A,37Aが開かれる。これに
より、ブレーキペダル25が踏込まれると、前輪用ブレー
キ21FL,21FRに対してはマスシリンダ27を介してブレー
キ液圧が供給される。また、後輪用ブレーキ21RL,21RR
に対しては、液圧倍力装置26からのブレーキペダル25の
踏込み力に応じた倍力用液圧が、ブレーキ液圧として配
管33を介して供給される。
また、後述するように、トラクション制御を行うとき
には、開閉弁34が閉じられ、開閉弁32が開かれる。ま
た、開閉弁36A,36B,37A,37B,50A,51A,50B,51Bはデュー
ティ制御に開閉制御されるようになっている。また、分
岐管28aを経たブレーキ液圧は、一方向弁35の作用によ
って、ブレーキペダル25に対する反力として作用しない
ようになっている。
<駆動力調節機構> 運転状態調節手段としての駆動力調節機構について説
明する。
トラクション制御の場合、駆動輪2RL、2RRの駆動トル
クを低減するために、駆動輪2RL、2RRに対するブレーキ
制御を行うと共に、駆動輪2RL、2RRに伝達される駆動
力、つまりはエンジン1の発生トルクの低減をも行う。
このため、エンジン1の吸気通路41には、アクセルペダ
ル42に連結された上述のメインスロットル弁43と、スロ
ットル開度調節用アクチュエータ44に連結された上述の
サブスロットル弁45とが配設され、サブスロットル弁45
を上記TRCコントローラ70により上記アクチュエータ44
を介して制御するようになっている。
<アンチスキッドブレーキ制御> アンチスキッドブレーキ制御(以下、ABS制御とい
う)について説明する。
本例は、開閉弁50A,50Bの作動によって左前輪2FLのブ
レーキ21FLの制動圧を調節する第1チャンネルと、開閉
弁51A,51Bの作動によって右前輪2FRのブレーキ21FR制動
圧を調節する第2チャンネルと、開閉弁36A,36B,37A,37
Bの作動によって左右の後輪2RL,2RRのブレーキ21RL,22R
Rの制動圧を調節する第3チャンネルとを備え、これら
各チャンネルは互いに独立して制御されるようになって
いる。
上記第1〜第3のチャンネルを制御する制御手段70
は、ブレーキペダル25が踏まれているか否かを検出する
ブレーキセンサ72からのブレーキ信号と、各車輪2FL〜2
RRの回転速度を検出する車輪速センサ66FL〜66RRからの
車輪速信号と、舵角センサ69からの転舵角信号とが入力
され、ABS制御を各チャンネル毎に並行して行なうよう
になっている。
以下、制御内容について具体的に説明する。
制御手段70は、疑似車体速設定部と、制御閾値設定部
を備え、制御閾値と車輪加減速度やスリップ率との比較
によってフェーズ0(ABS非制御状態)、フェーズI(A
BS制御時における制動圧の減圧状態)、フェーズII(減
圧後の保持状態)、フェーズIII(減圧保持後の急増圧
状態)及びフェーズIV(急増圧後の緩増圧状態)からフ
ェーズを選択し、各フェーズに応じた制動圧制御信号を
開閉弁36A,36B,37A,37B,50A,50B,51A,51Bに出力するよ
うになっている。
上記疑似車体速Vrは、上記車輪速に基いて便宜上の車
体速度として設定されるものであり、4輪2FL〜2RRのう
ちの最高車輪速が疑似車体速Vrと設定される一方、路面
の摩擦係数に応じて速度変化量を高摩擦係数における1.
2G・Δtから低摩擦係数の3.0G・Δtまでの間で設定し
て次のように補正される。なお、Δtはコントロールユ
ニット34のサンプリング周期(例えば7ms)である。
Vr←Vr−(1.2G・Δt〜0.3G・Δt) 制御閾値の設定は各チャンネル毎に独立して行われる
ものであり、制御閾値としては、本例の場合、上記フェ
ーズ0(ABS非制御時)からフェーズI(減圧)への移
行判定用の第1車輪減速度閾値G1と、フェーズIからフ
ェーズII(保持)への移行判定用の第2車輪減速度閾値
G2と、フェーズIIからフェーズIII(急増圧)への移行
判定用の第1スリップ率閾値S1と、フェーズIIIからフ
ェーズIV(緩増圧)への移行判定用の車輪加速度閾値G3
と、フェーズIVからフェーズIへの移行判定用の第2ス
リップ率閾値S2とがある。上記制御閾値は、疑似車体速
Vr及び路面の摩擦係数に応じて適宜設定されるものであ
る。
後輪2RL,2RRの車輪速に関しては、両車輪速のうちの
小さい方の車輪速が後輪車輪速として選択される。ま
た、スリップ率は次式に従って算出される。
スリップ率=(1−車輪速÷疑似車体速)×100 上記制御閾値の設定は、第3図に示すように、路面に
対する車輪の横抗力係数μLを過度に低くすることな
く、路面と車輪との間の摩擦係数μを高くできるよう
に、つまりSsの範囲の特性が得られるように設定され
る。
車輪の減速度及び加速度は、車輪速の前回値と今回値
との差を上記サンプリング周期Δtで除算し、その結果
を重力加速度に換算して求められる。
従って、通常は第4図に示すような制動圧の増減制御
が行われることになる。
すなわち、定速走行状態からブレーキペダル25が踏
み込まれると、制動圧が増加していき、それに伴って車
輪速が減少していく。
車輪減速度が第1車輪減速度閾値G1よりも大きくな
ると、ABS制御に移行してフェーズIが選択され、制動
圧は所定の減圧態様に従って減少される。
車輪減速度が第2車輪減速度閾値G2よりも小さくな
ると、フェーズIIが選択され、制動圧は減圧状態で保持
される。
上記減圧保持に伴ってスリップ率が減少し、第1ス
リップ率閾値S1を越えると、フェーズIIIが選択され、
制動圧の急増加が行われる。
上記急増圧により、車輪加速度が減少し合輪加速度
閾値G3以下になると、フェーズIVが選択され、制動圧の
緩増加が行われる。
上記緩増圧により、スリップ率が第2スリップ率閾
値S2を越えると、フェーズIが選択される。
以上の如くして、第1〜第3の各チャンネルにつき、
互いに独立して制動圧が増減制御されることにより、各
車輪のロックないしはスキッド状態の発生を防止し、方
向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で停止させる
ことになる。
<トラクション制御> トラクション制御(以下、TRC制御という)に際して
は、、ブレーキ制御と、上記スロットル開度調節用アク
チュエータ44を制御することによるエンジン制御と、変
速制御用のATコントローラ60を介してロックアップ制御
とを行う。制御手段70には、スロットル開度センサ61、
62および車速センサ63からの信号が入力される他、各車
輪2FL〜2RRの速度を検出する車輪速センサ66FL〜66RRか
らの車輪速信号と、アクセル開度を検出するアクセル開
度センサ67からのアクセル開度信号と、ハンドル舵角を
検出する舵角センサ69からのハンドル舵角信号と、マニ
ュアル操作されるスイッチ71からのモード信号とが入力
される。
(トラクション制御の内容) 上記制御手段70によるトラクション制御の内容を、エ
ンジン制御とブレーキ制御とに着目して示したのが第5
図である。同図において、エンジン用の目標値(駆動輪
の目標スリップ値)はSETで示し、ブレーキ用の目標値
はSETで示している(SBT>SET)。
t1時点前までは、駆動輪に大きなスリップが生じてい
ないので、エンジン制御は行われておらず、従ってサブ
スロットル弁45は全開であって、スロットル開度Tn(両
スロットル弁43,45の合成開度であって、開度の小さな
方のスロットル弁の開度に一致する)は、アクセル開度
に対応したメインスロットル開度TH・Mである。
t1時点では、駆動輪のスリップ値が、エンジン用目標
値SETとなった大きなスリップ発生時となる。実施例で
は、この駆動輪のスリップ値がSET以上となったときに
トラクション制御を開始するようになっており、このt1
時点で、スロットル開度が下限制御値SMにまで一挙に低
下される(フィードフォワード制御)。そして、一旦SM
とした後は、駆動輪のスリップ値がエンジン用目標値SE
Tとなるように、サブスロットル弁45の開度がフィード
バック制御される。このとき、スロットル開度Tnはサブ
スロットル弁開度TH・Sとなる。
t2時点では、駆動輪のスリップ値がブレーキ目標値SE
T以上となったときであり、このときは、駆動輪のブレ
ーキ21RL,21RRに対してブレーキ液圧が供給され、エン
ジン制御とブレーキ制御の両方によるトラクション制御
の開始される。ブレーキ液圧は、駆動輪のスリップ値が
ブレーキ用目標値SBTとなるようにフィードバック制御
される。
t3時点では、駆動輪のスリップ値がブレーキ用目標値
SBT未満となったときであり、これによってブレーキ液
圧が徐々に低下され、やがてブレーキ液圧は零となる。
ただし、エンジンによるスリップ制御は、なおも継続さ
れる。
尚、トラクション制御の終了条件は、実施例では、ア
クセル開度が全閉となったときとしている。
(スリップ値の算出) 駆動輪のスリップ値は、車輪速センサ66FR,66FL,66R
R,66RLからの検出信号に基いて検出される。すなわち、
駆動輪の回転速度から従動輪の回転速度を差し引くこと
によりスリップ値を算出するものである。なお、このス
リップ値の算出にあたっては、エンジン制御用の場合、
駆動輪の回転速度は左右駆動輪のうちの大きい方が選択
され、従動輪の回転速度は左右従動輪の平均値が用いら
れる。ブレーキ制御用の場合、従動輪の回転速度はエン
ジン制御用と同じであるが、駆動輪の回転速度は左右駆
動輪への制動力を互いに独立して制御する場合には左右
駆動輪の回転速度がそれぞれ用いられる。
(目標値SET,SBTの設定) 第6図は、上記目標値SETおよびSBTを決定する回路を
ブロック図的に示しものであり、決定パラメータとして
は、車速と、アクセル開度と、ハンドル舵角と、モード
スイッチ71の操作状態と、路面の最大摩擦係数μmaxと
がある。
すなわち、同図において、SETの基本値STA0と、SBTの
基本値STB0とが、最大摩擦係数をパラメータとして、マ
ップ81に記憶されている(STB0>STA0)。そして、この
基本値STB0、STA0に、それぞれ補正ゲイン係数KDを掛け
合わせることにより、SETおよびSBTが得られる。
上記補正ゲイン係数KDは、各ゲイン係数VGとACPGとST
RGとMODEGと掛け合わせることにより得られる。上記ゲ
イン係数VGは、車速をパラメータとするのもので、マッ
プ82として記憶されている。ゲイン係数ACPGは、アクセ
ル開度をパラメータとするもので、マップ83として記憶
されている。ゲイン係数STRGは、ハンドル舵角をパラメ
ータとするもので、マップ84として記憶されている。ゲ
イン係数MODEGは、運転者にマニュアル選択されるもの
で、テーブル85に記憶されたている。このテーブル85で
は、スポーツモードとノーマルモードとセーフティモー
ドとの三種類が設けられている。
(ABS制御での制御特性の変更) この場合、制御特性の変更は制御閾値の変更によって
行なう。
すなわち、制御特性変更手段73は、上述の横加速度算
出手段5により算出された横加速度Gと、上記規範横加
速度算出手段8により算出された規範横加速度Goとの差
Aが所定値A1以上のときに、上記制御閾値を低路面摩擦
係数に対応した制御閾値、つまり制動効率が低くなるよ
うな制御閾値に変更するものである。
具体的には、転舵速度フェーズ0(ABS非制御時)か
らフェーズI(減圧)への移行判定用の第1車輪減速度
閾値G1と、フェーズIからフェーズII(保持)への移行
判定用の減速度閾値G2とは低くするように、フェーズII
(減圧保持)からフェーズIII(急増圧)への移行判定
用の第1スリップ率閾値G2と、フェーズIVからフェーズ
Iへの移行判定用の第2スリップ率閾値S2とは低く、つ
まり疑似車体速Vrからみて浅くなるように、また、フェ
ーズIIIからフェーズIV(緩増圧)への移行判定用の車
輪加速度閾値G3を高くするように、各々の閾値を変更す
るものである。
(TRC制御での制御特性の変更) この場合の制御特性の変更は、第6図に示す制御閾値
としてのSETの基本値STA0と、SBTの基本値STB0とをマッ
プ81に基いて変更することにより行なう。すなわち、制
御特性変更手段73は、上述の差Aが所定値A1以上のとき
に、最低の基本値STA0,STB0をマップ81より演算するよ
う制御手段70に指令を出す。
また、上記制御特性変更手段73は、上述の差Aが所定
値A2以上のとき、制御手段70にスロットル開度TH・Sの
低減指令を出す。この場合、A1>A2である。
(パワーステアリング装置) 第7図は車両の車速感応型パワーステアリング装置の
全体構成を示す。同図において、101は左右の前輪2FL,2
FR間で車幅方向の延びて配置されたパワーシリンダであ
って、該パワーシリンダ101は、転舵ロッド102に装着し
たピストン103によりシリンダ左室101Lとシリンダ右室1
01Rとが画成されてなる。上記転舵ロッド102には、ステ
アリングシャフト104の下端に設けられたピニオン105と
噛み合うラック106が形成され、ステアリングシャフト
上端のホイール107の操舵力がラック106およびピニオン
105により転舵ロッド102の軸方向(車幅方向)への移動
として変換して伝達される。この転舵ロッド102の左右
両端にはそれぞれタイロッド123及びナックルアーム124
を介して前輪2FL,2FRが連結されている。
また、110はステアリングシャフト104の下端部に取り
付けたギヤコントロールバルブであって、エンジン1に
よって駆動されるオイルポンプ122に圧油供給路111にて
連通しており、ステアリングホイール107の回転に応動
して圧油をパワーシリンダ101の左室101Lと右室101Rと
に切換えて供給するようになっている。また、ギヤコン
トロールバルブ110からはリターン通路112が延設されて
いる。
上記圧油供給路111には、圧油供給量を制御する電磁
式の流量制御弁113と圧力調整弁115とが互いに並列にし
て介装されている。流量制御弁113は、コイル116への通
電量が多くなるに従ってスプール117が流路を絞るよう
になっている。そして、この流量制御弁113には車速セ
ンサ118が制御手段119を介して連係しており、車速の増
加に伴ってコイル116への通電量が多くなるものであ
る。圧力調整弁115は流量制御弁113の上流側と下流側と
の圧力差に応じて圧油の一部をドレンするものである。
なお、第7図において、120はバッテリ、121はオイル
タンクである。
(パワーステアリングの制御特性の変更) 130は制御特性変更手段であり、この制御特性変更手
段130は、上述の横加速度算出手段5により算出された
横加速度Gと、上記規範横加速度算出手段8により算出
された規範横加速度Goとの差Aが所定値A2以上のとき
に、流量制御弁113による圧油供給量を低減せしめるよ
う制御手段119に制御特性変更指令を出す。
(後輪転舵制御装置) 第8図は車両の後輪転舵制御装置(4輪操舵装置)の
全体構成を示す。同図において、200は左右の前輪2FL,2
LRを転舵させる前輪転舵機構、210は左右の後輪2RL,2RR
を転舵させる後輪転舵機構である。
上記前輪転舵機構200は、ステアリングホイール107を
有するステアリングシャフト104と、左右一対のナック
ルアーム124及びタイロッド123と、該タイロッド124,12
4を連結する前輪転舵ロッド102と、ステリングシャフト
104の下端に設けられ前輪転舵ロッド102のラック106に
噛合するピニオン105とを備えている。
また、上記後輪転舵機構210は、上記前輪転舵機構200
と同様に左右一対のナックルアーム211,211及びタイロ
ッド212,212と、後輪転舵ロッド213とを有する。また、
該後輪転舵ロッド213には減速機構214が連結され、該減
速機構214はサーボモータ215の出力軸に接続されてい
て、サーボモータ215の回転駆動により減速機構214を介
して後輪転舵ロッド213を左右に移動させて後輪2RL,2RR
を転舵するように構成されている。
さらに、上記後輪転舵機構210において、サーボモー
タ215の出力軸には電磁ブレーキ216が配置され、そのブ
レーキ動作時にモータ出力軸及び後輪転舵ロッド213を
ロックして、後輪2RL,2RRの転舵状態を保舵する。ま
た、サーボモータ215の出力軸と減速機構214との間には
電磁クラッチ217が介設されていると共に、後輪転舵ロ
ッド213には、該転舵ロッド213を中立位置に復帰させる
位置復帰機構218が配置されていて、後輪転舵の異常時
には電磁クラッチ217の開放動作によりサーボモータ215
と後輪転舵ロッド213との連繋を解除して、該後輪転舵
ロッド213を位置復帰機構218で中立位置に復帰させるこ
とにより、後輪2RL,2RRを舵角零の中立位置に位置付け
るようになっている。
220は後輪の転舵角制御用の制御手段であって、基本
的には駆動回路219を介して上記サーボモータ215を制御
するとともに、電磁ブレーキ216を制御する。該制御手
段220には各種センサからの検出信号が入力される。225
はステアリング舵角センサ、227,228は二個の車速セン
サ、229は手動変速機のN(ニュートラル)位置及びク
ラッチペダルの踏込み時を検出するニュートラルクラッ
チスイッチ、230は自動変速機のN位置又はP(パーキ
ング)位置を検出するインヒビタスイッチ、232はエン
ジンの運転時を検出するエンジンスイッチ、233はサー
ボモータ215の回転角を検出する回転角センサ、234は後
輪転舵ロッド213の移動量により後輪の転舵角を検出す
る後輪舵角センサである。
そして、上記制御手段220には、予め、第9図に示す
後輪の転舵比特性が記憶されている。ここで、転舵比特
性は、後輪の転舵比(つまり後輪転舵角θR/前輪転舵角
θであり、前輪転舵角θはステアリング舵角θ
比例する)が車速に応じて変化し、低車速から高車速に
移行するのに応じて逆位相側から同位相側に変化する特
性である。そして、図中実線で示す特性Iに対し、破線
で示す特性IIでは、同一車速値でとる転舵比が特性Iよ
りも同位相側に偏位した特性に設定されている。特性I
は制御手段220の通常の制御に用いられるものであり、
特性IIは制御特性変更手段240により制御特性変更指令
を受けて用いられるものである。
(後輪転舵制御での制御特性の変更) 制御特性変更手段240は、上述の横加速度算出手段5
により算出された横加速度Gと、上記規範横加速度算出
手段8により算出された規範横加速度Goとの差Aが所定
値A2以上のときに、上記特性IIを選択使用するよう制御
手段119に制御特性変更指令を出す。
第10図は上記ABS制御、TRC制御、パワーステアリング
制御及び後輪転舵制御における制御特性変更のフローで
あり、各種データを入力して横加速度G及び規範横加速
度Goを算出する(ステップS1〜S3)。そして、上記Gと
Goとの差Aが所定値A1以上の場合に低路面摩擦係数μと
判定し、ABS樹脂及びTRC制御の各制御閾値を低路面摩擦
係数に対応したものに変更する(ステップS4〜S6)。
従って、ABS制御においては、制動効率が低くなって
旋回走行成が良くなり、低路面摩擦係数であっても、車
両の走行安定性が向上する。一方、TRC制御では、エン
ジン用目標値SET及びブレーキ用目標値SBTが共に低くな
り、駆動輪のスリップ発生時、早期に制御が開始されて
車両の走行安定性が向上する。
また、上記GとGoとの差Aが所定A2以上の場合には、
パワーステアリング装置におけるパワーシリンダ101へ
の圧油供給量低減指令、後輪転舵制御装置における特性
IIの選択指令、TRC制御装置における駆動力低減指令の
各出力がなされる(ステップS7〜S10)。
従って、パワーステアリング装置においては、上記圧
油供給量の低減により操舵力の補助力(アシスト力)が
小さくなり、低路面摩擦係数での過度の転舵が予防され
て車両にスリップないしはスピンが発生することが防止
される。また、後輪転舵制御では、特性IIの選択によ
り、後輪の転舵が同位相側にずれ、低路面摩擦係数での
走行安定性が向上する。また、TRC制御では、駆動力の
低下により、路面の摩擦係数が低い場合の車両スピンの
発生が防止される。
なお、上記実施例では、パワーステアリング装置にお
けるパワーシリンダ101への圧油供給量低減指令、後輪
転舵制御装置における特性IIの選択指令、TRC制御装置
における駆動力低減指令の各出力条件を、いずれもGと
Goとの差Aが所定A2以上の場合としたが、上記差につい
ては各々異なる閾値としてもよい。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は実施例の全体構
成図、第2図はABS制御及びTRC制御のための装置の全体
構成図、第3図はスリップ率と摩擦係数、横抗力係数と
の関係を示す特性図、第4図はABS制御のタイムチャー
ト図、第5図はTRC制御のタイムチャート図、第6図は
エンジン用及びブレーキ用の各スリップ目標値を決定す
るための回路図、第7図はパワーステアリング装置の全
体構成図、第8図は後輪転舵制御装置の全体構成図、第
9図は転舵比特性図、第10図は制御特性変更制御のフロ
ー図である。 2FL,2FR……前輪(従動輪) 2RL,2RR……後輪(駆動輪) 5……横加速度算出手段 6……摩擦係数演算手段 7……記憶手段 8,70,119,220……制御手段 9……規範横加速度算出手段 10,73,130,240……制御特性変更手段 44……アクチュエータ(駆動力調節手段) 66FL〜66RR……車輪速センサ 69……舵角センサ 63……車速センサ 100……運転状態調節手段 101……パワーシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 晴樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−70941(JP,A) 特開 平1−101434(JP,A) 特開 平3−138428(JP,A) 実開 昭62−201046(JP,U) 実開 平2−71244(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 41/00 - 41/28 B60T 7/12 - 7/22 B60T 8/32 - 8/96 B62D 6/00 - 6/06 F02D 29/00 - 29/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の従動内輪及び従動外輪の回転速度を
    検出する車輪速検出手段と、 上記車輪速検出手段により検出される従動内輪の回転速
    度と従動外輪の回転速度と車両のトレッドとに基いて車
    両に発生している横加速度Gを算出する横加速度算出手
    段と、 前輪の転舵角を検出する舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 上記舵角検出手段により検出された転舵角θと、上記車
    速検出手段により検出された車速vとに基いて規範横加
    速度Goを下記の式により算出する規範横加速度算出手段
    と、 車両の運転状態を調節する運転状態調節手段と、 上記運転状態調節手段を運転状態に応じて所定の制御特
    性に従って制御する制御手段と、 上記横加速度算出手段により検出された横加速度Gと上
    記規範横加速度算出手段により算出された規範横加速度
    Goとの差Aに基いて、上記制御手段の制御特性を変更す
    る制御特性変更手段とを備えていることを特徴とする車
    両の運転制御装置。 式;Go=v2・θ/L・g (但し、Lはホイールベース、gは重力加速度)
  2. 【請求項2】制御手段は、路面摩擦係数の高低によって
    異なる制御特性を有し、 制御特性変更手段は、差Aが所定値A1以上のときに上記
    制御手段の制御特性を低路面摩擦係数の制御特性に変更
    するものである請求項(1)に記載の車両の運転制御装
    置。
  3. 【請求項3】運転状態調節手段は、ステアリングの操舵
    力を補助するパワーシリンダであり、 制御手段は、操舵入力により上記パワーシリンダを所定
    の制御特性に従って所定の補助力が得られるように制御
    するパワーステアリング制御手段であり、 制御特性変更手段は、差Aが所定値A2以上のときに上記
    操舵力を補助する力が低下するように上記パワーステア
    リング制御手段の制御特性を変更するものである請求項
    (1)に記載の車両の運転制御装置。
  4. 【請求項4】運転状態調節手段は、後輪を転舵する後輪
    転舵手段であり、 制御手段は、前輪の転舵に応じて上記後輪転舵手段を所
    定の制御特性に従って後輪が前輪に対して同位相又は逆
    位相となるように制御する後輪転舵制御手段であり、 制御特性変更手段は、差Aが所定値A3以上のときに、前
    輪に対する後輪の転舵比が同位相側に移行するように上
    記後輪転舵制御手段の制御特性を変更するものである請
    求項(1)に記載の車両の運転制御装置。
  5. 【請求項5】運転状態調節手段は、駆動輪の駆動力を調
    節する駆動力調節手段であり、 制御手段は、駆動輪にスリップが発生しているときに、
    上記駆動力調節手段を所定の制御特性に従って上記駆動
    輪が目標スリップ値となるように制御するトラクション
    制御手段であり、 制御特性変更手段は、差Aが所定値A4以上のときに、駆
    動輪の駆動力が低下するように上記トラクション制御手
    段の制御特性を変更するものである請求項(1)に記載
    の車両の運転制御装置。
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