JP2843992B2 - 放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネ
ルの製造方法に関し、さらに詳しくは水分の侵入を防
ぎ、設定性能を保証し、性能耐久性のよい放射線画像変
換パネルの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く
用いられている。
このX線画像を得るために、ハロゲン化銀感光材料に
代って蛍光体層から直接画像を取出すX線画像変換方法
が工夫されている。
この方法は、被写体を透過した放射線(一般にX線)
蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記放射線吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍
光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化する方
法である。
具体的には、例えば、米国特許3,859,527号及び特開
昭55−12144号には輝尽性蛍光体を用い可視光線又は赤
外線を輝尽励起光とした放射線画像変換方法が示されて
いる。
この方法は、輝尽性蛍光体層(以後輝尽層と略称)を
有する放射線画像変換パネル(以後変換パネルと略称)
を使用するもので、この変換パネルの輝尽層に被写体を
透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過度に対
応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成し、し
かる後にこの輝尽層を輝尽励起光で走査することによっ
て各部の蓄積された放射線エネルギーを放射させてこれ
を光に変換し、この光の強弱による光信号により画像を
得るものである。
この最終的な画像はハードコピーとして再生してもよ
いし、CRT上に再生してもよい。
この放射線画像変換方法において使用される変換パネ
ルは、放射線画像情報を蓄積した後輝尽励起光の走査に
よって蓄積エネルギーを放出するので、走査後再度放射
線画像の蓄積を行うことができ、繰返し使用が可能であ
る。
そこで、前記変換パネルは、得られる放射線画像の画
質を劣化させることなく長期間あるいは多数回繰返しの
使用に耐える性能を有することが望ましい。そのために
は、前記変換パネルの輝尽層が外部からの物理的あるい
は化学的刺激から十分に保護される必要がある。
従来の変換パネルにおいては、上記の問題の解決を図
るため、変換パネルの支持体上の輝尽層面を被覆する保
護層を設け、変換パネル周縁を密閉し、輝尽層を保護す
る方法がとられてきた。
この保護層は、例えば特開昭59−42500号に開示され
ているように、保護層用塗布液を輝尽層上に直接塗布し
て形成されるか、あるいはあらかじめ別途形成した保護
層を輝尽層上に接着する方法により形成されている。
また、変換パネル周縁の密閉には、例えば有機高分子
溶液中に変換パネルの周縁部のみを浸漬するか、あるい
は周縁部に有機高分子溶液を塗布して高分子膜を形成し
てシールする方法、周縁部をシール剤により封止し、シ
ール剤を固定部材により外側から固定する方法(特開昭
61−237099号)、周縁部が保護層の延長部分により被覆
された状態でシールする方法(特開昭61−237100号)等
が用いられている。
更に防湿性を上げるために、従来の保護層より厚めの
防湿効果の大きい保護層体を用い、支持体と保護層体の
間に輝尽層を囲んでスペーサ接着、挾在させること(特
願昭63−141522号)が提案され、更に進んで前記スペー
サをの外側に防湿材を兼ねる充填材を充填して防湿効果
を高める方法(特願昭63−141523号)が提示されてい
る。
〔解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来技術の変換パネルは、
通常の雰囲気中で使用する場合には外部からの水分の侵
入を防止することはできるものの、過酷な温度、湿度条
件下で使用する場合や水分に弱い蛍光体を用いる場合に
は依然として外部からの水分の侵入による蛍光体の劣化
が問題となっていた。
また、輝尽層上に保護層を設け、変換パネル周縁を密
閉しても、変換パネルを製造する工程中に輝尽性蛍光体
が吸湿して、変換パネルの設定特性が失われ、特性の低
下が起る。さらに、前記吸湿の程度は製造工程の雰囲気
に大きく左右されるので、変換パネル毎の特性のバラツ
キが大きく、品質信頼性が失われる等の問題がある。そ
こで、加熱乾燥の手段をとると、空気膨張による変換パ
ネルの破壊、変形が起り性能耐久性をはかる密封形態は
採用できなくなる。
前記情況に照し本発明の目的は輝尽性蛍光体への水分
の侵入による劣化を防ぎ、設定性能を保証し、かつ性能
耐久性のよい放射線画像変換パネルの提供にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、支持体、輝尽性蛍光体層及び保護層体を有
し、支持体と保護層体の間に、輝尽性蛍光体層の周縁を
取り囲むスペーサを設けて密閉する放射線画像変換パネ
ルの製造方法において、スペーサに通気口となる切欠き
を設け、放射線画像変換パネルを加熱乾燥した後、該切
欠きを封着し、密閉することを特徴として構成される。
尚本発明の態様においては、前記切欠きを封着し密閉
する際、切欠きに嵌合するスペーサ片を嵌挿し、封着、
密閉することが好ましい。
本発明により製造される変換パネルの構成としては、
支持体と保護層体が輝尽層をはさんで存在しており、輝
尽層の周縁を取り囲んでスペーサが設けられている。輝
尽層は支持体もしくは保護層体に接着されていてもよい
が、輝尽層と保護層体が接していないのが好ましく、間
に低屈折率層が存在しているのがさらに好ましい。
第1図及び第2図は本発明により製造した変換パネル
の一例を模式的に表したものであり、1は輝尽層、2は
保護層体、3は支持体、4は低屈折率層、5はスペー
サ、6は切欠きを封着した封着部材である。
第3図及び第4図は前記スペーサの外側に更に封着部
材を充填した形態を示す。
更に第5図及び第6図はスペーサの切欠き部分に切欠
きに嵌合するスペーサ片6′を嵌挿し、スペーサとの間
を封着剤によって封着した形態であり、防湿効果に寄与
する所大である。
また本発明においては、切欠き部分の内側には切欠き
孔に面して、封着部材、スペーサ片の封着に用いる封着
剤の流入による輝尽層汚損防止のための衝立部材を加熱
乾燥(脱気)に支障のない形態で設けてもよい。
本発明において用いられる保護層体としては、透光性
がよく、シート状に成形できるものが使用される。保護
層体は輝尽励起光及び輝尽発行を効率よく透過するため
に、広い波長範囲で高い光透過率を示すことが望まし
く、光透過率は80%以上が好ましい。
そのようなものとしては、例えば、硼珪酸ガラス、化
学的強化ガラス等の板ガラスや、PET、延伸ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル等の有機高分子化合物が挙げられ
る。硼珪酸ガラスは330nm〜2.6μmの波長範囲で80%以
上の光透過率を示し、石英ガラスではさらに短波長にお
いても高い光透過率を示す。
さらに、保護層体の表面に、MgF2等の反射防止層を設
けると、輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過すると
ともに、鮮鋭性の低下を小さくする効果もあり好まし
い。
また、保護層体の厚さは、50μm〜5mmであり、良好
な防湿性を得るためには、100μm〜3mmが好ましい。
支持体又は保護層体上に輝尽層を形成せしめた後、支
持体と保護層体の間に、輝尽層を取り囲んでスペーサを
設けるが、そのようなスペーサとしては、輝尽層を外部
雰囲気から遮断した状態で保持することができるもので
あれば特に制限されず、ガラス、セラミックス、金属、
プラスチック等を用いることができる。
また、スペーサは、その透湿度が30g/m2・24hr以下で
あることが好ましい。この透湿度があまり大きすぎる場
合には、外部から侵入する水分により輝尽性蛍光体が劣
化するために好ましくない。
スペーサの厚さは、輝尽層の厚さ以上の厚さであるこ
とが好ましく、スペーサの幅は、主に、このスペーサと
支持体及び保護層体との密着部分の防湿性(前記透湿
度)に関連して決定されるものであり、1〜30mmが好ま
しい。スペーサの幅があまり小さすぎる場合にはスペー
サの安定性、強度及び防湿性の点から好ましくない。ま
た、あまり大きすぎる場合には必要以上に変換パネルが
大型化するので好ましくない。
なお、スペーサと支持体及び保護層体との密着部分の
透湿度は、30g/m2・24hr以下であることが好ましい。
スペーサは、支持体と保護層体に密着していることが
変換パネルに防湿性を付与する点及び低屈折率層の層厚
を一定に保持する点から必要である。ここでスペーサを
支持体及び保護層体に密着させるには、例えば接着剤等
を用いるが、この接着剤としては防湿性を有するものが
好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、フェノール系
樹脂、シアノアクリレート系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、
エチレン酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、クロロ
プレン系ゴム、ニトリル系ゴム等の有機高分子系接着剤
や、シリコーン系接着剤、アルミナ、シリカ等を主成分
とする無機系接着剤等が挙げられる。これらのなかでも
半導体や電子部品の封止に用いられるエポキシ系樹脂や
シリコーン系樹脂は耐湿性が優れているので好ましく、
特にエポキシ系接着剤は透湿度が低く好適である。
なお、スペーサの支持体又はスペーサと保護層体との
密着部分の接着性を向上させる目的で、スペーサ、支持
体及び保護層体の他の層との接触面に下引き層を設けた
り、粗面化処理を施すこともできる。
かくして構成された変換パネルは、次に、加熱乾燥し
て輝尽層に含有された水分を除去するが、その際に、前
記スペーサに切欠きを有することが、本発明の特徴であ
る。
スペーサの切欠きは、スペーサのどの部分にあって
も、何箇所あってもよいが、好ましくは1〜2箇所であ
る。切欠きの幅は、変換パネルの大きさ、切欠きの個数
によっても異なるが、2〜40mmの間から選ばれるのが適
当である。幅が狭すぎると乾燥が十分行なわれない。ま
た、広すぎると、接着剤による封着、密閉が困難となっ
たり、耐久性が低下したりして好ましくない。
加熱乾燥は40〜100℃で0.1〜3時間行い、減圧下で行
うと除湿効果が高く好ましい。
加熱乾燥後直ちに、スペーサの切欠きは例えば前述の
接着剤を用いて封着し、密閉する。乾燥後変換パネル内
部の空気を乾燥ガスと置換すると、変換パネルの設定性
能を保持することができてより好ましい。また、切欠き
の封着、密閉は乾燥ガス雰囲気中で行なうと切欠きから
の水分の侵入を防止でき、好ましい。
本発明により製造される変換パネルは、スペーサの外
側や変換パネルの周縁を封着部材でさらに封着すると、
より防湿効果が高まり好ましい。封着は、封着部材とし
て前記の接着剤を用いたり、低融点ガラス等の封着用ガ
ラスを用いてガラス融着により封着したり、保護層体の
延長部で封着する等の方法が挙げられるが、特にガラス
融着は、気密性が優れているので好ましい。
更に切欠きに嵌合するスペーサ片を嵌挿する形態で
は、輝尽層の加熱乾燥後、スペーサ片を嵌挿し、前記し
た接着剤で封着すればよい。
この形態では、スペーサ片はスペーサと同材質のもの
が好ましい。また使用する接着剤にはヤング率と熱膨張
係数の積の値が0.3(N/m2)(0K-1)以下のものが好ま
しい。
本発明により製造される変換パネルにおいては、輝尽
層と保護層体の間に低屈折率層を有していると保護層体
による鮮鋭性の低下が抑制されるので好ましい。
この低屈折率層はスペーサにより外部雰囲気から遮断
された状態で存在するものであり、このように低屈折率
層を設けることにより保護層体の厚さを実質的により厚
くすることができるために、変換パネルの防湿性及び耐
久性をいっそう向上させることができる。
そのような低屈折率層としては、空気、窒素、アルゴ
ン等の不活性な気体からなる層及び真空層などの屈折率
が実質的に1である層;エタノール(屈折率1.36)、メ
タノール(屈折率1.33)及びジエチルエーテル(屈折率
1.35)等の液体からなる層にすることもできる。低屈折
率層はこれ等以外にも、例えば、CaF2(屈折率1.23〜1.
26)、Na2AlF6(屈折率1.35)、MgF2(屈折率1.38)、S
iO2(屈折率1.46)等の物質からなる層にすることもで
きる。
本発明により製造される変換パネルの低屈折率層とし
ては、気体層又は真空層であることが、鮮鋭性の低下を
防止する効果が高いことから好ましい。
低屈折率層の厚さは、0.05μm〜3mmまでが実用的で
ある。
低屈折率層に、鮮鋭性の低下を小さくするという効果
を十分に付与するためには低屈折率層が輝尽層と密着状
態にあることが好ましい。従って、低屈折率層が液体
層、気体層及び真空層の場合にはそのままでよいが、低
屈折率層を上記のCaF2,Na3AlF6、MgF2、SiO2などで保護
層体の表面に形成した場合などには、輝尽層と低屈折率
層を例えば接着剤などにより密着させる。この場合には
接着剤の屈折率は輝尽層の屈折率に近似したものである
ことが好ましい。
本発明において使用される輝尽性蛍光体は、最初の光
もしくは高エネルギー放射線が照射された後に、光的、
熱的、機械的、化学的又は電気的等の刺激(輝尽励起)
により、最初の光もしくは高エネルギー放射線の照射量
に対応した輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面
から好ましくは500nm以上の励起光によって輝尽発光を
示す蛍光体である。そのような輝尽性蛍光体としては、
例えば特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:AX、
特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:AX、特開昭5
3−39277号のLi2B4O7:Cu,Ag等、特開昭54−47883号のLi
2O・(B2O2)x:Cu及びLi2O・(B2O2)x:Cu,Ag等、米国
特許3,859,527号のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La2O2S:Eu、
Sm及び(Zn,Cd)S:Mn,で示される蛍光体が挙げられる。
また、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb
蛍光体、一般式BaO・xAl2O3:Euで示されるアルミン酸バ
リウム蛍光体、及び一般式MIIO・xSiO2:Aで示されるア
ルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体が挙げられる。また、特
開昭55−12143号に記載されている一般式 (Ba1 x yMgxCay)FX:eEu2+ で示されるアルカリ土類弗化ハロゲン化物蛍光体、特開
昭55−12144号に記載されている一般式 LnOX:xA で示される蛍光体、特開昭55−12145号に記載されてい
る一般式 (Ba1MIIx)FX:yA で示される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されてい
る一般式 BaFX:xCe.yA で示される蛍光体、特開昭55−160078号に記載されてい
る一般式 MIIxFX・xA:yLn で示される希土類元素付活2価金属フルオルハライド蛍
光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A、S:A,ZnS:A,
X及びCdS:A,Xで示される蛍光体、特開昭59−38278号に
記載されている下記いずれかの一般式 xM3(PO4・NX2:yA M3(PO42:yA で示される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されてい
る下記のいずれかの一般式 nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で示される蛍光体、特開昭61−72087号に記載されてい
る下記一般式 MIX・aMIIX′・bMIIIX″3:cA で示されるアルカリハライド蛍光体等が挙げられる。特
にアルカリハライド蛍光体は、蒸着・スパッタリング等
の方法で輝尽層を形成しやすく好ましい。
また、アルカリ土類フルオルハライド蛍光体、アルカ
リハライド蛍光体は特に水分による劣化が著しく、本発
明による効果が大きい。
しかし、本発明において用いられる輝尽性蛍光体は、
前述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射し
た後輝尽励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体
であればいかなる蛍光体であってもよい。
本発明の方法においては、前記輝尽性蛍光体の層は、
支持体や保護層上に塗布法や気相成長法等を用いて形成
せしめる。
そのような輝尽層は、前記の輝尽性蛍光体の少なくと
も一種類を含む一つ若しくは二つ以上の輝尽層から成る
輝尽層群であってもよい。また、それぞれの輝尽層に含
まれる輝尽性蛍光体は同一であってもよいが異なってい
てもよい。
変換パネルの輝尽層の層厚は、目的とする変換パネル
の放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって
異なるが、結着剤を含有しない場合10μm〜1000μmの
範囲、好ましくは20μm〜800μmの範囲から選ばれ、
結着剤を含有する場合で20μm〜1000μmの範囲、好ま
しくは50μm〜500μmの範囲から選ばれる。
本発明において使用される支持体としては各種の高分
子材料、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
高分子材料としては例えばセルロースアセテートフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリ
カーボネート等のフィルムが挙げられる。金属として
は、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シート又は
金属板或は該金属酸化物の被覆層を有する金属シート又
は金属板が挙げられる。ガラスとしては化学的強化ガラ
スや結晶化ガラスなどが挙げられる。またセラミックス
としてはアルミナやジルコニアの焼結板などが挙げられ
る。
また、これら支持体の層厚は用いる支持体の材質等に
よって異なるが、一般的には80μm〜5mmであり、取り
扱いが容易であるという点及び良好な防湿性を得るとい
う点から、好ましくは200μm〜3mmである。
これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性
蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面として
もよい。また、支持体の表面は凹凸面としてもよいし、
個々に独立した微小タイル状板を密に配置した表面構造
としてもよい。
さらに、これら支持体上には、輝尽層との接着性を向
上させる目的で輝尽層が設けられる面に下引層を設けて
もよいし、必要に応じて光反射層、光吸収層等に設けて
もよい。
本発明により製造される変換パネルは、第7図に概略
的に示される放射線画像変換方法に用いられる。
すなわち、放射線発生装置41からの放射線は、被写体
42を通して変換パネル43に入射する。
この入射した放射線はパネル43の輝尽層に吸収され、
そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形
成される。
次にこの蓄積像を輝尽励起光源44からの輝尽励起光で
励起して輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギー
量に比例するので、この光信号を例えば光電子増倍管等
の光電変換装置45で光電変換し、画像再生装置46によっ
て画像として再生し画像表示装置47によって表示するこ
とにより、被写体の放射線透過像を観察することができ
る。
本発明の方法により変換パネルを製造すれば、加熱乾
燥により水分を除去した輝尽層を乾燥状態のままに保つ
ことができるので、変換パネルの設定性能を保証するこ
とができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によって説明する。
実施例1 1mm厚の結晶化ガラス支持体(400mm×500mm)を、エ
レクトロンビーム法(EB法)による蒸着装置中に設置し
た。次いで、水冷した坩堝にアルカリハライド蛍光体
(RbBr;0.0006Tl)を入れ、プレスして坩堝の形状に成
形した。
続いて、蒸着装置内に排気っし、5×10-6Torrの真空
度とした。次に、支持体を80〜100℃に保持しながら、E
Bガンに電力を供給して輝尽性蛍光体を蒸発させた。
目的とする輝尽層を得るために膜厚モニタにより蒸着
速度が104Å/minとなるようにコントロールした。ま
た、電子ビームは坩堝の輝尽性蛍光体表面をラスター状
にスキャンさせた。
輝尽層の層厚が300μmとなったところで蒸着を終了
させた。
前記輝尽層上に、400μm厚さの空気層が設けられる
ように、厚さ700μmで幅5mmのガラスのスペーサを第1
図に示したように配置し、スペーサには1箇所切欠き
(幅10mm)を設けた。スペーサと支持体はエポキシ樹脂
系接着剤(AV−138,チバガイギー社製)にて密着した。
次いで、厚さ1mmのガラスの保護層体をスペーサ上に
載置し、スペーサと保護層体が接する部分を上記のエポ
キシ樹脂系接着剤にて密着した。
このものを1×10-2mmHgの減圧下、80℃で2時間加熱
乾燥した後、直ちにスペーサの切欠きを上記のエポキシ
樹脂系接着剤にて封着して密閉し、第1図に示した変換
パネルを製造した。
かくして得られた放射線画像変換パネルについての評
価は、変換パネルを、45℃、85%RHの条件下で60日間及
び120日間放置して強制劣化させ、感度低下率及びフェ
ーディング低下率を調べることにより行なった。
また、支持体上の輝尽層を保護層体及びスペーサによ
り封着、密閉(封止)して本発明により変換パネルを製
造した場合の封止前後での感度低下率及びフェーディン
グ低下率を調べ、変換パネル製造時の性能劣化を評価し
た。なお、封止前のプレートの性能は水分の影響を除去
するため、真空中で評価し、基準とした。結果を第2表
に示した。
感度低下率:P 管電圧80KVpのX線を10mR照射し、t秒後に半導体レ
ーザ光(780nm、20mW)で輝尽励起し、輝尽層から放射
される輝尽発光を光検出器(光電子増倍管)で光電変換
し、得られた電気信号の大きさを変換パネルの感度S
(t sec)とした。
X線照射から5秒後における、封止前の変換パネルの
感度S05sec)、封止後の強制劣化試験前の変換パネル
の感度Sst5sec)及び強制劣化試験後の変換パネルの
感度S605sec)から感度低下率(P)を次式により求
めた。
フェーディング低下率:Q X線を照射してからレーザ光で信号を読取るまでの間
における蓄積エネルギーの減衰率、すなわちフェーディ
ング:Fは次式により求められる。
ただし、S(120sec)はX線照射から120秒後の感度、
S(5sec)は5秒後の感度を表す。
封止前の変換パネルのフェーディングF0、封止後の強
制劣化試験前のフェーディングFst及び強制劣化試験後
のフェーディングF60から次式によりフェーディング低
下率(Q)を求めた。
鮮鋭性 強制劣化試験前の変換パネルについて、空間周波数1l
p/mmにおけるMTF(変調伝達関数 %)を求め、変換パ
ネルの鮮鋭性を評価した。
実施例2〜5 変換パネルの真空乾燥条件及び切欠き部の幅、密閉に
用いる封着剤を第1表に示したようにしたことを除いて
は実施例1と同様にして変換パネルを製造した。ただ
し、実施例4は、実施例1の真空乾燥のかわりに保護層
体を封着する前に真空乾燥を行なった。
得られた変換パネルについて実施例1と同様の評価を
行なった。
実施例6 ガラスのスペーサの厚さを300μm、ガラスの保護層
体の厚さを500μmとし、保護層体と輝尽層との接着面
をポリウレタン系接着剤(セメダイン1300、セメダイン
社製)で接着した以外は実施例1と同様にして変換パネ
ルを製造し、得られた変換パネルを評価した。
実施例7 実施例1において、スペーサの切欠きをエポキシ樹脂
系接着剤で封着して密閉した後、スペーサの外周て支持
体と保護層体との間隙部を実施例1で使用したエポキシ
樹脂系接着剤で封着した以外は実施例1と同様にして変
換パネルを製造し、得られた変換パネルを評価した。
実施例8 輝尽層を下記の方法で形成した以外は実施例1と同様
にして本発明による変換パネルを製造した。
輝尽層の形成方法は次のとおりである。まず、平均粒
子径2μmのBaFBr:Eu蛍光体8重量部及びポリビニルブ
チラール(結着剤)1重量部を溶剤(シクロヘキサノ
ン)を用いて分散して塗布液とした。次に、この塗布液
を水平に置いた実施例1と同様の支持体上に均一に塗布
し、一昼夜放置して輝尽層を形成した。
得られた変換パネルについて実施例1と同様の評価を
行なった。
実施例9 実施例1において、スペーサの切欠きをエポキシ樹脂
系接着剤で封着した後、更に切欠き幅と同じ幅のガラス
のスペーサ片を嵌挿して密閉した以外は実施例と同様に
して変換パネルを得た。
実施例10 スペーサ片にアクリル樹脂を用いた以外は実施例9と
同様にして変換パネルを得た。
実施例9及び10で得た変換パネルについて実施例1と
同様の評価を行った。
比較例(1) 実施例1と同様にして輝尽層を作成した後、輝尽層上
に厚さ1mmのガラス保護層体を重ね、更に、輝尽層の周
縁部分を実施例1で用いたのと同じエポキシ樹脂系接着
剤で封着し、変換パネルを製造した。得られた変換パネ
ルについて実施例1と同様の評価を行なった。
比較例(2) ガラス保護層体を用いるかわりに、厚さ10μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は比較例
(1)と同様にして変換パネルを製造した。得られた変
換パネルについて実施例1と同様の評価を行なった。
実施例2〜10及び比較(1)〜(2)の変換パネルに
ついての評価の結果を第2表に併記した。
〔発明の効果〕 第2表より、実施例1〜10の本発明の方法により製造
した変換パネルは、製造時の水分の侵入をほとんど完全
に防止することができるため、水分による感度及びフェ
ーディング特性の劣化が著しく小さく、変換パネル製造
時の性能(設定性能)を充分に保ちえた。また、高温、
高湿度下でも設定性能を長期間維持し、優れた耐久性を
有していた。ただし、実施例6は輝尽層と保護層との間
に低屈折率層を有しないので画像の鮮鋭性が劣化した。
また、実施例7は更に長期間の強制劣化に対しても性能
の劣化が極めて少なかった。更に実施例9のように切欠
きガラスのスペーサ片を嵌挿することによって、一層の
高耐久性を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は、本発明により製造した放射線画像変
換パネルの実施例の平面図及び断面図であり、第2図は
第1図のA−A′断面図であり、第4図は第3図のB−
B′断面図であり、第6図は第5図のC−C′断面図で
ある。第7図は放射線画像変換パネルを用いる放射線画
像変換方法の説明図である。 1……輝尽層 2……保護層体 3……支持体 4……低屈折率層 5……スペーサ 6……封着部材(切欠き部分) 6′……スペーサ片 41……放射線発生装置 42……被写体 43……放射線画像変換パネル 44……輝尽励起光源 45……光電変換装置 46……放射線画像再生装置 47……放射線画像表示装置 48……フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−237099(JP,A) 特開 昭61−237100(JP,A) 特開 昭63−216000(JP,A) 特開 平1−316697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21K 4/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体、輝尽性蛍光体層及び保護層体を有
    し、支持体と保護層体の間に、輝尽性蛍光体層の周縁を
    取り囲むスペーサを設けて密閉する放射線画像変換パネ
    ルの製造方法において、スペーサに通気口となる切欠き
    を設け、放射線画像変換パネルを加熱乾燥した後、該切
    欠きを封着し、密閉することを特徴とする放射線画像変
    換パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記切欠きを封着し密閉する際、切欠きに
    嵌合するスペーサ片を嵌挿し、封着、密閉することを特
    徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネルの製造
    方法。
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