JP2882775B2 - ヒトーグリア由来神経突起因子 - Google Patents

ヒトーグリア由来神経突起因子

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、グリア系細胞か
ら放出される神経突起促進因子(neurite−pr
omoting factor)、神経突起促進活性を
維持している関連蛋白質及びそれらの断片、該神経突起
促進因子のアミノ酸配列をコードするDNA及びその断
片、この様なDNAを含有するハイブリドベクター、こ
のようなハイブリドベクターにより形質転換された宿
主、前記DNAベクター及び形質転換された宿主の製造
方法、前記神経突起促進因子、関連蛋白質及びその断片
の製造方法、並びに神経系の傷害を治療するためのこれ
らの使用に関する。 【0002】 【従来の技術】グリア系細胞は、神経系の傷害の発生及
びその後の経過において本質的な機能を発揮すると考え
られる。このようなグリア−神経相互作用の性質につい
ての知識はインビボ状態で微量に存在する巨大分子の同
定を必要とする。培養されたラットの神経膠腫細胞は、
神経芽細胞腫細胞中で神経突起の伸長を促進する巨大分
子を放出する。このラットのグリア由来神経突起促進因
子(glia-derived neurite-promoting factor; GdNPF)
は同定され、そして特徴付けられている〔J. Guenther,
H. Nick、及びD. Monard, EMBO J.,19
63−1966(1985)〕。 【0003】これは、神経突起の伸長、並びにウロキナ
ーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、トロンビ
ン及びトリプシンのごときセリンプロテアーゼの効果的
な阻害の両者を惹起する43,000の見かけ分子量を
有する蛋白質である。プロテアーゼとラットGdNPF
との間のドデシル硫酸ナトリウム抵抗性複合体の形成は
同じ著者により示されている。ラットGdNPFは遊離
の又は腫瘍細胞と会合したプラスミノーゲンアクチベー
ターの活性を阻害し、そして小脳の発達の過程で顆粒細
胞ノイロン(granule cell neuro
n)が移動するのを妨害する。 【0004】神経突起の伸長を惹起しそしてセリンプロ
テアーゼを阻害するこのような神経突起促進因子は、神
経系の傷害の後の神経繊維の再生を促進し、そして正常
細胞及び腫瘍細胞の移動を妨害することが予想される。
しかしながら、既知のラットGdNPFのヒトへの療法
的適用は、ヒトに対するラットGdNPFの予想される
抗原性により容赦なく妨害される。この問題はヒトGd
NPFの使用により克服することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本願発明の1つの目的
はヒトGdNPFを提供することである。GdNPF、
神経突起促進活性を維持しているその断片、及びGdN
PF関連ペプチドの工業的合成の問題は組換DNA技法
により解決される。本発明の他の目的は、GdNPF、
GdNPF関連ペプチド及びそれらの断片の製造方法;
GdNPF、GdNPF関連ペプチド又はそれらの断片
を含有する医薬を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は特に、純粋なヒ
ト−グリア由来神経突起促進因子(GdNPF)、並び
に神経突起促進活性を維持しているその関連ペプチド及
び断片に関する。これらの化合物は神経突起の伸長及び
セリンプロテアーゼの阻害の両方を惹起する。さらに詳
しくは、本発明は、次の式(I): 【0007】 【化3】【0008】〔式中、Cysは場合によってはジスルフ
ィドの形で存在し;X1 は水素、アシル基、例えばホル
ミル基又はアルカノイル基、例えばパルミトイル基、ミ
リストイル基又は低級アルカノイル基、例えばアセチル
基又はプロピニオル基、あるいは次の式(II):Met(-1
9)-Asn-Trp-His-Leu(-15)-Pro-Leu-Phe-Leu-Leu(-10)-A
la-Ser-Val-Thr-Leu(-5)-Pro-Ser-Ile-Cys(-1)- で表わ
されるペプチド残基、又はカルボキシ末端からの1〜1
8個のアミノ酸を含んで成る式(II)の残基の断片であ
って、これらのペプチド残基は場合によってはアシル化
されており;そしてX2 はArg又はThr−Glyで
ある〕で表わされる、場合によってはグリコシル化され
ているヒトGdNPF;式(I)の化合物中の1個又は
複数個の、特に1個、2個、3個又は4個の単一アミノ
酸が他のアミノ酸に置き換えられており神経突起促進活
性を維持している関連ポリペプチド;並びに第29位の
アミノ酸と第378位のアミノ酸との間のアミノ酸鎖か
ら選択された10個以上の連続するアミノ酸、及び場合
によっては1個又は複数個の、例えば1個、2個又は3
個の他のアミノ酸を含んで成る式(I)の化合物の断片
に関する。 【0009】 【発明の実施の形態】式(1)のGdNPFはグリコシ
ル化されていてもよく、又は炭水化物残基を有していな
くてもよい。典型的には、式(I)のグリコシル化され
たGdNPFは1個又は複数個の炭水化物残基、例えば
アスパラギン(Asn)残基にN−グリコシド結合した
N−アセチルグルコサミン又はN−アセチルグルコサミ
ン含有オリゴサッカライド、及び/又は、セリン(Se
r)残基又はスレオニン(Thr)残基にO−グリコシ
ド結合しているN−アセチルガラクトサミン又はN−ア
セチルガラクトサミン含有オリゴサッカライドを含有す
る。 【0010】式(I)のGdNPFにおいて、システイ
ン残基は示されている様に還元された形態で存在しても
よく、又は酸化された形態すなわちジスルフィド形であ
ってS−S橋を形成していてもよく、この場合好ましく
は式(I)のいずれか2個のCys残基の間で分子内S
−S橋を形成している。アシル基X1 は天然蛋白質中に
見出される任意のアシル基であることができる。特に、
アシル基X1 は低級アルカノイル基、例えばアセチル基
又はホルミル基、好ましくはアセチル基である。 【0011】式(II)のペプチド残基X1 はシグナルペ
プチドである。リボゾーム中で生成した際のGdNPF
は式(II)の全体ペプチド残基X1 を含有する。翻訳後
プロセシングがこのシグナルペプチド又はその部分を切
り離す。この発明は、Xが式(II)のペプチド残基であ
るか又は前に定義したこの残基の断片、特にアミノ酸−
18〜−1から成る断片、Pro-Ser-Ile-Cys-(−4〜−
1),Ser-Ile-Cys-(−3〜−1),Ile-Cys-、又はCy
s-のみである式(I)のGdNPFに関する。式(II)
のペプチド残基、又はカルボキシ末端からの1〜18個
のアミノ酸から成るその断片はそのN−末端においてア
シル化、例えばアセチル化又はホルミル化されていても
よい。 【0012】R. W. Scott 等〔J. Biol. Chem., 26
,7029−7034(1985)は、プロテアーゼ
ネクシン(nexin)と呼ばれるポリペプチドを記載
している。このセリンプロテアーゼ阻害剤は培養された
ヒト線維芽細胞から放出される。プロテアーゼネクシン
は43,000の見かけ分子量を有し、そして式(I)
のGdNPFのN−末端の28個のアミノ酸と同一の2
8個のアミノ酸から成るN−末端アミノ酸配列を有する
ことが報告されている。しかしながら、プロテアーゼネ
クシンと称される公表された蛋白質と本発明のGdNP
Fとが異る化合物であることを示す明確な証拠が存在す
る。全アミノ酸分析から予想されるこの既知蛋白質のア
ミノ酸組成、及びX1 が水素である式(I)のGdNP
Fのアミノ酸組成を第1表に示す。スレオニン(Th
r)、セリン(Ser)、グルタミン酸及びグルタミン
(Glu/Gln)、プロリン(Pro)、バリン(V
al)並びにイソロイシン(Ile)の個数において最
も顕著な差異が見出される。 【0013】 【表1】 【0014】本発明はさらに、神経突起促進活性を維持
しているGdNPF関連ポリペプチド、例えば1個又は
複数個の単一アミノ酸が他のアミノ酸により置き換えら
れている式(I)の化合物を包含する。この様な関連ポ
リペプチドは、DNAのレベルにおいて自然変異又は化
学的に誘導された変異により、あるいは化学合成による
アミノ酸の置き換えにより形成することができる。この
様な関連ポリぺプチドはさらに、ヒトGdNPFを含む
異る動物種に由来する融合断片から成るハイブリドポリ
ペプチドを包含する。 【0015】本発明の断片は、例えば、N−末端の少数
個のアミノ酸が欠失している式(I)の化合物の大断
片、例えば第2位〜第378位のアミノ酸、第3位〜第
378位のアミノ酸、第4位〜第378位のアミノ酸、
第5位〜第378位のアミノ酸、第6位〜第378位の
アミノ酸、又は第7位〜第378位のアミノ酸を含んで
成る断片、あるいはアミノ酸 310Arg及びアミノ酸
311Ser及び/又は 345Arg及び 346Ser並びに
場合によっては他のアミノ酸を含んで成る10個〜50
個のアミノ酸(セリンプロテアーゼ基質の必須部分であ
ることが知られている組み合せ)から成る小断片であ
る。 【0016】他の好ましい断片は、アンチトロンビン−
III 又はα1−アンチトリプシンとかなりの相同性を示
す領域を含む断片、例えば第72位〜第96位、第13
4位〜第146位又は第159位〜第195位、及び第
314位〜第378位のアミノ酸鎖から選択されたアミ
ノ酸、及び場合によっては1個又は複数個の、例えば1
個、2個又は3個の他のアミノ酸を含んで成る断片を含
む。 【0017】第321位〜第334位のアミノ酸の間の
14個のアミノ酸からなる断片、すなわち式:Gln-Lys-
Ala-Lys-Ile-Glu-Val-Ser-Glu-ASp-Gly-Thr-Lys-Ala の
追加の断片;第322位〜第334位のアミノ酸の間の
13個のアミノ酸及びN−末端のヒスチジン残基から成
る断片、すなわち式:His-Lys-Ala-Lys-Ile-Glu-Val-Se
r-Glu-Asp-Gly-Thr-Lys-Ala の断片;第345位〜第3
54位の間の10個のアミノ酸及びカルボキシ末端の追
加の-Ser-Phe残基から成る断片、すなわち式:Arg-Ser-
Ser-Pro-Pro-Trp-Phe-Ile-Val-Asp-Ser-Phe の断片;並
びに第175位〜第188位のアミノ酸の間の14個の
アミノ酸から成る断片、すなわち式:Lys-Ser-Arg-Phe-
Gln-Pro-Glu-Asn-Thr-Lys-Lys-Arg-Thr-Phe の断片が特
に好ましい。 【0018】ヒトGdNPF、関連ペプチド及びそれら
の断片は、所望の化合物を生産する細胞からの単離によ
って、又は縮合反応による合成によって製造することが
できる。例えば、ヒトGdNPFはこれを生産する神経
膠腫細胞(glioma cell)又は他のグリア系
細胞を、適当な培地、例えば最少必須培地、ダルベコの
改変イーグル培地、PRMI 1640培地等の中で、
場合によっては全血清、例えばウシ胎児血清及び/又は
増殖促進化合物、マイトジエン、抗生物質及び他の補填
物質を補充して、培養することにより得られる。所望の
GdNPFを単離し、そして常法、例えば下に検討する
方法により精製する。 【0019】ヒトGdNPF、関連ペプチド、及び特に
その断片はまた、化学的方法により、例えばM. Bodansz
ky, Principles of Pepride Synthesis , Springer-Ver
lag,1984に記載されている縮合反応により合成する
ことが可能である。断片は例えば固相法により合成さ
れ、この方法においては、アミノ基が保護されたアミノ
酸を適当な樹脂に結合せしめ、保護基を除去し、アミノ
基が保護された第二アミノ酸を第一アミノ酸のアミノ基
と縮合せしめ、脱保護及びアミノ基が保護された次のア
ミノ酸との縮合のサイクルを所望の組成のペプチド残基
が完成するまで反復し、そして最後にこのペプチド残基
を前記樹脂から開裂せしめ、そして脱保護する。 【0020】特に、ヒトGdNPF、関連ペプチド及び
その断片は、例えば、形質転換された宿主を異種性ポリ
ペプチドの発現を許容する条件下で培養し、そして所望
の化合物を単離することを含んで成る組換DNA技法に
より調製することができる。さらに詳しくは、所望の化
合物は、 (a)グリア系細胞のcDNAライブラリー又はゲノム
DNAライブラリーからGdNPFをコードするDNA
又はその断片を単離しそして場合によっては該DNAを
変異せしめ、あるいはこの様なDNAを化学的に合成
し; (b)前記DNAを適当な発現ベクターに導入し; (c)得られたハイブリドベクターを受容体宿主に形質
転換し; (d)形質転換された宿主のみが生存する条件下で培養
することにより未形質転換宿主から形質転換された宿主
を選択し; (e)前記形質転換された宿主を異種性ポリペプチドの
発現を許容する条件下で培養し;そして、 (f)ヒトGdNPF、又はその関連ペプチドもしくは
断片を単離する;ことにより製造される。 【0021】組換DNA技法によるこれらのペプチドの
製造に含まれる段階は後でさらに詳細に検討する。ヒト
GdNPFの製造のため、段階(a)のcDNAライブ
ラリーは好ましくはヒト神経膠腫細胞から、例えば "Cl
lection Nationale de Cultures de Microorganismes"
、パスツール研究所、パリに1986年2月5日にN
o.I−518として寄託されたヒト神経膠腫(gli
oma)セルラインに由来する。段階(a)のゲノムD
NAライブラリーはヒト胎盤又はヒト胎児肝細胞から調
製することができる。関連ペプチド、例えばラットGd
NPFの製造のためには、他のグリア系細胞、例えばラ
ット神経膠腫細胞、特にC6ラット神経膠腫細胞を使用
してcDNAライブラリーを調製することができる。 【0022】この発明はまた、グリア由来神経突起促進
因子(GdNPF)をコードするDNA、例えばヒトG
dNPF又はラットGdNPFをコードするDNA、こ
れらの変異体、例えば1個又は複数個の、例えば1個、
2個、3個又は4個のヌクレオチドが変異しているDN
A、神経突起促進活性を維持している関連ポリペプチド
をコードするDNA、並びに15個以上のヌクレオチド
を含んで成るこれらのDNAの断片に関する。これらの
DNAは単鎖又は二本鎖であると理解される。特に、こ
の発明は次の式(III): 【0023】 【化4】【0024】 【化5】【0025】〔式中、Y1 はアラニン(Ala)をコー
ドし、そしてGCT,GCC,GCA 又はGCG であり;Y2 はアル
ギニン(Arg)をコードし、そしてCGT,CGC,CGA,CGG,
AGA 又はAGGであり;Y3 はアスパラギン(Asn)を
コードし、そしてAAT又はAACであり;Y4 はアス
パラギン酸(Asp)をコードし、そしてGAT又はG
ACであり;Y5 はシステイン(Cys)をコードし、
そしてTGT又はTGCであり;Y6 はグルタミン(G
ln)をコードし、そしてCAA又はCAGであり;Y
7 はグルタミン酸(Glu)をコードし、そしてGAA
又はGAGであり;Y8 はグリシン(Gly)をコード
し、そしてGGT,GGC,GGA 又はGGG であり;Y9 はヒスチ
ジン(His)をコードし、そしてCAT又はCACで
あり; 【0026】Y10はイソロイシン(Ile)をコード
し、そしてATT,ATC 又はATA であり;Y11はロイシン
(Leu)をコードし、そしてTTA,TTG,CTT,CTC,CTA 又
はCTG であり;Y12はリジン(Lys)をコードし、そ
してAAA又はAAGであり;Y13はメチオニン(Me
t)をコードし、そしてATGであり;Y14はフェニル
アラニン(Phe)をコードし、そしてTTT又はTT
Cであり;Y15はプロリン(Pro)をコードし、そし
てCCT,CCC,CCA 又はCCG であり;Y16はセリン(Se
r)をコードし、そしてTCT,TCC,TCA,TCG,AGT 又はAGC
であり;Y17はスレオニン(Thr)をコードし、そし
てACT,ACC,ACA 又はACG であり; 【0027】Y18はトリプトファン(Trp)をコード
し、そしてTGGであり;Y19はチロシン(Tyr)を
コードし、そしてATA又はTACであり;Y20はバリ
ン(Val)をコードし、そしてGTT,GTC,GTA 又はGTG
であり;Y21は終止コドンTAA,TAG 又はTGA であり;Y
22はY2 又はY17−Y8 であり;Z1 はプロモーター配
列を含有する12個又はそれより多数のヌクレオチドか
ら成るフランキングDNA残基であり;Z2 は存在しな
いか、又は1個もしくはそれより多数のヌクレオチドか
ら成るフランキングDNA配列であり;そしてZ1 とZ
2 は場合によっては連結されている〕 【0028】で表わされるヒトGdNPFをコードする
DNA、式(III) のDNAとそれに対して相補的なDN
Aとから成る二本鎖DNA(ここでアデニン(A)はチ
ミン(T)と結合しそして逆も成立し、そしてグアニン
(G)はシトシン(C)と結合しそして逆も成立す
る)、相補的DNAそれ自体、1個又はそれより多数の
ヌクレオチドが変異しているこれらの変異体、並びに1
5個以上のヌクレオチドを含んで成るこれらのDNAの
断片に関する。この発明は特に、次の式(IV): 【0029】 【化6】 【0030】 【化7】【0031】 【化8】【0032】(式中、WはA又はACAGであり、X2
はArg又はThr−Glyであり、そしてZ3 及びZ
4 はそれぞれ独立に、存在しないか、又は1個もしくは
複数個のヌクレオチドから成るフランキングDNA残基
であって場合によっては連結されている、)で表わされ
るヒトGdNPFをコードするDNA、式(IV)のDN
Aとこれに対して相補的なDNAとから成る二本鎖DN
A、相補的DNAそれ自体、1個又は複数個のヌクレオ
チドが変異しているこれらの変異体、並びに15個以上
のヌクレオチドを含んで成るこれらのDNAの断片に関
する。この発明はさらに、次の式(V): 【0033】 【化9】【0034】 【化10】【0035】 【化11】【0036】(式中、Z5 及びZ6 はそれぞれ独立に、
存在しないか、又は1個もしくは複数個のヌクレオチド
から成るフランキングDNA残基であって場合によって
は連結されている)で表わされるラットGdNPFをコ
ードするDNA、式(V)のDNAとこれに対して相補
的なDNAとから成る二本鎖DNA、相補的DNAそれ
自体、1個又は複数個のヌクレオチドが変異しているこ
れらの変異体、並びに15個以上のヌクレオチドを含ん
で成るこれらのDNAの断片に関する。 【0037】さらに、この発明は、式(I)のヒトGd
NPF又はラットGdNPFをコードするRNA;1個
又は複数個の、特に1個、2個、3個又は4個のヌクレ
オチドが変異しているそれらの変異体;及び15個以上
のヌクレオチドを含んで成る前記RNAの断片、特に種
々のYが前記の意味を有するが、DNA残基がRNA残
基で置き換えられておりそしてデオキシチミジン(T)
がウリジン(U)で置き換えられている式(III) のRN
A、及びTがUにより置き換えられている式(IV)のR
NA及び式(V)のRNAに関する。 【0038】GdNPFをコードするDNA、その変異
体、神経突起促進活性を維持している関連ポリペプチド
をコードするDNA、及びこれらのDNAの断片は、例
えば形質転換された宿主を培養しそしてこの培養細胞か
ら所望のDNAを単離するか、又はヌクレオチドの縮合
による化学合成によって調製することができる。 【0039】特に、これらのDNAは例えば、(a)グ
リア系細胞からポリ(A)メッセンジャーRNA(mR
NA)を単離し、所望によりGdNPFをコードするm
RNA又はその断片を濃縮し、そして該mRNAに対し
て相補的な単鎖DNAを調整しそして該単鎖DNAから
二本鎖相補的DNA(ds cDNA)を調製し;ある
いは、(b)適当な細胞からゲノムDNAを単離し、そ
してDNAプローブを用いて所望のDNAを選択し;そ
して、(c)段階(a)のds cDNA、又は段階
(b)のds DNAを適当な発現ベクター中に導入
し;(d)得られたハイブリドベクターにより適当な宿
主を形質転換し、(e)GdNPF DNA又はその断
片を含有しない宿主からGdNPF DNA又はその断
片を含有する形質転換された宿主を選択し、そして
(f)所望のDNAを単離する;ことにより調製するこ
とができる。 【0040】ポリアデニル化メッセンジャーRNAはグ
リア系細胞から既知の方法によって単離される。この方
法は例えば、組織を洗剤及びリボヌクレアーゼ阻害剤、
例えばヘパリン、イソチオシアン酸グアニジン及びメル
カプトエタノールの存在下でホモジナイズし、このホモ
ジネートを遠心分離し、マグネシウム塩、例えば塩化マ
グネシウムを含有する塩混合物により上清からmRNA
を沈澱せしめ、沈澱を再懸濁して適当なクロロホルム−
フェノール混合物により、場合によっては洗剤及び/又
は陽イオンキレート化剤の存在下で抽出し、そして残っ
た塩含有水性相からエタノール、イソプロパノール等に
よりmRNAを沈澱せしめることを含む。 【0041】別の方法として、mRNAは、塩化セシウ
ム勾配中で遠心し、次にエタノールで沈澱せしめること
により直接分離することができる。好ましくは、このよ
うな沈澱したポリ(A)mRNAをクロマトグラフ法、
例えばアフィニティークロマトグラフィー、例えばオリ
ゴ(dT)セルロース又はオリゴ(dU)セファロース
上でのクロマトグラフィーによりさらに精製する。 【0042】mRNAの単離のために使用するグリア系
細胞は種々の由来のものであることができる。培養にお
いて拡大することができる神経膠腫細胞、例えば樹立さ
れたセルラインからのヒト神経膠腫細胞又はラット神経
膠腫細胞が好ましい。"Collection Nationale de Cultu
res de Microorganismes" ,パスツール研究所、パリ、
にNo.I−518として1986年2月5日に寄託さ
れたヒト神経膠腫セルラインLN−340からの細胞が
特に好ましい。 【0043】場合によっては、グリア系細胞から単離さ
れた神経突起促進因子をコードするmRNAを濃縮す
る。これは例えば、mRNAの速度分画又はクロマトグ
ラフ分画、適当な細胞での、例えばカエルの卵母細胞又
は無細胞系、例えば網状赤血球抽出物又は小麦胚抽出物
中での前記画分の翻訳、及び神経突起促進活性、又は神
経突起促進活性と平行する他の任意の性質、例えばプロ
テアーゼ阻害活性についての得られたポリペプチドのス
クリーニングにより行うことができる。得られるポリペ
プチドのスクリーニングは、抗体、例えばポリクローナ
ル抗体又はモノクローナル抗体を用いるイムノアッセ
イ、例えばラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセ
イ、又は蛍光マーカーを用いるイムノアッセイにおいて
特に効果的である。これらのイムノアッセイ並びにポリ
クローナル抗体及びモノクローナル抗体の調製は当業界
においてよく知られており、そしてそれ故にこれらを適
用することができる。 【0044】スクリーニングはまた、ハイブリダイゼー
ションプローブを用いてmRNAの段階において行い、
翻訳のための追加の段階を省略することができる。この
ようなハイブリダイゼーションプローブは少なくとも1
7個のヌクレオチドから成る全合成DNA、又は天然源
もしくは遺伝子操作された微生物から単離されたDNA
もしくはDNA断片であることができる。例えば、Gd
NPFをコードするDNAを含有するプラスミドを適当
な宿主中で増幅し、次に線状化しそしてDNAを単離す
る。この様なDNAに適当なラベル、例えば放射性ラベ
ルを付加した後、このDNAを使用して関連GdNPF
をコードするmRNAをスクリーニングする。好ましく
は、ラットGdNPFをコードしている放射性ラベルさ
れたDNAから成るハイブリダイゼーションプローブを
用いて、ヒトGdNPFをコードするmRNAの存在に
ついてmRNAライブラリーをスクリーニングする。 【0045】mRNA鋳型からの単離DNAの調製は、
単鎖DNAからの二本鎖DNAの調製と同様、当業界に
おいてよく知られている。mRNA鋳型を、デオキシヌ
クレオシドトリホスフェートの混合物、場合によっては
放射性ラベルされたデオキシヌクレオシドトリホスフェ
ート(反応の結果をスクリーニングできるように)、プ
ライマー配列、例えばmRNAのポリ(A)テイルとハ
イブリダイズするオリゴ−dT残基、及び適当な酵素、
例えば逆転写酵素と共にインキュベートする。鋳型mR
NAを変性せしめた後、相補的DNA(cDNA)を上
記のごとくデオキシヌクレオシドトリホスフェートの混
合物及び適当な酵素と共にインキュベートして二本鎖D
NAを得る。 【0046】適当な酵素は逆転写酵素、E.コリ(E.
coli)DNAポリメラーゼIのKlenow断片、
又はT4 DNAポリメラーゼである。場合によって
は、単鎖DNAをまず同じデオキシヌクレオチドのテイ
ルによって延長することにより相補的な同じデオキシヌ
クレオチドのプライマーの使用が可能となるが、しかし
通常は、ds DNAの形成は自然的ヘアピン形成の後
に始まる。ヘアピン形成の結果として得られるこのよう
なds DNAを、ヘアピンを切断するSIヌクレアー
ゼによりさらに加工する。 【0047】mRNAからcDNAを調製する方法に代
えて、ゲノムDNAを単離し、そして所望のポリペプチ
ドをコードするDNAについてスクリーニングすること
ができる。ゲノムDNAを当業界において知られている
方法に従って、適当な組織から、例えばヒト胎盤細胞又
はヒト胎児肝細胞から単離する。確立された手法に従っ
て、適当な制限酵素、例えばAluI及びHaeIII で
消化し、そしてλシャロンファージ、例えばλシャロン
4Aに導入することによりゲノムDNAライブラリーを
調製する。ニトロセルロース膜上にレプリカされたゲノ
ムDNAライブラリーを、DNAプローブ、例えば17
個以上のヌクレオチドから成る合成DNAプローブ、又
は所望のポリペプチドをコードするmRNA由来のcD
NAを用いてスクリーニングする。 【0048】mRNAから調製されたds DNA又は
ゲノム由来のds DNAの適当なベクターへの導入は
当業界においてよく知られている。好ましくは、適当な
ベクターを切断し、そして同じデオキシヌクレオシドか
ら成るテイルを設ける。次にアニールされるべきds
DNAは相補的な同じデオキシヌクレオシドのテイルを
担持していなければならず、これは、対応するデオキシ
ヌクレオシドトリホスフェート及び酵素、ターミナルデ
オキシヌクレオチジルトランスフェラーゼの存在下での
インキュベーションにより達成される。他の方法とし
て、ds DNAを、リンカーオリゴヌクレオチドの助
けにより又は平滑末端連結により導入することができ
る。 【0049】得られたハイブリドベクターによる適切な
宿主の形質転換は当業界においてよく知られている。例
えば、E.コリを、塩化カルシウムを含有する培地中で
のインキュベーションにより形質転換のために条件調節
し、次にハイブリドベクターにより処理する。形質転換
された宿主を、適当なマーカー、例えば抗生物質耐性マ
ーカー、例えばテトラサイクリン又はアンピシリン耐性
により選択する。GdNPF DNA又はその断片を含
有する形質転換された宿主の選択は幾つかの方法により
行うことができる。例えば、形質転換された宿主のプラ
スミドDNAを単離し、そして常法に従って固定化し、
次に、cDNAのための鋳型として最初に使用したグリ
ア系細胞からの全mRNAとハイブリダイズせしめる。
ハイブリダイズするRNAを溶出し、そして前記の様に
してインビトロで翻訳する。 【0050】翻訳の後に得られるポリペプチドを神経突
起促進活性、プロテアーゼ阻害活性、又は抗−GdNP
F抗体との免疫反応についてスクリーニングし、そして
対応するDNAを含有する形質転換された宿主を選択す
る。他の方法として、形質転換さた宿主の全DNAをG
dNPFをコードするDNAとハイブリダイズせしめ
る。例えば、ヒトGdNPFをコードしていると予想さ
れる形質転換された宿主のDNAを、ラットGdNPF
をコードしていることが知られているDNAプローブと
ハイブリダイズせしめる。 【0051】この発明のDNAの製造はまた、化学合成
によっても行うことができる。DNAを合成するための
適当な方法は、S. A. Narang〔Tetrahedron 39,3
(1983)〕により要約の形で与えられている。既知
の合成技法が、40ヌクレオチドまでの長さのポリヌク
レオチドの調製を、良好な収率、高純度及び比較的短い
時間で可能にする。適切に保護されたヌクレオチドを、
ホスホジエステル法〔K. L. Agarwal 等、Angew. Che
m.84,489(1972)〕又はさらに効率的なホ
スホトリエステル法〔C. B. Reese, Tetrahedron ,
,3143(1972)〕、ホスファイトトリエステ
ル法〔R. L. Letsinger 等、J. Am. Chem.Soc. ,
,3655(1976)〕、又はホスホラミダイト法
〔S. L. Beaucage及びM. H. Caruthers, Tetrahedron
Letters , 22,1859(1981)〕により相互に
連結する。 【0052】オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド
の合成の簡素化は固相法によって可能となり、この方法
においてはヌクレオチド鎖を適当なポリマーに結合せし
める。Itakura 等〔J. Am. Chem. Soc. , 103,70
6(1981)〕は、個々のヌクレオチドの代りにトリ
ヌクレオチドを使用し、そしてこれらをホスホトリエス
テル法により固相合成において連結している。こうし
て、短時間でしかも良好な収率で67ヌクレオチドまで
のポリヌクレオチドを調製することができる。実際の二
本鎖DNAは、化学的に合成された、両DNA鎖からの
オーバーラップするオリゴヌクレオチドから酵素的に組
み立てることができる。 【0053】この場合、オリゴヌクレオチドは塩基対合
により正しい配置で保持され、そして酵素DNAリガー
ゼにより化学的に連結される。他の可能性は、2つのD
NA鎖からのオーバーラップする単一ポリヌクレオチド
配列を、4種類の必要なデオキシヌクレオシドトリホス
フェートの存在下で、DNAポリメラーゼ、例えばDN
AポリメラーゼI、ポリメラーゼIのKlenow断
片、又はT4 DNAポリメラーゼと共に、あるいはA
MV(鳥類骨髄芽球症ウイルス)逆転写酵素と共にイン
キュベートすることを含む。これにより、2つのポリヌ
クレオチド配列が塩基対合により正しい配列に保持さ
れ、そして前記酵素により必要なヌクレオチドで補完さ
れ、完全な二本鎖DNAが得られる〔S. A. Narang等、
Anal. Biochem., 121,356(1982)〕。 【0054】この発明はさらに、GdNPF、関連ペプ
チド又はこれらの断片をコードするDNAであって、場
合によっては発現制御配列に連結されているものを含ん
で成るハイブリドベクター、及びその製造方法に関す
る。ベクターは、形質転換のために予想される宿主細胞
に依存して選択される。適当な宿主の例は、制限酵素又
は修飾酵素を欠いているか又はその含有量が少ない微生
物、例えば酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエー
Saccharomyces cerevisia
)、及び細菌の株、特にエシェリシャ・コリ(Esc
herichia coli)の株、例えばE.コリ
E.coli)χ1776、E.コリHB101、
E.コリW3110、E.コリHB101/LM103
5、E.コリJA221又はE.コリK12株294、
バシルス・ズブチリス(Bacillus subti
lis)、バシルス・ステアロサーモフィルス(Bac
illus sutearothermophilu
)、シュードモナス(Pseudomonas)、ヘ
モフィルス(Haemophilus)、ストレプトコ
ッカス(Streptococcus)等、並びにさら
に高等生物の細胞、特に樹立されたヒト又は動物のセル
ラインである。E.コリの上記株、例えばE.コリHB
101及びE.コリJA221、並びにさらにサッカロ
ミセス・セレビシエーが宿主微生物として好ましい。 【0055】原理的には、選択された宿主中で複製し、
そしてこの発明のGdNPF遺伝子を発現するすべての
ベクターが適当である。E.コリの株中でのGdNPF
の発現のために適当なベクターの例として、バクテリオ
ファージ、例えばλバクテリオファージの誘導体、又は
プラスミド、例えば特にプラスミドColEl及びその
誘導体、例えばpMB9,pSF2124,pBR31
7又はpBR322が挙げられる。この発明の好ましい
ベクターはプラスミドpBR322に由来する。適当な
ベクターは完全なレプリコン、及び発現プラスミドによ
り形質転換された宿主を表現形質に基いて選択しそして
同定することを可能にするマーカー遺伝子を含有する。
適当なマーカー遺伝子は宿主に、例えば貴金属、抗生物
質等に対する耐性を付与する。 【0056】さらに、この発明の好ましいベクターは、
レプリコン及びマーカー遺伝子領域のほかに制限エンド
ヌクレアーゼのための認識配列を含有し、これによって
GdNPF遺伝子及び適当な場合には発現制御配列がこ
れらの部位に挿入され得るようになっている。好ましい
ベクターであるプラスミドpBR322及び誘導された
プラスミド、例えばpUC9は、無傷のレプリコン、テ
トラサイクリン及びアンピシリンに対する耐性を付与す
るマーカー遺伝子(tetR 及びampR )、並びに制
限エンドヌクレアーゼ、例えばPstI(ampR 遺伝
子中を開裂せしめ、tetR 遺伝子を無傷のまま残
す)、BamHI,HindII、及びSalI(これら
はすべてtetR 遺伝子中を開裂せしめ、ampR 遺伝
子を無傷のまま残す)、NruI及びEcoRIのため
の多くのユニーク認識部位を含有する。 【0057】遺伝子発現の制御のために幾つかの発現制
御配列を使用することができる。特に、形質転換される
べき宿主の高度に発現される遺伝子の発現制御配列が使
用される。ハイブリドベクターとしてpBR322を使
用し、そして宿主としてE.コリを使用する場合、例え
ば、ラクトースオペロン、トリプトファンオペロン、ア
ラビノースオペロン等の発現制御配列(特に、プロモー
ター及びリボゾーム結合部位を含む)、β−ラクタマー
ゼ遺伝子の発現制御配列、ファージλN遺伝子及びファ
ージfd−コート蛋白質遺伝子等の対応する配列が適当
である。プラスミドpBR322はβ−ラクタマーゼ遺
伝子(β−lac遺伝子)のプロモーターを含有する
が、他の発現制御配列をこのプラスミドに導入しなけれ
ばならない。 【0058】酵母における複製及び発現のために適当な
ベクターは酵母複製開始点及び酵母用選択遺伝子マーカ
ーを含有する。酵母複製開始点、例えば染色体自律複製
セグメント(ars)を含有するハイブリドベクター
は、形質転換の後酵母細胞内で染色体外に保持されそし
て自律複製する。さらに、酵母2μプラスミドと相同な
配列を含有するハイブリドベクターを使用することがで
きる。この様なハイブリドベクターは、細胞中にすでに
存在する2μプラスミドに組換により組み込まれるであ
ろう。2μ配列は高形質転換頻度を有するプラスミドの
ために特に適当であり、そして高コピー数を可能にす
る。この発明の好ましい酵母ベクターはプラスミドpJ
DB207である。 【0059】酵母のための適当なマーカー遺伝子は特
に、宿主に抗生物質耐性を付与するもの、又は栄養要求
酵母変異株の場合には宿主の傷害を補完する遺伝子であ
る。対応する遺伝子は、例えば、抗生物質シクロヘキシ
ミドに対する耐性を与え、又は栄養要求酵母変異株に原
栄養性を与えるものであり、例えばURA3LEU
HIS3、又は特にTRP1遺伝子である。酵母ハ
イブリドベクターはさらに、好ましくは細菌宿主、特に
E.コリのための複製開始点及びマーカー遺伝子を含有
し、ハイブリドベクター及びその中間体の造成及びクロ
ーニングを細菌宿主中で行うことができるようにされて
いる。 【0060】酵母における発現のために適当な発現制御
配列は、例えば高度に発現される酵母遺伝子である。す
なわち、TRP1遺伝子、ADHI又はADHII遺伝
子、酸性ホスファターゼ(PHO3又はPHO5)遺伝
子、イソチトクローム遺伝子の各プロモーター、あるい
は解糖系に関与する酵素の遺伝子のプロモーター、例え
ばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート
デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、3−ホスホグリセレ
ートキナーゼ(PGK)、ヘキソキナーゼ、ピルベート
デカルボキシラーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコ
ース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリ
セレートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホ
スフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラー
ゼ及びグルコキナーゼの各遺伝子のプロモーターを使用
することができる。この発明の好ましいベクターは、転
写制御を伴うプロモーター、例えばPHO5ADHII
及びGAPDH遺伝子のプロモーターであり、これらは
増殖条件の変化によりターンオン又はターンオフするこ
とができる。例えば、PHO5プロモーターは培地中の
無機リン酸塩の濃度を上昇せしめ又は低下せしめるだけ
で抑制又は抑制解除され得る。 【0061】哺乳動物細胞での複製及び発現のために適
当なベクターは好ましくは、ウイルス、例えばシミアン
ウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RS
V)、アデノウイルス2、ウシ乳頭腫ウイルス(BP
V)、パポバウイルス(papovavirus)BK
変異株(BKV)、又はマウスもしくはヒトサイトメガ
ロウイルス(CMV)からのDNAを有する。好ましく
は、この様なベクターは、真核生物転写制御配列と共
に、E.コリ中での増幅のための複製開始点及び抗生物
質耐性遺伝子を含有する。特に、いわゆるシャトルベク
ターをpBR322E.コリ・プラスミドとSV40及
び/又はCMVエンハンサー及びプロモーター領域とか
ら造成することができる。 【0062】例えば、プラスミドはマウス又はヒト・サ
イトメガロウイルス主要初期遺伝子(major im
mediate−early gene)のエンハンサ
ーユニット、ヒトα−グロビンプロモーターと組み合わ
されたSV40エンハンサー、及び/又はさらに、誘導
性プロモーター、例えばヒートショック遺伝子又はメタ
ロチオネイン遺伝子由来のプロモーターを含有すること
ができる。さらに、目的遺伝子配列に通常関連している
プロモーター又は制御配列を使用することができる。複
製開始点は、異種性複製開始点、例えばSV40又は他
のウイルス起源からの複製開始点を含有する様にベクタ
ーを造成することにより、あるいは宿主細胞の染色体複
製機構により与えられる。ベクターが宿主細胞染色体に
組み込まれる場合、後者の方法が一層効果的である。 【0063】好ましい態様において、この発明は、宿主
株中での複製及び表現型選択が可能なハイブリドベクタ
ーに関し、このベクターはプロモーター、及びGdNP
F、関連ペプチド又はこれらの断片をコードするDNA
を含んで成り、このDNAは転写開始及び停止シグナル
並びに翻訳開始及び終止シグナルと共に該ハイブリドベ
クター中に前記プロモーターの制御のもとに、形質転換
された宿主中でそれが発現されポリペプチドが生産され
る様に配置されている。この発明はさらに形質転換され
た宿主の製造方法に関し、この方法は宿主を発現制御配
列により制御されるこの発明のDNAを含有する発現ベ
クターで形質転換することを含んで成る。この発明はさ
らに、形質転換された宿主それ自体に関する。 【0064】適当な宿主の例は前記の微生物、例えばサ
ッカロミセス・セレビシエー、バシルス・ズブチリス、
及びエシェリシャ・コリである。この発明の発現プラス
ミドによる形質転換は例えば文献に記載されているよう
にして行われる。S.セレビシエーについてはA. Hinne
n 等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75,1929
(1978)にB.ズブチリスについてはAnagnostopou
los 等、J. Bacteriol.81,741(1961)
に、そしてE.コリについてはM. Mandel 等、J. Mol.
Biol. , 53,159(1970)に記載されている。 【0065】すなわち、E.コリ細胞の形質転換方法は
DNAの取り込みを可能にするための細胞のCa++
理、及びハイブリドベクターとのインキュベーションを
含む。親細胞から形質転換された細胞を分離することを
可能にする選択増殖培地に細胞を移す。ベクターを含有
しない細胞はこの様な増地中で生存しないであろう。酵
母の形質転換は、例えば、(1)グルコシダーゼによる
酵母細胞壁の酵素的除去、(2)ポリエチレングリコー
ル及びCa++イオンの存在下でのベクターによるスフェ
ロプラストの処理、及び(3)スフェロプラストを寒天
に包埋することによる細胞壁の再生、の各段階を含む。
好ましくは、再生寒天は、形質転換された細胞の再生と
選択を同時に可能にする様に調製される。 【0066】適当な宿主の他の例は哺乳動物細胞、例え
ばCOS−7細胞、Bowes黒色腫細胞、チャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は胎児肺細胞L−
132である。ベクターは、ヘルパー化合物、例えばジ
エチルアミノエチルデキストラン、ジメチルスルホキシ
ド、グリセリン、ポリエチレングリコール等の存在下
で、又はベクターDNAをリン酸カルシウムと共沈せし
めて、トランスフェクションにより哺乳動物細胞に導入
される。他の適当な方法は、細胞核へのベクターDNA
の微量注入、及びエレクトロポレーション(elect
roporation)、すなわち細胞膜の透過性を増
加せしめる短パルスによるDNAの導入を包含する。 【0067】これに続く形質転換された細胞の選択は、
発現ベクターに共有結合的に組み込まれているか又は別
途加えられた選択マーカーを用いて行うことができる。
選択マーカーには抗生物質、例えばG−418(ネオマ
イシン)又はハイグロマイシンに対する耐性を付与する
遺伝子、又は宿主の傷害、例えばチミジンキナーゼもし
くはヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ
の不存在を補完する遺伝子が含まれる。形質転換された
宿主細胞は、資化性の炭素及び窒素源並びに無機塩を含
有する液体培地中で当業界において知られている方法で
培養する。 【0068】この発明の形質転換された宿主の培養のた
めに種々の炭素源を使用することができる。好ましい炭
素源の例として、資化性炭水化物、例えばグルコース、
マルトース、マンニトールもしくはラクトース、又は酢
酸塩であり、これらは単独で又は適当な混合物として使
用することができる。適当な窒素源の例としてアミノ
酸、例えばカザミノ酸、ペプチド及び蛋白質並びにこれ
らの分解生成物、例えばトリプトン、ペプトン又は肉エ
キス、そしてさらに酵母エキス、マルトエキス、さらに
アンモニウム塩、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム又は硝酸アンモニウムが挙げられ、これらは単独
で、又は適当な混合物として使用することができる。使
用することができる無機塩は、例えば、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム及びカルシウムの硫酸塩、塩化
物、リン酸塩及び炭酸塩である。 【0069】培地はさらに、例えば、増殖促進物質、例
えば微量元素、例えば鉄、亜鉛、マンガン等、及び好ま
しくは、選択圧を発揮しそして発現プラスミドを喪失し
た細胞の増殖を防止する物質を含有する。すなわち、例
えば、発現プラスミドがampR 遺伝子を含有する場合
には培地にアンピシリンを添加する。抗生物質のこのよ
うな添加はまた、抗生物質感受性の汚染微生物が除去さ
れるという効果を有する。例えば、必須アミノ酸栄養要
求性である酵母株が宿主微生物として使用される場合、
プラスミドは好ましくは宿主の欠陥を補完する酵素をコ
ードする遺伝子を含有する。酵母株の培養は前記アミノ
酸を欠く最少培地中で行われる。 【0070】脊椎動物細胞は、増殖促進物質及び/又は
哺乳類血清が補充されている場合がある市販培地を用い
て組織培養条件下で増殖せしめる。細胞を固体支持体、
例えばマイクロキャリヤー又は多孔性ガラスファイバー
に付着させて、あるいは適当な培養容器中に自由浮遊さ
せて増殖せしめる。培養は当業界において既知の方法に
より行う。培養条件、例えば温度、培地のpH地、及び発
酵時間は、この発明のポリペプチドの最高力価が得られ
るように選択する。すなわち、E.コリ又は酵母株は好
ましくは振とう又は攪拌を伴う深部培養により好気的条
件下で、約20℃〜40℃、好ましくは約30℃の温度
において、そして4〜8、好ましくは約7のpH値におい
て、約4〜30時間、好ましくはこの発明のポリペプチ
ドの最大収量が達成されるまで培養する。 【0071】細胞密度が十分な値に達した時、培養を停
止しそしてポリペプチドを単離する。ポリペプチドが適
当なシグナルペプチド配列と融合している場合、これは
細胞により上清に直接分泌される。これ以外の場合に
は、洗剤、例えばSDS,NP−40、トリトン又はデ
オキシコール酸で処理することにより細胞を破砕する
か、あるいはリゾチームもしくは類似の作用を有する酵
素又は超音波により細胞を溶解しなければならない。宿
主微生物として酵母を使用する場合、グルコシダーゼを
用いる酵素的消化によって細胞壁を除去することができ
る。これに代えて又はこれに加えて、機械的力、例えば
剪断力(例えばX−プレス、フレンチプレス、ダイノミ
ル)、又はガラスビーズもしくは酸化アルミニウムとの
振とう、あるいは、例えば液体窒素中での凍結と例えば
30℃〜40℃での解凍との反復を用いて細胞を破壊す
ることができる。 【0072】細胞を破壊した後に得られる混合物の遠心
分離の後に得られる、蛋白質、核酸及び他の細胞成分を
含有する細胞上清又は溶液を、それ自体既知の方法によ
り、この発明のポリペプチドを包含する蛋白質について
濃縮する。すなわち、例えば非蛋白質性成物のほとんど
をポリエチレンイミン処理により除去し、そしてこの発
明のポリペプチドを包含する蛋白質を例えば硫酸アンモ
ニウム又は他の塩による飽和によって沈澱せしめる。他
の方法においては、細胞上清又は溶解物をクロマトグラ
フ法により直接前精製することができる。 【0073】追加の精製段階は例えば、限外濾過、ダイ
アフィルトレーション、ゲル電気泳動、クロマトグラフ
法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除
クロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー(H
PLC)、逆相HPLC、固定ポリペプチド液体クロマ
トグラフィー(FPLC)等、適当なゲル濾過カラムに
よる分子サイズに従う混合物の成分の分離、透析、アフ
ィニティークロマトグラフィー、例えば、抗体、特にモ
ノクローナル抗体を用いるアフィニティークロマトグラ
フィー、並びに当業界において知られている他の方法を
包含する。この発明はさらに、この発明の方法により調
製されたGdNPF、関連ペプチド及びそれらの断片に
関する。この発明は特に、例に記載されたハイブリドベ
クター、形質転換された宿主細胞、ヒトGdNPF、及
びそれらの製造方法に関する。 【0074】この発明のGdNPF、関連ペプチド及び
それらの断片の神経突起促進性及びセリンプロテアーゼ
阻害性のため、これらのポリペプチドは神経系の傷害の
後の神経線維の再生の促進のために有用であり、好まし
くは、療法的有効量の活性成分を無機又は有機の個体又
は液体の非経口投与のために適当な医薬として許容され
るキャリヤーと共に含んで成る医薬製剤の形で使用され
る。非経口剤は特に、種々の方法で、例えば静脈内、筋
肉内、腹腔内、鼻内、皮内又は皮下への投与において有
効な注射液である。このような液剤は、好ましくは、活
性成分を単独で又は医薬として許容されるキャリヤーと
共に含有する凍結乾燥調製物から使用前に調製すること
ができる等張水溶液又は懸濁液である。医薬製剤は無菌
化されていてもよくそして/又は助剤、例えば防腐剤、
安定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、安定剤、浸透圧調整
塩及び/又は緩衝剤を含有することができる。 【0075】この発明の医薬製剤は、所望により他の薬
理学的に価値がある物質を含有し、そしてそれ自体既知
の方法で、例えば常用の溶解又は凍結乾燥法により製造
され、そして約0.1〜100%、特に約1%〜約50
%の活性成分を含有し、そして凍結乾燥物の場合には1
00%までの活性成分を含有する。この発明はまた、こ
の発明の薬学的に活性な化合物を医薬として許容される
キャリヤーと混合することを特徴とする医薬製剤の製造
方法に関する。特性の投与方法及び投与量は、患者の状
態、疾患の種類及び疾患の状態を考慮して医師により選
択されるであろう。例えば、神経系の傷害は、毎日1回
又は毎日2回数日〜数週間にわたる0.001〜1mg/
kg体重の投与により治療される。次に、例によりこの発
明をさらに具体的に説明するが、これによりこの発明の
範囲を限定するものではない。例において使用する略号
は次の意味を有する。 【0076】 bp 塩基対 BSA ウシ血清アルブミン cDNA 相補的DNA cpm カウント/分(放射能崩壊) dA 2′−デオキシアデノシン dATP 2′−デオキシアデノシントリホスフェート dC 2′−デオキシシチジン dCTP 2′−デオキシシチジントリホスフェート dG 2′−デオキシグアノシン dGTP 2′−デオキシグアノシントリホスフェート DMEM ドルベコの改変イーグル培地 DNA デオキシリボ核酸 dNTP dATP,dCTP,dGTP及びdTTPの混合物 dpm 崩壊/分(放射能崩壊) ds DNA 二本鎖DNA 【0077】 dT 2′−デオキシチミジン DTT 1,4−ジチオスレイトール dTTP 2′−デオキシチミジントリホスフェート EDTA エチレンジアミン四酢酸 FCS ウシ胎児血清 GdNPF グリア由来神経突起促進因子 Hepes N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンスル ホン酸 mRNA メッセンジャーRNA PBS リン酸緩衝化生理的塩溶液 Pipes ピペラジン−N,N′−ビス(2−エタンスルホン酸) PMSF フェニルメチルスルホニルフルオリド RNA リボ核酸 rpm 回転数/分 SDS ドデシル硫酸ナトリウム TFA トリフルオロ酢酸 Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン tRNA トランスファーRNA 【0078】下記の緩衝液及び培地を使用する。 溶出緩衝液 10mM Tris−HCl,pH7.5,1mM EDTA, 0.2% SDS。 免疫緩衝液 50mM Tris−HCl,pH7.5,1mM EDTA, 150mM,NaCl,0.1%トウィーン−20TM。 Laemmliの 62.5mM Tris−HCl,pH6.8,2% SDS, サンプル緩衝液 10%グリセリン、5%2−メルカプトエタノール、 0.001%ブロモフェノールブルー。 LB−培地 1%バクトトリプトン(Difco),0.5%バクト酵母 エキス(ディフコ)、170mM NaCl,NaOHにより pH7.5に調整。 【0079】 RVT緩衝液 200mM Tris−HCl,pH8.3 at 42℃, 20mM MgCl2 ,280mM KCl,20mM DTT。 SSC緩衝液 15mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl,NaOH によりpH7.0に調整。 TBE緩衝液 89mM Tris(TRIZMA(登録商標)塩基)、 89mM硼酸1mM EDTA。 TNE緩衝液 10mM Tris−HCl,pH8.0,1mM EDTA, 0.1M NaCl。 洗浄緩衝液 10mM Tris−HCl,pH7.5,1mM EDTA, 0.5M NaCl,0.2% SDS。 【0080】例1. ラットC6神経膠腫細胞からのm
RNAの単離 ラットC6神経膠腫細胞(ATCC No. CCL 10
7)を、10%ウシ胎児血清を補充した15mlのダルベ
コ改変イーグル培地(ギブコ)を収容した10cmの組織
培養皿中で増殖せしめる。120個のコンフルエント状
態の培養皿(皿当り約2.5×107 個のラット神経膠
腫細胞)を使用して、R.D.Palmiter〔Bi
ochemistry13,3606−3615(1
974)〕により記載された方法によりmRNAを濃縮
する。マグネシウム沈澱により得られたmRNA画分を
さらにM.Edmonds等〔Proc.Natl.A
cad.Sci.USA68,1336─1340
(1971)〕の方法に従ってオリゴ(dT)セルロー
ス上で精製する。 【0081】例2. ラットGdNPFについてのmR
NAの濃縮 例1からの600μgのポリ(A)RNA(1μg/μ
l)を70℃にて5分間加熱し、氷水中で迅速に冷却
し、そして10mM Hepes pH7.5/1mMEDT
A/100mM NaCl中5〜20%シュークロース線
状グラジエント上に負荷し、そして20℃のSW27ロ
ーター中で2000rpm にて23時間遠心する。20画
分を集め、そして−20℃にて一夜エタノールにより沈
澱せしめる。mRNAをSS−34ローター中で150
00rpm にて20分間遠心し、75%エタノール中で1
回洗浄し、そして最後に水に1μg/μlの濃度に溶解
する。 【0082】個々の画分を、次の様にしてカエルの卵母
細胞に注入することによりアッセイする。試験される各
mRNA画分50nlを1個の卵母細胞に注入する。同
じmRNAを含有する3個の卵から成る群を100μl
のBarth溶液中で22℃にて24時間インキュベー
トする。インキュベーション培地を除去し、そしてJ.
Guenther等〔EMBO J.,1963−
1966(1985)〕により記載されているカゼイン
分解におけるプロテアーゼ阻害活性(これはGdNPF
活性と平行する)についてアッセイする。要約すれば、
ミルク粉末の懸濁液、ヒトウロキナーゼ、精製されたヒ
トプラスミノーゲン、及び試験されるべき溶液の混合物
を適当な緩衝液混合物中でインキュベートし、そして4
05nmにおける濁度の低下を測定することによりカゼイ
ン分解をモニターする。次の結果が得られる。 【0083】 【表2】 画分13及び14をプールし、そしてcDNA合成のた
めに使用した(例3)。 【0084】例3. ラットGdNPFをコードするd
s cDNAの調製 例2のラットGdNPFをコードする濃縮されたmRN
Aを鋳型として使用して、Maniatis Handbook 〔T. Man
iatis, E.F. Fritsch 及びJ. Sambrook,“Molecular Cl
oning, A Laboratory Manual”、コールドスプリングハ
ーバーラボラトリー、1982〕に記載されているのと
実質的に同じ方法により二本鎖DNA(ds DNA)
を調製する。 【0085】3.1. 第一鎖の合成 100mM Tris−HCl(pH8.2、42℃に
て),70mM KCl,10mM MgCl2 ,1mM D
TT,1mMずつのdGTP,dCTP及びdTTP,
0.4mM dATP,50μCi α−32P−dATP
(アメルシャム、3000Ci/mmol),50μg/mlオ
リゴdT(P−Lバイオケミカルス)、100μg/ml
mRNA(例2)、及び50ユニットの鳥類骨髄芽球
症ウイルス(AMV)逆転写酵素(ステーリン、バーゼ
ル、スイス)を含有する反応混合物100μlを42℃
にて60分間インキュベートする。この溶液を10mM
EDTAに調整することにより反応を停止する。この混
合物を、1M NaOHを0.2Mの最終濃度に加える
ことにより52℃にて90分間加水分解する。1M T
ris−HCl(pH8.0)、及び1M HClで中和
した後、反応混合物をフェノール/クロロホルムで抽出
する。 【0086】有機相を、10mM Tris−HCl(pH
8.0)/1mM EDTA/100mM NaClにより
1回逆抽出する。プールされた水相をセファデックスG
−50カラムに適用する。100μlずつの画分を集
め、セレンコス計数〔P.W.J.Rigby等、J.
Mol.Biol.113,237−251(197
7)〕により放射能をモニターする。cDNA含有画分
をプールし、そしてエタノールで沈澱せしめる。単鎖c
DNAの収量は4.6μgである。30mM NaOH/
1mM EDTA中2%アルカリ性アガロースゲルでの電
気泳動移動度から決定した場合、cDNAのサイズは7
00〜2000ヌクレオチドの長さである。 【0087】3.2. 第二鎖の合成およびS1消化 得られたcDNAを、100μlの最終容量の100mM
Hepes(pH6.9),10mM MgCl2 ,2.
5mM DTT,70mM KCl,0.5mMずつのdNT
P,5.8μCi 3H−dGTP、及び32ユニットのD
NAポリメラーゼ(Klenow断片、ベーリンガー・
マンハイム)中で20℃にて150分間インキュベート
する。16ユニットの酵素を加え、そしてインキュベー
ションを37℃にて60分間続ける。EDTAを10mM
に添加することにより反応を停止せしめる。この混合物
をフェノール/クロロホルムで抽出し、そしてエタノー
ルで沈澱せしめる。 【0088】生ずるDNAを、250mM NaCl,5
0mM酢酸ナトリウム(pH4.5)、1mM ZnSO4
及び500ユニット/mlのS1エンドヌクレアーゼ(ベ
ーリンガーマンハイム)を含有するインキュベーション
混合物100μl中で37℃にて30分間インキュベー
トする。EDTAを10mMに添加することにより反応を
停止する。1M Tris−HCl(pH8.0)を10
0mMに添加した後、反応混合物をフェノール/クロロホ
ルムにより抽出する。cDNAをエタノールにより−7
0℃にて30分間沈澱せしめる。遠心分離の後、得られ
たds cDNAを、50mM Tris−HCl(pH
7.4),7mM MgCl2 ,1mM DTT,1mMずつ
のdNTP、及び1.5ユニットのKlenow断片を
含有する溶液20μl中に溶解する。 【0089】反応混合物を22℃にて30分間インキュ
ベートし、そして次にEDTAを10mMに添加すること
により反応を停止する。抽出、及び10mM Tris−
HCl(pH7.5)/1mM EDTA/300mM Na
Cl中セファデックスCL−4Bカラムへの通過の後、
cDNA含有画分のアリコートを2%アガロースゲル上
でアッセイする。600bp以上の分子を含む画分をプー
ルし、エタノールで沈澱せしめ、そして10mM Tri
s−HCl(pH7.5)/1mM EDTA中に溶解す
る。0.6μgのds cDNAが得られる。 【0090】例4. ラットGdNPFをコードするd
s cDNAを含有する、プラスミドpBR322由来
のベクターの調製、及びE.コリHB101の形質転換 4.1. ポリ(dC)テイルを有するds cDNA
の調製 540ngの例3のds cDNAを、200mMカコジル
酸カリウム(pH6.9),1mM CoCl2 ,260pm
ol 3H−dCTP、及び6ユニットのターミナルデオキ
シヌクレオチジルトランスフェラーゼ(P−Lバイオケ
ミカルス)を含有する溶液100μl中で37℃にて5
分間インキュベートする。反応を停止するためにEDT
Aを10mMに加える。この混合物をフェノール/クロロ
ホルムで抽出し、そしてDNAをエタノールで沈澱せし
める。dC−テイルを有するcDNAを10ng/μlで
−20℃にて貯蔵する。 【0091】4.2. ポリ(dG)テイルを有する切
断されたpBR322とポリ(dC)テイルを有するd
s cDNAとのアニーリング、及び得られるベクター
によるE.コリの形質転換 33ngの例4.1からのdC−テイルを有するcDNA
と170ngのdG−テイルを有するpBR322(Ps
tIにより切断したもの、ベーリンガーマンハイム)と
の混合物を200μlの10mM Tris−HCl(pH
7.5)/100mM NaCl/1mM EDTA中で、
65℃にて5分間、及び55℃にて60分間インキュベ
ートし、そして次に水浴中で22℃に冷却する。40μ
lのこのアニーリング混合物を、Maniatisのハ
ンドブックに記載されているようにして形質転換のため
に調製された200μlのコンピテントE.コリHB1
01細胞に加える。 【0092】この混合物を30分間氷上に保持し、そし
て2分間42℃に加熱し、次に1mlのLB−培地で処理
し、そして37℃にて30分間インキュベートする。こ
の混合物(プレート当り200μl)を、LB−培地及
び20μg/mlのテトラサイクリンを含有する8cmの天
然プレート上に拡げる。プレートを37℃にて16時間
インキュベートする。約5000個のテトラサイクリン
耐性コロニーが得られる。 【0093】例5. ハイブリダイゼーション選択され
た翻訳による、ラットGdNPFをコードするDNAを
含有するクローンの同定 5.1. ハイブリダイゼーション 例4の個々のコロニーを、20μg/mlのテトラサイク
リンを含有する200μlのLB−培地中で飽和まで増
殖せしめる。48コロニーのプールを得るため、50μ
lの各前培養物を20μg/mlのテトラサイクリンを含
有する100mlのLB−培地にピペット移送する。プー
ルを一夜増殖せしめる。Maniatisのハンドブッ
クに記載されているアルカリ溶菌法を用いてDNAを単
離する。プラスミドDNAをEcoRIにより線状化
し、抽出し、そして10mM Tris−HCl(pH7.
5)/1mM EDTA中に0.1μg/μlの濃度に溶
解する。100μlのこの溶液を20μlずつ、未処理
のジーン・スクリーン(商標)フィルター(ニューイン
グランドニュークレア、1cm)上にピペット移送し、そ
して各段階の間乾燥する。 【0094】このフィルターを、0.5M NaOH/
1.5M NaCl中に浸漬された3MM(商標)ペー
パー(ワットマン)上に1分間ずつ4回置く。この方法
を、2M Tris−HCl(pH7.4)/2倍濃度S
SC緩衝液に浸漬した3MMペーパー上で、そして最後
に2倍濃度のSSC緩衝液中にのみ浸漬された3MMペ
ーパー上で反復する。次に、フィルターを2倍濃度のS
SC緩衝液中で穏やかに攪拌し、真空ストープ中で80
℃にて2時間ベーキングする。使用前に、フィルターを
沸騰水中に1分間置く。ラットC6神経膠腫細胞からの
全RNA(例1)を30%ホルムアミド/20mM Pi
pes(pH7.5)/500mM NaCl/2mM ED
TA/0.4%SDS中に2〜3mg/mlの濃度で溶解す
る。フィルター当り130μlのこの溶液を使用して、
穏やかに攪拌しながら42℃にて17時間ハイブリダイ
ズせしめる。 【0095】フィルターをSSC緩衝液/0.1%SD
S中で60℃にて10回、そして5mM Tris−HC
l(pH7.5)/1mM EDTA中60℃にて1回洗浄
する。ハイブリダイズしたRNAをフィルターから、2
00μlの5mM KCl/10μg/ml+RNA(ベー
リンガーマンハイム、フェノール抽出したもの)中での
煮沸及びこれに続くドライアイス−エタノール中での迅
速な凍結から成る2サイクルにより溶出する。解凍の
後、溶出液をプールし、そしてRNAをエタノールによ
り−20℃にて一夜沈澱せしめる。沈澱を遠心分離し、
そして75%エタノール中で洗浄する。各プールから得
られたポリ(A)RNAを4μlの水に溶解し、そして
インビトロ翻訳及び抗−GdNPF抗体による免疫沈澱
のために使用する。 【0096】5.2. ラビット網状赤血球溶解物中で
のインビトロ翻訳 ラビット網状赤血球溶解物(アメルシャム、N.90)
35S−メチオニン(アメルシャム、1000Ci/mmo
l)及び例5.1のポリ(A)RNAにより氷上で稀釈
して、細胞溶解物70%、35S−メチオニン2μCi/μ
l及びRNA 4μg/mlの最終濃度とする。混合物を
30℃にて1時間インキュベートする。1μlのアリコ
ートをそれぞれ0分及び60分で取り出し、そしてGF
/Cフィルター(ワットマン)上にスポットし、そして
Maniatisのハンドブックによるトリクロロ酢酸
沈澱のために使用する。 【0097】ゲル電気泳動のため、2〜4μlの細胞溶
解物混合物を20μlのLaemmliサンプル緩衝液
で稀釈し、2分間煮沸し、そして10%アクリルアミド
ゲル上で分析する〔U.K.Laemmli,Natu
re227,680 (1970)〕。ゲルを30〜
40mAの一定電流において3〜4時間泳動にかける。固
定した後、ゲルをフルオログラフ溶液〔ENLIGHT
NING(商標)、ニューイングランドニュークレア〕
と30分間反応せしめ、乾燥し、そして前フラッシュし
たコダックX−5フィルムに室温にて一夜暴露する。 【0098】5.3. ラットGdNPFに対して特異
的なポリクローナル抗体の調製 約50μgの精製ラットGdNPF〔J.Guenth
er等、EMBO J.,1963−1966(1
985)〕を完全フロインドアジュバンド(シグマ)中
で皮下注射及び筋肉注射することによりラビットを免疫
感作する。不完全フロインドアジュバンド中約50μg
の精製ラットGdNPFの追加免疫注射を4週間の間隔
で行う。各追加免疫注射の10日後に血清を集め、そし
てR.Hankes等〔Aml.Biochem.
19,142−147(1982)のイムノブロット法
を用いて抗−GdNPF抗体について験検する。第2追
加免疫注射の後に陽性の血清が得られる。陽性の血清の
免疫グロブリンを濃縮し,そしてH.Hjelm等〔
EBS Letter28,73−76 (197
2)〕に従う標準的プロテインA−セファロースCL−
48(ファルマシア)クロマトグラフィーを用いて精製
する。 【0099】5.4. インビトロ翻訳により合成され
たラットGdNPFの免疫沈澱 例5.2のインキュベートされたインビトロ細胞溶解混
合物15μlを例5.3の抗−GdNPF抗体10μg
と1mM PMSFを含有する150μlの免疫緩衝液中
で混合する。混合物をシリコン処理されたエッペンドル
フチューブ中で4℃にて17時間インキュベートする。
プロテインA−セファロースCL−4B(ファルマシ
ア)を、これの粉末をPBS中に2〜3時間膨潤せし
め、2mg/ml BSA(ペンタックス、画分V)を含有
する免疫緩衝液中で3回洗浄し、そしてBSAを含有し
ない同じ緩衝液中で2回洗浄することにより新しく調製
する。このセファロースを免疫緩衝液により1:2で稀
釈し、その15μlを、細胞溶解物混合物及びポリクロ
ーナル抗体を収容するエッペンドルフチューブに加え、
そしてこの懸濁液を室温にて60分間穏やかに攪拌す
る。 【0100】このセファロースを0.5〜1%のトウィ
ーン−20を含有する免疫緩衝液により3回洗浄する。
最終洗浄の後、20μlのLaemmliサンプル緩衝
液を乾燥セファロースペレットにピペット移送する。懸
濁液を室温にて10分間インキュベートし、そして最後
に4分間煮沸する。氷上で冷却し、そして遠心分離した
後、20μlの上清を10%ポリアクリルアミドゲルに
負荷する。ゲル電気泳動を行い、そして例5.2に前記
した方法により発色せしめる。48コロニーのプール
(例5.1)の中1つが陽性である。この1プールの4
8コロニーを8コロニーの新たな6プールと一緒にし、
そして同様に処理する。最終的に、翻訳後に陽性の免疫
沈澱を与える単一コロニーを同定する。このクローンを
20μg/mlのテトラサイクリンを含有するLB−培地
中で拡大する。 【0101】5.5. ラットGdNPF cDNAの
配列決定 例5.4の陽性クローンのcDNAをSangerの一
般的方法を用いて配列決定する。9μlの水中pBR3
22由来の組換プラスミド(例4.2)1.5μgを、
pBR322由来ベクターのPstIエンドヌクレアー
ゼ開裂部位のすぐ前に相補的なプライマー1μl(0.
5pmol)と混合する。DNAを沸騰水中で3分間加熱す
ることにより変性せしめ、ドライアイス/エタノール中
で1分間凍結し、室温にて解凍し、そして1μlの10
0mM Tris−HCl(pH8.3)/50mM MgC
2 と混合する。このアニーリング混合物を37℃にて
30分間インキュベートする。アメルシャムの配列決定
マニュアル(M13 cloning and seq
uencing handbook、アメルシャム)中
に記載されている様にして配列決定反応を行う。見出さ
れた配列を式(V)に示す。 【0102】例6. ヒトGdNPF cDNAのクロ
ーニング 6.1. ヒト神経膠腫細胞 E.H. Macintype及びN. de Tribolet両博士〔J.P. Perki
ns等、Life Sciences10,1069-1080 (1971);B. De M
uralt等、Eur. J. Cancer Clin. Oncol. 21,207-216
(1985)〕により樹立された5個のヒト神経膠腫セルラ
インを、ナサンブロットにより、例5の陽性ラットGd
NPF cDNAクローンのインビトロ−ニックトラン
スレーションにより32PでラベルされたDNAプローブ
とハイブリダイズするmRNAの存在について分析す
る。レーン当り10μgの全細胞質RNAを使用する。
ハイブリダイゼーションは42℃にて15時間、1×1
6cpm /mlのニックトランスレーションプローブを用
いて行う。 【0103】フィルターを、30mMクエン酸ナトリウム
(pH7.0)/300mM NaCl/0.1%SDS中
で室温にて5分間ずつ4回、及び1.5mMクエン酸ナト
リウム(pH7.0)/15mM NaCl/0.1%SD
S中で60℃にて15分間ずつ2回、洗浄する。“Coll
ection Nationale de Cultures de Microorganisme
s”、パスツール研究所、パリ、に1986年2月5日
にNo. I−518として寄託されているセルラインLN
−340が強いハイブリダイゼージインを与える。これ
を40個の10cm組織培養皿中でコンフルエントまで増
殖せしめる。 【0104】6.2. mRNAの単離 約108 個の細胞を含有するヒト神経膠腫細胞LN−3
40のペレット1mlを、100gのチオシアン酸グアニ
ジン、100mlの水、10.6mlの1M Tris−H
Cl(pH7.5)、4.2mlの0.5M EDTA、2
1.2mlの20%N−ラウリルサルコシン及び2.1ml
の2−メルカプトエタノールから調製された濾過された
溶液6ml中に溶解する。激しく振とうした後2.7gの
乾熱したCsClを加え、そしてこの溶液を12mlの遠
心チューブ中0.1M EDTA(pH7.5)中5.7
M CsClから成るクッション溶液2ml上に重層す
る。このチューブを水で満たし、そしてTST41ロー
ター(コントロン)中で20℃にて、29000rpm で
16時間遠心する。 【0105】この運転の終りにほとんどの上清を除去
し、そしてチューブを手早く液切りする。ガラス状のR
NAペレットを0.4mlの10mM Tris−HCl
(pH7.5)及び0.2%SDS中に滑動及び時々の加
温(2分間、37℃)により溶解する。1mlのエタノー
ルを添加し、そしてエッペンドルフ中で5分間遠心分離
することによりRNAを沈澱せしめる。RNA(1.1
mg)を空気乾燥し、そして0.5mlの溶出緩衝液に溶解
する。68℃にて2分間加熱しそして氷上で冷却した
後、55μlの5M NaClを添加し、そしてこの溶
液を洗浄緩衝液中で平衡化したオリゴ−dTセルロース
(タイプ7、P−Lバイオケミカルス)の2mlカラムに
適用する。 【0106】サンプルを次々と3回適用した後、カラム
を15mlの洗浄緩衝液で洗浄し、そして結合したRNA
を4mlの溶出緩衝液により溶出する。溶出された材料を
68℃にて2分間加熱し、冷却し、そして0.44mlの
5M NaClを加える。この溶液を再平衡化されたオ
リゴ−dTセルロースカラム(3X)に適用する。15
mlの洗浄緩衝液で洗浄した後、結合したRNAを4mlの
溶出緩衝液により溶出する。0.25mlの3M酢酸ナト
リウム(pH5.5)及び10mlのエタノールの添加によ
り−20℃にて一夜RNAを沈澱せしめる。沈澱(76
μg)を遠心分離(16000×gにて15分間)によ
り集め、0.4mlの水に溶解し、そして25μlの3M
酢酸ナトリウム及び1mlのエタノールの添加により再沈
澱せしめる。ドライアイス中で10分間冷却した後、エ
ッペンドルフ中で5分間遠心分離することによりRNA
を集める。ペレットを空気乾燥しそして75μlの水に
溶解する。 【0107】6.3. cDNAの調製 10μl(1mg/ml)のRNA溶液を、25μl RV
T緩衝液、2.5μldNTP混合物(20mMずつのd
ATP,dCTP,dTTP及びdGTP)、5μlの
1mg/mlオリゴ−dT12-18 (P−Lバイオケミカル
ス)、1μlのα−32P−dCTP(10μCi,300
0/mmol)、3μlのRNasin(商標)(60ユニ
ット、バイオテック)、3μlの逆転写酵素(66ユニ
ット、ゼノフィット)及び2μlの水を含む溶液中でイ
ンキュベートする。この混合物を42℃にて1.5時間
インキュベートし、そして次に2μlの0.5M ED
TA(pH7.5)を添加することにより反応を停止す
る。 【0108】25μlの0.15M NaOHを添加し
そして65℃にて1時間インキュベートすることにより
RNAを分解する。この溶液を、25μlの1M Tr
is−HCl(pH8.0)及び6μlの1M HClを
添加することにより中和する。2μlの20%SDSを
加え、そしてこの溶液を0.15mlのフェノール/クロ
ロホルム混液〔同容量のフェノール及びクロロホルム、
0.1%δ−ヒドロキシキノリン;10mM Tris−
HCl(pH8.0)、1mM EDTA及び0.1M N
aClにより平衡化したもの〕により抽出する。 【0109】水相を、パスツールピペット中TNE緩衝
液により平衡化されたセファデックスG−50カラム2
mlに適用する。3μgのcDNAを含有する通過画分
(0.4ml)を集め、そして1mlのエタノールを加えそ
してドライアイス中で10分間冷却することによりcD
NAを沈澱せしめる。遠心分離(エッペンドルフ、5分
間)の後、空気乾燥したペレットを32μlの水に溶解
する。cDNAを、32μlのcDNA(2.8μ
g)、10μlの1Mカコジル酸カリウム(pH7.
0)、5μlの10mM CoCl2 、5μlの1mM D
TT及び10μCiの 3H−dCTP(20Ci/mmol、1
0μl凍結乾燥)を含有する反応混合物中でオリゴ−d
Cテイルにより延長する。 【0110】37℃にて5分間の前インキュベーション
の後、3μlのターミナルデオキシヌクレオチジルトラ
ンスフェラーゼ(81ユニット、P−Lバイオケミカル
ス)を添加し、そして10分間インキュベートする。5
0μlのTNE緩衝液を添加し、そして溶液を0.1ml
のフェノール/クロロホルム混液で抽出する。0.1ml
のエタノールの添加及びドライアイス中での冷却により
cDNAを沈澱せしめる。遠心分離の後、ペレットを7
0%エタノールで洗浄し、空気乾燥し、そして13μl
の水に溶解する。 【0111】6.4. sd cDNAの調製 13μlの水、25μlのRVT緩衝液、2.5μlの
dNTP混合物(20mMずつのdATD,dCTP,d
TTD及びdGTP)、5μlの0.2mg/mlオリゴ−
dG12-18 (P−Lバイオケミカルス)、3μlのα−
32P−dCTP(10mCi /ml、3000Ci/mmol)、
及び3μlの逆転写酵素(66ユニット、ゼオフィッ
ト)中cDNAの上記の溶液を42℃にて1.5時間イ
ンキュベートする。2μlの0.5M EDTA(pH
7.5)及び50μlのTNE緩衝液の添加により反応
を停止せしめ、そしてこの混合物を0.15mlのフェノ
ール/クロロホルム混液により抽出する。 【0112】水相をセファデックスG−50カラム(T
NE緩衝液中2.5ml)に適用し、そして1.8μgの
ds cDNAを含有する通過画分を集める。1mlのエ
タノールを添加し、そしてドライアイス中で冷却するこ
とによりDNAを沈澱せしめる。生ずるペレットを32
μlの水に溶解し、そして単鎖cDNAについて例6.
3に記載したのと同様にしてDNAをオリゴ−dsテイ
ルにより延長する。1μlの0.5M EDTA(pH
7.5)を添加することにより反応を停止し、そして
0.5cm幅のスロットを用いてTBE緩衝液中水平1%
アガロースゲル上にサンプルを負荷する。5V/cmにて
1時間の電気泳動の後、1.5〜2Kbの適切なサイズの
cDNAを含有する領域を切り出し、そして2マイクロ
−コロジオンバッグ(サルトリウス)に入れ、そして水
中に前浸漬する。 【0113】0.3mlの水を加え、そしてこのバッグ
を、1/2濃度のTBE緩衝液を含有する電気泳動装置
中に置く。DNAを5V/cmの電極距離で20分間電気
泳動し、そして激しいピペット処理によりバッグから回
収する。0.6mlのフェノール/クロロホルム混液によ
り抽出した後、40μlの3M酢酸ナトリウム(pH5.
5)及び1.2mlのエタノールを添加し、そして溶液を
ドライアイス中で10分間冷却する。遠心分離(エッペ
ンドルフ遠心機、5分間)の後、90ngのds cDNA
を回収し、そして20μlの10mM Tris−HCl
(pH8.0)及び1mM EDTA中に溶解する。 【0114】6.5. ポリ(dG)テイルを有する切
断されたpUC9とポリ(dC)テイルを有するds
cDNAとのアニーリング、及び得られたプラスミドに
よるE.コリの形質転換 20μlのcDNA(例6.4のサイズ分画された材料
90ng)を8μl(100ng)のオリゴ−dC10-18
イルを有するPUC9 DNA(ファルマシア)及び1
72μlのTNE緩衝液と混合し、そして65℃にて1
0分間、46℃にて1時間、37℃にて1時間及び室温
にて1時間、逐次的にインキュベートする。アニールさ
れたcDNA−プラスミドDNAを使用して、Mani
atisのハンドブックに記載されている様にして形質
転換のために調製されたコンピテントE.コリHB10
1細胞(LM1035株)を形質転換する。 【0115】1μlのアニールされたDNAを200μ
lのコンピテント細胞に加え、そして30分間氷上に置
く。この方法を60回行う。90秒間のヒートショック
及び2分間の氷冷の後、チューブ当り0.8mlのSOC
培地を加え、このチューブを37℃にて60分間インキ
ュベートする。SOC培地は2%バクトトリプトン、
0.5%酵母エキス(いずれもギブコ製)、10mM N
aCl,2.5mM KCl,10mM MgCl2 ,5mM
MgSO4 及び20mMグルコースを含有する。インキ
ュベーションの後、すべてのチューブを一緒にし、そし
て50μg/mlのアンピシリンを含有する。 【0116】マッコンキー寒天プレート(15cm)3枚
上にプレートする。これらのプレートを37℃にて一夜
インキュベートする。プレート当り生ずる2500個の
組換体をナイロン膜上に取り上げ、そして2枚のレプリ
カを作る。マスタープレートを寒天プレート上で4℃に
て貯蔵し、そしてレプリカManiatisのハンドブ
ックに記載されているようにしてコロニーハイブリダイ
ゼーションのために処理する。 【0117】例7. 神経膠腫細胞由来ヒトcDNA
と、ラットGdNPFをコードするcDNAとのハイブ
リダイゼーション 例5の陽性クローンから得られたラットGdNPFをコ
ードするプラスミド1μgからのcDNA挿入部を、P
stI制限エンドヌクレアーゼによる消化、アガロース
ゲル電気泳動及びゲル溶出により取り出す。純粋なcD
NA挿入部(100ng)を、アメルシャムからのニック
トランスレーションキット(N.5000)を用いて供
給者からの指示に従って放射性にする。この放射性cD
NAプローブは5×108 dpm /μgの比活性を有す
る。 【0118】レプリカフィルター(例6.5)を、0.
9M NaCl,0.18M Tris−HCl(pH
8.0),6mM EDTA,0.02%フィコール40
0,0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%BS
A,0.2%SDS及び50μg/ml変形ウシ胸腺DN
Aを含有する溶液100ml中で2時間プレハイブリダイ
ズせしめる。ハイブリダイゼーションは、密封されたプ
ラスチックバッグ内で、ニックトランスレーションされ
熱変性されたcDNAプローブを含有する同じ溶液1ml
中で一夜行う。 【0119】ハイブリダイゼーションの後、フィルター
を0.9M NaCl,0.18MTris−HCl
(pH8.0),6mM EDTA及び0.2%SDSを含
む200mlの溶液中で65℃にて2回洗浄し、次に0.
45M NaCl,0.09MTris−HCl(pH
8.0),3mM EDTA及び0.2%SDSを含有す
る200mlの溶液で2回、及び0.15M NaCl,
0.03M Tris−HCl(pH8.0),1mM E
DTA及び0.2%SDSを含有する200mlの溶液で
2回洗浄する。フィルターをX−線フィルムに一夜暴露
する。両レプリカフィルター上に陽性が現われる。 【0120】11個の陽性コロニーを増殖せしめ、そし
てこれらのプラスミドDNAを制限分析のために単離す
る。約1.5×103 ヌクレオチドの挿入部を含有する
2個の組換体プラスミドを選択して、Maniatis
のハンドブックに記載されている制限分析、及びSan
ger(M13 cloning and seque
ncing handbook、アメルシャム)の方法
を用いる全コード配列の決定を行う。制限分析及び配列
分析の概要を第1図に示す。式(IV)に全配列を記載す
る。1つのクローンはWがAである(従ってX2 がAr
g)である式(IV)のDNAをもたらし、そして他のク
ローンはWがACAGである(従ってX 2 がThr−G
lyである)式(IV)のDNAをもたらす。 【0121】例8. ヒトGdNPFをコードするプラ
スミドを含有するE・コリによるヒトGdNPFの合成 式(IV)のDNA配列を含有することが示される例7の
2個のクローンの内の1個をトリプトン培地中で約1の
光学濃度(OD650 )に増殖せしめる。細胞を得、そし
て30mM NaCl及び50mM Tris−HCl(pH
8.0)を含有する水性溶液0.5ml中に再懸濁する。
リゾチーム(シグマ)を1mg/mlに添加する。 【0122】0℃にて30分間の後、懸濁液を液体窒素
中で凍結し、そして37℃にて解凍し、これを7回反復
し、次にSS34ソルバルローター中で4℃にて、2
0,000rpm で20分間遠心分離する。例2のカゼイ
ン分解アッセイ及び例9の神経突起アウトグロース(o
utgrowth)アッセイを用いて上清を試験する。
ヒトGdNPFを、ラットGdNPFについてGuen
ther等〔EMBOJ. ,1963−1966
(1985)〕により記載されているようにして、ヘパ
リン−セファロースCL−6B上でのクロマトグラフィ
ー及びこれに続くアフィゲル−ブルー上でのクロマトグ
ラフィーにより精製する。 【0123】例9. 神経突起アウトグロースアッセイ 培養皿(35mm)に40,000個のEDTA−除去さ
れたマウス神経芽細胞腫細胞クローンNB2 A(ATC
C細胞寄託番号CCL 131)を接種し、そして10
%FCSを含有するDMEM中で10%CO2 を含有す
る加湿雰囲気下で37℃にてインキュベートする。16
〜18時間後に培地を、0.9%NaCl溶液に対して
十分に透析され次にフィルターで無菌化しそして凍結さ
れたFCS(熱不活性化されていない)0.5%を含有
するDMEMにより置換する。22時間後、最終容量
2.0mlのDMEM中例8の細胞懸濁100μlを添加
する。4時間後にPBS中2.5%グルタルアルデヒド
により細胞を固定することによってアッセイを停止す
る。形態学的分化の程度を、D.Monard等〔Pr
oc.Nat.Acad.Sci.USA70,18
94−1897(1973)〕に記載されているように
して位相差顕微鏡により決定する。 【0124】例10. 新規のヒトGdNPFと既知の
ラットGdNPFとの間の関係 約250μgのラットGdNPF〔J.Guenthe
r等、EMBO J.,,1963−1966(19
85)〕を、V.T.Ruegg等〔Methods
in Enzymology47,111−116
(1977)〕に従って還元しそしてカルボキシメチル
化する。反応混合物を0.1%TFAに対して透析し、
サーバント・スピード・バック濃縮機により1mlに濃縮
し、そして逆相高圧液体クロマトグラフィーにより脱塩
する。 【0125】サンプルを広孔C8 −RPカラム0.4×
25cm(バッカーボンドRP 7105−0,J.T.
Baker)上に注入し、そして40%〜50%に水性
アセトニトリルのグラジエント中0.1%TFAにより
30分間処理する。蛋白質を含有する画分からアセトニ
トリルを除去し、そして0.5mlに濃縮する(サーバン
ト・スピード・バック濃縮機)。得られた溶液、120
μlの1M NH4 HCO3 、及び10μlの10-3
HCl中2μgのトリプシン(ウオーシントン)を3
7℃にて24時間インキュベートする。反応混合物をT
FAによりpH2に酸性化し、そして上記の同じカラム上
での高圧液体クロマトグラフィーにより精製する。 【0126】サンプルを0.1%水性TFA、そして次
に0%〜50%水性アセトニトリル中0.1%TFAの
グラジエントで90分間処理する。クロマトグラフィー
の前半において明瞭に分離された5種類の異るポリペプ
チドを含有する各画分を集め、そして20μlに濃縮
し、次に市販の気一液相シーケンサー(アプライド・バ
イオシステムス)上で配列決定する。次の配列が見出さ
れる。 【0127】1)Thr−Phe−Val−Ala−G
ly−Asp−Gly−Lys(ヒトGdNPFの配列
187〜194に関連し、Alaが 5Glyと置き代っ
ている); 2)Phe−Gln−Pro−Glu−Asn−Thr
−Lys(ヒトGdNPFの配列178〜184と同一
である); 3)Thr−Ile−Asn−Ser−Trp又はTh
r−Met−Asn−Thr−Met−Val−Pro
−Lys(ヒトGdNPFの配列257〜268と関連
する); 4)Ala−Ile−Val−Ser−Lys(ヒトG
dNPFの配列79〜83と同一である);及び 5)Ala−Asn─Phe−Ala−Lys(ヒトG
dNPFの配列303〜307と同一である)。 これらの結果は、単離されたヒトcDNAが確かにGd
NPFのコード配列に対応し、そして人工物を代表しな
いことを示している。 【0128】例11. GdNPF断片の合成 Merrifield〔A. Marglin及びR.B. Merrifield, Ann. R
ev. Biochem.39,841-866 (1970)〕により開発された
固相法を用いて、これに2つのわずかな変更を加えてペ
プチドを合成する。すなわち、tert−ブトキシカル
ボニルで保護されたアミノ酸をジシクロヘキシルカルボ
ジイミド及びヒドロキシベンゾトリアゾールの添加によ
り活性化し〔W.Koenig及びGeiger,Ch
em.Ber103,788−798(197
9)〕、そして樹脂を膨潤性溶剤及び収縮性溶剤により
交互に洗浄する〔L. Corley, D.M. Sachs 及びC.B. Anf
insen,Biochem. Biophys. Res. Commun. 47,1353-1
359 (1972)〕。 【0129】11.1. ペプチド合成法 B.F.Gisin〔Helv.Chem.Act
a.56,1476−1482(1973)〕の方法
に従って、C−末端アミノ酸をクロロメチル化ポリスチ
レン樹脂(メリフィールドポリマー、フルカ、ブッチ
ュ、スイス)に縮合せしめる。M.A.Juiller
at(ネステックSA、スイス)により設計された反応
器中でペプチド合成を手動で行なう。混合は反応器に窒
素を吹き込むことにより行う。 【0130】反応サイクルは次の段階から成る。 (a)50%TFA/CH2 Cl2 、5分間; (b)50%TFA/CH2 Cl2 、25分間; (c)CH2 Cl2 、2分間3回; (d)CHCl3 、2分間3回; (e)トリエチルアミン/CHCl3 1:9、5分間2
回; (f)CHCl3 、2分間3回; (g)ジメチルホルムアミド(DMF)、2分間3回; (h)DMF中チモル量のtert−ブトキシカルボニ
ルで保護されたアミノ酸及びチモル量の1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール、1分間後、CH2 Cl2 中4倍量
のジシクロヘキシルカルボジイミド、60分間; (i)DMF、2分間2回; (j)CH2 Cl2 、2分間2回; (k)CH3 OH、5分間2回; (l)CH2 Cl2 、2分間3回; (m)2.5モル量の同じ保護されたアミノ酸との第2
回目のカップリング、段階(d)〜(e); (n)CH2 Cl2 中1%N−アセチルアミダゾール及
び10%無水酢酸、30分間。 【0131】下記のNα−tert−ブトキシカルボニ
ル(N−BOC)−L−アミノ酸〔バッヘム(Bach
em)・ファイン・ケミカルス、ブーベンドルス、スイ
ス〕を使用する。 N−BOC−L−アラニン Nα−BOC−NωニトロL−アルギニン N−BOC−L−アスパラギン酸−β−シクロヘキシル
エステル N−BOC−L−グルタミン N−BOC−L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル N−BOC−L−グリシン Nα−BOC−Nim−トシル−L−ヒスチジン N−BOC−L−イソロイシン Nα−BOC−Nε−2−クロロベンジルオキシカルボ
ニル−L−リジン N−BOC−L−フェニルアラニン N−BOC−L−プロリン N−BOC−O−ベンジル−L−セリン N−BOC−O−ベンジル−L−スレオニン N−BOC−L−トリプトファン N−BOC−L−バリン。 【0132】tert−ブトキシカルボニルで保護され
たアミノ酸アパラギン、グルタミン、イソロイシン、プ
ロリン及びスレオニンについては段階(h)及び(m)
のカップリングにおいて6〜8モル量の大過剰を使用す
る。サイクル中、トリプトファン残基の付加の後、脱保
護段階(a)及び(b)に2%の1,2−エタンジチオ
ール(フルカ)を加えることによりインドール環の酸化
を回避する。グルタミンのカルボジイミド官能基の脱水
を、段階(h)に添加する前に1−ヒドロキシベンゾト
リアゾールエステルを前形成せしめる(0℃、15分
間)ことにより最少にする。 【0133】11.2. Gln−Lys−Ala−L
ys−Ile−Glu−Val−Ser−Glu−As
p−Gly−Thr−Lys−Ala:反応器に3.5
5g(1.92mmol)のアラニル置換樹脂(0.54mm
ol/g樹脂)を仕込み、そして対応するアミノ酸を用い
て13サイクルを行なう。小アリコートのニンヒドリン
分析によりペプチド合成をモニターする。最終ペプチド
−樹脂を35mlの弗化水素/アニソール(10:1V/
V)により0℃にて1時間処理する。弗化水素を減圧下
0℃にて除去する。樹脂を酢酸エチルにより3回洗浄
し、次に50mlずつの50%酢酸により3回抽出する。
抽出物を凍結乾燥し、そして残渣を、ワットマン分取用
カラム・パルチシル10 ODS−3、25mlを用いる
高圧液体クロマトグラフィーにより、0.1%TFAを
用い(10分間)、次に0〜50%アセトニトリルのグ
ラジエント中0.1%TFAを用いて(60分間)精製
する。純粋な生成物を市販の気一液相シーケンサー(ア
プライドバイオシステムズ)上でのアミノ酸配列決定に
より特徴付ける。 【0134】11.3. His−Lys−Ala−L
ys−Ile−Glu−Val−Ser−Glu−As
p−Gly−Thr−Lys−Ala:この蛋白質を例
11.2と完全に同様にして調製する。但し、最終サイ
クルにおいてグルタミンをヒスチジンに変える。 11.4. Arg−Ser−Ser−Pro−Pro
−Trp−Phe−Ile−Val−Asp−Ser−
Phe:反応器に3.0g(1.29mmol)のフェニル
アラニル置換された樹脂(0.43mmol/g樹脂)を仕
込み、そして対応するアミノ酸を用いて11サイクルを
行う。生成物の開裂、脱保護及び精製を例11.2に記
載した方法により行う。但し、さらに2%1,2−エタ
ンジチオールを含有する弗化水素/アニソール混合物を
使用する。 11.5. Lys−Ser−Arg−Phe−Gln
−Pro−Glu−Asn−Thr−Lys−Lys−
Arg−Thr−Phe:この蛋白質を例11.4と同
様の方法で調製する。対応するアミノ酸を使用して13
サイクルを行う。 【0135】例12. 非経口投与用医薬製剤 200μgのヒトGdNPFを3mlの5Nヒト血清アル
ブミン中に溶解する。得られる溶液を細菌学的フィルタ
ーに通し、そして濾過された溶液を無菌条件下で10バ
イアルに分割する。バイアルを好ましくは冷所、例えば
−20℃にて貯蔵する。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1はヒトGdNPFをコードする二本鎖cD
NAの制限分析及び配列分析の概要を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 セルジオ グロール スイス国,4052 バーゼル,シャウエン ブルガーシュトラーセ 26 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/09 A61K 38/00 C07K 14/48 C12N 1/21 BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.次の式(I): 【化1】〔式中、Cysは場合によってはジスルフィドの形で存
    在し;X1 は水素、アシル基、次の式(II):Met(-19)
    -Asn-Trp-His-Leu(-15)-Pro-Leu-Phe-Leu-Leu(-10)-Ala
    -Ser-Val-Thr-Leu(-5)-Pro-Ser-Ile-Cys(-1)-
    (II) (式中、1〜4個のアミノ酸が他のアミノ酸により置き
    換えられていてもよい)で表わされるペプチド残基、又
    はカルボキシ末端からの1〜18個のアミノ酸を含んで
    成る式(II)のペプチド残基の断片であって、これらの
    ペプチド残基は場合によってはアシル化されており;そ
    してX2 はArg又はThr−Glyである〕で表わさ
    れ場合によってはグリコシル化されているヒトグリア由
    来神経突起促進因子又はその関連ペプチド。 2.Cysが場合によってはジスルフィドの形で存在
    し、そしてX1 が水素、アセチル基、式(II)のペプチ
    ド残基、又はカルボキシ末端からの1〜18個のアミノ
    酸を含んで成る式(II)の残基の断片である式(I)の
    請求項1に記載のヒトグリア由来神経突起促進因子又は
    その関連ペプチド。 3.Cysが場合によってはジスルフィドの形で存在
    し、そしてX1 が水素、式(II)のペプチド残基、式
    (II)の−18位〜−1位のアミノ酸を含んで成る断
    片、Pro-Ser-Ile-Cys-, Ser-Ile-Cys-, Ile-Cys-、又は
    Cys-である特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の式
    (I)のヒトグリア由来神経突起促進因子又はその関連
    ペプチド。 4.X2 がArgである特許請求の範囲第1項、第2項
    又は第3項に記載のヒトグリア由来神経突起促進因子又
    はその関連ペプチド。 5.X2 がThr−Glyである特許請求の範囲第1
    項、第2項又は第3項に記載のヒトグリア由来神経突起
    促進因子又はその関連ペプチド。
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