JP2842122B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2842122B2
JP2842122B2 JP5004122A JP412293A JP2842122B2 JP 2842122 B2 JP2842122 B2 JP 2842122B2 JP 5004122 A JP5004122 A JP 5004122A JP 412293 A JP412293 A JP 412293A JP 2842122 B2 JP2842122 B2 JP 2842122B2
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康 荒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には、ディーゼルエンジンや希薄混合気
の燃焼を行うガソリンエンジン等、リーン空燃比の燃焼
を行う内燃機関の排気中のNOX を効果的に除去可能な
排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの排気通路に、酸素
の存在下でNOX を吸収する触媒(NOX 吸収剤)を2
つ並列配置して一方のNOX 吸収剤に排気中のNOX
吸収させ、一定時間使用してNOX の吸収能力が低下し
た場合に、他方のNOX 吸収剤に排気の流れを切り換え
てNOX の吸収を行うとともに、吸収効率が低下したN
X 吸収剤への排気の流入を遮断して還元剤を供給する
ことによりNOX 吸収剤からのNOX の放出と還元浄化
とを行うようにした内燃機関の排気浄化装置が公知であ
る(特開昭62─106826号公報参照) 同公報の装置では、NOX 吸収剤は片方づつNOX の吸
収能力が低下するまで連続的に使用され、吸収能力が低
下した時点でNOX 吸収剤からのNOX の放出と還元浄
化の操作が行われる。(以下、このNOX 吸収剤からの
NOX の放出及び還元浄化操作をNOX 吸収剤の再生操
作と呼ぶ。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、NOX 吸収剤
のNOX 吸収能力(ここでは、NOX 吸収剤に流入する
排気中に含まれるNOX 量のうち、NOX 吸収剤が吸収
出来るNOX 量の比率をNOX 吸収能力と呼ぶ)は、図
8に示すようにある程度NOX を吸収すると使用時間が
経過(NOX 吸収剤に吸収されたNOX 量が増大)する
につれて低下して行く。このため、使用時間が経過する
につれて、NOX 吸収剤に流入する排気中のNOX のう
ち吸収されずにNOX 吸収剤を通過して大気に放出され
るNOX 量の比率(図8斜線部分に相当)が増大する。
【0004】機関の通常の運転状態で、NOX の排出量
がそれほど多くない場合であれば、NOX 吸収剤の吸収
能力がある程度低下して、NOX 吸収剤を通過するNO
X 量の比率が増大してもその絶対量は少なく実際上問題
にはならない。しかし、この状態で機関がNOX 排出量
が増大する運転領域で運転されたような場合には、NO
X 吸収剤を通過して大気に放出されるNOX の絶対量も
機関のNOX 排出量に比例して増大する問題が生じる。
【0005】上記従来技術においては、このNOX 排出
量増大運転時に大気に放出されるNOX 量を少なく抑え
ようとすると、再生操作の間隔を短く設定することによ
りNOX 吸収剤の吸収能力が低下を始める前に再生操作
を行うようにして、常にNO X 吸収剤の吸収能力を高く
維持する必要がある。このため、通常の運転状態であれ
ば使用可能な程度の吸収能力が残っているNOX 吸収剤
であっても早めに再生操作を行わねばならず、再生操作
実行の頻度が増大することになり還元剤の消費量が増大
する等の問題が新たに生じる。
【0006】本発明は、上記問題に鑑み、頻繁な再生操
作を行うことなくNOX 排出量が増大する機関運転条件
での大気へのNOX 放出量を少なく抑えることができる
内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、リーン
空燃比の燃焼を行う内燃機関の排気通路に、流入排気の
空燃比がリーンのときにNOX を吸収し流入排気の酸素
濃度が低下したときに吸収したNOX を放出する第一と
第二のNOX 吸収剤を並列配置し、排気中のNOX を除
去する内燃機関の排気浄化装置において、前記第二のN
X 吸収剤のNOX 吸収能力を検出する検出手段と、前
記機関のNOX 排出量が増大する運転条件を検出する運
転条件検出手段とを備え、通常は前記第一のNOX 吸収
剤のみを使用して排気中のNOX を吸収し、前記運転条
件検出手段がNOX 排出量が増大する運転条件を検出し
た時に、前記第二のNOX 吸収剤のNOX 吸収能力が所
定値以上である限りは前記第二のNOX 吸収剤のみを使
用して排気中のNOX を吸収するようにしたことを特徴
とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0008】
【作用】NOX 排出量の比較的少ない通常運転時は第一
のNOX 吸収剤のみを使用してNOX の吸収を行い、N
X 排出量の増大する運転条件では、第二のNOX 吸収
剤のみを使用してNOX の吸収を行うことにより、第二
のNOX 吸収剤は通常運転中に吸収能力が低下せず、N
X 排出量増大時に高い吸収能力を発揮する。これによ
り、NOX 排出量増大時に大気に放出されるNOX 量が
低減される。また、第一のNOX 吸収剤は通常運転時に
問題とならない範囲でNOX 吸収能力が低下するまで使
用できるため、再生操作の頻度増大が防止される。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の排気浄化装置をガソリンエンジ
ンに適用した実施例の構成を示す図である。図1におい
て、10はリーン空燃比の燃焼を行うガソリンエンジ
ン、2はエンジン10の排気通路を示す。排気通路2
は、その下流側で2つの分岐通路2a、2bに分岐して
おり、排気通路2の分岐部2cには分岐通路2a、2b
への排気の流入を切り換える排気制御弁6が設けられて
いる。図に7で示すのは、後述のECU20からの信号
により作動して排気制御弁6を駆動するソレノイド、負
圧アクチュエータ等の適宜な形式のアクチュエータであ
る。本実施例では、分岐通路2a、2bにはそれぞれ第
一と第二のNOX 吸収剤3a、3bが配置されている。
排気制御弁6は、アクチュエータ7により図にA〜Cで
示す3つの位置をとるように駆動される。排気制御弁6
が図のBの位置をとると、排気通路2の排気は、その全
量が分岐通路2aに流入し、NOX 吸収剤3aを通過す
る。また、排気制御弁6が図のAの位置をとると、排気
はその全量が分岐通路2bに導かれ、NOX 吸収剤3b
を通過する。また、排気制御弁6が図のCの位置をとる
と、排気は分岐通路2a、2bの両方に導かれNOX
収剤3aと3bの両方を通過する。本実施例では、後述
のように通常の運転中は制御弁6は図のBの位置をと
り、NOX 吸収剤3aにより排気中のNOX の吸収を行
う。また、エンジン10がNOX の排出量が増大する運
転条件になった場合には制御弁6は図のAの位置に切り
換えられ、NOX 吸収剤3bのみにより排気中のNOX
の吸収を行う。更に、NOX 吸収剤の再生操作を行う場
合には制御弁6は図のCの位置に保持され、NOX 吸収
剤3a、3bの再生が同時に行われる。以下の説明で
は、便宜上NOX 吸収剤3aをメインNOX 吸収剤、N
X 吸収剤3bをサブNOX 吸収剤と称する。
【0010】図に12で示したのは、排気通路2の分岐
部2c上流側に配置された酸素濃度センサである。本実
施例では、酸素濃度センサ12として排気中の酸素濃度
に応じて、連続的に変化する信号を出力するリーンミク
スチャセンサが使用されているが、排気空燃比が理論空
燃比よりリッチ側かリーン側かに応じて出力が急変する
タイプのセンサを使用しても良い。
【0011】図に20で示すのはエンジン10の電子制
御ユニット(ECU)である。ECU20はCPU、R
AM、ROM、及び入力ポート、出力ポートを相互に双
方向バスで接続した構成の公知のディジタルコンピュー
タからなり、エンジンの燃料噴射量制御等の基本制御を
行うほか、本実施例では運転状態を検出して排気制御弁
6を切り換える制御と、NOX 吸収剤3a、3bの再生
操作の制御とを行っている。これらの制御のためECU
20の入力ポートには、酸素濃度センサ12から排気酸
素濃度信号が入力されている他、エンジン回転数、スロ
ットル開度、エンジン吸入空気量等の信号がそれぞれ図
示しないセンサから入力されている。
【0012】次に、本実施例で使用するNOX 吸収剤に
ついて説明する。本実施例で使用するNOX 吸収剤3
a、3bは、例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK,ナトリウムNa ,リチウムLi ,セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa , カル
シウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa ,イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも1つ
と、白金Pt のような貴金属とが担持されている。この
NOX 吸収剤は流入する排気の空燃比がリーンのばあい
にはNOX を吸収し、酸素濃度が低下するとNOX を放
出するNOX の吸放出作用を行う。
【0013】なお、上述の排気空燃比とは、ここではN
X 吸収剤の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気
通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と燃料の合計
との比を意味するものとする。従って、NOX 吸収剤の
上流側排気通路に燃料または空気が供給されない場合に
は排気空燃比はエンジンの運転空燃比(エンジン燃焼室
内の燃焼における空燃比)と等しくなる。
【0014】本実施例では、エンジン10は大部分の運
転領域で希薄(リーン)空燃比の燃焼を行うため、通常
運転時の排気空燃比はリーンであり、NOX 吸収剤は排
気中のNOX の吸収を行う。また、運転条件の変化によ
り、エンジン10の運転空燃比が理論空燃比またはリッ
チ空燃比に切り替わり排気中の酸素濃度が低下すると、
NOX 吸収剤は吸収した還元剤の放出を行う。
【0015】この吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかし、この吸放出作用
は図2に示すようなメカニズムで行われているものと考
えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金P
t およびバリウムBa を担持させた場合を例にとって説
明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希
土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0016】即ち、流入排気がかなりリーンになると流
入排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図2(A) に示され
るようにこれら酸素O2 がO2 - の形で白金Pt の表面
に付着する。一方、流入排気中のNOは白金Pt の表面
上でO2 - と反応し、NO2となる(2NO+O2 →2
NO2 ) 。次いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上
で酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBa
Oと結合しながら、図2(A) に示されるように硝酸イオ
ンNO3 - の形で吸収剤内に拡散する。このようにして
NOX がNOX 吸収剤内に吸収される。
【0017】従って、流入排気中の酸素濃度が高い限り
白金Pt の表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX
収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて
硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が減少すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、吸収剤内の
硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から放出され
る。即ち、流入排気中の酸素濃度が低下するとNOX
収剤からNOX が放出されることになる。
【0018】一方、流入排気中にHC,CO等の還元成
分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2
- と反応して酸化され、白金上の酸素と排気中の酸素を
消費してNOX 吸収剤近傍の排気酸素濃度を低下させ
る。また、排気中の酸素濃度低下によりNOX 吸収剤か
ら放出されたNO2 は図2(B) に示すように還元成分H
C,COと反応して還元される。このようにして白金P
t の表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤から次か
ら次へとNO2 が放出される。従って流入排気中のH
C,CO成分が増加すると短時間のうちにNOX 吸収剤
からNOX が放出され、還元されることになる。
【0019】すなわち、排気中の還元成分HC,CO
は、まず白金Pt 上のO2 - とただちに反応して酸化さ
れ、次いで白金Pt 上のO2 - が消費されてもまだH
C,COが残っていればこのHC,COによって吸収剤
から放出されたNOX が還元される。本実施例では、エ
ンジン10の運転空燃比を理論空燃比またはリッチ側に
切り換えることにより、排気酸素濃度を低下させるとと
もに、排気中の未燃HCやCO成分を増加させてNOX
吸収剤3a、3bの再生を行っている。
【0020】次に、本実施例の排気浄化装置の作用につ
いて説明する。本実施例では、通常運転時には、エンジ
ン10の運転空燃比はかなりリーンであり、排気中のN
X量は比較的少ない。この状態では、ECU20は排
気制御弁6を図1のBの位置に保持し、メインNOX
収剤3aのみで排気中のNOX を吸収し、サブNOX
収剤3bのNOX 吸収能力が通常運転中のNOX 吸収に
より低下する事を防止する。また、エンジン10の運転
状態が変化して、エンジンからのNOX 排出量が増大す
る事が予想される場合(例えば急加速、負荷の急増等に
より、空燃比が理論空燃比側に近づいたような場合)に
は、ECU20は排気制御弁6を図1のAの位置に切り
換え、サブNOX 吸収剤3bのみで排気中のNOX を吸
収する。前述のように、サブNOX 吸収剤3bは通常運
転時には使用されておらず、吸収したNOX 量が比較的
少ないため高い吸収能力を保持しているので、NOX
出量が増大した場合でも排気中のNOX を略完全に除去
することができる。
【0021】一方、メインNOX 吸収剤3aは比較的N
X 排出量が少ない運転条件で使用されるため、ある程
度までNOX 吸収能力が低下して排気中のNOX の一部
がNOX 吸収剤3aを通過するようになっても大気に放
出されるNOX の量は僅かである。本実施例では、後述
のようにエンジン10の排気空燃比が理論空燃比または
リッチ空燃比になった場合にのみNOX 吸収剤の再生を
行うため、走行状態によってはNOX 吸収剤の再生操作
の間隔が長くなる場合があるが、上述のようにメインN
X 吸収剤3aのNOX 吸収能力の低下をある程度まで
許容できるのでこのような場合にもNOX の放出量が大
幅に増加することがない。
【0022】更に、本実施例ではメインNOX 吸収剤と
サブNOX 吸収剤とは常に同時に再生を行うようにして
いる。サブNOX 吸収剤3bはNOX の排出量が増大す
る運転条件下のみで使用され、比較的NOX の吸収量が
少ないため、メインNOX 吸収剤3aと同じ間隔で再生
を行うことにより常に高い吸収能力を維持することがで
きる。
【0023】なお、本実施例では、サブNOX 吸収剤3
bのみが使用される運転状態が続き、サブNOX 吸収剤
3bのNOX 吸収能力が所定値以下になった場合には、
NO X 排出量増大時にもメインNOX 吸収剤3aを使用
するようにして、サブNOX吸収剤3bはメインNOX
吸収剤3aの吸収能力が大幅に低下した場合のバックア
ップ用として使用する。
【0024】図3は、上記の実施例の排気浄化装置の制
御を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU
20により一定時間毎に実行される。図3においてルー
チンがスタートすると、ステップ301ではエンジン回
転数N、エンジン吸入空気量Q、スロットル開度TA
がそれぞれのセンサから、また排気酸素濃度ROXが酸素
濃度センサ12からそれぞれ読み込まれる。
【0025】次いで、ステップ303では上記により読
み込んだ酸素濃度ROXから排気空燃比がリーンになって
いるか否かが判断される。排気空燃比がリーンの場合に
はステップ305から329が実行され、排気中のNO
X の吸収が行われる。すなわち、ステップ305では後
述のカウンタTがクリアされ、ステップ307ではフラ
グFRがセット(=“1”)されているか否かが判断さ
れる。
【0026】ここで、フラグFRはサブNOX 吸収剤3
bの再生完了時にセットされ、サブNOX 吸収剤3bの
吸収能力が所定値より低下した場合にリセット(=
“0”)されるフラグである。ステップ307でフラグ
FRがセット(=“1”)されている場合にはステップ
309に進み、エンジン10がNOX の排出量が増大す
る運転状態で運転されているか否かが判断される。ここ
で、NOX の排出量が増大する運転状態とは、例えば、
エンジン1回転当たりの吸入空気量Q/N(エンジン負
荷を表すパラメータ)が所定値以上か(すなわち、エン
ジン負荷が高いか否か)、スロットル開度TA が所定
値以上か(同)、スロットル開度の増大速度ΔTA
所定値以上か(負荷が急増しているか否か)等により判
断する。
【0027】ステップ307、309が共に成立してい
る場合には、サブNOX 吸収剤3bの吸収能力が十分に
高い状態でエンジンのNOX 排出量が増大しているの
で、ステップ311以降を実行し、サブNOX 吸収剤3
bによるNOX 吸収を行う。すなわち、ステップ311
で排気制御弁6を図1のAの位置に切り換えてサブNO
X 吸収剤3bにのみ排気を流入させ、ステップ313で
サブNOX 吸収剤3bの使用時間を表すカウンタT2
プラス1カウントアップするとともにステップ315で
は、サブNOX 吸収剤3bが所定値以上のNOX 吸収能
力を維持しているか否かを判断する。NOX 吸収剤の吸
収能力は、図8で説明したように使用時間と共に低下す
るため、本実施例ではNOX 吸収剤の使用時間によりN
X 吸収剤の吸収能力を判定しており、ステップ315
では、カウンタT2 の値がが所定値Tb を越えた場合に
サブNOX 吸収剤3bの能力が低下したと判断してステ
ップ317でフラグFRをリセットする。ここでT
2 は、図8にTB で示す時間に相当するルーチン実行回
数である。
【0028】前述のステップ307でFR=0であった
場合(サブNOX 吸収剤3bの吸収能力が所定値以下の
場合)及び、ステップ309でエンジンのNOX 排出量
が増大していないと判断された場合にはステップ319
に進み、カウンタT1 の値が所定値Taを越えているか
否かが判断される。ここで、T1 はステップ329によ
りカウントアップされるメインNOX 吸収剤3aの使用
時間を表すカウンタで、所定値Taは図8にTA で示す
時間(メインNOX 吸収剤3aの吸収能力が大幅に低下
する使用時間)に相当するルーチン実行回数である。
【0029】ステップ319でT1 <TA であった場
合にはメインNOX 吸収剤3aの吸収能力は大幅に低下
していないのでステップ327に進み、排気制御弁6を
図1のBの位置に切り換えてメインNOX 吸収剤3aで
NOX 吸収を行い、ステップ329でカウンタT1 をプ
ラス1カウントアップする。すなわち、メインNOX
収剤3aの吸収能力が大幅に低下していない場合には、
エンジンのNOX 排出量が増大していない時(通常の運
転状態の場合)及びサブNOX 吸収剤3bの吸収能力が
低下を始めた時の両方の場合にメインNOX 吸収剤3a
でNOX の吸収を行う。
【0030】ステップ319〜325はサブNOX 吸収
剤3bをメインNOX 吸収剤3aのバックアップ用とし
て使用する場合の動作を示している。サブNOX 吸収剤
3bは、メインNOX 吸収剤3aの吸収能力が大幅に低
下しており(ステップ319でT1 >Ta)、かつサブ
NOX 吸収剤3bの吸収能力がメインNOX 吸収剤3a
の吸収能力より高い場合(ステップ321でT2
1 )にのみメインNOX吸収剤3aのバックアップと
して使用される。
【0031】なお、ステップ303でエンジン10の排
気空燃比が理論空燃比又はリッチ空燃比になっている場
合には図4ステップ331〜341を実行してメインN
X吸収剤3aとサブNOX 吸収剤3bの両方の再生操
作を行う。すなわち、ステップ331では排気制御弁6
は図1のCの位置に保持され、リッチ空燃比になった排
気が両方のNOX 吸収剤を通過するようにする。また、
再生操作が実行されるとメインNOX 吸収剤3aの使用
時間を示すカウンタT1 は必ずクリアされるが(ステッ
プ341)、サブNOX 吸収剤3bの使用時間を示すカ
ウンタT2 のクリアとフラグFRのセット(=“1”)
は、サブNOX 吸収剤3bが不十分な再生状態でNOX
排出量増大時に使用されるのを防止するため再生操作が
所定時間以上継続した場合(ステップ335でT>TR
の場合)にのみ行われる(ステップ337、339)。
【0032】次に図5に本発明の排気浄化装置をディー
ゼルエンジンに適用した実施例を示す。図5において図
1と同じ参照符号は図1と同じ要素を示すのでここでは
詳細は省略する。本実施例において図1と相違する点
は、図1のガソリンエンジン10の代わりにディーゼル
エンジン11が用いられている点と、排気通路2に還元
剤供給装置13と排気温度センサ14が設けられている
点である。
【0033】本実施例ではディーゼルエンジンが用いら
れているため、エンジンの運転空燃比は常にリーンであ
り、ガソリンエンジンのようにエンジン運転空燃比をリ
ッチにすることによりNOX 吸収剤を再生することはで
きない。このため、NOX 吸収剤の再生時には還元剤供
給装置13から排気中に還元剤を導入することによりN
X 吸収剤の再生操作を行う。本発明に使用可能な還元
剤としては、水素や炭化水素、一酸化炭素等の還元成分
を発生するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の還
元性気体、プロパン、プロピレン、ブタン等の液体又は
気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料等
が使用できる。還元剤供給装置13は、NOX 吸収剤3
a、3bの再生操作時に、ECU20からの制御信号に
応じて所定量の還元剤を排気通路2に噴射する。
【0034】また、本実施例では、エンジン11の吸気
通路には図示しないインテークシャッターバルブが設け
られており、NOX 吸収剤の再生時にエンジンの吸入空
気量を絞り、NOX 吸収剤に流入する排気流量を減少さ
せて還元剤消費量を低減している。なお、本実施例では
NOX 吸収剤の再生操作を以下の条件が両方とも成立し
た場合にのみ行う点が図1の実施例と相違する。
【0035】(1)エンジン回転数が所定値以上、かつ
アクセル開度が所定値以下であること。(すなわち、エ
ンジンブレーキ中であること) (2)排気温度が所定値以上であること。 再生操作をエンジンブレーキ中にのみ行うのは、前述の
ように再生操作時には還元剤消費量を低減するためにイ
ンテークシャッターバルブを閉じてエンジン吸入空気量
を絞る必要があるので、通常走行時に再生操作を行うと
エンジン出力トルクが急変してトルクショックを生じる
からである。
【0036】また、排気温度が所定値以上であることを
条件とするのは、再生時にNOX 吸収剤が活性温度に達
している場合にのみ再生を行うようにするためである。
本実施例においても、メインNOX 吸収剤3aとサブN
X 吸収剤3bの切り換えは図1の実施例と同様に行わ
れる。すなわち、NOX 排出量の比較的少ない通常の
運転時はメインNOX 吸収剤3aのみで吸収を行う。
【0037】NOX 排出量の増大する運転状態では、
サブNOX 吸収剤3bが高い吸収能力を保持している限
りサブNOX 吸収剤3bのみで吸収を行う。 サブNOX 吸収剤3bの吸収能力が低下し始めた場合
は、サブNOX 吸収剤3bをメインNOX 吸収剤3aの
バックアップとしてのみ使用する。
【0038】メインNOX 吸収剤3aとサブNOX
収剤3bとの再生は常に同時に行う。 図6、図7は本実施例の排気浄化装置の制御フローチャ
ートを示している。本ルーチンも図3、図4のルーチン
と同様ECU20により一定時間毎に実行される。
【0039】図6においてルーチンがスタートすると、
ステップ601ではエンジン回転数N、アクセル開度A
CC、排気温度TEXがそれぞれのセンサから読み込まれ、
ステップ603では、これらに基づいてNOX 吸収剤の
再生操作の実行条件(上記(1)、(2)が成立してい
るか否かが判断される。再生条件が成立していない場合
にはステップ604〜629を実行し、ステップ604
で還元剤供給装置13からの還元剤供給を停止するとと
もに、サブNO X 吸収剤3bの吸収能力が高い状態か否
か(ステップ607)、NOX 排出量が増大する運転状
態か否か(ステップ609)に応じてサブNOX 吸収剤
3bをNOX 排出量増大時用(ステップ611〜61
7)、またはメインNOX 吸収剤3aのバックアップ用
(ステップ619〜629)に使用する。なお、本実施
例では、NOX 排出量が増大する運転状態か否か(ステ
ップ609)は、アクセル開度が所定値以上か否か、及
びアクセル開度の増大速度が所定値以上か否か、に基づ
いて判断する。ステップ605〜629は図3のステッ
プ305〜329と略同じであるので詳細な説明は省略
する。ステップ603でNOX 吸収剤の再生操作実行条
件が成立している場合には図7ステップ631〜641
に進み、NOX 吸収剤3a、3bの再生操作を行う。
【0040】すなわち、ステップ631で、排気制御弁
6を図5のCの位置に切り換えるとともに、ステップ6
32では還元剤供給装置13からNOX 吸収剤に還元剤
を供給する。なお、この時、前述のようにエンジン11
の吸気通路に配置されたインテークシャッターバルブ
(図示せず)は閉弁され、エンジン吸入空気量を低減さ
せる。また、所定時間が経過してNOX 吸収剤の再生が
完了した場合(ステップ635でT>TR)、または運
転状態が変化してステップ603の再生操作実行条件が
成立しなくなった場合にはステップ604以下が実行さ
れ、NOX の吸収が再開される。なお、図7ステップ6
33〜641は図4ステップ333〜341と略同じで
あるので詳細な説明は省略する。
【0041】なお、上述の説明では省略したが、NOX
吸収剤3a、3bの下流側に酸素濃度センサを設け、N
X 吸収剤3a、3bの再生操作時にNOX 吸収剤下流
側の排気酸素濃度に応じて還元剤供給量をフィードバッ
ク制御するようにして、再生操作時に適切な量の還元剤
が供給されるようにすることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、上述のように排気通路にメイ
ンNOX 吸収剤とサブNOX 吸収剤とを並列配置して、
エンジンのNOX 排出量の比較的少ない運転状態ではメ
インNOX 吸収剤を使用し、NOX 排出量の増大する運
転状態ではサブNOX 吸収剤を使用するようにすること
により、サブNOX 吸収剤の吸収能力を高く維持し、N
X 排出量増大時のNOX の大気放出を効果的に防止で
きる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をガソリンエンジンに適用した実施例を
示す図である。
【図2】図1の実施例のNOX 吸収剤のNOX 吸放出作
用を説明する図である。
【図3】図1の実施例の排気浄化装置の制御動作を示す
フローチャートの一部である。
【図4】図1の実施例の排気浄化装置の制御動作を示す
フローチャートの一部である。
【図5】本発明をディーゼルエンジンに適用した実施例
を示す図である。
【図6】図5の実施例の排気浄化装置の制御動作を示す
フローチャートの一部である。
【図7】図5の実施例の排気浄化装置の制御動作を示す
フローチャートの一部である。
【図8】NOX 吸収剤の吸収能力の使用時間による変化
を説明する図である。
【符号の説明】
2…排気通路 3a…メインNOX 吸収剤 3b…サブNOX 吸収剤 6…排気制御弁 10…ガソリンエンジン 11…ディーゼルエンジン 12…酸素濃度センサ 13…還元剤供給装置 14…排気温度センサ 20…電子制御装置(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01N 3/24 F01N 3/24 R B01D 53/34 129Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/94 B01D 53/14 B01D 53/56 F01N 3/08 F01N 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーン空燃比の燃焼を行う内燃機関の排
    気通路に、流入排気の空燃比がリーンのときにNOX
    吸収し流入排気の酸素濃度が低下したときに吸収したN
    X を放出する第一と第二のNOX 吸収剤を並列配置
    し、排気中のNOX を除去する内燃機関の排気浄化装置
    において、前記第二のNOX 吸収剤のNOX 吸収能力を
    検出する検出手段と、前記機関のNOX 排出量が増大す
    る運転条件を検出する運転条件検出手段とを備え、通常
    は前記第一のNOX 吸収剤のみを使用して排気中のNO
    X を吸収し、前記運転条件検出手段がNOX 排出量が増
    大する運転条件を検出した時に、前記第二のNOX 吸収
    剤のNOX 吸収能力が所定値以上である限りは前記第二
    のNOX 吸収剤のみを使用して排気中のNOX を吸収す
    るようにしたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
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