JP2878428B2 - トラクションコントロール装置 - Google Patents

トラクションコントロール装置

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JP2878428B2
JP2878428B2 JP26568490A JP26568490A JP2878428B2 JP 2878428 B2 JP2878428 B2 JP 2878428B2 JP 26568490 A JP26568490 A JP 26568490A JP 26568490 A JP26568490 A JP 26568490A JP 2878428 B2 JP2878428 B2 JP 2878428B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、車両の発進、加速時に駆動輪に生じる加
速スリップを減少させ、駆動輪の空転を防止するトラク
ションコントロール装置に関する。
「従来の技術」 従来のトラクションコントロール装置においては、ま
ず、演算手段が駆動輪および非駆動輪のそれぞれの回転
速度に基づいて各駆動輪のスリップ率および平均スリッ
プ率を算出する。
そして、スリップ率が車両のステア角に応じて予め設
定された第1のしきい値を越えた場合に、ブレーキ制御
手段がブレーキを制御し、平均スリップ率が車両のステ
ア角に応じて予め設定された第2のしきい値を越えた場
合に、駆動トルク制御手段が駆動トルクを制御する。
尚、詳細については、特開昭64−83445号公報を参照
されたい。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述した従来のトラクションコントロール
装置においては、ある特定の低い路面摩擦係数μの路面
を走行する車両のステア角に応じてしきい値(目標スリ
ップ率)が設定されているため、路面摩擦係数μが異な
る路面を走行している場合でも、ブレーキおよび駆動ト
ルクは、同一の目標スリップ率に基づいて制御されてし
まう。
従って、路面摩擦係数μが比較的高い路面を走行する
場合には、車両の加速性能を向上させることができない
という欠点があった。
また、上述した従来のトラクションコントロール装置
においては、運転者が望んでいる車両の旋回の基準を把
握することができないため、どの程度の旋回まで旋回制
御を行えばよいか判断できないという欠点があった。
例えば、運転者がハンドルをきっても大きなアンダー
ステアが出ていれば、直進状態と判断され、運転者が旋
回を行おうとしていることが判別できなかった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、路
面摩擦係数μに関係なく、車両の旋回性および加速性能
を向上させることができると共に、運転者の望む旋回が
可能なトラクションコントロール装置を提供することを
目的としている。
「課題を解決するための手段」 この発明は、車両において加速時の車輪のスリップ率
が目標とすべき目標スリップ率を越えた時にブレーキを
作動させて過大なスリップを防止するトラクションコン
トロール装置において、非駆動輪の回転速度を検出する
回転速度検出手段と、ステアリング角を検出するステア
リング角検出手段と、前記回転速度検出手段の出力信号
に基づいて非駆動輪度および車体速度を演算する速度情
報演算手段と、前記非駆動輪速度および前記車体速度に
基づいてスリップが無いと仮定した場合の車輪速度であ
る模擬車輪速度を演算する模擬車輪速度演算手段と、前
記ステアリング角および前記車体速度に基づいて前記模
擬車輪速度の目標とすべき目標模擬車輪速度を演算する
目標模擬車輪速度演算手段と、前記模擬車輪速度および
前記目標模擬車輪速度に基づいて前記目標スリップ率を
決定する目標スリップ率決定手段とを具備することを特
徴としている。
「作用」 この発明によれば、まず、回転速度検出手段は、非駆
動輪の回転速度を検出する。また、ステアリング角検出
手段は、ステアリング角を検出する。
次に、速度情報演算手段は、回転検出手段の出力信号
に基づいて非駆動輪車輪速度および車体速度を演算す
る。また、模擬車輪速度演算手段は、非駆動車輪輪車輪
速度および車体速度に基づいて模擬車輪速度を演算す
る。
さらに、目標模擬車輪速度演算手段は、ステアリング
角および車体速度に基づいて目標模擬車輪速度を演算す
る。
そして、目標スリップ率決定手段は、目標模擬車輪速
度および模擬車輪速度に基づいて目標スリップ立を決定
する。
「実施例」 この発明の一実施例について説明する前に、上述した
課題を解決するための基本的な考え方について説明す
る。
上述した目標とすべき目標スリップ率は、左右の車輪
とも同じである必要がある。というのは、片方の車輪の
みアンダーステアで、他方の車輪がグリップしていると
いう状態はあり得ないからである。
そこで、左右の車輪共通の目標スリップ率を算出する
ために、駆動輪の車軸中心におけるスリップが無いとし
た場合の車輪速度である実模擬車輪速度VRREFと目標す
べき模擬車輪速度である目標模擬車輪速度VTREFとを算
出する。
まず、目標模擬車輪速度VTREFは、第4図に基づいて
算出する。第4図に示すように、車両の左旋回時の車輪
のステア角をφ、ホイールベース長さをlとすると、車
体速度Vaの場合の非駆動輪の車軸中心における旋回半径
Raは、で表される。尚、ステア角ψは、ステアリング
角θとギア比Ksとから式で表される。また、車体速度
Vaは、左右の非駆動輪の車輪速度VRLおよびVRRの平均
値、すなわち、式で表されるものとする。
次に、駆動輪の車軸中心における旋回半径Rcは、第4
図より、次式で表される。
また、駆動輪の車軸中心における速度Vcは、第4図よ
り、次式で表される。
従って、速度Vcは、上述した、および式より、
ステア角ψおよび車体速度Vaを用いて次式で表される。
従って、目標模擬車輪速度VTREFは、式より、次式
で表される。
また、車両の右旋回時の目標模擬車輪速度V′
TREFは、式のステア角ψの符号を負にすればよい。そ
して、式に式を代入すると、目標模擬車輪速度V
TREFは、次式で表される。
次に、実模擬車輪速度VRREFは、以下に示すように算
出される。まず、第4図に示すように、左の非駆動輪の
旋回半径をRRLとし、トレッド長さをaとすると、これ
らと上述した旋回半径Raとの間には、次式で表される関
係がある。
また、第4図より、車体速度Va、左の非駆動輪の車輪
速度VRL、旋回半径Raおよび左の非駆動輪の旋回半径RRL
との間には、次式で表される関係がある。
Va:VRL=Ra:RRL … さらに、第4図に示すように、右の非駆動輪の旋回半
径をRRRとすると、これと上述した旋回半径Raおよびト
レッド長さaとの間には、次式で表される関係がある。
加えて、第4図より、車体速度Va、右の非駆動輪の車
輪速度VRR、旋回半径Raおよび右の非駆動輪の旋回半径R
RRとの間には、次式で表される関係がある。
Va:VRR=Ra:RRR …… 従って、速度Vcは、上述したおよび〜式より、
次式で表される。
従って、実模擬車輪速度VRREFは、式より、次式で
表される。
そして、目標模擬車輪速度VTREFと実模擬車輪速度V
RREFとの差(VTREF−VRREF)は、スリップがない場合に
は0となり、アンダーステアが出ている場合には正とな
る。
そこで、差(VTREF−VRREF)があるしきい値を越えた
時、目標スリップ率を小さくしてタイヤの横力を大きく
し、そうでない時、目標スリップ率を大きくすることに
より、路面摩擦係数μに関係なく、車両の旋回性能およ
び加速性能を向上させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の一実施例について説
明する。
第1図はこの発明の一実施例によるトラクションコン
トロール装置の全体構成を示す図であり、この図におい
て、1はブレーキペダル1aの踏み込み量に応じてブレー
キ液圧を発生するマスタシリンダである。
また、2は増圧シリンダであり、シリンダ本体2aと、
シリンダ本体2a内に摺動自在に嵌挿されたピストン3と
から基本的に構成され、ピストン3の両側には、液圧室
4と液圧室5とがそれぞれ形成されている。
さらに、シリンダ本体2aの液圧室5側の端部には、孔
2bが形成され、孔2bと配管6とを介してマスタシリンダ
1の吐出ポートと液圧室5とが接続されている。
加えて、液圧室5内には、シリンダ2aの軸方向に配置
され、ピストン3を液圧室4を縮小する方向に付勢する
コイルバネ7と、円筒状部の端部周縁につば状部を形成
してなり、つば状部がコイルバネ7の孔2b側の端部とシ
リンダ本体2aの内面との間に介装されて前記円筒状部が
コイルバネ7の内側に位置するように配置された部材8
と、部材8の円筒状部内に配置され、孔2bの内側周縁に
形成された弁座面9に対向する弁体10を一端に有する弁
棒11と、弁体10と部材8の円筒状部との間に配置され、
弁棒11を孔2bに向かって付勢するバネ12とが設けられて
いる。
また、弁棒11の他端に形成されたつば状部11aがピス
トン3内に摺動自在に嵌挿されていると共に、コイルバ
ネ7とピストン3との間には、弁棒11を貫通させて設け
られた押え板13が介装され、ピストン3が液圧室4を縮
小する方向に移動すると、押さえ板13につば状部11aが
当接するようになっている。
即ち、液圧室4にブレーキ液圧が加えられ、ピストン
3が孔2bの側に移動すると、弁体10が弁座面9に着座
し、液圧室5とマスタシリンダ1との連通が断たれ、ま
た、ピストン3が液圧室4を縮小させる方向に移動する
と、バネ12の付勢力に逆らって弁棒11がピストン3側に
押され、弁体10が弁座面9から離間し、液圧室5とマス
タシリンダ1とが連通する。
また、シンリンダ本体2aの側壁には、液圧室5に連通
する孔2cが形成されており、液圧室5は、孔2cに接続さ
れた配管14を介して駆動輪のホイールシリンダ15に接続
されている。
さらに、配管6には、配管16が分岐するようにして接
続されており、この配管16と配管6とを介して非駆動輪
のホイールシリンダ17とマスタシリンダ1の吐出ポート
とが連通されている。
加えて、シリンダ本体2aには、液圧室4に連通する孔
2dが形成されており、液圧室4は、孔2dから順次接続さ
れた配管18、電磁弁19および配管20を介してブレーキ液
圧ポンプ21の吐出側に接続されている。
また、配管20には、配管20から分岐する配管22を介し
てアキュームレータ23が接続されている。
ここで、電磁弁19は、ノルマル状態(励磁電圧を印加
させない状態)では配管18と配管20との連通を断ち、コ
ントローラ30によって励磁電圧が印加されたのきのみ両
者を連通状態とする。
また、配管20から分岐する配管33の端部には、プレッ
シャスイッチ35が設けられており、ブレーキ液圧ポンプ
21は、アキュムレータ23が低圧となった時にプレッシャ
スイッチ35から出力される信号に基づいてコントローラ
30によってモータ24が回転駆動されることにより駆動さ
れるものであり、吸い込み側が配管25を介して液タンク
26に接続され、液タンク26内の液を吸い込み吐出する。
尚、液タンク26は、大気に解放されたものであり、内部
の圧力は常時大気圧となっている。
さらに、アキュームレータ23は、ブレーキ液圧ポンプ
21から吐出され、高圧力とされた液を溜め込むものであ
り、電磁弁19が配管18と配管20とを連通させると、この
高圧力とされた液が液圧室4内に流れるようになってい
る。
加えて、配管18と配管25とは、配管18から分岐する配
管27と、配管25から分岐する配管28と、配管27と配管28
との間に設けられた電磁弁29とを介して接続されてい
る。
ここで、電磁弁29は、ノルマル状態では配管27と配管
28とを連通状態とし、コントローラ30によって励磁電圧
が印加されたときのみ両者の連通を断つ。
また、駆動輪近傍および非駆動輪近傍には、それぞれ
車輪の回転速度を検出する回転速度センサ31および32が
設けられており、それぞれの出力信号はコントローラ30
に入力するようになっている。
さらに、図示せぬハンドル軸には、ハンドル33の回転
角(ステアリング角θ)を検出するステアリングセンサ
34が設けられ、その出力信号はコントローラ30に入力す
るようになっている。
このような構成において、このトラクションコントロ
ール装置が作動すると、コントローラ30は、適時、回転
速度センサ31および32の出力信号からスリップ率S、実
模擬車輪速度VRREFおよび目標模擬車輪速度VTREFを演算
すると共に、目標模擬車輪速度VTREFと実模擬車輪速度V
RREFとの差(VTREF−VRREF)に基づいて目標スリップ率
SREFを決定して、スリップ率Sが目標スリップ率SREF
上になっている場合と、そうでない場合とにより異なる
制御を行う。
以下、コントローラ30の動作について説明する。
まず、コントローラ30は、回転速度センサ31の出力信
号から駆動輪の回転速度ωを、回転速度センサ32の出力
信号から得られる非駆動輪の回転速度から駆動輪模擬車
輪回転速度(スリップが無いと仮定した場合の駆動輪回
転速度)ωを演算し、さらにこれらを次式に代入して
スリップ率Sを演算する。
S=(ω=ω)/ω … 次に、目標スリップ率SREFを決定するコントローラ30
の動作について第2図に示すフローチャートおよび第3
図に示す波形図に基づいて説明する。
ここで、第3図(b)に示すように、車両が直進加速
状態にある時、運転者がハンドル33を時刻t1に切り始
め、ステアリング角θだけ切り、時刻t2に終了した場
合を例にとって説明する。尚、目標スリップ率SREFは、
時刻t1までは車両が直進加速状態にあるので、第3図
(e)に示すように、加速性能重視の値S2である。
まず、コントローラ30は、ステップS1の処理へ進み、
回転速度センサ32の出力信号を入力し、左非駆動輪速度
VRLおよび右非駆動輪速度VRRを演算する。また、ステア
リングセンサ34の出力信号θを入力した後、ステップS2
へ進む。
ステップS2では、左非駆動輪速度VRLおよび右非駆動
輪度VRRを上述した式に代入して車体速度Vaを演算し
た後、ステップS3へ進む。
ステップS3では、左非駆動輪速度VRLおよび右非駆動
輪速度VRR、トレッド長さa、ホイールベース長さl並
びに車体速度Vaを上述した式に代入して実模擬車輪速
度VRREFを演算した後、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ステアリングセンサ34の出力信号
θ、ギア比Ksおよび車体速度Vaを上述した式に代入し
て目標模擬車輪速度VTREFを演算した後、ステップS5へ
進む。
ステップS5では、目標模擬車輪速度VTREFと実模擬車
輪速度VRREFとの差(VTREF−VRREF)が予め設定された
値V1より大きいか否かを判断する。今の場合、目標模擬
車輪速度VTREFは、第3図(c)に示すように、時刻t1
から時刻t2までの間に急激に増加する。一方、実模擬車
輪速度VRREFは、第3図(c)に示すように、時刻t1
ら時刻t2までの間においては、まだ車両が旋回を始めて
いないため、徐々にしか増加しない。従って、時刻t1
後は差(VTREF−VRREF)は値V1より小さいので、ステッ
プS5の判断結果は「NO」となり、コンローラ30は、ステ
ップS6へ進む。
ステップS6では、目標スリップ率SREFを加速性能重視
をスリップ率S2としたまま後、メインルーチンへ戻る。
そして、第3図(d)に示すように、時間が経過して
時刻tSになり、差(VTREF−VRREF)が値V1より大きくな
ると、ステップS5の判断結果が「YES」となり、コント
ローラ30は、ステップS7へ進む。
ステップS7では、目標スリップ率SREFを旋回性能重視
のスリップ率S1とした後、メインルーチンへ戻る。
次に、コントローラ30は、以上説明した処理において
決定された目標スリップ率SREF、今の場合、スリップ率
S1に従って電磁弁19および29の開閉の制御をすると共
に、モータ24を制御する。
即ち、コントローラ30は、スリップ率Sが目標スリッ
プ率SREF、今の場合、スリップ率S1より小さい場合に
は、電磁弁19および29をノルマル状態にする。また、モ
ータ24は、プレッシャースイッチ35の状態によりオン/
オフされる。
これにより、増圧シリンダ2の液圧室4は、液タンク
26と連通状態とされるので、内部の圧力は大気圧とな
る。このため、増圧シリンダ2のピストン3は、コイル
バネ7の力により液圧室4が縮小する方向(第1図にお
いて下方)に移動し、弁体10は、弁座面9から離間して
液圧室5とマスタシリンダ1とは連通状態となる。
従って、マスタシリンダ1から吐出された液は、孔2b
を介して液圧室5内に流入するので、通常のブレーキ動
作時には、ブレーキペダル1aが操作されると、マスタシ
リンダ1で発生した液圧は液圧室5および配管14を介し
てホイールシリンダ15に加わると共に、ホイールシリン
ダ17にも加わり、駆動輪および非駆動輪共にブレーキが
作動する。
この時、加速により駆動輪がスリップして、スリップ
率Sが目標スリップ率SREF、今の場合、スリップ率S1
上になると、コントローラ30は、電磁弁19あるいは電磁
弁29の状態を切り換えることにより制動力を制御して目
標スリップ率SREFを越える駆動輪のスリップを防止す
る。
即ち、コントローラ30は、電磁弁19および電磁弁29に
励磁電圧を印加してこれらを作動させることにより、液
タンク26と液圧室4との連通を断つと共に、アキューム
レータ23、即ち、液圧ポンプ21の吐出側と液圧室4とを
連通させて、液圧室4に圧力を加える。あるいは、電磁
弁19および電磁弁29をノルマル状態とすることにより、
液圧室4と液タンク26とを連通させて液圧室4の圧力を
低下させる。
これにより、液圧室4に圧力が加えられた場合には、
ピストン3は孔2b側に移動し、弁体10が弁座面9に着座
して液圧室5とマスタシリンダ1との連通が断たれるの
で、液圧室5の圧力も上昇し、この圧力がホイールシリ
ンダ15に加わって駆動輪のブレーキの制動力が発生又は
上昇する。また、液圧室4の圧力が低下させられれば、
液圧室5の圧力も低下し、ブレーキの制動力が低下する
か又は無くなる。
以上の動作により、駆動輪のタイヤは横力を増すの
で、車両は旋回する。
次に、時間が経過するに従って車両が旋回するが、こ
の車両の旋回に応じて実模擬車輪速度VRREFは、第3図
(c)に示すように、増加する。
そして、第3図(d)に示すように、時間がさらに経
過して時刻t3になり、差(VTREF−VRREF)が値V1より小
さくなると、上述したステップS5の判断結果が再び「N
O」となり、コントローラ30は、上述したステップS6へ
進む。
ステップS6では、目標スリップ率SREFを加速性能重視
のスリップ率S2とした後、メインルーチンへ戻る。
尚、以上説明した処理において決定された目標スリッ
プ率SREF、今の場合、スリップ率S2に従って電磁弁19お
よび29の開閉の制御をすると共に、モータ24を制御する
コントローラ30の動作は、目標スリップ率SREFがスリッ
プ率S1の場合とほぼ同様であるので、その説明を省略す
る。
以上説明した動作が順次行われることにより、車体速
度Vaは、第3図(a)に示すように、急激に変化するこ
となく、滑らかに増加する。また、車両は滑らかに旋回
した後直進加速状態に移行する。
以上説明したように、この発明の一実施例によるトラ
クションコントロール装置によれば、駆動輪のスリップ
率Sは、車両が直進している際には、加速性能を重視し
たスリップ率S2に制御され、車両が旋回している際に
は、旋回性能を重視したスリップ率S1に制御される。
即ち、駆動輪のスリップ率Sは、直進時と旋回時とで
それぞれ最適な値に制御される。従って、直進時には車
両の加速性能が十分に発揮され、旋回時には旋回性能が
十分に発揮されて車両の走行性能を効率よく発揮させる
ことができる。
尚、上述した一実施例においては、目標模擬車輪速度
VTREFと実模擬車輪速度VRREFとの差(VTREF−VRREF)が
ある設定値V1を越えた場合のみ、目標スリップ率SREF
変更した例を示したが、この差(VTREF−VRREF)の大き
さに合わせて連続的に目標スリップ率SREFを変化させて
もよい。
例えば、車両の直進時の目標スリップ率をS0とした時
に、旋回時の目標スリップ率Scを次式で表すような値に
してもよい。
S=S0−K(VTREF−VRREF) … 但し、 S≧Sminのとき、Sc=S S<Sminのとき、Sc=Smin ここで、Sminは目標スリップ率の最小値、Kは設定値
である。
また、上述した一実施例においては、1つのしきい値
(スリップ率)で制御力の負荷・解除を行う例を示した
が、2つのしきい値を設け、制御力の負荷・保持・解除
を行わせるようにしてもよい。さらに、スリップ率の他
に駆動輪加速度のしきい値を設け、これらの組み合わせ
によって制御するようにしてもよい。
「発明の効果」 この発明によれば、路面摩擦係数μに関係なく、車両
の旋回性能および加速性能を向上させることができる。
また、ステアリング角に基づいて目標模擬車輪速度を
求めているので、運転者がどの程度の旋回を望んでいる
かが判断できる。
さらに、この目標模擬車輪速度と、実際の旋回状態を
知るための実模擬車輪速度とを比較しているので、運転
者の希望する旋回制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるトラクションコント
ロール装置の全体構成を示す図、第2図はコントローラ
30の目標スリップ率を決定する処理を表すフローチャー
ト、第3図はコントローラ30の目標スリップ率を決定す
る処理を説明するための波形図、第4図は目標模擬車輪
速度VTREFおよび実模擬車輪速度VRREFの算出を説明する
ための図である。 30……コントローラ、31,32……車輪速度センサ、34…
…ステアリングセンサ、35……プレッシャスイッチ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両において加速時の車輪のスリップ率が
    目標とすべき目標スリップ率を越えた時にブレーキを作
    動させて過大なスリップを防止するトラクションコント
    ロール装置において、 非駆動輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 ステアリング角を検出するステアリング角検出手段と、 前記回転速度検出手段の出力信号に基づいて非駆動輪速
    度および車体速度を演算する速度情報演算手段と、 前記非駆動輪速度および前記車体速度に基づいてスリッ
    プが無いと仮定した場合の車輪速度である模擬車輪速度
    を演算する模擬車輪速度演算手段と、 前記ステアリング角および前記車体速度に基づいて前記
    模擬車輪速度の目標とすべき目標模擬車輪速度を演算す
    る目標模擬車輪速度演算手段と、 前記模擬車輪速度および前記目標模擬車輪速度に基づい
    て前記目標スリップ率を決定する目標スリップ率決定手
    段と を具備することを特徴とするトラクションコントロール
    装置。
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