JP2830669B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

Info

Publication number
JP2830669B2
JP2830669B2 JP4361571A JP36157192A JP2830669B2 JP 2830669 B2 JP2830669 B2 JP 2830669B2 JP 4361571 A JP4361571 A JP 4361571A JP 36157192 A JP36157192 A JP 36157192A JP 2830669 B2 JP2830669 B2 JP 2830669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reducing agent
absorbent
exhaust gas
exhaust
fuel ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4361571A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06200738A (ja
Inventor
康 荒木
信也 広田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4361571A priority Critical patent/JP2830669B2/ja
Priority to US08/160,695 priority patent/US5406790A/en
Priority to DE4342062A priority patent/DE4342062B4/de
Publication of JPH06200738A publication Critical patent/JPH06200738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2830669B2 publication Critical patent/JP2830669B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には、内燃機関の排気中のNOX を効果
的に除去可能な排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の排気浄化装置の例としては、例
えば特開昭62─106826号公報に開示されたもの
がある。同公報の装置は、ディーゼル機関の排気通路に
酸素の存在下でNOX を吸収する吸収剤(触媒)を収容
した容器を接続し、このNOX 吸収剤に排気中のNOX
を吸収させ、該吸収剤のNOX 吸収効率が低下した時に
容器への排気の流入を遮断して容器内に気体状の還元剤
を供給することにより、還元雰囲気を生成して吸収剤か
らNOX を放出させると共に、放出されたNOX を還元
浄化するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62─10
6826号公報の装置は、NOX 吸収剤を収容する容器
上流側に設けた遮断弁を用いて容器への排気の流入を完
全に遮断して、排気中に含まれる酸素が流入することを
防止してから容器内に還元剤を供給する事により、容器
内を還元雰囲気にしてNOX 吸収剤のNOX 放出、還元
浄化を行っている。このため、NOX 吸収剤の上記NO
X 放出及び還元浄化操作(以下、「再生」操作という)
を行う際に前記遮断弁下流側の排気通路と容器内の空間
全体を還元雰囲気にするだけの量の還元剤を使用する必
要があり、還元剤の消費量が増大する問題がある。
【0004】また、上記公報の装置では、NOX 吸収剤
再生操作時に容器内への排気の流入を完全に遮断する必
要があるため、エンジン運転中に再生操作を行うために
はNOX 吸収剤を収容した複数の容器をエンジン排気通
路に並列に接続して、NOX吸収剤の再生操作実行中で
も他のNOX 吸収剤を通して排気を流すことができるよ
うにする必要があり、排気系の構造が複雑になる問題が
ある。
【0005】この構造の複雑化の問題を回避するため
に、例えばNOX 吸収剤に流入する排気を完全に遮断す
るのではなく、流入する排気の流量を所定流量まで低減
して還元剤を供給することにより、NOX 吸収剤の再生
操作時にもエンジン排気の流路を確保するようにした構
成も可能である。しかし、この構成によれば複数のNO
X 吸収剤容器を排気系に並列配置する必要がなくなり、
排気系の構造は簡単になるものの、この場合、NOX
収剤を還元雰囲気に保つためには流入する排気中の酸素
を全て消費することのできるだけの量の還元剤を連続的
に供給する必要があるため、上記と同様に還元剤の消費
量が増大する問題が生じる。
【0006】また、NOX 吸収剤からのNOX の放出速
度は温度が高いほど大きくなるため、NOX 吸収剤の温
度が高い状態で再生操作を行うほど短時間でNOX 吸収
剤の再生を完了することができる。上記従来技術では、
NOX 吸収剤上での還元剤の燃焼によりNOX 吸収剤の
温度がある程度上昇するが、NOX 吸収剤は還元雰囲気
に保持されるため酸素量の不足により還元剤の燃焼は生
じにくく、再生操作実行時に十分にNOX 吸収剤の温度
が上昇しない場合がある。
【0007】本発明は、上述の問題に鑑み、NOX 吸収
剤の再生時の還元剤消費量を低減するとともに再生時に
NOX 吸収剤の温度を速やかに上昇させて短時間で効率
的な再生を行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、理論空
燃比よりリーン側の空燃比で運転することのできる内燃
機関の排気通路に、流入排気の空燃比がリーンのときに
NOX を吸収し、流入排気の酸素濃度が低下したときに
吸収したNOX を放出するNOX 吸収剤を配置して該N
X 吸収剤に排気中のNOX を吸収させ、所定の運転条
件下で該NOX吸収剤に還元剤を導入して排気の酸素濃
度を低下させNOX 吸収剤から吸収したNOX を放出さ
せると共に放出されたNOX を還元浄化する内燃機関の
排気浄化装置において、前記NOX の放出、還元操作時
にNOX 吸収剤に流入する排気に還元剤を導入する還元
剤供給手段と、排気中の前記還元剤の割合を制御する還
元剤濃度調節手段と、該還元剤濃度調節手段を制御して
NOX 吸収剤に流入する排気中に還元剤濃度の高いリッ
チ空燃比排気の層と還元剤濃度の低いリーン空燃比排気
層とを交互に生成する制御手段とを備えたことを特徴
とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0009】
【作用】NOX 吸収剤に流入する排気中に還元剤濃度の
高い層と低い層とを交互に生成することにより、NOX
吸収剤中を、両側を還元剤濃度が低く酸素を多量に含む
層(リーン空燃比層)で挟まれた還元剤濃度の高い層
(リッチ空燃比層)が上流側から下流側に向けて通過し
て行くことになる。
【0010】このため、リッチ空燃比層とその両側のリ
ーン空燃比層との境界部分近傍では酸素が十分に存在す
る条件下で還元剤の燃焼が行われNOX 吸収剤の温度が
上昇する。この境界部分は上記リッチ空燃比層と共にN
X 吸収剤中を上流側から下流側に向けて移動して行く
ため、リッチ空燃比層の通過に伴いNOX 吸収剤全体が
上流側から下流側に向けて加熱され、速やかに温度が上
昇する。
【0011】また、リッチ空燃比層の内部は酸素濃度が
低く還元雰囲気になっているので、リッチ空燃比層の通
過に伴いNOX 吸収剤が上流側から下流側に向けて順次
再生される。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例につ
いて説明する。図1は、本発明をディーゼルエンジンの
排気浄化装置に適用した場合の実施例を示している。図
1において、1はディーゼルエンジン、2はエンジンの
吸気管、3はエンジンの排気管を示す。また、排気管3
には後述のNOX 吸収剤5が接続されており、エンジン
の排気管3のNOX 吸収剤5の上流側には排気制御弁6
が設けられている。
【0013】制御弁6は全開時の排気抵抗の少ないバタ
フライ弁の形式であり、エンジンの通常運転時には全開
に保持されており、NOX 吸収剤5からのNOX の放
出、還元操作時に所定開度まで閉弁され、排気管3を絞
ってエンジンに吸入される空気量を低下させる。7は制
御弁6を開閉駆動するソレノイド、負圧アクチュエータ
等の適宜な形式のアクチュエータである。アクチュエー
タ7は後述の電子制御ユニット(ECU)20からの信
号により作動して排気制御弁6の開閉を行う。
【0014】また、エンジン排気管3の制御弁6とNO
X 吸収剤5との間には還元剤供給装置11が配置されて
おり、NOX 吸収剤5の下流側には、排気温度センサ1
2が配置されている。還元剤供給装置11は、NOX
収剤5の上流側の排気管3に還元剤を噴射する噴射弁1
1aを備え、ECU20からの入力信号に応じて所定の
流量の還元剤を排気管3内に注入する。なお、噴射弁1
1aは制御弁6の上流側に還元剤を噴射する位置に設け
てもよい。還元剤としては、排気中で水素、炭化水素や
一酸化炭素等の還元成分を発生するものであれば良く、
水素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブ
タン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯
油等の液体燃料等が使用できる。本実施例では、ディー
ゼルエンジンを使用しているため還元剤としてエンジン
の燃料と同じ軽油を使用しており、還元剤供給装置11
にはエンジンの図示しない燃料系統から軽油が供給され
る。また、噴射弁11aはECU20からの信号に応じ
て開弁し、霧状の軽油をNOX 吸収剤5の上流側排気通
路に噴射する。
【0015】また、図に20で示すのはエンジン1の電
子制御ユニット(ECU)である。ECU20はCP
U、RAM、ROM、及び入力ポート、出力ポートを相
互に双方向バスで接続した構成の公知のディジタルコン
ピュータからなり、エンジンの燃料噴射量制御等の基本
制御を行うほか、本実施例では排気制御弁6の開閉制御
と、還元剤噴射弁11aからの還元剤噴射の制御とを行
っている。これらの制御のためECU20の入力ポート
24には、排気温度センサ12から排気温度信号が入力
されている他、エンジン回転数、アクセル開度等の信号
がそれぞれ図示しないセンサから入力されている。
【0016】NOX 吸収剤5は例えばアルミナ等の担体
を使用し、この担体上に例えばカリウムK,ナトリウム
Na ,リチウムLi ,セシウムCs のようなアルカリ金
属、バリウムBa , カルシウムCa のようなアルカリ土
類、ランタンLa ,イットリウムYのような希土類から
選ばれた少なくとも一つと、白金Pt のような貴金属と
が担持されている。このNOX 吸収剤5は流入する排気
の空燃比がリーンの場合にはNOX を吸収し、酸素濃度
が低下するとNOX を放出するNOX の吸放出作用を行
う。
【0017】なお、上述の排気空燃比とは、ここではN
X 吸収剤5の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸
気通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と燃料の合
計の比を意味するものとする。従って、NOX 吸収剤5
の上流側排気通路に燃料、還元剤または空気が供給され
ない場合には排気空燃比はエンジンの運転空燃比(エン
ジン燃焼室内の燃焼における空燃比)と等しくなる。
【0018】本実施例ではディーゼルエンジンが使用さ
れているため、通常運転時の排気空燃比はリーンであ
り、NOX 吸収剤5は排気中のNOX の吸収を行う。ま
た、後述の操作により排気中に還元剤が導入されて酸素
濃度が低下すると、NOX 吸収剤5は吸収した還元剤の
放出を行う。この吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸放出
作用は図2に示すようなメカニズムで行われているもの
と考えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白
金Pt およびバリウムBa を担持させた場合を例にとっ
て説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土
類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0019】即ち、流入排気がかなりリーンになると流
入排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図2(A) に示され
るようにこれら酸素O2 がO2 - またはO2-の形で白金
Ptの表面に付着する。一方、流入排気中のNOは白金
Pt の表面上でこのO2 - またはO2-と反応し、NO2
となる(2NO+O2 →2NO2 ) 。次いで生成された
NO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内に吸
収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図2(A)
に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤内に
拡散する。このようにしてNOX がNOX 吸収剤5内に
吸収される。
【0020】従って、流入排気中の酸素濃度が高い限り
白金Pt の表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX
収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて
硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が減少すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、こうして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。すなわち、流入排気中の酸素濃度が低下す
るとNOX 吸収剤5からNOX が放出されることにな
る。
【0021】一方、流入排気中にHC,CO等の還元成
分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2
- またはO2-と反応して酸化され、排気中の酸素を消費
して排気中の酸素濃度を低下させる。また、排気中の酸
素濃度低下によりNOX 吸収剤5から放出されたNO2
は図2(B) に示すようにHC,COと反応して還元され
る。このようにして白金Pt の表面上にNO2 が存在し
なくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出され
る。
【0022】すなわち、流入排気中のHC,COは、ま
ず白金Pt 上のO2 - またはO2-とただちに反応して酸
化され、次いで白金Pt 上のO2 - またはO2-が消費さ
れてもまだHC,COが残っていればこのHC,COに
よって吸収剤から放出されたNOX および機関から排出
されたNOX が還元される。また、上述のNOX 吸収剤
からのNOX の放出作用は、NOX 吸収剤の温度が高い
ほど活発になるため、再生時にNOX 吸収剤の温度を高
く保持することにより、短時間でNOX 吸収剤に吸収さ
れたNOX を完全に放出させて完全な再生を行うことが
できる。
【0023】本実施例では、NOX 吸収剤の再生時にN
X 吸収剤5を通過する排気中に還元剤濃度の高い層と
低い層とを交互に生成することにより、これらの層の境
界付近で白金Pt の触媒作用による還元剤の燃焼を促進
するとともに、還元剤の燃焼により温度が上昇したNO
X 吸収剤を還元剤濃度が高い層が通過する際に吸収され
たNOX の放出、還元を行う。
【0024】このように、還元剤濃度の高い層と低い層
とを交互にNOX 吸収剤を通過させることにより、NO
X 吸収剤の再生操作時に流入する排気の還元剤濃度を常
時高く保持する場合に較べ還元剤の消費量が大幅に低減
されると同時にNOX 吸収剤の温度を効率よく上昇させ
ることができる。次に、再生操作時にNOX 吸収剤に流
入する排気中に還元剤濃度の高い層と低い層とを交互に
生成する方法について図3から図5を用いて説明する。
【0025】本実施例では、排気制御弁6の開閉操作と
還元剤噴射弁11aの噴射制御により排気中に還元剤の
濃度の高低を生じさせている。このための排気制御弁6
と還元剤噴射弁11aとの作動の組み合わせとしては以
下の3つがある。 排気制御弁6に所定間隔で開閉動作を行わせ、還元剤
噴射弁11aからは連続的に還元剤を噴射する。
【0026】排気制御弁6に所定間隔で開閉動作を行
わせ、この開閉動作に応じて還元剤噴射弁11aから間
欠的に還元剤を噴射する。 排気制御弁6は所定の一定開度に保持したまま還元剤
噴射弁11aから間欠的に還元剤を噴射する。 図3から図5はそれぞれ上記からの場合に付いての
排気制御弁6の動作(各(A)図)、還元剤噴射弁11
aからの還元剤噴射量(各(B)図)、それによるNO
X 吸収剤5を通過する排気流量の変化(各(C)図)と
空燃比の変化(各(D)図)を時間を横軸にとって示し
ている。
【0027】図3は上記の場合を示し、排気制御弁6
は所定の間隔で開閉作動され(図3(A))、それによ
って排気流量(流速)は増減する(同(C))。一方、
還元剤噴射弁11aは連続的に還元剤を噴射している
(同(B))。排気制御弁6が閉弁している期間(区間
I)には、排気流速が低下しているため、この時に噴射
弁11aから噴射された還元剤は噴射弁11aの近傍に
高濃度の還元剤の層を形成し、空燃比は理論空燃比より
大幅にリッチとなる。次いで排気制御弁が所定の開度ま
で開弁すると(区間II)、比較的多量の排気が流入して
流速が上昇するので、この高濃度の還元剤層は排気に搬
送されて噴射弁11a近傍の還元剤濃度は低下する。こ
れにより、排気制御弁6の開閉動作に伴って還元剤の高
濃度層と低濃度層とが交互に形成され、排気流に運ばれ
てNOX 吸収剤中を通過する。
【0028】前述のように、還元剤の高濃度層と低濃度
層との境界付近ではNOX 吸収剤上で還元剤の燃焼が促
進されてNOX 吸収剤の温度が上昇するが、図3の例で
は還元剤の低濃度層もある程度の還元剤を含むため低濃
度層の通過時にも還元剤の燃焼が生じ、NOX 吸収剤の
温度が一層早く上昇する。なお、図3の場合は還元剤の
高濃度層と低濃度層とが交互に形成されるが、低濃度層
は理論空燃比に較べてかなりリーン側の空燃比になって
おり、排気制御弁の開閉間隔を適当に設定することによ
り全体として排気空燃比の平均値はリーンに保持されて
いるため、流入する排気の空燃比を常に理論空燃比より
リッチ側に保持する場合に較べて還元剤供給量は大幅に
低減される。
【0029】図4は、上記の場合を示し、還元剤噴射
弁11aからは排気制御弁6の開弁期間のみ還元剤が噴
射される。この結果、図3の場合と較べて還元剤の低濃
度層は殆ど還元剤を含まないことになり、還元剤供給量
は更に低減される。図5は上記の場合を示す。この場
合、排気制御弁6は一定の開度に保持され(図5
(A))、排気流量は一定になる。また、還元剤供給量
噴射弁11aは間欠的に還元剤の噴射を行う(同
(B))。このため、図4の場合と同様に、還元剤の高
濃度層と還元剤を殆ど含まない低濃度層とが交互に排気
中に形成される。
【0030】なお、還元剤噴射弁11aから還元剤を間
欠的に噴射するのではなく、噴射量を所定間隔で増減す
るようにすれば、図3の場合と同様に還元剤の高濃度層
とある程度の還元剤を含む低濃度層とを交互に排気中に
形成することができる。また、上記〜の方法は再生
操作時に単独で使用することもできるが、NOX 吸収剤
の温度条件等に応じて切り換えて使用することもでき
る。
【0031】図6は、排気制御弁6と還元剤噴射弁11
aの作動の制御の実施例を示すフローチャートである。
本ルーチンは、上述のECU20により一定時間毎に実
行される。本実施例ではNOX 吸収剤5の温度条件に応
じて上記との方法を切り換える制御を行う。すなわ
ち、NOX 吸収剤下流に設けた排気温度センサ12によ
り検出した排気温度TEXが第一の所定値T1 以下の場合
には、ECU20は、NOX 吸収剤の温度が低く再生に
時間がかかると判断して還元剤を連続的に噴射して上記
の方法により、NOX 吸収剤の温度を急速に上昇させ
る。排気温度TEXが第一の所定値T1 を越えた場合には
還元剤の間欠噴射に切り換えて上記の方法により再生
を行い還元剤消費量を低減する。また、排気温度TEX
第二の所定温度T2 以上になった場合には、NOX 吸収
剤の温度が十分に高くなっておりNOX の放出、還元反
応の速度が早くなっていると考えられるので、間欠噴射
実行時の還元剤噴射量を減少し、更に還元剤の消費量を
低減させる。
【0032】図6においてルーチンがスタートすると、
ステップ601ではNOX 吸収剤5下流の排気温度TEX
が排気温度センサ12から、また、エンジンのアクセル
開度ACCとエンジン回転数Nとがそれぞれのセンサから
読み込まれる。次いで、ステップ603ではNOX 吸収
剤の再生操作実行条件が成立しているか否かが判定され
る。 ここで、NOX 吸収剤の再生実行条件は、(1)
アクセル開度ACCが所定値以下、かつ、エンジン回転数
Nが所定値以上であること(すなわちエンジンブレーキ
中であること)、(2)前回NOX 吸収剤の再生操作を
行ってから所定時間が経過していること、であり上記条
件が両方とも成立した場合のみにステップ605以下の
NOX 吸収剤の再生操作を行う。
【0033】ここで、NOX 吸収剤の再生をエンジンブ
レーキ中にのみ行うのは(上記条件(1))、再生時に
は後述のように排気制御弁6を閉じて排気流量を低減す
る必要があるため、通常運転中に再生を行うとトルクシ
ョックを生じ運転性が悪化するためである。また、前回
の再生操作実行から所定時間が経過していること(上記
条件(2))を再生実行条件としているのは頻繁な再生
操作を避けて真に再生が必要な場合にのみ再生操作を行
うようにするためである。
【0034】なお、上記条件(2)の代わりに、NOX
吸収剤のNOX 吸収量が所定値以上になっていることを
再生操作の実行条件としても良い。NOX 吸収剤のNO
X 吸収量は、例えば、単位時間当たりのエンジンからの
NOX の排出量を予めエンジン負荷(アクセル開度)と
エンジン回転数等の関数としてECU20のROMに記
憶しておき、一定時間毎にアクセル開度と回転数とから
上記関数によりNOX排出量を求め、これに一定の係数
を乗じたものを上記一定時間内のNOX 吸収剤のNOX
吸収量として積算することにより求められる。
【0035】ステップ603で再生操作の実行条件が成
立している場合にはステップ607で排気制御弁6の作
動を制御するフラグFの値が1にセットされる。フラグ
Fが1にセットされると別途一定時間毎にECU20に
より実行される図示しないルーチンにより、排気制御弁
6は一定時間間隔で開閉動作を行う。次いでステップ6
07では、ステップ601で読み込んだ排気温度TEX
第一の所定値T1 以上か否かが判断される。T1 はNO
X 吸収剤の活性温度であり、例えばT1 =250度C程
度に設定される。TEX<T1 である場合にはNOX 吸収
剤の温度を早く活性温度以上に上昇させる必要があるの
で、ステップ609に進み還元剤噴射弁11aの作動を
制御するフラグGの値を1にセットする。フラグGの値
が1にセットされると、別途一定時間毎にECU20に
より実行される図示しないルーチンにより、還元剤噴射
弁11aは連続的に所定流量の還元剤を噴射する。これ
により、前述のの状態が成立する。
【0036】ステップ607でTEX≧T1 である場合に
はステップ611から617により再生操作を行う。す
なわち、ステップ611では再生操作の実行時間を表す
カウンタCをプラス1カウントアップして、ステップ6
13で排気温度TEXが第二の所定値T2 以上か否かを判
断する。ここで、T2 は再生時のNOX 放出、還元反応
が活発になる温度であり、例えばT2 =400度C程度
に設定される。ステップ607でTEX<T2 である場合
にはステップ615に進み、前述のフラグGの値を2に
セットする。フラグGの値が2にセットされると、別途
ECU20により実行される前述のルーチンにより還元
剤噴射弁11aは、排気制御弁6の開弁動作に同期して
所定量の還元剤の間欠噴射を行う。これにより、前述の
の状態が成立し、NOX 吸収剤5の昇温と再生とが同
時に行われる。
【0037】ステップ613でTEX≧T2 である場合に
はNOX 吸収剤5の温度は十分に高く、これ以上の昇温
は必要ないので、ステップ617でフラグGの値が3に
セットされる。フラグGの値が3にセットされると、別
途ECU20により実行される前述のルーチンにより還
元剤噴射弁11aの還元剤の間欠噴射の際の還元剤噴射
量はステップ615より少ない量に低減される。これに
より、還元剤の消費量が一層低減される。
【0038】次にステップ619からステップ625は
再生操作の停止動作を示す。これらのステップはステッ
プ603で再生操作実行条件が成立していない場合(再
生実行中に運転状態の変化により成立しなくなった場合
を含む)、及びステップ619でカウンタCの値が所定
値C0 以上になった場合に実行される。ここで所定値C
0 は、NOX 吸収剤5の再生を完全に行うのに必要な時
間に相当するルーチンの実行回数である。ステップ62
1から625が実行されると、フラグFとGの値はゼロ
にリセットされ、カウンタCの値はクリアされる。な
お、フラグFの値がゼロリセットされると排気制御弁6
は全開状態に保持され、フラグGの値がゼロリセットさ
れると還元剤噴射弁11aからの還元剤噴射は停止され
る。
【0039】本実施例のように、還元剤の高濃度そうと
低濃度層とを交互にNOX 吸収剤中を通過させてNOX
吸収剤の温度を上昇させることは、軽油、灯油等の揮発
性の低い成分を含む液状還元剤を使用する場合に還元剤
消費量の低減と再生時間の短縮とを達成する上で特に有
効である。すなわち、還元剤噴射弁11aから噴射され
た揮発性の低い液状還元剤は排気温度が低いと気化せず
に霧状のままNOX 吸収剤に到達する場合があるが、こ
の場合NOX 吸収剤の温度が低いと還元剤の気化が十分
に行われず供給された還元剤の一部が消費されずに大気
に放出される場合があり、再生に寄与しない還元剤の量
の増大とHC成分のエミッション悪化等の問題を生じる
恐れがある。このため、従来は軽油、灯油等の液状還元
剤を使用する場合にはバーナ、電気ヒータ等により予め
NOX 吸収剤の温度を上昇させて置く必要があり、装置
の複雑化とコスト上昇の原因となっていた。しかし、上
記によれば、排気制御弁と還元剤噴射タイミングの制御
により、簡易な方法でNOX 吸収剤の温度を上昇させる
ことができ、液状還元剤を使用する上での問題が解決さ
れる。
【0040】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例のみに限定されるものではな
く、種々の応用が可能である。例えば、上述の実施例は
ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合であるが、
本発明は同様に希薄燃焼を行うガソリンエンジンにも適
用できる。また、上記実施例では、排気制御弁を一定間
隔で開閉しているが、排気温度に応じて排気制御弁の開
閉間隔を変えるようにしてもよい。排気温度が低い場合
に排気制御弁の開閉間隔を短くすれば短い周期で還元剤
の高濃度層と低濃度層がNOX 吸収剤中を通過するよう
になるため、還元剤の燃焼が一層促進され、より短時間
でNOX 吸収剤の温度を上昇させる事ができる。
【0041】また、上記実施例では排気制御弁を開閉し
て、還元剤の高濃度層と低濃度層とを排気中に形成して
いるが、排気制御弁を一定開度に保持して還元剤噴射弁
から還元剤の間欠噴射を行う場合も上記実施例と同様な
制御が可能である。さらに、上記実施例では排気制御弁
の開閉を所定時間経過毎に(所定間隔で)行っている
が、他の方法により排気制御弁の開閉タイミングを制御
することもできる。
【0042】例えば、NOX 吸収剤の下流側に排気中の
酸素濃度に応じた出力信号を発生する酸素濃度センサを
配置して、NOX 吸収剤下流側の酸素濃度が所定値に達
する毎に排気制御弁(または還元剤噴射弁)を開閉する
ようにしてもよい、還元剤噴射弁から噴射された還元剤
は一定の時間遅れの後酸素濃度センサに到達するため、
上記により、排気制御弁(または還元剤噴射弁)は酸素
濃度センサの出力に応じて開閉動作を繰り返す事にな
る。この場合、排気制御弁等の開弁動作を行う酸素濃度
センサ出力と、閉弁動作を行う出力とに差を設けること
により、排気空燃比の平均値を理論空燃比よりリーン側
に制御することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の内燃機関の排気浄化装置は、上
述のようにNOX 吸収剤に流入する排気中に還元剤濃度
の高いリッチ空燃比排気の層と還元剤濃度の低いリーン
空燃比排気の層とを交互に形成することにより、NOX
吸収剤の再生時の還元剤消費量を低減するとともにNO
X 吸収剤の温度を上昇させて最適な温度で効率的にNO
X 吸収剤の再生を行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】本発明のNOX 吸収剤のNOX 吸放出作用を示
す図である。
【図3】排気制御弁と還元剤供給装置の作動タイミング
の一例を示す図である。
【図4】排気制御弁と還元剤供給装置の作動タイミング
の一例を示す図である。
【図5】排気制御弁と還元剤供給装置の作動タイミング
の一例を示す図である。
【図6】図1の実施例のNOX 吸収剤再生操作を示すフ
ローチャートの例である。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン 3…排気管 5…NOX 吸収剤 6…排気制御弁 7…アクチュエータ 11…還元剤供給装置 11a…還元剤噴射弁 12…排気温度センサ 20…ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/08 - 3/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 理論空燃比よりリーン側の空燃比で運転
    することのできる内燃機関の排気通路に、流入排気の空
    燃比がリーンのときにNOX を吸収し、流入排気の酸素
    濃度が低下したときに吸収したNOX を放出するNOX
    吸収剤を配置して該NOX 吸収剤に排気中のNOX を吸
    収させ、所定の運転条件下で該NOX吸収剤に還元剤を
    導入して排気の酸素濃度を低下させNOX 吸収剤から吸
    収したNOX を放出させると共に放出されたNOX を還
    元浄化する内燃機関の排気浄化装置において、前記NO
    X の放出、還元操作時にNOX 吸収剤に流入する排気に
    還元剤を導入する還元剤供給手段と、排気中の前記還元
    剤の割合を制御する還元剤濃度調節手段と、該還元剤濃
    度調節手段を制御してNOX 吸収剤に流入する排気中に
    還元剤濃度の高いリッチ空燃比排気の層と還元剤濃度の
    低いリーン空燃比排気の層とを交互に生成する制御手段
    とを備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
JP4361571A 1992-12-11 1992-12-29 内燃機関の排気浄化装置 Expired - Lifetime JP2830669B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4361571A JP2830669B2 (ja) 1992-12-29 1992-12-29 内燃機関の排気浄化装置
US08/160,695 US5406790A (en) 1992-12-11 1993-12-02 Exhaust gas purification device for an engine
DE4342062A DE4342062B4 (de) 1992-12-11 1993-12-09 Abgasreinigungsvorrichtung für eine Verbrennungsmaschine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4361571A JP2830669B2 (ja) 1992-12-29 1992-12-29 内燃機関の排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06200738A JPH06200738A (ja) 1994-07-19
JP2830669B2 true JP2830669B2 (ja) 1998-12-02

Family

ID=18474115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4361571A Expired - Lifetime JP2830669B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-29 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2830669B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE59712848D1 (de) 1996-08-19 2007-07-05 Volkswagen Ag Fremdgezündete Brennkraftmaschine mit einem NOx-Absorber
EP0944428B1 (de) 1996-08-19 2013-06-26 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren zum Betrieb einer Brennkraftmaschine mit einen NOx-Adsorber
DE10139615A1 (de) * 2001-08-11 2003-02-20 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung zur Bestimmung einer Partikelkonzentration eines Abgasstroms
JP4052305B2 (ja) 2004-11-15 2008-02-27 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化システム
JP2013113267A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06200738A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5406790A (en) Exhaust gas purification device for an engine
JP2727906B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2722987B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003176715A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2845080B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2845056B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2830669B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2722988B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2845068B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2010043583A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2830668B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH1113456A (ja) 内燃機関の触媒被毒再生装置
JP2845071B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2722985B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2842135B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2842122B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3374780B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2891057B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2959948B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2830655B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3397175B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3496572B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3324475B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3870819B2 (ja) 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法
JP2001200715A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070925

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080925

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080925

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090925

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100925

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100925

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110925

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110925

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120925

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120925

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130925

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130925

Year of fee payment: 15