JP2872545B2 - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JP2872545B2
JP2872545B2 JP5227649A JP22764993A JP2872545B2 JP 2872545 B2 JP2872545 B2 JP 2872545B2 JP 5227649 A JP5227649 A JP 5227649A JP 22764993 A JP22764993 A JP 22764993A JP 2872545 B2 JP2872545 B2 JP 2872545B2
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裕之 橋本
賢一 寺井
保利 中間
忠司 田村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、能動的騒音制御を用い
た消音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特開平4−282694、特開平
4−282695、特開平4−282696などに見ら
れるように、送風機を有する空調機などの騒音をディジ
タル信号処理技術を用いてスピーカから制御音を出力
し、送風ダクト内で消音する能動的騒音制御方法が提案
されている。
【0003】以下、図面を参照しながら従来の消音装置
について説明する。図14は従来の消音装置のブロック
図を示すものである。図14において、1aおよび1b
は第1および第2の騒音検出器であるところのマイクロ
ホン、5はスピーカ、9は空調機本体からの空気を各部
屋に導く送風ダクト、12は制御装置、13は平均化手
段、14は比較手段、15は制御装置12の動作を停止
する停止手段である。
【0004】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音は送風ダ
クト9内を矢印の方向に伝搬し、マイクロホン1aで検
出される。その検出信号は制御装置12に入力される。
同時にマイクロホン1bで検出された騒音信号も制御装
置12に入力される。そして制御装置12はこの二つの
信号から、マイクロホン1bにおける騒音が減衰するよ
うにマイクロホン1bでの騒音と同振幅逆位相の制御音
をスピーカ5より再生する。これによってマイクロホン
1bでの騒音が減衰することになる。しかし、制御装置
12はマイクロホン1bからの信号を常に監視しながら
自分自身の特性を変化させて行くので、なんらかの要
因、たとえば、マイクロホン1aとマイクロホン1bの
経年変化などにより、これらの間の伝達関数に非線形要
素が発生して、マイクロホン1aとマイクロホン1bで
検出される信号の相関が悪化した場合などに、間違った
特性になることがあり、マイクロホン1bで騒音付加と
なることがある。これを防ぐため、マイクロホン1bで
検出される時間変動を伴う信号を平均化手段13により
時間平均し、その出力レベルを比較手段14で規定値と
比較し、規定値に達すれば停止手段15によって制御装
置12の動作を止める。
【0005】同様に図15は他の従来の消音装置のブロ
ック図を示すものである。図15において、1aおよび
1bは第1および第2の騒音検出器であるところのマイ
クロホン、5はスピーカ、9は空調機本体からの空気を
各部屋に導く送風ダクト、12は制御装置、13は平均
化手段、14は比較手段、15は制御装置12の動作を
停止する停止手段である。
【0006】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。消音動作について
は図14と同じなので省略する。図15は制御装置12
の出力信号により自分自身の動作を制御する構成となっ
ており、時間変動を伴う制御装置12の出力信号を平均
化手段13により時間平均し、その出力レベルを比較手
段14で規定値と比較し、規定値であれば停止手段15
によって制御装置12の動作を止める。
【0007】また、さらにブロック図には示さないが図
14と図15を足し合わせた構成も考えられるが、その
動作は同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図14,
図15のように、マイクロホン1bあるいは制御装置1
2の出力の時間平均をとる従来の構成では、ある周波数
帯域では騒音付加となっているがその他の主な制御帯域
においては減衰しているような場合には、騒音付加を見
つけられず見かけ上正常に動作しているものと判断され
制御装置12をそのまま動作させてしまうという問題点
を有している。
【0009】また、平均化手段13の精度により制御停
止動作の遅延などの誤差が生じるし、さらに停止手段1
5を動作させるために平均化手段13と比較手段14が
必要となるという問題点も有している。
【0010】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、平均化手段13を用いずに、ある周波数帯域のみが
騒音付加となるような場合でも、騒音付加となる前に制
御特性の更新が停止でき、これらの停止制御が遅延など
の誤差なく行うことができ、その結果、安全に騒音制御
ができる消音装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の消音装
置は、騒音源からの騒音を検出する第1の騒音検出器
と、検出された騒音信号を適応制御するアダプティブフ
ィルタと、前記第1の騒音検出器の出力を信号処理する
ディジタルフィルタと、前記第1の騒音検出器の設置位
置に比べて騒音源に遠い位置に設置されかつ前記アダプ
ティブフィルタの出力を再生するスピーカと、このスピ
ーカの近傍の騒音源から遠い位置に設置された第2の騒
音検出器と、この第2の騒音検出器の出力と前記ディジ
タルフィルタの出力に基づいて、前記アダプティブフィ
ルタの係数を時間領域において演算して更新する係数演
算器と、この係数演算器により演算された前記アダプテ
ィブフィルタの係数のうちの1番目の係数の大きさが規
定値に達すると前記係数演算器による係数更新を停止す
る停止回路とで構成したことを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の消音装置は、請求項1の
アダプティブフィルタとスピーカの間に出力周波数特性
を調整する信号処理回路を設けたことを特徴とする。請
求項5に記載の消音装置は、請求項1の第2の騒音検出
器と係数演算器の間に出力周波数特性を調整する信号処
理回路を設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1の構成によると、停止回路が、係数演
算器により演算されたアダプティブフィルタの係数のう
ちの1番目の係数だけを監視して、この大きさが規定値
に達すると係数演算器による係数更新を停止し、この係
数により、アダプティブフィルタが第1の騒音検出器か
らの騒音を信号処理しスピーカ5に出力して騒音制御す
る。
【0014】請求項4の構成によると、アダプティブフ
ィルタとスピーカの間に設けられた信号処理回路が、ア
ダプティブフィルタからの信号の周波数特性を調整して
スピーカへ出力する。
【0015】請求項5の構成によると、第2の騒音検出
器と係数演算器の間に設けられた信号処理回路が、第2
の騒音検出器からの信号の周波数特性を調整して係数演
算器へ出力する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける消音装置のブロック図を示すものである。図1に
おいて、1aおよび1bは第1および第2の騒音検出器
であるところのマイクロホン、2はアダプティブフィル
タ、3はディジタルフィルタであるところのFIRフィ
ルタ、4は係数演算器であるところのLMS演算器、5
はスピーカ、6は停止回路であるところのマイクロプロ
セッサ(以下CPUと略称する)、7は空調機本体、8
は空調機本体7内にある遠心送風機、9は空調機本体7
からの空気を各部屋に導く送風ダクト、10はアダプテ
ィブフィルタ2とFIRフィルタ3とLMS演算器4で
構成されたディジタルシグナルプロセッサ(以下DSP
と略称する)である。
【0017】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず遠心送風機8
で発生した騒音はその吐出口から送風ダクト9内に放射
されマイクロホン1aで検出される。その検出信号はア
ダプティブフィルタ2とFIRフィルタ3に入力され
る。アダプティブフィルタ2で信号処理された騒音信号
はスピーカ5より再生される。このスピーカ5で再生さ
れた制御音と遠心送風機8の吐出口から放射され送風ダ
クト9を伝わってきた騒音は、マイクロホン1bで検出
されLMS演算器4に入力される。LMS演算器4はこ
の検出信号とFIRフィルタ3からの出力信号とによ
り、アダプティブフィルタ2の係数を演算し更新する。
ここで、スピーカ5からマイクロホン1bまでの総合伝
達関数をCとすると、FIRフィルタ3には、予め、総
合伝達関数Cを近似した係数c(n)が設定されてお
り、LMS演算器4は式1によりアダプティブフィルタ
2の係数W(n)を更新する。
【0018】
【数1】 これによってアダプティブフィルタ2はマイクロホン1
bにおいて騒音を減衰するように動作する。この方法を
Filtered-xアルゴリズム(参考文献;B.Widrowand S.St
earns,「Adaptive Signal Processing」(Prentice-Hal
l,Englewood Cliffs,NJ,1985))という。
【0019】ここで、マイクロホン1a,1bとスピー
カ5は、アダプティブフィルタ2の係数(式1のW
(n))のうちの最前部近傍の係数(W(n)の1項目
から全項数の1/4の項数までの範囲)のレベルがピー
クとなるように配置されているものとする。
【0020】これは、以下の具体的な説明に基づいて設
定されている。マイクロホン1aからマイクロホン1b
までの騒音伝達時間をt1,スピーカ5からマイクロホ
ン1bまでの制御音伝達時間をt2,装置の信号処理時
間(遅延時間)をt3とすると、t3≦t1−t2でな
ければならず、t3がt1−t2に近くなるほど、アダ
プティブフィルタ2の係数のレベルピークが係数の1項
目(0タップ目)に近づく。
【0021】以上のようにアダプティブフィルタ2の係
数が更新され続けることによって消音して行くことにな
るが、これを詳しくみると、今マイクロホン1aあるい
はマイクロホン1bで検出される騒音が図2(a)のよ
うな周波数特性を有し、スピーカ5からマイクロホン1
bまでの伝達関数の周波数特性が図2(b)で示される
ものである場合、マイクロホン1bにおける消音効果は
図2(c)のようになる。図2(c)において図2
(b)の平坦特性部分では大きく一様な消音量が得られ
ているが、スピーカ5の再生音圧レベルが低下する低域
部分では消音量の違いが見受けられ、特に斜線で示す部
分では騒音付加となっている。これをアダプティブフィ
ルタ2の係数で見ると、その時間特性は図3(a)に示
すように1番目の係数(式1のW0 (n))が最大レベ
ルを有し、周波数特性では図3(b)のように低域成分
が高域に比べて大きくなっている。これはつまりスピー
カ5からマイクロホン1bまでの伝達関数が図2(b)
のように制御する騒音に比べて低域のレベルが小さくま
たFIRフィルタ3の係数がこれを近似していることに
より、アダプティブフィルタ2が係数の低域成分を大き
くすることでこれを補おうとしていることになる。しか
し無制限なレベルアップはDSP10の有限語長に起因
するオーバーフローを発生させたり、スピーカ5への大
入力による非線形歪を発生させたりする。これによっ
て、図2(c)の騒音付加がまず最初に現われ、さらに
ひどくなると他の帯域でも騒音付加が発生し、最後には
発散してしまい発振状態になる。
【0022】ところが図1におけるCPU6が、アダプ
ティブフィルタ2の係数のうちの1番目の係数(式1の
0 (n))の大きさを騒音付加が発生しだすときの値
と比較し、1番目の係数(式1のW0 (n))の大きさ
がその規定値に達すると即座にアダプティブフィルタ2
の係数更新を止めるようDSP10を制御すると、騒音
付加とならずに騒音制御できる。これをアダプティブフ
ィルタ2の係数で見ると、その時間特性は図4(a)に
示すように1番目の係数(式1のW0 (n))が規定値
Aとなっており、周波数特性では図4(b)のように低
域成分が図3(b)に比べて小さくなっている。これに
よって図4(c)に示すように騒音付加を発生させずに
騒音制御できることとなる。
【0023】なお、本実施例では、アダプティブフィル
タ2の係数更新を停止するのにCPU6を用いて行った
が、DSP10内で係数の監視を行って自分自身で止め
る構成でも良い。
【0024】次に本発明の第2の実施例について、図面
を参照しながら説明する。図5は本発明の第2の実施例
における消音装置のブロック図を示すものである。図5
において、1aおよび1bは第1および第2の騒音検出
器であるところのマイクロホン、2はアダプティブフィ
ルタ、3はFIRフィルタ、4はLMS演算器、5はス
ピーカ、6は停止回路であるところのCPU、7は空調
機本体、8は空調機本体7内にある遠心送風機、9は空
調機本体7からの空気を各部屋に導く送風ダクト、10
はアダプティブフィルタ2とFIRフィルタ3とLMS
演算器4で構成されたDSP、11は信号処理回路であ
るところのイコライザである。ここでマイクロホン1
a,1bとスピーカ5は、アダプティブフィルタ2の係
数のレベルピークが係数の最前部付近となるように設置
されているとする。
【0025】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず遠心送風機8
で発生した騒音はその吐出口から送風ダクト9内に放射
されマイクロホン1aで検出される。その検出信号はア
ダプティブフィルタ2とFIRフィルタ3に入力され
る。アダプティブフィルタ2で信号処理された騒音信号
はイコライザ11によって周波数特性を調整されてスピ
ーカ5より再生される。このスピーカ5で再生された制
御音と遠心送風機8の吐出口から放射され送風ダクト9
を伝わってきた騒音は、マイクロホン1bで検出されL
MS演算器4に入力される。LMS演算器4はこの検出
信号とFIRフィルタ3からの出力信号とにより、アダ
プティブフィルタ2の係数を演算し更新する。ここでF
IRフィルタ3には予めイコライザ11からマイクロホ
ン1bまでの伝達関数が係数として近似されている。こ
れによってアダプティブフィルタ2はマイクロホン1b
において騒音を減衰するように動作する。
【0026】これを詳しくみると、今図1のようにイコ
ライザ11が存在しないとして、マイクロホン1aある
いはマイクロホン1bで検出される騒音が図6(a)の
ような周波数特性を有し、スピーカ5からマイクロホン
1bまでの伝達関数の周波数特性が図6(b)で示され
るものである場合、マイクロホン1bにおける消音効果
は図6(c)のようになる。図6(c)において低域に
なるほど大きな消音量が得られているが、高域では消音
量が小さいあるいは消音されていない。これをアダプテ
ィブフィルタ2の係数で見ると、図7に示すように低域
成分が高域に比べて大きくなっており、低域が主に制御
されているのがわかる。しかし実際問題として高域の消
音量も低域と同程度確保したい場合には、図5のように
イコライザ11を用い、その周波数特性を図8(a)の
ように高域ほどレベルが大きくなるようにすればイコラ
イザ11からマイクロホン1bまでの伝達関数は図8
(c)のようになるので、マイクロホン1bでの消音効
果は図8(b)のように各帯域で一様に減衰することに
なる。これをアダプティブフィルタ2の係数でみると、
図9に示すように図7と比べて各帯域で一様に制御して
いる。
【0027】ところがこのように問題なく制御できれば
良いが、イコライザ11を図8(a)のような低域にな
るほどレベルが小さくなる特性とすることにより、図8
(d)に示すように図1の場合と同様な問題点がでてく
る。このときの係数は図10のようになる。
【0028】ところが図1の場合と同様に図5における
CPU6が、アダプティブフィルタ2の係数のうちの1
番目の係数(式1のW0 (n))の大きさを騒音付加が
発生しだすときの値と比較し、1番目の係数(式1のW
0 (n))の大きさがその規定値に達すると即座にアダ
プティブフィルタ2の係数更新を止めるようDSP10
を制御すると、騒音付加とならずに騒音制御できる。こ
れをアダプティブフィルタ2の係数で見ると、その時間
特性は図11(a)に示すように1番目の係数(式1の
0 (n))が規定値Aとなっており、周波数特性では
図11(b)のように低域成分が図10(b)に比べて
小さくなっている。これによって図11(c)に示すよ
うに騒音付加を発生させずに騒音制御できることとな
る。
【0029】なお、本実施例では、アダプティブフィル
タ2の係数更新を停止するのにCPU6を用いて行った
が、DSP10内で係数の監視を行って自分自身で止め
る構成でも良い。またアダプティブフィルタ2の出力を
調整するのにイコライザ11を用いたが、アクティブフ
ィルタなどの減衰特性を利用したものでも良い。
【0030】最後に本発明の第3の実施例について、図
面を参照しながら説明する。図12は本発明の第3の実
施例における消音装置のブロック図を示すものである。
図12において、1aおよび1bは第1および第2の騒
音検出器であるところのマイクロホン、2はアダプティ
ブフィルタ、3はFIRフィルタ、4はLMS演算器、
5はスピーカ、6は停止回路であるところのCPU、7
は空調機本体、8は空調機本体7内にある遠心送風機、
9は空調機本体7からの空気を各部屋に導く送風ダク
ト、10はアダプティブフィルタ2とFIRフィルタ3
とLMS演算器4で構成されたDSP、11は信号処理
回路であるところのイコライザである。ここでマイクロ
ホン1a,1bとスピーカ5は、アダプティブフィルタ
2の係数のレベルピークが係数の最前部付近となるよう
に設置されているとする。
【0031】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず遠心送風機8
で発生した騒音はその吐出口から送風ダクト9内に放射
されマイクロホン1aで検出される。その検出信号はア
ダプティブフィルタ2とFIRフィルタ3に入力され
る。アダプティブフィルタ2で信号処理された騒音信号
はスピーカ5より再生される。このスピーカ5で再生さ
れた制御音と遠心送風機8の吐出口から放射され送風ダ
クト9を伝わってきた騒音は、マイクロホン1bで検出
され、イコライザ11によって周波数特性を調整されて
LMS演算器4に入力される。LMS演算器4はイコラ
イザ11からの出力信号とFIRフィルタ3からの出力
信号とにより、アダプティブフィルタ2の係数を演算し
更新する。ここでFIRフィルタ3には予めスピーカ5
からイコライザ11までの伝達関数が係数として近似さ
れている。これによってアダプティブフィルタ2はマイ
クロホン1bにおいて騒音を減衰するように動作する。
【0032】これを詳しくみると、今マイクロホン1a
あるいはマイクロホン1bで検出される騒音が図13
(a)のような周波数特性を有するときは、図12のよ
うにイコライザ11を用い、その周波数特性を図13
(b)のように高域ほどレベルが大きくなるようにすれ
ばマイクロホン1bで検出された騒音はイコライザ11
によって図13(a)から図13(c)のようになるの
で、マイクロホン1bでの消音効果は図13(d)のよ
うに各帯域で一様に減衰することになる。
【0033】しかしこのように問題なく制御できれば良
いが、イコライザ11を図13(b)のような低域にな
るほどレベルが小さくなる特性とすることにより、図5
の場合と同様な問題点がでてくる。
【0034】ところが図5の場合と同様に図12におけ
るCPU6が、アダプティブフィルタ2の係数のうちの
1番目の係数(式1のW0 (n))の大きさを騒音付加
が発生しだすときの値と比較し、1番目の係数(式1の
0 (n))の大きさがその規定値に達すると即座にア
ダプティブフィルタ2の係数更新を止めるようDSP1
0を制御すると、騒音付加とならずに騒音制御できる。
【0035】なお、本実施例では、アダプティブフィル
タ2の係数更新を停止するのにCPU6を用いて行った
が、DSP10内で係数の監視を行って自分自身で止め
る構成でも良い。またアダプティブフィルタ2の出力を
調整するのにイコライザ11を用いたが、アクティブフ
ィルタなどの減衰特性を利用したものでも良い。
【0036】
【発明の効果】請求項1の構成によれば、停止回路が、
係数演算器により演算されたアダプティブフィルタの係
数のうちの1番目の係数を監視して、この大きさが規定
値に達すると係数演算器による係数更新を停止するよう
動作するので、第1および第2の騒音検出器で検出され
た騒音がどの周波数帯域に対しても平坦な周波数特性で
あって、ある周波数帯域のみが騒音付加となるような場
合でも、騒音付加となる前に係数演算器による係数更新
が停止できる。また、騒音付加が、アダプティブフィル
タの係数のうちの1番目の係数だけの大きさを確認して
判定できるので、係数演算器による係数更新が、遅延な
どの誤差を生じることなく即座に停止できる。その結
果、発散などがない安全な騒音制御ができる。
【0037】請求項4の構成によれば、信号の周波数特
性が調整できる信号処理回路を、アダプティブフィルタ
とスピーカの間に設けたことにより、アダプティブフィ
ルタの出力の周波数特性が調整できるので、周波数特性
が平坦でない騒音でも各周波数帯域で一様なレベルの信
号にして係数演算器に入力でき、請求項1と同様の効果
を得ることができる。
【0038】請求項5の構成によれば、信号の周波数特
性が調整できる信号処理回路を、第2の騒音検出器と係
数演算器の間に設けたことにより、第2の騒音検出器の
出力の周波数特性が調整できるので、周波数特性が平坦
でない騒音でも各周波数帯域で一様なレベルの信号にし
て係数演算器に入力でき、請求項1と同様の効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の消音装置の構成図
【図2】同実施例において騒音付加を説明する特性図
【図3】同実施例において騒音付加時のアダプティブフ
ィルタの係数の特性図
【図4】同実施例の消音装置の制御特性図
【図5】本発明の第2の実施例の消音装置の構成図
【図6】同実施例においてイコライザ未使用時を説明す
る特性図
【図7】同実施例においてイコライザ未使用時のアダプ
ティブフィルタの係数の特性図
【図8】同実施例においてイコライザ使用時の騒音付加
を説明する特性図
【図9】同実施例においてイコライザ使用時のアダプテ
ィブフィルタの係数の特性図
【図10】同実施例において騒音付加時のアダプティブ
フィルタの係数の特性図
【図11】同実施例の消音装置の制御特性図
【図12】本発明の第3の実施例の消音装置の構成図
【図13】同実施例の消音装置の制御を説明する特性図
【図14】従来の消音装置の構成図
【図15】従来の他の消音装置の構成図
【符号の説明】
1a,1b マイクロホン 2 アダプティブフィルタ 3 FIRフィルタ 4 LMS演算器 5 スピーカ 6 CPU(マイクロプロセッサ) 10 DSP(ディジタルシグナルプロセッサ) 11 イコライザ
フロントページの続き (72)発明者 田村 忠司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−40486(JP,A) 特開 平4−282696(JP,A) 特開 平3−266516(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10K 11/178 F24F 13/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源からの騒音を検出する第1の騒音
    検出器と、検出された騒音信号を適応制御するアダプテ
    ィブフィルタと、前記第1の騒音検出器の出力を信号処
    理するディジタルフィルタと、前記第1の騒音検出器の
    設置位置に比べて騒音源に遠い位置に設置されかつ前記
    アダプティブフィルタの出力を再生するスピーカと、こ
    のスピーカの近傍の騒音源から遠い位置に設置された第
    2の騒音検出器と、この第2の騒音検出器の出力と前記
    ディジタルフィルタの出力に基づいて、前記アダプティ
    ブフィルタの係数を時間領域において演算して更新する
    係数演算器と、この係数演算器により演算された前記ア
    ダプティブフィルタの係数のうちの1番目の係数の大き
    さが規定値に達すると前記係数演算器による係数更新を
    停止する停止回路とで構成した消音装置。
  2. 【請求項2】 第1の騒音検出器と第2の騒音検出器と
    スピーカとを、アダプティブフィルタの係数のうちの最
    前部近傍の係数のレベルがピークとなるように配置した
    請求項1に記載の消音装置。
  3. 【請求項3】 アダプティブフィルタと係数演算器と停
    止回路を、ディジタルシグナルプロセッサで構成した請
    求項1に記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 アダプティブフィルタとスピーカの間に
    出力周波数特性を調整する信号処理回路を設けた請求項
    1に記載の消音装置。
  5. 【請求項5】 第2の騒音検出器と係数演算器の間に出
    力周波数特性を調整する信号処理回路を設けた請求項1
    に記載の消音装置。
  6. 【請求項6】 信号処理回路を、低域の周波数成分を減
    衰するよう構成した請求項4または請求項5のいずれか
    に記載の消音装置。
  7. 【請求項7】 信号処理回路を、任意の周波数特性に調
    整できるよう構成した請求項4または請求項5のいずれ
    かに記載の消音装置。
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