JP2886212B2 - 自動二輪車用前輪サスペンションのスイングアーム構造 - Google Patents

自動二輪車用前輪サスペンションのスイングアーム構造

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JP2886212B2 JP27654489A JP27654489A JP2886212B2 JP 2886212 B2 JP2886212 B2 JP 2886212B2 JP 27654489 A JP27654489 A JP 27654489A JP 27654489 A JP27654489 A JP 27654489A JP 2886212 B2 JP2886212 B2 JP 2886212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動二輪車用前輪サスペンションのスイ
ングアーム構造に関する。
(従来の技術) 自動二輪車の前輪サスペンションには、従来、例え
ば、実開昭62−130990号や特開昭62−23885号の各公報
で示されたものがある。
これら公報のものについて説明すると、車体フレーム
の前方にステアリングナックルが配設され、前輪の左側
面から突出した車軸が上記ステアリングナックルの下部
に支承されている。また、このステアリングナックルを
上記車体フレームに枢支させるスイングアームが、それ
ぞれ前後方向に延びるパイプ形状の左右アーム部と、車
幅方向に延びてこれら左右アーム部を互いに連結させる
連結部とを備えている。
上記各アーム部の各後端が上記車体フレームに枢支さ
れて上記各アーム部の前端側が上下に揺動自在とされて
いる。これらアーム部のうちの一方のアーム部の前部は
その前端部側に進むに従い車体の車幅方向の中央側に向
うよう折り曲げられてその前端部に上記ステアリングナ
ックルが操向自在となるよう枢支されている。また、一
端部が上記車体フレームに連結され他端部が上記一方の
アーム部に連結される緩衝器が設けられている。
そして、上記車体フレーム側からの車体重量は、上記
ステアリングナックル、スイングアーム、および緩衝器
を介して前輪により走行路面上に支持され、自動二輪車
が走行するとき、上記ステアリングナックルへの操向操
作により、このステアリングナックルを介して前輪が操
向可能とされている。
また、走行中には、上記前輪は操向路面から大きい衝
撃力を受けるが、この衝撃力も、上記スイングアームと
緩衝器とにより支持され、この際、車体フレーム側に向
おうとする衝撃力は、上記スイングアームの上下の揺動
に伴う上記緩衝器の軸方向での伸縮動作によって吸収さ
れる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記従来の技術によれば、次のような問題
点がある。
即ち、第1の問題点として、自動二輪車の走行中に
は、スイングアームは、上記車体重量や衝撃力による大
きい外力を受けるため、上記スイングアームの強度はよ
り向上させることが望まれている。
しかし、上記スイングアームの強度を向上させようと
して、例えば、上記連結部の車幅方向の各部における前
後方向の寸法を単に大きくさせると、この連結部の前縁
に操向時の前輪の後部が干渉するおそれを生じ、このた
め、上記スイングアームの強度の向上は容易ではない。
第2の問題点として、上記したように、スイングアー
ムの強度を向上させようとして、特に、前輪をステアリ
ングナックルを介して支承している上記一方のアーム部
の断面を大きくさせることが考えられる。
しかし、パイプ形状である上記一方のアーム部の前端
部の断面を単に大きくさせると、特に、前輪の側面の上
部側に対向するよう配設されるキャリパブレーキなどの
機器が、上記前輪の操向に伴って、上記一方のアーム部
の前端部に接触しがちとなり、このため、この接触を回
避させる必要上、上記機器の配設の自由度が低下させら
れるおそれを生じる。
また、上記両アーム部の前後方向の中途部は、車体の
外側部に位置しているため、これらアーム部の上記中途
部の断面を単に大きくさせると、車体の幅寸法がより大
きくなって好ましくない。
第3の問題点として、上記第2の問題点に鑑み、上記
一方のアーム部の上記中途部の断面を縦長形状にして、
車体の幅寸法が大きくならないようにすると共に、その
断面を大きくさせて強度を向上させることが考えられる
が、このように断面を縦長形状にすると、バンク時に、
このアーム部の上記中途部における外側下縁が接地し易
くなって、バンク角が狭められるおそれがある。
第4の問題点として、前記各従来の技術では、緩衝器
の少なくとも一部は上記スイングアームの下側に配設さ
れているため、このスイングアームの強度を大きくしよ
うとして、このスイングアームの断面を大きくすると、
これに影響されて上記緩衝器がより低くさせられるおそ
れがあり、この場合には、バンク時に、上記緩衝器がよ
り接地し易くなってバンク角が狭められ、また、上記緩
衝器によって車体の最低地上高が狭められるおそれがあ
る。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、上記第1〜4の問題点を解消することを目的と
し、即ち、車体フレームに対し、前輪を枢支したステア
リングナックルを上下に揺動自在に枢支させるスイング
アームを設けた場合に、このスイングアームの強度をよ
り向上させることを目的とする。
また、上記目的を達成するようにした場合でも、操向
時の前輪の後部が上記スイングアームに干渉しないよう
にし、かつ、前輪に取り付けられる機器の配設の自由度
が低下しないようにし、更に、バンク角や最低地上高が
狭められないようにすることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、次の如くである。
なお、この「発明の構成」の項において、下記した
( )内の用語は、特許請求の範囲の用語に対応するも
のである。
即ち、車体フレーム2の前方にステアリングナックル
25を配設し、前輪5の一側面に突出させた車軸27を上記
ステアリングナックル25の下部に支承させ、このステア
リングナックル25を上記車体フレーム2に枢支させるロ
アアーム(スイングアーム)33が、それぞれ前後方向に
延びるパイプ形状の左右アーム部35,36と、車幅方向に
延びてこれら左右アーム部35,36を互いに連結させる連
結部37とを備え、上記各アーム部35,36の各後端を上記
車体フレーム2に枢支させて上記各アーム部35,36の前
端側を上下に揺動自在とさせ、これらアーム部35,36の
うちの一方のアーム部35の前部をその前端部側に進むに
従い車体の車幅方向の中央側に向うよう折り曲げてその
前端部に上記ステアリングナックル25を操向自在となる
よう枢支させ、かつ、一端部が上記車体フレーム2に連
結され他端部が上記一方のアーム部35に連結される緩衝
器40を設けた自動二輪車の前輪サスペンションにおい
て、 (1)上記連結部37の前縁を、その車幅方向の中央部よ
りも各側部がより前方に位置するよう湾曲させ、 (2)上記一方のアーム部35の前端部の断面を横長形状
とし、同上一方のアーム部35の前後方向の中途部の横幅
寸法w2を上記一方のアーム部35の前端部の横幅寸法w1
りも小さくすると共に、縦幅寸法d2を同上一方のアーム
部35の前端部の縦幅寸法d1よりも大きくして上記中途部
の断面を縦長形状とし、かつ、上記一方のアーム部35の
上記中途部に上記連結部37を連結させ、 (3)上記一方のアーム部35の上記中途部における外側
下縁に面取り部35cを形成し、 (4)上記緩衝器40の上記一端部を上記一方のアーム部
35の上面に対しこのアーム部35の上記中途部よりも前側
に連結させ、上記緩衝器40の全体を上記一方のアーム部
35の上方に配設した点にある。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
なお、この「作用」の項において、下記した( )内
の用語は、特許請求の範囲の用語に対応するものであ
る。
車体フレーム2の前方にステアリングナックル25を配
設し、前輪5の一側面に突出させた車軸27を上記ステア
リングナックル25の下部に支承させ、このステアリング
ナックル25を上記車体フレーム2に枢支させるロアアー
ム(スイングアーム)33が、それぞれ前後方向に延びる
パイプ形状の左右アーム部35,36と、車幅方向に延びて
これら左右アーム部36,36を互いに連結させる連結部37
とを備え、上記各アーム部35,36の各後端を上記車体フ
レーム2に枢支させて上記各アーム部35,36の前端側を
上下に揺動自在とさせ、これらアーム部35,36のうちの
一方のアーム部35の前部をその前端部側に進むに従い車
体の車幅方向の中央側に向うよう折り曲げてその前端部
に上記ステアリングナックル25を操向自在となるよう枢
支させ、かつ、一端部が上記車体フレーム2に連結され
他端部が上記一方のアーム部35に連結される緩衝器40を
設けた自動二輪車の前輪サスペンションとした「前提条
件」において、 (1)上記連結部37の前縁を、その車幅方向の中央部よ
りも各側部がより前方に位置するよう湾曲させてある。
このため、上記連結部37の各側部の前縁をより前方に
位置させた分、上記連結部37の各側部の前後方向の寸法
を大きくできて、この連結部37の強度が向上し、つま
り、ロアアーム(スイングアーム)33の強度が向上する
こととなる。
また、上記したように連結部37の前縁を、その車幅方
向の中央部よりも各側部がより前方に位置するよう湾曲
させたため、操向時に後方に向って凸状の円弧を描くよ
う回動する前輪5の後部が、上記連結部37の前縁に干渉
することは回避される。
よって、上記ロアアーム(スイングアーム)33の強度
向上は、前輪5の操向に支障なくできる。
(2)上記一方のアーム部35の前端部の断面を横長形状
としてある。
このため、上記前輪5の側面に対する上記一方のアー
ム部35の前端部の対向面積を小さくできることから、特
に、前輪5の側面の上部側に対向するよう配設されるキ
ャリパブレーキ51などの機器の配設が、上記アーム部35
の前端部で制約を受けるということが防止される。
よって、上記一方のアーム部35における上記前側の部
分の断面を大きくして、ロアアーム(スイングアーム)
33の強度を向上させた場合でも、上記前輪5に対し設け
られる機器の配設の自由度が低下するということは防止
される。
なお、前記「前提条件」で示したように、一方のアー
ム部35の前部は、その前端部側に進むに従い車体の車幅
方向の中央側に湾曲しているため、上記したように、一
方のアーム部35の前端部を横長形状にしても、車体の幅
寸法が大きくなるということは防止され、また、バンク
角αが狭められるということも防止される。
また、上記一方のアーム部35の前後方向の中途部の横
幅寸法w2を上記一方のアーム部35の前端部の横幅寸法w1
よりも小さくすると共に、縦幅寸法d2を同上一方のアー
ム部35の前端部の縦幅寸法d1よりも大きくして上記中途
部の断面を縦長形状としてある。
このため、上記一方のアーム部35の上記中途部の断面
を大きくして、ロアアーム(スイングアーム)33の強度
を向上させた場合でも、車体の幅寸法が大きくなること
は防止される。
しかも、上記一方のアーム部35の上記中途部に上記連
結部37を連結させてある。
このため、上記一方のアーム部35の上記中途部は縦長
形状であって、車幅方向からの外力に対する強度が低下
しがちとなるが、この強度低下は上記連結部37の連結に
より防止され、もって、上記一方のアーム部35の上記中
途部に方向性のない強度向上が達成され、つまり、ロア
アーム(スイングアーム)33の強度がより向上させられ
る。
(3)上記一方のアーム部35の上記中途部における外側
下縁に面取り部35cを形成してある。
このため、上記(2)で説明のように、車体の外側部
に位置する一方のアーム部35の上記中途部は縦長形状と
されていて、その外側下縁は走行路面に接近しがちとな
るが、バンク時に、このアーム部35の上記中途部におけ
る外側下縁が接地し易くなることは、上記面取り部35c
によって防止される。
よって、上記したように、一方のアーム部35の上記中
途部の断面を大きくしてロアアーム(スイングアーム)
33の強度を向上させた場合でも、バンク角αが狭められ
ることは防止される。
(4)上記緩衝器40の上記一端部を上記一方のアーム部
35の上面に対しこのアーム部35の上記中途部よりも前側
に連結させてある。
このため、上記緩衝器40の一端部を上記一方のアーム
部35の上記中途部よりも前側に連結させた分、上記緩衝
器40をより長くさせることができて、この緩衝器40の容
量を大きくさせることができる。
しかも、上記緩衝器40の全体を上記一方のアーム部35
の上方に配設してある。
このため、上記したように、一方のアーム部35の断面
を大きくして、ロアアーム(スイングアーム)33の強度
を向上させた場合でも、これに影響されて上記緩衝器40
が低くさせられる、ということは回避される。
よって、上記したように、ロアアーム(スイングアー
ム)33の強度を向上させた場合でも、バンク時に、上記
緩衝器40が接地し易くなることが防止されてバンク角α
が狭められるということが防止され、かつ、車体の最低
地上高が狭められるということが防止される。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第2図において、1は自動二輪車、2は車体フレーム
で、この車体フレーム2は左右一対の主フレーム3,3を
有している。この左右主フレーム3,3には、ダブルウィ
ッシュボーン式の前輪サスペンション4により前輪5が
操向自在に支承されている。
上記主フレーム3,3から前上方に向って側面視三角形
状のステアリングフレーム7が突設されている。このス
テアリングフレーム7の突出端にヘッドパイプ8が取り
付けられ、このヘッドパイプ8がハンドル9を操向自在
に枢支している。また、上記前輪サスペンション4とハ
ンドル9との間には連動手段10が介設され、ハンドル9
を操向操作すれば、上記前輪サスペンション4や連動手
段10を介して前輪5が操向される。
一方、同上主フレーム3,3の後部にはリヤアーム12が
枢支軸13により上下揺動自在に枢支され、このリヤアー
ム12はその揺動端に後輪14を支承している。また、この
後輪14側から車体フレーム2側に伝わろうとする衝撃を
緩衝する緩衝器15が設けられる。
上記車体フレーム2にはエンジン17が支持され、この
エンジン17の動力は上記後輪14に伝えられて、この後輪
14が駆動されるようになっている。また、19は燃料タン
ク、20はシートで、第1図と第3図とで示すように、上
記エンジン17のシリンダ21から後方に向って排気管23が
延びている。
第1図、および第3図から第7図により、前記前輪サ
スペンション4について詳しく説明する。
前記車体フレーム2の前方で前輪5の左側にステアリ
ングナックル25が設けられる。このステアリングナック
ル25は板金製で、その下部には軸受26を介し車軸27が回
転自在に支承され、この車軸27は上記前輪5の一側面た
る左側面5aにねじ止めされている。また、同上ステアリ
ングナックル25の下部にロアナックルアーム30が形成さ
れ、上記にアッパナックルアーム31が形成されている。
前記左右主フレーム3,3の前下部には、上記ステアリ
ングナックル25を上記車体フレーム2に枢支させるスイ
ングアームであるロアアーム33が設けられ、このロアア
ーム33はその後端が枢支軸34により上記各主フレーム3,
3に枢支され、その前端側が上下に揺動自在とされてい
る。
即ち、上記ロアアーム33は、前後方向に延びてその後
端が左側の主フレーム3に枢支される左のアーム部35
と、前後方向に延びてその後端が右側の主フレーム3に
枢支される右のアーム部36と、車幅方向に延びてこれら
両アーム部35,36を互いに連結させる連結部37とを備
え、上記左右の各アーム部35,36はパイプ形状をなして
いる。
上記両アーム部35,36のうちの一方(左)のアーム部3
5は板金製で断面箱形のアーム本体35aと、このアーム本
体35aの前端に溶接される金属製で断面円形のパイプ35b
とで構成され、このパイプ35bは、アーム本体35aの前端
から前方かつ前輪5側に向って平面視で傾斜しており、
かつ、ほぼ水平姿勢とされている。
上記の場合、連結部37の後面が排気管23と干渉しない
よう、この連結部37の後面は排気管23の前面に沿って傾
けられている。そして、ロアアーム33が上方に向って最
も大きく揺動したときには、上記連結部37の後面が排気
管23の前面にほぼ平行となるよう形成されている。
上記一方のアーム部35の前部はその前端部側に進むに
従い車体の車幅方向の中央側に向うよう折り曲げられて
おり、その前端部に対し、前記ロアナックルアーム30が
ボールジョイントであるロアジョイント39により連結さ
れ、つまり、ロアアーム33の前端部に上記ステアリング
ナックル25が枢支されている。
これをより詳しく説明すると、上記ロアジョイント39
はステアリングナックル25の下部後面と、前輪5の左側
面5aとで挟まれた位置に設けられている。このロアジョ
イント39のボール39aは、このボール39aに一体形成され
たボルト状の支持軸39bによりロアナックルアーム30に
ねじ止めされている。一方、上記ボール39aを受けるボ
ール受け39cは、このボール受け39cに一体成形されたボ
ルト状の支持軸39bにより上記パイプ35bの前端にねじ止
めされ、このパイプ35bの後端は後側方に向って開放さ
れている。
一端部が上記車体フレーム2の主フレーム3,3に連結
され他端部が上記各アーム部35,36に連結される左右一
対の緩衝器40,40が設けられている。これら各緩衝器40
はロアアーム33を所定の姿勢に保持している。また、前
輪5側から車体フレーム2側に衝撃力が伝わろうとする
とき、この衝撃力は、上記ロアアーム33の上下の揺動に
伴って軸方向で伸縮動作する上記緩衝器40によって吸収
される。
上記の場合、各緩衝器40は、それぞれその全体が上記
各アーム部35,36の上方に配設されている。
上記左右主フレーム3,3の前上部には平面視で偏平な
U字状のアッパアーム42が左右枢支軸43,43により上下
揺動自在に枢支され、このアッパアーム42の揺動端に対
し、前記アッパナックルアーム31がボールショイントで
あるアッパジョイント44により連結されている。
そして、上記車体フレーム2に対し、ステアリングナ
ックル25がロアアーム33、アッパアーム42、および緩衝
器40を介して上下揺動自在に支承され、前輪5は、ロア
ジョイント39とアッパジョイント44とを結ぶ仮想軸45回
りに上記ステアリングナックル25と共に操向自在とされ
ている。
上記の場合、ロアアーム33とアッパアーム42とは互い
に平行とされて、これらロアアーム33とアッパアーム42
とは平行リンクを構成してる。即ち、ステアリングナッ
クル25が上下揺動する際、上記ロアアーム33やアッパア
ーム42がステアリングナックル25を上下にほぼ平行移動
させるようになっている。そして、これにより、上記揺
動時におけるキャスタ角の変化が小さく抑えられてい
る。
前記連動手段10はテレスコピック式であり、これは、
ハンドル9に連動される前後一対の軸体46,46と、これ
ら軸体46,46を上下揺動自在に嵌入させて、上記ステア
リングナックル25の上端に連結されるケース47とで構成
されている。そして、上記したようにステアリングナッ
クル25が上下揺動するときには、各軸体46とケース47と
は上下摺動し、これにより連動手段10が伸縮して上記揺
動が吸収される。そして、この作用が行われる一方で、
ハンドル9の操向操作がステアリングナックル25に伝え
られる。
また、上記前輪5には、この前輪5の周辺機器たるブ
レーキディスク50が取り付けられ、このブレーキディス
ク50は同上前輪5とステアリングナックル25との間に位
置している。また、上記ステアリングナックル25の後面
側には、上記ブレーキディスク50と摩擦接合して前輪5
を制動するキャリパブレーキ51がねじ止めされている。
このキャリパブレーキ51は、走行路面からある程度離れ
させる必要上、上記前輪5の側面の上部側に対向するよ
う配設されている。
上記構成において、ボール受け39cの支持軸39bはパイ
プ35bと同軸上に設けられている。即ち、上記支持軸39b
は前方かつ前輪5側に向うよう平面視で傾斜させられて
おり、これにより、一方のアーム部35の前端はステアリ
ングナックル25の下部後面と、直進時(第1図中実線図
示)の前輪5の左側面5aとの間のほぼ中央に位置させら
れている。よって、前輪5を、ステアリングナックル25
と共に左右いずれの方向に操向させた場合でも、上記ス
テアリングナックル25の下部後面や、前輪5の左側面5a
が一方のアーム部35の前端部に接触することは防止さ
れ、前輪5に所定の左右操舵角が確保されるようになっ
ている。
また、上記したように、支持軸39bはパイプ35bと同軸
上に設けられていて、前方かつ前輪5側に向うよう傾斜
していると共に、ほぼ水平姿勢となっている。そして、
これにより、この支持軸39bを取り付けている一方のア
ーム部35の前端部が、前輪5の左側面5aに対向する対向
面積は小さくされている。
よって、その分、前記キャリパブレーキ51など前輪5
用の周辺機器を設置するための空間が拡げられている。
即ち、この実施例では、従来、ボールジョイントを取り
付けたスイングアームの前端部により塞がれていたステ
アリングナックル25とアーム部35との間の空間は開かれ
ており、これを利用してキャリパブレーキ51が設置され
ている。
第1図、第3図、および第7図において、上記連結部
37の前縁は、その車幅方向の中央部よりも各側部がより
前方に位置するよう湾曲させられている。
また、上記一方のアーム部35の前端部の断面は横長形
状とされており、つまり、この前側の部分の横幅寸法w1
は縦幅寸法d1よりも大きくされている。そして、これに
より、前輪5の左側面5aに対する上記一方のアーム部35
の前端部の対向面積が小さくされて、前輪5の操向時
に、この前輪5と共に揺動するキャリパブレーキ51がア
ーム部35の前端部に接触しないようにしてある。また、
横幅寸法w1を十分にとることにより、この部分の強度を
十分に確保し、ステアリングナックル25を強固に支持し
ている。
一方、上記一方のアーム部35の前後方向の中途部は、
特に第7図で示すように縦長形状とされており、つま
り、この部分では、縦幅寸法d2の方が横幅寸法w2よりも
大きくされている。また、上記一方のアーム部35の上記
中途部の横幅寸法w2は同上アーム部35の前端部の横幅寸
法w1よりも小さくされており、かつ、縦幅寸法d2は同上
アーム部35の前端部の縦幅寸法d1よりも大きくされてい
る。更に、上記一方のアーム部35の上記中途部に上記連
結部37が連結させられている。
また、特に、第7図で示すように、上記一方のアーム
部35の上記中途部であって、上記した縦長形状の部分に
おける外側下縁には、面取り部35cが形成されている。
更に、前記緩衝器40の前記一端部は、上記一方のアー
ム部35の上面に対しこのアーム部35の上記中途部よりも
前側に連結されている。
なお、以上は図示の例によるが、前輪サスペンション
4はストラット式であってもよい。また、ロアジョイン
ト39はそのボール39aをロアアーム33に取り付け、ボー
ル受け39cをロアナックルアーム30に取り付けてもよ
い。
また、側面視で、上記アーム部35の底面を直線的に延
ばしてもよい。このようにすれば、この底面の前後方向
の中途部を下方に突出させた場合に比べ、バンク角α
は、より十分にとれるという利点がある。
(発明の効果) この発明によれば、車体フレームと前方にステアリン
グナックルを配設し、前輪の一側面に突出させた車軸を
上記ステアリングナックルの下部に支承させ、このステ
アリングナックルを上記車体フレームに枢支させるスイ
ングアームが、それぞれ前後方向に延びるパイプ形状の
左右アーム部と、車幅方向に延びてこれら左右アーム部
を互いに連結させる連結部とを備え、上記各アーム部の
各後端を上記車体フレームに枢支させて上記各アーム部
の前端側を上下に揺動自在とさせ、これらアーム部のう
ちの一方のアーム部の前部をその前端部側に進むに従い
車体の車幅方向の中央側に向うよう折り曲げてその前端
部に上記ステアリングナックルを操向自在となるよう枢
支させ、かつ、一端部が上記車体フレームに連結され他
端部が上記一方のアーム部に連結される緩衝器を設けた
自動二輪車の前輪サスペンションとした「前提条件」に
おいて、 (1)上記連結部の前縁を、その車幅方向の中央部より
も各側部がより前方に位置するよう湾曲させてある。
このため、上記連結部の各側部の前縁をより前方に位
置させた分、上記連結部の各側部の前後方向の寸法を大
きくできて、この連結部の強度が向上し、つまり、スイ
ングアームの強度が向上することとなる。
また、上記したように連結部の前縁を、その車幅方向
の中央部よりも各側部がより前方に位置するよう湾曲さ
せたため、操向時に後方に向って凸状の円弧を描くよう
回動する前輪の後部が、上記連結部の前縁に干渉するこ
とは回避される。
よって、上記スイングアームの強度向上は、前輪の操
向に支障なくできる。
(2)上記一方のアーム部の前端部の断面を横長形状と
してある。
このため、上記前輪の側面に対する上記一方のアーム
部の前端部の対向面積を小さくできることから、特に、
前輪の側面の上部側に対向するよう配設されるキャリパ
ブレーキなどの機器の配設が、上記アーム部の前端部で
制約を受けるということが防止される。
よって、上記一方のアーム部における上記前側の部分
の断面を大きくして、スイングアームの強度を向上させ
た場合でも、上記前輪に対し設けられる機器の配設の自
由度が低下するということは防止される。
なお、前記「前提条件」で示したように、一方のアー
ム部の前部は、その前端部側に進むに従い車体の車幅方
向の中央側に湾曲しているため、上記したように、一方
のアーム部の前端部を横長形状にしても、車体の幅寸法
が大きくなるということは防止され、また、バンク角が
狭められるということも防止される。
また、上記一方のアーム部の前後方向の中途部の横幅
寸法を上記一方のアーム部の前端部の横幅寸法よりも小
さくすると共に、縦幅寸法を同上一方のアーム部の前端
部の縦幅寸法よりも大きくして上記中途部の断面を縦長
形状としてある。
このため、上記一方のアーム部の上記中途部の断面を
大きくして、スイングアームの強度を向上させた場合で
も、車体の幅寸法が大きくなることは防止される。
しかも、上記一方のアーム部の上記中途部に上記連結
部を連結させてある。
このため、上記一方のアーム部の上記中途部は縦長形
状であって、車幅方向からの外力に対する強度が低下し
がちとなるが、この強度低下は上記連結部の連結により
防止され、もって、上記一方のアーム部の上記中途部に
方向性のない強度向上が達成され、つまり、スイングア
ームの強度がより向上させられる。
(3)上記一方のアーム部の上記中途部における外側下
縁に面取り部を形成してある。
このため、上記(2)で説明のように、車体の外側部
に位置する一方のアーム部の上記中途部は縦長形状とさ
れていて、その外側下縁は走行路面に接近しがちとなる
が、バンク時に、このアーム部の上記中途部における外
側下縁が接地し易くなることは、上記面取り部によって
防止される。
よって、上記したように、一方のアーム部の上記中途
部の断面を大きくしてスイングアームの強度を向上させ
た場合でも、バンク角が狭められることを防止される。
(4)上記緩衝器の上記一端部を上記一方のアーム部の
上面に対しこのアーム部の上記中空部よりも前側に連結
させてある。
このため、上記緩衝器の一端部を上記一方のアーム部
の上記中途部よりも前側に連結させた分、上記緩衝器を
より長くさせることができて、この緩衝器の容量を大き
くさせることができる。
しかも、上記緩衝器の全体を上記一方のアーム部の上
方に配設してある。
このため、上記したように、一方のアーム部の断面を
大きくして、スイングアームの強度を向上させた場合で
も、これに影響されて上記緩衝器が低くさせられる、と
いうことは回避される。
よって、上記したように、スイングアームの強度を向
上させた場合でも、バンク時に、上記緩衝器が接地し易
くなることが防止されてバンク角が狭められるというこ
とが防止され、かつ、車体の最低地上高が狭められると
いうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図は第3図のI−I
線矢視断面図、第2図は自動二輪車の全体側面図、第3
図は第2図の部分拡大図、第4図は第3図のIV−IV線矢
視図、第5図は同上第3図のV−V線矢視断面図、第6
図は同上第3図のVI−VI線矢視断面図、第7図は同上第
3図のVII−VII線矢視断面図である。 1……自動二輪車、2……車体フレーム、4……前輪サ
スペンション、5……前輪、5a……左側面(一側面)、
25……ステアリングナックル、27……車軸、33……ロア
アーム(スイングアーム)、35……アーム部、35c……
面取り部、36……アーム部、37……連結部、39……ロア
ジョイント(ボールジョイント)、40……緩衝器、w1
…横幅寸法、w2……横幅寸法、d1……縦幅寸法、d2……
縦幅寸法。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体フレームの前方にステアリングナック
    ルを配設し、前輪の一側面に突出させた車軸を上記ステ
    アリングナックルの下部に支承させ、このステアリング
    ナックルを上記車体フレームに枢支させるスイングアー
    ムが、それぞれ前後方向に延びるパイプ形状の左右アー
    ム部と、車幅方向に延びてこれら左右アーム部を互いに
    連結させる連結部とを備え、上記各アーム部の各後端を
    上記車体フレームに枢支させて上記各アーム部の前端側
    を上下に揺動自在とさせ、これらアーム部のうちの一方
    のアーム部の前部をその前端部側に進むに従い車体の車
    幅方向の中央側に向うよう折り曲げてその前端部に上記
    ステアリングナックルを操向自在となるよう枢支させ、
    かつ、一端部が上記車体フレームに連結され他端部が上
    記一方のアーム部に連結される緩衝器を設けた自動二輪
    車の前輪サスペンションにおいて、 (1)上記連結部の前縁を、その車幅方向の中央部より
    も各側部がより前方に位置するよう湾曲させ、 (2)上記一方のアーム部の前端部の断面を横長形状と
    し、同上一方のアーム部の前後方向の中途部の横幅寸法
    を上記一方のアーム部の前端部の横幅寸法よりも小さく
    すると共に、縦幅寸法を同上一方のアーム部の前端部の
    縦幅寸法よりも大きくして上記中途部の断面を縦長形状
    とし、かつ、上記一方のアーム部の上記中途部に上記連
    結部を連結させ、 (3)上記一方のアーム部の上記中途部における外側下
    縁に面取り部を形成し、 (4)上記緩衝器の上記一端部を上記一方のアーム部の
    上面に対しこのアーム部の上記中途部よりも前側に連結
    させ、上記緩衝器の全体を上記一方のアーム部の上方に
    配設した自動二輪車用前輪サスペンションのスイングア
    ーム構造。
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