JP2880406B2 - ミシンの下糸端保持装置 - Google Patents

ミシンの下糸端保持装置

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JP2880406B2
JP2880406B2 JP6148165A JP14816594A JP2880406B2 JP 2880406 B2 JP2880406 B2 JP 2880406B2 JP 6148165 A JP6148165 A JP 6148165A JP 14816594 A JP14816594 A JP 14816594A JP 2880406 B2 JP2880406 B2 JP 2880406B2
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    • D05BSEWING
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの下糸端の保持
装置に関し、詳細には、所謂DPタイプの半回転釜を用
いて、ボビンケースの角の糸通し穴を使用しない、ある
いは糸通し穴のない角を有するボビンケースを用いるミ
シンにおける下糸端保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ミシンの中釜として全回転釜と半回転釜
があり、そのうち半回転釜としては、上糸ループとボビ
ンとの間に針がある半回転釜、即ち、ボビンの下糸導出
点と中釜剣先との間に針落ち位置がある半回転釜(以
下、DBS釜と呼ぶ)と、上糸ループが針とボビンとの
間にある半回転釜、即ち、針落ち位置とボビンの下糸導
出点との間に中釜剣先を配した半回転釜(以下、DPS
釜と呼ぶ)がある。
【0003】先ず、DBS釜を有するミシンは、正送り
する(作業者から見て右から左へ送る)時にはパーフェ
クトステッチが形成され、逆送り(左から右へ送る)時
にはヒッチステッチが形成されるため、一般本縫いに広
く使われている。即ち、一般本縫いでは、通常の直線縫
いは、その縫い品質からパーフェクトステッチである必
要があり、縫い始めや縫い終わりは糸がほつれては困る
ため、ヒッチステッチで止め縫いを行いたい。そこで、
DBS釜が採用されている。なお、このDBS釜を有す
るミシンは、八方縫いには不向きである。
【0004】また、DPS釜を有するミシンも公知であ
り(例えば、特許第99353号公報参照)、正・逆両
送りでパーフェクトステッチが形成されるため、八方縫
いに適しているが、今のところ普及するには至っていな
い。なお、このDPS釜は、布厚の変化への対応性が良
く、厚物、太番手の糸の使用に適するものである。
【0005】図14は一般的な半回転釜に用いる従来の
ボビンケース100を示したもので、図示のように、ボ
ビンケース100は、回転止め用の角(つの)101を
備えており、この角101には糸通し穴102が開けら
れている。この角101の糸通し穴102には、ボビン
ケース100内に収容したボビン103から繰り出され
る下糸104が通して導出されている。
【0006】ここで、ボビンケースのミシンへの組込位
置に関しては、作業者が挿抜する都合上、手前側向きに
構成される。そして、中釜の回転方向については、基本
的にミシンの縫い糸はZ撚りであるので、針側上糸の撚
りを加撚にする方向に中釜の回転方向を決める必要があ
り、即ち、DBS釜の場合は、作業者側から見て時計廻
り方向に回転方向を決定し、また、DPS釜の場合に
は、反時計廻り方向に回転方向を決定する。
【0007】次に、図15はDBS釜を用いた場合の糸
制御穴の基本形状例を示すもので、糸制御板である大釜
上ばね105には、糸制御穴106が形成されている。
この制御穴106には、図16に示すように、下糸10
4、布側上糸114C、針側上糸114Nが位置し、作
業者から見て針落ち点Oの右側前方に支軸108がある
動メス107が手前で待機しており、糸捌き時には、動
メス107が下糸104、上糸の順に捌く。
【0008】この糸切り装置においては、図16に示す
ように、DBS釜の構成から必然的に決定される切断す
べき下糸104、布側上糸114Cが、針落ち点Oに対
してほぼ一直線に並び、動メス107の往動による下糸
104、布側上糸114Cの各変位量を最小に抑えるこ
とが可能である。その糸切断は次のようになされる。動
メス107が待機状態から往動し、捌き(糸の切断に先
立って動メス107の往動により、下糸104および布
側上糸114Cを動メス107の糸手繰り部107aへ
導く動作)を開始する。このとき、上糸114は釜に十
分に引き込まれており、動メス107の捌き部107b
の先端107cが、布側上糸114C、針側上糸114
Nの間に確実に進入する。
【0009】そして、捌き部107bにより下糸104
が捌かれる。この下糸104の捌き量は、動メス107
の支軸108から捌き部先端107cまでの距離と同支
軸108から捌き部終端107dまでの距離の差となっ
て表れる。その捌かれて屈曲した下糸104には、下糸
自体の復元力とミシンの送りによる力以外には大きな力
は働かないが、捌き量が小さいので、下糸104は十分
に復帰する。次いで、布側上糸114Cが捌き部107
bにより捌かれる。上糸114は、下糸104に比べ
て、天秤の引き上げや釜の糸取り等の大きな挙動変化が
あり、布側上糸114Cは図示矢印方向に動くが、この
方向と動メス107の往動方向が一致しているので、最
も少ない捌き量を有効に与えられる。
【0010】さらに、動メス107が最後退し、捌かれ
た布側上糸114Cが動メス107の捌き部107b外
周を越えて糸手繰り部107aに進入する。次に、動メ
ス107が復動を開始し、布側上糸114C、下糸10
4の順に糸手繰り部107aに糸掛けがなされ、上糸1
14が天秤により引き上げられて動メス107に巻き付
くようにして保持される。そして、下糸104は、動メ
ス107に引き出され、必要量が繰り出される。このと
き、下糸104の引き出し速度が速過ぎてボビンが空転
(余分な回転)し、次の縫い始めに悪影響を及ぼすこと
がないように、動メス107の復動速度が制御される。
なお、動メス107に保持された部分の上糸114は、
糸切断後の針側の残糸となる。
【0011】続いて、最後に、動メス107の糸切断刃
(目玉部の前縁の刃部)107eと固定メスとによっ
て、布側上糸114C、下糸104の切断が行われる。
その切断位置は針穴のすぐ横であるので、布の裏に残る
糸端は短く、良い品質を確保できる。そして、動メス1
07を適宜の幅に設定し、大釜上ばね105の糸制御穴
106の形状および糸の切断方向を以上のように定める
ことにより、次の縫い出しに必要十分な針側の上糸端お
よび下糸端の各長さを確保できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】次に、DBS釜使用の
場合とDPS釜使用の場合とを比較検討する。図17は
DBS釜使用の場合とDPS釜使用の場合を比較したも
ので、図17(a)において、111はDBS釜、11
2はその中釜剣先、113は針、114は上糸、Rは上
糸ループであり、図17(b)において、115はDP
S釜、116はその中釜剣先である。両者の針落ち点と
下糸導出点との間の距離に関しては、図17(a)に示
したように、DBS釜111を使用した場合の針落ち点
と下糸導出点との間の距離に対して、図17(b)に
示したように、DPS釜115を使用した場合の針落ち
点と下糸導出点との間の距離が長くなってしまうこと
に問題がある。
【0013】つまり、基本構成から、DPS釜115で
は、下糸導出点と針落ち点との距離が、DBS釜11
1を使用した場合の針落ち点と下糸導出点との間の距離
との比較において、中釜のレースの幅+α(プラスア
ルファ)分だけ横方向にシフト(オフセット)せざるを
得ない。この結果、図示しない天秤が上糸114を引き
上げる効率が明らかに低下し、糸の締り不良の基本原因
となってしまう。
【0014】ところで、針113が図示しない布を挿通
していないときに布送りが入る。また、このタイミング
にて天秤も上糸114を締め上げている。このとき、D
BS釜111とDPS釜115とでは、ボビンケース1
00の角101を廻り込んで上方へ抜けようとする上糸
114の挙動に次の差異が生じてくる。
【0015】図18は布送りが働いているときの状態を
示したもので、DBS釜111の使用による角101の
回転止め状態を示した図18(a)において、121は
中釜押え、122はその係合溝、123は針板、124
は針通し穴、矢印Aは布送り方向、矢印CWはDBS釜
111の回転方向(時計廻り方向)を示している。ま
た、DPS釜115の使用による角101の回転止め状
態を示した図18(b)において、矢印Bは布送り方
向、矢印CCWはDPS釜115の回転方向(反時計廻
り方向)を示している。なお、図19(a)は図18
(a)の要部、図19(b)は図18(b)の要部をそ
れぞれ拡大して示している。
【0016】矢印Aまたは矢印Bのように、布送りの力
によって下糸104が引かれるため、ボビンケース10
0は、図18(a)に示したように、DBS釜111で
は矢印CW(時計廻り)方向へ回転し、また、図18
(b)に示したように、DPS釜115では矢印CCW
(反時計廻り)方向に回転する。この結果、ボビンケー
ス100の回転止めの機能を有する中釜押え121の係
合溝122の壁面に対して、図19(a)に拡大して示
すように、DBS釜111では角101が右側へ押し付
けられ、また、図19(b)に拡大して示したように、
DPS釜115では角101が左側へ押し付けられるこ
とになる。
【0017】ここで、上糸114の動き側(針113
側)と止まり側(布側)の関係から、図19(a)に示
したように、DBS釜111では天秤の引き上げ力が伝
わりやすい動き側(針113側)のループR側が角10
1と係合溝122右側壁面との間に進入する。この進入
する角度は、前記図17(a)および(b)に示したよ
うに、DPS釜115の場合に比しオフセット角が殆ど
なく、角101に対しても、下側から上へ引かれるため
に、図20に示したように、上糸114が通過しやすい
ものとなっている。
【0018】ところが、図19(b)に示したように、
DPS釜115では角101と係合溝122左側壁面と
の間に進入する上糸114のループRが止まり側(布
側)になるため、天秤の力が伝わり難く、前述したDB
S釜111の場合に比しオフセット量が大きい不利に加
えて、角101を回る上糸114も上側から廻り込むの
で、抜けにくいものとなってしまう。この影響は、布送
りの方向の差やピッチの違いによっても異なり、ピッチ
大、右→左へ送る場合に最も顕著に現れる。これが締り
ムラの主要因ともなっている。
【0019】さらに、DPS釜115の糸抜け時の上糸
114は、中釜を駆動するドライバーの進入したタイミ
ングによっても異なるが、概略的には、図21(a)お
よび(b)に示したような形を呈する。図中、131は
ドライバーである。この場合、ドライバー131の内側
面の厚さと湾曲形状(R形状)および抜け部左右のつば
の幅が問題となる。なお、ドライバー131を細くすれ
ば、上糸114の締めは良くなり、抵抗も減るが、糸の
撚り移動の強い場合や高張力で糸あばれの多い場合、糸
の捻転を生じ、締りムラやチョウチンの原因となる。
【0020】また、動作バランスにおいて重要なのは、
ボビンケース100の角101を上糸114が抜けるタ
イミングに対し、ドライバー131を抜けるタイミング
が若干遅いことである。このようなタイミングにすれ
ば、糸の捻転を減じ、チョウチンや糸コブの発生が減ら
せる。ところが、DPS釜115の場合では、前記図1
9(b)の説明で述べた問題点から、矢印※部の押し付
けによって上糸114の抵抗が増え、ドライバー131
の糸抜けとの相対タイミングが遅れてしまい、ボビンケ
ース100の角101部をわたる上糸114が残ってし
まう。この結果、ただでさえ前述したDBS釜111の
場合に比しオフセット量が大きい糸抜け部の角101に
掛かった上糸114は、横方向へ引かれることとなり、
チョウチンや糸コブの原因を生んでしまう。
【0021】そこで、DPS釜を使用するミシンに適す
るようにするため、DBS釜の場合に比しオフセット量
が大きい糸抜け部としたボビンケースの場合において、
角に掛かった上糸の糸抜けがスムーズに行えて、チョウ
チンや糸コブの発生を防止し、縫製の仕上がりを良好に
することが考えられる。具体的には、糸締り品質からボ
ビンケースの角の糸通し穴を使用しないようにする。ま
た、新たなボビンケースとしては、糸通し穴のない角を
有するボビンケースとなる。
【0022】ところで、図14に示したように、DBS
釜に用いるボビンケース100の回転止め用の角101
の糸通し穴102に、ボビンケース100内に収容した
ボビン103から繰り出される下糸104が通して導出
されているので、図15および図16に示したように、
大釜上ばね105の糸制御穴106に臨む糸切り後の下
糸104の端部は安定性があった。しかしながら、DP
S釜に用いようとして、糸締り品質からボビンケースの
角の糸通し穴を使用しないことにした副作用として、大
釜上ばねの糸制御穴に臨む糸切り後の下糸の端部が不安
定となってしまう。
【0023】そこで、本発明の目的は、DPS釜に用い
るためにボビンケースの角の糸通し穴を使用しないこと
にした場合において、糸切り後の下糸端を安定化させら
れるようにしたミシンの下糸端保持装置を提供すること
にある。
【0024】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、針板の下方において、糸切り装
置の下方に配設される糸制御板の糸制御穴に、針に通し
た上糸とボビンケースから導出した下糸とを臨ませて、
糸切り装置による切断後の下糸端を保持するようにした
ミシンの下糸端保持装置であって、前記糸制御板に、
記糸制御穴から外方へ前記下糸端を導入する延長部を形
成した構成を特徴としている。
【0025】そして、請求項2記載の発明は、請求項1
記載のミシンの下糸端保持装置において、さらに、前記
延長部おいて、前記導入された前記下糸端の前記糸制
御穴への戻りを規制するラビリンス部を設けた構成を特
徴としている。
【0026】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2
記載のミシンの下糸端保持装置において、前記ラビリン
ス部は、前記延長部としてのほぼ直状の下糸導入溝と、
この下糸導入溝の端部近傍に位置して、前記下糸端の導
入を許容する隙間を形成し、且つ前記糸制御穴への前記
下糸端の戻りを規制する下糸保持部材とからなる構成を
特徴としている。
【0027】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載のミシンの下糸端保持装置において、前記ラビリンス
部は、前記延長部としての複数の屈曲部を有するラビリ
ンス形状の下糸導入溝である構成を特徴としている。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明によれば、針板下方で糸切
り装置の下方に配設される糸制御板の糸制御穴から外方
へ形成した延長部に下糸端を導入するので、糸切り装置
による切断後の下糸端を延長部で保持して安定化させら
れるようになる。
【0029】そして、請求項2記載の発明によれば、請
求項1記載の延長部にさらに設けたラビリンス部によっ
て、延長部に導入された下糸端の糸制御穴への戻りを確
実に規制するので、糸切り装置による切断後の下糸端を
ラビリンス部により延長部に確実に保持して安定化させ
られる。
【0030】さらに、請求項3記載の発明によれば、請
求項2記載のラビリンス部において、請求項1記載の延
長部としてのほぼ直状の下糸導入溝と、その端部近傍に
位置する下糸保持部材との隙間から、下糸端を下糸導入
溝の端部に導入した後、下糸保持部材によって、糸制御
穴への下糸端の戻りを確実に規制するので、糸切り装置
による切断後の下糸端を下糸保持部材によりほぼ直状の
下糸導入溝端部に確実に保持して安定化させられる。
【0031】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項2記載のラビリンス部において、請求項1記載の延長
部としての複数の屈曲部を有するラビリンス形状の下糸
導入溝に下糸端を導入した後、そのラビリンス形状の下
糸導入溝の複数の屈曲部によって、糸制御穴への下糸端
の戻りを確実に規制するので、糸切り装置による切断後
の下糸端を複数の屈曲部によりラビリンス状の下糸導入
溝端部に確実に保持して安定化させられる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明に係るミシンの下糸端保持装
置の実施例を図1乃至図11に基づいて説明する。先
ず、図1は本発明を適用した一例としてのミシンの釜駆
動装置等の構成を示す分解斜視図であり、1は主軸(上
軸)、2はクランク部、3はクランクロッド、4は大振
子、5,6は歯車、7は下軸、8は大釜、9はドライバ
ー、10は中釜(DPS釜)、11は中釜押え、12は
ボビン、13はボビンケース、14は角、21は釣合す
い、31は針板、32は糸切り装置、33は動メス、3
4は動メス駆動機構、35は固定メス、41は糸制御板
(大釜上ばね)、42は糸制御穴、43は延長部(直状
の下糸導入溝)、45は下糸保持部材(下糸保持板)で
ある。
【0033】図示しないが、モータによる駆動力がベル
トを介して入力されるプーリを図示右端部側に備えたミ
シンの主軸である上軸1にクランク部2が設けられてお
り、このクランク部2にクランクロッド3の上端部が連
結されて、このクランクロッド3の下端部は大振子4の
偏心位置に連結されている。この大振子4に設けた歯車
5に噛み合う歯車6が下軸7に設けられ、この下軸7の
図示左端部側において、ミシン本体側に固定の大釜8が
配置されている。
【0034】この大釜8内には、下軸7の図示左端部に
一体に連結したドライバー9が回転自在に収容されると
ともに、このドライバー9によって駆動される中釜であ
るDPS釜10が回転自在に収容されている。このDP
S釜10は、その外周のレース10aの面で大釜8内周
のレース8a内に摺動自在に組み込まれており、レース
10aの延長上に剣先10bが設けられている。このD
PS釜10のドライバー9による回転方向は、反時計廻
り方向である。
【0035】そして、大釜8の開口部には、中釜押え1
1が取り付けて固定され、この中釜押え11の開口部か
ら大釜8内に、ボビン12を収容したボビンケース13
が装填される。このボビンケース13は、外周側に突出
する回転止め用の角14を備えており、また、中釜押え
11には、角14が係合可能な係合溝11aが形成され
ている。
【0036】図2に示すように、ボビンケース13は、
従来よりも外周側への突出量が短い角14を備えてお
り、しかも、この角14は、従来のような糸通し穴を有
していないものとなっている。従って、ボビン12に巻
かれた下糸15は、角14を経由せずにボビンケース1
3の外周に導出されたままである。詳細には、角14の
具体的な長さをドライバー9の位置関係から設定してい
る。即ち、前記上軸1の回転角度が、針棒上死点を基準
(0°)として、5°〜35°の範囲におけるドライバ
ー9の上面よりも、ボビンケース13の角14の上端が
下側となるように形成したものとしている。
【0037】なお、前記上軸1の図示左端部には釣合す
い21が一体に結合して備えられ、この釣合すい21か
ら先には、公知のように、図示しない天秤、針棒クラン
ク、針棒クランクロッド、針棒、針が連結されている。
また、前記大釜8の上方には、針板31が配置され、そ
の間には、糸切り装置32(動メス33とその動メス駆
動機構34および固定メス35を含む)およびその下方
の糸制御板(大釜上ばね)41等が配設されている。
【0038】以上のミシンによれば、先ず、モータの駆
動力がベルトを介してプーリに入力されて上軸1が全回
転し、針の駆動が行われると同時に、上軸1の全回転運
動が、クランク部2からクランクロッド3を介して大振
子4の揺動運動に変換される。さらに、この大振子4の
揺動運動は、歯車5から歯車6に伝達されて下軸7の半
回転運動となる。従って、下軸7と一体のドライバー9
により駆動されるDPS釜10は、反時計廻り方向への
半回転運動を行う。
【0039】このようなDPS釜10を用いたミシンに
おいて、糸制御板である大釜上ばね41が、例えば、図
12に示すような糸制御穴41aを有するものである場
合、作業者から見て針落ち点Oの左側後方に支軸36が
ある動メス33が、糸捌き部33bを手前に向けて待機
している。なお、図中、17Cは布側上糸、17Nは針
側上糸である。動メス33は、下糸15より先に布側上
糸17Cを捌くもので、糸切断刃(目玉部の前縁の刃
部)33eにより、動メス33の上側に位置する前記固
定メス35先端の糸切断刃(針落ち点Oの少し手前側に
位置している)と協働して布側上糸17Cおよび下糸1
5を切断する。
【0040】この動メス33は、図示しない糸切りカム
および前記動メス駆動機構34を介して矢印のように揺
動するもので、図示反時計廻り方向の回動(往動)およ
び図示時計廻り方向の回動(復動)を行う。即ち、動メ
ス33の往動時には、糸捌き部先端33cから糸捌き部
33bによって、布側上糸17Cが先に捌かれ、次に下
糸15が捌かれる。また、動メス33の復動時には、糸
捌き部終端33dから糸手繰り部33aへの下糸15、
布側上糸17Cの糸掛け、糸切断刃33eによる糸切断
がなされる。
【0041】詳細には、図示の待機位置から動メス33
が反時計廻り方向へ往動し、糸捌き部先端33cから糸
捌き部33bにより、布側上糸17C、下糸15の順に
捌きを入れる。そして、動メス33は最後退してから時
計廻り方向へ復動し、糸手繰り部33aに下糸15、布
側上糸17Cの順に糸掛けがなされる。さらに、動メス
33が復動して、前記ボビンケース13から下糸15が
繰り出され、図示しない天秤の引き上げにより上糸17
が引き上げられる。そして、動メス33がさらに復動し
て、糸切断刃33eおよび前記固定メス35により布側
上糸17C、下糸15の切断がなされる。
【0042】以上のように、前記糸切り装置32により
布側上糸17C、下糸15の切断がなされるが、図2に
示すように、ボビン12に巻かれた下糸15について
は、角14を経由せずにボビンケース13の外周に導出
されたままであるため、糸切り後の下糸15の端部は、
前記大釜上ばね41の糸制御穴41aにおいて、不安定
となってしまう。このため、例えば、図13に示すよう
に、糸制御穴41aに突出して、下糸15を隅の位置に
規制する下糸保持部材19を設けることが考えられる。
【0043】ところが、糸制御穴41aには、下糸15
の他に、布側上糸17C、針側上糸17Nも臨んでお
り、特に、下糸保持部材19が突出する隅の位置には、
糸切断の際に、下糸15に加えて、布側上糸17Cも移
動してくるため、下糸保持部材19を進退可能な可動式
のものにせざるを得なくなる。しかしながら、糸制御穴
41aに進出する可動式の下糸保持部材19とする場
合、布側上糸17Cとの干渉を避けるための動作制御、
下糸15を隅に保持するための動作制御を必要とし、制
御が複雑なものとなり、コストも高いものとなってしま
う。
【0044】以上の観点から、本発明では、先ず、第1
実施例においては、図3に示すように、糸制御板である
大釜上ばね41に、糸制御穴42を形成するとともに、
この糸制御穴42の図示左下側の一隅部から外方への延
長部をなす直状の下糸導入溝43を形成し、さらに、こ
の下糸導入溝43の端部を除いてその近傍を上方から遮
るように下糸保持部材としての下糸保持板45を設けて
いる。なお、糸制御穴42は、下糸15および前記上糸
17を臨ませて、特に、前記糸切り装置32の動メス3
3および固定メス35による糸切り動作の際の前記針側
上糸17Nおよび前記布側上糸17Cの振り分けと下糸
15の振り分けを行うもので、図示のように適宜形状に
設定されている。
【0045】第1実施例の下糸端保持装置に関して詳細
には、図示左端部側に先細り形状の下糸規制部46を有
する下糸保持板45を、大釜上ばね41の上に、2箇所
の調整用長穴47,47にて止めねじ48,48により
取り付けて固定している。この下糸保持板45の取付状
態において、その先細り形状の下糸規制部46は、下糸
導入溝43の端部を除いて糸制御穴42の外方部分を上
方から覆っており、且つ大釜上ばね41の上面との間に
下糸15を通過させるだけの隙間を維持している。従っ
て、この下糸保持板45の先細り形状の下糸規制部46
と下糸導入溝43の端部を除いたオーバーラップ部分が
下糸15の通過に対するラビリンス部49となってい
る。
【0046】このように、大釜上ばね41に糸制御穴4
2から外方へ延長した直状の下糸導入溝43を形成し、
さらに、大釜上ばね41の上面側において、下糸導入溝
43の端部を除いてラビリンス部49を形成する下糸規
制部46を有する下糸保持板45を備えるようにしたた
め、前記動メス33と前記固定メス35との協働による
前記布側上糸17Cと下糸15の切断の際に、特に、下
糸15が糸制御穴42から直状の下糸導入溝43に入
る。そして、その下糸導入溝43において、下糸15
は、下糸保持板45の先細り形状の下糸規制部46と大
釜上ばね41の上面との間の隙間を通ってラビリンス部
49を通過し、下糸導入溝43の端部に至って下糸規制
部46により糸制御穴42への戻りが規制されるので、
糸切り後の下糸15の端部を安定した状態に保持でき
る。
【0047】従って、本実施例のようにDPS釜10を
用いたミシンにおいて、下糸15を通す糸通し穴のない
角14を有するボビンケース13を使用していても、前
記糸切り装置32による切断後の下糸15の端部を、ラ
ビリンス部49において、下糸規制部46により確実に
安定化させることができる。これにより、針側の上糸端
の長さの確保と合わせて、次の縫い出しに必要十分な下
糸15端の長さを確保することができる。その結果、D
PS釜10を使用するミシンにおいて、縫製の仕上がり
を良好なものにすることができる。
【0048】次に、図4乃至図9に従って詳細な説明を
する。先ず、図4は糸切り直前における大釜上ばね41
上の下糸15と動メス33の関係を示したもので、動メ
ス33の糸手繰り部33aに掛けられて繰り出される下
糸15が、下糸保持板45の先細り形状の下糸規制部4
6と大釜上ばね41の上面との間の隙間を通ってラビリ
ンス部49を通過し、下糸導入溝43の端部に至って下
糸規制部46により糸制御穴42への戻りが規制された
状態となる。
【0049】従って、続いて行われる糸切り後の下糸1
5の端部は、下糸導入溝43において、安定した状態に
保持されるものとなる。即ち、図5は図4に続く糸切り
直後の状態を示したもので、糸切り後の下糸15の端部
は、下糸導入溝43に保持されて、大釜上ばね41上に
所定長さを確保された状態となっている。また、図6は
糸切り後の釜部分を針板31を外した状態で示したもの
で、16は針であり、このように、糸切り後の下糸15
の端部は、下糸導入溝43に保持されて、大釜上ばね4
1上に所定長さを確保された状態となって、中釜押え1
1の手前側に伸びた状態となっている。
【0050】次に、糸切り動作の詳細について説明す
る。図7乃至図9は糸切りの際の待機状態から糸切り終
了状態までを示したもので、Cは布である。先ず、図7
において、は糸切りの際の待機状態を示しており、こ
の待機位置から動メス33が反時計廻り方向へ往動す
る。図7は捌き始め状態を示しており、動メス33の
糸捌き部先端33cにより糸の捌きが行われる。即ち、
図7は上糸捌き状態を示しており、動メス33の糸捌
き部先端33cから糸捌き部33bにより上糸17(針
側上糸17Nに対して布側上糸17C)が先に捌かれ
る。
【0051】次に、図8において、は下糸捌き状態を
示しており、前記上糸17の捌きに引き続き、動メス3
3の糸捌き部33bから糸捌き部終端33dにより下糸
15が捌かれる。その後、動メス33の往動は最後退状
態となり、図8はその動メス最後退状態を示してい
る。そして、動メス33は最後退してから時計廻り方向
へ復動し、図8は下糸・上糸掛け状態を示しており、
糸手繰り部33aにより下糸15、上糸17(布側上糸
17C)の順に糸掛けがなされる。
【0052】続いて、図9において、は下糸繰り出し
・上糸引き上げ状態を示しており、動メス33がさらに
復動して、ボビンケース13から下糸15が繰り出され
るとともに、天秤の引き上げにより上糸17が引き上げ
られる。そして、動メス33がさらに復動して、糸切断
刃33eおよび前記固定メス35により上糸17(布側
上糸17C)、下糸15の切断がなされ、図9はその
糸切り状態を示している。
【0053】この糸切りの過程において、動メス33の
糸手繰り部33aに掛けられて繰り出される下糸15
が、下糸保持板45の先細り形状の下糸規制部46と大
釜上ばね41の上面との間の隙間を通ってラビリンス部
49を通過し、下糸導入溝43の端部に至って下糸規制
部46により糸制御穴42への戻りが規制された状態と
なる。そして、図9は糸切り終了状態を示しており、
このように、下糸導入溝43に保持された糸切り後の下
糸15の端部は、大釜上ばね41上に所定長さを確保さ
れた状態となって、手前側に伸びた状態となっている。
【0054】なお、以上の第1実施例では、下糸保持板
45を調整用長穴47,47に沿って移動させて止めね
じ48,48による大釜上ばね41への取付位置を調整
することによって、下糸導入溝43への下糸規制部46
のオーバーラップ代を適宜に調整して、ラビリンス部4
9を糸に合わせる等して調整することができる。
【0055】次に、本発明の第2実施例の下糸端保持装
置について説明する。図10は第2実施例の下糸端保持
装置を示したもので、前記第1実施例と同様に、大釜上
ばね41に糸制御穴42から外方へ延長した直状の下糸
導入溝43を形成しているが、この下糸導入溝43の端
部を除いてその近傍を上方から遮るようにした下糸保持
部材51について、前記第1実施例のものと形状等が異
なっている。
【0056】即ち、この第2実施例では、図示左端部が
下糸規制部52となる細くて円弧状の下糸保持部材51
を用いて、この下糸保持部材51を、大釜上ばね41の
上に、止めねじ53により図示右端部で取り付けて固定
している。なお、下糸保持部材51は、その湾曲する円
弧状面を糸制御穴42側に突出するよう向けている。こ
の下糸保持部材51の取付状態において、その下糸規制
部52は、下糸導入溝43の端部を除いてその近傍部分
を上方から覆っており、且つ大釜上ばね41の上面との
間に下糸15を通過させるだけの隙間を維持している。
従って、この下糸保持部材51の下糸規制部52と下糸
導入溝43の端部を除いた近傍のオーバーラップ部分が
下糸15の通過に対するラビリンス部49となってい
る。
【0057】このように、糸制御穴42に続く下糸導入
溝43を有する大釜上ばね41の上面側において、下糸
導入溝43の端部を除いてラビリンス部49を形成する
下糸規制部52を有し、湾曲する円弧状面を糸制御穴4
2側に突出するよう向けた下糸保持部材51のため、前
記動メス33と前記固定メス35との協働による前記布
側上糸17Cと下糸15の切断の際に、糸制御穴42か
ら下糸導入溝43に入った下糸15は、下糸保持部材5
1の下糸規制部52と大釜上ばね41の上面との間の隙
間を通ってラビリンス部49を通過し、下糸導入溝43
の端部に至って下糸規制部52により糸制御穴42への
戻りが規制されるので、糸切り後の下糸15の端部を安
定した状態に保持できる。従って、前記第1実施例と同
様に、DPS釜10を用いたミシンにおいて、下糸15
を通す糸通し穴のない角14を有するボビンケース13
を使用していても、前記糸切り装置32による切断後の
下糸15の端部を、ラビリンス部49において、下糸導
入溝43の端部側に向かう下糸規制部52により確実に
安定化させることができる。
【0058】次に、本発明の第3実施例の下糸端保持装
置について説明する。図11は第3実施例の下糸端保持
装置を示したもので、前記第1、第2実施例と同様に、
大釜上ばね41に糸制御穴42から外方へ延長した下糸
導入溝44を形成しているが、この下糸導入溝44の形
状と、その端部を除いた部分を上方から遮るようにした
下糸保持部材を必要としない点について、前記第1、第
2実施例のものと形状等が異なっている。
【0059】即ち、この第3実施例では、大釜上ばね4
1に糸制御穴42の図示左下側の一隅部から外方への延
長部をなすラビリンス状の下糸導入溝44を形成してい
る。この下糸導入溝44は、前記第1、第2実施例のよ
うな直状ではなく、図示のように、左右交互に複数の屈
曲部44a,44a,…を有するラビリンス状のもので
ある。従って、この下糸導入溝44は、それ自体が形状
的にラビリンス部49となっている。
【0060】このように、大釜上ばね41の糸制御穴4
2に続くラビリンス状の下糸導入溝44としたため、前
記動メス33と前記固定メス35との協働による前記布
側上糸17Cと下糸15の切断の際に、糸制御穴42か
ら下糸導入溝44に入った下糸15は、左右交互に複数
の屈曲部44a,44a,…を通ってラビリンス部49
を通過し、下糸導入溝44の端部あるいはその近傍部に
至って屈曲部44aにより糸制御穴42への戻りが規制
されるので、糸切り後の下糸15の端部を安定した状態
に保持できる。従って、前記第1、第2実施例と同様
に、DPS釜10を用いたミシンにおいて、下糸15を
通す糸通し穴のない角14を有するボビンケース13を
使用していても、前記糸切り装置32による切断後の下
糸15の端部を、下糸導入溝44の端部あるいはその近
傍部において、ラビリンス部49を構成する左右交互に
複数の屈曲部44a,44a,…により確実に安定化さ
せることができる。
【0061】なお、以上の実施例においては、DPS釜
に用いるボビンケースとして糸通し穴がなく短い角を有
するものとしたが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、一般的な糸通し穴を有して長い角を備えるボビン
ケースの場合には、その糸通し穴を使用しないようにし
てもよい。また、延長部やさらにラビリンス部(下糸導
入溝および下糸保持部材)の構成等も任意であり、その
他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であ
ることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
るミシンの下糸端保持装置によれば、針板下方で糸切り
装置の下方に配設される糸制御板の糸制御穴から外方へ
の延長部において、下糸端を導入しての保持が可能とな
るため、ボビンケースの角の糸通し穴を使用しない、あ
るいは糸通し穴のない角を有するボビンケースを用いる
ミシンであっても、糸切り装置による切断後の下糸端を
安定化させられるようになる。従って、針側の上糸端の
長さの確保と合わせて、次の縫い出しに必要十分な下糸
端の長さを確保できるようになる。
【0063】そして、請求項2記載の発明に係るミシン
の下糸端保持装置によれば、請求項1記載の延長部にお
いて、導入された下糸端の糸制御穴への戻りをラビリン
ス部により確実に規制できるため、ボビンケースの角の
糸通し穴を使用しない、あるいは糸通し穴のない角を有
するボビンケースを用いるミシンであっても、糸切り装
置による切断後の下糸端をラビリンス部により確実に安
定化させることができる。従って、針側の上糸端の長さ
の確保と合わせて、次の縫い出しに必要十分な下糸端の
長さを確保することができる。
【0064】さらに、請求項3記載の発明に係るミシン
の下糸端保持装置によれば、請求項2記載のラビリンス
部は、請求項1記載の延長部としてのほぼ直状の下糸導
入溝の端部において、その近傍に位置する下糸保持部材
との隙間から導入した下糸端の糸制御穴への戻りを下糸
保持部材により確実に規制できるため、ボビンケースの
角の糸通し穴を使用しない、あるいは糸通し穴のない角
を有するボビンケースを用いるミシンであっても、糸切
り装置による切断後の下糸端を下糸保持部材により確実
に安定化させることができる。従って、針側の上糸端の
長さの確保と合わせて、次の縫い出しに必要十分な下糸
端の長さを確保することができる。
【0065】また、請求項4記載の発明に係るミシンの
下糸端保持装置によれば、請求項2記載のラビリンス部
は、請求項1記載の延長部としての複数の屈曲部を有す
るラビリンス形状の下糸導入溝において、その複数の屈
曲部を経て導入した下糸端の糸制御穴への下糸端の戻り
を複数の屈曲部により確実に規制できるため、ボビンケ
ースの角の糸通し穴を使用しない、あるいは糸通し穴の
ない角を有するボビンケースを用いるミシンであって
も、糸切り装置による切断後の下糸端を複数の屈曲部に
より確実に安定化させることができる。従って、針側の
上糸端の長さの確保と合わせて、次の縫い出しに必要十
分な下糸端の長さを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのミシンの釜駆動
装置等の構成を示す分解斜視図である。
【図2】ボビンケースを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る下糸端保持装置の第1実施例を示
すもので、大釜上ばね部分の平面図である。
【図4】糸切り直前における大釜上ばね上の下糸と動メ
スの関係を示した斜視図である。
【図5】図4に続いて、糸切り直後の状態を示した斜視
図である。
【図6】糸切り後の釜部分を示すもので、針板を外した
状態を示した斜視図である。
【図7】糸切りの際の待機状態から捌き始め状態を
経て上糸捌き状態を示した各斜視図である。
【図8】図7に続いて、下糸捌き状態から動メス最後
退状態を経て下糸・上糸掛け状態を示した各斜視図
である。
【図9】図8に続いて、下糸繰り出し・上糸引き上げ状
態から糸切り状態を経て糸切り終了状態を示した
各斜視図である。
【図10】本発明に係る下糸端保持装置の第2実施例を
示すもので、図3と同じく大釜上ばね部分の平面図であ
る。
【図11】本発明に係る下糸端保持装置の第3実施例を
示すもので、図3と同じく大釜上ばね部分の平面図であ
る。
【図12】DPS釜を用いた場合の糸制御穴の基本形状
例と動メスの関係を示す平面図である。
【図13】可動式の下糸保持部材を用いた場合を例示す
る糸制御穴部分の平面図である。
【図14】一般的な半回転釜に用いる従来のボビンケー
スを示した斜視図である。
【図15】DBS釜を用いた場合の糸制御穴の基本形状
例を示す大釜上ばね部分の平面図である。
【図16】図15の糸制御穴と動メスの関係を示す平面
図である。
【図17】(a)はDBS釜使用による針落ち点と下糸
導出点との間の距離を示す一部破断側面図、(b)はD
PS釜使用による針落ち点と下糸導出点との間の距離を
示す一部破断側面図である。
【図18】布送りが働いているときの状態を示したもの
で、(a)はDBS釜使用による角の回転止め状態を示
した正面図、(b)はDPS釜使用による角の回転止め
状態を示した正面図である。
【図19】(a)は図18(a)の要部拡大図、(b)
は図18(b)の要部拡大図である。
【図20】DBS釜使用によるボビンケースの角からの
上糸ループの糸抜けを示した側面図である。
【図21】DPS釜使用によるボビンケースの角からの
上糸ループの糸抜けを示したもので、(a)は側面図、
(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 主軸(上軸) 2 クランク部 3 クランクロッド 4 大振子 5,6 歯車 7 下軸 8 大釜 9 ドライバー 10 中釜(DPS釜) 11 中釜押え 12 ボビン 13 ボビンケース 14 角 15 下糸 16 針 17 上糸 17C 布側上糸 17N 針側上糸 21 釣合すい 31 針板 32 糸切り装置 33 動メス 34 動メス駆動機構 35 固定メス 41 糸制御板(大釜上ばね) 42 糸制御穴 43 延長部(直状の下糸導入溝) 44 延長部(ラビリンス状の下糸導入溝) 44a 屈曲部 45 下糸保持部材 46 下糸規制部 47 調整用長穴 48 止めねじ 49 ラビリンス部 51 下糸保持部材 52 下糸規制部 53 止めねじ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 1/00 - 83/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針板の下方において、糸切り装置の下方に
    配設される糸制御板の糸制御穴に、針に通した上糸とボ
    ビンケースから導出した下糸とを臨ませて、糸切り装置
    による切断後の下糸端を保持するようにしたミシンの下
    糸端保持装置であって、前記糸制御板に、 前記糸制御穴から外方へ前記下糸端を
    導入する延長部を形成したことを特徴とするミシンの下
    糸端保持装置。
  2. 【請求項2】 前記延長部おいて、前記導入された前
    記下糸端の前記糸制御穴への戻りを規制するラビリンス
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載のミシンの下
    糸端保持装置。
  3. 【請求項3】 前記ラビリンス部は、前記延長部として
    のほぼ直状の下糸導入溝と、この下糸導入溝の端部近傍
    に位置して、前記下糸端の導入を許容する隙間を形成
    し、且つ前記糸制御穴への前記下糸端の戻りを規制する
    下糸保持部材とからなることを特徴とする請求項2記載
    のミシンの下糸端保持装置。
  4. 【請求項4】 前記ラビリンス部は、前記延長部として
    の複数の屈曲部を有するラビリンス形状の下糸導入溝で
    あることを特徴とする請求項2記載のミシンの下糸端保
    持装置。
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