JP2865519B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JP2865519B2
JP2865519B2 JP11108893A JP11108893A JP2865519B2 JP 2865519 B2 JP2865519 B2 JP 2865519B2 JP 11108893 A JP11108893 A JP 11108893A JP 11108893 A JP11108893 A JP 11108893A JP 2865519 B2 JP2865519 B2 JP 2865519B2
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、流体封入式防振装置に係り、特
に流体室の壁部の一部を加振して内圧を制御することに
より、防振特性を切換制御するようにした流体封入式防
振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、それぞれ、防振連結
乃至は支持される部材の各一方に取り付けられる第一の
支持金具と第二の支持金具を、それら両金具間に介装さ
れたゴム弾性体にて弾性的に連結せしめてなる構造のも
のが知られており、例えば、自動車用エンジンマウント
やサスペンション・ブッシュ等として用いられてきてい
る。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手段として、実開平3−73741
号公報等に、壁部の一部がゴム弾性体にて構成されて、
内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を形成す
ると共に、該流体室の壁部の別の一部を振動板にて構成
し、この振動板を加振することにより、流体室の内圧を
制御せしめて防振特性を切換制御するようにしたもの
が、提案されている。
【0004】ところで、かかる流体封入式防振装置にお
いては、振動板の背後にリング状の永久磁石が配設され
ていると共に、この永久磁石の内周面に対向配置された
コイルが振動板に取り付けられており、コイルへの通電
により、振動板を加振するための電磁力が生ぜしめられ
るようになっている。
【0005】ところが、このような構造の電磁駆動手段
では、使用する永久磁石の重量やコイルへの給電量に対
して得られる電磁力の効率が悪いために、振動板の加振
力を十分に確保することが極めて難しく、流体室の内圧
制御が困難となって、実用上、満足できる防振特性を得
ることができないという問題があった。
【0006】なお、大きな加振力を得るために、永久磁
石を大型化したり、コイルの巻線数を多くしたり、或い
はコイルへの通電量を大きくすることも考えられる。し
かしながら、永久磁石を大型化することは、高価で省資
源な磁石材料が多く必要となるために、現実的でなく、
また、コイルの巻線数を多くすることは、振動板を含む
可動部分の総重量が増加して、振動板を目的とする周波
数で加振することが難しくなるという問題がある。更に
また、コイルへの通電量を大きくすると、コイルの発熱
量が増大して永久磁石やゴム弾性体,封入流体等に悪影
響を及ぼす恐れがあり、特に、上述の如き従来構造の電
磁駆動手段では、外部空間に露呈されていない振動板に
コイルが取り付けられているために、コイルの発生熱が
外部に放熱され難く、熱がこもって高温になり易いとい
う問題を内在していたのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、振動板を加振するための電磁力を、小さな
永久磁石によって有利に得ることのできる流体封入式防
振装置を提供することにある。
【0008】また、本発明は、振動板を加振するための
電磁力を、総重量の小さな可動部分によって有利に得る
ことのできる流体封入式防振装置を提供することも、解
決課題とする。
【0009】さらに、本発明は、コイルの通電による発
生熱が、外部に有利に放熱され得る流体封入式防振装置
を提供することも、解決課題とする。
【0010】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔
てて配された第一の支持金具と第二の支持金具とを、そ
れらの間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、
内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を、かか
るゴム弾性体にて壁部の一部を構成して設けてなる流体
封入式防振装置において、前記流体室の壁部の別の一部
を変位可能な振動板にて構成し、該振動板の背後に内側
ヨーク部材と外側ヨーク部材を配置せしめて、該内側ヨ
ーク部材の外周面と該外側ヨーク部材の内周面との間に
環状空間を形成すると共に、該内側ヨーク部材の外周面
上に内側コイルを、該外側ヨーク部材の内周面上に外側
コイルを、それぞれ配設する一方、内周部と外周部が磁
極部とされた環状の永久磁石を、前記環状空間において
前記内側コイルと前記外側コイルとの対向面間を軸方向
に変位可能に配設せしめて、該永久磁石を前記振動板に
連結したことにある。
【0011】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0012】図1には、本発明の一実施例としての自動
車用エンジンマウントが示されている。なお、以下の説
明中、上方および下方とは、図1中の上方および下方を
いう。
【0013】かかる図において、10は第一の支持金
具、12は第二の支持金具であり、互いに所定距離を隔
てて対向配置されていると共に、それらの間に介装され
たゴム弾性体14により弾性的に連結されている。そし
て、このエンジンマウントは、第一の支持金具10およ
び第二の支持金具12の各一方が、パワーユニット側ま
たはボデー側に取り付けられることにより、パワーユニ
ットをボデーに防振支持せしめるようになっている。
【0014】より詳細には、第一の支持金具10は、そ
れぞれ開口周縁部に外フランジ部16,18が設けられ
た略有底円筒形状の上金具20と下金具22が軸方向に
重ね合わされ、外フランジ部16,18においてボルト
連結されることにより、構成されている。なお、上金具
20の底壁部には、パワーユニット側またはボデー側に
取り付けるための取付ボルト24が、外方に突出して立
設されている。
【0015】また、第一の支持金具10の内部には、上
下金具20,22間に空所が形成されている。そして、
この空所内に略薄肉円板形状の可撓性膜26が収容配置
されて、外周縁部を上下金具20,22間で挟持されて
いる。それによって、かかる空所が、可撓性膜26を挟
んで、上金具20側と下金具22側とに、流体密に二分
されている。
【0016】更にまた、上金具20の周壁部には通孔2
8が形成されており、内部に形成された空所が外部に連
通されている。また一方、下金具22の底壁部には円板
形状のオリフィス金具30が重ね合わされてボルト固定
されており、それら両金具22,30の重ね合わせ面間
にオリフィス通路32が形成されている。
【0017】さらに、下金具22には、ゴム弾性体14
が加硫接着されている。このゴム弾性体14は、テーパ
付の略円筒形状を呈しており、その小径側の開口端面に
下金具22の筒壁部外周面が加硫接着されている。それ
によって、ゴム弾性体14の小径側開口部が第一の支持
金具10にて閉塞されて、該ゴム弾性体14の内部に、
下方に向かって開口する凹所34が形成されている。
【0018】また、ゴム弾性体14には、その軸方向中
間部分に、座屈を防止する拘束リング36が加硫接着さ
れていると共に、大径側の開口端面に円環形状の連結金
具38が加硫接着されている。
【0019】そして、この連結金具38に対して、厚肉
の略円環板形状を呈する第二の支持金具12が、軸方向
に重ね合わされて、ボルト固定されている。なお、第二
の支持金具12には、パワーユニット側またはボデー側
に取り付けるためのボルト挿通孔40が設けられてい
る。
【0020】また、第二の支持金具12の中央孔42内
には、該中央孔42の内径よりも所定寸法小さな外径を
有する円板形状の振動板44が配設されている。そし
て、第二の支持金具12の中央孔42と振動板44との
径方向対向面間に、略円環板形状の支持ゴム弾性体46
が介装されて、振動板44が第二の支持金具12に対し
て弾性的に支持されている。
【0021】そして、このように、振動板44が支持ゴ
ム弾性体46を介して第二の支持金具12の中央孔42
に取り付けられて、凹所34の開口部が流体密に閉塞さ
れることにより、壁部の一部がゴム弾性体14にて構成
されて内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室と
しての受圧室48が形成されている。即ち、この受圧室
48には、振動入力時にゴム弾性体14が変形すること
により、内圧変動が生ぜしめられるようになっている。
【0022】また一方、第一の支持金具10内に形成さ
れた下金具22側の空所にも非圧縮性流体が封入されて
おり、それによって、壁部の一部が可撓性膜26にて構
成された平衡室52が形成されている。即ち、かかる平
衡室52は、可撓性膜26の変形に基づいて容積変化が
許容されるようになっている。なお、第一の支持金具1
0内に形成された上金具20側の空所は、可撓性膜26
の変形を許容する空気室54とされている。
【0023】そして、これら受圧室48と平衡室52と
が、第一の支持金具10に形成されたオリフィス通路3
2を通じて、相互に連通されている。それにより、振動
入力時に、受圧室48と平衡室52との内圧差に基づい
てオリフィス通路32を通じての流体の流動が生ぜしめ
られ、以て、かかる流体の共振作用に基づいて防振効果
が発揮されるようになっているのである。なお、本実施
例では、シェイク等の低周波数域の入力振動に対して有
効な減衰効果が発揮されるように、オリフィス通路32
の長さや断面積等がチューニングされている。
【0024】また、受圧室48および平衡室52の封入
流体としては、例えば、水やアルキレングリコール、ポ
リアルキレングリコール、シリコーン油等が好適に用い
られる。更に、かかる流体の封入は、例えば、連結金具
38への第二の支持金具12の取付けを流体中で行なう
こと等によって、有利に為され得る。
【0025】さらに、振動板44の下方には、内側ヨー
ク56と外側ヨーク58が配設されている。これら内側
ヨーク56および外側ヨーク58は、いずれも鉄等の強
磁性材により、厚肉の円筒形状をもって形成されてお
り、軸方向一方の側(下側)で円環板60により相互に
連結固定されることによって、互いに径方向に所定距離
を隔てて同一軸心上に配置されている。なお、本実施例
では、円環板60は、アルミニウム等の非磁性材にて形
成されている。
【0026】そして、外側ヨーク58が第二の支持金具
12に対してボルト固定されることにより、内側ヨーク
56および外側ヨーク58が、振動板44の下方に配設
されている。それによって、内側ヨーク56と外側ヨー
ク58との径方向対向面間に形成された円環状空間62
が、第二の支持金具12の中央孔42に開口せしめられ
ている。
【0027】また、内側ヨーク56の外周面上には、軸
方向略全長に亘って位置するように、内側コイル64が
固定的に配設されている一方、外側ヨーク58の内周面
上には、軸方向略全長に亘って位置するように、外側コ
イル66が固定的に配設されている。そして、これら内
側コイル64と外側コイル66は、円環状空間62を挟
んで径方向に対向位置せしめられている。
【0028】更にまた、円環状空間62内には、円筒形
状を有し、内周部と外周部が磁極部とされた永久磁石6
8が収容配置されている。この永久磁石68は、内側コ
イル64の外径より僅かに大きな内径と、外側コイル6
6の内径より僅かに小さな外径とを有し、且つ内外コイ
ル64,66の軸方向長さよりも短い軸方向長さを有し
ており、内外コイル64,66の軸方向中央部分におい
て、内外コイル64,66の径方向対向面間に位置せし
められて、円環状空間62内を軸方向に変位可能に配設
されている。
【0029】また一方、円環状空間62が開口せしめら
れた第二の支持金具12の中央孔42内には、逆カップ
形状の取付金具70が配設されている。そして、かかる
取付金具70は、その底部中央において振動板44に重
ね合わされ、固定ボルト72で固着されていると共に、
その周壁部が円環状空間62内に挿入されて、永久磁石
68に固着されている。なお、取付金具70は、アルミ
ニウム等の非磁性材にて形成されている。
【0030】これにより、永久磁石68が、取付金具7
0を介して、振動板44に連結されており、該振動板4
4が、永久磁石68と共に変位せしめられるようになっ
ている。
【0031】なお、取付金具70を振動板44に固定す
る固定ボルト72の頭部は、長手ロッド状とされて、内
側ヨーク56の内部に延びだして位置せしめられてい
る。そして、該固定ボルト72の頭部先端部が、内側ヨ
ーク56の開口部に固設された摺動ブッシュ74によ
り、軸方向に摺動変位可能に支持されている。それによ
り、振動板44および永久磁石68が上下方向に案内さ
れて、左右方向の変位が規制されるようになっている。
【0032】このような構造とされたエンジンマウント
においては、磁極部が位置せしめられる永久磁石68の
内周面側と外周面側とに、それぞれ磁界が存在してい
る。しかも、永久磁石68の両磁極部は、内側ヨーク5
6および外側ヨーク58に対向位置せしめられているこ
とから、永久磁石68の内周面側および外周面側には、
いずれも、磁束密度の高い磁界が存在しているのであ
る。
【0033】それ故、そのような磁界が存在する永久磁
石68の内周面側および外周面側に配設された内側コイ
ル64および外側コイル66に給電すると、それら永久
磁石68と内外コイル64,66との間に電磁力が発生
し、永久磁石68に軸方向の推力が及ぼされる。換言す
れば、内外コイル64,66への通電によりつくられる
磁界と永久磁石68中の磁気モーメントとによって内外
コイル64,66間の空間磁場に蓄えられる磁場エネル
ギの軸方向勾配に基づいて、永久磁石68に軸方向の推
力が及ぼされる。なお、内側コイル64と外側コイル6
6には、永久磁石に軸方向の推力を及ぼすために、同一
周方向の電流が給電される。
【0034】そして、この永久磁石68に及ぼされる軸
方向推力が振動板44に伝達されて、振動板44の駆動
力として作用せしめられる。また、内側コイル64と外
側コイル66に交番電流を給電することにより、永久磁
石68、ひいては振動板44に上下方向に変化する推力
が及ぼされて、振動板44が上下方向に往復変位(振
動)せしめられることとなる。また、振動板44の振幅
や振動周波数は、内側コイル64および外側コイル66
に給電する電流の大きさや周波数を調節することによっ
て制御され得る。
【0035】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、永久磁石68の両側磁極部にそれ
ぞれ対向位置するように、内側コイル64と外側コイル
66が配置されており、それら両コイル64,66と永
久磁石68との間に生ぜしめられる電磁力によって、振
動板44が加振されることから、前記公報に記載されて
いる如く永久磁石の内周面側にだけコイルを対向配置せ
しめてなる従来構造のものに比して、効率的に電磁力を
得ることができる。
【0036】しかも、内側コイル64および外側コイル
66は、いずれも、永久磁石68の磁極部と内側ヨーク
56および外側ヨーク58との対向面間に配設されてい
ることから、永久磁石68の漏れ磁束が抑えられて、内
外コイル64,66の配設空間において、大きな磁束密
度を得ることができるのであり、以て、それら永久磁石
68と内外コイル64,66との間に生ぜしめられる電
磁力、即ち振動板44に及ぼされる加振力を一層有利に
得ることができる。
【0037】また、内側コイル64が取り付けられた内
側ヨーク56と、外側コイル66が取り付けられた外側
ヨーク58は、いずれも、直接又はブッシュ74を介し
て間接的に、外部空間に露呈されていることから、それ
ら内外コイル64,66への通電時に発生する熱が放熱
され易く、優れた冷却効果が発揮され得、種々の熱害が
有効に防止され得る。
【0038】さらに、内外コイル64,66の冷却効果
が高いことから、それら内外コイル64,66に大きな
電流を流すことができ、それによって、永久磁石68と
の間に生ぜしめられる電磁力、即ち振動板44に及ぼさ
れる加振力をより一層有利に得ることができる。
【0039】そして、かかるエンジンマウントにおいて
は、上述の如く、内外コイル64,66の配設空間の磁
束密度が有利に確保されると共に、内外コイル64,6
6への供給電流を大きくすることによって、永久磁石6
8と内外コイル64,66との間に生ぜしめられる電磁
力を効率的に得ることが可能であることから、振動板4
4に及ぼされる加振力を十分に確保しつつ、永久磁石6
8を小型化することができるのである。
【0040】また、永久磁石68を小型化することによ
り、振動板44を含む可動部分の軽量化も図られ得るの
であり、それによって、振動板44の駆動に必要とされ
る電磁力が低減されると共に、振動板44の共振周波数
が高くなって、より高周波数域の入力振動に対しても有
効な防振効果を得ることが容易となる。
【0041】また、特に本実施例では、固定ボルト72
がブッシュ74にて軸方向に案内されることにより、永
久磁石68の軸直角方向への変位が防止されていること
から、永久磁石68のコイル64,66への接触が可及
的に防止され得て、優れた耐久性と信頼性が発揮される
という利点もある。
【0042】次に、図2には、本発明の別の実施例とし
ての円筒型エンジンマウントが示されている。なお、本
実施例は、前記第一実施例に示された振動板の加振力発
生部分を、略そのまま円筒型エンジンマウントに適用し
た場合のマウント構造を示すものであることから、以下
の説明では、マウント本体部分の構造を概略的に説明
し、前記第一実施例と同様な構造とされた部材および部
位については、それぞれ、第一実施例と同一の符号を付
することにより、その詳細な説明は省略することとす
る。
【0043】本実施例の円筒型エンジンマウントは、第
一の支持金具として、その略中央部分を軸方向に延びる
円筒形状の内筒金具76を備えている。また、この内筒
金具76の径方向外方には、径方向に所定距離を隔てて
金属スリーブ78が、略同一軸心上に配設されている。
そして、これら内筒金具76と金属スリーブ78とは、
それらの間に介装されたゴム弾性体80によって、弾性
的に連結されている。
【0044】また、金属スリーブ78の軸方向中央部分
には、第一の窓部82および第二の窓部84が、互いに
軸直角方向に対向する位置に形成されている。更に、ゴ
ム弾性体80の軸方向中央部分には、第一の窓部82を
通じて開口する第一のポケット部86と、第二の窓部8
4を通じて開口する第二のポケット部88が、形成され
ている。
【0045】更にまた、ゴム弾性体80には、内筒金具
76を挟んで両側に位置する、第一のポケット部86と
第二のポケット部88を仕切る底壁部において、それぞ
れ軸方向に貫通する空所90,90が設けられている。
そして、これらの空所90,90により、第二のポケッ
ト部88の底壁部が薄肉化されて変形容易な可撓性膜9
2とされている。また、一方の空所90の径方向外側に
は、第一のポケット部86と第二のポケット部88を相
互に連通するオリフィス通路94が形成されている。
【0046】また、内筒金具76の軸方向中央には、全
体として略矩形ブロック状のストッパ金具96が固着さ
れており、両ポケット部86,88の底壁中央から外方
に向かって突出せしめられている。更に、このストッパ
金具96の第一のポケット部86側の突出端面には、平
板状の傘金具98がかしめ固定されており、第一のポケ
ット部86の内周面との間に環状の狭窄部100が形成
されている。なお、傘金具98の外面上およびストッパ
金具96の第二のポケット部88側の突出端面上には、
緩衝ゴム102,104が、それぞれ設けられている。
【0047】さらに、金属スリーブ78には、大径円筒
形状の外筒金具106が外挿され、嵌着固定されてい
る。また、この外筒金具106は、第二の支持金具とし
ての取付ブラケット108の円形装着孔110に圧入さ
れて組み付けられている。
【0048】それによって、第一のポケット部86およ
び第二のポケット部88の開口部が覆蓋され、内部に所
定の非圧縮性流体が封入された受圧室112および平衡
室114が形成されている。また、それら受圧室112
と平衡室114は、オリフィス通路94を通じて、相互
に連通されている。
【0049】また、外筒金具106には、受圧室112
の頂部に開口する大口径の連通孔116が設けられてい
ると共に、取付ブラケット108には、かかる連通孔1
16の開口部に対応する位置に大口径の透孔118が設
けられている。更に、かかる透孔118の外側開口部に
は、該透孔118より所定寸法小径の円板形状を呈する
振動板120が配設されており、円環板状の支持ゴム弾
性体122によって取付ブラケット108の透孔118
の開口部に対して弾性支持せしめられている。
【0050】それによって、取付ブラケット108の透
孔118は、外側開口部が流体密に覆蓋されている一
方、内側開口部が外筒金具106の連通孔116を通じ
て受圧室112に連通されており、かかる透孔118の
内部を含んで、受圧室112が構成されている。なお、
透孔118と連通孔116との接続部には、シールゴム
124が介装されている。
【0051】そして、かかる透孔118の開口部に配さ
れた振動板120の背後に、前記第一実施例と同様、永
久磁石68と内外コイル64,66を含んで構成された
電磁駆動手段が配設され、その外側ヨーク58が取付ブ
ラケット108にボルト固定されている一方、永久磁石
68が、取付金具70を介して、振動板120に取り付
けられている。
【0052】すなわち、このような構造とされた筒型エ
ンジンマウントは、内筒金具76と取付ブラケット10
8が、パワーユニット側およびボデー側の各一方に取り
付けられることにより、それらパワーユニットとボデー
との間に介装される。
【0053】そして、振動入力時、オリフィス通路94
または狭窄部100を通じて流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて、防振効果が発揮され得るのであり、
更に、電磁駆動手段にて振動板44を加振して受圧室1
12の内圧を制御することにより、防振効果が発揮され
得ることとなる。
【0054】そこにおいて、本実施例においても、前記
第一実施例と同様な構造の電磁駆動手段が採用されてい
ることから、振動板44を加振するための電磁力を効率
的に得ることができるのであり、前記第一実施例と同様
な効果が、いずれも、有効に奏せしめられるのである。
【0055】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0056】例えば、前記実施例では、いずれも、オリ
フィス通路を通じて受圧室に連通された容積可変の平衡
室が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡室
を備えていない防振装置に対しても、本発明は、有利に
適用され得るものである。
【0057】また、内外コイル64,66に供給する電
流として、交番電流の他、脈動電流を採用することも可
能である。なお、その場合には、振動板の一方の変位方
向への加振力として、支持ゴム弾性体46,122の弾
性力等をも利用することができる。
【0058】さらに、前記実施例では、いずれも、本発
明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例
を示したが、本発明は、エンジンマウント以外の各種の
防振装置に対しても、有利に適用され得るものである。
【0059】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもないところである。
【0060】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、永
久磁石の両磁極部に近接して、内側コイルおよび外側コ
イルをそれぞれ対向位置せしめたことにより、振動板を
駆動するための電磁力を、小さな永久磁石によって効率
的に得ることができる。
【0061】また、かかる流体封入式防振装置において
は、小型軽量化が図られる永久磁石を可動とし、該永久
磁石を振動板に連結したことから、振動板を含む可動部
分の軽量化が図られ得、高周波数域の入力振動に対する
防振効果も有利に得ることが可能となる。
【0062】さらに、かかる流体封入式防振装置におい
ては、内側コイルおよび外側コイルの発生熱が、内側ヨ
ークおよび外側ヨークを通じて、外部に有利に放熱され
得ることから、熱害が防止されると共に、それら内外コ
イルに大電流を流すことができるのであり、それによっ
て、小型の永久磁石により、大きな電磁力をより一層効
率的に得ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図である。
【図2】本発明の別の実施例としての筒型エンジンマウ
ントを示す横断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 第一の支持金具 12 第二の支持金具 14 ゴム弾性体 32 オリフィス通路 44 振動板 46 支持ゴム弾性体 48 受圧室 52 平衡室 56 内側ヨーク 58 外側ヨーク 62 円環状空間 64 内側コイル 66 外側コイル 68 永久磁石 70 取付金具 76 内筒金具 80 ゴム弾性体 94 オリフィス通路 106 外筒金具 108 取付ブラケット 112 受圧室 114 平衡室 120 振動板 122 支持ゴム弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−312229(JP,A) 特開 平4−135000(JP,A) 特開 平5−340441(JP,A) 特開 平6−117478(JP,A) 特開 平6−174003(JP,A) 実開 昭53−79528(JP,U) 実願 平2−110464号(実開 平3− 73741号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (UP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    支持金具と第二の支持金具とを、それらの間に介装され
    たゴム弾性体にて連結すると共に、内部に所定の非圧縮
    性流体が封入された流体室を、かかるゴム弾性体にて壁
    部の一部を構成して設けてなる流体封入式防振装置にお
    いて、 前記流体室の壁部の別の一部を変位可能な振動板にて構
    成し、該振動板の背後に内側ヨーク部材と外側ヨーク部
    材を配置せしめて、該内側ヨーク部材の外周面と該外側
    ヨーク部材の内周面との間に環状空間を形成すると共
    に、該内側ヨーク部材の外周面上に内側コイルを、該外
    側ヨーク部材の内周面上に外側コイルを、それぞれ配設
    する一方、それら内外コイルの軸方向長さよりも短い軸
    方向長さを有し、且つ内周部と外周部が磁極部とされた
    環状の永久磁石を、前記環状空間において前記内側コイ
    ルと前記外側コイルとの対向面間を軸方向に変位可能に
    配設し、更に逆カップ形状の取付金具を、その底部中央
    において前記振動板に重ね合わせて固定ボルトで固着す
    ると共に、該取付金具の周壁部を前記環状空間に挿入し
    て前記永久磁石に固着することにより、該取付金具を介
    して、該永久磁石を該振動板に連結する一方、該取付金
    具を該振動板に固着する前記固定ボルトを、前記振動板
    から前記内側ヨーク部材の内部に延びださせて、該固定
    ボルトの先端部を、該内側ヨーク部材に固設された摺動
    ブッシュにより、軸方向に摺動変位可能に支持せしめ
    ことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成さ
    れて内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなり、振動
    入力時にゴム弾性体が変形することにより内圧変動が生
    ぜしめられる受圧室にて、前記流体室を構成する一方、
    壁部の一部が可撓性膜にて構成されて内部に所定の非圧
    縮性流体が封入されてなり、該可撓性膜の変形に基づい
    て容積変化が許容される平衡室を形成し、且つそれら受
    圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた
    請求項1に記載の流体封入式防振装置。
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