JP3281363B1 - 血液浄化膜 - Google Patents

血液浄化膜

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JP3281363B1
JP3281363B1 JP2001222445A JP2001222445A JP3281363B1 JP 3281363 B1 JP3281363 B1 JP 3281363B1 JP 2001222445 A JP2001222445 A JP 2001222445A JP 2001222445 A JP2001222445 A JP 2001222445A JP 3281363 B1 JP3281363 B1 JP 3281363B1
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Abstract

【要約】 【課題】 膜からの溶出量が極めて少なく、血液タン
パク質や血小板の付着が少ない優れた透析性能を有する
高性能血液浄化膜を提供すること。 【解決手段】 膜孔保持剤を含まず、純水の透水量が1
00mL/(m2・hr・mmHg)以上で、重量平均
分子量40,000のポリビニルピロリドンの透過率が
75%を超え、且つ牛血漿系におけるアルブミンの透過
率が0.3%以上である湿潤膜を120℃以下の温度で
乾燥することにより得られた膜孔保持剤を含まない乾燥
膜であって、膜の外表面から内表面緻密層に向かって孔
径が連続的に小さくなるスポンジ構造からなり、純水の
透水量が10〜1000mL/(m 2・hr・mmH
g)、重量平均分子量40,000のポリビニルピロリ
ドンの透過率が75%以下で、且つ牛血漿アルブミンの
透過率が0.3%以下であることを特徴とする中空糸状
血液浄化膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜からの溶出量が
極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ない
優れた透析性能を有する高性能血液浄化膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、選択的な透過性を有する膜を利用
する技術がめざましく進歩し、これまでに気体や液体の
分離フィルター、医療分野における血液透析器、血液濾
過器、血液成分選択分離フィルター等の広範な分野での
実用化が進んでいる。
【0003】該膜の材料としては、セルロース系(再生
セルロース系、酢酸セルロース系、化学変性セルロース
系等)、ポリアクリロニトリル系、ポリメチルメタクリ
レート系、ポリスルホン系、ポリエチレンビニルアルコ
ール系、ポリアミド系等のポリマーが用いられてきた。
【0004】このうちポリスルホン系ポリマーは、その
熱安定性、耐酸、耐アルカリ性に加え、製膜原液に親水
化剤を添加して製膜することにより、血液適合性が向上
することから、半透膜素材として注目され研究が進めら
れてきた。
【0005】一方、膜を接着してモジュールを作製する
ためには膜を乾燥させる必要があるが、有機高分子より
なる多孔膜、なかでもポリスルホン系等の疎水性ポリマ
ーからなる透析膜、限外濾過膜は、製膜後に乾燥させる
と乾燥前に比べ著しく透水量が低下することが知られて
いる。そのため膜は常に湿潤状態か、水に浸漬させた状
態で取り扱う必要があった。
【0006】この対策として従来よりとられてきた方法
は、製膜後、乾燥前にグリセリン等の低揮発性有機液体
を多孔膜中の空孔部分に詰めておくことであった。しか
しながら、低揮発性有機液体は、一般に高粘度なため、
洗浄除去に時間がかかり、膜をモジュール成型して洗浄
後も微量ではあるが低揮発性有機液体由来の溶出物等
(低揮発性有機液体と化学反応して生成した様々な誘導
体)がモジュール封入液中にみられることに問題があっ
た。
【0007】低揮発性有機液体を用いずに乾燥させる方
法として、特開平6−277470号公報には、低揮発
性有機液体の代わりに塩化カルシウム等の無機塩を用い
る方法が示されているが、洗浄除去する必要性に変わり
はない。また、微量であるとしても残存した無機塩が透
析患者に与える悪影響が危惧される。
【0008】特開平8−52331号公報及び特公平8
−9668号公報には、低揮発性有機液体を用いずに乾
燥処理をしたポリビニルピロリドンを含む親水化膜が開
示されている。血液から血漿成分を分離する性能が記載
されているが、血漿タンパクが透過することから血液透
析性能は示さないことが分かる。さらに、製膜条件が記
載されておらず、膜構造自体不明である。また、ポリビ
ニルピロリドンを分解・変性させる温度で乾燥している
ことから、膜からの溶出物を低減させるという目的にお
いては極めて好ましくない製法である。
【0009】また、特開平6−296686号公報には
血液が直接接触する膜内表面でのポリビニルピロリドン
の存在率を20〜50%程度にした中空糸膜が開示され
ている。これは主に血液タンパク、血小板等の付着物を
少なくするための湿潤膜を示すものである。従って、血
液タンパク等が付着しにくいことからろ液速度の経時変
化が起こりにくいことは示されているが、アルブミンの
透過性が低い等の透析性能についての記載は一切ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、膜か
らの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の
付着が少ない優れた透析性能を有する高性能血液浄化膜
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の如くモジュールか
らの溶出物の原因となる膜孔保持剤を用いずに乾燥した
透析性能を有する血液浄化膜はこれまでなかった。その
原因は、膜孔保持剤を用いずに乾燥させると、湿潤状態
とは全く異なった低性能の膜となることであった。すな
わち、膜孔保持剤は乾燥による膜の性能低下を防ぐもの
であり、膜孔保持剤を用いなければ透水量が得られない
程度まで極端に透水性能が低下してしまうことから、透
析性能を有する膜を製造する方法において膜孔保持剤を
用いずに乾燥させることは従来あり得なかった。そこ
で、本発明者等は、あらかじめ目標とする性能よりも高
透水量で大孔径である特定の性能を有する湿潤膜を作製
しておき、これを乾燥・収縮させて目標の性能を有する
膜を製造するというこれまでにない、誰も思いつかなか
った発想に基づき鋭意研究を進めた結果、溶出物が極め
て少なく、血液タンパクや血小板の付着が少ない選択透
過性に優れた透析性能を有する膜を得ることができ本発
明に至ったものである。
【0012】すなわち本発明は、 (1)膜孔保持剤を含まず、純水の透水量が100mL
/(m2・hr・mmHg)以上で、重量平均分子量4
0,000のポリビニルピロリドンの透過率が75%を
超え、且つ牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.
3%以上である、ポリスルホン系ポリマーとポリビニル
ピロリドンからなる湿潤膜を、120℃以下の温度で乾
燥することにより得られた膜孔保持剤を含まない乾燥膜
であって、(a) 膜の外表面から内表面緻密層に向かって孔径が
連続的に小さくなるスポンジ構造からなり、(b) 純水の透水量が10〜1000mL/(m2
hr・mmHg)、(c) 重量平均分子量40,000のポリビニルピロ
リドンの透過率が75%以下、(d) 牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3
%未満であり、(e) 膜の溶出物試験液の吸光度が0.04未満であ
り、溶出物試験液中に膜孔保持剤を含まず、且つ (f) ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリド
ンからなり、膜内表面におけるポリビニルピロリドンの
濃度が30〜45重量% であることを特徴とする中空糸
状血液浄化膜、及び (2)水に不溶であるポリビニルピロリドンを含むこと
を特徴とする上記(1)の血液浄化膜、に関するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の中空糸状血液浄
化膜(以下単に「膜」又は「中空糸状膜」ともいう)の
構成について説明する。本発明の膜は、膜孔保持剤を含
まない乾燥膜であって、膜の外表面から内表面緻密層に
向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造である
ことを特徴とする。
【0014】本発明の中空糸状膜は、膜の一方の表面か
ら他方の表面まで、例えば内表面から外表面まで、一体
的に連続した構造からなっている。膜の外表面から内表
面緻密層までの間、すなわち膜内部は、網目の大きさ
(孔)が10μm以下の網目構造からなっており、か
つ、大きさが10μmを超えるボイド(ポリマーの欠損
部位、巨大空孔)を含まない。この構造を、本発明では
スポンジ構造という。本発明において、緻密層とは膜厚
方向の断面において膜を構成するポリマーの空隙部分す
なわち孔が小さく、膜の分画性能に寄与する層である。
【0015】膜内部の網目構造の孔は、膜の長さ方向に
対して垂直な断面において、膜の外表面から内表面緻密
層に向かってその孔径が連続的に小さくなる傾斜構造を
有する。すなわち、中空糸状膜の長さ方向にのびる中心
軸を同心とするいくつかの円筒状の面を考える場合、そ
れぞれの面の孔の平均孔径は、膜の外表面から内表面緻
密層に近づくにつれて連続的に小さくなっている。膜内
表面側に血液を接触させる場合、膜の外表面から内表面
緻密層に向かって孔径が連続的に小さくなる傾斜構造で
なければシャープな分画性能を有することは不可能であ
る。
【0016】本発明でいう膜孔保持剤とは、乾燥時の性
能低下を防ぐために乾燥前までの製造過程で膜中の空孔
部分に詰めておく物質である。膜孔保持剤を含んだ溶液
に湿潤膜を浸漬することによって膜中の空孔部分に該保
持剤を詰めることが可能である。乾燥後も膜孔保持剤を
洗浄・除去さえすれば、膜孔保持剤の効果により湿潤膜
と同等の透水量、阻止率等の性能を保持することが可能
である。しかしながら、膜孔保持剤が膜中及び/又はモ
ジュール封入液中に微量に存在することにより、膜孔保
持剤との化学反応により生成した様々な誘導体を問題視
する報告があり、本発明の膜はこの膜孔保持剤を製造工
程で使用していないことから、膜孔保持剤由来の溶出物
は存在しない。
【0017】従って、本発明の膜の溶出物試験液の吸光
度は0.04未満であり、且つ該試験液中に膜孔保持剤
を含まない。ここで、溶出物試験液とは、人工腎臓装置
承認基準に基づき調整したものであり、2cmに切断し
た乾燥中空糸状膜1.5gと注射用蒸留水150mLを
日本薬局方の注射用ガラス容器試験のアルカリ溶出試験
に適合するガラス容器に入れ、70±5℃で1時間加温
し、冷却後膜を取り除いた後蒸留水を加えて150mL
としたものを意味する。吸光度は220〜350nmで
の最大吸収波長を示す波長にて紫外吸収スペクトルで測
定する。人工腎臓装置承認基準では吸光度を0.1以下
にすることが定められているが、本発明の膜は膜孔保持
剤を保持しないことから0.04未満を達成することが
可能である。また、膜孔保持剤の有無については、該試
験液を濃縮又は水分除去したものをガスクロマトグラフ
ィー、液体クロマトグラフィー、示差屈折計、紫外分光
光度計、赤外線吸光光度法、核磁気共鳴分光法、及び元
素分析等の公知の方法により測定することにより検知可
能である。また、膜中に膜孔保持剤を含むか否かについ
てもこれらの測定方法により検知可能である。
【0018】膜孔保持剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、2−ブチン−1,4−ジオール、2−メチル−
2,4−ペンタジオール、2−エチル−1,3−ヘキサ
ンジオール、グリセリン、テトラエチレングリコール、
ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコー
ル300、ポリエチレングリコール400等のグリコー
ル系又はグリセロール系化合物及び蔗糖脂肪酸エステル
等の有機化合物および塩化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化亜鉛等の無機塩を挙げることができる。
【0019】本発明の膜は、ポリスルホン系ポリマーと
ポリビニルピロリドンからなり、膜内表面におけるポリ
ビニルピロリドンの濃度が30〜45重量%である。膜
の血液適合性に重要な因子は、血液が接する膜内表面の
親水性であり、ポリビニルピロリドン(以下単に「PV
P」ともいう)を含有するポリスルホン系膜では、膜内
表面のPVP濃度が重要である。膜内表面のPVP濃度
が低すぎると膜内表面が疎水性を示し、血漿タンパク質
が吸着しやすく、血液の凝固も起こりやすい。すなわ
ち、膜の血液適合性不良となる。逆に膜内表面のPVP
濃度が高すぎると、PVPの血液系への溶出量が増加し
本発明の目的や用途にとっては好ましくない結果を与え
る。従って、本発明での膜内表面のPVPの濃度は、3
0〜45%の範囲であり、好ましくは33〜40%であ
る。
【0020】本発明で用いられるポリスルホン系ポリマ
ーとしては、下記の式(1)、または式(2)で示され
る繰り返し単位を有するものが挙げられる。なお、式中
のArはパラ位での2置換のフェニル基を示し、重合度
や分子量については特に限定しない。 −O−Ar−C(CH32−Ar−O−Ar−SO2−Ar− (1) −O−Ar−SO2−Ar− (2)
【0021】膜内表面のPVP濃度は、エックス線光量
子スペクトル(X−ray Photoelectro
n spectroscopy、以下XPS)によって
決定される。すなわち、膜内表面のXPSの測定は、試
料を両面テープ上に並べた後、カッターで繊維軸方向に
切開し、膜の内側が表になるように押し広げた後、通常
の方法で測定する。すなわち、C1s、O1s、N1
s、S2pスペクトルの面積強度から、装置付属の相対
感度係数を用いて窒素の表面濃度(窒素原子濃度)とイ
オウの表面濃度(イオウ原子濃度)から求めた濃度をい
うものであり、ポリスルホン系ポリマーが(1)式の構
造であるときには(3)式により計算で求めることがで
きる。 PVP濃度(重量%)=C11×100/(C11+C22) (3) ここで、C1:窒素原子濃度(%) C2:イオウ原子濃度(%) M1:PVPの繰り返しユニットの分子量(111) M2:ポリスルホン系ポリマーの繰り返しユニットの分
子量(442)
【0022】また、本発明の膜は、純水の透水量が10
〜1000mL/(m2・hr・mmHg)であり、多
くの場合15〜1000mL/(m2・hr・mmH
g)である。10mL/(m2・hr・mmHg)未満
では、透析時の除水能力に劣るために好ましくない。こ
れは、本発明の膜が乾燥膜であっても良好な透水性能を
有することを示すものである。また、純粋の透水量が1
0〜1000mL/(m 2・hr・mmHg)を超える
と、アルブミンの透過率を0.3%未満にすることが困
難になる傾向にあり好ましくない。
【0023】最近の血液透析療法では、透析アミロイド
病状の改善のために原因物質とされているβ2−ミクロ
グロブリン(分子量:11,800)を十分に透過させ
るが、アルブミン(分子量:67,000)はほとんど
透過させない分画性を有する膜が求められており、本発
明の膜は、牛血漿アルブミンの透過率が0.3%以下で
ある。アルブミンの透過率が0.3%を超えることは体
内に有効なアルブミンを大きく損失することを意味する
ことから血液透析膜としては好ましくない。
【0024】牛血漿アルブミンの透過率は、以下のよう
な方法で測定することが可能である。まず、長さ20c
mの中空糸状膜を100本束ねて小型モジュールを作製
する。このモジュールに37℃に加温したヘパリン添加
牛血漿(ヘパリン5000IU/I、タンパク濃度6.
0g/dL(デシリットル))を膜内表面側に線速1.
0cm/秒で通過させ、モジュールの入り圧と出圧の平
均圧力50mmHgにて60分間限外濾過を行う。得ら
れた濾液と元液の濃度の測定は、紫外分光光度計により
280nmの波長にて測定し、下記の式(4)に代入し
て透過率を算出する。 透過率(%)=(濾液の吸光度)×100/(元液の吸光度) (4)
【0025】また、純水の透水量が10mL/(m2
hr・mmHg)以上の膜においては、ポリビニルピロ
リドンの透過率(A(%))とβ2−ミクログロブリン
のクリアランス(B(mL/分))とには下記の式
(5)に示す一次関数的な相関関係が存在する。クリア
ランス評価には1.5m2の有効膜面積を有する透析仕
様のモジュールに成形・加工することが必要であるが、
本評価方法では簡易的に測定可能であり、クリアランス
を容易に推測することが可能である。 B(mL/分)=0.636A+29.99 (5)
【0026】ここで、β2−ミクログロブリンのクリア
ランスは、1.5m2の有効膜面積のモジュールに、血
液流量200mL/分(膜内表面側)、透析液流量50
0mL/分(膜外表面側)の条件下で日本人工臓器学会
の性能評価基準に従い透析測定したものである。β2−
ミクログロブリンのクリアランスは、透析患者の体力や
病状及び病状の進行度に合わせて様々なものが要求され
ているが、ポリビニルピロリドンの透過率が75%を超
えるとアルブミンの透過率が0.3%を超えてしまうこ
とから、ポリビニルピロリドンの透過率は75%以下で
あることが必要である。
【0027】ポリビニルピロリドンの透過率は、濾過す
る水溶液を3重量%のポリビニルピロリドン(BASF
社製 K30、重量平均分子量40,000)のリン酸
バッファー(0.15mol/リットル、pH7.4)
水溶液にして、モジュールの入り圧と出圧の平均圧力を
200mmHgにした以外は、牛血漿アルブミンの透過
率の測定と同様な操作を行うことにより求められる。
【0028】以下、本発明膜の製造方法の代表例につい
て述べる。本発明の膜は、高透水量で大きな孔径の湿潤
膜をあらかじめ製造しておき、脱溶剤後、乾燥すること
により該湿潤膜の孔径を収縮させ、さらに膜中のPVP
の一部を水に不溶化することにより湿潤膜より孔径を収
縮させて製造される。この湿潤膜は、ポリスルホン系ポ
リマー(以下単に「ポリマー」という)、ポリビニルピ
ロリドン、及び溶剤からなる製膜原液を、内部液ととも
に2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過さ
せた後、凝固浴で凝固させる製造方法において、内部液
にポリマーの溶剤の水溶液を用いることにより製造可能
である。内部液は、膜の中空部と内表面を形成させるも
のであるが、内表面の孔径は、内部液中の溶剤濃度に比
例して大きくなることが判っている。本発明では、湿潤
膜を乾燥収縮させることにより目標の性能の透析膜が得
られることから、内部液中の溶剤濃度を、目標とする透
析性能を有する湿潤膜を製造する時に比べて、高濃度に
する必要がある。
【0029】また、本発明において、高透水で大きな孔
径の湿潤膜とは透水量が100mL/(m2・hr・m
mHg)以上であって、重量平均分子量40,000の
ポリビニルポロリドンの透過率が75%を超え、且つ牛
血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3%以上であ
る性能の湿潤膜を意味する。ポリビニルピロリドンは高
分子量のものほど膜への親水化効果が高いため、高分子
量のものほど少量で十分な効果が発揮できる。よって、
本発明においては重量平均分子量900,000以上の
ポリビニルピロリドンを使用することが好ましい。90
0,000より小さい重量平均分子量を有するポリビニ
ルピロリドンを用いて膜への親水化効果を付与するため
には大量のポリビニルピロリドンを膜中に残存させる必
要があるが、このために膜からの溶出物が増加すること
になる。また、逆に溶出物を下げるために900,00
0より小さい重量平均分子量のポリビニルピロリドンの
膜中での残存量を少なくすると親水化効果が不十分とな
ってしまい、その結果血液透析を行ったとき濾過速度の
経時的低下をきたし十分な効果を発揮できない。
【0030】また、ポリスルホン系ポリマーとポリビニ
ルピロリドンの溶解に用いられる溶剤は、これら両方を
共に溶解するものであり、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等である。
【0031】製膜原液中のポリマー濃度は、製膜可能
で、かつ得られた膜が膜としての性能を有するような濃
度の範囲であれば特に制限されず、5〜35重量%、好
ましくは10〜30重量%である。高い透水性能を達成
するためには、ポリマー濃度は低い方がよく、10〜2
5重量%が好ましい。
【0032】さらに重要なことはポリビニルピロリドン
の添加量であり、ポリマーに対するポリビニルピロリド
ンの混和比率が27重量%以下、好ましくは18〜27
重量%、さらに好ましくは20〜27重量%である。ポ
リマーに対するポリビニルピロリドンの混和比率が27
重量%を超えると溶出量が増える傾向にあり、また18
重量%未満では膜内表面のPVP濃度が低下し、患者の
血液中の白血球濃度が急激に低下するロイコペニア症状
が観察されるため好ましくない。また、原液粘度、溶解
状態を制御する目的で、水、貧溶剤等の第4成分を添加
することも可能であり、その種類、添加量は組合せによ
り随時行えばよい。
【0033】また、エアギャップとは、ノズルと凝固浴
との間の隙間を意味する。本発明の膜を得るには紡速
(m/分)に対するエアギャップ(m)の比率が極めて
重要である。何故ならば本発明の膜構造は、内部液中の
非溶剤が製膜原液と接触するによって該製膜原液の内表
面部位側から外表面部位側へと経時的に相分離が誘発さ
れ、さらに該製膜原液が凝固浴に入るまでの間に膜内表
面部位から外表面部位までの相分離が完了しなければ、
得られないからである。
【0034】紡速に対するエアギャップの比率は、0.
010〜0.1m/(m/分)であることが好ましく、
さらに好ましくは0.010〜0.05m/(m/分)
である。紡速に対するエアギャップの比率が0.010
m/(m/分)未満では、本発明の構造と性能を有する
膜を得ることが難しく、0.1m/(m/分)を超える
比率では、膜へのテンションが高いことからエアギャッ
プ部で膜切れを多発し製造しにくい傾向にあり好ましく
ない。
【0035】ここで、紡速とはノズルから内部液ととも
に吐出した製膜原液がエアギャップを通過して凝固浴に
て凝固した膜が巻き取られる中空糸状膜の一連の製造工
程において、該工程中に延伸操作が無い時の巻き取り速
度を意味する。また、エアギャップを円筒状の筒などで
囲み、一定の温度と湿度を有する気体を一定の流量でこ
のエアギャップに流すと、より安定した状態で中空糸状
膜を製造することができる。
【0036】凝固浴としては、例えば水;メタノール、
エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマーを
溶解しない液体が用いられるが、水が好ましい。また、
凝固浴にポリマーを溶解する溶剤を若干添加することに
より凝固速度をコントロールすることも可能である。凝
固浴の温度は、−30〜90℃、好ましくは0〜90
℃、さらに好ましくは0〜80℃である。凝固浴の温度
が90℃を超えたり、−30℃未満であると、凝固浴中
の中空糸状膜の表面状態が安定しにくい。
【0037】また、脱溶剤洗浄後の乾燥は、ポリビニル
ピロリドンを変性又は分解しない方法であれば良く、特
に限定されない。但し、乾燥温度は、120℃以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは100℃以下であ
る。120℃を超えるとポリビニルピロリドンが変性お
よび分解するために、膜孔保持剤を用いなくても得られ
た乾燥膜からの溶出量が増えることから好ましくない。
【0038】さらに、乾燥後の膜に電子線及びγ線等の
放射線を照射することにより、膜中のPVPの一部を水
に不溶化できることから、膜からの溶出量をより低減す
ることが可能である。放射線の照射は、モジュール化前
又はモジュール化後のどちらでも良い。また、膜中の全
PVPを不溶化してしまうと、溶出量をより低減できる
一方で、透析時にロイコペニア症状が観察されることか
ら好ましくない。
【0039】本発明でいう水に不溶であるPVPとは、
膜中の全PVP量から水に可溶であるPVP量を差し引
いたものである。膜中の全PVP量は、窒素及びイオウ
の元素分析により容易に算出することができる。
【0040】また、水に可溶であるPVP量は、以下の
方法により求めることができる。膜をN−メチル−2−
ピロリドンで完全に溶解した後、得られたポリマー溶液
に水を添加してポリスルホン系ポリマーを完全に沈殿さ
せる。さらに該ポリマー溶液を静置した後、上澄み液中
のPVP量を液体クロマトグラフィーで定量することに
より水に可溶であるPVPを定量することができる。
【0041】以下にこの発明の実施例を示すが、本発明
は、これに限定されるものではない。 (血小板粘着量の測定)膜への血小板粘着量の測定は、
以下の操作手順で行った。長さ15cmの中空糸状膜を
10本束ねて小型モジュールを作製し、該モジュールに
ヘパリン添加ヒト新鮮血を線速1.0cm/秒にて15
分間通過させ、続いて生理食塩水を1分間通過させた。
次に中空糸状膜を5mm間隔程度に細断し、0.5%ポ
リエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(和光
純薬社製商品名トリトンX−100)を含む生理食塩水
中で超音波照射して膜表面に粘着した血小板から放出さ
れる乳酸脱水素酵素(以下、「LDH」という)を定量
することにより膜面積(内表面換算)当たりのLDH活
性として算出した。酵素活性の測定はLDHモノテスト
キット(ベーリンガー・マンハイム・山之内社製)を使
用した。なお、陽性対照としてPVPを含有しない膜
(γ線照射前の実施例1の膜を有効塩素濃度1500p
pmの次亜塩素酸ナトリウムに2日間浸漬した後、エタ
ノールに1日間浸漬することにより得られたもの)を用
い、試験品と同時に比較した。
【0042】(血漿タンパク質吸着量)膜への血漿タン
パク質吸着量は、限外濾過時間を240分にした以外は
アルブミンの透過率測定と同様な操作を行った後、生理
食塩水で1分間洗浄した。次に中空糸状膜を5mm間隔
程度に細断し、1.0%ラウリル酸ナトリウムを含む生
理食塩水中で攪拌して抽出した血漿タンパク質を定量す
ることにより膜重量当たりのタンパク質吸着量として算
出した。タンパク質濃度はBCAプロテインアッセイ
(ピアース社製)を使用した。なお、陽性対照としてP
VPを含有しない膜(γ線照射前の実施例1の膜を有効
塩素濃度1500ppmの次亜塩素酸ナトリウムに2日
間浸漬した後、エタノールに1日間浸漬することにより
得られたもの)を用い、試験品と同時に比較した。
【0043】
【実施例1】ポリスルホン(Amoco Engine
ering Polymers社製P−1700)1
8.0重量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製
K90、重量平均分子量1,200,000)4.3重
量%を、N,N−ジメチルアセトアミド77.7重量%
に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポ
リスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は
23.9重量%であった。この製膜原液を60℃に保
ち、N,N−ジメチルアセトアミド30重量%と水70
重量%の混合溶液からなる内部液とともに、紡口(2重
環状ノズル 0.1mm−0.2mm−0.3mm)か
ら吐出させ、0.96mのエアギャップを通過させて7
5℃の水からなる凝固浴へ浸漬した。この時、紡口から
凝固浴までを円筒状の筒で囲み、筒の中に水蒸気を含ん
だ窒素ガスを流しながら、筒の中の湿度を54.5%、
温度を51℃にコントロールした。紡速は、80m/分
に固定した。ここで、紡速に対するエアギャップの比率
は、0.012m/(m/分)であった。ここで得られ
た湿潤膜の透水量、アルブミン透過率、PVP透過率は
表1に示すとおりであった。
【0044】巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方
から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄すること
により膜中の残溶剤を除去した。この膜をさらに87℃
の熱風で7時間乾燥することにより含水量が1%未満の
乾燥膜を得た。さらに、得られた乾燥膜に2.5Mra
dのγ線を照射することにより膜中のPVPの一部を不
溶化した。この膜は、膜内部に大きさが10μmを超え
るポリマーの欠損部位を含まず、膜の外表面から内表面
緻密層に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構
造であった。また、内表面緻密層の厚さは10μm程度
であった。この乾燥膜の性能を表1に示す。
【0045】この膜を有効濾過面積1.5m2のモジュ
ールにしてβ2−ミクログロブリンのクリアランスを実
測したところ、32mL/分で有ることが分かり、PV
Pの透過率を式(5)に代入して算出したクリアランス
32.5mL/分と同等であることが明らかとなった。
さらに、該モジュールにて尿素、ビタミンB12の透過
測定を行ったところ、尿素のクリアランスと透過率はそ
れぞれ185mL/分、83%であった。また、ビタミ
ンB12については同様に95mL/分、48%であっ
た。測定は、
【0026】と同様な方法で行った。また、膜中の全P
VP量の62%が、水に不溶であった。
【0046】膜の溶出物試験をした結果、溶出物試験液
の吸光度は0.04以下であった。また、膜孔保持剤を
用いていないことから溶出物試験液中に膜孔保持剤は含
まれて無かった。さらに、この膜は陽性対照膜に比べ
て、血小板粘着量が低く(陽性対照膜43.4Unit
/m2)、且つ血漿タンパク質の粘着量も低いことが明
らかとなった(陽性対照膜62.5mg/g)。以上に
挙げた性能から、この膜は、膜からの溶出量が極めて少
なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明
らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なくβ2
−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることから
透析性能にも優れた膜であることが分かった。
【0047】
【実施例2】製膜原液中のポリビニルピロリドンを4重
量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78重量%とし
た以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製
膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドン
の混和比率は22.2重量%であった。この膜の性能を
乾燥前の湿潤膜の性能とともに表1に示す。この膜は、
膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小
板の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブ
ミンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログロブリンの
クリアランスにも優れることが示唆されたことから透析
性能にも優れた膜であることが分かった。
【0048】
【実施例3】製膜原液中のポリビニルピロリドンを4.
8重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.2重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は26.7重量%であった。この膜
の性能を乾燥前の湿潤膜の性能とともに表1に示す。こ
の膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク
質や血小板の付着が少ないことが明らかとなった。ま
た、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログ
ロブリンのクリアランスにも優れることが示唆されたこ
とから透析性能にも優れた膜であることが分かった。
【0049】
【実施例4】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド5
2重量%と水48重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例3と同様な操作を行った。この膜の性能を乾
燥前の湿潤膜の性能とともに表1に示す。この膜は、膜
からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板
の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブミ
ンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログロブリンのク
リアランスにも優れることが示唆されたことから透析性
能にも優れた膜であることが分かった。
【0050】
【比較例1】γ線照射しない以外は、実施例1と同様な
操作を行った。この結果を表2に示す。PVPの溶出の
ため溶出試験液の吸光度が0.04を超えることが明ら
かとなった。
【0051】
【比較例2】製膜原液中のポリビニルピロリドンを5.
0重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.0重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は27.8重量%であった。この膜
の性能を表2に示す。製膜原液中のポリスルホンに対す
るポリビニルピロリドンの混和比率が27重量%を超え
ているので、溶出量、膜内表面PVP濃度が増加してい
る。
【0052】
【比較例3】製膜原液中のポリビニルピロリドンを3.
6重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78.4重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は20.0重量%であった。この膜
の性能を表2に示す。膜内表面のPVP量が30%を下
回っていることが明らかとなった。
【0053】
【比較例4】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド6
0重量%と水40重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例3と同様な操作を行った。この膜の性能を表
2に示す。この膜は、アルブミンの透過率が0.3%を
超えており、またPVPの透過率も75%を超える性能
であった。
【0054】
【比較例5】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド1
0重量%と水90重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例1と同様な操作を行った。この膜の性能を表
2に示す。純水の透水量が10mL/(m2・hr・m
mHg)を下回る性能であった。
【0055】
【比較例6】乾燥温度を170℃にした以外は、実施例
1と同様な操作を行った。この膜の性能を表2に示す。
この膜は、膜中の全てのPVPが水に不溶であった。こ
の膜を有効ろ過面積1.5m2のモジュールにして
【0026】に示した方法で臨床血液評価したところ、
透析患者の白血球数が一時的に低下するロイコペニア症
状が観察された。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の膜は、膜からの溶出量が極めて
少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ない優れた
透析性能を有することから医薬用途、医療用途、及び一
般工業用途に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 67/00 - 71/82

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜孔保持剤を含まず、純水の透水量が1
    00mL/(m2・hr・mmHg)以上で、重量平均
    分子量40,000のポリビニルピロリドンの透過率が
    75%を超え、且つ牛血漿系におけるアルブミンの透過
    率が0.3%以上である、ポリスルホン系ポリマーとポ
    リビニルピロリドンからなる湿潤膜を、120℃以下の
    温度で乾燥することにより得られた膜孔保持剤を含まな
    い乾燥膜であって、(a) 膜の外表面から内表面緻密層に向かって孔径が
    連続的に小さくなるスポンジ構造からなり、(b) 純水の透水量が10〜1000mL/(m2
    hr・mmHg)、(c) 重量平均分子量40,000のポリビニルピロ
    リドンの透過率が75%以下、(d) 牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3
    %未満であり、(e) 膜の溶出物試験液の吸光度が0.04未満であ
    り、溶出物試験液中に膜孔保持剤を含まず、且つ (f) ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリド
    ンからなり、膜内表面におけるポリビニルピロリドンの
    濃度が30〜45重量% であることを特徴とする中空糸
    状血液浄化膜。
  2. 【請求項2】 水に不溶であるポリビニルピロリドンを
    含むことを特徴とする請求項1に記載の血液浄化膜。
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