JP2523204B2 - プレコ―ト金属材料用被覆組成物 - Google Patents

プレコ―ト金属材料用被覆組成物

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JP2523204B2 JP2067264A JP6726490A JP2523204B2 JP 2523204 B2 JP2523204 B2 JP 2523204B2 JP 2067264 A JP2067264 A JP 2067264A JP 6726490 A JP6726490 A JP 6726490A JP 2523204 B2 JP2523204 B2 JP 2523204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電着塗装性に優れ、高防食性および高加
工密着性を有し、スポット溶接可能な被覆膜を形成しう
るプレコート金属材料用被覆組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、自動車・鋼製家具・家庭用電気器具業界などで
生産性向上のためにプレコート金属材料の採用が増えて
いる。表面処理・塗料分野においても、このような需要
に応えるための各種のプレコート金属材料(たとえば、
防錆塗装金属材)用塗料組成物が開発されてきた。
たとえば、特公昭45−2430号公報や特公昭47−6882号
公報などでは、ジンクリッチ塗料が提案されている。特
公昭52−44569号公報、特開昭58−138758号公報、特開
昭51−79138号公報、特公昭58−19706号公報などでは、
電着塗装を可能にするため導電顔料を配合した塗料が提
案されている。ここで導電顔料としては、亜鉛などの金
属粉末、金属炭化物粉末、金属リン化物粉末などの比較
的大粒径(平均粒子径1μm以上)の粒子が使用されて
いる。さらに、特開昭60−197773号公報、特開昭60−19
9074号公報、特開昭58−224174号公報、特開昭60−1748
79号公報などでは、有機複合シリケート膜およびその塗
装鋼板が提案されている。同有機複合シリケート膜は、
導電顔料を含まず、0.3〜3μmといった薄膜であり、
電着塗装が可能なものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のプレコート金属材料用被覆組成
物にあっては、塗装鋼板に対する各種の要求品質、たと
えばプレス加工、電着塗装、スポット溶接などの要求品
質のすべてを十分に満たすものではなかった。
すなわち、上記ジンクリッチ塗料では、電着塗装は可
能でもプレス加工性は不十分である。上記導電顔料を配
合した塗料では、防食性が著しく改善され、また、溶接
性も向上しているが、導電顔料として比較的大粒径の粒
子を含むため、この塗料の塗膜の上に形成された電着塗
膜の凹凸が激しく、プレス成形性が不十分で、使用部位
が限られている。上記有機複合シリケート膜は、高防食
性、溶接性、プレス成形性などで改善が認められるもの
の、電着塗膜の凹凸の問題、特に有機複合シリケート膜
の膜厚変動に対応して、その上に形成される電着塗膜の
膜肌も大きく変動する。
このように、従来提案されてきた塗料組成物はいずれ
も、現在要求されているより高品質の塗装鋼板に対して
は不十分であり、電着塗膜の平滑性や、湿潤・腐食環境
下で電着塗膜密着性の点で問題となることが多い。
これらの問題を解決するものとして、特開昭62−2831
61号公報に示される塗料組成物がある。この塗料組成物
は、エポキシ系バインダー樹脂、親水性ポリアミド樹
脂、シリカ粒子を必須成分とするものであり、これによ
って形成される膜の性能品質は、十分満足しうるもので
ある。しかしながら、用いられるポリアミド樹脂はそれ
自体高価なものであり、しかも、バインダー樹脂とポリ
アミド樹脂の両者を溶解するためには特殊な高価な溶剤
(たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルア
ルコール等)を使用する必要がある。また、塗料組成物
の粘度が高くなるため、膜厚を微妙にコントロールする
のが難しく、塗装作業に難点がある。ポリアミド樹脂は
ディスパージョンとしても利用可能であるが、微細に分
散させるためには組成物製造コストが高くつく。
そこで、この発明は、導電顔料によることなく電着塗
装性(電着塗膜平滑性および密着性)に優れ、高防食能
および高プレス加工性を有し、スポット溶接が可能な被
覆膜を形成することができる低コストのプレコート金属
材料用被覆組成物を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、この発明にかかるプレコー
ト金属材料用被覆組成物は、フィルム形成能を有するバ
インダー樹脂、電着塗装が均一に行われるようにするた
めの親水性樹脂、および、防食能を向上させる微粒子シ
リカを必須成分とし、溶解溶剤に前記バインダー樹脂と
前記親水性樹脂が溶解され前記微粒子シリカが分散され
ていて、前記バインダー樹脂が、これを構成するモノマ
ー中に芳香族ヒドロキシ化合物を25モル%以上含む数平
均分子量600〜100000の樹脂であり、前記親水性樹脂
が、これを構成するモノマー中にアミン化合物を25モル
%以上含む数平均分子量600〜100000のポリアミン樹脂
および/またはポリイミン樹脂であり、前記バインダー
樹脂が下記(A3)からなる群から選ばれる少なくとも1
つ、かつ、前記親水性樹脂が下記(B11)〜(B23)から
なる群から選ばれる少なくとも1つであって、前記バイ
ンダー樹脂と前記親水性樹脂とが非反応性である。
(A3) ビスフェノール型エポキシ樹脂および/または
レゾルシン型エポキシ樹脂に第2アミン化合物を反応さ
せて得られる実質的にエポキシ基を含まないエポキシ系
樹脂(A1)、および/または、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂および/またはレゾルシン型エポキシ樹脂にジカ
ルボン酸を反応させて得られる実質的にエポキシ基を含
まないエポキシエステル樹脂(A2)のうち、第1級ヒド
ロキシル基を有するアルカノールアミン化合物により第
1級ヒドロキシル基が導された樹脂に、部分ブロックド
ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタ
ン化樹脂。
(B11) アミノ基含有モノマー25モル%以上を含むア
クリル樹脂系共重合体。
(B12) 多官能エポキシ化合物と、第1または第2ア
ミン化合物とが反応した樹脂。
(B13) ポリエチレンイミン。
(B21) 上記(B11)に更にα,β−エチレン性不飽和
単量体がグラフト重合されてなるポリアミングラフト樹
脂。
(B22) バインダー樹脂と相溶性を有する樹脂および
/またはバインダー樹脂が、上記(B11)にグラフトさ
れてなるポリアミングラフト樹脂。
(B23) バインダー樹脂と相溶性を有する樹脂および
/またはバインダー樹脂が、上記(B12)にグラフトさ
れてなるポリアミングラフト樹脂。
この発明は、電着塗膜の平滑性を得るには親水性樹脂
を配合することが必要であるが、特定のポリアミンおよ
び/またはポリイミン樹脂を用いることによって微粒子
シリカの存在においても低粘度で塗膜塗装性に優れ、し
かも安価に高品質の膜を形成することが可能となるこ
と、微粒子シリカは膜の防食能向上に必須であること、
電着塗膜との密着性を十分にするためには高耐水性のバ
インダー樹脂が必要であることなどの知見に基づいて完
成されたものである。
この発明で用いるバインダー樹脂(A)は、フィルム
形成能を有し、有機溶剤に可溶であることが必要であ
り、組成物の薄膜塗布性や貯蔵安定性の点から、親水性
樹脂と非反応性である。前記バインダー樹脂(A)とし
ては、これを構成するモノマー中に芳香族ヒドロキシ化
合物を25モル%以上有し、数平均分子量600〜100000の
樹脂が使用される。芳香族ヒドロキシ化合物が25モル%
未満だと、形成膜の耐水性・耐食性・耐薬品性が低下す
る。また、数平均分子量が600未満だと形成膜の耐水性
・耐食性・耐薬品性が不十分であり、100000を越えると
有機溶剤への溶解性が低下する。
このようなバインダー樹脂(A)は、たとえば、芳香
族ヒドロキシ化合物を25モル%以上と他の反応性化合物
の反応により得られる。残りの0モル%以上75モル%未
満を占める反応性化合物としては、たとえば、エピクロ
ルヒドリン、ジカルボン酸、ポリイソシアネート、ホル
ムアルデヒド、アミン化合物等の通常の塗料用樹脂製造
に用いられるモノマーである。
芳香族ヒドロキシ化合物としては、たとえば、1価の
フェノール、2価のフェノール、3価のフェノール、ヒ
スフェノール類、および、これらの誘導体が挙げられ、
これらのうちの1以上の化合物が使用される。なお、芳
香族ヒドロキシ化合物は、たとえばベンゼン環、ナフタ
リン環やアントラセン環などの縮合環式構造のものなど
の芳香環に結合しているOH基と他の官能基との結合、た
とえばエーテル結合やエステル結合によって樹脂に導入
され、また、芳香環に結合する他の官能基、たとえばメ
チロール基やビニル基等の反応によっても樹脂中に導入
される。
1価のフェノールおよびその誘導体は、たとえば、フ
ェノール、クレゾール、チモール、カルバクロール、ビ
ニルフェノールなどである。2価のフェノールおよびそ
の誘導体は、たとえば、ピロカテキン(カテコール)、
レゾルシン、ヒドロキノン、オルシン、ウルシオールな
どである。3価のフェノールおよびその誘導体は、たと
えば、ピロガロール、フロログルシン、ヒドロキシヒド
ロキノンなどである。ビスフェノール類およびその誘導
体は、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD
などである。
この発明の被覆組成物は、同組成物によって形成され
た膜の上に電着塗装によって均一で平滑な塗膜を形成さ
せるために特定の親水性樹脂が配合されるが、そのため
に、バインダー樹脂(A)には特に高度の耐水性が要求
され、その構造がたとえば上記のように限定される。特
に、親水性樹脂としてポリアミンおよび/またはポリイ
ミン樹脂を用いるので、エポキシ樹脂を用いてバインダ
ー樹脂(A)を製造した場合には、バインダー樹脂
(A)が実質的にエポキシ基を含有しないことが必要で
ある。これは、エポキシ基を含有していると、ポリアミ
ンおよび/またはポリイミン樹脂と反応してしまうから
である。なお、この明細書では、実質的にエポキシ基を
含有しないとは、赤外分光分析によってエポキシ基の特
性吸収帯に吸収が認められないことを言う。
この発明で用いるバインダー樹脂(A)は、下記の樹
脂(A1)〜(A6)のうちの(A3)が挙げられ、いずれか
1つの化合物が単独使用されてもよく、2以上の化合物
が併用されてもよい。
(A1) エポキシ樹脂(a1)に第2アミン化合物を反応
させて得られる実質的にエポキシ基を含有しない樹脂。
(A2) 上記エポキシ樹脂(a1)にアミン触媒の存在下
あるいは不存在下にジカルボン酸(a2)を反応させて得
られる実質的にエポキシ基を含まないエポキシエステル
樹脂。
(A3) 上記樹脂(A1)および/または(A2)のうち、
第1級ヒドロキシル基を有するアルカノールアミン化合
物により第1級ヒドロキシル基が導入された樹脂に、部
分ブロックドポリイソシアネート化合物を反応させて得
られるウレタン化樹脂。
(A4) ポリフェノキシ樹脂。
(A5) ノボラック型フェノール樹脂。
(A6) ポリアルケニルフェノール樹脂。
次に、上記樹脂(A1)〜(A6)について説明する。
(A1) エポキシ樹脂(a1)に第2アミン化合物を反応
させて得られる実質的にエポキシ基を含有しない樹脂。
上記樹脂(A1)を得るための反応は、必要に応じてエ
ポキシ基、アミンと反応しない溶剤を加えて反応温度60
〜150℃で実質的にエポキシ基が検出されなくなるまで
行うのがよい。ここで用いる溶剤としては、たとえば、
キシロール、セロソルブアセテート、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどである。
エポキシ樹脂(a1)は、たとえば、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂あるいはそれ
らの混合樹脂であり、つぎの化学式で示されるもので
ある。
式中、Pは RはHまたCH2、nは0〜14の整数である。エポキシ樹
脂(a1)の市販品としては、東都化成株式会社製の商品
名「エポートYD−017」、「エポトートYD−014」、「エ
ポトートYD−011」、「エポトートYD−128」、大日本イ
ンキ化学工業株式会社製の商品名「エピクロン4050」な
どが挙げられる。エポキシ樹脂(a1)はそのまま単独で
使用されたり、2以上併用されたりしてもよいが、その
50重量%以下をその他のエポキシ樹脂(たとえば、数平
均分子量300から100000までのポリアルキレングリコー
ルグリシジルエーテルなど)で置換されてもよい。この
置換率が50重量%を越えると、耐食性、耐水性、密着
性、耐薬品性などが低下する傾向にある。
上記第2アミン化合物としては、ジアルキルアミン
(ジエチルアミン、ジプロピルアミンなど)、ジアルカ
ノールアミン(ジエタノールアミン、ジプロパノールア
ミンなど)、アルキルアルカノールアミン(エチルエタ
ノールアミンなど)などが使用される。これらは、1つ
の化合物が単独で使用されてもよく、2以上の化合物が
併用されてもよい。
(A2) 上記エポキシ樹脂(a1)にアミン触媒の存在下
あるいは不存在下にジカルボン酸(a2)を反応させて得
られる実質的にエポキシ基を含まないエポキシエステル
樹脂。
ジカルボン酸(a2)として、ポリメチレンジカルボン
酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、芳
香族ジカルボン酸(無水フタル酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸など)、ダイマー酸などが使用され
る。好ましくは、分子量500以下のジカルボン酸が挙げ
られ、これらの1種または2種以上を使用に供する。特
に、ポリメチレンジカルボン酸が加工性、溶解性、相溶
性の点から好ましく、中でも、アゼライン酸が最も好ま
しい。また、このようなジカルボン酸(a2)とともに、
分子量500以下の3価のカルボン酸類をジカルボン酸(a
2)に対して100重量%以下の量で併用してもよい。ここ
で使用される3価のカルボン酸類は、たとえば、トリカ
ルバリル酸、ベンゼントリカルボン酸などである。
エポキシ樹脂(a1)とジカルボン酸(a2)とを反応さ
せることにより、同ジカルボン酸(a2)が樹脂中に組み
入れられる。この際、たとえば、アミン触媒を用いるこ
とが好ましい。同アミン触媒としては特に、第1級ヒド
ロキシル基を有する第2級アミン(a3)が好ましく使用
され、触媒作用を発揮するとともに同アミン自体も樹脂
中に組み込まれ、第1級ヒドロキシル基を有するエポキ
シエステル樹脂(A2)が得られる。
第2級アミン(a3)としては、ジアルカノールアミン
(ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタ
ノールアミンなど)、アルキルアルカノールアミン(エ
チルエタノールアミンなど)などのうちの1種または2
種以上を使用に供する。特に、ジアルカノールアミンが
好ましく、中でもジエタノールアミンが最適である。さ
らに、アミン触媒として、第3級アミン(トリエチルア
ミン、トリブチルアミンなど)または第4級アミン(テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムクロライドなど)も使用することができ、この
場合は前述のアミンに由来する第1級ヒドロキシル基は
アミン触媒を使用しない場合と同様に樹脂中に導入され
ないが、所望のエポキシエステル樹脂(A2)が得られ
る。
エポキシ樹脂(a1)と多価カルボン酸とは、エポキシ
樹脂(a1)のグリシジル基のグラム当量/多価カルボン
酸〔ジカルボン酸(a2)および必要に応じて使用される
3価以上のカルボン酸〕のカルボキシル基のグラム当量
の比が好ましくは1.1〜1.4、より好ましくは1.15〜1.25
になるように配合されることがよく、エポキシ樹脂(a
1)と多価カルボン酸との反応生成物の酸価が2〔KOHmg
/g〕以下になるよう反応を完結させることが好ましい。
上記エポキシエステル樹脂(A2)を得るための反応
は、たとえば、エポキシ樹脂(a1)を溶解もしくは適当
な非反応性溶剤に溶かした後、多価カルボン酸およびア
ミン触媒を添加し、通常の雰囲気下、必要に応じて窒素
ガス雰囲気下などの不活性雰囲気下で80〜200℃で1〜1
5時間加熱反応させ、実質的にエポキシ基が検出されな
くなるまで行えばよい。エポキシ樹脂(a1)のエステル
化により、膜可撓性が良好となる。ここで用いる非反応
性溶剤は、たとえば、キシロール、セロソルブアセテー
ト、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどであ
る。
(A3) ウレタン化樹脂。
バインダー樹脂(A)としてウレタン化樹脂(A3)を
用いるようにすると、被覆膜の素地との密着性が一段と
良好になる。
上記樹脂(A1)および/または(A2)のうち、第1級
ヒドロキシル基を有するアルカノールアミン化合物によ
り第1級ヒドロキシル基が導入された樹脂(a4)に、部
分ブロックドポリイソシアネート化合物(b)が反応し
て樹脂(A3)が得られる。
ここで用いる、第1級ヒドロキシル基を有するアルカ
ノールアミン化合物は、たとえば、ジアルカノールアミ
ン(ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブ
タノールアミンなど)、アルキルアルカノールアミン
(エチルエタノールアミンなど)などである。前記樹脂
(a4)は、たとえば、次のようにして得られる。すなわ
ち、樹脂(A1)を得る際の第2アミン化合物として、ま
た、樹脂(A2)を得る際のアミン触媒として、上記第1
級ヒドロキシル基を有するアルカノールアミン化合物を
用いることにより得られる。
部分ブロックドポリイソシアネート化合物(b)は、
ポリイソシアネート化合物(b1)とイソシアネート保護
剤(b2)とを、(b1)のイソシアネート基の数/(b2)
の活性水素基の数の比が5/1から5/4となるような割合で
反応させることにより得られる。この反応は、通常、無
溶剤あるいは非反応性溶剤中で室温〜150℃の温度で行
われる。ポリイソシアネート化合物(b1)を非反応性溶
剤に溶解し、50〜100℃に加熱した後、イソシアネート
保護剤(b2)をそのまま滴下しつつ、もしくは、(b2)
を適当な非反応性溶剤に溶かした溶液を滴下しつつ、反
応させることが、生成物〔部分ブロックドポリイソシア
ネート化合物(b)〕の品質および反応制御の点から好
ましい。ここで使用される非反応性溶剤は、たとえば、
キシロール、セロソルブアセテートなどである。
ポリイソシアネート化合物(b1)としては、脂肪族も
しくは脂環族ジイソシアネート化合物(ヘキサメチレン
ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなど)、芳香族ジ
イソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートなど)、ト
リイソシアネート化合物(トリメチロールプロパン1モ
ルと前記ジイソシアネート3モルのアダクト体、ヘキサ
メチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネート
などのジイソシアネートの3量体など)などである。
ポリイソシアネート化合物(b1)としては、特に、脂
肪族もしくは脂環族ジイソシアネート化合物が熱硬化性
樹脂の溶解性、相溶性および加工性の点で好適である。
イソシアネート保護剤(b2)は、ポリイソシアネート
化合物(b1)のイソシアネート基に付加して生成する付
加物が常温において安定で、かつ、被覆膜の焼付け乾燥
時に解離して遊離のイソシアネート基を再生させるよう
にするものでなければならない。このようなイソシアネ
ート保護剤(b2)としては、ラクタム系保護剤(ε−カ
プロラクタム、γ−ブチロラクタムなど)、オキシム系
保護剤(メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノン
オキシムなど)、アルコール系保護剤(メタノール、エ
タノール、イソブチルアルコールなど)、フェノール系
保護剤(フェノール、p−tert−ブチルフェノール、ク
レゾールなど)、β−ジケトン系保護剤(アセト酢酸エ
チル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン、マロン酸
ジメチル、マロン酸ジエチルなど)が挙げられ、これら
のうちの1つの化合物を単独で用いてもよいし、2以上
の化合物を併用してもよい。
ウレタン化樹脂(A3)は、前述の第1級ヒドロキシル
基の導入された樹脂(a4)と部分ブロックドポリイソシ
アネート化合物(b)とを反応させることにより好都合
に製造される。この場合の反応割合は、(a4)に含まれ
る第1級ヒドロキシル基の数/(b)に含まれる遊離の
イソシアネート基の数の比が、好ましくは10/1〜10/8、
より好ましくは10/1〜10/6の範囲となるように設定する
のである。これは、上記比が、10/1より大きくなると被
覆膜の硬化性が低下することがあり、この比が10/8より
も小さくなると被覆組成物の全成分を混合するときにゲ
ル化の原因となる傾向を示すからである。反応は通常の
雰囲気下、必要ならば窒素ガス雰囲気下など不活性雰囲
気下で50〜150℃の温度で、イソシアネート基が実質的
には存在しなくなるまで行う。また、場合によっては、
イソシアネート基が残存していても分子量が所望の値に
達した時点で、たとえば1級アルコールを加えて反応を
停止させてもよい。ここで、イソシアネート基が実質的
には存在しなくなるまでとは、赤外分光分析にてイソシ
アネート基の特性吸収帯が検出されなくなることを言
う。
(A4) ポリフェノキシ樹脂。
ポリフェノキシ樹脂(A4)は、2価フェノール、その
誘導体、ビスフェノール類、および、その誘導体のうち
のいずれか1つの化合物または2以上の化合物をエピハ
ロヒドリン(たとえば、エピクロルヒドリンなど)とほ
ぼ等モル量で、アルカリ触媒存在下に重縮合させて得ら
れる実質的にエポキシ基を含まない、数平均分子量が通
常約8000〜100000の樹脂である。
(A5) ノボラック型フェノール樹脂。
ノボラック型フェノール樹脂(A5)は、フェノール類
とアルデヒド類(主としてホルムアルデヒド)とを酸性
触媒下で縮合させて得られる。
(A6) ポリアルケニルフェノール樹脂。
ポリアルケニルフェノール樹脂(A6)は、たとえば、
ビニルフェノール、ジメチルビニルフェノール、イソプ
ロペニルフェノール、イソブテニルフェノールなどのア
ルケニルフェノール25モル%以上とその他のα,β−エ
チレン性不飽和単量体を0〜75モル%未満とを熱重合、
ラジカル重合、カチオン重合等種々の重合法で重合させ
て得られる。
上記樹脂(A1)〜(A6)の中でも、(A3)は、他の樹
脂に比較して、特にプレス加工性に優れた膜を得ること
ができ、さらにその膜の防食効果も大きい。
この発明において親水性樹脂(B)として、これを構
成するモノマー中にアミン化合物を25モル%以上含む、
数平均分子量600〜100000のポリアミン樹脂および/ま
たはポリイミン樹脂を用いる。このようなポリアミンお
よび/またはポリイミン樹脂は、たとえば、酸アミド結
合を有しないアミン化合物を25モル%以上含む反応性化
合物の反応により得られる。ポリアミン樹脂および/ま
たはポリイミン樹脂の数平均分子量が600未満では、膜
の耐水性、耐食性が低下することがあり、100000を越え
ると、溶剤への溶解性が低下し、均一な組成物が得られ
にくい。
親水性樹脂(B)は、特に限定するものではないが、
バインダー樹脂(A)の100重量部(以下、「重量部」
は単に「部」と言う)に対して、10〜150部配合するの
が好ましい。
親水性樹脂(B)を形成するのに用いるアミン化合物
は、脂肪族、芳香族、複素環式の第1、2、3アミンま
たは第4級アンモニウム化合物である。これらのアミン
化合物は、そのもので樹脂(B)の主鎖を形成するか、
主鎖と結合したペンダント(側鎖)として用いられる。
前記親水性樹脂(B)を合成する原料モノマー中、前
記アミン化合物は25モル%以上であることが好ましい。
残りの0モル%以上75モル%未満は、たとえば、α,β
−エチレン性不飽和単量体、エポキシ化合物、イソシア
ネート化合物等である。
このような親水性樹脂(B)を用いることにより電着
塗装時に被覆膜内に電着塗料液がすばやく浸透すること
によって、被覆膜の電気抵抗が低下して良好な電着が可
能となり、電着塗膜の均一性が著しく改善される。
さらに、親水性樹脂(B)の中でも、アミノ基がペン
ダントとして構成される樹脂、ポリアミンおよび/また
はポリイミン樹脂とバインダー樹脂(A)とのグラフト
樹脂、ポリアミンおよび/またはポリイミン樹脂とバイ
ンダー樹脂(A)との相溶性を有する樹脂とのグラフト
樹脂を用いる場合、塗量用汎用有機溶剤の使用が可能
で、しかも、微粒シリカ粒子を高含有率で含有しても、
低粘度で塗装作業性の優れた低コストの組成物を提供す
ることができ、この発明の目的達成に対して好適であ
る。
上記電着性改善効果は、樹脂構成モノマー中のアミン
化合物が25モル%未満、あるいは、前記親水性樹脂の配
合率がバインダー樹脂(A)100部に対して10部未満の
場合には得られないことがあり、150部を越えると、電
着塗膜との密着性が低下する傾向にある。
親水性樹脂(B)は、下記(B21)〜(B23)からなる群
から選ばれる少なくとも1つである。
(B11) アクリル系モノマーを必須とし25モル%以上
がアミノ基含有モノマーを重合させて得られる、アクリ
ル樹脂系共重合体。
(B12) 多官能エポキシ化合物(i)と第1または第
2アミン化合物(ii)とが反応して得られる樹脂。
(B13) ポリエチレンイミン。
(B21) 重合性不飽和基を末端に有するポリアミン樹
脂とエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られ、
前記ポリアミン樹脂が、アクリル系モノマーを必須とし
25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノマーを
重合させて得られる樹脂である、ポリアミングラフト樹
脂。
(B22) 未満カルボキシル基含有ポリアミンと多官能
エポキシ化合物との反応物に対しカルボキシル基を有す
る樹脂プレポリマーを反応させて得られ、前記末端カル
ボキシル基含有ポリアミンが、アクリル系モノマーを必
須とし25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノ
マーを重合させて得られるポリアミンである、ポリアミ
ングラフト樹脂。
(B23) 多官能エポキシ化合物、第1または第2アミ
ン化合物およびカルボキシル基含有樹脂を反応させて得
られる、ポリアミングラフト樹脂。
ポリアミングラフト樹脂(B21)、(B22)、(B23)
の配合比率は、これらグラフト樹脂に含有されるポリア
ミン樹脂(B11)、(B12)が所定の配合率になるように
設定される。
次に、上記(B11)、(B12)、(B13)、(B21)、
(B22)および(B23)について説明する。
(B11) アクリル系モノマーを必須とし25モル%以上
がアミノ基含有モノマーを重合させて得られる、アクリ
ル樹脂系共重合体。
前記アミノ基含有モノマーとしては、ジメチルアミノ
アクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジ
ブチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、
ジ(t−ブチル)アミノエチルアクリレート、ジイソヘ
キシルアミノエチルアクリレート、ジヘキシルアミノプ
ロピルアクリレート、ジ(t−ブチル)アミノヘキシル
アクリレート等のアクリレート類および対応するメタク
リレート類;4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、
2−メチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリジン
類;アミノプロピルアクリルアミド類などが挙げられ、
これらのうちの1つの化合物を単独で使用したり、2以
上の化合物を併用したりすることができる。
前記アミノ基含有モノマー以外の所望により使用され
る他のモノマーとしては、アミノ基含有モノマーと共重
合可能なモノマーであればよく、たとえば、アミノ基を
有しないアクリルモノマー、たとえば、アクリル酸、メ
タクリル酸などのエステル類、酸アミド類、酸ニトリル
等、脂肪酸ビニルエステル類、芳香族モノオレフィン類
等のうちの1つの化合物が用いられたり、2以上の化合
物が併用されたりする。
前記アクリル樹脂系共重合体(B11)は、前記アミノ
基含有モノマーを、所望により、同モノマー以外のモノ
マーとともに、有機溶剤中、反応開始剤および触媒、た
とえば、第3アミンの存在下に重合させる方法によりき
わめて好都合に製造される。ただし、アミノ基含有モノ
マーは、構成モノマー全体の25モル%以上である。ここ
で使用される有機溶剤は、たとえば、酢酸ブチルであ
り、反応開始剤は、たとえば、4,4′−アゾビス(4−
シアノ)吉草酸などのアゾ系化合物であり、触媒は、た
とえば、トリエチルアミンなどの第3アミン化合物であ
る。
(B12) 多官能エポキシ化合物(i)と第1または第
2アミン化合物(ii)とが反応して得られる樹脂。
このような多官能エポキシ化合物(i)は、たとえ
ば、多価グリシジルエーテル類から得られるポリマ
ー、α,β−エチレン性不飽和グリシジル単量体の重
合から得られるポリマーであり、次のような方法により
製造され、使用に供される。
多価グリシジルエーテル類から得られるポリマー
は、多価グリシジルエーテルと多価イソシアネートの組
み合わせによって、所望の個数のエポキシ基を有するポ
リマーとして合成することができる。ここで用いられる
多価グリシジルエーテルは、グリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、
ソルビトールポリグリシジルエーテルなどである。ま
た、多価イソシアネートは、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのビュレット結合による3量体などで
あり、市販品として、住友バイエルウレタン株式会社製
の「スミジュールN−25」などがある。
α,β−エチレン性不飽和グリシジル単量体の重合
から得られるポリマーは、たとえば、アリールグリシジ
ルエーテル、グリシジルメタアクリレートの各単量体か
ら通常の溶液重合の手法により所望の個数のエポキシ基
を有するポリマーとして合成される。
上記アミン化合物(ii)は、下式 で表されるアミン化合物である。式中、R1とR2は、おの
おの水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複
素環式基(これらの基は、置換基を有していてもよい
し、有していなくてもよい)を表す。ただし、R1とR2
が共に水素原子の場合は除かれる。また、R1、R2および
式中の窒素原子とで複素環(この複素環は、置換基を有
していてもよいし、有していなくてもよい)を構成する
ことができる。アミン化合物(ii)は、たとえば、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチル
アミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、ジメチルアミノエチルアミ
ン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロ
ピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、3−メト
キシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、テトラエ
チレンペンタミンのごときアルキルアミン;N−アミノピ
ペリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、2−ア
ミノ−3−ニトロピリジン、2−ピコリルアミン、2−
アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリ
ジン、2−アミノピラジンのごときアミノ複素環化合
物;トリアゾール、イミダゾール、モルホリン、ピペリ
ジン、ピロリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、
4−ピペコリンのごとき複素環化合物アミンなどであ
り、これらのうちの1つの化合物を用いてもよいし、2
以上の化合物を併用してもよい。
上記樹脂(B12)は、上記エポキシ化合物(i)とア
ミン化合物(ii)とを、アミン化合物(ii)が25モル%
以上の割合で混合し、必要に応じてグリシジル基、アミ
ンと反応しない溶剤を加え、反応温度60〜150℃で反応
を行わせることにより得られる。ここで使用される溶剤
は、たとえば、キシレン、セロソルブアセテート等であ
る。
(B13) ポリエチレンイミン。
ポリエチレンイミン(B13)は、エチレンイミンを原
料とする重合体であり、市販品では、日本触媒化学工業
株式会社製「エポミンSP−006」、「エポミンSP−01
8」、「エポミンSP−110」、「エポミンSP−300」など
がある。
(B21) 重合性不飽和基を未端に有するポリアミン樹
脂とエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られ、
前記ポリアミン樹脂が、アクリル系モノマーを必須とし
25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノマーを
重合させて得られる樹脂である、ポリアミングラフト樹
脂。
上記アクリル樹脂系共重合体(B11)の製造時に、第
3アミン存在下で、カルボキシル基を有するアゾ系開始
剤(たとえば、4,4′−アゾビス(4−シアノ)吉草酸
など)を用いると、未端カルボキシル基を有するポリア
ミンが得られ、これにグリシジル(メタ)アクリレート
のごとくオキシラン環と重合性不飽和基を有する化合物
を反応させることにより、重合性不飽和基を未端に有す
るポリアミン樹脂が得られ、この樹脂と、エチレン性不
飽和単量体を共重合させると、グラフト化されたポリア
ミン樹脂(B21)が得られる。
ここで用いるエチレン性不飽和単量体は、通常のアク
リル系重合体の製造に用いられる任意のエチレン性不飽
和単量体でありうる。たとえば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸、クロトン酸、および、これらのエステル化合物
などが挙げられるが、もちろん、これらのみに限定され
るものではなく、重合性不飽和結合を有する限り任意の
化合物が用いられる。
上記樹脂(B22)および(B23)は、ポリアミングラフ
ト樹脂(B2)である。ポリアミングラフト樹脂(B2)
は、ポリアミン樹脂および/またはポリイミン樹脂に対
して、上記バインダー樹脂(A)で有機溶剤に可溶性を
有するもの、または、バインダー樹脂(A)と相溶性の
ある樹脂がグラフトされてなる。ただし、ポリアミング
ラフト樹脂(B2)中のポリアミンおよび/またはポリイ
ミン樹脂部の重量分率が、バインダー樹脂(A)100部
に対して、10〜150部となるように、ポリアミンおよび
/またはポリイミン樹脂を配合するのがよい。ここで用
いられる、バインダー樹脂(A)と相溶性のある樹脂と
は、たとえば、バインダー樹脂(A)の溶解性パラメー
ターの±2以内の溶解性パラメータをもつ樹脂である。
(B22) 未端カルボキシル基含有ポリアミンと多官能
エポキシ化合物との反応物に対しカルボキシル基を有す
る樹脂プレポリマーを反応させて得られ、前記未端カル
ボキシル基含有ポリアミンが、アクリル系モノマーを必
須とし25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノ
マーを重合させて得られるポリアミンである、ポリアミ
ングラフト樹脂。
上記未端カルボキシル基を有するポリアミンと多官能
エポキシ化合物(i)とが反応して、同ポリアミンの未
端カルボキシル基とエポキシ化合物(i)中のオキシラ
ン環との反応によりポリアミンのグラフトされたエポキ
シ化合物が得られる。この場合、塩基性基がグラフト鎖
中にあるため自己触媒となり、外部触媒を加えずとも付
加反応が容易に進行する。こうして得られる塩基性アク
リルがグラフトされたエポキシ化合物に対し、カルボキ
シル基を有する樹脂プレポリマーを反応させる方法によ
り、ポリアミングラフト樹脂(B22)が得られる。カル
ボキシル基を有する樹脂プレポリマーとしては、たとえ
ば、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂などのプレポリマー(数平均分子量約300〜2000
0)または変性されたバインダー樹脂(A)が適宜選択
されて使用される。ここで、変性されたバインダー樹脂
(A)とは、たとえば、樹脂(A)中のOH基に二塩基酸
などを反応させ、カルボキシル基を導入した樹脂であ
る。
(B23) 多官能エポキシ化合物、第1または第2アミ
ン化合物およびカルボキシル基含有樹脂を反応させて得
られる、ポリアミングラフト樹脂。
上記樹脂(B12)の製造時に第3成分として、末端ま
たは末端以外にカルボキシル基を有する樹脂(iii)、
たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、または、
上記変性されたバインダー樹脂(A)の3者を反応させ
る。ここで、カルボキシル基含有樹脂(iii)とは、数
平均分子量約300〜20000のプレポリマーである。この場
合、多官能エポキシ化合物(i)、アミン化合物(ii)
およびカルボキシル基含有樹脂(iii)を同時に反応さ
せても、あるいは、任意の順に反応させても差し支えな
い。たとえば、上記多官能エポキシ化合物(i)とカル
ボキシル基含有樹脂(iii)との反応物と、アミン化合
物(ii)とを反応させるか、または、上記多官能エポキ
シ化合物(i)とアミン化合物(ii)とを反応させてポ
リアミングラフト樹脂(B23)を得ることができる。
上記多官能エポキシ化合物(i)とカルボキシル基含
有樹脂(iii)との反応は、エポキシ化合物(i)とカ
ルボキシル基含有樹脂(iii)とを混合し、必要に応じ
てグリシジル基またはカルボキシル基と反応しない溶剤
を加えて、反応温度好ましくは60〜180℃、より好まし
くは80〜150℃で、カルボキシル基含有樹脂(iii)の未
反応カルボキシル基の酸価で測定しての反応率が90%以
上まで行う。この反応には必要に応じて反応触媒とし
て、たとえば、塩基触媒を使用することができる。ここ
で用いる溶剤は、たとえば、シクロヘキサン、酢酸ブチ
ル、セロソルブアセテート、キシレン等である。
前記塩基触媒は、ピリジン、イソキノリン、キノリ
ン、N−ジメチルシクロヘキシルアミン、α−ピコリン
トリ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、N−エチ
ルモルフォリン、N,N−ジメチルアニリン、N−(β−
ヒドロキシルエチル)アミン、N−エチル3,5−ジメチ
ルモルホリン、ココナッツ油等から誘導されたジメチル
ココナッツアミンなどの有機アミン、苛性ソーダ、苛性
カリなどの無機アルカリが単独でまたは2以上合わせて
使用される。
上記多官能エポキシ化合物(i)とアミン化合物(i
i)との反応は、同多官能エポキシ化合物(i)とアミ
ン化合物(ii)とを混合し、必要に応じて、グリシジル
基、カルボキシル基あるいはアミンと反応しない溶剤を
加えて、反応温度60〜150℃で行わせる。ここで用いる
溶剤は、たとえば、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、セ
ロソルブアセテート、キシレン等である。
この発明においては、防食性改善の目的で微粒子シリ
カ(C)が用いられる。同微粒子シリカ(C)は、たと
えば、平均粒径1〜100nmである。シリカ粒子の1次粒
子径が1nm未満では、耐アルカリ性が低下し望ましくな
く、または、100nmを越えると、防食性改善の効果がな
く、電着膜の平滑性も低下することがある。従ってシリ
カ粒子の平均粒子径は1nm以上100nm以下が好ましく、と
くに、5〜50nmの範囲のものが好ましい。このようなシ
リカ粒子としては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリ
カ等が挙げられ、なかでも、ヒュームドシリカの使用が
好ましい。コロイダルシリカは、そのコロイド安定化の
ため、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオンを含有
し、これらのイオンは膜防食能を低下させる傾向にあ
る。また、シリカ粒子の配合量は、バインダー樹脂
(A)の100部に対し、5〜150部が好ましく、20〜110
部がより好ましい。5部未満では、防食性向上の効果が
なく、また、150部を越えると加工性の低下が認められ
ることがあり、この発明の効果の達成に不利である。
この発明のプレコート金属材料用被覆組成物には、加
工性の一段の改善を図ったりするために、滑材(D)が
配合されてもよい。滑材(D)としては、ポリオレフィ
ン、カルボン酸エステル系、カルボン酸金属塩、ポリア
ルキレングリコール系などの有機系滑材、二硫化モリブ
デン、シリコーン化合物、ふっ素化合物などの無機系滑
材が用いられ、バインダー樹脂(A)の100部に対し、2
0部以下を加え、加工性の一段の改善を図ることが好ま
しい。特に好ましい滑材(D)は、密度0.94以上、分子
量1000以上10000以下、酸価15KOHmg/g以下のポリエチレ
ンワックスである。しかしながら、滑材(D)を加える
場合、その最大添加量は20部までとすべきで、それを越
えると電着塗膜の密着性が低下して好ましくない。
この発明の組成物にメラミン樹脂、レゾール型フェノ
ール樹脂などのフェノール樹脂、ポリイソシアネート化
合物など一般的塗料に用いられる硬化剤(E)をバイン
ダー樹脂(A)の100部に対し、1部以上100部以下の割
合で含有させ、熱硬化させることができる。硬化剤
(E)として特に好ましくは、式 で表されるレゾール型フェノール樹脂である。式中、n
は0から4までの数;Wは−CH2−または−CH2−O−CH2
−;Rは−CH3、H、または、 である。
この発明のプレコート金属材料用被覆組成物に用いら
れる有機溶剤は、通常塗料に用いられる有機溶剤の中か
ら、バインダー樹脂(A)、親水性樹脂(B)および硬
化剤(E)を含む場合には、これをも溶解するものが適
宜選択されて使用される。たとえば、n−ヘキサン、ケ
ロシン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの炭化水素系溶剤;プロパノール、ブタノール、
アミルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアル
コールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エクレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールと
その誘導体系溶剤;1,4−ジオキサン、フラン、ジエチル
アセタールなどのエーテル、アセタール系溶剤;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、その他、エステ
ル系、脂肪酸系、フェノール系、窒素化合物系、硫黄ま
たはリン化合物系、ハロゲン化炭化水素系溶剤などが挙
げられ、これらのうちの1つの化合物が用いられたり、
2以上の化合物が併用されたりする。
その他必要に応じて、通常の塗料に添加される防錆顔
料(クロム酸塩顔料、特に低溶解性のクロム酸亜鉛、ク
ロム酸沿、クロム酸バリウム等、リン酸塩顔料、鉛酸塩
顔料等)、体質顔料(炭酸塩顔料、ケイ酸塩顔料等)、
着色顔料(酸化チタン顔料、酸化鉄顔料、カーボンな
ど)、防錆剤(アミン化合物、フェノール性カルボン酸
化合物等)、分散安定化剤などが添加されてよいが、顔
料などの分散体はスポット溶接性やプレス加工性を十分
保持させるために、それらの粒子径が10μm以下である
か、または、この発明の組成物調製時に10μm以下に分
散調製されていることが好ましい。
この発明のプレコート金属材料用被覆組成物は、自動
車・鋼製家具・家庭用電気器具などに用いられるプレコ
ート金属材料に用いられる防食性被覆膜などを形成する
ための組成物として極めて有用である。プレコート金属
材料用基材として、たとえば、アルミニウム、亜鉛、銅
および各種鋼板等の工業用金属材料などが用いられる
が、その材質および形状には特に限定はない。鋼板とし
ては、たとえば、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融
アルミニウムメッキ鋼板、溶融亜鉛・アルミニウム合金
メッキ鋼板、溶融亜鉛・鉄合金メッキ鋼板、電気亜鉛メ
ッキ鋼板、電気亜鉛・ニッケルメッキ鋼板、電気亜鉛・
鉄合金メッキ鋼板、電気亜鉛・コバルト・クロム合金メ
ッキ鋼板、および、電気亜鉛・鉄合金二層メッキ鋼板等
が用いられる。
この発明の組成物は、これら基材を必要に応じてアル
カリ脱脂などで表面を清浄化した後、直接または通常の
塗装前処理を行った後、塗布される。この塗装前処理と
してはクロメート化成処理やリン酸塩化成処理が用いら
れ、前者には電解クロメート処理、塗布型クロメート処
理、反応型クロメート処理があり、後者にはリン酸亜鉛
処理がある。
この発明の被覆組成物は、スプレー、ロールコート、
シャワーコート等適当な方法により塗布され、乾燥して
被覆膜が形成される。好ましくは、100〜250℃で焼き付
け乾燥が行われる。
この発明の被覆組成物の形成する被覆膜は、たとえ
ば、乾燥厚み0.3〜3μm程度とされるが、この範囲に
限るものではない。この発明の被覆組成物が塗布されて
被覆膜(特に乾燥厚み0.3〜3μm程度)が形成された
金属材料は、優れた耐食性を示し、また、潤滑性にも優
れ、良好なプレス加工性を示し、スポット溶接も可能で
ある。さらに、この発明の被覆組成物によって塗布され
た金属材料の特に優れた特徴は、電着塗装によって形成
される電着塗膜の平滑性、均一性、密着性が極めて良好
であることである。したがって、この発明の被覆組成物
は自動車・鋼製家具・家庭用電気器具等各種の分野での
高度な要求品質に応えることができるプレコート金属材
料用被覆組成物として極めて有用である。
なお、この発明のプレコート金属材料用被覆組成物
は、そのままで塗装に供してもよいし、適当な溶剤で希
釈してから塗装に供してもよい。
〔作用〕
この発明のプレコート金属材料用被覆組成物は、親水
性樹脂として、上記特定のポリアミン樹脂および/また
はポリイミン樹脂を用いることにより、形成される膜上
での電着塗装が均一に行われる。これは、膜の親水性が
向上し、電着塗料液の膜への浸透性が向上し、電着時の
電流分布が均一になるためと推測される。
なお、上記親水性樹脂は、膜の耐水性を低下させる傾
向にあるが、この発明では、上記特定のバインダー樹脂
を用いることにより高耐久性の膜を得ることができる。
膜の防食能は上記高耐久性のバインダー樹脂とシリカ
粒子によって達成される。
一般に親水性樹脂とバインダー樹脂を相溶させる溶剤
の選択範囲は非常に狭く、また、高価な溶剤を必要とす
る。また、シリカ微粒子の配合によって粘度が著しく増
加することが一般的であるが、この発明では、上記特定
の親水性樹脂を用いることによって、これらの問題が解
決された。
〔実 施 例〕
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示
すが、この発明は下記実施例に限定されない。この発明
の実施例は、実施例3と7〜13である。
−製造例1(バインダー樹脂(A1)の製造)− エピクロルヒドリン・ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(数平均分子量1400、エポキシ当量950、ビスフェノ
ールA45モル%)475部をキシロール95部およびセロソル
ブアセテート119部に溶解した後、ジエタノールアミン5
3.5部(0.5モル)を加え、145℃で6時間反応し、赤外
分光分析でエポキシ基が検出されなくなったところでキ
シロール209部およびメチルエチルケトン130部を加え、
冷却してバインダー樹脂(A1)のワニス(固形分重量49
%)を得た。
−製造例2(バインダー樹脂(A2)の製造)− エピクロルヒドリン・ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(数平均分子量1400、エポキシ当量950、ビスフェノ
ールA45モル%)475部をキシロール95部およびセロソル
ブアセテート119部に溶解した後、アゼライン酸39.2部
(0.21モル)およびジエタノールアミン8.3部(0.08モ
ル)を加え、145℃で6時間反応し、赤外分光分析でエ
ポキシ基が検出されなくなり、また、樹脂固形分の酸価
が1.1KOHmg/gになったところでキシロール209部および
メチルエチルケトン130部を加え、冷却してバインダー
樹脂(A2)のワニス(固形分重量49%)を得た。
−製造例3(バインダー樹脂(A3)の製造)− イソホロンジイソシアネート222部(1モル)をセロ
ソルブアセテート222部に溶解し、80℃まで加熱した
後、ε−カプロラクタム113部(1モル)とセロソルブ
アセテート113部の溶液を1時間にわたって滴下しつつ
反応させた。滴下終了後、さらに3時間にわたり80℃に
保温しながら反応を完結させ、イソシアネート当量が67
0グラム当量の部分ブロックドポリイソシアネート化合
物(b)を得た。
つぎに、製造例2で得られた樹脂(A2)ワニス1075.5
部に、部分ブロックドポリイソシアネート化合物(b)
55.9部(0.08モル)およびセロソルブアセテート118部
を加え、100℃で3時間反応したところで、イソプロピ
ルアルコール102部を加え、冷却してウレタン化樹脂(A
3)のワニス(固形分重量41%)を得た。
−製造例4−1(芳香族ヒドロキシ化合物を含まないバ
インダー樹脂の製造)− 製造例1において、エピクロルヒドリン・ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂の代わりにエピクロルヒドリン・
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量
1400、エポキシ当量950、芳香族ヒドロキシ化合物不
含)を用いて、他は製造例1と同様の手順を経て、芳香
族ヒドロキシ化合物を含有しないバインダー樹脂のワニ
ス(固形分重量49%)を得た。
−製造例5(数平均分子量600未満のバインダー樹脂の
製造)− 製造例1において、数平均分子量1400のエピクロルヒ
ドリン・ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、
数平均分子量470のエピクロルヒドリン・ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(エポキシ当量250)を125部用い、
ジエタノールアミンの代わりにジメチルアミンを22.5部
用い、他は製造例1と同様の手順を経て、バインダー樹
脂のワニス(固形分重量21%)を得た。
上記製造例で得られたバインダー樹脂および市販のバ
インダー樹脂について、その種類、同バインダー樹脂を
構成するモノマー中の芳香族ヒドロキシ化合物のモル
%、数平均分子量を第1表に示した。
−製造例4−2(芳香族ヒドロキシ化合物を20モル%含
むバインダー樹脂の製造)− 製造例2において、エピクロルヒドリン・ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量1400、エポキシ当
量950、ビスフェノールA45モル%)475部の代わりに、
同エポキシ樹脂232部とエピクロルヒドリン・水素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量1400、エ
ポキシ当量950、芳香族ヒドロキシ化合物不含)243部を
用いて、他は製造例2と同様の手順を経て、芳香族ヒド
ロキシ化合物を20モル%含むバインダー樹脂のワニス
(固形分重量49%)を得た。
−製造例6(ポリアミン樹脂(B11)の製造)− 滴下ロートAおよびB2本、冷却管、窒素導入管、温度
計、撹拌羽根を備えた反応容器に、酢酸ブチル800部を
仕込み、120℃に昇温した。他方、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート800部を滴下ロートAに、4,4′−アゾ
ビス(4−シアノ)吉草酸80部、ブタノール320部およ
びトリエチルアミン58部の混合溶液を滴下ロートBに仕
込んだ。窒素雰囲気下、120℃で滴下ロートAおよびB
の内容物を3時間かけて全部滴下した。滴下後、30分間
120℃に保持し、4,4′−アゾビス(4−シアノ)吉草酸
8部、ブタノール32部およびトリエチルアミン5.8部の
混合溶液を滴下ロートBに仕込み、30分間で全量を滴下
した。滴下終了後、120℃で1時間熟成した後、減圧下1
00℃で溶剤を除去し、キシロール945部を追加し、ポリ
アミン樹脂(B11)のキシロール溶液(固形分重量50
%)を得た。
−製造例7(ポリアミン樹脂(B12)の製造)− 滴下ロート、冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌
羽根を備えた反応容器にセロソルブアセテート351部を
仕込み、120℃に昇温しておき、一方、グリシジルメタ
クリレート585部およびt−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート13部を滴下ロートに仕込み、窒素雰
囲気下120℃で滴下ロート内の内容物を3時間で等速滴
下した。滴下終了後30分間120℃に保持した。ついでセ
ロソルブアセテート49部およびt−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート2部を滴下ロートに仕込み、
窒素雰囲気下120℃で内容物を1時間で等速滴下した。
滴下終了後、1時間120℃に保持し、重合を完結した。
これにより、固形分59.8%、数平均分子量9800の多官能
エポキシ化合物(i)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌羽根を備えた
反応容器に、上記多官能エポキシ化合物(i)を602.1
部およびジエチルアミン185部を仕込み、90℃で5時間
撹拌して反応を行わせた。さらにキシレン80部を仕込ん
だ後、30分間撹拌を行い、さらに固形分が50重量%にな
るようキシレンを添加してポリアミン樹脂(B12)のワ
ニスを得た。
−製造例8(ポリアミン樹脂(B21)の製造)− 滴下ロートAおよびB2本、冷却管、窒素導入管、温度
計および撹拌羽根を備えた反応容器に、酢酸ブチル590
部を仕込み、120℃に昇温した。他方、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート200部を滴下ロートAに、4,4′−
アゾビス(4−シアノ)吉草酸40部、ブタノール200部
およびトリエチルアミン24部の混合溶液を滴下ロートB
に仕込んだ。窒素雰囲気下、120℃で滴下ロートAおよ
びBの内容物を3時間かけて全部滴下した。滴下後、30
分間120℃に保持し、メタクリル酸グリシジル37部およ
びハイドロキノン2.6部を加え、120℃で60分間反応させ
た。冷却後、内容物を取り出し、生成物Cを得た。
撹拌棒、冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロー
トを備えた反応容器にトルエン35部およびn−ブタノー
ル10部を仕込み、105℃に昇温した。滴下ロートにメタ
クリル酸メチル50部、アクリル酸n−ブチル30部、メタ
クリル酸n−ブチル4.6部、メタクリル酸2ヒドロキシ
エチル14部、アクリル酸1.4部、上記生成物Cを23.6
部、および、アゾビスイソブチロニトリル2部を仕込
み、105℃で3時間かけて等速滴下した。滴下終了30分
後にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
0.2部およびトルエン5部を反応容器に加え、2時間熟
成した後、トルエン40部を加え、冷却後反応容器から取
り出し、数平均分子量7800のポリアミングラフト樹脂
(B21)のワニス(不揮発分50%)を得た。
このポリアミングラフト樹脂(B21)は、粘度Y−Z
(温度25℃で東芝気泡粘度計により測定)、酸価11.0
〔KOHmg/g固形分〕であり、アミン化合物76モル%より
なるポリアミン樹脂を5.5重量%含んでいた。
−製造例9(ポリアミン樹脂(B22)の製造)− 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌羽根を備えた
反応容器に、製造例6で得たポリアミン樹脂(B11)の
キシロール溶液700部を仕込み、100℃に昇温してからER
L−4206(ユニオンカーバイド社製の2官能エポキシ化
合物)を36部加え、2時間保温後、アミン化合物83モル
%を含むエポキシ変性ポリアミン樹脂のワニス(固形分
重量48%)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌羽根を備えた
反応容器に、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂
プレポリマー(樹脂酸価=15、OH価=100、数平均分子
量4000)のワニス(固形分重量60%)1000部と上記エポ
キシ変性ポリアミン樹脂ワニス200部を仕込み、140℃で
3時間保持し、ポリアミングラフト樹脂(B22)(固形
分重量58%)を得た。このポリアミングラフト樹脂(B2
2)中のポリアミン樹脂含有率は16重量%であり、数平
均分子量は6000であった。
−製造例10(ポリアミングラフト樹脂(B23)の製造)
− 滴下ロート、冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌羽根
を備えた反応容器にキシレン400部を仕込み、130℃に昇
温しておき、一方スチレン127部、メタクリル酸メチル3
36部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル45部、メタク
リル酸n−ブチル60部、チオグリコール酸26部、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を滴下
ロートに仕込み、窒素雰囲気下130℃で滴下ロートの内
容物全量を3時間で等速滴下した。滴下終了後、130℃
で1時間保持し、重合を完結した。これにより、固形分
60.3%、数平均分子量2700、固形分酸価20.3、OH価58、
Tg68.4のカルボキシル基含有アクリル樹脂系プレポリマ
ー(iii)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌羽根を備えた反応
容器に、製造例7で調製した多官能エポキシ化合物
(i)を602.1部と、アミン化合物(ii)であるジエチ
ルアミン166部を仕込み、90℃で5時間付加反応を行わ
せた。ついで、アクリル樹脂系プレポリマー(iii)966
部を仕込み、90℃で3時間撹拌を行い、ポリアミングラ
フト樹脂(B23)を得た。このポリアミングラフト樹脂
(B23)は、固形分重量64%、数平均分子量30000であ
り、アミン化合物を47モル%含有するポリアミン樹脂を
46重量%含有する。
−製造例11−1(アミン化合物9モル%含有のポリアミ
ン樹脂の製造)− 製造例6の滴下ロートAにジメチルアミノエチルアク
リレート100部、スチレン200部、メタクリル酸メチル30
0部および2−エチルヘキシルアクリレート200部を配合
し、以下製造例6と同様の方法により、ポリアミン樹脂
(アミン化合物9モル%、数平均分子量2000、固形分重
量50%)を得た。
−製造例11−2(アミン化合物20モル%含有のポリアミ
ン樹脂の製造)− 製造例6の滴下ロートAにジメチルアミノエチルアク
リレート221部、スチレン175部、メタクリル酸メチル26
2部および2−エチルヘキシルアクリレート175部を配合
し、以下製造例6と同様の方法により、ポリアミン樹脂
(アミン化合物20モル%、数平均分子量2000、固形分重
量51%)を得た。
−製造例12(ポリプロピレングリコール変性ナイロン6
の製造)− 撹拌羽根および窒素導入管を備えた反応容器に、1モ
ルのピリジン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、6モル
のε−カプロラクタム、および、塩化水素捕捉剤として
のピリジンを仕込み、窒素雰囲気下120℃で1時間反応
させた。ついで、反応混合物を大量の冷水中に投入して
反応生成物を沈澱として析出させ、濾別した後、純水、
メタノールで順次洗浄し、真空乾燥することにより、灰
白色の粉末のピリジンジカルボニルビスカプロラクタム
を得た。
実質的に無水のε−カプロラクタム70重量%および分
子量4000のポリプロピレングリコール30重量%の混合物
を80℃で溶融保持し、ここにナトリウムカプロラクタメ
ートをε−カプロラクタムに対して1モル%、および、
先に得られたピリジンジカルボニルビスカプロラクタム
をε−カプロラクタムに対して2モル%添加して均一に
混合した後、ただちに混合物を140℃に保持した金型内
に注入して同温度で重合を実施した。重合は約6分間で
完結し、ポリプロピレングリコール変性ナイロン−6が
得られた。
上記製造例で得られた親水性樹脂および市販の親水性
樹脂について、その種類、同親水性樹脂を構成するモノ
マー中のアミン化合物のモル%、数平均分子量を第2表
に示した。
製造例1〜12で得られた化合物および市販品を用い
て、つぎのようにしてプレコート金属材料用被覆組成物
を製造した。
−実施例1− 製造例1で得たバインダー樹脂(A1)を不揮発分とし
て100部、A−300(アエロジル300:日本アエロジル社製
の平均1次粒子径8nm、ヒュームドシリカ)を44部、C
−3620(セリダスト3620:ヘキスト社製のポリエチレン
ワックス、密度0.95〜0.97、分子量2000、酸価0)を6
部、および、シクロヘキサノン600部をステンレス製容
器に仕込み、更にジルコンビーズを約1000部加えて、サ
ンドグラインドミルで3000rpm、約15分間分散した後、
濾過してシリカ分散ペーストを得た。
このシリカ分散ペースト全量に製造例10で得たポリア
ミングラフト樹脂(B23)を不揮発分として116部、硬化
剤BKS−316(昭和高分子社製レゾール型フェノール樹
脂)を不揮発分として25部加え、シクロヘキサノンで溶
解して不揮発分濃度20重量%に調整し、プレコート金属
材料用被覆組成物を得た。
−実施例2〜13および比較例1〜8− 第3表に示されている原料を同表に示す配合量で用
い、実施例1の調製法に準じてプレコート金属材料用被
覆組成物を調製した。
上記実施例および比較例のプレコート金属材料用被覆
組成物について、薄膜塗布性、および、同組成物により
被覆された金属材の品質を調べた。結果を第3表に示し
た。
組成物被覆金属材の作製 亜鉛/ニッケル合金化電気メッキ鋼板(目付け量20g/
m2)を汎用のアルカリ脱脂剤で洗浄し、水洗後乾燥し
て、市販の塗布型クロメート処理剤(日本ペイント株式
会社製のサーフコートNRC300)で処理し(付着Cr量60mg
/m2)、100℃の熱風で乾燥した。その後、上記実施例お
よび比較例の被覆組成物をロールコート塗布して、最高
到達板温度150℃で乾燥して試験板を作製した。被覆膜
の乾燥膜厚は1μmになるようにロールコート条件を調
節した。
試験・評価方法 薄膜塗布性は、組成物の固形分濃度20%での粘度とチ
キソトロピックインデックス(TI値)で判定した。すな
わち、粘度が高く、TI値が大きくなるとロールコート塗
装した場合に不均一な膜が生成する(ローピング現象が
起こる)ため、粘度およびTI値の両方が低い方が好まし
い。
粘度は、温度20℃で#4フォードカップで測定した。
TI値は、B型粘度計((株)東京計器製、BM型)でロ
ーターNo.3を用い、6rpmの時の粘度/60rpmの時の粘度の
比を用いた。
評価基準は、つぎのとおりである。
○:良好(フォードカップ粘度100秒以下でTI値が2以
下) ×:不良(フォードカップ粘度100秒を越えTI値が2を
越える) 組成物被覆材の耐食性は、上記方法によって試験板を
作製し、5%−NaCl水溶液を35℃で4時間噴霧し、60℃
で2時間乾燥させた後、50℃で相対湿度95%以上の雰囲
気中に2時間保持する複合腐食試験を100サイクル実施
し、平面部の錆発生率を肉眼により判定した。評価基準
は次のとおりである。
◎:異常なし ○:10%未満の部分に白錆発生 △:10%以上の部分に白錆発生 ×:赤錆発生 組成物被覆材のプレス加工性は、上記試験板をポンチ
径50mmφ、絞り比1.9、しわ押さえ圧0.5tで円筒深絞り
加工後、円筒側壁部にセロハン粘着テープを接着させ、
急速に剥離して被覆膜の剥離状態を調べて判定した。評
価基準は次のとおりである。
◎:剥離なし ○:微小の剥離(10%未満の部分) △:10%以上50%未満の部分が剥離 ×:50%以上の部分が剥離 電着塗膜平滑性は、上記試験板に、カチオン型電着塗
料(日本ペイント株式会社製「パワートップU−30」)
を用い、加電圧200V、電着時間3分間、塗料浴温28〜30
℃で電着塗装し、175℃で30分間焼付けして乾燥膜厚約2
0μmの塗膜を形成し、その塗膜の平滑性、均一性を肉
眼で次の基準により判定した。
◎:優れている ○:良好 △:ユズ肌 ×:素地露出有り 電着塗膜の密着性は、前記電着塗装板を40℃の純水に
240時間浸漬した後、室温で24時間放置した後、ナイフ
で切り込みを入れて1mm角のごばん目100個を作り、セロ
ハン粘着テープを用いて塗膜剥離試験を行って判定し
た。評価基準は次のとおりである。
◎:剥離ゼロ ○:剥離1個 △:剥離2〜10個 ×:剥離11個以上 第3表にみるように、実施例のプレコート金属材料用
被覆組成物は、薄膜塗布性が良好であり、これを塗布し
てなる被覆材の耐食性、プレス加工性、電着塗膜平滑性
および電着塗膜密着性のすべてが良好である。バインダ
ー樹脂以外の成分が同じである、実施例3と、実施例
1、2、および4〜6との対比から、バインダー樹脂と
して樹脂(A3)を用いると、樹脂(A1)、(A2)および
(A4)〜(A6)を用いた場合よりも、特にプレス加工性
に優れた膜を得ることができ、さらにその膜の防食効果
も大きいことがわかる。比較例1の組成物では、バイン
ダー樹脂を構成するモノマー中に芳香族ヒドロキシ化合
物を含んでいないため、耐食性が悪い。比較例2の組成
物では、バインダー樹脂が親水性樹脂と反応してしまう
ため、塗膜が形成されなかった。比較例3の組成物で
は、親水性樹脂を構成するモノマー中にアミン化合物を
25モル%以上含んでいないため、電着塗膜平滑性が悪か
った。比較例4の組成物では、親水性樹脂の数平均分子
量が低すぎるため、耐食性および電着塗膜平滑性が劣っ
ていた。比較例5の組成物では、親水性樹脂として変性
ポリアミド樹脂を用いているため、溶剤としてN−メチ
ル−2−ピロリドンを用いる必要があり、また、薄膜塗
布性が悪かった。比較例6の組成物では、バインダー樹
脂の数平均分子量が600未満だったので、耐食性が悪か
った。比較例7の組成物では、バインダー樹脂を構成す
るモノマー中に芳香族ヒドロキシ化合物を含んでいる
が、25モル%未満だったので、比較例1と同様の結果を
示した。比較例8の組成物では、親水性樹脂を構成する
モノマー中のアミン化合物の割合が比較例3のものより
も多かったが、25モル%未満だったので、電着塗膜平滑
性および電着塗膜密着性がまだ不充分であった。
〔発明の効果〕
この発明のプレコート金属材料用被覆組成物は、以上
に述べたように、フイルム形成能を有するバインダー樹
脂、電着塗装が均一に行われるようにするための親水性
樹脂、および、防食能を向上させる微粒子シリカを必須
成分とし、有機溶剤にバインダー樹脂と親水性樹脂が溶
解され微粒子シリカが分散されていて、前記バインダー
樹脂が、これを構成するモノマー中に芳香族ヒドロキシ
化合物を25モル%以上含む数平均分子量600〜100000の
樹脂であり、前記親水性樹脂が、これを構成するモノマ
ー中にアミン化合物を25モル%以上含む数平均分子量60
0〜100000のポリアミン樹脂および/またはポリイミン
樹脂であり、前記バインダー樹脂が上記(A3)からなる
群から選ばれる少なくとも1つ、かつ、前記親水性樹脂
が上記(B11)〜(B23)からなる群から選ばれる少なく
とも1つであって、前記バインダー樹脂と前記親水性樹
脂とが非反応性である。このため、この組成物を用いれ
ば、均一な薄膜が容易に得られ、しかも、電着塗装性
(電着塗膜平滑性および密着性)に優れ、高防食能およ
び高プレス加工性を有し、スポット溶接が可能な被覆膜
を低コストで得ることができる。
この発明では、微粒子シリカとして、1次平均粒子径
が1〜100nmであるものを用いるようにすると、防食性
改善効果が一層高くなる。
この発明では、滑材をも用いるようにすると、被覆膜
の加工性が一層高くなる。
この発明では、硬化剤をも用いるようにすると、焼付
け時に硬化するので、被覆膜がより強固なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/14 PGE C09D 133/14 PGE 151/00 PGZ 151/00 PGZ 163/00 PJP 163/00 PJP PKC PKC 175/04 PHW 175/04 PHW PHX PHX 179/02 PLU 179/02 PLU 201/02 PDN 201/02 PDN (72)発明者 臼杵 和彦 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−201381(JP,A) 特開 昭64−70575(JP,A) 特開 昭57−105421(JP,A) 特開 昭64−66278(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム形成能を有するバインダー樹脂、
    電着塗装が均一に行われるようにするための親水性樹
    脂、および、防食能を向上させる微粒子シリカを必須成
    分とし、有機溶剤に前記バインダー樹脂と前記親水性樹
    脂が溶解され前記微粒子シリカが分散されていて、前記
    バインダー樹脂が、これを構成するモノマー中に芳香族
    ヒドロキシ化合物を25モル%以上含む数平均分子量600
    〜100000の樹脂であり、前記親水性樹脂が、これを構成
    するモノマー中にアミン化合物を25モル%以上含む数平
    均分子量600〜100000のポリアミン樹脂および/または
    ポリイミン樹脂であり、前記バインダー樹脂が下記(A
    3)からなる群から選ばれる少なくとも1つ、かつ、前
    記親水性樹脂が下記(B11)〜(B23)からなる群から選
    ばれる少なくとも1つであって、前記バインダー樹脂と
    前記親水性樹脂とが非反応性である、プレコート金属材
    料用被覆組成物。 (A3) ビスフェノール型エポキシ樹脂および/または
    レゾルシン型エポキシ樹脂に第2アミン化合物を反応さ
    せて得られる実質的にエポキシ基を含まないエポキシ系
    樹脂(A1)、および/または、ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂および/またはレゾルシン型エポキシ樹脂にジカ
    ルボン酸を反応させて得られる実質的にエポキシ基を含
    まないエポキシエステル樹脂(A2)のうち、第1級ヒド
    ロキシル基を有するアルカノールアミン化合物により第
    1級ヒドロキシル基が導入された樹脂に、部分ブロック
    ドポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレ
    タン化樹脂。 (B11) アクリル系モノマーを必須とし25モル%以上
    がアミノ基含有モノマーを重合させて得られる、アクリ
    ル樹脂系共重合体。 (B12) 多官能エポキシ化合物と、第1または第2ア
    ミン化合物とが反応した樹脂。 (B13) ポリエチレンイミン。 (B21) 重合性不飽和基を末端に有するポリアミン樹
    脂とエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られ、
    前記ポリアミン樹脂が、アクリル系モノマーを必須とし
    25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノマーを
    重合させて得られる樹脂である、ポリアミングラフト樹
    脂。 (B22) 末端カルボキシル基含有ポリアミンと多官能
    エポキシ化合物との反応物に対しカルボキシル基を有す
    る樹脂プレポリマーを反応させて得られ、前記末端カル
    ボキシル基含有ポリアミンが、アクリル系モノマーを必
    須とし25モル%以上がアミノ基含有モノマーであるモノ
    マーを重合させて得られるポリアミンである、ポリアミ
    ングラフト樹脂。 (B23) 多官能エポキシ化合物、第1または第2アミ
    ン化合物およびカルボキシル基含有樹脂を反応させて得
    られる、ポリアミングラフト樹脂。
  2. 【請求項2】微粒子シリカの1次平均粒子径が1〜100n
    mである請求項1記載のプレコート金属材料用被覆組成
    物。
  3. 【請求項3】滑材をも含む請求項1または2に記載のプ
    レコート金属材料用被覆組成物。
  4. 【請求項4】硬化剤をも含む請求項1から3までのいず
    れかに記載のプレコート金属材料用被覆組成物。
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