JP2832835B2 - ウイルス除去方法 - Google Patents

ウイルス除去方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、感染性ウイルス粒子による感染のおそれの
ない(ウイルスフリー)血液凝固第八因子製剤を取得す
るために血液凝固第八因子製剤中からエイズウイルス
(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、等の感染性ウイル
スを除去する方法に関する。本発明の方法は、血液凝固
第八因子製剤を製造する血漿製剤分画工程の最終的段階
で実施することも、また病院において血友病患者に血液
凝固第八因子製剤を輸注する直前に実施することも可能
である。
(従来技術) 血液凝固第八因子製剤は血友病Aの患者の治療のため
に開発され、近年大量に利用されるようになったが1985
年以来エイズウイルス(以下単にHIVと称す)のキャリ
ア数の増加に伴って血液凝固第八因子製剤へHIVが混入
しHIVで汚染された血液凝固第八因子製剤を用いた血友
病の患者にHIVが感染するという事故が多発した。この
感染を防ぐため抗原抗体反応を利用した試薬による採血
漿のスクリーニングおよび血液凝固第八因子製剤の凍結
粉末の加熱処理が義務づけられるようになった。これら
の安全対策の実施により感染事故数は大幅に低下したが
まだ依然として感染事故が発生している。また最近では
熱処理された血液凝固第八因子製剤によるB型肝炎、No
n A Non B型肝炎の感染が問題になっている。このため
加熱によるウイルス除去効果を高めるために粉末状態で
の加熱ではなく、水溶液状態で加熱(液状加熱)を行な
う方法が奨励されている。液状加熱の導入により感染率
はさらに低下するものと期待されている。しかしながら
血液凝固第八因子製剤を加熱すると血液凝固活性そのも
のも低下し、その低下率は粉末加熱の場合より液状加熱
の方が大きく、条件によっては歩留まりが40〜50%であ
ると言われている。血液凝固第八因子製剤の製造は大量
の原料血漿を必要とすることから加熱処理による歩留ま
りの低下は原料血漿の手当ての面からも血液凝固第八因
子製剤のコストの面からも大きな問題である。
(本発明が解決しようとする課題) 本発明はHIVはもちろんのことHBVあるいはNon A Non
B型肝炎ウイルスを確実に除去しながら高い収率で血液
凝固第八因子製剤を得ることのできるウイルス除去方法
を提供するためになされたものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等が鋭意研究を進めたところ、血液凝固第八
因子製剤を濾過するに際し、銅アンモニア法再生セルロ
ース製多孔膜中空糸を用いたフイルターを使用すること
によって、血液凝固第八因子製剤中のウイルスを除去す
ることが可能になることを見いだし、この知見に基づい
て本発明をなすに至った。
本発明は、血液凝固第八因子製剤を銅アンモニア法再
生セルロース製多孔膜中空糸を用いたフイルターで濾過
して血液凝固第八因子製剤中に含まれるウイルスを除去
するウイルス除去方法である。
本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製多孔
膜中空糸は銅アンモニアセルロース溶液から製造され
る。再生セルロースにはビスコース法、セルロースエス
テルのケン化法、銅アンモニア法など、種々のものがあ
るが、その中でも銅アンモニア法は、その独自の凝固、
再生方法のため、他の再生セルロースとは異なる優れた
性質を有する。その特徴のひとつは親水性でかつ蛋白質
の吸着性が小さい点にある。本発明方法に用いられる銅
アンモニア法再生セルロースからなる多孔膜中空糸が既
存の中空糸の中で一番吸着性が小さい。
本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製多孔
膜中空糸は水流速法で測定した平均孔径が通常人工腎臓
用途に用いられる銅アンモニアム法再生セルロース製中
空糸と異なり、10〜100nmの範囲にあり、しかも壁厚全
層においてスキン構造を有さない。
また、本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース
製多孔膜中空糸は該中空糸の内壁面から外壁面への膜厚
方向に層状構造を有している。このため高い蛋白質の透
過性と高いウイルスの阻止性能を併せ持っている。
本発明に用いる銅アンモニアム法再生セルロース製多
孔膜中空糸の膜厚は薄ければ薄いほど濾過速度が大きく
なるので好ましい。しかしながら、膜厚が10μm未満に
なると、中空糸にはピンホールが多発し、ウイルス粒子
が濾液中に洩れ出てくる。また膜厚が100μm以上にな
ると濾過速度が大きく低下する。
また本発明は、血液凝固第八因子製剤を濾過するに際
し、好ましくは銅アンモニアム法再生セルロース製多孔
膜中空糸を用いたフイルターを多段に使用しかつ前段の
フイルターに使用する中空糸の平均孔径がその次に使用
するフイルターのそれよりも小さくない様に配置するも
のである。
血液凝固第八因子製剤は、コーンのエタノール分画法
によりクリオプレシピテート分画から得られる。クリオ
プレシピテートは血液凝固第八因子の他にフィブリノー
ゲン等の夾雑タンパクを含んでいる。その後の処理によ
り血液凝固第八因子以外の成分の除去が行われ、血液凝
固第八因子の濃縮が進行するが、最終製品中にはなおフ
ィブリノゲンをはじめとする血液凝固第八因子以外のタ
ンパク成分が多量に含まれる。このような血液凝固第八
因子製剤を濾過するにあたり、銅アンモニア法再生セル
ロース製多孔膜中空糸を用いたフイルターを多段に使用
しかつ前段のフイルターに使用する中空糸の平均孔径が
その次に使用するフイルターのそれよりも小さくないよ
うに配置することによって高い血液凝固第八因子回収率
と高いウイルス阻止率の両者が満足される。
前段に使用するフイルターの平均孔径は小さすぎると
タンパクの回収率が下がるため50nm以上が望ましく、さ
らに高い回収率を得るためには60nm以上が望ましい。さ
らに、ウイルスの除去率は、フイルターの段数を増やす
ことによって向上するので段数を増やすことを前提とす
るならば血液凝固第八因子の回収率を高めるために80nm
以上の平均孔径のフイルターを使用することも可能であ
る。後段に使用するフイルターの平均孔径は前段と同じ
か小さいものであることが要求される。小さいものであ
るほどウイルスの阻止率が大きくなるが一方で血液凝固
第八因子の回収率が低下してしまう。そのため30nm以上
であることが望ましい。
フイルターの段数はフイルターの平均孔径の組み合わ
せとの関係で適宜選択すればよい。血液凝固第八因子製
剤は前述のようにフィブリノーゲン等の夾雑タンパクを
多量に含んでおり、しかもその含有量は製剤の製造条件
によって大きく異なる。したがってフイルターの平均孔
径、段数等の適正な条件はそれぞれの製剤について実験
にもとづいて定めることが必要である。
本発明方法による実施例を説明するに先立ち、本明細
書中に用いられた各種物性値の測定方法を以下に示す。
〔水流速平均孔径〕
銅アンモニア法再生セルロースからなる多孔膜中空糸
のモジュールを作製し、そのモジュール状態で中空糸の
水の流出量を測定し、(1)式から水流速平均孔径
(D)を求めた。
V :流出量(ml/min) T :膜厚(μm) P :圧力差(mmHg) A :膜面積(m2) Pr:空孔率 μ:水の粘性率(cp) 空孔率Prは水膨潤時の見かけ密度ρaw、ポリマーの密
度ρpより(2)式で求めた。セルロースの場合、ρp
=1.561を用いた。
Pr(%)=(1−ρaw/ρp)×100 (2) 〔ウイルスの阻止係数の測定〕 本発明におけるウイルス除去に関する効果の判定は大
腸菌ファージーの一種であるファイエックス174(以下
φ×174と称す)の対数減少率(log reduction value又
はLRV)で表わされた阻止係数を測定することによって
おこなった。φ×174は直径約25nmであるため、直径42n
mを有するHBVはφ×174より高い阻止係数で除去される
と考えることができる。φ×174のLRVの測定はフイルタ
ーの膜面積1cm2あたり108個のウイルスを含む培地溶液
を濾過し、濾液中のウイルス濃度を測定することによっ
て下記の式によりLRVを求める。
(実施例) 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(参考例1〜4) セルロースリンターを公知の方法で調製した銅アンモ
ニア溶液中に8wt%の濃度で溶解し、濾過脱泡を行な
い、紡糸原液とした。その紡糸原液を環状紡糸口の外側
紡出口(外径2mmφ)から、一方中空剤として、アセト
ン50wt%/アンモニア0.6wt%/水49.4wt%の混合溶液
を中央紡出口(外径0.6mmφ)からそれぞれアセトン40w
t%/アンモニア0.6wt%/水59.4wt%(凝固剤)中に直
接吐出し10m/minの速度で巻き取った。その後、真空乾
燥した(25℃、1.5hr)。この様にして得られた銅アン
モニア法再生セルロース製多孔膜中空糸の内径は250.0
μm、膜厚は25.0μm、水流速平均孔径は30nm、空孔率
は39%であった。
以下セルロース濃度6.8%、5.7%、5.4%の紡糸原液
を調製し、同様の条件で紡糸・乾燥を行い、表1記載の
中空糸を得た。
これらの中空糸500本をたばね有効膜面積0.03m2のモ
ジュールに成型したものを参考例1〜4とした。
次にA社の加熱処理血液凝固第八因子製剤を2500単位
/mlの溶液に調製し、かつこの溶液に別途培養したφ×1
74の培養液を3×108PFU/mlの濃度になるように添加し
該溶液100mlを上記の各種モジュールで1ml/minの流速で
濾過した。結果を表2に示す。
表2より、この方法では、高い血液凝固第八因子回収
率と高い阻止率の両者を満足することはむずかしいが、
一応可能である。
(実施例5〜10) 上記方法によって得られた平均孔径の異なる中空糸に
よるモジュールを表3に示す様に組み合わせ、参考例1
〜4と同様の濾過実験を行った。結果を表3に示す。
表3より、フイルターを多段で用いることにより、高
い血液凝固第八因子回収率及び高いウイルス阻止係数の
両者を満足することは明らかである。
(発明の効果) 本発明により、多孔膜を用いて、血液凝固第八因子製
剤より、その活性を低下させることなくウイルス(特に
HBV)を除去できる様になり、フイルターを多段にする
ことにより、血液凝固第八因子の回収率とウイルスの阻
止係数の両者を満足させる濾過ができる様になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/00 - 38/58 B01D 61/00 - 71/82

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液凝固第八因子製剤からウイルスを除去
    する方法において、血液凝固第八因子製剤を銅アンモニ
    ア法再生セルロース製多孔膜中空糸を用いて多段に濾過
    し、その際前段のフイルターに使用する中空糸の平均孔
    径がその次に使用するフイルターのそれよりも小さくな
    らないように配置することを特徴とする血液凝固第八因
    子製剤からのウイルス除去方法。
  2. 【請求項2】前段のフイルターに使用する中空糸の平均
    孔径が50nm以上100nm以下であり、その次に使用するフ
    イルターのそれが30nm以上であることを特徴とする請求
    項1記載のウイルス除去方法。
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