JP2827251B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP2827251B2
JP2827251B2 JP1036742A JP3674289A JP2827251B2 JP 2827251 B2 JP2827251 B2 JP 2827251B2 JP 1036742 A JP1036742 A JP 1036742A JP 3674289 A JP3674289 A JP 3674289A JP 2827251 B2 JP2827251 B2 JP 2827251B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は位置検出装置に関し、例えば半導体素子製造
用の露光装置において、マスクやレチクル(以下「マス
ク」と総称する。)等の第1物体面上に形成されている
微細な電子回路パターンとウエハ等の第2物体面上に露
光転写する際にマスクとウエハとの水平方向や垂直方向
の相対的な位置決め(アライメント)を行う場合に好適
な位置検出装置に関するものである。
(従来の技術) 従来より半導体製造用の露光装置においては、マスク
とウエハの相対的な位置合わせは性能向上を図る為の重
要な一要素となっている。特に最近の露光装置における
位置合わせにおいては、半導体素子の高集積化の為に、
例えばサブミクロン以下の位置合わせ精度を有するもの
が要求されている。
多くの位置合わせ装置においては、マスク及びウエハ
面上に位置合わせ用の所謂アライメントパターンを設
け、それらより得られる位置情報を利用して、双方のア
ライメントを行っている。このときのアライメント方法
としては、例えば双方のアライメントパターンのずれ量
を画像処理を行うことにより検出したり、又は米国特許
第4037969号や特開昭56−157033号公報で提案されてい
るようにアライメントパターンとしてゾーンプレートを
用い該ゾーンプレートに光束を照射し、このときゾーン
プレートから射出した光束の所定面上における集光点位
置を検出すること等により行っている。
一般にゾーンプレートを利用したアライメント方法
は、単なるアライメントパターンを用いた方法に比べて
アライメントパターンの欠損に影響されずに比較的高精
度のアライメントが出来る特長がある。
第24図はゾーンプレートを利用した従来の位置合わせ
装置の概略図である。
同図において光源72から射出した平行光束はハーフミ
ラー74を通過後、集光レンズ76で集光点78に集光された
後、マスク68面上のマスクアライメントパターン68a及
び支持台62に載置したウエハ60面上のウエハアライメン
トパターン60aを照射する。これらのアライメントパタ
ーン68a,60aは反射型のゾーンプレートより構成され、
各々集光点78を含む光軸と直交する平面上に集光点を形
成する。このときの平面上の集光点位置のずれ量を集光
レンズ76とレンズ80により検出面82上に導光して検出し
ている。
そして検出器82からの出力信号に基づいて制御回路84
により駆動回路64を駆動させてマスク68をウエハ60の相
対的な位置決めを行っている。
第25図は第24図に示したマスクアライメントパターン
68aとウエハアライメントパターン60aからの光束の結像
関係を示した説明図である。
同図において集光点78から発散した光束はマスクアラ
イメントパターン68aよりその一部の光束が回折し、信
号光束として集光点78近傍にマスク位置を示す集光点78
aを形成する。又、その他の一部の光束はマスク68を0
次透過光として透過し、波面を変えずにウエハ60面上の
ウエハアライメントパターン60aに入射する。このとき
光束はウエハアライメントパターン60aにより回折され
た後、信号光束として再びマスク68を0次透過光として
透過し、集光点78近傍に集光しウエハ位置をあらわす集
光点78bを形成する。同図においてはウエハ60により回
折された光束が集光点を形成する際には、マスク68は単
なる素通し状態としての作用をする。
このようにして形成されたウエハアライメントパター
ン60aによる集光点78bの位置は、ウエハ60のマスク68に
対するずれ量Δσに応じて集光点78を含む光軸と直交す
る平面に沿って該ずれ量Δσに対応した量のずれ量Δ
σ′として形成される。
このような方法においては、マスク面や半導体露光装
置内のマスクホルダー面等の基準面、そして露光装置の
接地面等に対してウエハ面が傾斜しているとセンサ上に
入射する光束の重心位置が変化し、アライメント誤差と
なってくる。
一般にセンサ上に絶対座標系を設け、その基準原点を
設定し、これを基に評価することは他のアライメント誤
差要因、例えばウエハ面のそりやたわみ等を有する傾
斜、レジストの塗布ムラによる光束の重心位置の変動、
アライメント光源の発振波長、発振出力、光束出射角の
変動、センサ特性の変動、そしてアライメントヘッド位
置の繰り返しによる変動等により、その原点の設定を高
精度に行うのが大変難しくなるという問題点があった。
この問題点を解決する為にマスクとウエハ間の間隔やウ
エハの傾き等を別途計測する必要があった。
このとき特にアライメントマーク程度の領域の局所的
な基板の傾き変化による影響は重要となっている。これ
はウエハ面上のマークの位置がどこにあるかによって、
誤差を発生する原因となっている。これは別途設けた測
定系の評価領域がずれていると、その間の形状変化が測
定誤差の原因となってくる。
第26図は例えばウエハ面上の局所的な傾きによる光束
の重心位置の変化を示す説明図である。同図(A)はウ
エハ26がθ傾いている場合の検出面27面上の光束の重心
位置の変動を示し、同図(B)はウエハ26が場所によっ
て異った傾きのある断面状態を示している。
今、同図(A)のようにマスクを通過したアライメン
ト光束がウエハ26に入射するとする。
このとき、ウエハのアライメントマーク26′のある場
所では角度θだけ平均的に面が傾いているとすれば、検
出面27上での光量重心位置はPθとなり、傾きがなかっ
た場合の集光点P0より、Δδθだけ移動したことにな
る。これを式で表わせば、 Δδθ=bw・tan2θ 今、 とすれば Δδθ=18.7×10+3×2×10-4=3.74μm となる。
即ち、3.74μmの位置ずれ誤差となり、マスクとウエ
ハをこれ以上の精度で位置合わせをすることが出来なく
なる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明はマスク等の第1物体に対するウエハ等の第2
物体の水平方向や垂直方向の位置検出を行う際の局所的
な基板の影響を受けずに高精度な位置検出を可能とした
位置検出装置の提供を目的とする。
この他本発明では、マスクとウエハの位置合わせの際
の基準としてのアライメント光束に対する参照光束をア
ライメントマークと略等しい領域より成る参照マークよ
り同時に得ている。
そして、信号光を得る為のアライメントマークと参照
光を得る為の参照マークの少なくとも一方の物理光学素
子(グレーティング等光の波動としての特徴を利用した
波面変換素子)を瞳分割した複数の領域より構成すると
共にアライメントマークと参照マークに各々異ったレン
ズ作用を持たせている。
このとき基準光束(参照光束)のウエハ面の傾斜に対
するセンサ上での重心移動の作用がアライメント光束
(信号光束)と全く等しくなるようにし、又、アライメ
ントヘッドの位置の変動に対しても基準光束がアライメ
ント光束と全く等しい重心移動の作用を受けるように設
定し、これにより基準光束とアライメント光束のセンサ
上での相対的な位置の変動が原理的にマスクとウエハと
の位置ずれのみに依存するようにし、高精度な位置合わ
せを可能とした位置検出装置の提供を目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本発明は位置検出を行う2つの物体面上に各々光を偏
向させる各々異なる光束偏向作用を有する少なくとも2
つのマーク(例えば物理光学素子や光を反射偏向させる
反射面等)を少なくとも一方が分割されて他方と交互配
置された構成とし、これらマークを介した光束より2種
類以上の位置検出に関する信号を得、これより2つの物
体の横ずれ方向である水平方向や間隔方向である垂直方
向の位置検出を行っていることを特徴としている。
具体的には、 第1物体面上に形成された第11,第12マークの少なく
とも2つのマークと、第2物体面上に形成された第21,
第22マークの少なくとも2つのマークを用い、該第11マ
ークに光束を入射させたときに偏向される光束を該第21
マークに入射させ、該第21マークで偏向される光束の位
置を第1検出手段で検出し、該第1検出手段から得られ
る第1信号と該第12マークに光束を入射させたときに、
該第12マークから偏向し射出した光束を該第22マークに
入射させ、該第22マークから偏向し射出した光束の位置
を第2検出手段で検出し、該第2検出手段から得られる
第2信号の双方の信号を利用して、該第1物体に対する
第2物体の位置検出を行う位置検出装置であって、前記
第11,第12マーク又は/及び前記第21,第22マークを、少
なくとも一方が分割されて他方と交互配置された構成と
したことを特徴としている。
又、 所定の物体に対して対向して配置して位置検出を行う
為の位置検出用物体であって、該位置検出用物体上に
は、位置検出用の光束が光学的作用を受ける光束偏向作
用の異なる少なくとも2種類のマークが少なくとも一方
が分割されて他方と交互配置された構成として形成され
ていることを特徴としている。
(実施例) 第1図は本発明の第1実施例の第1物体と第2物体の
横ずれである水平方向(X方向又はY方向)の位置合わ
せをアライメント光束の他に参照光束を用いて行う場合
の要部概略図である。
図中、1は第1物体で、例えばマスクである。2は第
2物体で、例えばマスク1と位置合わせされるウエハで
ある。5,3は各々第1,第2アライメントマークであり、
各々マスク1面上とウエハ2面上に設けられている。6,
4は第1,第2参照マークであり、複数の分割された領域
より成っており、各々マスク1面上とウエハ2面上の第
1,第2アライメントマーク5,3の両側に隣接して設けら
れている。第1,第2アライメントマーク5,3と第1,第2
参照マーク6,4は、各々異った光学的作用をする例えば
フレネルゾーンプレート等のグレーティングレンズより
成り、マスク1面上とウエハ2面上のスクライブライン
9,10上の後述するように面積的に分割された複数の領域
に設けられている。7はアライメント光束、8は参照光
束であり、これらの光束7,8は不図示のアライメントヘ
ッド内の光源から出射し、所定のビーム径にコリメート
されている。
本実施例において、光源の種類としては半導体レーザ
ー、He−Neレーザー、Arレーザー等のコヒーレント光束
を放射する光源や、発光ダイオード等の非コヒーレント
光束を放射する光源等である。11,12は各々第1検出手
段と第2検出手段としてのセンサ(受光器)であり、ア
ライメント光束7と参照光束8を受光する例えば1次元
CCD等より成っている。
本実施例ではアライメント光束7と参照光束8は各々
マスク1面上の第1アライメントマーク5と第1参照マ
ーク6に所定の角度で入射した後、透過回折し、更にウ
エハ2面上の第2アライメントマーク3と第2参照マー
ク4で反射回折し、センサ11,12面上に入射している。
そしてセンサ11,12で該センサ面上に入射したアライメ
ント光束と参照光束の重心位置を検出し、該センサ11,1
2からの出力信号を利用してマスク1とウエハ2をスク
ライブライン9,10方向(x方向)について位置合わせを
行っている。
尚、同図において80は2つの参照マーク領域6からの
参照光8の中心線を示している。
次に本実施例における第1,第2アライメントマーク5,
3と第1,第2参照マーク6,4について説明する。
アライメントマーク3,5と参照マーク6,4は各々異った
光学的性質を有し、例えば異った値の焦点距離を有する
フレネルゾーンプレート(又はグレーティングレンズ)
を面積的に、即ち瞳分割した構成より成っている。これ
らのマークの寸法は各々スクライブライン方向に180μ
m、スクライブライン幅方向(y方向)に50μmであ
る。
本実施例においてはアライメント光束7と参照光束8
は、いずれもマスク1に対して入射角17.5°で、マスク
1面へ射影成分がスクライブライン方向(x方向)に直
交するように入射している。
これらの所定角度でマスク1に入射したアライメント
光束7と参照光束8は各々グレーティングレンズ5,6の
レンズ作用を受けて収束(又は発散)光となり、マスク
1からその主光線がマスク1の法線に対して所定角度に
なるように射出している。
そして第1アライメントマーク5と第1参照マーク6
を透過回折したアライメント光束7と参照光束8を各々
ウエハ面2の鉛直下方217μmと18.7mmの点に集光させ
ている。このときのマスク1とウエハ2との間隔は30μ
mにしている。
アライメントマーク5で透過回折した光はウエハ2面
上の第2アライメントマーク3でレンズ作用を受け、第
1検出手段としてのセンサ11面上の一点に集光してい
る。このときセンサ11面上へは光束がアライメントマー
ク5,3の位置ずれ、即ちレンズ中心のずれ量を拡大比例
した量だけ重心位置が変動して入射する。
ここでの光束の重心とは光束断面内において、段目内
各点とその点からの位置ベクトルにその点の光強度を乗
算したものを受光面全面で積分したときに積分値が0ベ
クトルになる点のことである。別の実施例として、光強
度がピークとなる点の位置を検出してもよい。
本実施例ではマスク1とウエハ2の位置ずれが0のと
き、即ちマスク1上のアライメントマーク5とウエハ2
上のアライメントマーク3とが共軸系をなしたとき、ア
ライメント光束の主光線のウエハ2からの出射角が13度
であり、所定位置、例えばウエハ2面あら18.7mmの高さ
に位置しているセンサ11面に集光するように設定してい
る。
又、第1参照マーク6で透過回折した光はウエハ2面
上の第2参照マーク4で単なる偏向作用を受け、出射角
7度で射出し第2検出手段としてのセンサ12面上の一点
に集光している。
このとき参照マーク6,4を経た参照光束はマスク1と
ウエハ2との間に位置ずれの変動があってもセンサ12面
への入射光束の重心位置は常に一定となっている。これ
により基準位置となる信号を得ている。
グレーティングレンズ5,3はマスク1とウエハ2が位
置ずれを起こすとそれぞれの光軸が相対的にずれる、所
謂レンズの軸ずれと同様の状態となる。この場合グレー
ティングレンズ5からの出射光の主光線は位置ずれを起
こす前と後でグレーティングレンズ3上の入射位置が異
なるので出射角も変動し、よってアライメント光束の集
光位置が変動する。この集光位置変動量は位置ずれ量に
比例する。
これに対しグレーティングレンズ6から出射した参照
光束は直線グレーティング4に入射し、所定角度で出射
する。マスクとウエハが位置ずれを起こすとグレーティ
ングレンズ6からの出射光の主光線の直線グレーティン
4への入射位置も変化するが、どこへ入射しても直線グ
レーティング4からの出射光の出射角は変化しない。マ
スクとウエハの位置ずれ検出の場合、一般にマスクは装
置に固定されているので、このマスクのグレーティング
レンズ6によって参照光束が集光するセンサ12面の位置
は位置ずれが発生しても変化しない。これよりアライメ
ント光束と参照光束の間隔は位置ずれ量に比例すること
がわかる。
従って、本実施例ではマスクとウエハの位置(アライ
メント)ずれが0の場合のアライメント光束と参照光束
の重心位置の位置検出方向に沿った間隔を予め求めてお
き、位置検出時にアライメント光束と参照光束の重心位
置の位置検出方向に沿った間隔を検出し、この間隔のず
れが0のときの間隔に対する変動量からマスクとウエハ
のアライメントずれをCPU11aで求める。
次に本発明の位置ずれ量検知方法の原理を第27図〜第
29図を用いて更に詳細に説明する。
第27図は本発明に係るマスク1、ウエハ2及びセンサ
11の光学配置を示す説明図である。同図は第1光束とし
ての信号光束の光路を示している。
今、マスク1とウエハ2とが平行方向にΔσずれてお
り、ウエハ2からウエハ2のグレーティングレンズ3で
反射した信号光束の集光点までの距離をb、マスク1の
グレーティングレンズ5を通過した信号光束の集光点ま
での距離をaとすると検出面11上での集光点の重心ずれ
量Δδは となる。即ち重心ずれ量Δδは(b/a+1)倍に拡大さ
れる。
例えば、a=0.5mm,b=50mmとすれば重心ずれ量Δδ
は(a)式より101倍に拡大される。
尚、このときの重心ずれ量Δδと位置ずれ量Δσは
(a)式より明らかのように比例関係となる。検出器11
の分解能が0.1μmであるとすると位置ずれ量Δσは0.0
01μmの位置分解能となる。
次に本発明に係る第2光束としての参照光束を用いた
位置ずれ量検知の基本手順について説明する。
本発明において参照光束を発生する手段として第28図
に示すようにマスク1面上にグレーティングレンズ6を
設定し、ウエハ2面上にレンズ作用のない物理光学素子
4(例えば直線格子、反射面など)を設定する。
グレーティングレンズ6に入射する所定の波面形状を
有する光束(例えば平面波、球面波など)はグレーティ
ングレンズ6を出射後、所定面上で結像(集光)する収
束光となってウエハ2上の物理光学素子で反射してセン
サ12に到達する。
この光束のセンサ12上での入射位置(Rgとする)を基
準点とし、アライメント信号光のセンサ11上での入射位
置(Sgとする)を測定することによってマスク1、ウエ
ハ2の位置ずれ量を求める。
本発明においては、例えば第27図の光学配置で決まる
位置ずれ検出感度をAとすると位置ずれ量dは d=(Sg−Rg)/A と求まり、位置ずれ量dが0となるように位置合わせを
行なう物体のいずれか一方を動かせばよい。
ただし、位置ずれ量dの値は必ずしも0に収束するよ
うに光学系及び信号処理系を設定し、制御しなくてもよ
く例えば位置ずれ量dが0のとき位置ずれ量dが所定の
目標値ε(有限値)に収束するようにしてもよい。以上
の手順を第29図に示す。この目標値は例えばマスクパタ
ーンの露光転写の後、重ね合わせ精度を評価して決定し
てもよい。
第2図は第1図に示した第1実施例における光学系の
基本原理を示す説明図である。同図においては相対的な
位置ずれを評価したい第1物体1と第2物体2に各々ゾ
ーンプレート等の第1,第2アライメントマーク5,3を設
けている。第1アライメントマーク5へ光束7を入射さ
せ、それからの出射光21を第2アライメントマーク3に
入射させている。そして第2アライメントマーク3から
の出射光22をポジションセンサー等の検出器の検出面27
上に集光させている。
このとき第1物体1と第2物体2との相対的な位置ず
れ量Δσに応じて検出面27上においては、光量の重心ず
れ量Δδが生じてくる。
本実施例では同図において、点線で示す光束24による
検出面27上の光量の重心位置を基準として、実線で示す
光束22による検出面27上における光量の重心ずれ量Δδ
を求め、これより第1物体1と第2物体2との相対的な
位置ずれ量Δσを検出している。
第3図はこのときの第1物体1と第2物体2との相対
的な位置ずれ量Δσと、検出面27上における光量の重心
ずれ量Δδとの関係を示す説明図である。
本実施例では以上のような基本原理を利用して第1物
体1と第2物体2との相対的な位置関係を検出してい
る。
ここで、今第1アライメントマーク5を基準とし、第
2アライメントマーク3が第1アライメントマーク5と
平行方向(X方向)にΔσずれていたとすると検出面27
上での集光点の重心ずれ量Δδは となる。即ち重心ずれ量Δδは 倍に拡大される。
例えばaw=0.5mm,bw=50mmとすれば重心ずれ量Δδは
(1)式より101倍に拡大される。
尚、このときの重心ずれ量Δδと位置ずれ量Δσは
(1)式より明らかのように、例えば第4図に示すよう
な比例関係となる。検出器の分解能が0.1μmであると
すると位置ずれ量Δσは0.001μmの位置分解能とな
る。
このようにして求めた位置ずれ量Δσをもとに第2物
体を移動させれば第1物体と第2物体の位置決めを高精
度に行うことができる。
本実施例において位置合わせを行う手順としては、例
えば次に方法を採ることができる。
第1の方法としては2つの物体間の位置ずれ量Δσに
対する検出器の検出面27上での光量の重心ずれ信号Δδ
sとの関係を示す曲線を予め決めておき、重心ずれ信号
Δδsの値から双方の物体間との位置ずれ量Δσ求め、
そのときの位置ずれ量Δσに相当する量だけ第1物体若
しくは第2物体を移動させる。
第2の方法としては検出器からの重心ずれ信号Δδs
から位置ずれ量Δσを打ち消す方向を求め、その方向に
第1物体若しくは第2物体を移動させて位置ずれ量Δσ
が許容範囲内になるまで繰り返して行う。
次に本実施例における第1,第2アライメントマーク5,
3と第1,第2参照マーク6,4(グレーティングレンズ)の
製造方法の一実施例を述べる。
まず、マスク用のマーク5,3は所定のビーム径の平行
光束が所定の角度で入射し、所定の位置に集光するよう
に設計される。一般にグレーティングレンズのパターン
は光源(物点)と像点にそれぞれ可干渉性の光源を置い
たときのレンズ面における干渉縞パターンとなる。今、
第1図のようにマスク1面上の座標系を定める。ここに
原点はスクライブライン幅の中央にあり、スクライブラ
イン方向にx軸、幅方向にy軸、マスク面1の法線方向
にz軸をとる。マスク面1の法線に対しαの角度で入射
し、その射影成分がスクライブライン方向と直交する平
行光束がマスク用のマークを透過回折後、集光点(x1
y1,z1)の位置で結像するようなグレーティングレンズ
の曲線群の方程式は、グレーティングの輪郭位置をx,y
で表わし で与えられる。ここにλはアライメント光の波長、mは
整数である。
主光線を角度αで入射し、マスク面1上の原点を通
り、集光点(x1,y1,z1)に達する光線とすると(1)
式の右辺はmの値によって主光線に対して波長のm/2倍
光路長が長い(短い)ことを示し、左辺は主光線の光路
に対しマスク上の点(x,y,0)を通り点(x1,y1,z1
に到達する光線の光路の長さの差を表わす。
一方、ウエハ2上のグレーティングレンズ3は所定の
点光源から出た球面波を所定の位置(センサ面上)に集
光させるように設計される。点光源はマスク1とウエハ
2の露光時のギャップをgとおくと(x1,y1,z1−g)
で表わされる。(yは変数)マスク1とウエハ2の位置
合わせはx軸あるいはy軸方向に行なわれるとし、アラ
イメント完了時にセンサ面上の点(x2,y2,z2)の位置
にアライメント光が集光するものとすれば、ウエハ上の
グレーティングレンズの曲線群の方程式は先に定めた座
標系で と表わされる。
(2)式はウエハ面がz=−gにあり、主光線がマス
ク面上原点及びウエハ面上の点(0,0,−g)、更にセン
サ面上の点(x2,y2,z2)を通る光線であるとして、ウ
エハ面上のグレーティング(x,y,−g)を通る光線を主
光線との光路長の差が半波長の整数倍となる条件を満た
す方程式である。
以上のようにしてアライメント用と参照用のパターン
を重ねて1つのアライメントマークを作成している。
第5図(A),(B)は本実施例におけるマスク面上
とウエハ面上のマークのパターン図である。
同図において(A1),(B1)はマスク用とウエハ用の
アライメント用パターン、(A2),(B2)はマスク用と
ウエハ用の参照用パターン、(A3)はパターン(A1)と
パターン(A2)を瞳分割して1つのマークとしたパター
ンで第1アライメントマークと第1参照マークを形成
し、(B3)はパターン(B1)とパターン(B2)を瞳分割
して1つのマークとしたパターンで第2アライメントマ
ークと参照マークを形成している。
一般にマスク用のゾーンプレート(グテーティングレ
ンズ)は、光線の透過する領域(透明部)と光線の透過
しない領域(遮光部)の2つの領域が交互に形成される
0,1の振幅型グレーティング素子として作成されてい
る。又、ウエハ用のゾーンプレートは、例えば矩形断面
の位相格子パターンとして作成される。(1),(2)
式において主光線に対して半波長の整数倍の位置で、グ
レーティングの輪郭を規定したことは、マスク1上のグ
レーティングレンズでは透明部と遮光部の線幅の比が1:
1であること、ウエハ2上のグレーティングレンズでは
矩形格子のラインとスペースの比が1:1であることを意
味している。
マスク1上のグレーティングレンズはポリイミド製の
有機薄膜上に予めEB露光で形成したレチクルのグレーテ
ィングレンズパターンを転写して形成した。
又、ウエハ1の上マークはマスク上にウエハの露光パ
ターンを形成したのち露光転写して形成した。
次に本実施例における検出手段としてのセンサ(例え
ば1次元の蓄積型の1次元CCD等)に入射するアライメ
ント光である信号光と参照光との関係について説明す
る。
本実施例においては参照光とアライメント用の信号光
はウエハ面の法線に対して各々7°,13°の角度で出射
する。センサ11,12の空間的配置は、予めアライメント
完了時に光束がセンサのほぼ中央の位置に入射するよう
にセッティングされている。
センサ11,12の中心間隔は1.965mmであり、約0.1μm
精度でSiの同一基板上に設定されている。又、センサ1
1,12の配置されたSi基板は、その法線が位置ずれが0の
ときのアライメント光出射角と参照光出射角の2等分線
と略平行に配置されている。
センサ11,12のサイズは信号光用のセンサ11が幅1mm、
長さ6mm、又参照光用のセンサ12が幅1mm、長さ1mmであ
る。又、各画素のサイズは25μm×500μmである。
各々のセンサは入射光束の重心位置を測定し、センサ
の出力は受光領域の全光量で規格化されるように信号処
理される。これによりアライメント光源の出力が多少変
動しても、センサ系から出力される測定値は正確に重心
位置を示すように設定している。尚、センサの重心位置
の分解能はアライメント光のパワーにもよるが、例えば
50mW、波長0.83μmの半導体レーザーを用いて測定した
結果、約0.2μmであった。
本実施例に係るマスク用のグレーティングレンズとウ
エハ用のグレーティングレンズの設計例では、マスクと
ウエハの位置ずれを100倍に拡大して信号光束がセンサ
面上で重心位置を移動する。従って、マスクとウエハ間
に0.01μmの位置ずれがあったとすると、センサ面上で
は1μmの実効的な重心移動が起こり、センサ系はこれ
を0.2μmの分解能で測定することができる。
本実施例において、ウエハ面2がxz面内で1mrad傾斜
したとすると、センサ11上では信号光束は約37.4μm重
心移動を起こす。一方、参照光束8も信号光束7と同様
の角度変化を受け、センサ12上では、信号光と同様の重
心移動を起こす。これによりセンサ系では各々センサか
らの実効的重心位置の信号の差を出力するように信号処
理をすると、ウエハ面がxz面内で傾斜してもセンサ系か
らの出力信号は変わらない。
又、ウエハがyz面内で傾斜した場合も、信号光束、参
照光束ともに重心移動を起こすので同様に1mrad程度の
微少な傾きでは実効的なアライメント誤差にはならな
い。
更に、アライメント用光源、及び投光用レンズ系及び
センサなどを内蔵するアライメントヘッドが、マスク−
ウエハ系に対して位置の変動を起こした場合、y方向の
位置変動はマーク領域の周辺にも略一様に投光光束を当
てることで、原理的にアライメント誤差を回避してい
る。
同様にマスク面とヘッドとの間にz方向の変動も投光
系をマスクに平行光が当たる系とすることで先のy方向
の変動と等価となり、原理的にアライメント誤差を回避
している。
又、x軸方向の位置の変動は信号光と参照光の一対の
移動となりアライメント誤差とはならないことがわか
る。
次に本実施例におけるマーク基板のそりによる誤差に
ついて説明する。
第1実施例においてはアライメントマークと参照マー
クを瞳分割し、各々のマークの中心が同一となるように
設定されている。この為、マーク基板にそりがあったと
き、その影響は平均化され誤差となってこない。
即ち、マーク基板のそりは傾き成分と湾曲成分とに分
けられるが、傾きに関しては前述の如くアライメント信
号と参照信号は同様の影響を受け実効的な誤差になら
ず、又、湾曲に関してもマーク両側に瞳どうしで互いに
逆方向に光束が曲げられセンサ面上での光量重心の位置
は変化しない為、実効的な誤差を生じさせない。
第6図は第1図のアライメントマークによる点像の強
度分布が、どのようになるかを示したものである。同図
(A)はアライメントマークの領域の説明図、同図
(B)は点像の強度分布の説明図である。同図に示すよ
うに回折の影響で両側の極大が比較的大きくなる。しか
しながら全体の光量重心は通常の矩形開口と変らず誤差
にはなってこない。
第7図(A),(B)は本発明においてマークの瞳分
割数を増加させた場合の概略図である。同図(A)はマ
スク用のマークパターン、同図(B)はウエハ用のマー
クパターンである。同図(A)では信号光用(AA用)の
マークを3箇所、参照光用(AAREf用)のマークを4箇
所の領域に分割している。このように本実施例では瞳分
割数を適当に選択することができる。
尚、本実施例においては分割された領域の幅は等ピッ
チでなくても良い。
第8,第9,第12図は各々本発明の第2,第3,第4実施例の
光学系の概略図である。第8,第9,第12図において第1図
に示す要素と同一要素には同符番を付している。
又、同図(A)は光学系の斜視図、同図(B)はマス
ク用のマークパターン、同図(C)はウエハ用のマーク
パターンである。
第2,第3,第4実施例において入射光が各々マスク1面
上の第1アライメントマーク5と第1参照マーク6に入
射し、回折透過し、ウエハ面2上の第2アライメントマ
ーク3と第2参照マーク4に入射し回折反射された後、
各々第1,第2検出手段としてのセンサ11,12に入射する
構成は第1図の第1実施例と同じである。
第2,第3,第4実施例では第1実施例に比べマスク面1
上のマークパターンとウエハ面2上のマークパターンの
瞳分割の仕方が各々異なっている。
第8図に示す第2実施例ではマスク1及びウエハ2面
上のアライメントマークと参照マークを各々スクライブ
ライン9,10方向の幅方向(y方向)に分割している。
第9図に示す第3実施例は第1,第8図に示す第1,第2
実施例における瞳の分割方法を組み合わせて全体的に市
松模様となるようにマーク領域を分割している。
第10図(A),(B)は第9図に示すようにマーク領
域を市松状に瞳分割したときの瞳の分割された領域と、
このときの点像強度分布の説明図である。
同図(B)に示すように、このような点像分布でも全
体の光量重心は矩形開口と変らず誤差を生じない。
第11図(A)〜(E)は各々本発明において適用可能
なマーク領域の分割数と分割仕方を種々変化させた場合
の一実施例の説明図である。同図におてAはアライメン
ト用の信号用領域、Rは参照光用の参照用領域を示す。
以上の各実施例においてマーク領域の分割方向はスク
ライブライン方向及びこれに直交する方向を示したが、
この他、任意の角度で分割構成しても良い。
第12図に示す第4実施例はマーク領域の分割に際して
信号用領域と参照用領域を各々曲線により複数に分割し
ている。
本実施例においてはマークパターンの縞の本数が多く
あるに従って分割数を増加させ1つの分割領域の縞密度
を制御している。
第13図(A)は本発明の第5実施例の要部概略図であ
る。第13図(B)は同図(A)のマスク1面上の第1ア
ライメントマークの概略図、第13図(C)は同図(A)
のウエハ2面上の第2アライメントマークの概略図であ
る。
本実施例では前述の第1実施例における参照光の代わ
りに前述の信号光(第1の信号光、アライメント光)と
逆向きの感度を有するような第2の信号光を用いた系で
ある所謂逆向きの2信号系を利用し、双方の信号光の検
出面上のスポット位置からマスクとウエハの位置ずれ量
を検出している。
次に本実施例で用いている所謂逆向き2信号系の原理
及び構成要件等について第14図を用いて説明する。
図中、1は第1の物体、2は第2の物体、205,203は
第1の信号光を得る為のアライメントマークであり、各
々第1物体1と第2物体2の上に設けてある。同様に20
6,204は第2の信号光を得る為のアライメントであり、
同じく各々第1物体1と第2物体2の上に設けてある。
同図では説明の都合上2つの信号光を上下にずらして
いるが実際はアライメントマーク205,206は同一平面上
の異った領域に隣接して設けられている。アライメント
マーク205と206よりアライメントマーク205aを形成し、
アライメントマーク203と204よりアライメントマーク20
3aを形成している。
各アライメントマーク203,204,205,206は1次元又は
2次元のレンズ作用のある物理光学素子の機能を有して
いる。207,208は前述の第1及び第2のアライメント信
号光束を示す。211,212は各々第1及び第2の信号光束
を検出する為の第1及び第2の検出部であり、物体2か
らの光学的な距離を説明の便宜上同じ値Lとする。更に
物体1と物体2の距離をδ、アライメントマーク205及
び206の焦点距離を各々fa1,fa2とし、物体1と物体2
の相対位置ずれ量をεとし、そのときの第1及び第2の
信号光束重心の合致状態からの変位量を各々S1,S2とす
る。尚、物体201に入射するアライメント光束は便宜上
平面波とし、符号は図中に示す通りとする。
信号光束重心の変位量S1及びS2はアライメントマーク
205及び206の焦点F1,F2とアライメントマーク203,204
の光軸中心を結び直線と、検出部211及び212の受光面と
の交点として幾何学的に求められる。従って、物体1と
物体2の相対位置ずれに対して各信号光束重心の変位量
S1,S2を互いに逆方向に得る為にはアライメントマーク
203,204の光学的な結像倍率の符号を互いに逆とするこ
とで達成できる。また、定量的には と表わせ、ずれ倍率としてβ1=S1/ε,β2=S2/εと
定義できる。従って、ずれ倍率を逆符号とするには を満たせば良い。この内、実用的に適切な構成条件の1
つとして L≫|fa1| fa1/fa2<0 |fa1|>δ |fa2|>δ の条件がある。
即ち、アライメントマーク205,206の焦点距離fa1,f
a2に対して検出部までの距離Lを大きく、且つ物体1,2
の間隔δを小さくし、更にアライメントマークの一方を
凸レンズ、他方を凹レンズとする構成である。
第14図の上側にはアライメントマーク205で入射光束
を集光光束とし、その集光点F1に至る前にアライメント
マーク203に光束を照射し、これを更に第1の検出部211
に結像させているアライメントマーク203の焦点距離fb1
はレンズの式 を満たす様に定められる。同様に第15図の下側にはアラ
イメントマーク206により入射光束を入射側の点であるF
2より発散する光束に変え、これをアライメントマーク2
04を介して第2の検出部212に結像させるアライメント
マーク204の焦点距離fb2を満たす様に定められる。
以上の構成条件でアライメントマーク203,アライメン
トマーク205の集光像に対する結像倍率は図より明らか
に正の倍率であり、物体2の移動εと検出部211の光点
変位量S1の方向は逆となり、先に定義したずれ倍率β1
は負となる。同様にアライメントマーク206の点像(虚
像)に対するアライメントマーク204の結像倍率は負で
あり、物体2の移動εと検出部212上の光点変位量S2
方向は同方向で、ずれ倍率β2は正となる。
従って、物体1と物体2の相対ずれεに対してアライ
メントマーク205,203の系とアライメントマーク206,204
の系の信号光束ずれS1,S2は互いに逆方向となる。
第13図(A)に示す第5実施例は以上の逆向き2信号
系の原理を用いて第1物体と第2物体の位置合わせを行
っている。
次に第13図(A)の第5実施例を説明する。
図中、1は第1物体で、例えばマスクである。2は第
2物体で、例えばマスク1と位置合わせされるウエハで
ある。第14図で示した各アライメントマーク203,204と2
05,206は、例えば1次元あるいは2次元のフレネルゾー
ンプレート等のグレーティングレンズより成り、それぞ
れマスク1面上とウエハ2面上のスクライブライン10,9
上にアライメントマーク205,206は複数の領域に分割さ
れてアライメントマーク205aとして、アライメントマー
ク203,204は複数の領域に分割されてアライメントマー
ク203aとして設けられている。
207は第1光束、208は第2光束であり、これらの光束
(信号光束)207,208は不図示のアライメントヘッド内
の光源から出射し、所定のビーム径にコリメートされて
いる。
本実施例において、光源の種類としては半導体レーザ
ー、He−Neレーザー、Arレーザー等のコヒーレント光束
を放射する光源や、発光ダイオード等の非コヒーレント
光束を放射する光源等である。211,212は各々第1検出
部と第2検出部としてのセンサ(光電変換素子)であ
り、光束207及び208を受光する、例えば1次元CCD等よ
り成っている。
本実施例では光束207及び208は各々マスク1面上のア
ライメントマーク205aに所定の角度で入射した後、透過
回折し、更にウエハ2面上のアライメントマーク203aで
反射回折し、センサ211,212面上に入射している。そし
てセンサ211,212で該センサ面上に入射したアライメン
ト光束重心位置を検出し、該センサ211,212からの出力
信号を利用してマスク1とウエハ2について位置ずれ検
出を行っている。
次にアライメントマーク203,204,205,206のパターン
形状について説明する。
アライメントマーク203,204,205,206は各々異った値
の焦点距離を有するフレネルゾーンプレート(又はグレ
ーティングレンズ)より成っている。
第13図(B)のアライメントマーク205aはアライメン
トマーク205,206より成っており、第14図(C)のアラ
イメントマーク203aはアライメントマーク203,204より
成っている。
マークの寸法は各々スクライブライン9及び10の方向
に50〜300μm、スクライブライン幅方向(y方向)に2
0〜100μmが実用的に適当なサイズである。
本実施例においては光束207と208は、いずれもマスク
1に対して入射角約17.5°でマスク1面への射影成分が
スクライブライン方向(x方向)に直交するように入射
している。
これらの所定角度でマスク1に入射したアライメント
光束207及び208は各々グレーティングレンズ205aのレン
ズ作用を受けて収束、又は発散光となり、マスク1から
の主光線がマスク1の法線に対して所定角度になるよう
に出射している。
そして、アライメントマーク205aを透過回折した光束
207と208は各々ウエハ面2の鉛直下方284.7228μm、鉛
直上方188.4545μmの点に集光点、発散原点をもつ。こ
のときのアライメントマーク205aの焦点距離は各々214.
7228,−158.4545μmである。又、マスク1とウエハ2
との間隔は30μmである、第1信号光束はアライメント
マーク205aのうちマーク205の作用で透過回折し、ウエ
ハ2面上のアライメントマーク203aのうちマーク203の
作用で凹レンズ作用を受け、第1検出部としてのセンサ
211面上の一点に集光している。このとき、センサ211面
上のへは光束がこの光束の入射位置の変動量がアライメ
ントマーク205,203のx方向における位置ずれ量、即ち
軸ずれ量に対応し、かつその量が拡大された状態となっ
て入射する。この結果、入射光束の重心位置の変動がセ
ンサ211で検出される。
本実施例ではマスク1とウエハ2の位置ずれが0のと
き、即ちマスク1上のアライメントマーク205とウエハ
2上のアライメントマーク203とが共軸系をなしたと
き、アライメント光束の主光線のウエハ2からの出射角
入射面射影成分が13度、xz面***影成分が3度、又、こ
のときの出射光のウエハ2面上への射影成分がスクライ
ブライン幅方向(y方向)と直交した所定位置、例えば
ウエハ2面から18.657mmの高さに位置しているセンサ21
1面上に集光するように設定している。
又第2信号光束はアライメントマーク205aのうちアラ
イメントマーク206の作用で透過回折し、ウエハ2面上
のアライメントマーク203aのうちアライメントマーク20
4の作用で結像点でのスポット位置を第1信号光束と異
なる方向に移動せしめ、かつ出射角入射面内成分13度、
xz面内成分が−3度で出射し、第2検出部としてのセン
サ212面上の一点に集光している。
以上のアライメントマークのレンズパラメータにより
物体1と物体2の相対位置ずれに対する検出部上の2つ
の信号光束重心の変位量が100倍で、且つ互いに逆方向
に設定できる。即ち、ずれ倍率β1=−100,β2=+100
となる。センサ211,212上に得られた光束位置のx方向
の移動量が、アライメントのずれ量を与える。アライメ
ントのずれが0の場合の2つの光束のスポット211a,212
aのx方向の間隔Dを設計値あるいは実焼等によりあら
かじめ求めておき、それに対する2つのスポット211a,2
12aの間隔の値のDからのずれからx方向のアライメン
トずれが求まる。
本実施例においては物体2,3が傾斜することに起因す
る誤差を原理的に補償する利点がある。
本実施例においてウエハ面2が第13図(A)のxz面内
で1mrad傾斜したとすると、センサ211上では第1の信号
光束207は約37.3μm重心移動を起こす。
一方、第2信号光束208も信号光束207との間でyz面と
平行な対称面を有し、且つ光路長の等しい光路を通るよ
うにし、センサ212上では信号光207と全く等しい重心移
動を起こすようにしている。これによりセンサ系では各
々センサからの実効的重心位置の信号の差を出力するよ
うに信号処理をすると、ウエハ面がyz面内で傾斜しても
センサ系からの出力信号は変わらない。
一方、ウエハがyz面内で傾斜すると、2つの信号光束
207,208ともにセンサの長手方向と直交する幅方向に重
心移動を起こすが、これはセンサ上で検出する、位置ず
れに伴う光束の重心移動の方向と直交する方向なので、
2光束でなくても実効的なアライメント誤差にはならな
い。
更に、アライメント用光源、及び投光用レンズ系及び
センサなどを内臓するアライメントヘッドが、マスク−
ウエハ系に対して位置の変動を起こした場合は1対1に
変化する。例えば、ヘッドをマスクに対して5μmy方向
に移動したとすると、信号光はセンサ211上で5μmの
実効的重心移動を起こし、これに対してもセンサ212上
で全く等しく5μmの重心移動を起こす。
従って、最終的なセンサ系からの出力、即ち、第1の
信号光の重心位置出力と第2の信号光の重心位置出力の
差信号は何ら変動しない。
又、z軸方向の位置の変動は2光束なくても本質的な
アライメント誤差にはならないことがわかる。
以上の各実施例では第1物体と第2物体の水平方向の
位置検出をアライメント光束と参照光束の2つの光束を
用いて行った場合を示した。
本発明はこの他第1物体と第2物体に設けた2つのマ
ークを用いて第1物体と第2物体の水平方向の位置検出
と共に対向する垂直方向の位置検出、即ち第1物体と第
2物体の間隔検出を行うことも可能である。
例えば第1,第2物体面上に設けた2種類のマークのう
ち一方の種類のマークより水平方向の位置検出を行う為
のアライメント信号を得、他方の種類のマークより垂直
方向の間隔信号を得、これより水平方向と垂直方向の双
方の位置検出を行うこともできる。
尚、このときは参照信号は第1物体と第2物体に設け
た他のマークから得るようにしても良く、又参照信号を
用いずに第1物体に対する第2物体の位置検出を行うよ
うにしても良い。
第15図は第1物体と第2物体との間隔検出を行う場合
の一部分を示す本発明の第6実施例の要部概略図であ
る。
本実施例では第1物体1面上に設けた2つの間隔検出
用マーク4in,5outを用いて第1物体と第2物体との間
隔検出を行う場合を示している。
第16図は第14図の第1物体と第2物体近傍の拡大模式
図である。
第15図,第16図において101は光束で例えばHe−Ne
ーザーや半導体レーザー等からの光束、102は板状の第
1物体で例えばマスク、103は板状の第2物体で例えば
ウエハである。4in,5outは各々マスク102面上の一部に
設けた第1,第2物理光学素子で、これらの物理光学素子
4in,5outは例えば回折格子やゾーンプレート等から成
っている。107は集光レンズであり、その焦点距離はfS
であり、163は集光レンズ107の光軸である。
108は受光手段で集光レンズ107の焦点位置に配置され
ており、ラインセンサーやPSD等から成り、入射光束の
重心位置を検出している。109は信号処理回路であり、
受光手段108からの信号を用いて受光手段108面上に入射
した光束の重心位置を求め、後述するようにマスク102
とウエハ103との間隔dOを演算し求めている。
100は光プローブであり、集光レンズ107や受光手段10
8、そして必要に応じて信号処理回路109を有しており、
マスク102やウエハ103とは相対的に移動可能となってい
る。
本実施例においては半導体レーザーLDからの光束101
(波長λ=830nm)をマスク102面上の第1フレネルゾー
ンプレート(以下FZPと略記する)4in面上の点Aに垂直
に入射させている。そして第1のFZP4inからの角度θ1
で偏向する、即ち回折する予定次数の回折光をウエハ10
3面上の点B(C)で偏向、即ち反射させている。この
うち反射光131はウエハ103がマスク102との間隔dOの位
置P1に位置しているときの反射光、反射光132はウエハ1
03が位置P1から距離dGだけ変位して、位置P2にあるとき
の反射光である。
次いでウエハ103からの反射光を第1物体102面上の第
2のFZP5out面上の点D(ウエハ103が位置P2にあるとき
は点E)に入射させている。
尚、第2のFZP5outは集光レンズのように入射光束の
入射位置に応じて出射回折光の射出角を変化させる光学
作用を有している。
そして第2のFZP5outから角度θ2で回折した所定次
数の回折光161(ウエハ103が位置P2にあるときは回折光
162)を集光レンズ107を介して受光手段108面上に導光
している。
そして、このときの受光手段108面上における入射光
束161(ウエハ103が位置P2にあるときは回折光162)の
重心位置を検出してマスク102とウエハ103との間隔を演
算し求めている。
本実施例ではマスク102面上に設けた第1,第2のFZP4
in,5outは予め設定された既知のピッチで構成されてお
り、それらに入射した光束の所定次数(例えば±1次)
の回折光の回折角度θ1,θ2は予め求められている。
第17図はマスク102面上の第1,第2のFZP4in,5out
機能及びマスク102とウエハ103との間隔との関係を示す
説明図である。
第17図(A)は物理光学素子4in,5outの上面図、第1
7図(B)は物理光学素子4in,5outを通過する光路をB
方向から見た説明図、第17図(C)は同じくC方向から
見た説明図である。
本実施例においては、第1のFZP4inは単に入射光を折
り曲げる作用をしているが、この他収束、又は発散作用
を持たせるようにしても良い。
同図(A),(B),(C)に示すように第2のFZP5
outは場所によって回折方向が少しずつ変えられる構成
になっており、例えば点111はマスク102とウエハ103と
の間隔が100μmのときの出射光束の重心透過点でマス
ク102とウエハ103との間隔が増すにつれて出射光束の透
過点は同図(A)において右方に移動し、間隔が200μ
mとなったときは点112を透過するように設定してい
る。
FZPのパターンは同図(A)においてB方向には収
束、発散のパワーを持たせていないが光束の拡がりを調
整する為に持たせても良い。
本実施例ではA方向に対しては第13図に示すように出
射角度5°方向に距離fM=1000μmの位置に集光するよ
うに第2のFZP5outに収束のパワーを持たせている。
尚、第17図においてマスク102とウエハ103との間隔測
定範囲を例えば100μm〜200μmとした場合には、これ
に対応させて第1,第2のFZP4in,5outの領域の大きさを
設定すれば良い。
次に第15図を用いてマスク102とウエハ103との間隔を
求める方法について説明する。
第15図に示すように回折光161と回折光162との交点F
からマスク102までの距離をfMとすると AD=2d0tanθ1, AE=2(d0+dG)tanθ1, ∴dM=DE=AE−AD=2dGtanθ1 ……(3) dM=2・fM・tanθ2 ……(4) である。間隔がd0からdGだけ変化したときの受光手段10
8面上における入射光の動き量Sは S=2・fS・tanθ2 ……(5) 従って(1),(2),(3)式より となる。
マスク102とウエハ103の単位ギャップ変化量に対する
受光手段108面上の入射光束のずれ量ΔS、即ち感度Δ
Sは となる。
本実施例では受光手段108面上の入射光束の位置ずれ
Sを検出することにより、(6)式より距離dGを求め、
この値dGよりマスク102に対するウエハ103の所定間隔位
置P1からの間隔ずれ量を求め、これによりマスク102と
ウエハ103との間隔を測定している。
マスク102とウエハ103は最初に例えば第15図に示すよ
うに基準となる間隔d0を隔てて対向配置されている。こ
のときの間隔d0は例えばTM−230N(商品名:キャノン株
式会社製)等の装置を用いて測定されている。
本実施例では第1のFZP4inに入射光を折り曲げる偏向
作用を持たせることで以下の様な効果を得ている。
第1のFZP4inからの出射光の角度θ1は(7)式から
わかる様に感度ΔSを設定する為のパラメータとなる。
第1のFZP4inが無くマスクの透過光を使用する状態では
この角度θ1はマスクへの入射光の入射角、即ち光源側
の投射方向に一致する。この場合、投光手段の配置は感
度ΔSを考慮して制約を受ける。折り曲げ偏向作用を有
する第1のFZP4inを設けることで投光手段からの入射角
をどれだけに設計しても第1のFZP4inの方で出射角を角
度θ1にする様に簡単に調整でき、これにより投光手段
側の自由度を増している。
又本実施例では第1のFZP4inに入射する光束の大きさ
を第1のFZP4inの大きさより大きくすることにより、入
射光がマスク面方向に多少変動しても第1のFZP4inから
の出射する光束の状態が変化しないようにしている。
本実施例における感度ΔSは集光レンズ107の焦点距
離fSを30mmとすると(7)式より となり、マスク102とウエハ103との間隔1μm当たりの
変化に対して、受光手段108面上の光束は15μm移動す
ることになる。受光手段108として位置分解能が0.3μm
のPSDを用いると、原理的には0.02μmの分解能でマス
ク102とウエハ103の間隔を測定することが可能となる。
本実施例ではウエハ103の1つの位置に対する第2物
理光学素子5outからの回折光は、光軸163に対して特定
の角度をもって集光レンズ107に入射し、受光手段108が
集光レンズ107の焦点距離に設置されているので光プロ
ーブ100を光軸163上の、どの位置に設置しても、又、光
軸と垂直方向に多少ズレていても受光手段108への入射
光位置は不変である。これにより光プローブの変動に伴
う測定誤差の軽減させている。
但し、光プローブ100の位置誤差がある程度許容され
ている場合や位置誤差が生じても別手段で補正された場
合には、受光手段108は集光レンズ107の焦点位置に厳密
に設置される必要はない。
尚、第15図の実施例において集光レンズ107を用いず
に第18図(A),(B)に示すように構成しても第15図
の実施例に比べて受光手段108に入射する光束が多少大
きくなるが本発明の目的を略達成することができる。
第18図(A)は第15図の実施例において集光レンズ10
7を省略したときの実施例の概略図である。
第18図(B)は第18図(A)の実施例におけるマスク
102面上の物理光学素子5outは入射光束に対して一定方
向に出射させる光学作用を有し、集光作用を有さない実
施例を示している。具体的には物理光学素子、そして平
行等間隔な線状格子よりなる回折格子等が用いられる。
この場合も第18図(A)の実施例と同様、本発明の目的
を略達成することができる。
尚、第18図(B)に示す実施例において回折格子5out
を省略し、ウエハ103から反射した光束がマスク102を透
過する様にし、この透過光を受光する位置に受光手段を
配置するようにしても良い。又第18図(A),(B)の
入射側の回折格子4inを省略し、光源LDからの入射光束
がマスク102に入射する前からマスク面法線に対して傾
斜している様に構成しても良い。
更に第18図(A),(B)において、ウエハ103上に
回折格子を形成し、回折格子4inからの回折光を該回折
格子で回折させて回折格子5outの方向に導光する様に構
成しても良い。
第19図(A)は本発明の第7実施例の要部概略図であ
る。
本実施例では第1物体と第2物体の水平方向(横ずれ
方向)と垂直方向(間隔方向)の双方の位置検出を行う
ものである。
同図(B)は同図(A)のマスク1面上のマークの配
置を示す概略図、同図(C)は同図(A)のウエハ2面
上のマークの配置を示す概略図である。
同図(B)に示すマスク1面上には横ずれ信号検出用
のマーク5A,5Bと間隔検出用のマーク42inA,42inB,42
outA,42outBが面積的に分割された複数の領域に設けら
れている。(ここでinは入射用、outは出射用を各々示
している。) 又ウエハ2面上には横ずれ信号検出用のマーク3A,3B
が設けられ、間隔検出用のマークは光束が反射偏向する
為の無地パターンから成っている。
水平方向の位置検出方法は以下の如くである。
アライメント光束7はマスク1上のグレーティングレ
ンズ5A(5B)を透過回折し、ウエハ2上のグレーティン
グレンズ3A(3B)を反射回折することによって、マスク
とウエハとのずれ量に対応した量、かつ拡大された量だ
け所定面への入射位置が変化する。
即ち、マスクとウエハ上のグレーティングレンズの間
の光軸のずれがn倍の入射光束重心位置ずれとしてグレ
ーティングレンズ系の倍率で拡大変換されて、アライメ
ントヘッド内の受光器11に入射する。そして受光器11に
よりその光束の重心位置を検出している。
今、マスク1とウエハ2とが平行方向にΔσずれてお
り、ウエハ2からウエハ2のグレーティングレンズ3A
(3B)で反射した光束の集光点までの距離をb、マスク
1のグレーティングレンズ5A(5B)を通過してウエハ2
に入射する光束の集光点(あるいは発散原点)までの距
離をaとすると検出面11上での集光点の重心ずれ量Δδ
となる。即ち重心ずれ量Δδは(b/a+1)倍に拡大さ
れる。
例えば、a=0.5mm,b=50mmとすれば重心ずれ量Δδ
は(a)式より101倍に拡大される。
尚、このときの重心ずれ量Δδと位置ずれ量Δσは
(a)式より明らかのように、比例関係となる。検出器
11の光束入射位置検出分解能が0.1μmであるとすると
位置ずれ量Δσは0.001μmの位置分解能となる。
このようにして求めた位置ずれ量Δσをもとに第2物
体を移動させれば第1物体と第2物体の位置決めを高精
度に行うことができる。
検出面11上の基準位置(第1,第2物理光学素子が位置
ずれのない状態のときの光束の重心位置)は以下の様に
して求める。まず第1物理光学素子5A(5B)を有する、
例えばマスクを適当な位置に固定する。次に第2物理光
学素子3A(3B)を有する、例えばウエハをマスクに対し
て適当な位置に配置する。このとき光束を第1,第2物理
光学素子に入射させて、この状態における検出面11上で
の光束の重心位置を検出する。次にこの状態で、例えば
マスク上のパターンをウエハ上に転写する。転写された
パターンを他の顕微鏡等で観察し、ずれの量と方向を計
測する。求めたずれ量及び方向が(a)式における第2
物理光学素子のずれΔσになる。従って(a)式より前
に検出した光束の重心位置が基準位置よりどれだけずれ
ていたか、即ちΔδが求められるので、このΔδと検出
した重心位置から基準位置を逆算する。
垂直方向検出(間隔検出)方法は第15図に示した第5
実施例と同様である。尚、39は間隔検出用のセンサーで
ある。
第20図(A)は本発明の第8実施例の要部概略図であ
る。
本実施例では第1物体と第2物体の水平方向(横ずれ
方向)と垂直方向(間隔方向)の双方の位置検出を行う
ものである。
同図(B)は同図(A)のマスク1面上のマークの配
置を示す概略図、同図(C)は同図(A)のウエハ2面
上のマークの配置を示す概略図である。
本実施例ではマスク(第1物体)とウエハ(第2物
体)が位置変化するとき受光手段11,12,39,40面上に入
射する2つの光束が互いに逆方向に移動するように各要
素を設定し、この逆方向に動く2光束の間隔がそれぞれ
の方向の相対位置関係に対応するので、これを検出して
高精度な位置検出を行っている。この為、同図では各々
の機能を有するマークを各々マスクとウエハに設けてい
る。
同図(B)に示すマスク1面上には横ずれ信号検出用
のマーク5A1,5A2,5B1,5B2と間隔検出用のマーク42in1
A,42in1B,42out1A,42out1B,42in2A,42in2B,42out
2A,42out2Bが面積的に分割された複数の領域に設けら
れている。
(ここでinは入射用、outは出射用を各々示してい
る。) 又ウエハ2面上には横ずれ信号検出用のマーク3A1,3B
1,3A2,3B2が設けられ、間隔検出用のマークは光束が反
射偏向する為の無地パターンから成っている。
水平方向の位置検出方法は第1図に示した第1実施例
と同様で、又垂直方向検出(間隔検出)方法は第15図に
示した第5実施例と同様である。
尚、本発明においては第1物体1と第2物体2との間
隔及び第1,第2アライメントマーク、又は第1,第2参照
マークの開口の大きさに応じて各マークの屈折力を選択
するのが良い。
例えば、第1,第2アライメントマークの開口に比較し
て間隔が大きい場合は凸凸系が良い。又、逆に開口に比
較して間隔が小さい場合は第14図に示す凹凸系、又は第
19図に示す凸凹系が良い。
更に第21,第22図に示すように第2アライメントマー
クが第1アライメントマークよりも開口を大きくとれる
場合は第22図に示す凹凸系が良く、逆に第1アライメン
トマークが第2アライメントマークよりも開口を大きく
とれる場合は第21図に示す凸凹系が良い。
以上の各実施例においては、透過型の物理光学素子に
ついて示したが反射型の物理光学素子を用いても同様に
本発明の目的を達成することができる。
第23図は本発明の第9実施例の概略図である。本実施
例は所謂プロキシミティー法による半導体製造用の露光
装置において、マスクとウエハとのアライメントを行う
位置合わせ装置に関し、特にそのうちのアライメント光
のみを示すものである。
第23図において第1図で示した要素と同一要素には同
一符番を付してある。図中、1はマスク、2はウエハで
あり各々相対的な位置合わせを行う第1物体と第2物体
に相当している。5はマスク面上のマスクアライメント
パターンで第1物理光学素子に相当し、3はウエハ2面
上のウエハアライメントパターンで反射型の第2物理光
学素子に相当している。
同図において光源91から出射された光束を投光レンズ
系92で平行光束とし、ハーフミラー93を介してマスク用
のアライメントパターン5を照射している。マスクアラ
イメントパターン5は入射光束をウエハの前方の点Qで
集光させるゾーンプレートより成っている。点Qに集光
した光束はその後発散し、ウエハ用のアライメントパタ
ーン3に入射する。アライメントパターン3は反射型の
ゾーンプレートより成っており、入射光束を反射させマ
スクとハーフミラー93とを通過させた後、検出面11上に
集光している。
これによりアライメント信号を得ている。尚、参照光
による参照信号も同様の方法で得ている。
(発明の効果) 本発明によれば第1物体と第2物体面上に前述のよう
な各々光束偏向作用の異なる少なくとも2種類のマーク
を少なくとも一方が分割されて他方と交互配置された構
成とすることにより、局所的な基板のそり等に影響され
ない高精度な位置検出を可能とした位置検出装置を達成
することができる。
この他前述の実施例によれば前述の光学的性質を有す
る第1,第2アライメントマークと第1,第2参照マークを
各々第1,第2物体面上に設け、各々のマークを介した光
束を利用し、例えばアライメント信号と参照信号を平均
的に同一領域から同時に得ることにより、第1物体とし
てのマスクと第2物体としてのウエハの位置合わせを行
う際、次のような効果が得られる。
(イ)ウエハ面が傾斜するか、或はレジストの塗布むら
や、露光プロセス中に生じるそりなどのローカルな傾き
等によってアライメント光の重心位置が変動しても参照
信号光とアライメント信号光との相対的な重心位置検知
を行うことにより、ウエハ面の傾斜に左右されずに正確
に位置ずれを検出することができる。
(ロ)アライメントヘッドの位置がマスクに対して相対
的に変動した為に、アライメント信号光のセンサ上の重
心位置が変動しても参照信号光とアライメント信号光と
の相対的な重心位置検知を行うことにより、アライメン
トヘッドの位置ずれに左右されずに正確にマスク−ウエ
ハ間の位置ずれを検出することができる。
(ハ)更にマスクとウエハ間のギャップが変動して、信
号光のアライメントセンサ上のアライメント検知方向の
重心位置が変動しても参照信号光とアライメント信号光
との相対的な重心位置検知を行うことにより、ギャップ
変動に左右されずに正確に位置ずれを検出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の光学系の概略図、第2,第
3図は各々第1図の光学作用の原理を示す説明図、第4
図は本発明における位置ずれ量と重心ずれ量との関係を
示す説明図、第5図(A),(B)は本発明に係るマス
ク上のマークとウエハ上のマークのパターン説明図、第
6図(A),(B)は本発明に係るアライメントマーク
による点像の強度分布の説明図、第7図(A),(B)
は本発明に係るマスク用とウエハ用のマークのパターン
説明図、第8,第9,第12,第13図は本発明の第2,第3,第4,
第5実施例の光学系の概略図、第14図は第13図の光学的
作用の説明図、第10図は第9図におけるマークの点像の
強度分布の説明図、第11図,第21図,第22図は第1図の
一部分の一変形を示す説明図、第15図は本発明において
間隔検出を行う様子を示す第6実施例の要部概略図、第
16,第17,第18図は第15図の一部分の説明図、第19図,第
20図は各々本発明の第7,第8実施例の概略図、第23図は
本発明をプロキシミティー法の半導体露光装置に適用し
たときの第9実施例の概略図、第24,第25図,第26図は
各々従来のゾーンプレートを用いた位置合わせ装置の説
明図、第27〜第29図は本発明の位置ずれ検知方法の原理
説明図である。 図中、1,102は第1物体(マスク),2,103は第2物体
(ウエハ)、5,3は各々第1,第2アライメントマーク、
6,4は各々第1,第2参照マーク、7はアライメント光、
8は参照光、9,10はスクライブライン、11は第1検出系
(センサ),12,108は第2検出系(センサ)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 雄吉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 吉井 実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野瀬 哲志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−100303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 H01L 21/30 G03F 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1物体面上に形成された第11,第12マー
    クの少なくとも2つのマークと、第2物体面上に形成さ
    れた第21,第22マークの少なくとも2つのマークを用
    い、該第11マークに光束を入射させたときに偏向される
    光束を該第21マークに入射させ、該第21マークで偏向さ
    れる光束の位置を第1検出手段で検出し、該第1検出手
    段から得られる第1信号と該第12マークに光束を入射さ
    せたときに、該第12マークから偏向し射出した光束を該
    第22マークに入射させ、該第22マークから偏向し射出し
    た光束の位置を第2検出手段で検出し、該第2検出手段
    から得られる第2信号の双方の信号を利用して、該第1
    物体に対する第2物体の位置検出を行う位置検出装置で
    あって、前記第11,第12マーク又は/及び前記第21,第22
    マークを、少なくとも一方が分割されて他方と交互配置
    された構成としたことを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】前記第11,第12マークと前記第21,第22マー
    クはいずれも物理光学素子より成り、前記第1信号に基
    づく光束と前記第2信号に基づく光束はいずれも前記マ
    ークのうち少なくとも1つのマークで少なくとも1回の
    回折作用を受けていることを特徴とする請求項1記載の
    位置検出装置。
  3. 【請求項3】前記物理光学素子をグレーティングレンズ
    の組み合わせより構成し、該グレーティングレンズの縞
    本数に応じて前記分割領域の幅を変えて構成したことを
    特徴とする請求項2記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】前記第1信号と第2信号を利用して対向配
    置した前記第1物体に対する第2物体の水平方向におけ
    る位置検出又は/及び双方が対向配置されている垂直方
    向の位置検出を行ったことを特徴とする請求項1記載の
    位置検出装置。
  5. 【請求項5】所定の物体に対して対向して配置して位置
    検出を行う為の位置検出用物体であって、該位置検出用
    物体上には、位置検出用の光束が光学的作用を受ける光
    束偏向作用の異なる少なくとも2種類のマークが少なく
    とも一方が分割されて他方と交互配置された構成として
    形成されていることを特徴とする位置検出用物体。
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