JP2904038B2 - 4,6−ジアミノレゾルシノールおよびその前駆体の製造方法 - Google Patents
4,6−ジアミノレゾルシノールおよびその前駆体の製造方法Info
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Description
ルシノールまたはその塩の製造方法に関するものであ
る。本発明はまた、この4,6−ジアミノレゾルシノー
ルまたはその塩の前駆体となりうる化合物の製造方法に
関するものでもある。4,6−ジアミノレゾルシノール
またはその塩は、ポリベンゾビスオキサゾールのモノマ
ーとなりうるものであって、このポリベンゾビスオキサ
ゾールは、高強度および高弾性率を有し、耐熱性および
耐薬品性に優れた特性を有するポリマーとして知られて
いる(例えば、特表昭 61-501452号公報(=WO 85/04178)
や、特開平 2-229143 号公報参照)。
ールの製造方法としては、次のようなものが知られてい
る。
883)に記載されるように、レゾルシノール酢酸エステル
をジニトロ化して得られる4,6−ジニトロレゾルシノ
ールを還元する方法、 2) 特表平 2-500743 号公報(=EP-A-266,222)に記載さ
れるように、1,2,3−トリクロロベンゼンをニトロ
化して、2,3,4−トリクロロ−1,5−ジニトロベ
ンゼンを得、このトリクロロジニトロベンゼンを加水分
解して、2−クロロ−4,6−ジニトロレゾルシノール
を得、これを還元する方法、および 3) Ber. Dtsch. Chem. Ges., 17, 876 (1884)に記載さ
れるように、4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノ
ールを、塩化スズおよび塩酸で分解して、4,6−ジア
ミノレゾルシノールにする方法。
4,6−ジニトロレゾルシノールが強い衝撃や急速加熱
によって爆発する危険があり、またニトロ化による4,
6−ジニトロレゾルシノールの収率が約30%と低いた
め、工業的な製法として十分なものとはいえなかった。
また、2)の方法で中間体となる2,3,4−トリクロロ
−1,5−ジニトロベンゼンや2−クロロ−4,6−ジ
ニトロレゾルシノールも、やはり強い衝撃や急速加熱に
よって爆発する危険があるため、この方法も、工業的製
法として必ずしも十分なものとはいえなかった。さらに
は、1)、2)のいずれの方法も、ニトロ化の際に大量の廃
酸を副生し、廃酸の処理に莫大な量の中和用塩基を必要
とするため、工業的に満足のいくものではなかった。一
方、3)の4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール
を塩化スズおよび塩酸で分解する方法は、高価な塩化ス
ズを還元剤として大量に使用しなければならないため、
やはり工業的製法として満足のいくものではなかった。
ス(フェニルアゾ)レゾルシノールは、 Helv. Chim. A
cta., 41, 1816 (1958) に記載されるように、pH9以
上の緩衝溶液中でレゾルシノールとベンゼンジアゾニウ
ム塩をカップリングさせることによって、選択的に合成
できることが知られている。しかしながら、ここに記載
の方法では、0.01モル(1.1g)のレゾルシノールに
対し、1000mlの緩衝溶液が使用されており、生産効
率が極めて悪いといった問題がある。また本発明者らの
追試によれば、緩衝溶液の使用量を減ずると、不純物と
なる2,4−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノールおよ
び2,4,6−トリス(フェニルアゾ)レゾルシノール
が副生し、選択性が低下することが確認された。さらに
は、緩衝溶液を使用することは、生産資材の種類が増え
ることにつながるため、工業的に有利とはいえない。
的の一つは、衝撃や加熱によって爆発の危険があるニト
ロ化合物を経由することなく、工業的有利に4,6−ジ
アミノレゾルシノールまたはその塩を製造することにあ
る。
4,6−ジアミノレゾルシノールを鉱酸塩の形で純度よ
く回収することにある。
で製造される4,6−ジアミノレゾルシノールまたはそ
の塩の前駆体となりうる4,6−ビス(アリールアゾ)
レゾルシノールを、選択性よく、かつ効率的に製造する
ことにある。
的を達成すべく鋭意研究を行った結果、4,6−ビス
(アリールアゾ)レゾルシノールを原料として、特定の
条件で水素化分解させることによって、4,6−ジアミ
ノレゾルシノールまたはその塩が合成できることを見出
した。すなわち本発明は、4,6−ビス(アリールア
ゾ)レゾルシノールを、溶媒中、金属触媒の存在下で水
素化分解反応させることにより、4,6−ジアミノレゾ
ルシノールまたはその塩を製造する方法を提供するもの
である。
ールアゾ)レゾルシノールは通常、アリールアミンをジ
アゾ化してアリールジアゾニウム塩とし、これをレゾル
シノールとカップリングさせることによって得られる。
したがって本発明はまた、アリールアミンをジアゾ化し
て得られるアリールジアゾニウム塩を、レゾルシノール
とカップリング反応させて、4,6−ビス(アリールア
ゾ)レゾルシノールを得、これを溶媒中、金属触媒の存
在下に水素化分解反応させることにより、4,6−ジア
ミノレゾルシノールまたはその塩を製造する方法をも提
供する。
る特に4,6−ジアミノレゾルシノールは、特定の処理
を施すことにより、純度のよい鉱酸塩の形で回収できる
ことを見出した。したがって本発明はさらに、上記の方
法によって得られた4,6−ジアミノレゾルシノールを
結晶化して、水素化分解反応で生成したアリールアミン
から分離したあと、鉱酸を加えて溶解し、晶析すること
により、4,6−ジアミノレゾルシノール鉱酸塩を製造
する方法をも提供する。
4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールは、アリ
ールアミンをジアゾ化して得られるアリールジアゾニウ
ム塩を、特定の溶媒中でpHのコントロール下にレゾル
シノールとカップリングさせることにより、高い位置選
択性で、しかも効率的に製造できることを見出した。し
たがって本発明はもう一つの観点から、アリールアミン
をジアゾ化して得られるアリールジアゾニウム塩を、水
と混和する有機溶媒を含む溶媒中、pH9以上でレゾル
シノールとカップリング反応させることにより、4,6
−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールを製造する方法
をも提供する。
による反応は、次の反応式で表すことができる。
階の反応を順次説明していくが、本発明の方法は、必ず
しもアリールアミンから出発する方法に限定されるもの
でなく、特許請求の範囲に記載した範囲で、任意の段階
から出発することができ、また任意の段階で終了するこ
とができることは、当業者に理解されるであろう。
ン、芳香環の水素が置換されたアニリン、ナフチルアミ
ン、芳香環の水素が置換されたナフチルアミンなどを挙
げることができる。アニリンおよびナフチルアミンの芳
香環に置換してもよい基としては、例えば、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、無置換のまたは置換されたフ
ェニル基、無置換のまたは置換されたフェノキシ基、ヒ
ドロキシル基、無置換のまたは置換されたアミノ基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、ハロゲン原子などが挙げ
られる。低級アルキル基の具体例は、メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、 sec−ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチルなどであり、低級アルコ
キシ基の具体例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、 sec−ブトキシ、
イソブトキシ、tert−ブトキシなどである。アニリンま
たはナフチルアミンの置換基であるフェニル基およびフ
ェノキシ基にさらに置換してもよい基としては、例え
ば、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低
級アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アニ
リンまたはナフチルアミンの置換基であるアミノ基は、
無置換であっても、モノ−またはジ−置換であってもよ
く、アミノ基に置換してもよい基としては、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピルのような低
級アルキル基などが挙げられる。アニリンまたはナフチ
ルアミンの芳香環は、以上説明したようないずれかの置
換基1個によって、あるいは同種または異種の置換基2
個以上によって置換されていてもよい。
無置換のアニリンもしくはナフチルアミンまたは、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロ
キシル基、アミノ基、N−置換アミノ基、N,N−ジ−
置換アミノ基のような電子供与性基で置換されたアニリ
ンもしくはナフチルアミンが好ましい。さらに好ましい
アリールアミンとしては、アニリンおよびp−アニシジ
ンが挙げられ、とりわけp−アニシジンを用いることに
より、後のカップリング反応における位置選択性や生産
効率を一層向上させることができる。
アゾニウム塩を得るにあたって、一般的には、例えば次
のような方法を採用することができる。
るか、無機酸塩の形で溶媒中に懸濁させ、アルカリ金属
の亜硝酸塩と反応させる方法、(b) アリールアミンとニ
トロシル硫酸を反応させる方法、(c) アリールアミンを
稀硫酸中に溶解または懸濁させ、一酸化窒素と酸素を含
む混合ガスと反応させる方法、または(d) 有機溶媒中で
アリールアミンを亜硝酸エステル類と反応させる方法。
は、塩酸や硫酸などが好ましく、またアルカリ金属の亜
硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウ
ムが好ましい。 (a)〜(c) の各反応は、溶媒中で行わ
れ、通常、水のみ、あるいは、水と混和する有機溶媒お
よび水からなる混合溶媒が用いられるが、水のみ、ある
いは水とメタノールとの混合溶媒が好ましく用いられ
る。上記 (a)〜(d) の各反応は、バッチ方式および連続
方式のいずれで行ってもよい。
は、レゾルシノールとのカップリング反応によって、
4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールへと導か
れる。ジアゾ化によって得られたアリールジアゾニウム
塩は、レゾルシノールの量を基準として、通常1.8〜
2.5モル倍の範囲、さらには1.9〜2.2モル倍の範囲で
使用するのが好ましい。アリールジアゾニウム塩の量
が、レゾルシノールに対して2.5モル倍を超えると、
2,4,6−トリス(アリールアゾ)レゾルシノールが
多く副生し、また1.8モル倍未満になると、カップリン
グ反応の中間体である4−モノ(アリールアゾ)レゾル
シノールが未反応のまま多く残ってしまうため、上記の
範囲が好ましい。
る。ここで用いる溶媒としては、水単独のほか、水と混
和する有機溶媒を含むものが例示される。とりわけ、水
と混和する有機溶媒および水からなる混合溶媒を使用す
ることにより、カップリング反応の容積効率を向上させ
ることができるので、工業的に有利である。水と混和す
る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プ
ロパノールのような低級アルコール類、アセトンのよう
な低級ケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランのよ
うな環状エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドンのような非プロトン性極性溶媒な
どが例示され、これらのいずれかを単独で、または2種
以上を組み合わせて用いることができる。とりわけ、水
とメタノールとの混合溶媒が、カップリング反応におい
ては好ましく用いられる。水と混和する有機溶媒および
水からなる混合溶媒を用いる場合、両者の混合割合は、
有機溶媒の種類にもよるが、通常は溶媒全体の量を基準
として、水と混和する有機溶媒が5〜90重量%の範
囲、とりわけ20〜90重量%の範囲となるようにする
のが好ましい。
の混合比率によっても変化し、特に限定されるものでは
ないが、レゾルシノールを反応時に溶解できる量であれ
ばよい。通常は、レゾルシノールに対して4〜1000
重量倍の範囲で、溶媒を存在させるのが好ましい。ま
た、カップリングの際の位置選択性や容積効率を考慮す
ると、水と混和する有機溶媒および水からなる混合溶媒
を、レゾルシノールに対して20〜500重量倍の範囲
で存在させるのが、より好ましい。
ールを溶媒に溶解させた溶液にアリールジアゾニウム塩
を滴下することによって実施できる。このような方法の
場合には、アリールジアゾニウム塩の滴下に応じてアル
カリを加え、反応液のpHを9以上、特に9〜14の範
囲に保つのが好ましい。なかでも、pH10以上、それ
も10〜12の範囲に保つのが一層好ましい。反応液の
pHがあまり低くなると、カップリング反応における位
置選択性が低下し、副生物である2,4−ビス(アリー
ルアゾ)レゾルシノールの生成量が増加してくる。また
反応液のpHがあまり高くなると、副生物である2,
4,6−トリス(アリールアゾ)レゾルシノールの生成
量が増加し、さらにはそれの分解によってタール成分が
生じやすくなる。
ゾ)レゾルシノールの副生やアリールジアゾニウム塩の
分解によるタール成分の副生を抑えるためには、カップ
リング反応を二段階に分けて行う方法もある。すなわ
ち、レゾルシノールを溶媒に溶解させた溶液に、レゾル
シノールの量を基準として、アリールジアゾニウム塩を
0.8〜1.1モル倍、好ましくは0.9〜1.0モル倍の量滴
下して、4−モノ(アリールアゾ)レゾルシノールを生
成させ、必要ならば濾過などの操作によってこの4−モ
ノ(アリールアゾ)レゾルシノールを分離したあと、こ
の4−モノ(アリールアゾ)レゾルシノールを懸濁させ
た液に再度アリールジアゾニウム塩を滴下し、一段目の
カップリング反応で用いたアリールジアゾニウム塩との
合計量が、当初のレゾルシノールの量を基準に、1.8〜
2.5モル倍、好ましくは1.9〜2.2モル倍となるように
して、4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールを
生成させる方法である。この場合、一段目のカップリン
グ反応においては、pHを4〜13の範囲、さらには5
〜9の範囲に保つのが好ましく、また二段目のカップリ
ング反応においては、pHを9〜14の範囲、さらには
10〜13の範囲に保つのが好ましく、とりわけpH1
0〜12の範囲に保つのが一層好ましい。
続方式のいずれによっても実施することができる。
媒中でpHを変化させることができるものであればよ
く、特に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムのよ
うなアルカリ金属水酸化物およびその水溶液、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金
属およびその溶液または懸濁液、アンモニア、アンモニ
ア水、さらにはトリエチルアミンのような有機塩基など
が例示される。
より固液分離してもよいが、液側へのロスを少なくする
ために、塩酸や硫酸のような酸を用い、反応液のpHを
通常10以下、好ましくは9以下として、4,6−ビス
(アリールアゾ)レゾルシノールの結晶を析出させてか
ら、反応液と分離することもできる。また、水と混和し
ない有機溶媒を加えて、溶媒抽出することもできる。さ
らには必要により、得られた結晶を再結晶によって精製
することもできる。
アゾ)レゾルシノールとして、具体的には、例えば次の
ようなものが挙げられる。
ール、4,6−ビス(α−ナフチルアゾ)レゾルシノー
ル、4,6−ビス(β−ナフチルアゾ)レゾルシノー
ル、4,6−ビス(2−、3−または4−メチルフェニ
ルアゾ)レゾルシノール、4,6−ビス(2-、3−ま
たは4−メトキシフェニルアゾ)レゾルシノール、4,
6−ビス(2−、3−または4−ビフェニルイルアゾ)
レゾルシノール、4,6−ビス(2−、3−または4−
フェノキシフェニルアゾ)レゾルシノール、4,6−ビ
ス(2−、3−または4−ヒドロキシフェニルアゾ)レ
ゾルシノール、4,6−ビス(2−、3−または4−ア
ミノフェニルアゾ)レゾルシノール、4,6−ビス〔2
−、3−または4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ルアゾ〕レゾルシノール、4,6−ビス(2−、3−ま
たは4−カルボキシフェニルアゾ)レゾルシノール、
4,6−ビス(2−、3−または4−スルホフェニルア
ゾ)レゾルシノール、4,6−ビス(2−、3−、4
−、5−、6−、7−または8−スルホ−1−ナフチル
アゾ)レゾルシノール、4,6−ビス(1−、3−、4
−、5−、6−、7−または8−スルホ−2−ナフチル
アゾ)レゾルシノールなど。
ールは、溶媒中、金属触媒の存在下に水素化分解反応さ
せて、4,6−ジアミノレゾルシノールまたはその塩へ
と導かれる。
こで用いる溶媒としては、例えば、水、低級アルコール
類、芳香族炭化水素類、ハロ置換ベンゼン類、ハロゲン
化脂肪族炭化水素類、環状または非環状のエーテル類、
低級ケトン類、非プロトン性極性溶媒などが挙げられ
る。低級アルコール類の具体例は、メタノール、エタノ
ール、2−プロパノールなどであり、芳香族炭化水素類
の具体例は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどであ
り、ハロ置換ベンゼン類の具体例は、モノクロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼンなどであり、ハロゲン化脂肪
族炭化水素類の具体例は、ジクロロメタン、ジクロロエ
タンなどであり、エーテル類の具体例は、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、グライムなどであり、 低級ケト
ン類の具体例は、アセトン、メチルエチルケトンなどで
あり、非プロトン性極性溶媒の具体例は、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどである。
これらの溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上を混
合して用いることができる。溶媒は、4,6−ビス(ア
リールアゾ)レゾルシノールの量を基準として、通常1
〜50重量倍の範囲、さらには2〜50重量倍の範囲で
用いるのが好ましく、とりわけ2〜20重量倍の範囲が
好適である。
で行われる。金属触媒を構成する金属は、周期律表第VI
II族の元素が好ましく、かかる金属触媒としては特に、
パラジウム系、ニッケル系、白金系、ロジウム系、ルテ
ニウム系、コバルト系、イリジウム系のものなどが例示
される。これらの金属の単体、これらの金属のいずれか
を含む合金、またはこれらの金属のいずれかの化合物
を、触媒として用いることができる。合金としては、例
えば、ラネーニッケルなどが挙げられ、金属化合物とし
ては、例えば、酸化パラジウム、酢酸パラジウム、酸化
白金などが挙げられる。なかでも、パラジウム系または
白金系の触媒が好ましい。またこれらの金属触媒は、担
体、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニアのような
酸化物あるいは炭素などに、担持して使用することもで
きる。なかでも、パラジウムまたは白金を炭素に担持さ
せたものが好ましく、とりわけ、パラジウムを炭素に担
持させたパラジウムカーボンが好ましい。 金属触媒
は、4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールの量
を基準に、金属分として一般的には0.005〜10重量
%の範囲で使用され、好ましくは0.01〜10重量%の
範囲、さらに好ましくは0.01〜5重量%の範囲で使用
される。
属触媒の存在下、4,6−ビス(アリールアゾ)レゾル
シノールを含む溶媒中に水素ガスを吹き込むことにより
行われる。この際、一般的には常圧〜100kgf/cm2 の
範囲、好ましくは常圧〜20kgf/cm2 の範囲の水素圧
で、反応が行われる。水素化分解反応の温度は、一般的
には−30〜+100℃の範囲、好ましくは10〜70
℃の範囲である。
は、遊離のアミンまたはその塩の形で生成する。すなわ
ち、系内に酸が存在しなければ遊離アミンの形で生成
し、系内に酸が存在すれば塩の形で生成する。通常は遊
離アミンの形で生成することが多いが、反応終了後に酸
を加えて塩の形にすることもできる。そこで反応終了後
は、金属触媒、水素化分解反応によって生成したアリー
ルアミン、そして4,6−ジアミノレゾルシノールまた
はその塩を分離したあと、必要に応じて金属触媒の回
収、アリールアミンの回収、4,6−ジアミノレゾルシ
ノールの鉱酸塩化、4,6−ジアミノレゾルシノール鉱
酸塩の晶析などを行うことができる。金属触媒、アリー
ルアミンおよび4,6−ジアミノレゾルシノールまたは
その塩を分離するには、使用した金属触媒の種類、アリ
ールアミンの種類、および水素化分解反応に用いた溶媒
の種類に応じて、いくつかの方法が適用可能である。例
えば、次のようなものを挙げることができる。
により反応液を濃縮、冷却し、また必要ならばそこへ、
水素化分解反応に用いた溶媒とは異なる溶媒を加えて、
4,6−ジアミノレゾルシノールを結晶化させたあと、
固液分離により、液体側にアリールアミンを、そして固
体側に4,6−ジアミノレゾルシノールと金属触媒の混
合物を得、この固体側混合物に鉱酸水溶液を加え、必要
により加熱し、4,6−ジアミノレゾルシノールを鉱酸
塩にして溶解させ、固液分離により液体側に4,6−ジ
アミノレゾルシノール鉱酸塩を得る方法;
により反応液を濃縮、冷却し、4,6−ジアミノレゾル
シノールを結晶化させたあと、固液分離により、液体側
にアリールアミンおよび金属触媒を、そして固体側に
4,6−ジアミノレゾルシノールを得る方法;
合したあと、蒸留によって溶媒およびアリールアミンを
留去し、蒸留残渣に薄い鉱酸溶液を加え、必要により加
熱し、4,6−ジアミノレゾルシノールを鉱酸塩にして
溶解させ、固液分離により、固体側に金属触媒を、そし
て液体側に4,6−ジアミノレゾルシノール鉱酸塩を得
る方法;
と、必要ならば金属触媒を除去し、残った液体に鉱酸を
加えて鉱酸酸性とし、必要により濃縮して、析出する
4,6−ジアミノレゾルシノール鉱酸塩を分離する方
法;
し、また必要ならばこの反応液を濃縮したあと、この反
応液に疎水性の有機溶媒および水を加え、 pHを6以
上として、アリールアミンを疎水性有機溶媒層に抽出
し、4,6−ジアミノレゾルシノールまたはその塩を水
層に抽出して分離する方法;
したあと、濃縮して、濃縮残渣中に、4,6−ジアミノ
レゾルシノールまたはその塩を得る方法など。
シノールが酸化されやすいため、無酸素雰囲気下で行う
ことが望ましく、あるいは、塩化スズのような還元剤の
存在下で、これらの操作を行ってもよい。これらの操作
で用いる鉱酸としては、例えば、塩酸、塩化水素ガス、
硫酸、燐酸などが挙げられるが、好ましいものは、塩酸
および塩化水素ガスである。なお、水素化分解で生成し
たアリールアミンは、回収して再使用することができ
る。またもちろん、金属触媒も回収して再使用すること
ができる。
シノールまたはその塩は、必要に応じて鉱酸を加えて鉱
酸塩にしたあと、再結晶により、さらに精製することが
できる。再結晶溶媒としては、水;塩酸、硫酸水溶液、
燐酸水溶液のような鉱酸水溶液;メタノール、エタノー
ルのようなアルコール系溶媒;アセトンのようなケトン
系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミドのような非プロ
トン性極性溶媒などが挙げられ、これらをそれぞれ単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。好ましくは、水または塩酸が用いられる。再結晶
は、温度降下による晶析および、鉱酸の添加による酸析
のいずれでも行うことができ、またこれらを組み合わせ
ることもできる。
説明すると、塩酸の濃度は、一般的には5〜35重量%
の範囲、好ましくは10〜25重量%の範囲であり、こ
うした濃度の塩酸を、4,6−ジアミノレゾルシノール
またはその塩の量を基準に、一般的には5〜40重量倍
の範囲、さらには10〜20重量倍の範囲で用いるのが
好ましい。再結晶にあたっては通常、4,6−ジアミノ
レゾルシノールまたはその塩を塩酸と混合し、約10〜
100℃の温度に加熱して溶解させ、完全に溶解した状
態で必要に応じて活性炭などを用いた脱色操作を行い、
冷却して4,6−ジアミノレゾルシノールの2塩酸塩を
析出させる。冷却温度は、通常−10〜+30℃の範
囲、好ましくは0〜10℃の範囲である。析出した結晶
を濾別し、乾燥することにより、純度のよい4,6−ジ
アミノレゾルシノールの2塩酸塩が得られる。
の添加による酸析および温度降下による晶析を組み合わ
せることができる。この場合について説明する。4,6
−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩に、無酸素下、例え
ば窒素雰囲気下で、一般的には1〜20重量倍、好まし
くは3〜10重量倍の水を加え、20〜100℃、好ま
しくは40〜90℃に昇温して塩酸塩を溶解させ、必要
なら活性炭などを用いた脱色操作を行ったあと、熱時濾
過により不溶物を濾別する。濾液を、無酸素下で、−5
〜+30℃、好ましくは0〜20℃に冷却し、溶液中の
塩化水素濃度が5〜35重量%、好ましくは10〜35
重量%となるように、塩酸を滴下するかあるいは塩化水
素ガスを吹き込む。冷却操作と塩酸または塩化水素ガス
の添加操作は、逆の順序で行ってもよいし、同時に行っ
てもよい。こうして析出した結晶を濾別し、乾燥するこ
とにより、純度のよい4,6−ジアミノレゾルシノール
の2塩酸塩が得られる。
ゾルシノールまたはその塩を取り出し、精製する方法の
なかでも、上記 (1)の方法と鉱酸による晶析を組み合わ
せるのが好ましい。すなわち、水素化分解反応により生
成した4,6−ジアミノレゾルシノールを結晶化して、
アリールアミンから分離したあと、鉱酸を加えて溶解
し、晶析することによって、純度のよい4,6−ジアミ
ノレゾルシノール鉱酸塩を、効率よく得ることができ
る。またこの場合は、水素化分解反応によって生成した
アリールアミンを効率的に回収することができる。
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。例中にある部および%は、特にことわらない
かぎり重量基準である。まず、アリールジアゾニウム塩
を得るまでの例を示す。
よび35%塩酸88部を仕込み、5℃以下に冷却した。
この溶液を攪拌しながら、その中へ、アニリン36.1部
および冷水96部を加えたあと、5℃以下に保って、4
0%亜硝酸ナトリウム水溶液72.9部をゆっくりと注加
した。注加後、冷水約91部を加えて溶液の重量を48
0部とし、濃度11.2%の塩化ベンゼンジアゾニウム水
溶液を得た。
よび35%塩酸48部を仕込み、5℃以下に冷却した。
この溶液を攪拌しながら、その中へ、p−アニシジン2
6部および冷水53部を加えたあと、5℃以下に保っ
て、40%亜硝酸ナトリウム水溶液40部をゆっくりと
注加した。注加後、冷水約99部を加えて溶液の重量を
319部とし、濃度11.2%の塩化p−メトキシベンゼ
ンジアゾニウム水溶液を得た。
ニウム水溶液を用いて、レゾルシノールとのカップリン
グ反応を行い、さらにカップリング生成物を水素化分解
反応させた例を示す。
800gおよびメタノール800gを仕込み、この中
へ、レゾルシノール8.9gを加えて溶解させた。この溶
液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを1
1.5に調整した。この溶液を0〜5℃に冷却し、攪拌し
ながらその中へ、例1の方法で調製した塩化ベンゼンジ
アゾニウム水溶液220gを滴下した。この間、10%
水酸化ナトリウム水溶液も反応液中に滴下し、溶液のp
Hを11.5〜12に保った。反応終了後、塩酸を加えて
反応液を酸性とし、4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾ
ルシノールを析出させ、濾取した。濾取した結晶をジク
ロロメタンに溶解させ、水洗したあとジクロロメタン層
を濃縮して、4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノ
ール27.6g(含量70%)を得た。レゾルシノールに
対する収率は75%であった。
ニルアゾ)レゾルシノール11.2gを、メタノール12
7gおよび5%パラジウムカーボン(52%含水品)1
5.1gとともに、攪拌装置および温度計を備えたオート
クレーブ中に仕込んだ。容器内の雰囲気を水素で置換し
たあと、水素圧を3kgf/cm2・G とし、攪拌下、20〜2
5℃で反応させた。 水素の吸収が停止し、反応が終了
したところで反応雰囲気を常圧に戻し、窒素置換したの
ち、35%塩酸127gを加え、触媒を濾別した。濾液
からメタノールおよび塩酸を減圧下に留去して、4,6
−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩を含む粗結晶10.4
gを得た。粗結晶中の4,6−ジアミノレゾルシノール
2塩酸塩の含量は48%であり、4,6−ビス(フェニ
ルアゾ)レゾルシノールからの収率は95%であった。
この粗結晶を35%塩酸103gに加えて80℃まで昇
温し、溶解させた。 その後0℃まで冷却し、析出した
結晶を濾過し、乾燥して、4,6−ジアミノレゾルシノ
ール2塩酸塩3.15gを得た。高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、4,6−ジアミノレゾルシノー
ル2塩酸塩の含量は99%であり、精製収率は62.6%
であった。
ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール9.6gを、メタ
ノール150gおよび5%パラジウムカーボン(52%
含水品)2gとともに、攪拌装置および温度計を備えた
オートクレーブ中に仕込んだ。容器内の雰囲気を水素で
置換したあと、水素圧を3kgf/cm2・G とし、攪拌下、2
0〜25℃で反応させた。 水素の吸収が停止し、反応
が終了したところで反応雰囲気を常圧に戻し、窒素置換
したのち、35%塩酸50gを加え、触媒を濾別した。
濾液からメタノールおよび塩酸を減圧下に留去して、
4,6−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩を含む粗結晶
9.93gを得た。粗結晶中の4,6−ジアミノレゾルシ
ノール2塩酸塩の含量は43%であり、4,6−ビス
(フェニルアゾ)レゾルシノールからの収率は95%で
あった。これを塩酸から再結晶して、4,6−ジアミノ
レゾルシノール2塩酸塩2.7gを得た。
アリールジアゾニウム塩を用いて、レゾルシノールとの
カップリング反応を行ったものである。
ノール水溶液250mlを仕込み、この中へ、レゾルシノ
ール1.10gを加えて溶解させた。この溶液に10%水
酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを11.5に調整し
たあと、0〜5℃に冷却し、攪拌しながら、その中へ、
例1の方法で調製した塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液
25.0gを滴下した。この間、10%水酸化ナトリウム
水溶液も反応液中に滴下し、反応液のpHを11.5〜1
2.0に保った。反応終了後、反応液を高速液体クロマト
グラフィーで分析して反応生成物の組成を求め、その結
果を表1に示した。
50ml用いた以外は、例5と同様の操作で実験を行っ
た。結果を表1に示す。
同様の操作で実験を行った。結果を表1に示す。
10 M-Na2HPO4、0.05 M-NaOH および 0.05 M-KCl からな
る緩衝溶液1000mlを仕込み、この中へ、レゾルシノ
ール1.10gを加えて溶解させた。 この溶液を0〜5
℃に冷却し、攪拌しながら、その中へ、例1の方法で調
製した塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液25.0gを滴下
した。この間、10%水酸化ナトリウム水溶液も反応液
中に滴下し、溶液のpHを11.5〜12.0に保った。反
応終了後、塩酸を加えて反応液を酸性とし、粗4,6−
ビス(フェニルアゾ)レゾルシノールを濾取した。これ
を高速液体クロマトグラフィーで分析し、その結果を表
1に示した。
の反応溶液のpHおよび塩化ベンゼンジアゾニウム水溶
液滴下中の反応溶液のpHを、それぞれ表2に示すよう
に変えた以外は、例5と同様の操作で実験を行った。各
例の結果を、例5の結果とともに、表2に示す。
800g、メタノール800gおよびレゾルシノール
8.85gを仕込み、この溶液を0℃に冷却したあと、1
0%水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11.5に調整し
た。この溶液を攪拌しながら、そこへ、例1の方法によ
り調製した11.2%塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液2
10gを3時間かけて滴下した。この間、10%水酸化
ナトリウム水溶液も反応液中に滴下し、反応液のpHを
11.5〜12.0に保った。滴下が進むにつれ、反応液は
スラリー状になった。塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液
の滴下終了後、水酸化ナトリウム水溶液の滴下も止め、
0℃で1時間攪拌した。この反応液に10%塩酸を滴下
し、1時間かけて反応液のpHを3とし、さらに5℃で
12時間静置した。反応液を濾過したあと、濾紙上の固
体をメタノール400gで洗浄し、得られたウェットケ
ーキを、50℃、1mmHgの条件で6時間乾燥して、粗
4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール24.0g
を得た。高速液体クロマトグラフィーによる絶対検量線
法で分析したところ、4,6−ビス(フェニルアゾ)レ
ゾルシノールの純度は85.6%であり、2,4−ビスア
ゾ体5.9%および2,4,6−トリスアゾ体5.8%を含
有していたが、4−モノアゾ体は検知されなかった。レ
ゾルシノールを基準とした4,6−ビス(フェニルア
ゾ)レゾルシノールの収率は80.3%であった。
液の代わりに、 例2の方法により調製した11.2%塩
化p−メトキシベンゼンジアゾニウム水溶液を255g
用いた以外は、例14と同様の操作で実験を行い、4,
6−ビス(p−メトキシフェニルアゾ)レゾルシノール
を得た。結果を表3に示す。
びメタノール800gの代わりに、水180gおよびメ
タノール180gを用いた以外は、例15と同様の操作
で実験を行った。結果を表3に示す。
びメタノール800gの代わりに、水36gおよびメタ
ノール36gを用いた以外は、例15と同様の操作で実
験を行った。結果を表3に示す。
びメタノール180gの代わりに、水180gおよび
N,N−ジメチルホルムアミド180gを用いた以外
は、例16と同様の操作で実験を行った。結果を、例1
6の結果とともに表4に示す。なお、表4中の「DM
F」はN,N−ジメチルホルムアミドを表す。
びメタノール180gの代わりに、水180gおよびア
セトン180gを用いた以外は、例16と同様の操作で
実験を行った。結果を表4に示す。
800g、メタノール800gおよびレゾルシノール
8.85gを仕込み、この溶液を0℃に冷却した。溶液の
pHは5.5であった。この溶液に、例1の方法により調
製した11.2%塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液95g
を80分かけて滴下した。この間、10%水酸化ナトリ
ウム水溶液も反応液中に滴下し、反応液のpHを5〜6
に保った。塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の滴下終了
後、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、反応液の
pHを11.5に調整した。次いで、11.2%塩化ベンゼ
ンジアゾニウム水溶液115gを90分かけて滴下し、
この間、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液
のpHを11.5〜12.0に保った。塩化ベンゼンジアゾ
ニウム水溶液の滴下終了後、水酸化ナトリウム水溶液の
滴下も止め、0℃で1時間攪拌した。以下、例14と同
様の操作を行い、含量85.0%の4,6−ビス(フェニ
ルアゾ)レゾルシノール24.2gを得た。2,4−ビス
アゾ体7.3%および2,4,6−トリスアゾ体3.8%を
含有していたが、4−モノアゾ体は検知されなかった。
レゾルシノールを基準とした4,6−ビス(フェニルア
ゾ)レゾルシノールの収率は80.4%であった。
−ビス(アリールアゾ)レゾルシノール、とりわけ例1
4〜20によって固体として取り出されたものは、水素
化分解反応による4,6−ジアミノレゾルシノールまた
はその塩の製造に、有利に使用することができる。ここ
では、例16で得られた4,6−ビス(p−メトキシフ
ェニルアゾ)レゾルシノールを用いて、水素化分解反応
を行った例を示す。
トキシフェニルアゾ)レゾルシノール20gを、メタノ
ール114g、および5%パラジウムカーボン(52%
含水品)0.44gとともに、攪拌装置および温度計を備
えたオートクレーブに仕込んだ。容器内の雰囲気を水素
で置換したあと、水素圧を5kgf/cm2・Gに保ちながら、
攪拌下、40℃で反応させた。水素の吸収が停止し、反
応が終了したところで反応雰囲気を常圧に戻し、窒素置
換したのち、35%塩酸を加え、4,6−ジアミノレゾ
ルシノールを塩酸塩にして溶解させ、次いで触媒を濾別
した。濾液を高速液体クロマトグラフィーで分析したと
ころ、4,6−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩の収率
は91%であった。
4,6−ジアミノレゾルシノールを、別の方法で塩酸塩
として回収したものである。
6と同様の方法で得られた純度93.4%の4,6−ビス
(p−メトキシフェニルアゾ)レゾルシノール20g、
メタノール114g、および5%パラジウムカーボン
(52%含水品)0.44gを仕込んだ。例21と同様の
方法で反応を行い、反応が終了したところで反応雰囲気
を常圧に戻し、窒素置換したのち、窒素気流中、20℃
で、セライトを敷いたグラスフィルターにより、反応液
から、触媒と4,6−ジアミノレゾルシノールを濾過し
た。高速液体クロマトグラフィーで濾液を分析したとこ
ろ、p−アニシジンが濾液中に91%回収されていた。
で容器に移し、引き続き窒素雰囲気下で、脱気した純水
110gを加えて攪拌したのち、50℃にて35%塩酸
12gを滴下し、4,6−ジアミノレゾルシノールを塩
酸塩にして溶解させた。触媒を濾過し、濾液に35%塩
酸65gを滴下し、0℃に冷却して、4,6−ジアミノ
レゾルシノール2塩酸塩を晶析した。これらの操作は、
すべて窒素雰囲気下で行った。晶出した結晶を濾過し、
乾燥して、含量100%の4,6−ジアミノレゾルシノ
ール2塩酸塩4.4gが得られた。4,6−ビス(p−メ
トキシフェニルアゾ)レゾルシノール基準の収率は41
%であった。
例22と同様の操作を行った。p−アニシジンは87%
回収され、含量100%の4,6−ジアミノレゾルシノ
ール2塩酸塩が、4,6−ビス(p−メトキシフェニル
アゾ)レゾルシノールを基準として、66%の収率で得
られた。
ルを114g用いた以外は、例22と同様の操作を行っ
た。 p−アニシジンは93%回収され、含量100%
の4,6−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩が、4,6
−ビス(p−メトキシフェニルアゾ)レゾルシノールを
基準として、68%の収率で得られた。
gおよびトルエン76gの混合溶媒を用いた以外は、例
22と同様の操作を行った。p−アニシジンは98%回
収され、含量100%の4,6−ジアミノレゾルシノー
ル2塩酸塩が、4,6−ビス(p−メトキシフェニルア
ゾ)レゾルシノールを基準として、63%の収率で得ら
れた。
発の危険があるニトロ化合物を経由することなく、4,
6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノールから、あるい
はアリールアミンとレゾルシノールとから、4,6−ジ
アミノレゾルシノールまたはその塩を製造することがで
きる。また、こうして得られる4,6−ジアミノレゾル
シノールに特定の処理を施すことにより、4,6−ジア
ミノレゾルシノールの鉱酸塩を、高い純度で取り出すこ
とができる。さらには、この方法において4,6−ジア
ミノレゾルシノールの前駆体となる4,6−ビス(アリ
ールアゾ)レゾルシノールは、アリールアミンとレゾル
シノールとから、位置選択性よく、かつ効率的に製造す
ることができる。
Claims (14)
- 【請求項1】アリールアミンをジアゾ化して得られるア
リールジアゾニウム塩を、レゾルシノールとカップリン
グ反応させて、4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシ
ノールを得、この4,6−ビス(アリールアゾ)レゾル
シノールを、溶媒中、金属触媒の存在下に水素化分解反
応させることを特徴とする、4,6−ジアミノレゾルシ
ノールまたはその塩の製造方法。 - 【請求項2】カップリング反応を水と混和する有機溶媒
および水からなる混合溶媒中で行う請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】水と混和する有機溶媒がメタノールである
請求項2記載の方法。 - 【請求項4】カップリング反応をpH9以上で行う請求
項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】溶媒中にレゾルシノールが存在する状態
で、レゾルシノールの量を基準に0.8〜1.1モル倍のア
リールジアゾニウム塩を加えて、pH4〜13で一段目
のカップリング反応を行い、このカップリング生成物が
溶媒中に懸濁している状態で、当初のレゾルシノールの
量を基準に、一段目のカップリング反応に用いたアリー
ルジアゾニウム塩との合計量が1.8〜2.5モル倍となる
ように、さらにアリールジアゾニウム塩を加えて、pH
9〜14で二段目のカップリング反応を行う請求項1〜
3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】アリールアミンがアニリンまたはp−アニ
シジンである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】金属触媒がパラジウム系または白金系のも
のである請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】金属触媒がパラジウムカーボンである請求
項7記載の方法。 - 【請求項9】4,6−ビス(アリールアゾ)レゾルシノ
ールを、溶媒中、金属触媒の存在下に水素化分解反応さ
せることを特徴とする、4,6−ジアミノレゾルシノー
ルまたはその塩の製造方法。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の方法に
よって得られる4,6−ジアミノレゾルシノールを結晶
化して、アリールアミンから分離したあと、鉱酸を加え
て溶解し、晶析することを特徴とする、4,6−ジアミ
ノレゾルシノール鉱酸塩の製造方法。 - 【請求項11】アリールアミンをジアゾ化して得られる
アリールジアゾニウム塩を、水と混和する有機溶媒を含
む溶媒中、pH9以上でレゾルシノールとカップリング
反応させることを特徴とする、4,6−ビス(アリール
アゾ)レゾルシノールの製造方法。 - 【請求項12】溶媒が水と混和する有機溶媒および水か
らなる混合溶媒である請求項11記載の方法。 - 【請求項13】レゾルシノールに対して20〜500重
量倍の溶媒を存在させる請求項12記載の方法。 - 【請求項14】カップリング反応をpH10〜12の範
囲で行う請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
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JPH07242604A JPH07242604A (ja) | 1995-09-19 |
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Cited By (1)
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