JP2837709B2 - 重合体組成物 - Google Patents

重合体組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリフェニレンエーテルおよび結晶性水添
ブロック共重合体を含んだ耐溶剤性、光透過性、耐熱
性、耐衝撃性、成形加工性に優れた重合体組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
ポリフェニレンエーテルは光透過性、機械的特性、電
気的特性、耐熱性、耐吸水性、および寸法安定性に優れ
るものの、成形加工性や耐衝撃性に劣るという欠点があ
る。そこで、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレ
ン等とブレンドしてこれらの欠点を改良し、上記の特長
を生かして電気・電子部品、事務機器ハウジング、自動
車部品、精密部品などに広く利用されている。
しかしながら、このポリフェニレンエーテルとハイイ
ンパクトポリスチレンからなる古典的なポリフェニレン
エーテル樹脂組成物(米国特許第3383435号明細書に開
示されている)は、耐衝撃性が改善される反面、光透過
性の無い樹脂組成物を与え、またハイインパクトポリス
チレンをポリスチレンに置き換えて得られるポリマーア
ロイは光透過性を与えるものの耐衝撃性に劣るという欠
点を有している。これらスチレン系樹脂を配合したポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物はこれらの個々の性能を
個別的に改良できるが、一方光透過性と耐衝撃性の両性
能を同時に改良できないのが実状である。
これに対して、本出願人はこれらの問題点を解決すべ
く特公昭51−27256号公報で、ポリスチレン系樹脂とポ
リフェニレンエーテルとゴム様物質よりなり、ゴム様物
質の粒子径が0.1μm以下であることを特徴とする透明
性を有する耐熱性、耐衝撃性樹脂組成物を提案した。
そして更に、本出願人は特開昭62−241948号公報にお
いて、ポリフェニレンエーテルと特定の構造を有する水
添ブロック共重合体を含んだ組成物が耐油性に優れたエ
ラストマー組成物を与えることを見いだし提案した。
また、特開昭50−71742号公報には、結合したビニル
芳香族化合物量を2〜33重量%含有する水添ブロック共
重合体をポリフェニレンエーテルに配合することにより
高い熱変形温度、高い熱酸化抵抗、良好な耐溶剤性をも
つポリフェニレンエーテル組成物が提案されており、特
開昭56−95949号公報には、ビニル芳香族化合物と飽和
ゴムとの選択的に水素化されたラジアルテレブロック共
重合体をポリフェニレンエーテルに配合することによ
り、従来より公知のスチレン系樹脂および/または可塑
化加工助剤を使用することなく高い衝撃強度をもつ成形
用組成物が提案されている。
また、同様なポリフェニレンエーテルと水添ブロック
共重合体のブレンドに関するレポートとしては、D.K.Yo
shimuraらの『Gaging therheological behavior of tri
block polymer blends,Modern Plastics Internationa
l,17,No.4,56〜58(1987)』が有り、さらにポリフェニ
レンエーテルとスチレン−ブタジエンブロック共重合体
のブレンドに関して、P.S.Tuckerらの『Thermal,Mechan
ical,and Morphological Analyses of Poly(2,6−dime
thyl−1,4−phenylen oxide)/Styrene−Butadiene−St
yrene Blends,Macromolecules,21,1678〜1685(198
8)』が有る。
この他に、米国特許第4,145,377号明細書では、ポリ
フェニレンエーテルまたはポリフェニレン エーテルお
よびスチレン系樹脂をポリオレフィン/水添ブロック共
重合体=20〜80重量部/80〜20重量部からなる予備混合
物および水添ブロック共重合体とブレンドすることによ
り耐衝撃性、耐溶剤性を改良する記載がなされ、さらに
米国特許第4,166,055号明細書および米国特許第4,239,6
73号明細書では、ポリフェニレンエーテルを水添ブロッ
ク共重合体およびポリオレフィンとブレンドすることに
より耐衝撃性を改良する記載がなされ、そしてさらに米
国特許第4,383,082号明細書およびヨーロッパ公開特許
第115712号明細書ではポリフェニレンエーテルをポリオ
レフィンおよび水添ブロック共重合体とブレンドするこ
とにより耐衝撃性を改良する記載がなされている。
そしてさらに、同様な目的で上記の米国特許第4,145,
377号明細書に開示されている内容の範疇に属するもの
として特開昭63−2235642号が提案されており、ここで
はポリフェニレンエーテルとポリプロピレンと更に特定
の構造を有する水添ブロック共重合体からなる成形加工
性、耐油性、耐薬品性の良好な組成物が提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記した先行技術のうち、水添ブロッ
ク共重合体とポリフェニレンエーテルの二元系から成る
樹脂組成物は、確かに耐衝撃強度の改善がある程度達成
されるものの、これら公知技術で開示されている水添ブ
ロック共重合体とポリフェニレンエーテルを溶融ブレン
ドした組成物は実質的に光透過性の無い不均質な組成物
しか与えていないのが現状であり、またこれら水添ブロ
ック共重合体を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成
物は、水添ブロック共重合体を少量含むごく限られた組
成領域だけが良好な組成物を与えるだけで、実質的には
水添ブロック共重合体とポリフェニレンエーテルの相溶
性の不一致に起因して、得られる樹脂組成物の層剥離現
象がもたらされているのが現状である。
そして、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐油
性、耐薬品性等の性質改善に関する先行技術である米国
特許第4,145,377号および特開昭63−225642号公報も、
第三成分としてポリオレフィンを添加することによって
確かに該性質改善が成し遂げられるものの、樹脂組成物
に層剥離現象があったり、耐熱性のレベルが充分でない
のが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、このような現状に鑑み検討を進
めたところ、ポリフェニレンエーテルと結晶性水添ブロ
ック共重合体を含んだ重合体組成物が特定の特徴を示す
ことにより、耐溶剤性、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性
に優れた重合体組成物を与えること、さらにヘイズ値
(ASTM−D1003;1mmシート厚)が50%以下の値を示す光
透過性を示す重合体組成物も与えることを見いだし本発
明に到達したものである。
すなわち、本発明は、 ポリフェニレンエーテルと60〜150℃に融点(DSC測
定)を持ち、かつ下記(II)式で求めた結晶化度
(C′)が2〜60%である結晶性水添ブロック共重合体 C′=14H′÷4019×100% ……(II) 〔式中、H′はDSCで測定した水添ブロック共重合体の
水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロック部分の結晶化エネルギー(mJ/mg)を表わす〕を
含んだ重合体組成物であり、 融点(DSC測定)が実質的に60〜150℃に少なくとも一
つ存在し、かつ 下記(I)式で求めた組成物の結晶化度(C)が0.15
〜50%であることを特徴とする重合体組成物 C=14H÷4019×100% ……(I) 〔式中のHは前記のとおりのものを表わす〕 を提供するものである。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明で用いるポリフェニレンエーテル(以下、単に
PPEと略記する)は、 結合単位: 〔ここで、R1,R2,R3,およびR4はそれぞれ、水素、ハロ
ゲン、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から
選択されるものであり、互いに同一でも異なっていても
よい〕からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶
液、30℃測定)が、0.15〜0.70の範囲、より好ましくは
0.20〜0.60の範囲にあるホモ重合体および/または共重
合体である。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重
合体等が好ましく、中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)が好ましい。
かかるPPEの製造方法は公知の方法で得られるもので
あれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許
第3306874号明細書記載のHayによる第一銅塩とアミンの
コンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−キシレ
ノールを酸化重合することにより容易に製造でき、その
ほかにも米国特許第3306875号明細書、米国特許第32573
57号明細書、米国特許第3257358号明細書、および特公
昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63
−152628号公報等に記載された方法で容易に製造するこ
とができる。
また、本発明で用いるPPEは、上記したPPEのほかに、
該PPEとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体と
をラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶解
状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させる
ことによって得られる変性(0.01〜10重量%がグラフト
または付加)PPEであってもよく、さらに上記したPPEと
該変性PPEの任意の割合の混合物であってもかまわな
い。
つぎに本発明で用いる結晶性水添ブロック共重合体
は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック共
重合体を水素添加して得られるものであり、実質的な融
点を60〜150℃に少なくとも一つ持ち、かつ、その水素
添加された共役ジエン化合物を主体とする共重合体ブロ
ックの結晶化度(C′)が2〜60%である結晶性水添ブ
ロック共重合体である。
この水添ブロック共重合体の結晶化度(C′)は、下
記(II)式によって求めることができる。
C′=14H′÷4019×100% ……(II) 〔ここで、(C′);結晶性水添ブロック共重合体の結
晶化度(%)、係数14は−CH2−繰り返し単位の分子量
(g/mol)を表し、H′はDSCで測定した水添ブロック共
重合体の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロック部分の結晶化エネルギー(mJ/mg)を表
し、係数4019は−CH2−の繰り返し単位が100%の結晶化
度を示す場合の結晶化エネルギー(J/mol)を表す。な
お、サンプルの状態調整は23℃で24時間行ない、測定は
ASTM−D3418−82に準拠した。〕 かかる特徴を有する結晶性水添ブロック共重合体の製造
方法は、これらの特徴を示すものであれば特に限定され
るものではなく、水添する前のブロック共重合体をアニ
オン重合する際の添加するビニル化剤(ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランの如きエーテル化合物や、トリ
エチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミンの如き第3級アミンや、ヘキサメチルホスホアミ
ドの如きホスフィン化合物)の量を調整し、例えば特開
昭62−241948号公報に記載された内容およびそれに準じ
た方法で容易に製造することができる。
本発明の重合体組成物は上記したポリフェニレンエー
テルと上記した結晶性水添ブロック共重合体を含んだ組
成物であり、該組成物の特徴として、 融点(DSC測定)が実質的に60〜150℃に少なくとも一
つ存在し、かつ 下記(I)式で求めた組成物の結晶化度(C)が0.15
〜50%を満たした重合体組成物である。
C=14H÷4019×100% ……(I) 〔ここで、C;組成物の結晶化度(%)、係数14は−CH2
−繰り返し単位の分子量(g/mol)を表し、HはDSCで測
定した60〜150℃に融点をもつ結晶成分の結晶化エネル
ギー(mJ/mg)を表し、係数4019は−CH2−の繰り返し単
位が100%の結晶化度を示す場合の結晶化エネルギー(J
/mol)を表す。なお、サンプルの状態調整は23℃で24時
間行ない、測定はASTM−D3418−82に準拠した。〕 かかるの融点は組成物中に含まれる結晶性水添ブロ
ック共重合体に基づく結晶融点であり、60℃に満たない
場合は、得られる重合体組成物の耐溶剤性が悪く好まし
くなく、また、150℃を超えることは耐熱性、耐溶剤性
の面から好ましいものであるが、現実的に結晶性水添ブ
ロック共重合体が150℃以上の結晶融点を持つことは困
難である。
また、かかるの組成物の結晶化度(C)は60〜150
℃に融点を持つ結晶成分の結晶化度であり、この値が0.
15%に満たない場合は、得られる重合体組成物の耐溶剤
性が悪く好ましくなく、また、50%を超える場合は耐溶
剤性は良好なものの耐熱性とのバランスが悪化し好まし
くない。
なお、上記した融点は示差走査熱量測定(differenti
al scanning calorimetry)によって容易に求めること
ができる。また上記した組成物の結晶化度(C)は、か
かる示差走査熱量測定(DSC)で求めた組成物の60〜150
℃に融点を持つ結晶成分のエンタルピー変化量(H;mJ/m
g)を求め、上記した式(I)を用いることにより求め
ることができる。
また、組成物中に含まれる結晶性水添ブロック共重合
体の融点および結晶化度(C′)は、重合体組成物に含
まれる結晶性水添ブロック共重合体を含まれるポリフェ
ニレンエーテルと分離し、得た結晶性水添ブロック共重
合体を示差走査熱量測定(DSC)し、60〜150℃に融点を
持つ結晶性水添ブロック共重合体のエンタルピー変化量
(H′:mJ/mg)を求め上記した式(II)を用いることに
より求めることができる。
なお、かかる重合体組成物に含まれる結晶性水添ブロ
ック共重合体とポリフェニレンエーテルの分離方法は特
に限定されるものではないが、例えばトルエン、キシレ
ン等の溶媒に重合体組成物を完全に溶解し、この溶液を
多量の60℃以上に加熱したシクロヘキサン中に滴下し
て、結晶性水添ブロック共重合体を60℃以上のシクロヘ
キサン溶解物として得ることができる。
本発明は、上記したポリフェニレンエーテルと結晶性
水添ブロック共重合体を含んだ重合体組成物を提供する
ものであるが、本発明の特徴を損わない程度にポリスチ
レン系樹脂(ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレ
ン等)、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂等の非結晶
性樹脂、融点が60〜150℃の結晶性熱可塑性樹脂や融点
が60℃未満または実質的に融点を示さない非結晶性の水
添ブロック共重合体、および、特開昭62−241948号に記
載された非芳香族系ゴム用軟化剤を除外した各種可塑剤
(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチ
レングリコール、脂肪酸エステル類等)、耐熱安定剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、
離形剤、芳香族ハロゲン化合物、芳香族リン酸エステ
ル、赤りん、三酸化アンチモン等の難燃剤や、ガラス繊
維、炭素繊維等の繊維状補強剤や、ガラスビーズ、炭酸
カルシウム、タルク等の充填剤や導電性金属繊維、導電
性カーボンブラック等を添加し、素材として目的とする
数々の機能を付与することができる。
本発明の重合体組成物は、上記した各成分を用いて種
々の方法で製造することができる。例えば、単軸押出
機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラ
ストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練
方法が挙げられるが、中でも押出機を用いた溶融混練方
法が最も好ましい。この際の混練温度は特に限定される
ものではないが通常150〜350℃の中から任意に選ぶこと
ができる。
このようにして得られる本発明の重合体組成物は、従
来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形
(シート、フィルム)、中空成形により各種部品の成形
体として成形できる。これら各種部品として例えば自動
車部品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダ
ー、ドアーパネル、モール、エンブレム、エンジンフー
ド、ホイールカバー、ルーフ、スポイラー等の外装部品
や、インストゥルメントパネル、コンソールボックスト
リム等の内装部品等に適しており、さらに電気機器の内
外装部品として好適に使用でき、具体的にはOA機器、テ
レビ、ビデオ、冷蔵庫等の部品用途に適している。
〔発明の効果〕
本発明は、ポリフェニレンエーテルと結晶性水添ブロ
ック共重合体を含んだ重合体組成物で有り、 融点(DSC測定)が実質的に60〜150℃に少なくとも一
つ存在し、かつ 下記(I)式で求めた組成物の結晶化度(C)が0.15
〜50% C=14H÷4019×100% ……(I) 〔ここで、C;組成物の結晶化度(%)、係数14は−CH2
−繰り返し単位の分子量(g/mol)を表し、HはDSCで測
定した60〜150℃に融点をもつ結晶成分の結晶化エネル
ギー(mJ/mg)を表し、係数4019は−CH2−の繰り返し単
位が100%の結晶化度を示す場合の結晶化エネルギー(J
/mol)を表す〕 の特徴を示すため、耐溶剤性が改善された重合体組成物
をもたらし、さらにこれらの上記した特定の範囲内で光
透過性、耐熱性、成形加工性に優れた重合体組成物も提
供することができる。
〔実 施 例〕
本発明の実施例によってさらに詳細に説明するが、こ
れらの実施例により限定されるものではない。
〈参考例1:PPEの調製〉 酸素吹き込み口を反応器底部に有し、内部に冷却用コ
イル、撹拌羽根を有するステンレス製反応器内部を窒素
で充分置換した後、臭化第2銅53.6g、ジ−n−ブチル
アミン1110g、さらにトルエン20、n−ブタノール16
、メタノール4の混合溶媒に2,6−キシレノール8.7
5Kgを溶解して反応器に仕込んだ。撹拌しながら反応器
内部に酸素を吹き込み続け、180分間重合を行なった。
なお、内温は30℃に維持するため、重合中冷却コイル
に水を循環させた。重合終了後、析出したポリマーを濾
別しメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残
存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分洗浄し
た後乾燥し、淡黄白色粉末状のPPE(還元粘度0.59)を
得た。このポリマーをPPEとする。さらに、このPPE
を特開昭63−152628号公報に記載された方法で、スチレ
ンモノマーをPPE末端にクロマン構造付加させ、PPEを
得た。
〈参考例2:水添ブロック共重合体の調製〉 窒素置換した50の撹拌機、ジャケット付きオートク
レーブにシクロヘキサン33.1、スチレン1.16Kgを仕込
み撹拌しながら70℃に昇温した。さらに、sec.−ブチル
リチウム8.9gを添加し70℃で60分間重合した。その後ブ
タジエン2.31Kgをオートクレーブに供給し70℃で90分間
重合した。所定時間ブタジエンを重合した後さらにスチ
レン1.16Kgをオートクレーブに供給し70℃で60分間重合
を続け、全体としてポリスチレン−ポリブタジエン−ポ
リスチレンの構造を有するブロック共重合体を得た。こ
こで得たブロック共重合体を分析したところ、結合スチ
レン量50重量%、ポリスチレンブロックセグメントの数
平均分子量8,300、ポリマー全体の分子量分布1.03、ポ
リブタジエンブロックセグメントの1,2結合量が11%で
あった。ここで得たブロック共重合体をさらに特公昭63
−5401号公報の実施例1〜12と同様にして水素添加反応
を実施し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンの構造を有しポリブタジエンブロック
セグメント部の水添率99.9%、DSCで測定した融点が96
℃、水素添加されたポリブタジエン部の結晶化度15.3%
の水添ブロック共重合体(HTRとする)を合成した。
さらにモノマー量、触媒量を変え、モノマーの添加方
法を2回にし、ビニル化剤としてテトラヒドロフランを
用いたほかはHTRと同様な重合方法および水素添加方
法を実施し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジ
エンの構造を有し、結合スチレン量45重量%、ポリスチ
レンブロックセグメントの数平均分子量23,000、ポリマ
ー全体の分子量分布1.03、水添前のポリブタジエンセグ
メントの1,2結合量が19%、水添率99.9%、融点61℃、
水素添加されたポリブタジエン部の結晶化度6.1%の水
添ブロック共重合体を合成した。ここで得たポリマーを
THRとする。
さらにモノマー量、触媒量を変え、ビニル化剤として
シクロヘキサンにテトラメチルエチレンジアミンを添加
したほかはTHRと同様な重合方法および水素添加方法
を実施し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量60重量
%、2個のポリスチレンブロックセグメントの数平均分
子量が25,000を有し、ポリマー全体の分子量分布1.05、
水添前のポリブタジエンセグメントの1,2結合量が各々2
2%,38%、水添率が共に99.9%、融点が各々50℃,29.8
℃、水素添加されたポリブタジエン部の結晶化度が各々
3.2%,1.1%の水添ブロック共重合体を合成した。ここ
で得たポリマーをTHRおよびTHRとする。
そしてさらに、モノマー量、モノマーの添加順序、触
媒量を変え、モノマーの添加方法を4回にしたほかはTH
Rと同様な重合方法および水素添加方法を実施し、水
素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加
されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結
合スチレン量60重量%、ポリスチレンブロックセグメン
トの数平均分子量30,000を有し、ポリマー全体の分子量
分布1.68、水添前のポリブタジエンセグメントの1,2結
合量が12%、水添率99.9%、融点91℃、水素添加された
ポリブタジエン部の結晶化度9.2%の水添ブロック共重
合体を合成した。ここで得たポリマーをHTRとする。
そしてさらに、モノマー量、モノマーの添加順序、触
媒量を変え、ビニル化剤としてテトラヒドロフランを用
い、モノマーの添加方法を2回にし、さらに所定重合後
にカップリング剤として四塩化珪素をsec.−ブチルリチ
ウムの1/4倍モル用いカップリングさせたほかはHTRに
準じた重合方法および水素添加方法を実施し、(ポリス
チレン−水素添加されたポリブタジエン)4−Siの構造
を有し、結合スチレン量30重量%、ポリスチレンブロッ
クセグメントの数平均分子量19,000を有し、ポリマー全
体の分子量分布1.68、水添前のポリブタジエンセグメン
トの1,2結合量が15%、水添率99.9%、融点81℃、水素
添加されたポリブタジエン部の結晶化度14.2%の水添ブ
ロック共重合体を合成した。ここで得たポリマーをHTR
とする。
さらに、モノマー量、触媒量、ビニル化剤としてテト
ラメチルエチレンジアミンの量を変えたほかはHTRと
同様な重合方法および水素添加方法を実施し、ポリスチ
レン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの
構造を有し、結合スチレン量29重量%、ポリスチレンブ
ロックセグメントの数平均分子量7,200、ポリマー全体
の分子量分布1.03、水添前のポリブタジエンセグメント
の1,2結合量が38%、水添率99.9%、融点30.1℃、水素
添加されたポリブタジエン部の結晶化度1.9%の水添ブ
ロック共重合体を合成した。ここで得たポリマーをHTR
とする。
そしてさらに、モノマー量、触媒量、ビニル化剤とし
てテトラメチルエチレンジアミンの量を変えたほかはHT
Rに準じた重合方法および水素添加方法を実施し、ポ
リスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチ
レンの構造を有し、結合スチレン量33重量%、ポリスチ
レンブロックセグメントの数平均分子量25,400、ポリマ
ー全体の分子量分布1.06、水添前のポリブタジエンセグ
メントの1,2結合量が36%、水添率99.9%、融点29℃、
水素添加されたポリブタジエン部の結晶化度2.0%の水
添ブロック共重合体を合成した。ここで得たポリマーを
HTRとする。
つぎに、モノマー量、触媒量を変え、ビニル化剤とし
てテトラメチルエチレンジアミンを用いたほかはHTR
に準じた重合方法および水素添加方法を実施し、ポリス
チレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン
の構造を有し、結合スチレン量80重量%、ポリスチレン
ブロックセグメントの数平均分子量36,000、ポリマー全
体の分子量分布1.06、水添前のポリブタジエンセグメン
トの1,2結合量が15%、水添率99.9%、融点82℃、水素
添加されたポリブタジエン部の結晶化度4.0%の水添ブ
ロック共重合体を合成した。ここで得たポリマーをHTR
とする。
実施例1〜10、比較例1〜5 ポリフェニレンエーテル(PPE,PPE)、水添ブロ
ック共重合体(HTR〜HTR)を表1に示す組成で配合
し、230〜300℃に設定した30mmφ二軸押出機で溶融混練
し、押し出したストランドをペレットとして得た。この
ペレットを用いて260〜320℃に設定したスクリューイン
ライン型射出成形機に供給し、金型温度60〜120℃の条
件で引張試験用テストピース、アイゾット衝撃試験用テ
ストピースを射出成形した。これらテストピースを用い
て引張試験(ASTM D−638)を行い、その破断面より組
成物の層剥離の有無を確認し、さらにアイゾット(ノッ
チ付き)衝撃強度(ASTM−D256:23℃)を測定した。ま
た、得られた幾つかのサンプルペレットを310℃に設定
した加熱プレスを用いて各々のサンプルの厚さ1mmのシ
ートを圧縮成形し、光透過性を見るためヘイズ値(ASTM
−D1003)を測定した。なお、ヘイズ値測定の際、成形
表面の凹凸の影響を除外するため、各シート表面に流動
パラフィンを塗布して測定した。
また、耐油性能を調べるため、23℃のトリ−n−ブチ
ルフォスフェート中に厚さ3mmの圧縮成形したサンプル
をベンディングフォームで48時間浸漬し、その臨界歪率
を求めた。これらの結果を表1に載せた。
この結果から、融点が60〜150℃に存在し、かつ結晶
化度が0.15〜50%にあるポリフェニレンエーテルと結晶
性水添ブロック共重合体を含んだ重合体組成物は耐溶剤
性の臨界歪率がすべて0.2%以上であり耐溶剤性に優れ
た樹脂組成物を提供する。しかしながら、これらの条件
のいずれかを満たさないポリフェニレンエーテルと結晶
性水添ブロック共重合体を含んだ重合体組成物は臨界歪
率が0.1%以下であり耐溶剤性が劣ることが明らかにな
った。
実施例 11 PPEを15重量%、結合スチレン量20重量%、水添前
のポリブタジエンセグメントの1,2結合量が2.1%、水添
率99.9%、融点136℃、水素添加されたポリブタジエン
部の結晶化度55.9%の水添ブロック共重合体(HTR)8
5重量%をドライブレンドし、230〜300℃に設定した30m
mφ二軸押出機で溶融混練し、押し出したストランドを
ペレットとして得た。得られたサンプルの特徴をDSCで
測定したところ、融点135.7℃、水素添加されたポリブ
タジエン部の結晶化度48.8%であった。
フロントページの続き (72)発明者 岸本 泰志 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1 号 旭化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−179956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/12 C08L 53/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテルと60〜150℃に融
    点(DSC測定)を持ち、かつ下記(II)式で求めた結晶
    化度(C′)が2〜60%である結晶性水添ブロック共重
    合体 C′=14H′÷4019×100% ……(II) 〔式中、H′はDSCで測定した水添ブロック共重合体の
    水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
    ロック部分の結晶化エネルギー(mJ/mg)を表わす〕を
    含んだ重合体組成物であり、 融点(DSC測定)が実質的に60〜150℃に少なくとも一
    つ存在し、 かつ 下記(I)式で求めた組成物の結晶化度(C)が0.15
    〜50%であることを特徴とする重合体組成物。 C=14H÷4019×100% ……(I) 〔式中、HはDSCで測定した60〜150℃に融点をもつ結晶
    成分の結晶化エネルギー(mJ/mg)を表わす〕
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