JP2890594B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JP2890594B2
JP2890594B2 JP1548590A JP1548590A JP2890594B2 JP 2890594 B2 JP2890594 B2 JP 2890594B2 JP 1548590 A JP1548590 A JP 1548590A JP 1548590 A JP1548590 A JP 1548590A JP 2890594 B2 JP2890594 B2 JP 2890594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水性樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来より、塗料は省資源、省エネルギー、あるいは環
境公害等の面から水系へ移行が望まれている。水系にお
いても溶剤型の場合と同様、エポキシ樹脂系のものが検
討され、エポキシ樹脂を水中に分散させる方法として種
々の方法が提案されている。
水性散性を有するカチオン性の変性エポキシ樹脂とし
ては特開昭61−235476号公報に低分子量のエポキシ樹脂
をポリアミン類で変性し、後に酸で中和した比較的低分
子量のカチオン性変性エポキシ樹脂が記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記した如き樹脂を塗料用に使用する場合には、通
常、硬化性の良いアミノ樹脂やフェノール樹脂ブロック
ドポリイソシアネートなどが配合される。例えば、適切
な量のアミノ樹脂やフェノール樹脂ブロックドポリイソ
シアネートなどは、形成塗膜の諸物性を低下させること
なく硬化速度を向上させ、架橋密度が高められることに
より、必要とする塗膜硬度を得ることができる。
しかしながら、上記特開昭61−235476号公報に記載さ
れているカチオン性変性エポキシ樹脂は、低分子量の二
次元構造であるために、硬化剤等により硬化せしめても
その塗膜は耐屈曲性、耐衝撃が不充分であった。
しかも硬化に際しては高温焼付が必要であるうえに塗
膜の焼付に多量のエネルギーを要し、焼付スピードも遅
くなることが問題であった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は硬化剤により硬化せしめた際の低
温硬化性に優れ、密着性、耐食性、耐水性は勿論のこ
と、耐屈曲性、耐衝撃性のいずれにも優れた塗膜が得ら
れるカチオン性の水性樹脂を得るべく鋭意検討したとこ
ろ、三次元網目構造を有する特定の樹脂のカチオン性の
ミクロゲル体が、それ自体が水に乳化するという性質
(以下、この性質を自己乳化性という。)を有するの
で、新たに第3物質を添加しなくとも安定に水性媒体中
に分散することができ、しかも上記課題を解決すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、エポキシ樹脂(A)と、窒素原子に直
接結合した活性水素原子を少なくとも3個有する化合物
(B)とが、エポキシ樹脂(A)の全オキシラン環に対
して、化合物(B)の全活性水素原子数が過剰となる条
件で、酸性化合物(C)の存在下で付加反応させること
によって得られる三次元架橋構造を有する樹脂反応物か
らなるカチオン性のミクロゲル体が、該酸性物質(C)
により中和され、水性媒体中に分散していることを特徴
とする水性樹脂組成物(以下、単に組成物という。〕を
提供するものである。
本発明の組成物のカチオン性のミクロゲル体は、例え
ばエポキシ樹脂(A)と窒素原子に直接結合した活性水
素原子を少なくとも3個有する化合物(B)とを酸性化
合物(C)の存在下、樹脂(A)の全オキシラン環数に
対して、化合物(B)の全活性水素原子数が過剰となる
条件で付加して三次元網目構造を形成させることにより
製造される。
通常、樹脂(A)と化合物(B)との付加反応は有機
溶媒中室温〜200℃で15分〜10時間、好ましくは80〜150
℃で20分〜4時間反応することにより行われる。
勿論樹脂(A)と化合物(B)とを有機溶媒中酸性化
合物の存在しない条件で、付加させて非ゲル状の樹脂反
応物を得る第1工程と該樹脂反応物中の塩基性窒素原子
の少なくとも一部を酸性化合物(C)で中和した後該中
和物を水中に微分散する第2工程と、前記分散液中に含
まれる樹脂分散体に残存するオキシラン環と、窒素原子
に直接結合した活性水素原子(通常この活性水素原子
は、第1級アミノ基又は第2級アミノ基である。)とを
該分散液中で更に反応を進めることにより該樹脂分散体
をミクロゲル体とする第3工程、からなる製造方法も適
用できる。いずれの製造方法にせよ、樹脂(A)と化合
物(B)との酸性化合物(C)存在下における反応は、
適当な有機溶媒(例えば、反応に用いている有機溶媒が
挙げられる。)に溶解することができ、分子量を測定す
ることのできる実質的に三次元網目構造が形成されてい
ない状態(この状態が非ゲル状態である。)を経て、反
応に用いている有機溶媒に溶解しない三次元網目構造が
形成された(この状態がゲル状態である。)ミクロゲル
体が形成される。このミクロゲル体は、加温状態で有機
溶媒に膨潤もしくは、オイルインオイルの状態で分散さ
れ、流動性を保ち付加反応が完結される。非ゲル状態か
らゲル状態への変化は必らずしも経時的徐々に起こるわ
けではなく、突然起こる場合がある。
非ゲル状態からゲル状態への変化が急激に起こりやす
い反応組成の場合には、上記後者の方法でミクロゲル体
を製造することが好ましい。
本発明に係るミクロゲル体の製造に用いるエポキシ樹
脂(A)は特に限定されるものではなく、分子中に少な
くとも2個のオキシラン環を有する樹脂であればよい。
エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノール
ジグリシジルエーテル型、テトラブロモビスフェノール
ジグリシジルエーテル型、ヘキサヒドロビスフェノール
ジグリシジルエーテル型、ポリプロピレングリコールジ
クリシジルエーテル型、ダイマー酸ジグリシジルエステ
ル型、ノボラックポリグリシジルエーテル型等の芳香族
系、脂肪族系、脂肪族系各種のエポキシ樹脂が挙げられ
る。
これらエポキシ樹脂の中でも芳香族系エポキシ樹脂が
好ましく、中でもエポキシ当量が450以上のビスフェノ
ールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好まし
く、特にエポキシ当量800〜4500のビスフェノールAジ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
即ち、エポキシ樹脂の構造は線状であると目的とする
樹脂反応物が凝集しにくく、製造上も性能上もビスフェ
ノール構造を有していることが好ましい。エポキシ当量
即ち、分子量は大きいことが性能的に好ましいが、分子
量が余り大きくなると反応溶媒である有機溶剤に溶けに
くくなるので適宜選択して用いることが好ましい。
また必要に応じて分子中に2個未満しかオキシラン環
を有さないエポキシ化合物を併用してもよい。市販のエ
ポキシ樹脂は、通常分子中に2個以上のオキシラン環を
有するエポキシ樹脂を主成分とした、2個未満のオキシ
ラン環を有するエポキシ化合物との混合物であるが、こ
れらも勿論使用できる。しかしながらこの混合物はオキ
シラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を必須として含
んでいるものが好ましく、一方、窒素原子に直接結合し
た活性水素原子を少なくとも3個有する化合物(B)と
しては、例えばアミノ基として第1級アミノ基又は第2
級アミノ基を有する化合物が挙げられる。
化合物(B)が第1級アミノ基のみを有する化合物の
場合、第1級アミノ基は少なくとも2個必要であり、第
1級アミノ基と第2級アミノ基を有する化合物の場合
は、それぞれのアミノ基を少なくとも1個ずつ有してい
る必要があり、第2級アミノ基のみを有する化合物の場
合は、第2級アミノ基は少なくとも3個必要である。
化合物(B)は低分子化合物と高分子化合物に大別さ
れる。
化合物(B)群中の低分子化合物〔以下、化合物
(B)群中の低分子化合物をポリアミンという。〕とし
ては例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノブタン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、イミノ
ビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミ
ン、ビス−(3−アミノプロピル)−エーテル、1,2−
ビス−(3−アミノプロポキシ)−エタン、1,3−ビス
−(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパ
ン、4,4′−ジアミノシクロヘキシルメタン、1,3−ビス
−アミノメチルシクロヘキサン、ビス−メチル−アミノ
シクロヘキシルメタン、α,ω−ビス−(3−アミノプ
ロピル)ポリエチレングリコールエーテル、N−アミノ
エチルピペラジン、1,4−ビス−アミノプロピルピペラ
ジン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザ
デカン−1,10−ジアミン、3,9−ビス−(3−アミノプ
ロスピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン、ジメチルフェニルジアミン、キシリレンジア
ミン等のポリアミン、上記ポリアミンとアクリル酸アル
キルエステル、アクリロニトリル等のアクリルモノマー
とのマイケル付加物等が、高分子化合物としては例え
ば、上記ポリアミンとフェノール類とホルムアルデヒド
供給物質とから得られるマンニッヒ型ポリアミン樹脂、
上記ポリアミンとポリカルボン酸とから得られるポリア
ミド樹脂、上記ポリアミンとポリオールとポリイソシア
ネートとから得られるポリウレタンポリ尿素樹脂、等が
挙げられる。
化合物(B)としては、耐衝撃性と耐屈曲性に優れる
点で高分子化合物が好ましい。高分子化合物としては、
上記したポリアミド樹脂、中でも上記ポリアルキレンポ
リアミンとポリカルボン酸を必須成分として縮合せしめ
て得られる末端第1級アミノ基のポリアミド樹脂が好ま
しく、中でも数平均分子量が600〜10000でかつアミン価
が100〜500KOHmg/g(実測値)であることがより好まし
く、数平均分子量が800〜6000でかつアミン価(実測
値)が150〜400KOHmg/gであることが特に好ましい。
化合物(B)群中の高分子化合物の製造に当っては従
来公知の方法がいずれも採用できる。
化合物(B)群中の高分子化合物を製造する際に用い
る原料は特に限定されるものではなく、製造するに当っ
ては、上記したポリアミンの他、以下の如き原料が例え
ば挙げられる。
ジカルボン酸 アジピン酸、セバチン酸、デカン酸、ドデカン酸、フ
タル酸、マレイン酸、ダイマー酸、両末端にカルボキシ
ル基を有するポリエステル、ポリエーテル等。
脂肪酸 トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等。
化合物(B)には必要に応じて窒素原子に直接結合し
た活性水素原子を3個未満しか有さない化合物を併用し
てもよい。
窒素原子に直接結合した活性水素原子を3個未満しか
有さない化合物としては例えば、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルア
ミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミ
ン、ピロリジン、ピペリジン、ピペコリン、N−アミノ
エチルピペコリン、N−アミノプロピルピペコリン、モ
ルホリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプ
ロピルモルホリン、N−アミノエチルピペリジン、N−
アミノプロピルピペリジン、1,3−ジ−(4−ピペリジ
ル)−プロパン、メチルアミン、エチルアミン、n−プ
ロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン
等が挙げられる。
化合物(B)と、窒素原子に直接結合した活性水素原
子を3個未満しか有さない化合物を併用する場合には、
化合物(B)を主成分として用いることが好ましく、そ
れらの混合物の平均活性水素原子数が2を越えるように
調製されたものを用いることが特に好ましい。
また組成物(I)中のミクロゲル体の製造時に用いる
酸性化合物(C)は特に限定されるものでなく、無機
酸、有機酸を問わないが、有機酸が好ましい。有機酸と
してはモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸
が挙げられるが、モノカルボン酸が特に好ましい。モノ
カルボン酸としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ステアリン酸、安息香
酸、乳酸等が挙げられるが、本発明の組成物を熱硬化性
塗料用として用いる場合は、揮発性のモノカルボン酸で
ある蟻酸、酢酸、プロピオン酸が好ましく、カチオン電
着塗料用として用いる場合には、非揮発性のモノカルボ
ン酸を用いてもよい。
酸性化合物(C)の使用量は、化合物(B)の活性水
素原子が直接結合した窒素原子を中和するのに必要な酸
性化合物(C)の重量の30重量パーセント以上、中でも
30〜250重量パーセントとなる量が好ましい。
酸性化合物(C)の使用量が30重量%以上であると反
応中に樹脂反応物が凝集しにくくなり、目的とするミク
ロゲル体も安定的に得ることができる。また不必要に過
剰に酸性化合物(C)を使用することは無意味であり、
錆の発生原因、臭気の原因になる。
ミクロゲル体の製造時に用いる有機溶媒は特に限定さ
れるものではなく、例えばメタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
sev−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、その他ジオキサン、ジメチル
ホルムアミド、ダイアセトンアルコール等の親水性有機
溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等
の親油性有機溶媒が挙げられる。これらは単独使用でも
二種以上を併用してもよく、溶剤組成は溶解性パラメー
ターδ=8.5〜14.5の範囲内で、反応中に樹脂反応物及
びミクロゲル体を凝集しないことが必要で、反応系内が
できるだけ低粘度になる組成が好ましい。その組成はエ
ポキシ樹脂(A)、化合物(B)及び酸性化合物(C)
の組成割合によって適宜選ばれる。必要に応じて水と前
記有機溶媒を併用しても良い。
n−ブタノール又はそれとトルエンの混合溶媒はミク
ロゲル体を凝集させることなく、該ミクロゲル体を分散
せしめた水性媒体中からの除去も比較的容易であるので
特に好ましい。
尚、n−ブタノールの溶解性パラメーターは8.9、n
−ブタノールとトルエンの混合溶媒の溶解性パラメータ
ーは8.9〜11.4である。
ミクロゲル体の製造時における樹脂(A)と化合物
(B)との反応割合、即ちオキシラン環と活性水素原子
との官能基比率としては、樹脂(A)の全オキシラン環
数に対して、化合物(B)の全活性水素原子数が過剰と
なる条件で行えばよい。より具体的には、〔オキシラン
環/化合物(B)の窒素原子に直接結合した活性水素原
子〕の値が、1/1.5〜1/25、中でも1/2.0〜1/20であるこ
とが好ましい。但し、ここでいう化合物(B)の窒素原
子に直接結合した活性水素原子の値は、実測アミン価を
基にして計算されるものをいう。
樹脂(A)と化合物(B)との反応の進行は、反応の
初期においては、反応系の粘度の上昇、オキシラン環の
消費量を測定することによって追跡することができる。
しかしながら反応系内にミクロゲル体が生成すると、
このミクロゲル体は反応溶媒に対して不溶性であるため
オキシラン環の残存量は、赤外線吸収スペクトル(IR)
ないしはフーリエ変換赤外線吸収スペクトル(FT−IR)
等で測定しなければならなくなる。それ以外の方法とし
ては、反応の途中で樹脂(A)と化合物(B)との樹脂
反応物の一部をとって乾燥し、得られた樹脂フィルム
が、反応に用いている有機溶媒に不溶になるまで反応を
行うと方法が挙げられる。反応開始から、樹脂反応物が
反応に用いた有機溶媒に不溶となるまでの時間を測定し
ておけば、それにより反応の終点を決定することもでき
る。
この様にして得られたミクロゲル体にイオン交換水を
適当量加えて攪拌することにより、水性媒体中に分散し
たミクロゲル体を得ることができる。
必要に応じてミクロゲル体の製造時に用いた有機溶媒
は蒸留除去することができる。
ミクロゲル体が水性媒体中に分散した組成物には更に
酸性化合物(C)を加えてもよい。
本発明の組成物には必要に応じて、硬化剤、顔料、フ
ィラー、流動性調節剤、消泡剤、粘着付与剤、難燃剤、
酸化防止剤およびその他の添加剤を添加してもよい。
又、組成物には、アクリル系樹脂エマルジョン、ポリ
エステル系樹脂エマルジョン、ポリウレタン系樹脂エマ
ルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス等の
合成樹脂水性分散液を添加してもよい。
本発明の組成物中に含有する三次元網目構造を有する
カチオン性のミクロゲル体は自己乳化性を有しており、
従来のカチオン系乳化剤と同様に使用することもできる
ので、該ミクロゲル体が分散している水性媒体中で、単
量体を乳化重合することができる。
本発明の組成物中のミクロゲル体は、水性媒体中で凝
集や沈降のない水性分散液の形で得ることができる。
この組成物はミクロゲル体が分散相で、水が連続相で
ある二相系であることはまちがいなく、目で観察する
と、淡黄色〜茶褐色の透明、半透明または不透明であ
り、ミクロゲル体の分散状態が良好なもは蛍光である。
組成物中のミクロゲル体の平均粒子直径は、いずれも
一般に10μm以下、好ましくは5〜0.01μmである。水
性媒体中のミクロゲル体の固形分濃度は該組成物の最終
用途により決まるものであり、制限されるものではない
が、例えば、組成物のミクロゲル体固形分含量は、好ま
しくは、0.5重量%以上、通常約0.5〜50重量%である。
本発明の組成物には、必要に応じて硬化剤、顔料、フ
ィラー、流動性調節剤、消泡剤、粘着賦与剤、難燃剤、
酸化防止剤およびその他の添加剤を添加して用いても差
し支えない。
顔料としては従来の顔料がいずれも使用でき、例え
ば、酸化鉄類、酸化鉛類、クロム酸ストロンチウム、カ
ーボンブラック、コールダスト、二酸化チタン、タル
ク、硫酸バリウム、カドミウムイエロー、カドミウムレ
ッド、クロミウムイエロー等の色顔料が挙げられる。顔
料対組成物のミクロゲル体固形分の重量比は通常0.02〜
1:1である。
また、酢酸鉛の如き可溶性鉛を組成物に加えてもよ
い。
本発明の組成物はフローコート、ディップコート、ス
プレコート、ロールコート、電着コート等各種の方法で
基材へ塗布することができる。
基材は特に限定されるものではなく、導電性基体、例
えば鉄、スチール、アルミニウム、銅、マグネシウム等
の金属、金属化プラスチック、導電性カーボン被覆物
質、ガラス、木材、繊維、コンクリート、モルタル、羊
毛およびプラスチックの如き金属、非金属、有機物、無
機物等を挙げることができその形状も特に制限されるも
のではない。
本発明の組成物は、常温乾燥、強制乾燥あるいは100
〜300℃で30秒〜30分加熱乾燥を行なうことにより、屈
曲性に優れた皮膜を得ることができる。
本発明の組成物は、例えば硬化剤(F)を併用するこ
とにより塗料用により好適な、熱硬化性樹脂組成物を与
えることが出来る。ここで用いることのできる硬化剤
(F)は特に限定されるものではなく、公知慣用の硬化
剤、ユリア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルム
アルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ブロックド
ポリイソシアネート等が例示される。硬化剤(F)の使
用量は組成物のミクロゲル体の固形分100重量部に対し
て30重量部以下、なかでも2〜20重量部が好ましい。
又、本発明の組成物はカチオン電着塗料用の樹脂組成
物としても用いることができる。
例えば本発明の組成物を導電性アノードと被塗装面が
カソードである導電性カソードに接触させ、次いで該電
極間に十分な電圧をかければカソード面に本発明組成物
中のミクロゲル体の塗膜形成せしめることができる。カ
チオン電着塗装を行う際の条件は、従来のカチオン電着
塗装の条件と同じである。印加電圧は特に限定されるも
のではないが、通常1〜6000ボルト中でも50〜500ボル
トが好ましい。電流密度も特に限定されないが通常0.5
〜15アンペア/平方フイートであり、その値は電着塗装
作業中にミクロゲル体の絶縁塗膜が形成されるにつれ減
少していく傾向にある。
本発明の組成物は、カチオン電着塗装およびその他の
塗装により基材にそのミクロゲル体塗膜を形成せしめた
後に、必要に応じて更に90〜300℃で、30秒〜30分焼き
付け硬化することが好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明する。
特に断わりのない限り「部」、「%」は重量基準であ
る。
合成例1〔窒素原子に直接結合した活性水素原子を少な
くとも3個有する化合物(B)の合成〕 コンデンサー、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入
管、攪拌機を装着したフラスコを窒素置換し、Versadym
e 216(ヘンケル白水社製炭素数36のダイマー酸、固形
分100%)475部、トール油脂肪酸200部及びテトラエチ
レンペンタミン365部を仕込み、攪拌しながら145℃まで
昇温し、同温度を30分間保持した後、更に1.5時間かけ
て240℃まで昇温し、同温度を3時間保った。次いで減
圧下で15分脱水を進め、冷却し、アミン価270KOHmg/g、
数平均分子量(以下、nという。)=900(計算値)
のポリアミド樹脂B−1を得た。
合成例2〔同上〕 合成例1と同様の反応装置にVersadyme 216 290部、
アジピン酸73部、トリエチレンテトラミン161部を仕込
み、攪拌しながら145℃まで昇温し、同温度を30分保持
した後、更に1.5時間かけて220℃まで昇温し、同温度を
3時間保った。次いで減圧下で1時間脱水を進め、冷却
し、アミン価201KOHmg/g、n=4900(計算値)のポリ
アミド樹脂B−2を得た。
合成例3〔同上〕 合成例1と同様の反応装置にVersadyme 216 580部、
トリエチレンテトラミン263部を仕込み、攪拌しながら1
45℃まで昇温し、同温度を30分保持した後、更に1.5時
間かけて220℃まで昇温し、同温度を3時間保った。次
いで減圧下で1時間脱水を進め、冷却し、n−ブタノー
ル639部、エピクロン850(大日本インキ化学工業社製ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
エポキシ当量:189)151部を加えて100℃で3時間反応さ
せ、アミン価202KOHmg/g、n=2400(計算値)の、ポ
リアミド樹脂とエポキシ樹脂とからなる非ゲル状の樹脂
反応物の60%n−ブタノール溶液B−3を得た。
合成例4〔同上〕 合成例1と同様の反応装置にVersadyme 216 348部、
アジピン酸58.4部、トリエチレンテトラミン170.8部を
仕込み、攪拌しながら145℃まで昇温し、同温度を30分
保持した後、更に1.5時間かけて220℃まで昇温し、同温
度を3時間保った。次いで減圧下で1時間脱水を進め、
冷却しアミン価227KOHmg/g、n=3200(計算値)のポ
リアミド樹脂B−4を得た。
合成例5〔同上〕 合成例1と同様の反応装置にアジピン酸481部及びト
リエチレンテトラミン519部を仕込み、攪拌しながら145
℃まで昇温し、同温度に30分保った後、更に1.5時間か
けて220℃まで昇温し、同温度に3時間保った。次いで
減圧下で2時間脱水を進め、冷却し、アミン価385KOHmg
/g、n=3300(計算値)のポリアミド樹脂B−5を得
た。
実施例1〔水性樹脂組成物(I)の合成〕 コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を装
着したフラスコを窒素置換した後、これにn−ブタノー
ル96部を仕込み、リフラックス温度に昇温してエピクロ
ン9155(大日本インキ化学工業製ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、エポキシ当量4000)
120部を投入溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸21.4
部を加えて均一に混合した。次にその攪拌されているフ
ラスコに上記合成例1のポリアミド樹脂B−1の80部を
添加し、105℃を2時間保持した後、90℃以下に冷却し
た。この樹脂反応物は、赤外線吸収スペクトルの測定か
らオキシラン環の吸収が消失しており、エポキシ樹脂が
完全に反応していることがわかった。
次いでこの樹脂反応物にイオン交換水682.6部を加え
て水性樹脂組成物を得た。この水性樹脂組成物を減圧蒸
留してn−ブタノールを除き不揮発分30.5%、粘度178c
ps、pH5.9の黄色で蛍光を呈する水性樹脂組成物(I)
−1を得た。
上記組成物(I)−1をガラス板上に展開し、乾燥し
て、樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを再度n−
ブタノール中に溶解させようと試みたが、全く溶解しな
かった。
このことから、組成物(I)中に分散している樹脂は
三次元網目構造を有する樹脂反応物のミクロゲル体であ
ることがわかった。
実施例2〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール224部を仕込
み、リフラックス温度に昇温して、エピコート1010(油
化シエルエポキシ製ビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、エポキシ当量3800)280部を投入
溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸28部を加えて均一
に混合した。次にその攪拌されているフラスコに上記合
成例2のポリアミド樹脂B−2の120部、n−ブタノー
ル280部を加え、105℃を30分保持した後、イオン交換水
2468部を徐々に加え80℃で3時間保持し反応を継続し
た。次いで冷却してオキシラン環が残留していないのを
確認した後、減圧蒸留してn−ブタノールを除き不揮発
分23%、粘度59cps、pH5.7の茶褐色で蛍光を呈する水性
樹脂組成物(I)−2を得た。
上記組成物(I)−2から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールに不溶であり、組成物(I)−2中の樹脂
反応物はミクロゲル体であることがわかった。
実施例3〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール176部を仕込
み、リフラックス温度に昇温しエピクロン9055(大日本
インキ化学工業社製ビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、エポキシ当量2600)220部を投入
溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸39部を加えて均一
に混合した。次にその攪拌されているフラスコに上記合
成例3のポリアミド樹脂とエポキシ樹脂とからなる非ゲ
ル状の樹脂反応物B−3の180部、n−ブタノール150部
を加え105℃に2時間保持した。次いで冷却してオキシ
ラン環が残留していないのを確認した後、それにイオン
交換水1260部を加えて減圧蒸留し、n−ブタノールを除
き不揮発分18%、粘度13cps、pH5.7の黄土色で蛍光を呈
する水性樹脂組成物(I)−3を得た。
上記組成物(I)−3から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールに不溶であり、組成物(I)−3中の樹脂
反応物はミクロゲル体であることがわかった。
実施例4〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール256部、エピ
コート1010の380部を仕込み、リフラックス温度に昇温
しエポキシ樹脂を溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸
39部を加えて均一に混合した。次にその攪拌されている
フラスコに上記合成例4のポリアミド樹脂B−4の80
部、トルエン286部を添加し、95℃にて3時間保ちオキ
シラン環が残留していないことを確認して、イオン交換
水1020部を加えて水性樹脂組成物を得た。イオン交換水
1500部を更に加えて、n−ブタノール、トルエンを減圧
蒸留で除いて不揮発分20%、粘度10cps、pH4.2の茶色で
蛍光を呈する水性樹脂組成物(I)−4を得た。
上記組成物(I)−4から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールとトルエンの混合溶媒に不溶であり、組成
物(I)−4中の樹脂反応物はミクロゲル体であること
がわかった。
実施例5〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール231部、エピ
コート1010の280部を仕込み、リフラックス温度に昇温
しエポキシ樹脂を溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸
30部を加えて均一に混合した。次にその攪拌されている
フラスコに上記合成例4のポリアミド樹脂B−4の120
部、トルエン701部を添加し、95℃にて3時間保ちオキ
シラン環が残留していないことを確認して、イオン交換
水1138部を加えた。イオン交換水2750部を更に加えて、
n−ブタノール、トルエンを減圧蒸留で除いて不揮発分
23%、粘度70cps、pH5.2の茶色で蛍光を呈する水性樹脂
組成物(I)−5を得た。
上記組成物(I)−5から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールとトルエンの混合溶媒に不溶であり、組成
物(I)−5中の樹脂反応物はミクロゲル体であること
がわかった。
実施例6〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール236部、エピ
コート1010、210部を仕込み、リフラックス温度に昇温
しエポキシ樹脂を溶解せしめた後、90℃に冷却し、蟻酸
26部を加えて均一に混合した。次にその攪拌されている
フラスコに上記合成例4のポリアミド樹脂B−4の140
部、トルエン115部を添加し、95℃にて3時間保ち、オ
キシラン環が残留していないことを確認して、イオン交
換水1023部を加えた。イオン交換水980部を更に加え
て、n−ブタノール、トルエンを減圧蒸留で除いて、不
揮発分18%、粘度390cps、pH5.7の茶色で蛍光を呈する
水性樹脂組成物(I)−6を得た。
上記組成物(I)−6から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールとトルエンの混合溶媒に不溶であり、組成
物(I)−6中の樹脂反応物はミクロゲル体であること
がわかった。
実施例7〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール202部を仕込
み、リフラックス温度に昇温し、エピクロン9155の140
部をこれに投入溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸10
部を加えて均一に混合した。次にその攪拌されているフ
ラスコに上記合成例1のポリアミド樹脂B−1の60部を
添加し、105℃に2時間保持した後、90℃以下に冷却
し、オキシラン環が残留していないことを確認して、イ
オン交換水588部を加えた。更にこれを減圧蒸留してn
−ブタノールを除き、不揮発分44%、粘度28000cps、pH
7.5の黄色で蛍光を呈する水性樹脂組成物(I)−7を
得た。
上記組成物(I)−7から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールに不溶であり、組成物(I)−7中の樹脂
反応物はミクロゲル体であることがわかった。
実施例8〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール132部、エピ
クロン7050(大日本インキ化学工業社製エポキシ樹脂、
エポキシ当量1900)120部を仕込み、リフラックス温度
に昇温しエポキシ樹脂を溶解せしめた後、90℃に冷却
し、酢酸19.5部を加えて均一に混合した。次にその攪拌
されているフラスコに上記合成例4のポリアミド樹脂B
−4の80部とトルエン66部を添加し、95℃にて3時間保
ち、この後冷却してオキシラン環が残留していないこと
を確認して、イオン交換水を583部を加えて水性樹脂組
成物を得た。イオン交換水563部を更に加えて、n−ブ
タノール、トルエンを減圧蒸留で除いて、不揮発分25
%、粘度235cps、pH5.2の茶色で蛍光を呈する水性樹脂
組成物(I)−8を得た。
上記組成物(I)−8から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールに不溶であり、組成物(I)−8中の樹脂
反応物はミクロゲル体であることがわかった。
実施例9〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール66部、トルエ
ン30部を仕込み、リフラックス温度に昇温し、エピクロ
ン4050(大日本インキ化学工業社製エポキシ樹脂、エポ
キシ当量950)120部を投入溶解せしめた後、90℃に冷却
し、酢酸19.5部を加えて均一に混合した。次にその攪拌
されているフラスコに上記合成例4のポリアミド樹脂B
−4の80部、n−ブタノール66部、トルエン174部を加
え、100℃に1時間保持した後、イオン交換水2468部を
徐々に加え80℃に3時間保持し反応を継続した。次いで
冷却してオキシラン環が残留していないのを確認した
後、更にイオン交換水924部を加え、n−ブタノール、
トルエンを減圧蒸留で除いて、不揮発分21%、粘度56cp
s、pH5.4の茶色で蛍光を呈する水性樹脂組成物(I)−
9を得た。
上記組成物(I)−9から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールとトルエンの混合溶媒に不溶であり、組成
物(I)−9中の樹脂反応物はミクロゲル体であること
がわかった。
実施例10〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール112部を仕込
み、リフラックス温度に昇温してエピコート1010〔油化
シェルエポキシ(株)製ビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、エポキシ当量3800)140部を
投入溶解せしめた後、90℃に冷却し、酢酸9.7部を加え
て均一に混合した。次にその攪拌されているフラスコに
上記合成例1のポリアミド樹脂B−1の60部及びn−ブ
タノール90部を加え、105℃にて2時間保持した。ここ
で上記樹脂反応物の一部をとり、冷却してオキシラン環
が残留していないのを確認した。上記樹脂反応物を90℃
まで冷却した後、イオン交換水588部を加え、攪拌混合
してn−ブタノールと水の混合媒体中に分散せしめ、更
にイオン交換水を加えた後、n−ブタノールを減圧蒸留
で除いて、不揮発分31%、粘度110cps、pH5.7の黄色で
蛍光を呈する水性樹脂組成物(I)−10を得た。
上記組成物(I)−10から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールに不溶であり、組成物(I)−10中の樹脂
反応物はミクロゲル体であることがわかった。
実施例11〔同上〕 実施例1と同様の装置にn−ブタノール128部を仕込
み、リフラックス温度に昇温してエピコート1010〔油化
シェルエポキシ製ビスフェノールAグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、エポキシ当量4000)160部を投入溶解
せしめた後、90℃まで冷却し、n−ブタノール121部、
トルエン41部及び酢酸9.8部を加えて均一に混合した。
次にその攪拌されているフラスコに上記合成例5のポリ
アミド樹脂B−5の40部を加え、105℃にて2時間保持
した。ここで上記樹脂反応物の一部をとり、冷却してオ
キシラン環が残留していないのを確認した。上記樹脂反
応物を90℃まで冷却した後、イオン交換水620部を加え
攪拌混合してn−ブタノール、トルエン、水の混合媒体
中に分散せしめ、更にイオン交換水を加えた後、n−ブ
タノール及びトルエンを減圧蒸留で除いて、不揮発分30
%、粘度70cps、pH8.0の茶褐色で蛍光を呈する水性樹脂
組成物(I)−11を得た。
上記組成物(I)−11から得られた樹脂フィルムはn
−ブタノールとトルエンの混合溶媒に不溶であり、組成
物(I)−11中の樹脂反応物はミクロゲル体であること
がわかった。
実施例15〜26及び比較例1〔水性樹脂組成物の塗膜物
性〕 実施例1〜14で合成した水性樹脂組成物(I)−1〜
(I)−11の所定量に硬化剤を第1表に示す量混合した
もの及び後記するカチオン性エポキシ樹脂組成物を各々
ボンデライト144処理鋼板(0.8mm厚)に膜厚20μmとな
る様に塗布し、120℃で20分間乾燥焼付を行った。
尚、後記するカチオン性エポキシ樹脂組成物は120
℃、20分間では充分な塗膜が得られず、180℃、20分で
はじめて評価可能な塗膜となったのでこの条件での塗膜
物性を示した。
カチオン性エポキシ樹脂組成物 エピクロン4050(大日本インキ化学工業製ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂エポキシ当
量910)100部をエチルセロソルブ47部に溶解させジエチ
ルアミン8部を加え105℃で2時間反応させエポキシ変
性樹脂155部得た。
一方、トルエンジイソシアネート174部にブチルセロ
ソルブ118部を110℃で2時間反応させ、次いでジエタノ
ールアミン35部及びジブチル錫ジアセテート0.05部を加
えて110℃で2時間反応させエチルセロソルブ140部を加
えてブロックドポリイソシアネート467部(固型分70
%)を得た。
このブロックドポリイソシアネート147部を先に得た
エポキシ樹脂変性物155部に加え、酢酸5部で中和した
後、イオン交換水138部を用いて希釈しカチオン性エポ
キシ樹脂組成物を得た。
上記エポキシ変性樹脂をガラス板上に展開し、乾燥し
て、樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを再度エチ
ルセロソルブに浸漬したところ、溶解してしまった。
この様にして得られた塗膜の物性をJIS K−5400に基
いて測定した。その結果を第1表に併せて示した。
以下、評価方法につき具体的に説明する。
1)鉛筆硬度 各種の硬度を有する鉛筆を塗膜に対して45°の角度に
当て一定の力で押した後、どの硬さで塗膜にキズがつい
たかを目視で観察し、キズのつく前の硬さでもって表示
した。
2)密着性(ゴバン目密着試験) 塗膜に100個の1mm×1mmのゴバン目を鋼板に至る深さ
で切り込みを入れ、セロハンテープをはり、いきおいよ
くはがした時に鋼板上にいくつのゴバン目を残っている
かを目視で観察した。
3)耐食性(ソルトスプレー試験) 塗膜のついた鋼板に2つの対角線が交差する様に鋼板
に至る深さまで塗膜に切り込みを入れ、35℃、5%の食
塩水を240時間噴霧した後の塗面の外観を目視で観察し
た。
評価基準 ◎:異常なし △:若干点錆発生 ×:塗面の30%以上に錆が発生 4)耐水性 塗膜のついた鋼板を40℃のイオン交換水に240時間浸
漬した後の塗面の外観を目視で観察した。
評価基準は耐食性のそれを準用した。
5)衝撃性 塗膜のついた鋼板を直径0.5インチの半球状の穴があ
いた金属製の台の上に乗せ直径0.5インチの半球が先端
についた金属製の棒を垂直に立て、この棒上に50cmの高
さから1kgの分銅を落下させた時に、塗膜に亀裂が入っ
たり、塗膜が鋼板からはがれないかを目視で観察した。
評価基準 ◎:異常なし ×:亀裂が発生 6)屈曲性 鋼板の塗膜のついた面を下向きにして置き、その真中
に直径2mmφの金属棒を置いて、それを中心にしてブリ
キ板を2つに折り曲げ、塗膜に亀裂が入ったり、塗膜が
鋼板からはがれないかを目視で観察した。
評価基準 ◎:異常なし ×:亀裂が発生 7)屈曲性 ボンデライト 144処理鋼板の代わりに、表面を研磨し
たブリキ板(0.32mm厚)を用い、前記したのと同じ条件
で焼付を行った。
このブリキ板の塗膜のついた面を下向きにして置き、
その真中に直径2mmφの金属棒を置いて、それを中心に
してブリキ板を2つに折り曲げる。次いで、この金属棒
を取り除き、ブリキ板(0.32mm厚)をはさんだ。
次にブリキ板をはさんだU字型の塗膜つきブリキ板を
台上にねかせ、その折り曲げ部分の50cmの高さから1kg
の分銅を落下させる。その時、折り曲げ部分の塗膜に亀
裂が入ったり、塗膜がブリキ板からはがれないかをルー
ペで観察した。
尚、ブリキ板を2枚はさむという条件から試験を行
い、1枚、0枚とブリキ板を減らしていって、塗膜に亀
裂が入ったり、塗膜の剥離が起きたその前のT値をもっ
て表示した。
評価基準 0T:ブリキ板をはさまない状態で分銅を落下させても亀
裂や剥離が起こらない。
1T:ブリキ板を1枚はさんだ状態で分銅を落下させても
亀裂や剥離が起こらない。
(0Tで亀裂又は剥離が起こった。) 2T:ブリキ板を2枚はさんだ状態で分銅を落下させても
亀裂や剥離が起こらない。
(1Tで亀裂又は剥離が起こった。) >2T:ブリキ板を3枚はさんだ状態で分銅を落下させる
と亀裂又は剥離が起こった。
〔発明の効果〕 本発明の水性樹脂組成物は、三次元網目構造を有する
カチオン性のミクロゲル体からなるため、硬化剤により
硬化せしめた際の低温硬化性に優れ、密着性、耐食性、
耐水性は勿論のこと、耐屈曲性、耐衝撃性のいずれにも
優れた塗膜を得ることができる。
従って、熱硬化型塗料やカチオン電着塗料等の塗料分
野において、航空機、船舶、電車、自動車等のボディ
ー、ラジエター、ガソリンタンクや、電気洗濯機、冷蔵
庫、流し台、金属製浴槽、ロッカー、デスク、ドアー、
門扉、雨戸、屋根材、オーディオ用品パネル等従来の用
途のいずれにも使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/14 C09D 163/00 - 163/10 C09D 5/44

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)と、窒素原子に直接結
    合した活性水素原子を少なくとも3個有する化合物
    (B)とが、エポキシ樹脂(A)の全オキシラン環に対
    して、化合物(B)の全活性水素原子数が過剰となる条
    件で、酸性化合物(C)の存在下で付加反応させること
    によって得られる三次元架橋構造を有する樹脂反応物か
    らなるカチオン性のミクロゲル体が、該酸性物質(C)
    により中和され、水性媒体に分散していることを特徴と
    する水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】樹脂(A)が、芳香族系エポキシ樹脂で、
    化合物(B)が、ポリアミド樹脂である請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】樹脂(A)が、エポキシ当量800〜4500の
    ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    で、樹脂(B)が、数平均分子量800〜6000で、かつア
    ミン価が150〜400KOHmg/gのポリアミド樹脂である請求
    項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】化合物(B)が、数平均分子量800〜6000
    で、かつアミン価が150〜400KOHmg/gの、ポリカルボン
    酸とポリアルキレンポリアミンとから得られるポリアミ
    ド樹脂である請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】樹脂(A)が、エポキシ当量800〜4500の
    ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    で、化合物(B)が、数平均分子量800〜6000で、かつ
    アミン価が150〜400KOHmg/gのポリアミド樹脂である請
    求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】化合物(B)が、ポリカルボン酸とポリア
    ルキレンポリアミンとから得られるポリアミド樹脂であ
    る請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】樹脂(A)が、エポキシ当量800〜4500の
    ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    で、化合物(B)が、数平均分子量800〜6000で、かつ
    アミン価が150〜400KOHmg/gのポリアミド樹脂で、酸性
    化合物(C)が、有機酸である請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】化合物(B)が、数平均分子量800〜6000
    で、かつアミン価が150〜400KOHmg/gの、ポリカルボン
    酸とポリアルキレンポリアミンとから得られるポリアミ
    ド樹脂で、酸性化合物(C)が、モノカルボン酸である
    請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】有機溶媒中で付加反応を行う請求項1記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】n−ブタノール、又はn−ブタノールと
    トルエンの混合有機溶媒中で付加反応を行う請求項1記
    載の組成物。
  11. 【請求項11】樹脂(A)が、エポキシ当量800〜4500
    のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹
    脂で、樹脂(B)が、数平均分子量800〜6000で、かつ
    アミン価が150〜400KOHmg/gのポリアミド樹脂で、酸性
    化合物(C)が有機酸である請求項9又は10記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】樹脂(A)が、エポキシ当量800〜4500
    のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹
    脂で、樹脂(B)が、ポリカルボン酸とポリアルキレン
    ポリアミンとから得られ、数平均分子量800〜6000で、
    かつアミン価が150〜400KOHmg/gのポリアミド樹脂で、
    酸性化合物(C)がモノカルボン酸である請求項9又は
    10記載の組成物。
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