JP2827844B2 - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等に
用いられる流体封入式のマウント装置に係り、特に電磁
駆動手段（電磁力を利用するものの他、電磁石による磁
力を直接利用することによって駆動力を得るものを含
む。）を用いて流体室の壁部を加振し、該流体室の内圧
を制御することにより、防振特性を外部から切り換える
ことのできる流体封入式マウント装置に関するものであ
る。

【０００２】

【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウントやサ
スペンション・ブッシュの如く、振動伝達系を構成する
部材間に介装される防振装置の一種として、互いに防振
連結されるべき部材の各一方に取り付けられる第一の取
付金具と第二の取付金具を、それら両金具間に介装され
たゴム弾性体にて連結せしめてなる構造のものが、知ら
れている。

【０００３】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、内部に所定の非圧縮性
流体が封入された流体室を、ゴム弾性体にて壁部の一部
を構成して設けると共に、かかる流体室の壁部の別の一
部を、変位可能な振動板にて構成し、この振動板をアク
チュエータにより加振せしめて、振動入力時に惹起され
る流体室の内圧を制御することにより、防振特性を入力
振動等に応じて切り換えるようにした流体封入式のマウ
ント装置が、提案されている。

【０００４】ところで、このような流体封入式マウント
装置において、振動板に駆動力を及ぼすアクチュエータ
としては、実開平３−７３７４１号公報等に示されてい
る如く、ソレノイド等による磁力や電磁力を利用した電
磁駆動手段が、電圧や電流等の電気信号によって容易に
作動制御することが可能であること等から、好適に用い
られることとなる。

【０００５】しかしながら、かくの如き電磁駆動手段に
おいては、通電電流を大きくすると発熱によるゴム部材
の耐久性の低下やマグネットの性能低下などの問題が生
じ、また大型マグネットを採用するとマウント重量の増
加などの問題が生ずるために、振動板の加振のために必
要とされる駆動力を十分に得ることが難しく、特に、自
動車用エンジンマウントの如く、マウント装置への入力
振動荷重が大きい場合には、目的とする程の流体室の内
圧変化が生ぜしめられず、実用上、十分な防振特性の切
換効果が得られ難いという問題があったのである。

【０００６】

【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、電磁駆動手段による駆動力の増大が、大幅
な発熱量や重量の増加を伴うことなく、有利に図られ
得、それによって、流体室の内圧変化が有効に生ぜしめ
られて、目的とする防振特性を安定して得ることのでき
る流体封入式マウント装置を提供することにある。

【０００７】

【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、第一の取付金具と第
二の取付金具を、それらの間に介装されたゴム弾性体に
て連結すると共に、内部に所定の非圧縮性流体が封入さ
れた流体室を、かかるゴム弾性体にて壁部の一部を構成
して設ける一方、該流体室の壁部の別の一部を、前記第
二の取付金具に対して変位可能に支持された振動板にて
構成すると共に、かかる振動板を加振する電磁駆動手段
を設けてなる流体封入式マウント装置において、前記振
動板の背後に、該振動板よりも面積の小さい加振板を配
設し、前記第二の取付金具に対して変位可能に支持せし
めると共に、それら振動板と加振板の間に、所定の非圧
縮性流体が封入された作用室を形成する一方、かかる加
振板に前記電磁駆動手段の出力軸を取り付けて、該電磁
駆動手段の駆動力が前記作用室を介して前記振動板に及
ぼされるようにしたことにある。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。

【０００９】先ず、図１には、本発明に従う構造とされ
た自動車用エンジンマウントの一具体例が示されてい
る。かかるエンジンマウントにあっては、パワーユニッ
ト側およびボデー側の各一方に取り付けられる第一の取
付金具１０と第二の取付金具１２を備えており、それら
両取付金具１０，１２が、互いに所定距離を隔てて対向
配置されていると共に、それらの間に介装されたゴム弾
性体１４によって相互に連結されている。なお、このエ
ンジンマウントは、車両への装着状態下、第一の取付金
具１０と第二の取付金具１２の間にパワーユニット荷重
が及ぼされることにより、ゴム弾性体１４が弾性変形せ
しめられて、第一の取付金具１０と第二の取付金具１２
が互いに所定量だけ接近方向に変位して位置せしめられ
ると共に、それら第一の取付金具１０と第二の取付金具
１２の略対向方向に、防振すべき主たる振動が入力され
ることとなる。

【００１０】より詳細には、第一の取付金具１０は、そ
れぞれ開口周縁部に外フランジ部１６，１８が設けられ
た略有底円筒形状を呈する上金具２０と下金具２２が、
開口側で互いに重ね合わされて、外フランジ部１６，１
８間がボルト連結されることにより構成されている。な
お、上金具２０の底壁部には、取付ボルト２４が、外方
に突出して立設されており、この取付ボルト２４によ
り、かかる第一の取付金具１０が、パワーユニット側ま
たはボデー側に取り付けられるようになっている。

【００１１】また、この第一の取付金具１０の内部に形
成された空所には、略薄肉の円板形状を呈する可撓性膜
２６が、その外周縁部を上下金具２０，２２の外フラン
ジ部１６，１８間で挟持されることにより配設されてお
り、この可撓性膜２６によって、かかる空所が上金具２
０側と下金具２２側とに、流体密に二分されている。そ
して、上金具２０側の空所が、可撓性膜２６の変形を許
容する空気室２８とされている一方、下金具２２側の空
所には、所定の非圧縮性流体が封入されており、可撓性
膜２６の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室３
０が形成されている。

【００１２】なお、平衡室３０に封入される流体として
は、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るため
に、一般に、水やアルキレングリコール、ポリアルキレ
ングリコール、シリコーン油等の低粘性流体が、好適に
採用される。

【００１３】更にまた、下金具２２の底壁部には、それ
ぞれ略円板形状を呈するオリフィス金具３２，３４が、
内外両面から重ね合わされてボルト固定されており、こ
れらオリフィス金具３２，３４と下金具２２との重ね合
わせ面間に、それぞれ周方向に延びる環状流路が形成さ
れている。そして、それらの環状流路が、下金具２２の
底壁部に設けられた貫通孔３６を通じて連通されてお
り、それによって周方向に所定長さで延び、前記平衡室
３０を、後述する受圧室３８に連通するオリフィス通路
４０が形成されている。

【００１４】一方、第二の取付金具１２は、略円環形状
を呈しており、上記第一の取付金具１０に対して、軸方
向に所定距離を隔てて略同軸上で対向配置されている。
そして、この第二の取付金具１２と上記第一の取付金具
１０との間にゴム弾性体１４が介装されており、該ゴム
弾性体１４にて両取付金具１０，１２が連結されてい
る。

【００１５】かかるゴム弾性体１４は、テーパが付され
た厚肉の円筒形状を呈しており、その小径側開口部に第
一の取付金具１０を構成する下金具２２の筒壁部外周面
が固着されている一方、大径側開口部に第二の取付金具
１２が固着されている。即ち、このゴム弾性体１４は、
下金具２２と第二の取付金具１２を有する一体加硫成形
品として形成されているのである。

【００１６】また、第二の取付金具１２には、円環形状
のスペーサ金具４２を介して、略円環板形状を呈する第
一の支持金具４４が軸方向に重ね合わされ、第二の取付
金具１２に対して流体密にボルト固定されている。更
に、この第一の支持金具４４の中央孔４６には、円板状
の第一のゴム弾性膜４８が配設され、その外周縁部が第
一の支持金具４４の内周縁部に加硫接着されている。こ
れによって、第一の支持金具４４の中央孔４６、延いて
は第二の取付金具１２の開口が流体密に閉塞されてお
り、以て、ゴム弾性体１４の内部に、所定の非圧縮性流
体が封入された受圧室３８が形成されている。

【００１７】すなわち、この受圧室３８にあっては、第
一の取付金具１０と第二の取付金具１２との間への振動
入力時に、ゴム弾性体１４の弾性変形に基づいて、内圧
変動が惹起されるようになっているのであり、また、こ
のことから明らかなように、本実施例では、かかる受圧
室３８によって流体室が構成されている。また、この受
圧室３８は、オリフィス通路４０を通じて、平衡室３０
に連通されており、振動入力時に、受圧室３８に内圧変
動が惹起された際、受圧室３８と平衡室３０の間で、オ
リフィス通路４０を通じての流体の流動が生ぜしめられ
ることにより、かかる流体の共振作用に基づいて、所定
の防振効果が発揮されるようになっている。なお、本実
施例では、オリフィス通路４０を通じて流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいて、シェイク等の低周波大振
幅振動の入力時に高減衰効果が発揮されるように、該オ
リフィス通路４０の長さや断面積等がチューニングされ
ている。

【００１８】更にまた、第一のゴム弾性膜４８の中央部
分には、円板状の振動板５０が加硫接着されている。即
ち、この振動板５０は、第一のゴム弾性膜４８を介し
て、第一の支持金具４４、延いては第二の取付金具１２
により変位可能に支持されており、かかる振動板５０に
よって、受圧室３８の壁部の一部が構成されている。

【００１９】また、この振動板５０を支持する第一の支
持金具４４には、更に、略円環板形状を呈する第二の支
持金具５４が、軸方向に流体密に重ね合わされてボルト
固定されている。更に、この第二の支持金具５４の中央
孔５６には、円板状の第二のゴム弾性膜５８が配設さ
れ、その外周縁部が第二の支持金具５４の内周縁部に加
硫接着されている。これによって、第二の支持金具５４
の中央孔５６が流体密に閉塞されており、以て、第一の
ゴム弾性膜４８と第二のゴム弾性膜５８との間に、密閉
されて内部に所定の非圧縮性流体が封入された作用室６
０が形成されている。

【００２０】更にまた、第二のゴム弾性膜５８の中央部
分には、振動板５０よりも小径の円板形状を呈する加振
板６２が加硫接着されている。即ち、この加振板６２
は、第二のゴム弾性膜５８を介して、第二の支持金具５
４、延いては第二の取付金具１２により変位可能に支持
されており、かかる加振板６２と振動板５０によって、
それぞれ、作用室６０の壁部の一部が構成されているの
である。

【００２１】さらに、第二の取付金具１２には、ブラケ
ット６４が、第二の支持金具５４に重ね合わされた状態
でボルト固定されることにより、組み付けられている。
そして、このブラケット６４により、第二の取付金具１
２が、ボデー側またはパワーユニット側に取り付けられ
るようになっている。

【００２２】また、かかるブラケット６４には、鉄等の
強磁性材料にて形成されたヨーク部材６６がボルト固定
されて、加振板６２の背後に所定距離を隔てて配設され
ている。このヨーク部材６６は、中心部に位置する円形
ブロック状の内側ヨーク部６８と、その周囲を囲むよう
に位置する円筒状の外側ヨーク部７０とが、軸方向一方
の端部で連結されてなる構造とされている。なお，内側
ヨーク部６８の中央部分には、軽量化のために、すり鉢
状の肉抜穴７２が設けられている。

【００２３】そして、かかるヨーク部材６６の外側ヨー
ク部７０の内周面に、径方向両側に磁極が形成された円
筒形の永久磁石７４が嵌め込まれて固着されている。即
ち、これらヨーク部材６６および永久磁石７４により、
永久磁石７４の内周面と内側ヨーク部６８の外周面との
対向面間に磁気ギャップ部を有する磁路が、閉磁路形態
をもって形成されているのである。

【００２４】また、それら永久磁石７４と内側ヨーク部
６８との対向面間に形成された磁気ギャップ部には、コ
イル７６が、かかるギャップ部内を軸方向（図中、上下
方向）に移動可能に配設されている。更に、このコイル
７６のボビン７８が、ギャップ部から軸方向外方に延び
出され、前記加振板６２に対して、ボルト固定されてい
る。これにより、コイル７６が加振板６２に固定的に連
結されて、一体的に変位せしめられるようになってお
り、コイル７６への通電によって生ずる電磁力が、加振
板６２に及ぼされるようになっている。

【００２５】なお、このことから明らかなように、本実
施例では、永久磁石７４，ヨーク部材６６およびコイル
７６を含んで、電磁駆動手段が構成されている。また、
磁気ギャップ部における磁束密度、延いてはコイル７６
への通電によって生ぜしめられる電磁力を有効に得るた
めに、ブラケット６４は、アルミニウム等の非磁性材料
にて形成することが望ましい。

【００２６】上述の如き構造とされたエンジンマウント
においては、コイル７６に交番電流を通電せしめて、コ
イル７６を介して加振板６２に及ぼされる電磁力を変化
させ、加振板６２を変位（振動）させることにより、そ
の変位が作用室６０を介して振動板５０に及ぼされ、以
て、振動板５０が、受圧室３８の内圧を変化させる方向
（図中、上下方向）に駆動せしめられるのである。

【００２７】それ故、コイル７６への通電を、パワーユ
ニットの運転状態や車体側への振動伝達状態等に応じて
制御せしめて、振動板５０を加振することにより、受圧
室３８の内圧を制御することができるのであり、それに
よって、マウントの防振特性を、防振すべき振動に応じ
て、適宜、変更することができるのである。具体的に
は、例えば、低周波大振幅振動の入力時には、振動板５
０を、入力振動と同位相で振動させて、受圧室３８の内
圧を積極的に発生せしめ、オリフィス通路４０を通じて
流動せしめられる流体量の増大を図ることにより、一層
優れた高減衰特性を得ることができるのであり、また、
中乃至高周波数域の小振幅振動の入力時には、振動板５
０を、入力振動と逆位相で振動させて、受圧室３８の内
圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、優れた振動遮
断特性を得ることができるのである。

【００２８】そこにおいて、特に、かかるエンジンマウ
ントにおいては、作用室６０における入力側ピストンと
して機能する加振板６２が、出力側ピストンとして機能
する振動板５０よりも小径とされており、出力側の有効
ピストン面積よりも入力側の有効ピストン面積の方が小
さく設定されていることから、加振板６２が軸方向に変
位せしめられた際には、かかる作用室６０によって、入
力側の有効ピストン面積に対する出力側の有効ピストン
面積の拡大率（加振板６２の面積に対する振動板５０の
面積の比に略対応する）の分だけ、駆動力が増幅され
て、加振板６２から振動板５０に伝達されることとなる
のである。

【００２９】従って、かかるエンジンマウントにおいて
は、永久磁石７４，ヨーク部材６６およびコイル７６を
含んで構成された電磁駆動手段によって生ぜしめられる
電磁力が、作用室６０によって増幅されて、振動板５０
に加振力として及ぼされることから、振動板５０を十分
に大きな駆動力で加振することができるのであり、それ
故、応答速度に優れ、制御が容易であるといった電磁駆
動手段の利点と相まって、受圧室３８の有効な液圧制御
が可能となり、目的とするマウント防振特性が有利に且
つ安定して発揮され得ることとなるのである。

【００３０】しかも、かかるエンジンマウントにおいて
は、作用室６０の増幅作用によって振動板５０の駆動力
が有利に得られることから、電磁駆動手段に要求される
駆動力が低減されるのであり、それ故、コイル７６の巻
線数や通電量の減少が可能となって、通電時の発熱が抑
えられ、ゴム材料の耐久性向上等が図られると共に、永
久磁石７４の小型化による軽量化も有利に図られ得ると
いった利点もある。

【００３１】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。

【００３２】例えば、前記実施例では、電磁駆動手段と
して、電磁力を利用したものを示したが、電磁石による
磁力を直接利用するタイプのものを採用することも可能
である。

【００３３】また、振動板と加振板の面積の相対比は、
使用する電磁駆動手段の特性や、マウント装置に要求さ
れる防振特性等に応じて、適宜に決定されるべきであ
り、限定されるものではない。

【００３４】更にまた、前記実施例では、振動板５０お
よび加振板６２が、第一及び第二のゴム弾性膜４８，５
８により、第二の取付金具１２に対して変位可能に支持
されていたが、そのようなゴム弾性膜の代わりに金属ベ
ローズや板ばね等を用いることも可能である。

【００３５】さらに、前記実施例では、受圧室３８に対
して、オリフィス通路４０を通じて連通された平衡室３
０が設けられていたが、それらオリフィス通路４０や平
衡室３０は、必ずしも設ける必要はない。

【００３６】また、前記実施例では、本発明を自動車用
エンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、
本発明は、その他、自動車用ボデーマウントやデフマウ
ント、或いは自動車以外の各種装置における防振装置に
対しても、同様に適用可能であり、更には、径方向に所
定距離を隔てて配設された内筒金具と外筒金具をゴム弾
性体にて連結すると共に、それら内外筒金具間に流体室
を形成せしめてなる筒型の流体封入式マウント装置に対
しても、本発明は、有利に適用され得る。

【００３７】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更，修正，改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもない。

【００３８】

【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式マウント装置において
は、電磁駆動手段による駆動力が、作用室を介して振動
板に及ぼされることにより、増幅されることから、かか
る電磁駆動手段の出力が小さくても、振動板の加振力が
有利に確保され得て、流体室に有効な内圧変化が生ぜし
められるのであり、以て、流体室の内圧制御によるマウ
ント防振特性の切換制御が効果的に行われ得て、目的と
する防振特性が有利に発揮され得ることとなるのであ
る。

【００３９】しかも、かかる流体封入式マウント装置に
おいては、作用室による駆動力の増幅効果によって、電
磁駆動手段に要求される駆動力が低減されることから、
電磁駆動手段における通電量の減少や永久磁石の小型化
等が可能となって、発熱量の軽減による耐久性向上や軽
量化なども有利に図られ得るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 第一の取付金具 １２ 第二の取付金具 １４ ゴム弾性体 ３０ 平衡室 ３８ 受圧室 ４０ オリフィス通路 ４８ 第一のゴム弾性膜 ５０ 振動板 ５８ 第二のゴム弾性膜 ６０ 作用室 ６２ 加振板 ６４ ブラケット ６６ ヨーク部材 ７４ 永久磁石 ７６ コイル ７８ ボビン

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第一の取付金具と第二の取付金具を、そ
   れらの間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、
   内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を、かか
   るゴム弾性体にて壁部の一部を構成して設ける一方、該
   流体室の壁部の別の一部を、前記第二の取付金具に対し
   て変位可能に支持された振動板にて構成すると共に、か
   かる振動板を加振する電磁駆動手段を設けてなる流体封
   入式マウント装置において、 前記振動板の背後に、該振動板よりも面積の小さい加振
   板を配設し、前記第二の取付金具に対して変位可能に支
   持せしめると共に、それら振動板と加振板の間に、所定
   の非圧縮性流体が封入された作用室を形成する一方、か
   かる加振板に前記電磁駆動手段の出力軸を取り付けて、
   該電磁駆動手段の駆動力が前記作用室を介して前記振動
   板に及ぼされるようにしたことを特徴とする流体封入式
   マウント装置。