JP2510915B2 - 流体封入式筒型防振装置 - Google Patents

流体封入式筒型防振装置

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JP2510915B2 JP3341929A JP34192991A JP2510915B2 JP 2510915 B2 JP2510915 B2 JP 2510915B2 JP 3341929 A JP3341929 A JP 3341929A JP 34192991 A JP34192991 A JP 34192991A JP 2510915 B2 JP2510915 B2 JP 2510915B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/28Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions specially adapted for units of the bushing type

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等に
用いられる流体封入式の筒型防振装置に係り、特に防振
特性を外部から制御することのできる流体封入式筒型防
振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウントやサ
スペンション・ブッシュの如く、振動伝達系を構成する
部材間に介装される防振装置の一種として、それぞれ防
振連結乃至は支持される部材の各一方に取り付けられる
内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を
隔てて配すると共に、それら内筒金具と外筒金具とを、
両金具間に介装されたゴム弾性体にて、弾性的に連結せ
しめてなる筒型構造の防振装置が知られている。
【0003】ところで、自動車用エンジンマウント等の
防振装置にあっては、近年、自動車の高級化等に伴い、
要求される防振特性が高度化してきており、特に、広い
周波数域に亘る入力振動に対する防振特性を向上させる
ために、研究、開発が為されてきている。
【0004】そして、その一つの方策として、ゴム弾性
体の振動入力方向に対向する両側部分に、第一の支持金
具と第二の支持金具とをそれぞれ固着せしめてなる非筒
型のマウント構造の防振装置にあっては、特開昭60−
8540号公報,特開昭59−1828号公報,実開平
3−73741号公報等において、壁部の一部がゴム弾
性体にて構成された、内部に所定の非圧縮性流体が封入
されてなる流体室を設けると共に、かかる流体室の壁部
の一部を振動板にて構成して、その振動板をソレノイド
による磁力乃至は電磁力にて加振することにより、流体
室の内圧を制御せしめて、防振特性を入力振動等に応じ
て切換制御するようにしたものが、提案されている。
【0005】しかしながら、前述の如き筒型構造の防振
装置では、その構造上、壁部の一部が振動板にて構成さ
れた流体室を設け、更に、かかる振動板の背後にソレノ
イド等の駆動手段を配設することが極めて困難であるた
めに、前記公開公報等に開示されているような構造を採
用することは、容易ではなかったのであり、それ故、筒
型構造の防振装置においては、未だ、防振特性を向上す
るための有効な方法が、提供されるには至っていなかっ
た。
【0006】しかも、前記公開公報に開示されている構
造にあっては、何れも、振動板に及ぼされる駆動力(加
振力)を、十分に得ることが難しく、また振動板の加振
制御が極めて難しいために、仮に、かかる技術を筒型構
造の防振装置に適用し得たとしても、実用上、満足でき
る防振特性を得ることはできなかったのである。
【0007】すなわち、前記公開公報に開示されている
マウント構造の防振装置においては、何れも、ソレノイ
ド或いは永久磁石によって形成される磁路が、開磁路形
態とされており、振動板或いはコイルが置かれる領域の
磁束密度を効率的に確保することができないために、特
に入力振動荷重の大きな中低周波数域の振動入力時に、
振動板の駆動力を十分に確保することが難しく、流体室
の有効な内圧制御が困難となるという問題があったので
ある。
【0008】さらに、そのようにソレノイド或いは永久
磁石によって形成される磁路が、開磁路形態とされてい
るために、磁束密度が略一定の領域を形成することがで
きず、振動板が駆動されて変位せしめられた際に、振動
板或いはコイルに及ぼされる磁束密度が大きく変化して
しまい、振動板に及ぼされる駆動力が不安定となって、
振動板の加振状態の制御が困難となる。
【0009】それ故、流体室内に惹起される脈動波形が
歪んでしまい、流体室内の液圧制御に歪みが生じること
が避けられないために、目的とするマウント防振特性を
十分に得ることができないという問題を内在していたの
であり、また、振動板の加振による流体室の内圧制御に
より、或る特定周波数域の入力振動に対する防振特性が
向上されたとしても、流体室内に惹起される脈動波形の
歪みによって、他の周波数領域の振動を増幅する結果と
なり、全体として有効な防振効果を得ることが、極めて
難しいという問題も有していたのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体室の液圧制御を容易且つ有効に行なう
ことのできる、防振特性の切換制御が可能な筒型構造の
防振装置を提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、径方向に互いに所定距離を
隔てて配された内筒金具と外筒金具とを、それらの間に
介装されたゴム弾性体にて連結せしめると共に、それら
内筒金具と外筒金具との間に、壁部の一部が前記ゴム弾
性体にて構成されて、内部に所定の非圧縮性流体が封入
された流体室を、形成せしめてなる流体封入式筒型防振
装置において、前記外筒金具の外側に、前記流体室に連
通されて、内部に所定の非圧縮性流体が封入された副液
室を形成せしめて、該副液室の壁部の一部を変位可能な
振動板にて構成する一方、かかる振動板の背後に永久磁
石を配設すると共に、該永久磁石の両極部に第一のヨー
クおよび第二のヨークをそれぞれ接続して、それら第一
のヨークと第二のヨークとの端部対向面間に環状のギャ
ップ部を有する磁路を形成し、更にかかるギャップ部に
沿って周方向に延びるリング状の可動コイルを変位可能
に配設すると共に、該可動コイルを前記振動板に連結せ
しめて、該可動コイルへの通電にて前記振動板を加振す
るようにしたことにある。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0013】先ず、図1及び図2には、本発明に従う構
造とされたFF型自動車用のエンジンマウントの横断面
図及び縦断面図が示されている。かかるエンジンマウン
トは、互いに径方向に所定距離を隔てて、且つ所定量だ
け偏心して配された内筒金具10と外筒金具12とが、
それらの間に介装されたゴム弾性体14にて、互いに弾
性的に連結されることによって構成されたマウント本体
13を備えており、かかるマウント本体13が、ブラケ
ット15に対して、一体的に組み付けられて成る構造と
されている。そして、かかるエンジンマウントにあって
は、マウント本体13の内筒金具10が、ボデー側およ
びパワーユニット側の何れか一方に取り付けられると共
に、外筒金具12が、ブラケット15を介して、ボデー
側およびパワーユニット側の何れか他方に取り付けられ
ることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支
持せしめることとなる。
【0014】なお、そのような装着状態下、マウント本
体13にあっては、内外筒金具10,12間に及ぼされ
るパワーユニット重量にてゴム弾性体14が変形するこ
とにより、内外筒金具10,12が略同軸的に位置せし
められる。また、かくの如き装着状態下、このエンジン
マウントには、内外筒金具10,12の偏心方向(図1
中の上下方向)に、防振すべき主たる振動が入力される
こととなる。
【0015】より詳細には、内筒金具10は、厚肉の円
筒形状を呈している。また、この内筒金具10には、軸
方向中央部分において軸直角方向外方に突出する支持金
具16が溶着されており、かかる支持金具16の先端部
に対して、緩衝ゴム17にて覆われたプレート状の傘金
具18が、突出方向に直角な方向に広がる状態で、かし
め固定されている。
【0016】さらに、この内筒金具10の径方向外方に
は、薄肉円筒形状の金属スリーブ20が、前記支持金具
16の突出方向に所定量偏心して配されている。そし
て、これら内筒金具10と金属スリーブ20との間に、
全体として厚肉円筒形状を呈するゴム弾性体14が介装
されており、それら内筒金具10と金属スリーブ20に
対して加硫接着された一体加硫成形品として形成されて
いる。
【0017】また、かかる金属スリーブ20には、内筒
金具10を偏心方向に挟んで位置する両側に、第一の窓
部22および第二の窓部24が、設けられている。更
に、ゴム弾性体14には、内筒金具10を偏心方向に挟
んで位置する両側に、第一の窓部22を通じて外周面に
開口する第一の凹所26と、第二の窓部24を通じて外
周面に開口する第二の凹所28が、設けられている。
【0018】なお、第一の凹所26には、前記傘金具1
8が、その内部を底部側と開口部側とに仕切るようにし
て位置せしめられており、かかる傘金具18の外周縁部
と第一の凹所28の内周面との間に、それら底部側と開
口部側とを連通する環状の狭窄部30が形成されてい
る。また、この第一の凹所26の外周壁部には、環状の
拘束金具32が、埋設配置されており、座屈等の不規則
な変形が防止されるようになっている。
【0019】また一方、第二の凹所28にあっては、内
筒金具10との間に形成された軸方向に貫通して延びる
空所34により、その底壁部36が薄肉化されている。
それによって、かかる底壁部36が、弾性変形容易とさ
れているのである。また、かかる底壁部36には、その
略中央部が厚肉化されることにより、内外筒金具10,
12間で挟まれることによって、それら両金具10,1
2の相対的変位量を規制するストッパ部38が形成され
ている。
【0020】更にまた、かくの如き第一及び第二の凹所
26,28が設けられた一体加硫成形品には、外周面上
を、それら第一の凹所26と第二の凹所28との間に跨
がって周方向に延びる一対の周溝40,40が、形成さ
れている。そして、それらの周溝40,40内に、オリ
フィス金具42,42が、それぞれ嵌め込まれて装着さ
れている。
【0021】これらのオリフィス金具42,42は、そ
れぞれ、略半割円筒形状とされており、一体加硫成形品
の周溝40,40に対して嵌め込まれることによって、
全体として円筒形状を呈する状態で、組み付けられてい
る。なお、それらのオリフィス金具42,42における
第一の凹所26側で突き合わされる周方向端部には、そ
れぞれ半円状の切欠43が設けられており、協働して円
形の通孔41が形成されている。
【0022】また、それら各オリフィス金具42には、
図3に展開図が示されているように、外周面上を周方向
に屈曲して延びる凹溝44が形成されている。そして、
かかる凹溝44の両端部には、底部を貫通して通孔4
6,48が設けられており、それらの通孔46,48を
通じて、凹溝44が、第一の凹所26および第二の凹所
28内に連通されている。
【0023】さらに、オリフィス金具42,42が組み
付けられた一体加硫成形品には、外筒金具12が外挿さ
れ、金属スリーブ20の外周面に対して嵌着固定されて
いる。そして、この外筒金具12にて、第一の凹所26
および第二の凹所28の開口が覆蓋されていると共に、
各オリフィス金具42の凹溝44における外周面の開口
が覆蓋されている。
【0024】それによって、第一の凹所26および第二
の凹所28により、内部に所定の非圧縮性流体が封入さ
れた受圧室50および平衡室52が、それぞれ形成され
ている一方、オリフィス金具42の凹溝44により、そ
れら受圧室50と平衡室52とを相互に連通するオリフ
ィス通路54が形成されている。なお、かかる封入流体
としては、通常、水やアルキレングリコール、ポリアル
キレングリコール、シリコーン油等が用いられる。
【0025】すなわち、かかる受圧室50にあっては、
内外筒金具10,12間への振動入力時に、ゴム弾性体
14の変形に基づいて内圧変動が惹起されることとなる
のであり、また、このことから明らかなように、本実施
例では、かかる受圧室50によって、流体室が構成され
ている。一方、平衡室52にあっては、底壁部36の弾
性変形に基づいて容積変化が容易に許容されることによ
り、その内圧変動が軽減乃至は防止される。それ故、振
動入力時には、受圧室50と平衡室52との間に内圧差
が惹起されることにより、それら両室50,52間で、
オリフィス通路54を通じての流体の流動が生ぜしめら
れるのであり、以て、かかる流体の流動作用乃至は共振
作用に基づいて、所定の防振効果が発揮され得ることと
なる。
【0026】なお、特に本実施例では、オリフィス通路
54を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、シェイク等の低周波大振幅振動に対する高減衰効果
が発揮され得るように、かかるオリフィス通路54の長
さや断面積が設定されている。
【0027】そうして、このような構造とされたマウン
ト本体13は、ブラケット15に対して、一体的に組み
付けられている。かかるブラケット15には、ボデー側
或いはパワーユニット側に固定するための取付部56
が、外方に突出して一体的に設けられていると共に、円
形の装着孔58が、中心部分を貫通して形成されてお
り、この装着孔58内に、マウント本体13が圧入固定
されて組み付けられている。
【0028】また、このブラケット15には、その装着
孔58に装着されたマウント本体13における受圧室5
0の外側に位置する部分において、周壁部を貫通して延
びる透孔60が設けられている。更に、この透孔60の
内側開口部上に位置するマウント本体13の外筒金具1
2には、貫通孔68が設けられている。それによって、
かかる透孔60が、貫通孔68およびオリフィス金具4
2,42に設けられた通孔41を通じて、マウント本体
13の受圧室50に連通されている。
【0029】また一方、かかる透孔60の外側開口部
は、所定寸法拡径されており、そこに、略円板形状を呈
する振動板62が配設されている。この振動板62の外
周縁部には、径方向外方に広がる円環板状の支持ゴム6
4を介して、取付リング66が取り付けられており、こ
の取付リング66がブラケット15に対してボルト固定
されることにより、かかる振動板62が、ブラケット1
5に装着されている。即ち、この振動板62は、ブラケ
ット15に対し、支持ゴム64の弾性変形に基づいて変
位可能に、取り付けられているのである。
【0030】そして、かかる振動板62の装着により、
ブラケット15に設けられた透孔60の外周面上の開口
が流体密に覆蓋されているのであり、それによって、内
部に所定の非圧縮性流体が封入されて、前記受圧室50
に連通せしめられた副液室70が形成されている。
【0031】なお、上記副液室70を形成する透孔60
内には、その内周面上に円筒状のゴムスリーブ67が挿
入配置されており、ブラケット15にボルト固定された
円環板状の押え金具69と、マウント本体13の外筒金
具12との間で、軸方向に挟圧されることにより、副液
室70と受圧室50との接続部がシールされている。
【0032】さらに、ブラケット15には、電磁駆動手
段72が装着されており、副液室70の壁部の一部を構
成する前記振動板62の背後に配設されている。
【0033】かかる電磁駆動手段72は、円形ブロック
状の永久磁石74を有している。そして、この永久磁石
74は、開口周縁部に外フランジ部76が設けられた有
底円筒形状を呈する底金具78の内部に収容されてお
り、該底金具78の底部中央に対して、一方の磁極側端
面が当接して配されている。
【0034】また、かかる永久磁石74における他方の
磁極側端面には、略厚肉の円板形状を呈する端部金具8
0が、当接して配されている。ここにおいて、この端部
金具80の外径は、永久磁石74よりも大径で、且つ底
金具78の筒壁部内径よりも小径とされており、永久磁
石74から径方向外方に所定寸法で突出せしめられてい
る。そして、この端部金具80と底金具78とが、複数
本の固定ボルト82にて連結固定されることにより、永
久磁石74が、それら両金具80,78間で挟持されて
固定せしめられている。
【0035】更にまた、底金具78の開口部には、略円
環形状の周縁金具84が配設され、ボルト固定されてい
る。この周縁金具84は、底金具78の開口部におい
て、径方向内方に突出して位置せしめられており、その
外周面が底金具78に当接せしめられている一方、その
内周面が端部金具80の外周面に対して径方向に所定距
離を隔てて対向せしめられている。
【0036】また、これら底金具78、端部金具80お
よび周縁金具84は、何れも、鉄等の強磁性材料にて形
成されている。それによって、永久磁石74の周囲に、
略閉磁路形態の磁路が形成されていると共に、かかる磁
路上に位置する端部金具80と周縁金具84との径方向
対向面間において、周方向に連続した円環状乃至は円筒
状のギャップ部86が形成されているのである。
【0037】なお、このことから明らかなように、本実
施例では、底金具78および周縁金具84によって、第
一のヨークが構成されていると共に、端部金具80によ
って、第二のヨークが構成されている。また、底金具7
8と端部金具80とを連結する前記固定ボルト82は、
アルミニウム合金等の非磁性材料にて形成されており、
磁路の短絡が防止されている。
【0038】さらに、かかる磁路を形成する端部金具8
0上には、合成樹脂やアルミニウム合金等の非磁性材料
にて形成された可動部材88が、所定距離を隔てて配設
されている。この可動部材88は、全体として略有底円
筒形状をもって形成されており、その円筒状の筒壁部9
0が、磁路上のギャップ部86内に挿入されて、位置せ
しめられている。そして、可動部材88の筒壁部90
と、ギャップ部86を形成する対向面との間には、僅か
な隙間が形成されており、それによって、かかる端部金
具80が、軸方向に変位可能とされている。
【0039】また、この可動部材88の筒壁部90が位
置せしめられたギャップ部86内には、円環状乃至は円
筒状の可動コイル92が配設位置せしめられており、可
動部材88の筒壁部90の外周面に固定されている。そ
れによって、可動コイル92と可動部材88(筒壁部9
0)とが、ギャップ部86内で、一体的に変位可能とさ
れている。なお、図中、94は、可動コイル92の給電
用リード線であり、底金具78に設けられた貫通孔96
を通じて、内部に導かれている。
【0040】なお、特に本実施例では、かかる可動コイ
ル92の軸方向長さが、ギャップ部86を形成する周縁
金具84よりも、所定寸法短く設定されており、後述す
る如きギャップ部86内での可動コイル92の変位時に
も、可動コイル92が、かかる周縁金具84の軸方向端
部よりも突出しないようにされている。即ち、それによ
って、可動コイル92の変位時にも、該可動コイル92
に対して、略一定の磁束密度が及ぼされるようになって
いるのである。
【0041】そして、このようにして形成された電磁駆
動手段72は、図示されている如く、その可動部材88
が、振動板62の背面に重ね合わされてボルト固定され
ると共に、底金具78の外フランジ部76が、ブラケッ
ト15に対してボルト固定されることにより、一体的に
組み付けられている。また、そのような組付状態下で
は、可動部材88に装着された可動コイル92が、磁路
のギャップ部86上の略中央部に位置せしめられるよう
になっている。
【0042】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、可動コイル92に交番電流を通電
することにより、可動コイル92に対してフレミングの
左手の法則に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、そ
れによって、かかる可動コイル92が装着された可動部
材88を介して、振動板62に対して電流に比例した駆
動力が及ぼされることとなる。そして、この可動コイル
92に対する通電を制御し、入力振動によって生ぜしめ
られる受圧室50の内圧変動に応じて、振動板62を加
振することにより、受圧室50の内圧を制御することが
できるのであり、それによって、マウントの防振特性
を、適宜、変更することが可能となるのである。
【0043】具体的には、例えば、低周波振動の入力時
には、振動板62を、入力振動と同位相で振動させて、
受圧室50の内圧を積極的に発生せしめ、オリフィス通
路54を通じて流動せしめられる流体の流通量の増大を
図ることにより、高減衰特性を発揮させることができる
のであり、また、中乃至高周波振動の入力時には、振動
板62を、入力振動と逆位相で振動させて、受圧室50
の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、低動ばね
特性を発揮させることができるのである。
【0044】そこにおいて、特に、かかるエンジンマウ
ントにあっては、可動コイル92が配設された領域の磁
界が、閉磁路上のギャップ部86によって形成されてい
ることから、そこにおける磁束密度を十分に且つ容易に
確保することができる。それによって、可動コイル92
に対して、大きな磁束密度が及ぼされることから、大き
な電磁力が発生せしめられるのであり、それ故、コンパ
クトなマウント構造をもって、振動板62の駆動力を十
分に確保することが可能となり、流体室の有効な内圧制
御が可能となることから、目的とする防振特性が十分に
発揮され得るのである。
【0045】また、可動コイル92が配設された領域の
磁界が、閉磁路上のギャップ86によって形成されてい
ることから、かかる領域内における磁束密度の均一化が
達成されることとなり、可動コイル92が変位せしめら
れた際にも、該可動コイル92に及ぼされる磁束密度、
延いては発生する電磁力が、略一定値に維持され得る。
それ故、可動コイル92に通電する電流量に略比例した
電磁力を安定して得ることが可能となることから、可動
コイル92、延いては振動板62の加振制御が容易とな
ると共に、歪みの発生が効果的に防止され得るのであ
り、それによって、受圧室50の内圧を高制度に制御す
ることが可能となり、目的とする防振特性を、より高度
に且つ安定して得ることができるのである。
【0046】しかも、振動板62の加振制御が高精度に
為され得て、受圧室50に生ぜしめられる脈動(内圧変
動)の歪みが、軽減乃至は防止されることから、そのよ
うな歪みによって、防振を目的とする周波数以外の領域
の振動が増幅される等といった不具合が問題となるよう
なこともない。
【0047】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0048】例えば、前記実施例では、受圧室50に対
して、オリフィス通路54を通じて連通された平衡室5
2が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡室
は、必ずしも設ける必要はない。
【0049】そして、それらオリフィス通路や平衡室を
有しない筒型防振装置であっても、流体室の内圧を制御
することにより、防振特性の切換制御に基づく、前述の
如き効果は、有効に発揮され得ることとなる。
【0050】また、永久磁石やヨークの形状、或いはそ
られの組付構造等は、前記実施例のものに限定して解釈
されるものでは決してなく、要求される筒型防振装置の
形状や大きさ等に応じて、適宜、変更され得るものであ
る。
【0051】更にまた、可動コイルの変位時にも、該可
動コイルに対して及ぼされる磁束密度を略一定値に、よ
り有利に維持するためには、例えば、図4に示されてい
る如く、ギャップ部98を形成するヨーク部材100,
102の軸方向長さよりも十分に長い可動コイル104
を採用したり、或いは図5に示されている如く、ギャッ
プ部98を形成するヨーク部材100,102の軸方向
長さよりも、その変位量を考慮して十分に短い可動コイ
ル106を採用することも、有効である。
【0052】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、その他、自動車用デフマウントやサスペンショ
ン・ブッシュ、或いは自動車以外の各種装置における筒
型防振装置に対しても、同様に、適用され得ることは、
勿論である。
【0053】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0054】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置において
は、可動コイルが配設されることとなる領域が、閉磁路
形態をもって形成された磁路上において、ヨークが対向
位置せしめられたギャップ部として形成されることか
ら、かかる領域において、十分且つ均一な磁束密度が確
保され得る。
【0055】それによって、可動コイルに対して大きな
磁束密度が及ぼされて、可動コイルへの通電時に、振動
板に対する大きな駆動力が発揮され得るのであり、しか
も、可動コイルが変位した際にも、それに及ぼされる磁
束密度の変化が防止されて、安定した駆動力が発揮され
得るのである。
【0056】それ故、本発明に係る流体封入式筒型防振
装置にあっては、振動板の加振を十分な駆動力をもって
且つ安定して行なうことができるのであり、それによっ
て、広い周波数域に亘る入力振動に対して、流体室の内
圧制御に基づく優れた防振特性を、安定して得ることが
できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す横断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの縦断面図で
ある。
【図3】図1に示されたエンジンマウントに用いられて
いるオリフィス金具を示す展開図である。
【図4】本発明に係る筒型防振装置において好適に採用
される、可動コイルのギャップ部への配設形態の一例を
概略的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る筒型防振装置において好適に採用
される、可動コイルのギャップ部への配設形態の別の例
を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 内筒金具 12 外筒金具 13 マウント本体 14 ゴム弾性体 15 ブラケット 50 受圧室 52 平衡室 54 オリフィス通路 58 装着孔 62 振動板 64 支持ゴム 70 副液室 72 電磁駆動手段 74 永久磁石 78 底金具 80 端部金具 84 周縁金具 86 ギャップ部 88 可動部材 90 筒壁部 92 可動コイル 98 ギャップ部 100,102 ヨーク部材 104,106 可動コイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に互いに所定距離を隔てて配され
    た内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装されたゴ
    ム弾性体にて連結せしめると共に、それら内筒金具と外
    筒金具との間に、壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成
    されて、内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室
    を、形成せしめてなる流体封入式筒型防振装置におい
    て、 前記外筒金具の外側に、前記流体室に連通されて、内部
    に所定の非圧縮性流体が封入された副液室を形成せしめ
    て、該副液室の壁部の一部を変位可能な振動板にて構成
    する一方、かかる振動板の背後に永久磁石を配設すると
    共に、該永久磁石の両極部に第一のヨークおよび第二の
    ヨークをそれぞれ接続して、それら第一のヨークと第二
    のヨークとの端部対向面間に環状のギャップ部を有する
    磁路を形成し、更にかかるギャップ部に沿って周方向に
    延びるリング状の可動コイルを変位可能に配設すると共
    に、該可動コイルを前記振動板に連結せしめて、該可動
    コイルへの通電にて前記振動板を加振するようにしたこ
    とを特徴とする流体封入式筒型防振装置。
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