JP2898486B2 - シート反転装置の搬送駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機や印刷機などの
画像形成装置、又はその他のシート取扱装置などに装備
されるシート反転装置内において、シートを搬送するた
めの搬送駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機または印刷機などの画像形成装
置、又はその他のシート取扱装置にあっては、印字装置
本体で片面印字されたシートを搬送途中で反転し印字装
置本体に再給紙する所謂シート反転装置を備えたものが
ある。この種のシート反転装置は、一般的には印字装置
本体の下部に配設されており、印字装置本体から排出さ
れた片面印字のシートを本装置の一端より搬入し、反転
パスを通過反転後に一旦整合部に給紙し、整合部にてシ
ートを整合した後に再給紙パスに送り込み本装置の他端
から印字装置本体に再給紙するような構造からなるもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のシ
ート反転装置内には、上記反転パス及び再給紙パスでの
シート搬送、並びに整合部でのシートの反転に伴う給排
紙搬送などを実行するための種々の搬送駆動系や、これ
らの搬送駆動系に駆動力を伝達するための駆動力伝達ユ
ニットなどが配設されている。しかしながら、上記反転
パス及び再給紙パスでのシート搬送では常に同一方向で
のシート搬送であるのに対して、整合部でのシートの給
排紙搬送では、整合部内にシートを給紙する場合と整合
部から再給紙パスにシートを排紙する場合とでは搬送方
向が逆になるなど、正逆切替可能なシート搬送を行う必
要がある。それ故、シート反転装置の小型化を達成する
ため及び搬送駆動系のメンテナンスを容易にするために
は、シート反転装置内に搬送駆動系や駆動力伝達手段を
配置する際のレイアウトが大きな問題となる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明の第１の
目的は、シート反転装置内における搬送駆動系および駆
動力伝達ユニットの配置を考慮し、正転駆動系と正逆転
駆動系とを分割配置することでメンテナンスを容易にす
ると共に、全体的にコンパクトに収めることでシート反
転装置の小型化を達成する点にある。

【０００５】また、本発明の第２の目的は、上記搬送駆
動系および駆動力伝達ユニットの配置をレイアウトする
ことによって形成される本装置内の空所を駆動力伝達ユ
ニットのドライブ制御回路の配置スペースとして利用す
ることで、ノイズ対策と共にシート反転装置の小型化を
より一層高めることにある。

【０００６】即ち、本発明に係るシート反転装置の搬送
駆動装置は、第１に、印字装置本体で片面印字されたシ
ートを本装置の一端より搬入するケーシング部と、この
ケーシング部に引き出し可能に装填されケーシング部内
に搬入されたシートを反転パスに送り込み、該反転パス
を通過反転後に再給紙パスを通って本装置の他端から印
字装置本体側へ再給紙するシート反転ユニットとを備え
るシート反転装置において、上記反転パス及び再給紙パ
スにシートを搬送するための駆動系を２分割し、シート
を常に一方向に搬送するための正転駆動系をシート反転
ユニットの一側に、シートの搬送方向が切替可能な正逆
転駆動系をシート反転ユニットの他側にそれぞれ配置す
ると共に、これら駆動系のいずれか一方の後方位置には
前記正転駆動系および正逆転駆動系のいずれに対しても
シート反転ユニットの装填時には駆動力を伝達し且つシ
ート反転ユニットの引き出し時には駆動力を遮断する駆
動力伝達ユニットをケーシング部側に配置したことを特
徴とし、

【０００７】第２に、上記反転パス及び再給紙パスにシ
ートを搬送するための駆動系を２分割し、シートを常に
一方向に搬送するための正転駆動系をシート反転ユニッ
トの一側に、シートの搬送方向が切替可能な正逆転駆動
系をシート反転ユニットの他側にそれぞれ配置すると共
に、これら駆動系のいずれか一方の後方位置には前記正
転駆動系および正逆転駆動系のいずれに対してもシート
反転ユニットの装填時には駆動力を伝達し且つシート反
転ユニットの引き出し時には駆動力を遮断する駆動力伝
達ユニットをケーシング部側に配置し、前記駆動力伝達
ユニットと対向する反対側のケーシング部に駆動力伝達
ユニットのドライブ制御回路を配置したことを特徴とす
る。

【０００８】

【作用】上述の手段によれば、ケーシング部にシート反
転ユニットを装填することによって、ケーシング部に取
り付けた駆動力伝達ユニットとシート反転ユニットの左
右側にそれぞれ配置した正転駆動系と正逆転駆動系とが
連結され、駆動系伝達ユニットの駆動によって正転駆動
系及び正逆転駆動系の両方に駆動力が伝達されるが、正
転駆動系には常時正方向の駆動力が、正逆転駆動系には
正方向と逆方向の駆動力が伝達される。

【０００９】

【実施例】以下添付図面に基づいて本発明の実施例を詳
細に説明する。図１及び図２は、画像形成装置としての
プリンタＰを示したものである。このプリンタＰは画像
を形成するためのプリンタ本体１００、このプリンタ本
体１００の下流側に配設された搬送ユニット２００、プ
リンタ本体１００の下部に組み込まれた本体装着給紙ユ
ニット３００及びその下部に配設させたシート反転装置
４００とで構成されている。尚、本体装着給紙ユニット
３００は同ユニットを２段、３段と適宜に複数段積み重
ねることも、逆に未装着で直接プリンタ本体１００とシ
ート反転装置４００を重ねることも、更にシート反転装
置４００の下部に図示せぬシート分配ユニットを自由に
組み合せることも可能である。本体装着給紙ユニット３
００及びシート反転装置４００のサブ制御手段３０１，
４０１は、各コネクタを介してプリンタ本体１００のメ
イン制御手段１０１に電気的に接続されており、このメ
イン制御手段１０１によって装着された各ユニットの構
成状態が認識され個々に適宜制御される。特に、複数段
積み重ね可能な本体装着給紙ユニット３００のサブ制御
手段３０１には、プリンタ本体１００に対し何段目であ
るかを認識し得る信号を出すように構成されているとと
もに、上部ユニットの引出しカセットが下部ユニットの
動作中に引き出されないように図示せぬロック手段がそ
れぞれ設けられている。また、上記本体装着給紙ユニッ
ト３００及びシート反転装置４００にはプリンタ本体１
００若しくは上部ユニットと装着し位置決めするための
位置決め手段３０２，４０２及び、装着順序の誤りを防
止するための装着ミス防止手段３０３，４０３が設けら
れている。更に、プリンタ本体１００の底部には本体収
納給紙ユニット５００が一体に組み込まれている。

【００１０】プリンタ本体１００は、前記本体収納給紙
ユニット５００又は本体装着給紙ユニット３００などの
給紙ユニットから繰り出されたシートを印刷するための
画像形成ユニット１０２を備えている。この画像形成ユ
ニット１０２では、給紙ユニットからシートガイド１０
３内に繰り出されたシートを搬送ローラ１０４によって
レジストローラ１０５に送り込み、レジストローラ１０
５で一旦待機させたのち画像形成ドラム１０６によって
シート上に画像を転写する。そして、さらに一対の定着
ローラ１０７の間を通すことでシートに画像を定着さ
せ、その下流側に配設された排紙ローラ１０８を介して
搬送ユニット２００に送り込む。なお、前記排紙ローラ
１０８の下流側近傍には切替可能なシート反転ガイド１
０９が配設されており、このシート反転ガイド１０９を
切り換えることによって、搬送ユニット２００とは別に
設けられたシート反転トレー１１０に裏表を逆にした状
態で排紙することもできる。

【００１１】搬送ユニット２００に送り込まれたシート
は、その先端部が排紙センサ２０１によって検出された
のち排紙中継ローラ２０２を介して排紙ローラ２０３側
に搬送され、表面を上にした状態で排紙トレー２０４上
に排紙される。また、搬送ユニット２００は、前記排紙
経路以外に再給紙経路を備えている。この再給紙経路
は、上記排紙中継ローラ２０２と排紙ローラ２０３との
間に配置した切替可能な再給紙ガイド片２０５と、この
再給紙ガイド片２０５から続く再給紙ガイド２０６と、
この再給紙ガイド２０６の先端部でシートの先端通過を
検知する再給紙センサ２０７と、再給紙排出ローラ２０
８とで構成されている。そして、前記再給紙ガイド片２
０５を切り換えることによって再給紙経路の通路を開
き、再給紙ガイド２０６内にシートを送り込む。シート
の先端部が再給紙センサ２０７によって検知されたのち
後端部が定着ローラ１０７を抜けると排紙ローラ２０３
の回転が速くなってシート搬送スピードが上がるように
なっている。再給紙ガイド２０６内を通過したシート
は、本体装着給紙ユニット３００の後部に設けられた下
方搬送ガイド部３０４内を通過したのち、シート反転装
置４００内に送り込まれる。

【００１２】なお、上述した本体装着給紙ユニット３０
０と本体収納給紙ユニット５００は、いずれもプリンタ
Ｐの前方側（図２においてプリンタ本体１００の右側）
に引き出し可能な給紙カセット３０６，５０６を有して
いる。そして、このカセット３０６，５０６は、基本的
にはシートを載置するためのシートホッパ３０７，５０
７と、シートホッパ３０７，５０７上に載置されたシー
トの前側両角部を係止する分離爪３０８，５０８と、シ
ートホッパ３０７，５０７の前側底部に配置され常時シ
ートホッパ３０７，５０７を上方へ付勢するスプリング
３０９，５０９と、このスプリング圧によって最上位の
シートに当接する給紙ローラ３１０，５１０と、分離爪
３０８，５０８の前側に形成されたシート給紙ガイド３
１１，５１１とで基本的に構成されている。そして、シ
ート給紙時には給紙ローラ３１０，５１０が選択的にシ
ート上で回転し、その摩擦力によって最上位のシートを
給紙方向に繰り出し、分離爪３０８，５０８からシート
を一枚ずつ分離させてシート給紙ガイド３１１，５１１
によりプリンタ本体１００の画像形成ユニット１０２内
に送り出す。

【００１３】シ−ト反転装置４００は、図２乃至図５に
示したように、後端部にプリンタ本体１００で片面印字
されたシートの搬入口４０５が形成された直方体状のケ
ーシング部４０６と、このケーシング部４０６に前面方
向へ引き出し可能に装填されるシート反転ユニット４０
７とで構成される。ケーシング部４０６内には、前記搬
入口４０５から前方に延びるシートの搬送パス４０８が
形成され、またケーシング部４０６の後面蓋４０９は開
放可能になっていて、前記搬入口４０５付近での紙詰ま
りを除去することができる構成となっている。

【００１４】一方、シート反転ユニット４０７は、上記
ケーシング部４０６の搬送パス４０８に接続される反転
パス４１０と、反転されたシートの幅方向を整合する整
合部４１１と、整合されたシートを本ユニットの前端部
に形成した排紙口４１２から再びプリンタ本体１００に
送り出す再給紙パス４１３とを備える。

【００１５】反転パス４１０は、ケーシング部４０６へ
の装填時に搬送パス４０８の先端部と結合する水平ガイ
ド４１４と、この水平ガイド４１４の他端側に回動可能
に軸着された上下一対の開閉ガイド４１５，４１６と、
この開閉ガイド４１５，４１６の他端部から下側に屈曲
して前記整合部４１１に続くＵ字ガイド４１７とで構成
される。そして、これら水平ガイド４１４及び開閉ガイ
ド４１５，４１６には、反転パス４１０内でシートを搬
送するための手段として搬送ローラ４１８，４１９がそ
れぞれ配設されている。これらの搬送ローラ４１８，４
１９は、それぞれに対面して配置された各ピンチローラ
４３１，４３２との間でシートを挟持して搬送するもの
であるが、図４に示したように、シート反転ユニット４
０７のサイドフレーム４３３，４３４に掛け渡された駆
動軸４３５及び従動軸４３６にそれぞれ左右一対ずつ取
り付けられている。また、前記駆動軸４３５及び従動軸
４３６の一端側にはベルト４３７が張設されており、搬
送ローラ４１８の回転する時には搬送ローラ４１９も一
緒に回転される。更に、搬送ローラ４１９の従動軸４３
６の一端側とサイドフレーム４３４の前端部近傍に設け
られた回転伝達部４３８との間にもベルト４３９が張設
されている。そして、この回転伝達部４３８は、電磁ク
ラッチ４４４を介して再給紙パス４１３に配設された排
紙ローラ４４１の従動軸４４０の一端側と連結されてお
り、前記従動軸４３６を間に介して駆動軸４３５の回転
が伝達される。

【００１６】上述のように、反転パス４１０における前
後の搬送ローラ４１８，４１９及び再給紙パス４１３４
における排紙ローラ４４１は、いずれも一方向だけの回
転であり（搬送ローラ４１８，４１９の回転方向に対し
て排紙ローラ４４１の回転方向は逆である）、これら搬
送手段を駆動するためのベルト４３７，４３９や回転伝
達部４３８などの正転駆動系は、サイドフレーム４３４
の外側に沿ったシート反転ユニット４０７の一側に配設
されている。

【００１７】上述した反転パス４１０はＵ字形を成すこ
とから、図２及び図３に示したように、その屈曲部の内
側には必然的に空間部４２０が形成される。本実施例で
はこの内側空間部４２０を利用して給紙手段４２１を配
設してある。この給紙手段４２１は、整合部４１１の入
口付近に配設された正逆回転可能な給紙ロ−ラ４２２
と、この給紙ローラ４２２にアーム部材４２３によって
連結されたピックアップローラ４２４とで構成されてい
る。また、図４に示したように、給紙ローラ４２２の駆
動軸４４７にはアーム部材４２３に対して圧接する圧縮
ばね４４５が巻装されており、給紙ローラ４２２が回転
する時にはその圧縮ばね４４５の圧接力によってアーム
部材４２３を給紙ローラ４２２の回転方向に回動させ
る。そして、このアーム部材４２３の上方向への回動規
制は、開閉ガイドの下蓋４１６の下面に突設したストッ
パ４２５によって行われる。回動時にはこのストッパ４
２５にアーム部材４２３の先端部が当接することで回動
を規制されるが、前記給紙ローラ４２２の駆動軸に装着
したトルクリミッタ４４６によって、給紙ローラ４２２
の回転を可能にしている。上記給紙ローラ４２２の駆動
軸４４７は、上述したシート反転ユニット４０７のサイ
ドフレーム４３３，４３４に両端部が支持されている
他、一端部がサイドフレーム４３３の外側に突出し、該
突出端部に正逆転駆動系を構成する被駆動ギヤ部４４９
が取り付けられている。

【００１８】上記被駆動ギヤ部４４９の後方には、正転
駆動系及び正逆転駆動系に駆動力を伝達するための駆動
力伝達ユニット４５０が配設されている。この駆動力伝
達ユニット４５０は、ケーシング部４０６に取り付けら
れており、前述の駆動系を動かすためのモータ４５１
と、正逆転駆動系の動力を作り出すための正逆転動力部
４５２と、正転駆動系の動力を作るための正転動力部４
５３とで構成される。また、モータ４５１の駆動軸には
ロータリエンコーダ４５４が取り付けてあり、前記給紙
ローラ４２２の回転量を制御している。正逆転動力部４
５２の回転軸４５５と、ケーシング部４０６の前方位置
に配置された動力伝達ギヤ部４５６との間にはベルト４
５７が掛け渡されており、図４に示したように、シート
反転ユニット４０７をケーシング部４０６に装填したと
きに、動力伝達ギヤ部４５６に正逆転駆動系の被駆動ギ
ヤ部４４９が噛み合ってモータ４５１の駆動力が伝達さ
れる。

【００１９】一方、正転動力部４５３は、前記正逆転動
力部４５２の回転軸４５５に連結されているが、この回
転軸４５５の回転方向が切り替わっても常に正方向の回
転のみを作り出す機構になっている。そして、図４に示
したように、シート反転ユニット４０７をケーシング部
４０６に装填したときに、出力側の動力伝達ギヤ部４５
８に搬送ローラ４１８の駆動軸４３５の他端に設けられ
た被駆動ギヤ部４５９が噛み合ってモータ４５１の駆動
力が伝達されることになる。

【００２０】また、この実施例では駆動力伝達ユニット
４５０と対向するケーシング部４０６の後端隅部に形成
された空間部４６０を利用して、上述したモータ４５１
の正逆転を制御したり、整合部４１１での整合動作を制
御するための制御回路基板４６１が配置されている。こ
の制御回路基板４６１は、図５及び図６に示したよう
に、ケーシング部４０６のフレーム４６２に突設された
一対のリブ４６３と、カバー４６４にも同様にして突設
されたリブ４６５との間に立てた状態で挟持されるもの
である。なお、上記リブ４６３，４６５には、制御回路
基板４６１を挟み込むための溝部４６６，４６７がそれ
ぞれ設けられている。この制御回路基板４６１は、上記
正転駆動系、正逆転駆動系及び駆動力伝達ユニット４５
０からは離れた位置に配置されるために、ノイズ対策の
点でも有効となる。

【００２１】なお、整合部４１１は、図２及び図３に示
したように、反転されたシートの両側を支持する左右一
対の整合ガイド部材４２７と、この整合ガイド部材４２
７を同距離ずつ左右逆方向に移動させる駆動制御部４２
８とで構成される。整合ガイド部材４２７は、ホームポ
ジションと、シートの両側端よりやや外側位置に退避し
てシート搬送を妨げない複数の退避ポジションと、この
退避ポジションからシートの略両側端に対応する位置ま
で移動してシートの両側を挟持する整合ポジションとを
有する。そして、シートが整合部４１１に給紙される際
には、整合ガイド部材４２７がホームポジションからシ
ートサイズに応じた一の退避ポジションに移動してシー
トの両側を支持する一方、所定位置まで給紙されると整
合ガイド部材４２７が整合ポジションまでスライド移動
してシートの両側部を挟持しシートの幅方向を整合す
る。

【００２２】また、再給紙パス４１３は、整合ガイド部
材４２７の前端部からシート反転ユニット４０７の前端
部に形成された排紙口４１２までの間に延びており、排
紙口４１２近傍には前述の排紙ローラ４４１が配設され
ている他、前記Ｕ字ガイド４１７との分岐にはパスを切
り換えるためのフラッパ４３０と排紙センサ４６８が設
けてある。

【００２３】従って、このような構成からなるシート反
転装置４００にあっては、図４に示したように、ケーシ
ング部４０６にシート反転ユニット４０７を装填したと
きに、動力伝達ギヤ部４５６に正逆転駆動系の被駆動ギ
ヤ部４４９が噛み合い、また動力伝達ギヤ部４５８に駆
動軸４３５の他端に設けられた被駆動ギヤ部４５９が噛
み合って、それぞれの駆動系にモータ４５１の駆動力が
伝達可能となる。それ故、プリンタ本体１００で片面印
字されたシートがシート反転装置４００に搬送される
と、制御回路基板４６１からのスタート信号によってモ
ータ４５１が正方向に回転し、正転駆動系への動力伝達
によって搬送ローラ４１８，４１９及び排紙ローラ４４
１が回転すると共に、正逆転駆動系にも動力伝達されて
給紙ローラ４２２が正回転する。それ故、シート反転装
置４００の後端の搬入口４０５より本装置内に搬入され
たシートは、搬送ローラ４１８，４１９の正方向への回
転によって反転パス４１０を通過し反転された状態で整
合ガイド部材４２７に給紙される。なお、整合ガイド部
材４２７には正方向に回転する給紙ローラ４２２の搬送
力によって送り込まれる。そして、シートの先端部が整
合部４１１の下方に位置する滞留センサ４６９によって
検出されるとロータリーエンコーダ４５４がスイッチン
グし、シートサイズに応じた所定回転数をカウントした
のちモータ４５１の駆動を停止する。このモータ４５１
の駆動停止によって正転駆動系および正逆転駆動系とも
モータ４５１からの駆動力伝達がストップする。

【００２４】モータ４５１には上記駆動停止から一定の
タイムラグを経たのち、制御回路基板４６１から逆転駆
動の開始信号が入り、前述とは逆方向に回転する。その
結果、駆動力伝達ユニット４５０の回転軸４５５が前述
とは逆方向に回転し、給紙ローラ４２２の駆動軸４４７
を逆方向に回転させる。この駆動軸４４７の回転に伴い
アーム部材４２３が下方向に回動し、ピックアップロー
ラ４２４を下降してピンチローラ４２６との間でシート
を挟み込む。ピックアップローラ４２４は、給紙ローラ
４２２と同一方向に回転するから、このピックアップロ
ーラ４２４によって整合部４１１からのシートの再給紙
が開始され、更に給紙ローラ４２２の搬送力によって再
給紙パス４１３内に送られる。一方、正転動力部４５３
は、上記駆動力伝達ユニット４５０の回転軸４５５の逆
回転にもかかわらず、前述と同一方向の回転が確保され
るため、正転駆動系には正方向の回転が継続される。そ
の結果、再給紙パス４１３の排紙ローラ４４１もシート
排紙方向に回転し、上記整合部４１１から再給紙パス４
１３内に送りこまれたシートの搬送を可能とする。排紙
ローラ４４１によって搬送されたシートは、再給紙パス
４１３にの先端に形成されている排紙口４１２から排出
され、本体装着給紙ユニット３００の上方搬送ガイド部
３０５を通過したのち、上述したプリンタ本体１００の
画像形成ユニット１０２に送り込まれ、今度は反対側の
面に印刷されたのち、再び搬送ユニット２００に搬送さ
れる。なお、整合部４１１から送り出されたシートの後
端部は、再給紙パス４１３に配置された排紙センサ４５
８に検出され、その検出信号に基づいてモータ４５１の
逆回転が停止する。

【００２５】なお、上記実施例では、シート反転装置４
００の反転パス４１０にシートを一枚ずつ送り込み、整
合部４１１でシートを反転・整合したのち直ちにプリン
タ本体１００に再給紙する場合について説明したが、整
合部４１１に複数枚のシートを次々に送り込み、これら
を一緒に整合したのち順次プリンタ本体１００に再給紙
するタイプのシート反転装置にも適用することができ
る。また、電磁クラッチ４４４を切ることにより、再給
紙パス４１３からプリンタ本体１００に再給紙するタイ
ミングを、シート反転装置４００でのシート反転動作と
は切り離して制御することもできる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るシー
ト反転装置の搬送駆動装置によれば、シート反転装置内
におけるシートの搬送駆動系を正転駆動系と正逆転駆動
系とに分割してシート反転ユニットの左右側に配置した
から、これら搬送駆動系のメンテナンスが容易になると
共に、搬送駆動系をコンパクトに収納することができ、
シート反転装置の小型化を達成することができた。

【００２７】また、本発明によれば、上記搬送駆動系の
配置によって形成される装置内の空所に駆動力伝達ユニ
ットのドライブ制御回路を配置したことで、搬送駆動系
や駆動力伝達ユニットとは離れた位置にドライブ制御回
路を設置することができ、装置内スペースの有効利用を
図ることができると共に、ノイズ対策の点でも改善され
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシート反転装置を備えたプリンタ
の概略斜視図である。

【図２】本発明に係るシート反転装置を備えたプリンタ
の概略断面図である。

【図３】シート反転ユニットを引き出した時の概略断面
図である。

【図４】ケーシング部内にシート反転ユニットを装填し
た時の概略平面図である。

【図５】ケーシング部からシート反転ユニットを引き出
した時の概略平面図である。

【図６】図４中、Ａ−Ａ線の概略断面図である。

【符号の説明】

１００ プリンタ本体（印字装置本体） ４００ シート反転装置 ４０６ ケーシング部 ４０７ シート反転ユニット ４１０ 反転パス ４３７ ベルト（正転駆動系） ４３８ 回転伝達部（正転駆動系） ４３９ ベルト（正転駆動系） ４４９ 被伝達ギヤ部（正逆転駆動系） ４５０ 駆動力伝達ユニット

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 83/02 B65H 85/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字装置本体で片面印字されたシートを
   本装置の一端より搬入するケーシング部と、このケーシ
   ング部に引き出し可能に装填されケーシング部内に搬入
   されたシートを反転パスに送り込み、該反転パスを通過
   反転後に再給紙パスを通って本装置の他端から印字装置
   本体側へ再給紙するシート反転ユニットとを備えるシー
   ト反転装置において、 上記反転パス及び再給紙パスにシートを搬送するための
   駆動系を２分割し、シートを常に一方向に搬送するため
   の正転駆動系をシート反転ユニットの一側に、シートの
   搬送方向が切替可能な正逆転駆動系をシート反転ユニッ
   トの他側にそれぞれ配置すると共に、これら駆動系のい
   ずれか一方の後方位置には前記正転駆動系および正逆転
   駆動系のいずれに対してもシート反転ユニットの装填時
   には駆動力を伝達し且つシート反転ユニットの引き出し
   時には駆動力を遮断する駆動力伝達ユニットをケーシン
   グ部側に配置したことを特徴とするシート反転装置の搬
   送駆動装置。
2. 【請求項２】 印字装置本体で片面印字されたシートを
   本装置の一端より搬入するケーシング部と、このケーシ
   ング部に引き出し可能に装填されケーシング部内に搬入
   されたシートを反転パスに送り込み、該反転パスを通過
   反転後に再給紙パスを通って本装置の他端から印字装置
   本体側へ再給紙するシート反転ユニットとを備えるシー
   ト反転装置において、 上記反転パス及び再給紙パスにシートを搬送するための
   駆動系を２分割し、シートを常に一方向に搬送するため
   の正転駆動系をシート反転ユニットの一側に、シートの
   搬送方向が切替可能な正逆転駆動系をシート反転ユニッ
   トの他側にそれぞれ配置すると共に、これら駆動系のい
   ずれか一方の後方位置には前記正転駆動系および正逆転
   駆動系のいずれに対してもシート反転ユニットの装填時
   には駆動力を伝達し且つシート反転ユニットの引き出し
   時には駆動力を遮断する駆動力伝達ユニットをケーシン
   グ部側に配置し、前記駆動力伝達ユニットと対向する反
   対側のケーシング部に駆動力伝達ユニットのドライブ制
   御回路を配置したことを特徴とするシート反転装置の搬
   送駆動装置。