JP2887723B2 - 車両用自動変速機の流体継手のクラッチ制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の流体継手のクラッチ制御装置

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JP2887723B2
JP2887723B2 JP22234793A JP22234793A JP2887723B2 JP 2887723 B2 JP2887723 B2 JP 2887723B2 JP 22234793 A JP22234793 A JP 22234793A JP 22234793 A JP22234793 A JP 22234793A JP 2887723 B2 JP2887723 B2 JP 2887723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の流
体継手のクラッチ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに連結されたトルクコンバータ
に同トルクコンバータの入力側と出力側とを断接するた
めのクラッチ(以下、ダンパクラッチと云う)を付設し
たタイプの自動変速機が知られている。この種の自動変
速機を装備した車両では、所定の運転条件、例えば、エ
ンジンのスロットル開度およびトルクコンバータのター
ビン回転数の夫々が所定値以上であるという運転条件が
満たされているときに、ダンパクラッチを直結状態にし
て、トルクコンバータの流体摩擦係合をダンパクラッチ
による機械摩擦係合で代替させ、これにより燃費向上を
図るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その一方で、車両の減
速運転時には、一般に、ダンパクラッチは非直結状態に
される。この場合、駆動輪からエンジンに作用する回転
力は、流体摩擦係合状態にあるトルクコンバータを介し
て伝達され、従って、この回転力のエンジン回転数低下
防止作用は乏しい。このため、減速運転に伴ってエンジ
ンへの燃料供給がカットされるとエンジン回転数が急減
し、エンジンストール防止のために燃料供給を再開しな
ければならなくなる。結果として、燃料カット期間が短
くなり、充分な燃費向上を図れないことがある。
【0004】そこで、減速運転時にもダンパクラッチを
直結状態にして、駆動輪からエンジンに作用する回転力
によるエンジン回転数低下防止機能を有効なものとし
て、燃料カット期間を延ばして燃費向上を図ることが試
みられている。この様なダンパクラッチ直結制御を行う
場合、ダンパクラッチを係合状態にすべくダンパクラッ
チに供給される油圧の大きさを適正に制御することが必
要である。そこで、減速運転中にダンパクラッチへ供給
される油圧についての監視結果に基づいて次の減速運転
で用いるクラッチ供給油圧を調整すると云うクラッチ油
圧に関する学習を行うことが試みられている。
【0005】その一方で、ダンパクラッチの直結制御を
行いつつ、低μ路において急制動すると、エンジンスト
ールに至るという問題が生じることがある。この理由
は、クラッチ油圧が僅かでも過大であると急制動時にダ
ンパクラッチの直結状態の解除が遅れて、急制動による
車軸回転数の急減に伴ってエンジン回転数が急減するこ
とにある。
【0006】そこで、本発明の目的は、車両の減速運転
時にダンパクラッチを直結状態にすると共にクラッチ油
圧を適正にするための学習を行うようにした車両用自動
変速機において、学習によってクラッチ油圧が過大にな
ることを確実に防止でき、これにより、急制動時におけ
るダンパクラッチの直結状態の解除遅れひいてはエンジ
ンストールを防止可能な、車両用自動変速機の流体継手
のクラッチ制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】エンジンと自動変速機の
補助変速装置との間に配設されエンジンの出力側に連結
されたポンプと、補助変速装置の入力側に連結されたタ
ービンとからなる車両用自動変速機の流体継手におい
て、本発明のクラッチ制御装置は、ポンプとタービンと
を連結遮断可能とするクラッチを有し、同クラッチへの
供給油圧を、車両運転状態に応じて制御するもので、車
両運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検
出手段により車両が減速状態に突入したことが検出され
たとき、クラッチへ減速時用係合油圧を供給する減速時
用係合油圧供給手段と、運転状態検出手段により検出さ
れたポンプの回転速度とタービンの回転速度との差が所
望のものになるように、減速時係合油圧を初期値として
フィードバック制御するフィードバック制御手段と、運
転状態検出手段により車両の車体速変化率が所定範囲内
にあることが検出されたときにのみ、初期値を学習補正
する学習補正手段とを有することを特徴とする。
【0008】好ましくは、減速状態とみなす減速域は、
エンジンの負荷が低く、且つタービンの回転速度が所定
の低回転速度以上であるような範囲に設定されている。
好ましくは、クラッチ制御装置は、減速状態に突入した
ことが検出されたときクラッチから油圧を排出する油圧
排出手段と、同油圧排出手段による油圧排出後、ポンプ
およびタービンを係合直前の状態とするように、クラッ
チへ所定油圧を供給する所定油圧供給手段とを更に備
え、減速時用係合油圧は、所定油圧出力後に供給され
る。
【0009】好ましくは、クラッチ制御装置は、フィー
ドバック制御の開始時からの経過時間を計測する計時手
段と、フィードバック制御開始時から第1の所定時間が
経過したときのクラッチへの供給油圧値を表す第1油圧
値を検出する第1油圧値検出手段と、第1所定時間より
も長く設定された第2の所定時間がフィードバック制御
開始時から経過したときのクラッチへの供給油圧値を表
す第2油圧値を検出する第2油圧値検出手段と、第1油
圧値と第2油圧値との差を演算する油圧差演算手段とを
更に備え、学習補正手段は、油圧差に応じて減速用初期
油圧を補正する。
【0010】好ましくは、クラッチ制御装置は、油圧差
が所定範囲外であるときフィードバック制御を中止し且
つクラッチから油圧を排出するフィードバック制御中止
手段を更に備える。好ましくは、運転状態検出手段は、
車速検出手段、横加速度検出手段、車輪速検出手段、前
後加速度検出手段および路面勾配検出手段の少なくとも
一つを備え、車体速変化率は、少なくとも一つの検出手
段からの出力値に応じて求められる。
【0011】好ましくは、クラッチ制御装置は、クラッ
チへの供給油圧をデューティ制御する電磁弁を更に備
え、クラッチへの油圧供給およびクラッチからの油圧排
出は、電磁弁に与えられるデューティ率で行われる。
【0012】
【作用】運転状態検出手段により車両の減速状態が検出
されたとき、好ましくは、エンジン負荷が低くかつター
ビン回転速度が所定の低回転速度以上であるとき、減速
時用係合油圧供給手段からクラッチへ減速時用係合油圧
が供給される。この結果、自動変速機の流体継手のポン
プとタービンとがクラッチにより連結される。
【0013】好ましくは、減速時用係合油圧の供給に先
だって、減速状態への突入時に油圧排出手段によりクラ
ッチから油圧が先ず排出されてクラッチが非直結状態に
され、これにより、減速状態突入時のエンジン回転数変
動の自動変速機への伝達に起因する自動変速機でのショ
ック発生が防止される。次に、所定油圧供給手段によ
り、ポンプおよびタービンを係合直前の状態とするよう
に、クラッチへ所定油圧が供給され、ショック発生防止
のためのクラッチ非直結状態が迅速に解消される。
【0014】次いで、クラッチへ供給される係合油圧
が、ポンプ回転速度とタービン回転速度との差が所望の
ものになるように、フィードバック制御手段によりフィ
ードバック制御される。ここで、減速時用係合油圧が、
フィードバック制御開始時の係合油圧初期値として用い
られる。フィードバック制御中の車体速変化率が所定範
囲内にあって、急な下り坂などで車両が減速運転されて
いなければ、係合油圧の初期値としての減速時係合油圧
が学習補正手段により学習補正され、これにより、次の
減速運転開始時の係合油圧初期値が適正化される。一
方、車体速変化率が所定範囲外にあって、急な下り坂な
どで車両が減速運転されていれば、係合油圧初期値の学
習補正が禁止される。この結果、平坦路走行時に比べて
係合油圧が増大する急な下り坂において学習補正を行っ
た場合に生じる係合油圧初期値の過大な補正が阻止さ
れ、これにより、係合油圧初期値は、低μ路で急制動が
行われた場合にもエンジンストールを来すことがないよ
うな適正値に維持される。
【0015】好ましくは、車体速変化率は、車速検出手
段、横加速度検出手段、車輪速検出手段、前後加速度検
出手段および路面勾配検出手段の少なくとも一つからの
出力値に応じて求められ、これにより、車両が急な下り
坂などで減速運転されているか否かが確実に検出され
る。好ましくは、計時手段の計測によりフィードバック
制御開始時から第1および第2の所定時間が経過したこ
とが判別されたときに、当該判別時点の夫々でのクラッ
チへの供給油圧値を表す第1及び第2油圧値が、第1及
び第2油圧値検出手段により夫々検出され、第1油圧値
と第2油圧値との差が油圧差演算手段により演算され、
この油圧差に応じて減速用初期油圧が学習補正手段によ
り好適に補正される。
【0016】好ましくは、油圧差が所定範囲外であると
き、フィードバック制御中止手段により、フィードバッ
ク制御が中止されると共にクラッチから油圧が排出さ
れ、これにより、フィードバック制御によるクラッチ供
給油圧の過剰な増大補正に起因するショック発生、およ
び、過大なクラッチ供給油圧初期値をもって開始された
フィードバック制御の続行中の急制動に伴うエンジンス
トールが未然に防止される。
【0017】好ましくは、クラッチへの油圧供給および
クラッチからの油圧排出は、クラッチ制御装置の電磁弁
に与えられるデューティ率で行われ、この電磁弁により
クラッチへの供給油圧がデューティ制御され、これによ
りクラッチ油圧制御が適正に行われる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例によるクラッチ制御
装置を装備した車両用自動変速機について説明する。図
1に示すように、本実施例の自動変速機は、ケーシング
20A、ポンプ23、ステータ24およびタービン25
を含む流体継手としてのトルクコンバータ20と、補助
変速装置としての歯車変速装置30とを備えている。
【0019】トルクコンバータ20における駆動軸21
の一端は、フライホィール11を介して内燃エンジン1
0のクランク軸10Aに連結され、ポンプ23は、トル
クコンバータ20のケーシング22を介して駆動軸21
の他端に連結されている。又、ステータ24は、ワンウ
ェイクラッチ24Aを介してケーシング20Aに連結さ
れ、タービン25は、歯車変速装置30の入力軸30A
に連結されている。
【0020】歯車変速装置30は、例えば、回転要素と
してのサンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤ
を含む遊星歯車機構(図示略)と、これら回転要素の回
転動作を許容または阻止するための摩擦係合要素(変速
要素)としての多板クラッチやブレーキ(図示略)とを
有し、各変速要素は係合用ピストン装置あるいはサーボ
装置を有している。
【0021】トルクコンバータ20は、同トルクコンバ
ータの入力軸と出力軸とを剛連結自在とするスリップ式
の直結クラッチ(以下、ダンパクラッチと云う)28を
更に備えている。このダンパクラッチ28は、ダンパク
ラッチ入力用ケーシング22とタービン25間に介装さ
れ、係合時(直結時)においても所要のスリップを許容
しつつ、ポンプ23とタービン25とを機械的に直結さ
せるようになっている。
【0022】自動変速機は、記憶装置、中央処理装置、
入出力インターフェイス、カウンタ等(図示略)を内蔵
したトランスミッションコントロールユニット(以下、
TCUと云う)16と、このTCU16の制御下で歯車
変速装置30を駆動制御するための油圧回路40とを更
に備えている。油圧回路40は、ドライバによるセレク
トレバー操作に応動するマニアルバルブ(図示略)と、
歯車変速装置30の変速要素へのライン圧供給経路を切
り換えたり供給油圧の大きさを制御するための各種制御
弁(図示略)とを有している。
【0023】TCU16の入力側には、内燃エンジン回
転数NEを検出するためのエンジン回転数センサとして
の電磁ピックアップ14が接続され、この電磁ピックア
ップ14は、フライホィール11に外嵌されスタータ1
2のピニオン12Aに噛み合う所定歯数のリングギヤ1
1Aに対向して配されている。又、TCU16の入力側
には、タービン回転数NTを検出するためのタービン回
転数センサ15と、トランスファドライブギヤ回転数N
Oを検出するためのトランスファドライブギヤ回転数セ
ンサ17とが接続され、更に、内燃エンジン10の吸気
通路途中に配されたスロットル弁(図示略)の弁開度θ
Tを検出するためのスロットル開度センサ18と、図示
しない油圧ポンプから吐出される作動油の温度TOIL
を検出するための油温センサ19とが接続されている。
【0024】自動変速機は、ダンパクラッチ28の直
結、非直結、スリップ直結および減速直結制御を行うた
めのダンパクラッチ油圧制御回路50を更に備えてい
る。このダンパクラッチ油圧制御回路50は、ダンパク
ラッチ28への作動油供給油路を切換えると共に同クラ
ッチ28に作用する油圧を制御するためのダンパクラッ
チコントロールバルブ52と、常閉型のオンオフ弁から
なるダンパクラッチコントロールソレノイドバルブ54
とを備え、同バルブ54のソレノイド54AはTCU1
6の出力側に接続されている。
【0025】詳しくは、ダンパクラッチコントロールバ
ルブ52は、スプール52Aと、同スプールの左端を収
容するための左端室52Bと、スプール52Aを図1中
右方に押圧するバネ52Cとを備え、左端室52Bに
は、図示しないパイロット油圧源に連通するパイロット
油路55が接続されている。そして、このパイロット油
路55に接続されドレン側に連通する分岐路55Aに
は、ダンパクラッチコントロールソレノイドバルブ54
が介装され、同バルブ54を開閉することにより左端室
52Bに供給されるパイロット油圧の大きさを制御する
ようになっている。更に、スプール52Aの右端が進入
自在の右端室52Dにもパイロット油圧源から油圧供給
を行うようにしている。
【0026】上記構成のダンパクラッチ油圧制御回路5
0において、左端室52Bにパイロット油圧が作用して
スプール52Aが右極限位置に移動すると、トルクコン
バータ20に供給された潤滑油圧が、油路56、ダンパ
クラッチコントロールバルブ52および油路57を介し
て、入力用ケーシング22とダンパクラッチ28とによ
り画成された油圧室に供給され、これによりダンパクラ
ッチ28の係合が解除される。
【0027】一方、左端室52Bにパイロット油圧が供
給されず、スプール52Aが左極限位置に移動すると、
油圧ポンプからのライン圧が、油路58、ダンパクラッ
チコントロールバルブ52および油路59を介して、ダ
ンパクラッチ28とタービン25とにより画成された油
圧室に供給され、これによりダンパクラッチ28をケー
シング22に摩擦係合させる。
【0028】そして、TCU16によりダンパクラッチ
コントロールソレノイドバルブ54をデューティ制御す
ると、左端室52Bに作用するパイロット油圧とバネ5
2Cのバネ力との合力と右端室52Cに作用するパイロ
ット油圧とがバランスするような位置までスプール52
Aが移動して、このスプール移動位置に対応する油圧が
ダンパクラッチ28に供給され、ダンパクラッチ28を
介する伝達トルクが所要値に制御される。
【0029】以下、上記構成の自動変速機の作動を説明
する。エンジン10が始動されると、TCU16の制御
下で夫々作動する油圧回路40とダンパクラッチ油圧制
御回路50による変速制御およびクラッチ制御が開始さ
れる。変速制御は、従来公知のように行われる。簡略に
説明すれば、この変速制御のため、TCU16は、NO
センサ17により検出され車速を表すトランスファドラ
イブギヤ回転数NO、θTセンサ18により検出された
スロットル弁開度θT等に基づいて最適変速段を決定
し、歯車変速装置30において現在確立されている変速
段が最適変速段と相違していれば、変速指令を油圧回路
40の各種制御弁に送出する。そして、変速指令に応動
する各種制御弁の作動により、歯車変速装置30の変速
要素への油圧供給経路が切換えられて同変速装置の回転
要素の作動状態が切り替わり、これにより最適変速段が
確立する。
【0030】一方、クラッチ制御に関連して、TCU1
6は、NTセンサ15により検出されるタービン回転速
度NT、θTセンサ18により検出されるスロットル弁
開度θT等により表される現在の車両運転状態が、図2
に示すように区分されたクラッチ制御域のいずれに該当
するのかを判別するためのクラッチ制御域判別ルーチン
(図示略)を実行する。
【0031】図2を参照すると、クラッチ制御領域全体
は、タービン回転速度NTとスロットル弁開度θTとに
よって、完全直結域、非直結域、スリップ直結域および
減速直結域の4つに区分されている。上記判別ルーチン
において現在の車両運転状態が完全直結域に入っている
と判別すると、TCU16は、常閉型ダンパクラッチコ
ントロールソレノイドバルブ54のデューティ率を10
0%またはその近傍の値として同バルブ54を開とする
制御出力を、バルブ54のソレノイド54Aに送出す
る。この結果、ダンパクラッチコントロールバルブ52
の左端室52Bへのパイロット油圧供給が遮断されて、
スプール52Aが左極限位置をとり、これにより、油路
58からのライン圧が、油路59を介してダンパクラッ
チ28へアプライ圧として供給される一方、ダンパクラ
ッチ28のリリース側作動油が油路57を介して排出さ
れる。この結果、ダンパクラッチ28がケーシング22
に機械摩擦係合して、ポンプ23とタービン25とが直
結する。
【0032】又、TCU16は、非直結域で車両が運転
されていると判別すると、ダンパクラッチコントロール
ソレノイドバルブ54のデューティ率を0〜30%とし
て同バルブ54を閉とする制御出力をソレノイド54A
に送出する。この結果、ダンパクラッチコントロールバ
ルブ52の左端室52Bへパイロット油圧が供給され
て、スプール52Aが右極限位置をとり、これにより、
油路58からのライン圧が、油路57を介してダンパク
ラッチ28へリリース圧として供給される一方、ダンパ
クラッチ28のアプライ側作動油が油路59を介して排
出される。この結果、ダンパクラッチ28とケーシング
22との機械摩擦係合ひいてはポンプ23とタービン2
5との直結状態が解除され、ポンプ23とタービン25
は流体摩擦係合する。
【0033】そして、車両運転状態がスリップ直結域に
入っていると判別すると、TCU16は、ダンパクラッ
チ28へ所要のアプライ圧とリリース圧とが加わるよう
にクラッチコントロールソレノイドバルブ54をデュー
ティ制御し、これにより、ダンパクラッチ28がケーシ
ング22に所要のスリップ状態をもって直結される。
又、減速直結域においても、クラッチコントロールソレ
ノイドバルブ54のデューティ制御がTCU16により
行われて、ダンパクラッチ28へのアプライ圧とリリー
ス圧とが調整される。
【0034】以下、図3〜図6を参照して、本実施例の
クラッチ制御装置による減速直結制御について詳細に説
明する。車両運転中、TCU16は、上述のクラッチ制
御域判別ルーチンにおいて、タービン回転速度NTとス
ロットル弁開度θTとによって表される現在の車両運転
状態が図2に示す4つのクラッチ制御域のいずれに該当
するのかを判別する。
【0035】そして、タービン回転速度NTが所定回転
数たとえば1200rpm以上でかつスロットル弁開度
θTが所定角度以上であって、車両運転状態が減速直結
域にあると判別すると、TCU16は、図3〜図6の減
速直結制御ルーチンを開始する。この減速直結制御ルー
チンにおいて、TCU16は、減速直結域判別時点での
タービン回転速度NTとスロットル弁開度θTとを、T
CU16に内蔵のレジスタ(図示略)に格納し、次い
で、ダンパクラッチコントロールソレノイドバルブ54
のデューティ率を0%として同バルブ54を閉とする制
御出力をバルブ54のソレノイド54Aにt1秒間(例
えば、1演算サイクル時間655ms)にわたって送出
する(ステップS2)。この結果、図7のA区間では、
ダンパクラッチ28へのアプライ圧がデューティ率0%
に対応する値に保持されて、ダンパクラッチ28が非直
結状態にされ、従って、ポンプ23とタービン25とが
非直結状態になる。
【0036】この様に、上記ステップS2において、T
CU16が、バルブ54等と協働して、車両の減速運転
状態突入時にダンパクラッチ28から油圧を排出する手
段として機能し、これにより減速直結域への突入時点で
ポンプ23とタービン25とが直ちに非直結状態にされ
るので、スロットル弁の戻り動作に伴うエンジン10の
トルク変動がポンプ23およびタービン25を介して歯
車変速装置30へ直接伝達することがない。換言すれ
ば、車両の減速運転開始時のエンジン出力トルク変動
が、ポンプ23とタービン25間に介在する作動流体に
よって吸収され、このため、減速直結域への突入直前に
おいてダンパクラッチ28が直結状態にあっても、トル
ク変動伝達によるショックまたはジャダーが発生するこ
とがない。
【0037】ソレノイド54Aへのt1秒間にわたる制
御出力の送出が終了すると、TCU16は、車両運転状
態が依然として減速直結域にあるか否かを判別する(ス
テップS3)。この判別結果が否定であれば、TCU1
6は、後述の制御指標機能を有するフラグF1,F2及
びF3を値「0」に夫々リセットすると共に、バルブ5
4のデューティ率を0%とするような制御出力をソレノ
イド54Aに送出し(ステップS4)、これにより本制
御ルーチンが終了する。
【0038】一方、現在の車両運転状態が減速直結域に
あるとステップS3で判別すると、TCU16は、ステ
ップS1で格納したタービン回転数NTとスロットル弁
開度θTとをレジスタから読み出し、メモリに予め格納
されている「がたづめ油圧マップ」(図8)を参照し
て、両パラメータ値NT,θTに対応するがたづめ油圧
を発生するためのデューティ率DG1(%)を求め、更
に、バルブ54のデューティ率をDG1とするような制
御出力をソレノイド54Aにt2秒間(例えば、1演算
サイクル時間655ms)にわたって送出する(ステッ
プS5)。この結果、図7のB区間では、デューティ率
DG1に相当するアプライ圧がダンパクラッチ28に加
わり、ダンパクラッチ28が直結状態にされる。
【0039】図8に示すように、がたづめ油圧マップに
は、タービン回転数NTとスロットル弁開度θTとによ
って区分された16個のNT・θT領域に対して、ステ
ップS2においた実現した非直結状態を迅速に解消可能
とするようなデューティ率A1〜A16(がたづめ油圧
発生のためのデューティ率DG1)が夫々設定されてい
る。又、デューティ率A1〜A16の設定では、減速直
結域への突入直前のダンパクラッチ28の作動状態が考
慮される。即ち、スロットル弁開度θTおよびタービン
回転速度NTの双方が大きい完全直結域からの移行時に
用いられるデューティ率A16等は、ダンパクラッチア
プライ側の残圧に配慮して、小さい値に設定される一
方、タービン回転速度NTが小さい非直結域からの移行
時に用いられるデューティ率A1等は、スロットル弁開
度θTが小さいほど、大きい値に設定される。
【0040】上記ステップS5において、TCU16
は、ソレノイド54Aへt2秒間にわたって制御出力を
送出することにより、ポンプ23およびタービン25を
係合直前の状態とするようにダンパクラッチ28へ所定
油圧(がたづめ油圧)を供給する手段として機能する。
この制御出力の送出が終了すると、TCU16は、車両
運転状態が依然として減速直結域にあるか否かを判別し
(ステップS6)、この判別結果が否定であれば、フラ
グF1,F2及びF3を夫々値「0」にリセットすると
共に、バルブ54のデューティ率を0%とするような制
御出力をソレノイド54Aに送出して(ステップS
4)、本制御ルーチンを終了する。
【0041】一方、現在の車両運転状態が減速直結域に
あるとステップS6で判別すると、TCU16は、ステ
ップS1で格納したタービン回転数NTとスロットル弁
開度θTとをレジスタから読み出し、メモリに予め格納
されているフィードバック開始油圧マップ(図9)を参
照して、両パラメータ値NT,θTに対応するフィード
バック開始油圧を発生するためのデューティ率DG2
(%)を、フィードバック制御のための可変デューティ
率DG3の初期値として設定し、更に、バルブ54のデ
ューティ率をDG3とするような制御出力をソレノイド
54Aに送出すると共に、フィードバック制御開始時点
からの経過時間を計測するための計時手段としてのタイ
マ(図示略)を起動する(ステップS7)。
【0042】図9に示すように、フィードバック開始油
圧マップには、タービン回転数NTとスロットル弁開度
θTとによって区分された16個のNT・θT領域に対
して、フィードバック制御によりバルブ54のデューテ
ィ率を円滑に収束可能とするようなデューティ率B1〜
B16が夫々設定されている。そして、このデューティ
率B1〜B16の設定では、減速直結域への突入直前で
のダンパクラッチ28の作動状態が考慮される。即ち、
スロットル弁開度θTおよびタービン回転速度NTの双
方が大きい完全直結域からの移行時に用いられるデュー
ティ率B16等は、ダンパクラッチアプライ側の残圧に
配慮して、タービン回転速度NTが小さい非直結領域か
らの移行時に用いるデューティ率B13等に比べて大き
い値に設定される。なお、デューティ率B1〜B16
は、後述の学習補正により増減補正されるが、当初は、
低μ路での急制動が行われる場合にもエンジンストール
を来さないような低めの値に設定される。
【0043】TCU16等は、ステップS7において、
クラッチダンパ28へ減速時用係合油圧を供給する手段
として機能し、又、減速時用係合油圧を初期値としてク
ラッチへの供給油圧をフィードバック制御する手段とし
ての機能を奏し始め、これにより図7のC区間でのフィ
ードバック制御が開始される。ステップS8において、
TCU16は、タイマ出力を参照して、フィードバック
制御開始時点から第1の所定時間としてのt3秒間(例
えば1秒間)が経過したか否かを判別する。フィードバ
ック制御開始直後はステップS8の判別結果は否定にな
り、この場合、フィードバック制御開始時点からt4秒
間(例えば2.5秒間)が経過したか否かを更に判別す
る(ステップS9)。フィードバック制御開始直後では
この判別結果が否定になるので、車両運転状態が依然と
して減速直結域にあるか否かが判別される(ステップS
10)。
【0044】ステップS10で減速直結域ではないと判
別すると、TCU16は、フラグF1〜F3を夫々リセ
ットし、又、バルブ54のデューティ率を0%とするよ
うな制御出力をソレノイド54Aに送出する(ステップ
S11)。一方、減速直結域であると判別すると、TC
U16は、車速検出手段としてのNOセンサ17から
の、車速Vを表す出力を読み込み(ステップS12)、
前回の車速データ格納サイクルで第1車速データ領域に
格納したNOセンサ出力を第2車速データ領域に転送す
ると共に今回サイクルのステップS12で読み込んだN
Oセンサ出力を第1車速データ領域に格納し(ステップ
S13)、更に、両NOセンサ出力から車速変化率ΔV
を算出する(ステップS14)。
【0045】次に、TCU16は、ステップS14で算
出した車速変化率ΔVが、例えば−10km/h・sよ
りも大きくかつ7km/h・sよりも小さい所定範囲内
に入っているか否かを判別し(ステップS15)、この
判別結果が否定、すなわち車両が急な下り坂または急な
上り坂で減速運転されていれば、フラグF3を、急な下
り坂または急な上り坂での減速運転を表す値「1」にセ
ットする(ステップS16)。
【0046】ステップS15またはS16に続くステッ
プS17において、TCU16は、エンジン回転数NE
を表すNEセンサ14出力とタービン回転数NTを表す
NTセンサ17出力とから、ダンパクラッチ28におけ
る実際スリップ量(NE−NT)を算出すると共に減速
運転時の目標スリップ量(例えば−5回転)をメモリか
ら読み出し、次いで、実際スリップ量から目標スリップ
量を減じて得た値が判別基準値「−a」(ここでa>
0)よりも小さいか否かを判別する。
【0047】そして、ステップS17での判別結果が肯
定、すなわち、実際スリップ量が目標スリップ量よりも
値「a」だけ下まわるレベルよりも小さければ、TCU
16は、ダンパクラッチ28へのアプライ圧が過小であ
ると判断して、可変デューティ率DG3に所定値d1を
加えることにより得た値へ可変デューティ率DG3を更
新する(ステップS18)。これによりダンパクラッチ
28へのアプライ圧が増大する。次いで、フラグF1が
値「1」であるか否かが判別される(ステップS1
9)。フィードバック制御開始時点からt3秒間が経過
していなければ、ステップS19での判別結果は否定に
なり、この場合、ステップS8に戻る。
【0048】一方、実際スリップ量から目標スリップ量
を減じて得た値が判別基準値「−a」よりも小さくない
とステップS17で判別すると、TCU16は、実際ス
リップ量から目標スリップ量を減じて得た値が判別基準
値「b」(ここでb>0)よりも大きいか否かを更に判
別する(ステップS20)。そして、この判別結果が肯
定、すなわちダンパクラッチ28へのアプライ圧が過大
であると判別されると、可変デューティ率DG3から所
定値d2が減じられて、アプライ圧が減少するように可
変デューティ率DG3が更新される(ステップS2
1)。次いで、フラグF1が値「1」であるか否かが判
別され(ステップS22)、この判別結果が否定であれ
ばステップS8に戻る。
【0049】又、ステップS20において、実際スリッ
プ量から目標スリップ量を減じて得た値が判別基準値
「b」よりも大きくなく、従って、実際スリップ量ひい
てはダンパクラッチ28へのアプライ圧が適正範囲内に
あると判別されると、ステップS23でフラグF1が値
「1」であるか否かが判別され、この判別結果が否定で
あればステップS8に戻る。
【0050】以上のようにして、ダンパクラッチ28に
おけるスリップ量が適正範囲内に入るように、クラッチ
コントロールソレノイドバルブ54のデューティ率を増
減補正または維持するためのフィードバック制御が実行
される。その後、フィードバック制御開始時点から第1
の所定時間としてのt3秒間が経過したことをステップ
S8において判別すると、第1油圧値検出手段としての
TCU16は、その時点でバルブ54へ制御出力として
送出しているデューティ率DG3を、第1の所定時間経
過時点でのクラッチへの供給油圧(第1油圧値)に相当
するデューティ率D1として読み込んでこれをメモリに
格納し(ステップS24)、次に、第1の所定時間の経
過および第1油圧値の検出完了を記憶すべく、フラグF
1を値「1」にセットし(ステップS25)、ステップ
S9以降の制御処理を実行する。
【0051】このフィードバック制御の実行中、ステッ
プS19、S22またはS23でフラグF1の値が
「1」であると判別されると、ステップS26、S27
またはS28でフラグF2の値が「1」であるか否かが
更に判別される。フィードバック開始時点から第2の所
定時間としてのt4秒間が経過していなければ、ステッ
プS26、S27またはS28での判別結果は否定にな
り、この場合、ステップS9以降の制御処理が実行され
る。
【0052】その後、フィードバック制御開始時点から
第2の所定時間としてのt4秒間が経過したことをステ
ップS9において判別すると、第2油圧値検出手段とし
てのTCU16は、その時点でバルブ54へ制御出力と
して送出しているデューティ率DG3を、第2の所定時
間経過時点でのクラッチへの供給油圧(第2油圧値)に
相当するデューティ率D2として読み込んでこれをメモ
リに格納し(ステップS29)、次に、第2の所定時間
の経過および第2油圧値の検出完了を記憶すべく、フラ
グF2を値「1」にセットする(ステップS30)。
【0053】そして、油圧差演算手段としてのTCU1
6は、メモリから第1及び第2油圧値としてのデューテ
ィ率D1およびD2を読み出してデューティ率D2から
デューティ率D1を減じ、これにより、第1油圧値と第
2油圧値との差を表すデューティ率変化量ΔDを算出し
(ステップS31)、斯く算出したデューティ率変化量
ΔDに対応するデューティ率補正量βを、デューティ率
変化量・デューティ率補正量マップ(図10)を参照し
て求める(ステップS32)。
【0054】図10に示すように、デューティ率補正量
βは、デューティ率変化量ΔDの増減に応じて階段状に
変化するように設定されている。詳しくは、フィードバ
ック制御開始後においてt3秒経過時点からt4秒経過
時点までにデューティ率が0%ないし0.4%だけ増大
変化したときはデューティ率の補正は行わず、デューテ
ィ率が0.4%ないし1.2%だけ増大変化したときに
はデューティ率を0.4%だけ増大補正し、デューティ
率が1.2%ないし1.6%だけ増大変化したときはデ
ューティ率を1.2%だけ増大補正し、又、デューティ
率が1.6%以上増大変化したときはデューティ率を
1.6%だけ増大補正する。デューティ率補正量βを以
上のように設定することにより、デューティ率が過大に
増大補正されることを防止し、これによりエンジンスト
ールを来さないようにしている。
【0055】デューティ率が減少変化した場合でのデュ
ーティ率の減少補正についても同様である。次に、TC
U16は、フラグF3の値が「1」であるか否かを判別
し(ステップS33)、この判別結果が否定、すなわ
ち、車体変化率ΔVが所定範囲内に入っており、従っ
て、車両が急な下り坂や急な上り坂で走行していないと
判別すると、フィードバック開始デューティ率DG2
(より具体的には、16個のNT・θT領域の夫々につ
いて図9のマップに設定されているデューティ率B1〜
B16)にステップS32で求めた補正量βを加えて得
た値へフィードバック開始デューティ率DG2を更新す
る(ステップS34)。即ち、学習補正手段としてのT
CU16により、デューティ率DG2の学習が行われ
る。
【0056】一方、フラグF3の値が「1」であって、
車両が急な下り坂や急な上り坂(より一般的には不適正
な学習補正を招来するおそれのある路面)で走行してい
ると判別されると、ステップS34がスキップされ、こ
れにより、急な下り坂などにおけるフィードバック開始
デューティ率DG2の学習を禁止し、急な下り坂などで
のデューティ率DG2の学習に起因して同デューティ率
DG2が過大になることが確実に防止される。
【0057】ステップS35では、デューティ率変化量
ΔDが判別基準値C(>0)よりも大きいか否かを判別
し、この判別結果が否定であれば、デューティ率変化量
ΔDが判別基準値「−f」(f>0)よりも小さいか否
かを更に判別する(ステップS36)。そして、ステッ
プS36での判別結果が否定であれば、ステップS10
以降の制御処理を実行する。
【0058】一方、ステップS35またはS36での判
別結果が肯定であれば、フィードバック制御中止手段と
してのTCU16は、フラグF1〜F3をリセットする
と共にバルブ54のデューティ率を0%とするような制
御出力をソレノイド54Aに送出して(ステップS3
7)、本制御ルーチンを終了する。すなわち、ステップ
S35の判別結果が肯定であって、フィードバック開始
時からt3秒間が経過した時点からt4秒間が経過する
時点までに、バルブ54のデューティ率が判別基準値C
を上回る値だけ増大変化した場合には、フィードバック
制御を続行するとバルブ54のデューティ率ひいてはダ
ンパクラッチ28へのアプライ圧が過大になると判断し
て、フィードバック制御を中止するようにしている。こ
の理由は、t3秒経過時点からt4秒経過時点までのデ
ューティ率の増大変化量が大きい場合にフィードバック
制御を継続すると、ある時点(例えばフィードバック制
御開始時から10秒経過時点)で、実際スリップ量と目
標スリップ量との偏差の符号が急に反転するような実際
スリップ量の急変、ひいては自動変速機におけるショッ
ク発生を招来するおそれがあるからである。
【0059】また、ステップS36での判別結果が肯定
であって、t3秒経過時点からt4秒経過時点までのデ
ューティ率変化量ΔDが判別基準値「−f」を下回る場
合には、フィードバック開始デューティ率が過大であっ
たもので、減少補正によるデューティ率の適正化が完了
しない前に低μ路で急制動が行われれば、ダンパクラッ
チ28の直結状態の解除遅れに起因してエンジンストー
ルを招来するおそれがある。そこで、デューティ率の減
少変化量が過大であれば、フィードバック制御を中止し
て、この様な不具合を未然に防止するようにしている。
【0060】なお、減速直結制御でのダンパクラッチ2
8へのアプライ圧(バルブ54のデューティ率)の適正
範囲は比較的厳格で、フィードバック制御による収れん
アプライ圧に対して例えば±5%程度の誤差範囲内に収
める必要がある。即ち、アプライ圧が収れんアプライ圧
よりも例えば5%以上大きい状態で、低μ路での急制動
が行われると、ダンパクラッチ28の直結状態の解除遅
れによりエンジンストールを来し、一方、アプライ圧が
収れんアプライ圧よりも例えば5%以上小さくなると、
ダンパクラッチ28が非直結状態となってエンジン回転
数が急減し易く、従って、エンジンストール防止のため
に燃料カットが中止され、このためクラッチ直結による
燃費向上を図れなくなるからである。本実施例のクラッ
チ制御装置によれば、フィードバック開始デューティ率
が適正に学習補正されて、上記要件が満たされることに
なる。
【0061】本発明は、上記実施例に限定されず、種々
に変形可能である。例えば、実施例では、車速検出手段
としてのNOセンサ17の出力から求めた車速変化率Δ
Vを車体速変化率として検出し、この検出結果に応じて
デューティ率の学習補正を選択的に行うようにしたが、
この車速検出手段に代えて、あるいはそれに加えて、横
加速度検出手段、車輪速検出手段、前後加速度検出手段
および路面勾配検出手段の少なくとも一つを設け、これ
ら検出手段の少なくとも一つからの出力値に応じて車体
速変化率を求めるようにしても良い。
【0062】又、実施例では、図9に示すフィードバッ
ク開始油圧マップにおいて16個のNT・θT領域の夫
々について設定されているフィードバック開始デューテ
ィ率B1〜B16のいずれか一つに基づいて開始された
フィードバック制御の実行中に検出したデューティ率変
化率ΔDに従って補正量βを求め、この補正量βでデュ
ーティ率B1〜B16の全てを一括して学習補正するよ
うにしたが、フィードバック開始デューティ率B1〜B
16のうち、フィードバック制御開始時に実際に用いら
れた一つのみを補正量βにより学習補正するようにして
も良い。
【0063】
【発明の効果】上述のように、エンジンと自動変速機の
補助変速装置との間に配設されエンジンの出力側に連結
されたポンプと、補助変速装置の入力側に連結されたタ
ービンとからなる車両用自動変速機の流体継手におい
て、本発明のクラッチ制御装置は、ポンプとタービンと
を連結遮断可能とするクラッチを有し、同クラッチへの
供給油圧を、車両運転状態に応じて制御するもので、車
両運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検
出手段により車両が減速状態に突入したことが検出され
たとき、クラッチへ減速時用係合油圧を供給する減速時
用係合油圧供給手段と、運転状態検出手段により検出さ
れたポンプの回転速度とタービンの回転速度との差が所
望のものになるように、減速時係合油圧を初期値として
フィードバック制御するフィードバック制御手段と、運
転状態検出手段により車両の車体速変化率が所定範囲内
にあることが検出されたときにのみ、初期値を学習補正
する学習補正手段とを有するので、車両の減速運転時に
ダンパクラッチを直結状態にすることができると共にク
ラッチ油圧を適正にするための学習を行え、しかも、学
習によってクラッチ油圧が過大になることを確実に防止
でき、これにより、急制動時におけるダンパクラッチの
直結状態の解除遅れひいてはエンジンストールを防止可
能である。従って、低μ路での急制動時にもエンジンス
トールを来すことなしに、車両の減速運転時にはエンジ
ンへの燃料供給をカットでき、これにより燃費向上が図
れる。
【0064】減速状態とみなす減速域を、エンジンの負
荷が低く、且つタービンの回転速度が所定の低回転速度
以上であるような範囲に設定する本発明の特定の態様に
よれば、クラッチの減速直結制御を適正な領域で実行で
きる。又、本発明の好適な態様によれば、クラッチ制御
装置は、減速状態に突入したことが検出されたときクラ
ッチから油圧を排出する油圧排出手段と、同油圧排出手
段による油圧排出後、ポンプおよびタービンを係合直前
の状態とするように、クラッチへ所定油圧を供給する所
定油圧供給手段とを更に備え、減速時用係合油圧を所定
油圧出力後に供給するようにしたので、減速状態突入時
のエンジン回転数変動の自動変速機への伝達に起因する
自動変速機でのショック発生を防止できると共に、この
ショック発生防止のためのクラッチ非直結状態を迅速に
解消してフィードバック制御を円滑に開始可能となる。
【0065】本発明の好適な態様によれば、クラッチ制
御装置は、フィードバック制御の開始時からの経過時間
を計測する計時手段と、フィードバック制御開始時から
第1の所定時間が経過したときのクラッチへの供給油圧
値を表す第1油圧値を検出する第1油圧値検出手段と、
第1所定時間よりも長く設定された第2の所定時間がフ
ィードバック制御開始時から経過したときのクラッチへ
の供給油圧値を表す第2油圧値を検出する第2油圧値検
出手段と、第1油圧値と第2油圧値との差を演算する油
圧差演算手段とを更に備え、学習補正手段は、油圧差に
応じて減速用初期油圧を補正するので、学習補正を適正
に行える。
【0066】油圧差が所定範囲外であるときフィードバ
ック制御を中止し且つクラッチから油圧を排出するフィ
ードバック制御中止手段を備える態様によれば、フィー
ドバック制御によるクラッチ供給油圧の過剰な増大補正
に起因するショック発生、および、過大なクラッチ供給
油圧初期値をもって開始されたフィードバック制御の続
行中の急制動に伴うエンジンストールを未然に防止でき
る。
【0067】本発明の好適な態様では、運転状態検出手
段は、車速検出手段、横加速度検出手段、車輪速検出手
段、前後加速度検出手段および路面勾配検出手段の少な
くとも一つを備え、車体速変化率を、少なくとも一つの
検出手段からの出力値に応じて求めるので、急な下り坂
などの、不適切な学習補正が行われるおそれのある路面
で、車両が減速運転されているか否かを確実に検出でき
る。
【0068】クラッチへの供給油圧をデューティ制御す
る電磁弁を備え、クラッチへの油圧供給およびクラッチ
からの油圧排出を、電磁弁に与えられるデューティ率で
行うようにした態様によれば、クラッチ油圧制御を適正
に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるクラッチ制御装置を装
備した車両用自動変速機の要部を示す概略図である。
【図2】図1のダンパクラッチの作動制御に関連する完
全直結域、非直結域、スリップ直結域および減速直結域
の設定例を示す図である。
【図3】ダンパクラッチの減速直結制御のために、図1
のトランスミッションコントロールユニット(TCU)
により実行される減速直結制御ルーチンの一部を示すフ
ローチャートである。
【図4】減速直結制御ルーチンの別の一部を示すフロー
チャートである。
【図5】減速直結制御ルーチンの更に別の一部を示すフ
ローチャートである。
【図6】減速直結制御ルーチンの残部を示すフローチャ
ートである。
【図7】ダンパクラッチの減速直結制御中における、時
間経過に伴うダンパクラッチコントロールソレノイドバ
ルブのデューティ率の変化を示すグラフである。
【図8】ダンパクラッチの減速直結制御に用いる「がた
づめ油圧マップ」の設定例を示す図である。
【図9】ダンパクラッチの減速直結制御に用いるフィー
ドバック開始油圧マップの設定例を示す図である。
【図10】ダンパクラッチコントロールソレノイドバル
ブのデューティ率の学習補正に用いるデューティ率変化
量・デューティ率補正量マップの設定例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 内燃エンジン 14 エンジン回転数(NE)センサ 15 タービン回転数(NT)センサ 16 トランスミッションコントロールユニット(TC
U) 17 トランスファドライブギヤ回転数センサ(車速セ
ンサ) 18 スロットル開度センサ 20 トルクコンバータ 23 ポンプ 25 タービン 28 ダンパクラッチ 30 歯車変速装置 40 油圧回路 50 ダンパクラッチ油圧制御回路 52 ダンパクラッチコントロールバルブ 54 ダンパクラッチコントロールソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永吉 由昌 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 石井 俊則 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 中嶋 泰裕 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 古市 曜一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 山本 俊光 兵庫県姫路市定元町13番の1 三菱電機 コントロールソフトウェア株式会社 姫 路事業所内 (56)参考文献 特開 平7−42825(JP,A) 特開 平2−46366(JP,A) 特開 平3−260466(JP,A) 特開 平1−141273(JP,A) 特開 平5−172241(JP,A) 特開 平6−94121(JP,A) 特開 平6−185606(JP,A) 特開 平6−331023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと自動変速機の補助変速装置と
    の間に配設され上記エンジンの出力側に連結されたポン
    プと、上記補助変速装置の入力側に連結されたタービン
    とからなる車両用自動変速機の流体継手において、 上記ポンプと上記タービンとを連結遮断可能とするクラ
    ッチを有し、同クラッチへの供給油圧を、車両運転状態
    に応じて制御する流体継手のクラッチ制御装置であっ
    て、 車両運転状態を検出する運転状態検出手段と、 上記運転状態検出手段により上記車両が減速状態に突入
    したことが検出されたとき、上記クラッチへ減速時用係
    合油圧を供給する減速時用係合油圧供給手段と、 上記運転状態検出手段により検出された上記ポンプの回
    転速度と上記タービンの回転速度との差が所望のものに
    なるように、上記減速時係合油圧を初期値としてフィー
    ドバック制御するフィードバック制御手段と、 上記運転状態検出手段により上記車両の車体速変化率が
    所定範囲内にあることが検出されたときにのみ、上記初
    期値を学習補正する学習補正手段と、 を有することを特徴とする車両用自動変速機の流体継手
    のクラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 上記減速状態とみなす減速域は、上記エ
    ンジンの負荷が低く、且つ上記タービンの回転速度が所
    定の低回転速度以上であるような範囲に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の
    流体継手のクラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記クラッチ制御装置は、上記減速状態
    に突入したことが検出されたとき上記クラッチから油圧
    を排出する油圧排出手段と、同油圧排出手段による油圧
    排出後、上記ポンプおよび上記タービンを係合直前の状
    態とするように、上記クラッチへ所定油圧を供給する所
    定油圧供給手段とを更に備え、 上記減速時用係合油圧は、上記所定油圧出力後に供給さ
    れることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用
    自動変速機の流体継手のクラッチ制御装置。
  4. 【請求項4】 上記クラッチ制御装置は、上記フィード
    バック制御の開始時からの経過時間を計測する計時手段
    と、上記フィードバック制御開始時から第1の所定時間
    が経過したときの上記クラッチへの供給油圧値を表す第
    1油圧値を検出する第1油圧値検出手段と、上記第1の
    所定時間よりも長く設定された第2の所定時間が上記フ
    ィードバック制御開始時から経過したときの上記クラッ
    チへの供給油圧値を表す第2油圧値を検出する第2油圧
    値検出手段と、上記第1油圧値と上記第2油圧値との差
    を演算する油圧差演算手段とを更に備え、 上記学習補正手段は、上記油圧差に応じて上記減速用初
    期油圧を補正することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の車両用自動変速機の流体継手のクラッ
    チ制御装置。
  5. 【請求項5】 上記クラッチ制御装置は、上記油圧差が
    所定範囲外であるとき上記フィードバック制御を中止し
    且つ上記クラッチから油圧を排出するフィードバック制
    御中止手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記
    載の車両用自動変速機の流体継手のクラッチ制御装置。
  6. 【請求項6】 上記運転状態検出手段は、車速検出手
    段、横加速度検出手段、車輪速検出手段、前後加速度検
    出手段および路面勾配検出手段の少なくとも一つを備
    え、 上記車体速変化率は、上記少なくとも一つの検出手段か
    らの出力値に応じて求められることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の車両用自動変速機の流体
    継手のクラッチ制御装置。
  7. 【請求項7】 上記クラッチ制御装置は、上記クラッチ
    への供給油圧をデューティ制御する電磁弁を更に備え、 上記クラッチへの油圧供給および上記クラッチからの油
    圧排出は、上記電磁弁に与えられるデューティ率で行わ
    れることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の車両用自動変速機の流体継手のクラッチ制御装置。
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