JP2883223B2 - セラミック部材と金属部材の接合方法 - Google Patents

セラミック部材と金属部材の接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック部材と金属
部材とを接合する方法に関し、より詳細には金属部材と
して析出硬化型合金を使用するセラミック部材と金属部
材との接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業機械装置における高荷重
かつ高温雰囲気下で使用される機構部品には、耐熱性、
耐食性及び耐摩耗性に優れ、高強度でかつ比重が小さい
セラミック部材が多用されるようになってきた。しかし
ながら、上記セラミック部材は加工性に乏しいことから
高温が作用する部分を耐熱性、耐食性、耐摩耗性に優れ
比重の小さいセラミック部材で構成し、高荷重が作用す
る部分を高い強度を有し加工性に優れた金属部材で構成
する等、セラミック部材と金属部材を組み合わせた複合
構造体が注目されており、種々のセラミック部材と金属
部材の接合方法が研究され提案されている。
【0003】例えば、特開平3−69570号公報に
は、金属部材として析出硬化型合金を使用し、該金属部
材に充填金属材を介してセラミック部材を接合する溶融
充填処理工程後の冷却過程中に、炉冷保持して前記金属
部材を析出硬化させる処理を施す方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記セ
ラミック部材と金属部材の接合方法は、一般に機械加工
する前に素材金属には溶体化処理が施され、該素材金属
に凹部を機械加工により形成したものを金属部材とし、
該金属部材に充填金属材を介してセラミック部材を接合
する溶融充填処理工程後の冷却過程中に、炉冷保持して
前記金属部材を析出硬化させる処理を施している。
【0005】そのために前記金属部材には析出硬化型合
金の素材から機械加工により凹部を形成する際、機械加
工により発生する発熱や歪みにより、機械加工する前に
素材金属に施した溶体化処理の効果が失われてしまって
いる。
【0006】このように溶体化処理の効果が失われた状
態の析出硬化型合金では、溶融充填処理後の冷却過程中
に炉冷保持して析出硬化処理を施したとしても、溶融充
填処理後の冷却時にセラミック部材と金属部材の嵌合部
に充分な焼ばめ応力を発生させるための高温強度が得ら
れず、セラミック部材と金属部材との接合力が弱く、接
合が不安定であるという課題があった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明のセラミック部
材と金属部材の接合方法は、析出硬化型合金よりなる金
属部材に凹部を形成した後、該金属部材を溶体化させる
溶体化処理工程と、該溶体化処理後の金属部材の凹部に
セラミック部材の接合部を前記析出硬化型合金の析出硬
化温度より高い融点をもつ充填金属材を介して嵌合する
嵌合工程と、該充填金属材を融点以上に加熱して該充填
金属材を前記セラミック部材の接合部と金属部材の凹部
との間に溶融充填させる溶融充填処理工程と、該溶融充
填処理工程後の冷却過程中に炉冷保持して該凹部を形成
する金属部材を析出硬化させる析出硬化処理工程とから
成ることを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明のセラミック部材と金属部材の
接合方法を詳細に説明する。本発明の接合方法は、まづ
析出硬化型合金よりなる金属部材の凹部を機械加工等に
より形成した後、真空中もしくは不活性ガス雰囲気中
で、所定温度に所定時間以上保持した後、急冷すること
により、前記金属部材の機械加工時の発熱による変質や
歪みが取り除かれ、接合の最終工程である溶融充填処理
後の析出硬化処理工程の効果を高めることになる。
【0009】上記析出硬化型合金は特に限定されるもの
ではないが、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)を
主として含有する鉄基合金であるインコロイ903、9
04及び909等が好適に使用できる。
【0010】また溶体化処理は、溶体化温度として95
0℃乃至1050℃の範囲が好ましく、該範囲以外では
溶体化不十分となったり粒成長してしまったりして望ま
しくない。一方、溶体化の効果を十分にえるためには前
記溶体化温度で保持する時間は10分以上120分以内
とすることが好ましい。また、前記溶体化温度保持後の
冷却速度は、毎時500℃以上で急冷して他の結晶相の
析出を阻止することが好ましい。
【0011】次に、前記溶体化処理後の金属部材の凹部
に該凹部の内部寸法より数十μm小さい同形状のセラミ
ック部材の接合部を、前記析出硬化型合金の析出硬化温
度より高い融点をもつ充填金属材を介して嵌合する。
【0012】上記セラミック部材は特に限定されるもの
ではないが、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア及びアル
ミナ等が好適に使用できる。
【0013】また上記充填金属材は、上記析出硬化型合
金の析出硬化温度より高くかつ上記析出硬化型合金の融
点よりも低い融点をもつもの、例えば銀ロウ、パラジウ
ムロウ、銅ロウ及びニッケルロウ等が使用でき、このよ
うな充填金属材は該材料の板材を打ち抜き成形した円板
状もしくはリング状、あるいは前記素材の線材を巻回し
た形状で使用する。
【0014】更に、上記充填金属材を融点以上に加熱し
て溶融し、該充填金属材を前記セラミック部材の接合部
と金属部材の凹部との間に充填させ、その後、前記充填
金属材は冷却過程で凝固温度に到達して凝固すると同時
に常温まで冷却する間にしまり嵌めされる。また、この
溶融充填処理は、セラミック部材の接合部と金属部材の
凹部が互いに密着するように、荷重をかけた状態で行う
こともできる。
【0015】前記溶融充填処理工程後の冷却過程で所定
温度範囲に所定時間以上炉冷保持して前記金属部材の凹
部を析出硬化させる。これにより、前記凹部は過飽和固
溶体から溶質が析出することにより硬化して前記セラミ
ック部材の接合部との接合に必要な高温強度が得られ
る。更に、前記接合部と凹部の熱膨張係数の違いに基づ
く収縮量の差から発生する焼き嵌め応力が接合力を高め
るように作用する。
【0016】上記析出硬化処理温度は析出硬化温度から
±100℃以内の温度が好ましく、その保持時間も10
分未満では十分に析出硬化させることができないことか
ら、十分な接合強度が得られず、また300分を越える
長時間保持してもその接合強度に変化が見られない。よ
って保持時間は10分以上300分以内とすることが好
ましい。
【0017】以下、本発明のセラミック部材と金属部材
の接合方法を具体的な例に基づき詳述する。図1は本発
明に係るセラミック部材と金属部材の接合方法を適用し
て接合したセラミックロータと金属軸の接合体の要部を
一部破断した断面図である。図1において、1は析出硬
化型合金よりなる金属部材である金属スリーブ3に金属
軸6を接合して形成される凹部4に接合部2を嵌着した
セラミック部材であるセラミックロータであり、セラミ
ック部材1の接合部2と前記金属スリーブ3との間に充
填金属材5が溶融充填されてセラミックロータと金属軸
の接合体が構成されている。
【0018】前記セラミックロ−タ1は、窒化珪素(S
3 4)を主成分とし、焼結助剤としてイットリア
(Y2 3 )及び酸化タングステン(WO3 ) 等を含有
する窒化珪素質焼結体からなり、接合部2がセラミック
ロータ1の中心に形成されている。一方、金属スリ−ブ
3は溶体化温度が980℃である析出硬化型合金である
インコロイ909からなり、金属スリーブ3に金属軸6
が接合されて凹部4が形成される。尚、接合部2の外径
は10.00mm、金属スリーブ3の内径は10.08
mmに研削加工した。また、金属スリーブ3の内周面に
は、780℃の融点を有するBAg−8の銀ロウからな
る充填金属材5の金属スリーブ3に対する濡れ性を向上
させるためにニッケルメッキを施した。
【0019】先ず、研削加工した金属スリ−ブ3を真空
炉にて図2に示すような熱処理条件で980℃の温度で
1 時間、即ち60分間加熱保持し、その後、真空炉内
にアルゴンガスを導入し冷却ファンを用いてT2 時間、
即ち約110分間かけて常温まで強制冷却した。その
後、金属スリーブ3の内周面に厚さ10μm程度のニッ
ケルメッキを施した。
【0020】前記金属スリーブ3をセラミックロータ1
の接合部2に嵌合し、接合部2の端面に充填金属材5と
して融点が780℃のBAg−8規格相当の銀ロウを載
置する。このように組み立てたものを、銀ロウ部を上方
にセットし、接合部2に金属スリーブ3を押し付けるよ
うに荷重を負荷し、真空炉にて図3に示す熱処理条件で
830℃の温度にてt1 時間、即ち15分間保持し、充
填金属材5を溶融させて接合部2と金属スリーブ3との
間に充填した。その後、真空炉内にアルゴンガスを導入
し冷却ファンを用いてt2 時間、即ち60分間で610
℃まで強制冷却し、610℃でt3 時間、即ち300分
間保持した後、再び前記と同様に冷却ファンを用いてt
4 時間、即ち60分間で常温まで強制冷却した。
【0021】前記冷却過程では、まず上記充填金属材5
の凝固点である780℃以下の温度になると、溶融した
充填金属材5が凝固し、接合部2と金属スリーブ3とを
接合する。次いで、610℃の温度に保持中には金属ス
リーブ3は過飽和固溶体から溶質が析出することにより
硬化し、接合部2との接合に必要な高温強度が得られる
が、前記析出硬化は嵌合前の研削加工した金属スリ−ブ
3に前述の溶体化処理が施されていなければ十分な接合
強度が得られない。
【0022】以上のようにしてセラミックロータ1と金
属スリ−ブ3とを接合した後、金属スリーブ3の端面に
金属軸6を電子ビ−ム溶接し、機械加工にて仕上加工を
施してセラミックロータと金属軸の接合体を製作した。
【0023】上記セラミックロータと金属軸の接合体に
ついて、セラミックロータ1を金属軸6と一体化した金
属スリーブ3から引き抜く抜強度と、セラミックロータ
1と金属スリーブ3を互いに逆方向にねじってねじり強
度を500℃の雰囲気中で測定したところ、前記溶体化
処理を施さない従来の接合体では抜強度が5.0kg/
mm2 未満、ねじり強度が3.6kg/mm2以下であ
るのに対し、本発明の接合方法による接合体では抜強度
が5.4〜6.0kg/mm2 、ねじり強度が3.7〜
4.0kg/mm2 と接合強度の向上が確認された。
【0024】また、前記同一ロットの接合体を使用して
排気ガスの温度を950℃とした高温高速回転試験を実
施した結果、従来の接合体では毎分150000回転で
破壊したのに対して、本発明の接合方法による接合体で
は毎分200000回転においても破壊が生じることな
く、良好に接合していることが確認された。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のセラミッ
ク部材と金属部材との接合方法では、析出硬化温度以上
の融点をもつ充填金属材がセラミック部材の接合部と嵌
合する前に溶体化処理を施した金属部材の凹部との間に
溶融充填され、その後の冷却過程中で充填金属材が凝固
して前記接合部と凹部が接合され、続く冷却過程中の析
出硬化処理で凹部が析出硬化して接合部との接合に必要
な高温強度を得るとともに、前記接合部と凹部との間に
は熱収縮による焼き嵌め応力が発生し、両者の接合力を
高めたことから、充填金属材の融点が析出硬化温度より
高い場合でも接合強度が低下しないことは勿論、高い接
合強度を保持して接合体を構成するセラミック部材や金
属部材の破損を発生することもなく、耐久性に優れたと
りわけ高温酸化雰囲気中での長時間の連続使用が可能で
あるセラミック部材と金属部材の接合体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック部材と金属部材の接合
方法を適用して接合したセラミックロータと金属軸の接
合体の要部を一部破断した断面図である。
【図2】本発明に係るセラミック部材と金属部材の接合
方法で溶体化処理する熱処理条件を示す図である。
【図3】本発明に係るセラミック部材と金属部材の接合
方法で溶融充填処理と析出硬化処理する熱処理条件を示
す図である。
【符号の説明】
1 セラミック部材 2 接合部 3 金属部材 4 凹部 5 充填金属材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】析出硬化型合金よりなる金属部材に凹部を
    形成した後、該金属部材を溶体化させる溶体化処理工程
    と、該溶体化処理後の金属部材の凹部にセラミック部材
    の接合部を前記析出硬化型合金の析出硬化温度より高い
    融点をもつ充填金属材を介して嵌合する嵌合工程と、該
    充填金属材を融点以上に加熱して該充填金属材を前記セ
    ラミック部材の接合部と金属部材の凹部との間に溶融充
    填させる溶融充填処理工程と、該溶融充填処理工程後の
    冷却過程中に炉冷保持して該凹部を形成する金属部材を
    析出硬化させる析出硬化処理工程とから成ることを特徴
    とするセラミック部材と金属部材の接合方法。
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