JP2831576B2 - プロピレンブロック共重合体、その製造方法およびその組成物 - Google Patents
プロピレンブロック共重合体、その製造方法およびその組成物Info
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Description
電子部品、包装材料分野、エンジニアリングプラスチッ
ク代替品等に好適に用いられる、剛性、耐衝撃性、耐熱
性および表面硬度に優れるプロピレンブロック共重合体
およびその製造方法に関する。
かつその特長である軽量性、透明性、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性などの性質を生かし、自動車部品,電気・
電子部品などの工業材料、各種包装材料などに広く利用
されている。近年、製品の高機能化あるいはコスト低減
化に伴い、これらの材料に対する特性向上が強く要望さ
れている。
などを改良する方法として、例えばエチレン−プロピレ
ンブロック共重合体にエチレン−プロピレンゴムおよび
造核剤を配合する方法(特公昭60-3420 号公報など)あ
るいはエチレン−プロピレンゴム、エチレン共重合体お
よび無機フィラーを配合する方法(特開平4-275351号公
報、特開平5-5051号公報、特開平5-98097 号公報、特開
平5-98098 号公報など)などが提案されている。
法では、いずれも特性の一部を改良するものではある
が、耐熱性および剛性についてはいまだ不十分である。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、剛
性、耐衝撃性、耐熱性および表面硬度に優れるプロピレ
ン樹脂組成物を提供することを目的とする。
を重ねた結果、特定の物性を有するプロピレンブロック
共重合体により上記目的を達成しうることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は下記(i) ないし(iv)の物性を有するポリプ
ロピレン部(a)と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部 99.0重
量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率 98.0%
以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長 500以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長が800以上のものの合計量 10
重量%以上 下記 (v)〜(viii)の条件をすべて満足するプロピレンと
エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体部(b) (v) 2サイトモデルによる平均プロピレン含量(FP)
20〜80モル% (vi) 2サイトモデルにおいてプロピレンを優先的に重
合する活性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン
含量(PP ) 65〜90モル% (vii) PH が共重合体中に占める割合(Pf1) 0.4
0〜0.90 (viii)2サイトモデルによるブロック性(CSD)
1.8〜5.0 からなるプロピレンブロック共重合体を提供するもので
ある。以下、本発明を詳しく説明する。
体(以下「BPP」という)は、ポリプロピレン部
(a)と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数
4〜12のα−オレフィンとの共重合体部(b)からな
るブロック共重合体である。本発明のBPPは、第1段
の反応で生成するポリプロピレン部(a)が次の物性を
有することが必要である。
出不溶部(以下「XI」という)が99.0重量%以上
であり、好ましくは99.5重量%以上、さらに好まし
くは99.7重量%以上である。XIが99.0重量%
未満では剛性および耐熱性に劣る。なお、XIの測定
は、ポリプロピレンを135℃のオルトキシレンにいっ
たん溶解した後、25℃に冷却してポリマーを析出させ
る方法によった。
率(以下「IP」という)は、98.0%以上である必
要があり、98.5%以上が好ましく、特に99.0%
以上が好適である。IPが98.0%未満では剛性およ
び耐熱性に劣るので好ましくない。
共鳴(13C−NMR)スペルトルにより測定されるポリ
プロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチ
ック分率である。その測定法は、A.Zambelli; Macromol
ecules,6,925(1973)、同 8,687(1975) および同 13,267
(1980) に記載された方法に従った。
(以下「N」という)は500以上、好ましくは700
以上、特に好ましくは800以上である必要がある。N
が500未満では剛性および耐熱性に劣る。なお、Nと
は、ポリプロピレン分子内のメチル基のアイソタクチッ
ク部分の平均的な長さを表すものであり、その測定方法
は、J.C.Randall;Polymer SequenseDistribution,Acade
mic Press,New York,1977,Chapter2)に記載されている
方法に拠った。具体的には、ポリプロピレンを1,2,
4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒
にポリマー濃度が10重量%となるように温度130℃
に加温して溶解する。この溶液を10mmΦのガラス製
試料管に入れ、IPと同様の方法で13C−NMRスペク
トルを測定する。このスペクトル図の例を図1に示す。
図1のaは、ポリプロピレンにおけるメチル基領域のス
ペクトルであり、bはそのスペクトルの拡大図である。
スペクトルは、ペンタッド単位すなわち隣接するメチル
基5個をひとつの単位として測定され、メチル基のアイ
ソタクチシティー(構造的にはmmmm,mmmrなど
の10種類がある)によって吸収ピークが異なる。図1
のbに吸収ピークとアイソタクチシティーとの対応を示
す。
olymer Journal,vol.15,No.12,p859-868(1983)に記載さ
れた2サイトモデルがある。すなわち、重合時の活性種
が触媒側とポリマー末端の2種類あるとするものであ
り、触媒側は触媒支配重合、もう一方は末端支配重合と
呼ばれるものである(詳細については、古川淳二;高分
子のエッセンスとトピックス2,「高分子合成」,P7
3(株)化学同人発行(1986)に記載されてい
る)。
は、 α:触媒支配重合(エナンチオモルフィック過程)によ
る重合末端にD体およびL体が付加する確率、すなわち
アイソタクチック連鎖中の乱れの程度の指標 σ:末端支配重合(ベルヌーイ過程)により重合末端と
同じものが付加するメソ体ができる確率 ω:αサイトの割合 としてペンタッド単位でのアイソタクチシティーの異な
る10種類のアイソタクチック強度を理論的に計算でき
る。そして、前記NMRによる測定強度と、上記理論強
度とが一致するようにα、σおよびωを最小自乗法で求
め、次式により各ペンタッド単位を求める。
た平均連鎖長(N)の定義式;N=メソ体の連鎖数/メ
ソ体のユニット数に当てはめ、実際には次式により求め
ることができる。 N=1+(A1 +A2 +A3 )/0.5(A4 +A5 +
A6 +A7 )
ションのアイソタクチック平均連鎖長(以下「Nf 」と
いう)が800以上のものの合計量は全体の10重量%
以上であることが必要であり、好ましくは30重量%以
上、特に好ましくは50重量%である。Nf が800以
上であるものの合計量が10重量%未満では剛性、表面
硬度および耐熱性の改良効果に乏しい。
抽出不溶部をパラキシレンに温度130℃で溶解後、セ
ライトを加え、10℃/時間の降温速度で温度30℃ま
で下げ、セライトに付着させ、次に、スラリー状セライ
トをカラムに充填し、パラキシレンを展開液として温度
30℃から2.5℃毎に段階的に温度を上昇し、ポリプ
ロピレンをフラクション別に分取する方法である。詳細
については、MasahiroKakugo et al;Macromolecules,vo
l.21,p314-319(1988)に記載されている。分取したポリ
プロピレンのNf は、前記Nの測定法を用いて測定され
る。
生成するプロピレン−α−オレフィン共重合体(b)が
以下の条件をすべて満足することが必要である。ここ
で、プロピレン−α−オレフィン共重合体の2サイトモ
デルについて、プロピレン−エチレン共重合体を例にと
り説明する。プロピレン−エチレン共重合体の同位体炭
素による核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルの例を
図2に示す。該スペクトルは連鎖分布(エチレンとプロ
ピレンの並び方)の違いで (1)〜(10)に示す10個の
ピークが現れる。この連鎖の名称は、Carman,C,J,et a
l;Macromolecules,Vol.10,p536-544(1977) に記載があ
り、その名称を図3に示す。このような連鎖は、共重合
の反応機構を仮定すると反応確率(P)として表すこと
ができ、全体のピーク強度を1にしたときの各 (1)〜
(10)のピークの相対強度はPをパラメーターとしたベ
ルヌーイ統計による確率方程式として表すことができ
る。
位を記号p,エチレン単位を記号eとすると、これをと
りうる連鎖は[pppp]、[ppee]、[epp
e]の3通りであり、これらをそれぞれ反応確率(P)
で表し、足し合わせる。残りの(2)〜(10)のピークに
ついても同様な方法で式を立て、これら10個の式と実
際に測定したピーク強度が最も近くなるようにPを最適
化することにより求めることができる。
るモデルであり、H.N.CHENG;Jounalof Applied Polymer
Sience,Vol.35 p1639-1650(1988)に記載がある。すな
わち、触媒を用いてプロピレンとエチレンを共重合する
モデルにおいて、プロピレンを優先的に重合する活性点
で生成する共重合体(PH )のプロピレン含量(PP)
とエチレンを優先的に重合する活性点で生成する共重合
体のプロピレン含量(PP')の2つを仮定し、さらにP
H が共重合体中に占める割合(Pf1)をパラメーターと
すると、次の表2に示す確率方程式が得られる。
強度と、表2に示す確率方程式が一致するようにPP 、
PP'およびPf1の3個のパラメーターを最適化すること
により求められる。
は、上記3個のパラメーターを用いて次式で求められ
る。 FP=PP ×Pf1+PP'×(1−Pf1) (モル%) 上記式で求められるFPは20〜80モル%であり、好
ましくは25〜75モル%であり、さらに好ましくは3
0〜70モル%である。FPが20モル%未満では成形
品の外観が著しく低下する。一方、80モル%を超える
と耐衝撃性が低下するので好ましくない。
は65〜90モル%であり、68〜88モル%が好まし
く、とりわけ70〜85モル%が好適である。PP が6
5モル%未満では剛性および耐熱性が低下する。一方、
90モル%を超えると耐衝撃性が損なわれるので好まし
くない。
であり、0.45〜0.85が好ましく、とりわけ0.
48〜0.82が好適である。Pf1が0.40未満では
剛性および耐熱性が低下する。一方、0.90を超える
と耐衝撃性が損なわれるので好ましくない。
は、エチレンとプロピレンの反応性比のことであり、こ
の定義は、高分子会編,「共重合1反応解析」p5〜1
3,培風館発行(1975) の方法に従った。すなわち、図
2のスペクトルにおける各ピークの強度比(Ri)を用
いて次式で表される。 CSD=[(0.5 ×R7+0.25×R6+0.5 ×R3)×R1]/
[0.5×( R2+R3)]2 上式で得られるCSDは1.8〜5.0であり、2.0
〜4.5が好ましく、とりわけ2.5〜4.0が好適で
ある。CSDが1.8未満では剛性および耐熱性が低下
する。一方、5.0を超えると低温における耐衝撃性が
損なわれるので好ましくない。
−オレフィン共重合体(b)の割合は3〜50重量%で
あり、5〜45重量%が好ましく、とりわけ10〜40
重量%が好適である。(b)の割合が3重量%未満では
耐衝撃強度が低下する。一方、50重量%を超えると剛
性および耐熱性が阻害されるので好ましくない。
タン、灯油などの不活性炭化水素またはプロピレンなど
の液化α−オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー法、
無溶媒下の気相重合法などにより、温度条件としては室
温〜130℃、好ましくは50〜90℃、圧力2〜50
kg/cm2 の条件で行われる。重合工程における反応
器は、当該技術分野で通常用いられるものが適宜使用で
き、例えば攪拌槽型反応器、流動床型反応器、循環式反
応器を用いて連続式、半回分式、回分式のいずれの方法
でもよい。具体的には、公知の多段重合法を用いて得ら
れる。すなわち、第1段の反応でプロピレンを重合した
後、第2段の反応でプロピレンとα−オレフィンとの共
重合を行う方法であり、例えば、特公昭36-15284号公
報、特公昭38-14834号公報、特開昭53-35788号公報、特
開昭53-35789号公報、特開昭56-55416号公報などに記載
されている。
ッタ型触媒、例えば三塩化チタン系触媒あるいは塩化マ
グネシウム担持型チタン触媒では得られない。本発明の
BPPを得る触媒の例としては、マグネシウム化合物、
チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与性化
合物を必須成分とする固体触媒を、更に一般式:TiXa
・Yb (式中、XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Y
は電子供与性化合物を、aは3もしくは4を、bは3以
下の整数をそれぞれ表す)で示されるチタン化合物で処
理後、ハロゲン含有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗
浄して得られる改良重合触媒が挙げられる。
utts,et al,Advan.Organometal.Chem.,9,135(1970), 第
4版新実験化学講座 17 無機錯体・キレート錯体 日
本化学会丸善(1991) p.35, H.K.Kakkoen,et al,J.Organ
omet.Chem.,453,175(1993)などに記載されているよう
に、一般に電子供与性化合物とは容易に錯体を形成する
ことが知られている。
の中で好ましいのはCl である。aは3もしくは4であ
るが、好ましくは4である。Yとしては、一般に含酸素
化合物、含窒素化合物、含リン化合物、含硫黄化合物な
どが挙げられる。含酸素化合物としては、例えばアルコ
ール類、エーテル類、エステル類、酸ハライド類、酸無
水物類などが挙げられる。これらの電子供与性化合物
は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。これら
の中でも好ましいものはエステル類であり、特に好まし
いものはフタル酸エステル類である。Yのbは、前記a
が3のときはbは1〜3、aが4のときは1または2が
好ましく、特に好ましいのはaが4、bが1の場合であ
る。
ることにより剛性、耐熱性および耐衝撃強度が向上す
る。該造核剤は、合成樹脂分野において結晶性樹脂に添
加し、核となって結晶を成長させる効果のある物質をい
い、各種の物質がある。具体例としては、例えばカルボ
ン酸の金属塩、ジベンジリデンソルビトール誘導体、フ
ォスフェート金属塩、タルクおよび炭酸カルシウムなど
の無機フィラーなどが挙げられる。これらの造核剤は1
種でもよく、2種以上を併用してもよい。
一般に0.05〜0.5重量%であり、好ましくは0.
08〜0.4重量%、とりわけ0.1〜0.35重量%
が好適である。一方、タルクなどの無機フィラーは5〜
30重量%であり、7〜28重量%が好ましく、特に9
〜25重量%が好適である。これらの造核剤の配合は、
公知の混合方法、例えばリボンブレンダー、タンブラ
ー、ヘンシェルミキサーなどを用いて各成分を混合し、
さらにニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサ
ー、押出機などを用いて溶融混合して得られる。溶融混
合時の温度は、通常170〜280℃であり、好ましく
は190〜260℃で行うとよい。得られた組成物は、
公知の溶融成形法および圧縮成形法により、フィルム、
シート、チューブ、ボトルなどに成形し単体での使用あ
るいは他の材料を積層して積層体としても使用すること
ができる。
エステル系、ポリアクリル系などの接着剤を用いて、そ
の他の熱可塑性樹脂を積層する、いわゆるドライラミネ
ート成形法、共押出ラミネーション法、共押出法、共射
出成形法、共押出パイプ成形法などが挙げられる。この
ようにして得られた多層積層体は、真空成形、圧空成
形、延伸ブロー成形などの成形法を用いて、再加熱し延
伸する方法により成形体とすることもできる。
用されている添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安定
剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、
顔料、可塑剤、柔軟剤などを本発明の目的を損なわない
範囲で適宜配合してもよい。
明する。なお、各物性の測定方法を以下に示す。 [MFR]JIS K7210に準拠し、タカラ社製メ
ルトインデクサーを使用した。 [エチレン含有量]C.J.Carman et al; Macromolecule
s,10,537(1977) に記載されている13C−NMR法に拠
った。 [曲げ弾性率]JIS K7203に準拠した。 [アイゾット衝撃強度]JIS K7110に準拠し、
ノッチ付きで測定した。 [落錘衝撃強度]ASTM D3029−78に準拠
し、高さ1mから重錘を落下させ、重錘の荷重を100
g毎に変更しながら、試験片20枚のうち50%が破損
するときの荷重を求めた。温度は−20℃の条件で測定
した。 [荷重たわみ温度]JIS K7207B法に準拠し、
荷重4.6kgで測定した。
に準拠しスケールRで測定した。また、使用したBPP
の製造例を以下に示す。 (イ)固体触媒の調製 無水塩化マグネシウム56.8gを、無水エタノール1
00g、出光興産社製ワセリンオイル(CP15N)5
00mlおよび信越シリコーン社製シリコーン油(KF
96)500mlからなる混合液に窒素雰囲気下、12
0℃で完全溶解した。この混合物を特殊機化工業社製T
Kホモミキサーを用いて120℃、3000回転/分で
3分間撹拌した。次いで、撹拌を維持しながら2リット
ルの無水ヘプタン中に0℃以下を維持するように冷却し
ながら移送した。得られた白色固体は無水ヘプタンで十
分洗浄し、室温下で真空乾燥した。得られた白色固体3
0gを無水ヘプタン200ml中に懸濁させ、0℃で撹
拌しながら四塩化チタン500mlを1時間かけて滴下
した。次に、加熱を始めて40℃になったところでフタ
ル酸ジイソブチル4.96gを加え、100℃まで約1
時間で上昇させた。100℃で2時間反応した後、熱時
ろ過にて固体部分を採取した。得られた固体部分に四塩
化チタン500mlを加え、撹拌下120℃で1時間反
応した後、再度熱時ろ過にて固体部分を採取し、60℃
のヘキサン1リットルで7回、さらに室温のヘキサン1
リットルで3回洗浄した。
4 H9)2]の調製 四塩化チタン19gを含むヘキサン1リットルの溶液
に、フタル酸ジイソブチル27.8gを、0℃を維持し
ながら約30分間で滴下した。滴下終了後、40℃に昇
温し30分間反応した。反応終了後、固体部分を採取し
ヘキサン500mlで5回洗浄し目的物を得た。
mlに懸濁させ、25℃で上記(ロ)で得られたTiC
l4 [C6 H4 ( COOi C4 H9)2]5.2gで1時間
処理して担持させた。担持終了後、熱時ろ過にて固体部
分を採取し、トルエン300mlと四塩化チタン10m
lに再懸濁させ、90℃で1時間撹拌洗浄し、熱時ろ過
にて固体部分を採取し、その後、この反応物を90℃の
トルエン500mlで5回、室温のヘキサン500ml
で3回洗浄した。
に、n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム
6.0g、ジシクロペンチルジメトキシシラン3.9
g、および上記(ハ)で得られた重合触媒成分10gを
投入し、0〜5℃の温度範囲で5分間撹拌した。次に、
重合触媒成分1gあたり10gのプロピレンが重合する
ようにプロピレンをオートクレーブ中に供給し、0〜5
℃の温度範囲で1時間予備重合した。得られた予備重合
固体触媒成分は、n−ヘプタンで500mlで3回洗浄
を行い、以下の本重合に使用した。
撹拌機付きオートクレーブに上記の方法で調製された予
備重合固体触媒2.0g、トリエチルアルミニウム1
1.4g、ジシクロペンチルジメトキシシラン6.84
gを入れ、次いでプロピレン18kg、プロピレンに対
して13000モルppmになるように水素を装入し、
75℃まで昇温し1時間重合を行った。その後、未反応
のプロピレンを除去し重合を終結させた。反応終了後、
反応生成物をサンプリングした。
プロピレンを除去し、温度75℃でエチレン/プロピレ
ン=40/60(モル比)の混合ガス2.2Nm3 /時
間、水素20Nリットル/時間の供給速度で40分間共
重合した。重合終了後、未反応ガスを除去し重合を終結
した。その結果、エチレン含有量が9.5重量%および
MFRが16.9g/10分であるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体(以下「BPP1」という)8.6
kgを得た。
第二段重合時の重合時間、エチレン量を調整し、エチレ
ン含有量が10.8重量%およびMFRが7.3g/1
0分であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(以
下「BPP2」という)ならびにエチレン含有量が6.
1重量%およびMFRが26.8g/10分であるプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(以下「BPP3」
という)を得た。また、第二段重合の際、さらにブテン
−1を供給した以外はBPP1と同様にして、エチレン
含有量が7.8重量%、ブテン−1含有量が0.7重量
%およびMFRが15.3g/10分であるプロピレン
−エチレンブロック共重合体(以下「BPP4」とい
う)を得た。
Pを用いた。東ソー・アクゾ社製AA型三塩化チタン
6.0g、ジエチルアルミニウムクロライド23.5g
を触媒成分として用い、プロピレン18kg、プロピレ
ンに対して8000モルppmになるように水素を装入
し、70℃まで昇温し、以下BPP1と同様にして重合
した結果、エチレン含有量が9.8重量%およびMFR
が18.2g/10分であるもの(以下「BPP5」と
いう)、および前記(イ)で調製された触媒を用いたこ
とおよび第一段重合時の水素量を9300モルppmと
した以外はBPP1と同様にして重合を行い、エチレン
含有量が10.1重量%およびMFRが18.4g/1
0分であるもの(以下「BPP6」という)を得た。
プリングしたポリプロピレン部について、XI、IP、
NおよびNf を測定した。その結果を表2に示す。な
お、IPの測定条件は以下のとおりである。 測定器 日本電子社製 JNM−GSX400 測定モード :プロトンデカップリング法 パルス幅 :8.0μs パルス繰返時間 :3.0s 積算回数 :20000回 溶 媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼンの混合 溶媒(75/25重量%) 内部循環 :ヘキサメチルジシロキサン 試料濃度 :300mg/3.0ml溶媒 測定温度 :120℃
ピレン共重合体部について、NMRスペクトルと2サイ
トモデルの解析により、FP、PP 、Pf1およびCSD
を求めた。その結果を表4に示す。
香酸アルミニウム塩を用いた。
核剤ならびに安定剤としてジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール 0.05重量%、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート] 0.10重量%およびカル
シウムステアレート 0.10重量%を配合し、川田製
作所社製スーパーミキサー(SMV20型)を用いて混
合し、ナカタニ機械社製二軸押出機(AS30型)を用
いてペレット化した。得られた各ペレットを東芝機械社
製射出成形機(IS−170FII)を用いて、温度22
0℃、金型冷却温度50℃で各試験片を作製した。得ら
れた試験片を相対湿度50%、温度23℃の恒温室に2
日放置後、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度(ノッチ付
き)、落錘衝撃強度、荷重たわみ温度およびロックウェ
ル硬度を測定した。得られた結果を表5に示す。
性、耐熱性および表面硬度に優れるので、特に自動車部
品、電気・電子部品、包装材料分野などに有用である。
鳴スペクトルの例である。
ペクトルの例である。
の名称を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記(i) ないし(iv)の物性を有するポリ
プロピレン部(a)50〜97重量%と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部 99.0重
量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率 98.0%
以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長 500以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長が800以上のものの合計量 10
重量%以上 下記 (v)〜(viii)の条件をすべて満足するプロピレンと
エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体部(b)50〜3重量% (v) 2サイトモデルによる平均プロピレン含量(FP)
20〜80モル% (vi) 2サイトモデルにおいてプロピレンを優先的に重
合する活性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン
含量(PP ) 65〜90モル% (vii) PH が共重合体中に占める割合(Pf1) 0.4
0〜0.90 (viii)2サイトモデルによるブロック性(CSD)
1.8〜5.0 からなるプロピレンブロック共重合体。 - 【請求項2】 マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
ロゲン含有化合物および電子供与性化合物を必須成分と
する固体触媒を、更に一般式:Ti Xa ・Yb (式中、
XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Yは電子供与性化合
物を、aは3もしくは4を、bは3以下の整数をそれぞ
れ表す)で示されるチタン化合物で処理後、ハロゲン含
有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗浄して得られる改
良重合触媒を用いて重合して得られる請求項1記載のプ
ロピレンブロック共重合体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のプロピレンブロック共重
合体に少なくとも造核剤 0.05〜30重量%を配合
してなるプロピレンブロック共重合体樹脂組成物。
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