JP2817450B2 - アキュムレータの作動流体漏洩防止装置 - Google Patents

アキュムレータの作動流体漏洩防止装置

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JP2817450B2 JP3149569A JP14956991A JP2817450B2 JP 2817450 B2 JP2817450 B2 JP 2817450B2 JP 3149569 A JP3149569 A JP 3149569A JP 14956991 A JP14956991 A JP 14956991A JP 2817450 B2 JP2817450 B2 JP 2817450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アキュムレータに蓄え
られた作動流体が、そのアキュムレータと作動装置との
連通,遮断を制御する制御弁から漏洩していることを検
出し、その漏洩を停止させる作動流体漏洩防止装置と、
その作動流体漏洩防止装置を備えたブレーキ装置とに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】制御弁からの作動流体漏洩は、例えば特
願平2−5736号の明細書に記載されている自動車用
液圧ブレーキ装置において問題となる。この装置は、4
輪自動車用アンチスキッド/トラクション制御式液圧ブ
レーキ装置であり、アキュムレータの圧力(以下、単に
アキュムレータ圧という)を適正範囲に保つための蓄圧
制御用圧力センサと、アキュムレータ圧が異常に低くな
ったことを検知して警報を発するための異常警報用圧力
センサとを備えている。アキュムレータの作動液が作動
流体として使用され、アキュムレータ圧が適正範囲の下
限値以下となれば、蓄圧制御用圧力センサの出力信号に
基づいてポンプが起動され、アキュムレータ圧が適正範
囲の上限値に達するまで蓄圧が行われるのであるが、何
らかの理由で蓄圧制御用圧力センサの信号に応じてポン
プが起動されず、アキュムレータ圧が異常判定基準値ま
で低下したときには、異常警報用圧力センサの出力信号
に基づいて警報が発せられるようになっているのであ
る。
【0003】また、上記液圧ブレーキ装置においては、
アキュムレータと作動装置たるホイールシリンダとの間
にトラクション制御用の電磁方向切換弁が設けられてお
り、ホイールシリンダをリザーバから遮断してアキュム
レータと連通させ、アキュムレータから作動液を供給す
る状態と、ホイールシリンダをアキュムレータから遮断
してリザーバと連通させる状態とに切り換えられるよう
になっている。この方向切換弁が切り換えられる際に、
弁子と弁座との間に異物が挟まって弁子が弁座に着座し
得なかった場合や、弁子が弁座の正規の位置に着座しな
かった場合等には、アキュムレータとホイールシリンダ
とが遮断状態とされているにもかかわらず、アキュムレ
ータの作動液が方向切換弁を経てリザーバへ漏洩するこ
とがある。この遮断不良の発生時にも、上記蓄圧制御用
圧力センサの出力信号に基づいてアキュムレータ圧の制
御が行われ、異常警報用圧力センサの出力信号に基づい
て警報が発せられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
置においては、アキュムレータに蓄えられた作動液が方
向切換弁から漏洩することを防止することは行われてい
なかった。そのため、一旦、方向切換弁の遮断不良が発
生すれば、次に方向切換弁が作動するまで作動液が漏洩
し続け、ポンプを運転して蓄圧を行ってもアキュムレー
タ圧がなかなか上昇せず、また、上昇してもポンプを停
止させれば再び低下してしまうという事態が発生するこ
とがあった。この制御弁の遮断不良が発生すれば、ポン
プモータやリレーに長時間通電されたり、稼動回数が増
大したりすることによってモータやリレーの寿命が短く
なり、また、エネルギが無駄に消費されるという問題が
生じる。この問題は上記液圧ブレーキ装置に限らず、方
向切換弁や開閉弁等の制御弁と作動流体を圧力下に蓄え
るアキュムレータとを備えた流体圧装置において一般的
に発生する。
【0005】そこで、本発明の第一の課題は、作動流体
を圧力下に蓄えるアキュムレータと、そのアキュムレー
タと作動装置との連通,遮断を制御する制御弁とを含む
流体圧装置において、制御弁からアキュムレータの作動
流体が漏洩していることを検出し、漏洩が検出された場
合にはその漏洩を停止させ得る作動流体漏洩防止装置を
得ることであり、第二の課題は、その作動流体漏洩防止
装置をブレーキ装置に適用することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題は、作動
流体漏洩防止装置を、図1に示すように、(a)アキュ
ムレータの作動流体漏洩を検出し、漏洩検出信号を出力
する蓄圧漏洩検出手段と、(b)その漏洩検出信号に応
じて制御弁を少なくとも1往復作動させる漏洩停止手段
とを含むものとすることにより解決される。 また、第二
の課題は、作動液を圧力下に蓄えるアキュムレータ
と、液圧で作動するアクチュエータと、それらアキ
ュムレータとアクチュエータとの連通,遮断を制御する
制御弁とを含み、アクチュエータの作動を伴って作動
し、車両を制動するブレーキ装置において、制御弁が
遮断状態にある状態でアキュムレータの作動液が漏洩す
ることを検出し、漏洩検出信号を出力する蓄圧漏洩検出
手段と、その漏洩検出信号に応じて制御弁を少なくと
も1往復作動させる漏洩停止手段とを設けることによっ
て解決される。 本発明の一態様においては、上記ブレー
キ装置の上記アキュムレータが、ブレーキ操作部材の操
作力を倍力する液圧ブースタの液圧源とされ、上記アク
チュエータが、上記制御弁を経て液圧ブースタとは並列
にアキュムレータに接続される。 また、別の態様におい
ては、上記ブレーキ装置に、さらに、車輪の回転を抑
制するブレーキを作動させるホイールシリンダと、そ
のホイールシリンダを上記制御弁を経て上記アキュムレ
ータに接続して上記アクチュエータとして機能させる液
通路と、その液通路の制御弁とホイールシリンダとの
間の部分に設けられ、ホイールシリンダの液圧を制御す
る液圧制御弁装置と、車両の加速時に車輪のスリップ
が過大となったとき、制御弁を液圧制御弁装置とアキュ
ムレータとを連通させる連通状態とするとともに、液圧
制御弁装置を制御することによって、ホイールシリンダ
の液圧を制御し、車輪のスリップを適正状態とするトラ
クション制御手段とが設けられる。
【0007】
【作用】上記のように構成された作動流体漏洩防止装置
において、蓄圧漏洩検出手段により制御弁からアキュム
レータの作動流体が漏洩していることが検出されれば検
出信号が発せられ、その検出信号に応じて漏洩停止手段
により制御弁が少なくとも1往復作動させられる。した
がって、制御弁の弁子が良好な状態で弁座に着座してい
ないために作動流体が漏洩していても、制御弁の作動に
より弁子が正常に弁座に着座し、また、弁子と弁座との
間に異物が挟まって着座不良を起こしている場合にも、
作動流体の流れによって異物が流されるか、あるいは弁
子の弁座への衝突により異物が両者間で潰されることに
よって、制御弁の機能が回復し、作動流体の漏洩が解消
される。また、上記のように構成されたブレーキ装置に
おいては、制御弁に作動液漏れが生ずれば、アキュムレ
ータへの作動液の補給が頻繁に必要となり、無駄なエネ
ルギ消費が増大する上、場合によっては、アキュムレー
タの蓄液量が不足してアクチュエータが十分に作動しな
くなるのであるが、そのような事態の発生が、蓄圧漏洩
検出手段および漏洩停止手段により良好に防止される。
例えば、上記のように、アクチュエータが制御弁を経て
接続されるアキュムレータが、液圧ブースタの液圧源で
ある態様のブレーキ装置においては、制御弁に作動液漏
れが生ずれば、液圧ブースタの作動が不十分となって、
通常より大きな力でブレーキ操作部材を操作することが
必要となり、また、上記のホイールシリンダ,の液
通路,の液圧制御弁装置およびのトラクション制御
手段を備えた態様のブレーキ装置においては、制御弁に
作動液漏れが生ずれば、トラクション制御が正常に行わ
れない事態が生ずるのであるが、そのような事態の発生
が良好に防止されるのである。
【0008】
【発明の効果】このように、本発明の作動流体漏洩防止
装置においては、アキュムレータの作動流体が制御弁か
ら漏洩することが防止されるため、アキュムレータ圧を
回復させるためのポンプモータやリレーの稼動回数が減
少し、これらの寿命低下と無駄なエネルギ消費が良好に
回避される効果が得られる。しかも、蓄圧漏洩検出手段
および漏洩停止手段は、簡単な電子回路の追加やコンピ
ュータの制御プログラムの変更によって実現し得るた
め、装置コストの上昇を低く抑えつつ上記効果を得るこ
とができる。また、ブレーキ装置において制御弁の作動
液漏れが防止されれば、上記効果の他に、ブレーキ装置
の信頼性が向上する効果が得られる。例えば、液圧ブー
スタやトラクション制御装置の作動不良の発生が良好に
回避されるのであり、ブレーキ装置は車両において特に
信頼性の要求の高い装置であるから、その信頼性が向上
することの実益は大きい。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるアキュムレー
タの作動液漏洩防止装置を備えた4輪自動車用アンチス
キッド/トラクション制御式液圧ブレーキ装置を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0010】図2において、10は液圧ブースタ(以
下、単にブースタという)であり、12はタンデム型マ
スタシリンダ(以下、単にマスタシリンダという)であ
る。マスタシリンダ12はハウジング14を備えてい
る。ハウジング14に形成されたシリンダボア16に
は、第一加圧ピストン18および第二加圧ピストン20
が液密かつ摺動可能に嵌合されており、各ピストン1
8,20の前方にそれぞれ第一加圧室22,第二加圧室
24が形成されている。第一加圧室22に発生した液圧
は液通路28を経て左後輪30,右後輪32の各ブレー
キのリヤホイールシリンダ34,36に供給され、一
方、第二加圧室24に発生した液圧は液通路40,41
を経て左前輪42,右前輪44の各ブレーキのフロント
ホイールシリンダ46,48に供給される。
【0011】リヤホイールシリンダ34,36と第一加
圧室22との間には電磁方向切換弁50および電磁液圧
制御弁52,53、フロントホイールシリンダ46,4
8と第二加圧室24との間には電磁方向切換弁54,5
5および電磁液圧制御弁56,57が設けられている。
電磁方向切換弁50は電磁方向切換弁58を介してブー
スタ10のパワー圧室63に接続されており、リヤホイ
ールシリンダ34,36にマスタシリンダ圧とパワー圧
とのいずれかが供給されるようになっている。また、電
磁方向切換弁54,55もパワー圧室63に接続されて
おり、フロントホイールシリンダ46,48にマスタシ
リンダ圧とパワー圧とのいずれかが供給される。
【0012】図3に示すように、電磁方向切換弁58の
ハウジング58aには軸方向に延びる弁室58bが形成
されるとともに、その弁室58bに連通する3つのポー
ト58c,58dおよび58eが形成されている。ポー
ト58cは液通路59を経て電磁方向切換弁50と、ポ
ート58dは液通路60を経てパワー圧室63と、ポー
ト58eは液通路61を経てアキュムレータ64とそれ
ぞれ連通しており、ポート58dと弁室58bとの間に
は開閉弁58fが、ポート58eと弁室58bとの間に
は開閉弁58gがそれぞれ設けられている。弁室58b
内には両端部に弁子58h,58iを有する弁部材58
jが軸方向に移動可能に保持されており、常には、スプ
リング58kの付勢力により弁子58iが弁座58mに
着座させられて開閉弁58gが閉じられ、弁子58hが
弁座58nから離間して開閉弁58fが開かれている。
したがって、液通路60,ポート58d,弁室58b,
ポート58cおよび液通路59を経てパワー圧室63と
電磁方向切換弁50とが連通されている。
【0013】また、弁部材58jの外周面にはアーマチ
ュア58pが固定されており、ハウジング58aに保持
されたソレノイド58qに励磁電流が供給されることに
より、弁部材58jがスプリング58kの付勢力に抗し
て弁室58b内を移動し、弁子58hが弁座58nに着
座して開閉弁58fが閉じられる一方、開閉弁58gが
開かれる。それにより、電磁方向切換弁50とパワー圧
室63とが遮断されるとともに、アキュムレータ64と
電磁方向切換弁50とが連通する。この切換えはトラク
ション制御が必要である場合に行われ、アキュムレータ
64に蓄圧された作動液たるブレーキ液が液通路61,
ポート58e,弁室58b,ポート58cおよび液通路
59を経て電磁方向切換弁50へ流れ、作動装置たるリ
ヤホイールシリンダ34,36に供給される。
【0014】これら電磁方向切換弁50,54,55,
58および電磁液圧制御弁52,53,56,57の切
換えは、後に詳述する制御装置65により行われる。電
磁液圧制御弁52,53,56,57はそれぞれ三位置
に切り換えられるようになっており、各車輪30,3
2,42,44がアンチスキッド制御されるとともに、
駆動輪である左右後輪30,32がトラクション制御さ
れるようになっている。すなわち、各車輪30,32,
42,44の回転速度が各回転センサ66によって検出
され、その出力信号が制御装置65に供給されて、それ
に基づく電磁液圧制御弁52,53,56,57の切換
えによってホイールシリンダ34,36,46,48の
液圧が増圧,保持,減圧されることにより、車輪のスリ
ップが適正範囲に保たれるのであるが、この切換えはよ
く知られた制御であるため、詳細な説明は省略する。な
お、第一加圧室22と電磁方向切換弁54との間にプロ
ポーショニングバルブ68が設けられている。
【0015】前記第二加圧室24と電磁方向切換弁5
4,55との間には増圧シリンダ70が設けられ、この
増圧シリンダ70とブースタ10のパワー圧室63との
間に液通路72と液通路60とによりパイロット制御式
開閉弁74が接続されている。また、液通路41と液通
路72との間には差圧スイッチ76が設けられている。
パワー圧が正常である場合には、パイロット制御式開閉
弁74が閉じるため、増圧シリンダ70の増圧制御液室
の容積が減少することが禁止される。その結果、増圧シ
リンダ70は増圧作用をなし得ず、第二加圧室24の液
圧がそのまま液通路41に伝達される。また、液通路4
1と液通路72の液圧とはほぼ等しいため、差圧スイッ
チ76は作動しない。これに対して、パワー圧が失陥し
た場合には、パイロット制御式開閉弁74が開くため、
増圧シリンダ70が増圧作用をなし得る状態となり、第
二加圧室24の液圧が増圧されて液通路41に伝達され
る。また、液通路41の液圧の方が液通路72の液圧よ
りかなり高くなるため、差圧スイッチ76が作動し、パ
ワー圧の失陥を示す信号を出力する。これら増圧シリン
ダ70,パイロット制御式開閉弁74,差圧スイッチ7
6の構造は、特願昭61−172568号の明細書に詳
細に記載されている。
【0016】前記マスタシリンダ12のハウジング14
は、ブースタ10のハウジング80の嵌合穴82に嵌合
されている。その結果、ハウジング80のシリンダボア
84がシリンダボア16と連通しており、そのシリンダ
ボア84にはパワーピストン86が第二加圧ピストン2
0と同心であって液密かつ摺動可能に嵌合されており、
パワーピストン86の作動力が中継ロッド88によって
第二加圧ピストン20に伝達されるようになっている。
一方、シリンダボア84のパワーピストン86の後方に
は前記パワー圧室63が形成されている。パワーピスト
ン86の小径部90に形成された有底穴92には、リア
クションピストン94が液密かつ摺動可能に嵌合されて
おり、そのリアクションピストン94には入力ロッド9
6の先端部がかしめ付けられる一方、後端部はブレーキ
操作部材としてのブレーキペダル98に連結されてい
る。ブレーキペダル98の踏込みはブレーキスイッチ1
00により検出され、その出力信号が制御装置65に供
給される。
【0017】ブースタ10はさらに制御弁110を備え
ている。制御弁110のバルブスプール112は、レバ
ー装置114によりパワーピストン86とリアクション
ピストン94とに係合させられている。これにより、入
力ロッド96に加えられる操作力に見合ったパワー圧が
パワー圧室63に発生させられ、パワーピストン86を
作動させる。
【0018】前記アキュムレータ64にはリザーバ11
6のブレーキ液がモータ120により駆動されるポンプ
122によって供給される。アキュムレータ64に蓄え
られたブレーキ液がポンプ122に逆流することが逆止
弁124によって阻止され、また、アキュムレータ圧が
異常に高くなることがリリーフ弁126によって防止さ
れる。さらに、アキュムレータ64には圧力スイッチ1
30と圧力スイッチ132とが設けられている。各圧力
スイッチ130,132の特性をそれぞれ図4にグラフ
で表す。グラフから明らかなように、それら圧力スイッ
チ130,132の特性にはいずれもヒステリシス域が
設定されている。圧力スイッチ130はアキュムレータ
64に適正液圧範囲でブレーキ液が蓄えられるようにモ
ータ120を制御する蓄圧制御に使用され、一方、圧力
スイッチ132はアキュムレータ圧が上記適正液圧範囲
の下限値を下回る蓄圧異常が発生しているか否かを判定
するのに使用される。蓄圧異常が発生していると判定さ
れた場合には、そのことが警告ブザー134と警告ラン
プ136とにより運転者に知らされる。
【0019】これら圧力スイッチ130,132,警告
ブザー134および警告ランプ136は前記制御装置6
5に接続されている。制御装置65はコンピュータを主
体とするものであり、図5に示すように、入力インタフ
ェース140,出力インタフェース142,CPU14
4,ROM146およびRAM148を備えている。入
力インタフェース140には前記回転センサ66,差圧
スイッチ76,ブレーキスイッチ100,圧力スイッチ
130,132等が接続されており、出力インタフェー
ス142には、前記電磁方向切換弁50,54,55,
電磁液圧制御弁52,53,56,57等と共に前記電
磁方向切換弁58のソレノイド58q,モータ120,
警告ブザー134,警告ランプ136等が接続されてい
る。また、ROM146には図示を省略するアンチスキ
ッド制御用,トラクション制御用および蓄圧制御用の制
御プログラムと共に図6,図7,図8および図9のフロ
ーチャートで表される制御プログラムが記憶されてお
り、RAM148には図10に示すソレノイドフラグF
sol を始めとする種々の記憶エリアが設けられている。
【0020】上記のように構成された制御装置65は、
トラクション制御やアンチスキッド制御等のブレーキ液
圧制御の他、圧力スイッチ130の出力信号に基づく蓄
圧制御や、圧力スイッチ132の出力信号に基づく警告
ブザー134および警告ランプ136の制御と共に、圧
力スイッチ130,132の出力信号に基づいてアキュ
ムレータ64内のブレーキ液が前述の電磁方向切換弁5
8から漏洩していることを検知し、上記制御プログラム
に従って電磁方向切換弁58を複数回往復作動させる漏
洩防止制御を行うようになっている。
【0021】電磁方向切換弁58の開閉弁58gは、常
には閉じているようにされている。しかしながら、この
開閉弁58g内に異物が侵入し、弁座58mと弁子58
iとの間に留まって弁子58iの着座を妨げた場合に
は、開閉弁58gが完全に閉じず、この開閉弁58gと
開弁状態にある開閉弁58fとを経てアキュムレータ6
4とパワー圧室63とが連通してしまい、アキュムレー
タ64内のブレーキ液がパワー圧室63を経てリザーバ
116へ漏れてしまう。弁子58iの弁座58mへの着
座状態が悪く、開閉弁58gが完全に閉じられない場合
にも、同様にブレーキ液の漏れが生じる。本実施例の漏
洩防止制御はこの不都合を解消するために為されるもの
である。
【0022】以下、図6ないし図9のフローチャートを
参照しつつ詳細に説明する。漏洩防止制御の実行は図6
のメインルーチンに従って20msec毎に行われる。ま
ず、ステップS1(以下、単に、S1で表す。他のステ
ップについても同様)において、初期設定が行われる。
図7に示すように、RAM148の種々のフラグがOF
Fされる等の処理が行われるとともに、ソレノイドフラ
グFsol がOFFされ、電磁方向切換弁58のソレノイ
ド58qがOFFされて電磁方向切換弁58のアキュム
レータ側開閉弁58gが閉じられる。続いて、S2にお
いて初期時間の計測が行われた後、S3において漏洩検
出・停止制御が実行される。
【0023】S2の初期時間の計測は、自動車のエンジ
ン始動直後から一定時間は、S3の漏洩検出・停止制御
が行われないようにするために設けられたものであり、
図8のフローチャートに基づいて行われる。
【0024】まず、エンジンが始動されて図示しないイ
グニッションスイッチがONされれば、S20の判定結
果がYESとなり、S21において初期時間経過フラグ
1 がONされているか否かが判定される。最初は判定
の結果がNOとなり、S22においてt1 計測中フラグ
2 がONされているか否かが判定されるが、この判定
結果もNOとなるため、S23においてタイマ150に
初期時間t1 がセットされるとともにS24においてt
1 計測中フラグF2 がONされる。初期時間t1 はエン
ジンが始動されてから一定の時間であり、t1 計測中フ
ラグF2 は初期時間t1 が一旦セットされた後は、0に
なるまで初期時間t1 のセットが行われないようにする
ためのものである。
【0025】続いて、S25において初期時間t1 が1
減じられ、S26において初期時間t1 が0であるか否
かが判定される。最初の判定結果はNOとなり、1回の
初期時間計測プログラムの実行が終了する。再びS22
が実行されれば判定の結果がYESとなり、S23,S
24がスキップされてS25においてさらに初期時間t
1 が1減じられる。このようにして初期時間t1 の経過
が待たれ、初期時間t1 が経過すればS26の判定結果
がYESとなり、S27においてt1 計測中フラグF2
がOFFされるとともに、初期時間経過フラグF1 がO
Nされる。
【0026】S3の漏洩検出・停止制御は図9のフロー
チャートに基づいて行われ、S28〜S50の漏洩検出
処理とS52〜S65の弁往復作動処理とから成ってい
る。漏洩検出処理は、 問題となる程の漏れがなけれ
ばポンプ122がアキュムレータ圧を適正範囲の上限値
まで十分上昇させ得る基準ポンプ作動時間t2 を経過し
てもポンプ122が作動し続けていることを検知し、ブ
レーキ液の漏洩が発生しているとするS28およびS3
3〜S36のルーチンと、 問題となる程の漏れがな
ければポンプ122が停止してからアキュムレータ圧が
適正範囲の下限値まで低下するはずがない基準ポンプ停
止時間t3 以内にポンプ122が作動を開始したことを
検知し、ブレーキ液が漏洩しているとするS29,S3
2,S33およびS39〜S48のルーチンと、 圧
力スイッチ132により蓄圧異常の発生を検知し、ブレ
ーキ液が漏洩しているとするS30,S31,S49お
よびS50のルーチンとの3つの漏洩検出ルーチンから
成っている。
【0027】具体的には、下記に示す〜の条件のい
ずれかが成立することにより、漏洩を検出するようにな
っているのである。 ・ポンプ122が基準ポンプ作動時間t2 経過後も
ON ・ポンプ122が基準ポンプ停止時間t3 以内にO
N ・ブレーキスイッチ100がOFF ・アンチスキッド制御中でない ・トラクション制御中でない ・圧力スイッチ132がOFF ・イグニッションスイッチがON後、初期時間t1 経過 ・弁往復作動処理実行後、一定時間t6 経過
【0028】まず、の条件成立を判定するルーチンに
ついて説明する。S28において漏洩検出フラグF
3 が、S29において漏洩検出フラグF4 が、S30に
おいて漏洩検出フラグF7 がそれぞれONされているか
否かの判定が行われる。各フラグについては後に説明す
るが、最初はこれらの判定結果がすべてNOとなるた
め、S31において、アキュムレータ圧が図11の右端
部に示すように圧力スイッチ132のヒステリシス域の
下限値に達して、圧力スイッチ132がOFF信号を出
力し、警告ブザー134,警告ランプ136等がON状
態とされているか否かの判定が行われる。
【0029】エンジン停止中もアキュムレータ64が蓄
圧状態に維持される仕様の自動車においては、通常はこ
の判定結果がNOとなるため、S32において、t3
測中フラグF5 がONされているか否かの判定が行われ
る。最初の判定結果はNOとなるため、S33において
ポンプ122が作動しているか否か、すなわちポンプ1
22を作動させるモータ120がON状態にあるか否か
が判定される。モータ120がONされていれば判定の
結果がYESとなり、S34においてポンプ122が起
動されてから基準ポンプ作動時間t2 が経過したか否か
の判定が行われる。基準ポンプ作動時間t2 は、その時
間モータ120を駆動すれば通常は(問題となる程の漏
れが生じていなければ)アキュムレータ圧が十分適正液
圧範囲の上限値まで高められる長さに決定されている。
アキュムレータ64の容量,温度,ポンプ122の吐出
量等を考慮し、また、圧力上昇の途中でトラクション制
御あるいはアンチスキッド制御が行われることをも想定
して決定されているのである。なお、S34の判定は、
図8の初期時間t1 の経過判定と同様にして行われる。
【0030】通常は、基準ポンプ作動時間t2 が経過す
る前にポンプ122がOFFとなるのであるが、図11
の左端部に示すように、基準ポンプ作動時間t2 が経過
してもポンプ122が作動状態にあれば、S34の判定
結果がYESとなるとともにS35の判定結果がNOと
なり、S36において漏洩検出フラグF3 がONされ、
S52以降の弁往復作動処理が実行される。基準ポンプ
作動時間t2 を経過した後もポンプ122が作動状態に
あるということは、基準ポンプ作動時間t2 内にアキュ
ムレータ圧が適正液圧範囲の上限値まで上昇しなかった
ということであり、ブレーキ液の漏洩が発生していると
判定されるのである。漏洩検出フラグF3 がONされた
後はS28の判定結果がYESとなり、S29〜S36
がスキップされて、S52以降が実行される。
【0031】次に、の条件成立を判定するルーチンに
ついて説明する。アキュムレータ64にブレーキ液が正
常に蓄圧されて基準ポンプ作動時間t2 以内にポンプ1
22が停止させられればS33の判定結果がNOとな
り、S39においてタイマ152に基準ポンプ停止時間
3 がセットされる。続いてS40においてt3 計測中
フラグF5 がONされ、S41において基準ポンプ停止
時間t3 が1減じられた後、S42においてポンプ12
2が作動状態となったか否かが判定される。判定結果が
NOであれば1回のプログラムの実行が終了し、次にS
32においてt3 計測中フラグF5 がONであるか否か
が判定される。この判定の結果はYESとなるため、S
39,S40がスキップされて再びS41,S42が実
行される。
【0032】このようにしてプログラムが繰り返し実行
されるうち、ポンプ122が作動状態となれば、S42
の判定結果がYESとなり、S43においてt3 計測中
フラグF5 がOFFされるとともに、S44において基
準ポンプ停止時間t3 が0以上であるか否かが判定され
る。アキュムレータ64にブレーキ液が蓄圧されてポン
プ122が一旦停止した後、アキュムレータ圧が低下し
て再び作動を開始するまでの時間は相当長時間であるの
が普通であり、基準ポンプ停止時間t3 の長さは、その
通常のポンプ停止時間を基準として設定されている。し
たがって、アキュムレータ64からブレーキ液が漏洩し
ていなければポンプ122が起動するのは基準ポンプ停
止時間t3 が経過した後であり、基準ポンプ停止時間t
3 は負の値となるため、S44の判定結果がNOとなっ
てのルーチンの実行が終了する。しかし、アキュムレ
ータ64に漏洩が生じていれば、図11の中央部に示す
ように、基準ポンプ停止時間t3 が経過する前にアキュ
ムレータ圧が低下してポンプ122が作動を開始するの
で、基準ポンプ停止時間t3 の値が0以上となり、判定
の結果がYESとなって、S45〜S47の判定が行わ
れる。
【0033】アキュムレータ64から僅かな量のブレー
キ液が漏れていても、それだけでは基準ポンプ停止時間
3 以内にはポンプ122が起動されないため、S44
の判定結果はNOとなってS52以降の弁往復作動処理
は実行されない。しかし、その程度の漏れが生じている
ときに、もし、ブレーキ作動,アンチスキッド制御ある
いはトラクション制御が行われてアキュムレータ64の
ブレーキ液が消費されれば、基準ポンプ停止時間t3
経過する以前にポンプ122が作動を開始し、S44の
判定結果がYESとなることがある。この場合には、弁
往復作動処理は不要であるため、S45〜S47の判定
が行われるのである。
【0034】S45において、ブレーキが作動中である
か否かがブレーキスイッチ100がONされているか否
かにより判定されるとともに、S46においてアンチス
キッド制御が、S47においてトラクション制御がそれ
ぞれ実行されているか否かの判定が行われる。これらの
判定は、制御装置65のROM146に格納されている
図示しない制御プログラムによってアンチスキッド制御
等が行われ、アンチスキッド制御フラグFA またはトラ
クション制御フラグFT がそれぞれONされているか否
かを調べることにより行われる。そして、これらS4
5,S46,S47のすべての判定結果がNOであった
場合にのみS48において漏洩検出フラグF4 がONさ
れ、S52以降の弁往復作動処理が実行される。漏洩検
出フラグF4 がONされた後はS29の判定結果がYE
Sとなり、S30〜S48がスキップされてS52が実
行される。
【0035】なお、ブレーキ作動等が行われる際にはア
キュムレータ圧が適正範囲の下限値以下とはならず、後
に僅かな漏れによって下限値以下となった場合には漏洩
検出フラグF4 がONされ、弁往復作動処理が実行され
るが、このような事態が発生する確率は低く、また、も
しこのような事態が発生して弁往復作動処理が行われて
も、無駄な弁作動が行われるのみで差支えはない。
【0036】次に、の条件成立を判定するルーチンに
ついて説明する。エンジンが停止させられると同時にア
キュムレータ64の蓄圧が解放される仕様の自動車にお
いては勿論、蓄圧が解放されない仕様の自動車であって
もエンジンが長期間作動させられなかった場合には、ア
キュムレータ圧が図11の右端部に示すように圧力スイ
ッチ132のヒステリシス域の下限値より低下している
ため、エンジンの始動開始直後一定時間の間は、警告ブ
ザー134や警告ランプ136が作動させられる。した
がって、S31の判定結果がYESとなり、S49にお
いて、前記図6のメインルーチンのS2において、初期
時間t1 の経過を知らせる初期時間経過フラグF1 がO
Nされているか否かが判定され、ONされていなければ
S50以降がスキップされるが、初期時間t1 が経過し
ているにもかかわらず警告ブザー134等が作動状態に
ある場合には、S49の判定結果がYESとなり、S5
0において漏洩検出フラグF7 がONされてS52以降
が実行される。漏洩検出フラグF3 およびF4 がOFF
の状態で漏洩検出フラグF7 がONされた後はS30の
判定結果がYESとなって、S52以降の弁往復作動処
理が実行される。なお、前記「弁往復作動処理実行後、
一定時間t6 経過」なる条件が満たされる理由は後に説
明する。
【0037】次に弁往復作動処理について説明する。上
記のように、弁往復作動処理は漏洩検出フラグF3 ,
4 , 7 のいずれかがONされたとき実行されるのであ
り、ソレノイドON時間t4 の間ソレノイド58qを励
磁し、ソレノイドOFF時間t5 の間消磁する電流制御
を繰り返すことにより、電磁方向切換弁58がN往復作
動させられる。
【0038】まず、S52,S53において、アンチス
キッド制御もしくはトラクション制御が行われているか
否かの判定が行われ、どちらも行われていなければ、S
53aにおいて、電磁方向切換弁58のN往復の作動処
理が開始されたことを示す弁処理中フラグF8 がONさ
れているか否かの判定が行われる。最初は判定の結果が
NOとなり、S54において弁作動フラグF6 がONさ
れるとともにソレノイドフラグFsol がONされた後、
S54aにおいて弁処理中フラグF8 がONされる。ア
ンチスキッド制御もしくはトラクション制御の実行中
は、漏洩防止のための電磁方向切換弁58の作動は行わ
れないようになっているのである。
【0039】ソレノイドフラグFsol がONされるのに
応じて電磁方向切換弁58のソレノイド58qに励磁電
流が供給されてソレノイド58qが励磁され、弁部材5
8jが開閉弁58f側へ移動する。したがって、パワー
圧室63側の開閉弁58fが閉じられ、アキュムレータ
64側の開閉弁58gが開かれる。続いて、S55にお
いてカウンタ156のカウント値nがNであるか否かが
判定される。カウント値Nは電磁方向切換弁58の好適
な切換回数に設定されている。最初は判定の結果がNO
となり、S56において弁作動フラグF6 がONされて
いるか否かの判定が行われるが、この判定結果はYES
となるため、S57においてタイマ154にソレノイド
ON時間t4 がセットされ、その経過が待たれる。な
お、次にプログラムが実行される際には、S53aの判
定結果がYESとなり、S54,S54aがスキップさ
れてS55以降が実行される。
【0040】ソレノイドON時間t4 が経過すればS5
7の判定結果がYESとなり、S58において弁作動フ
ラグF6 がOFFされるとともにS59においてソレノ
イドフラグFsol がOFFされて、電磁方向切換弁58
のソレノイド58qへの励磁電流が断たれ、スプリング
58kの付勢力により開閉弁58gが閉じられる。続い
てS60においてカウント値nが1増加させられ、1回
の処理が終了する。このカウント値nが切換回数Nに達
すればS55の判定結果がYESとなってS64が実行
されるが、そうでなければ再びS56が実行される。弁
作動フラグF6 は前回S58においてOFFされている
ため、この判定の結果はNOとなり、S61においてタ
イマ152にソレノイドOFF時間t5 がセットされ、
経過が待たれる。ソレノイドOFF時間t5 が経過すれ
ばS61の判定結果がYESとなり、S62において再
び弁作動フラグF6 がONされるとともに、S63にお
いてソレノイドフラグFsol がONされ、電磁方向切換
弁58の切換えが行われる。このようにして、ソレノイ
ド58qの励磁,消磁が一定時間ずつ繰り返して行われ
ることにより、電磁方向切換弁58の開閉弁58gがソ
レノイドON時間t4 の間開かれた後、ソレノイドOF
F時間t5 の間閉じられることがN回繰り返される。
【0041】このように電磁方向切換弁58のN往復の
作動が行われることにより、切換弁58内に侵入した異
物が、アキュムレータ64内のブレーキ液により洗い流
されるか、あるいは開閉弁58gにおいて弁子58i,
弁座58m間で潰されることにより、開閉弁58f,5
8gが正常な閉弁状態に復帰させられる。また、弁子5
8iの弁座58mへの着座状態が不良であったために漏
れが生じていた場合にも、弁子58iが弁座58nに良
好に着座することとなり、開閉弁58gからのブレーキ
液の漏れを防止することができる。
【0042】N往復の作動が終了すれば、S55の判定
結果がYESとなり、S64においてタイマ154に弁
作動終了後一定時間t6 がセットされ、その経過が待た
れる。アキュムレータ圧の異常低下が警報されたことに
基づいて電磁方向切換弁58の往復作動が行われた場合
には、その作動が終了した直後にはアキュムレータ圧は
まだ低いため、もし、S65において漏洩検出フラグF
3 , 4 等がOFFされれば前記S31の判定結果がY
ESとなり、再び往復作動が行われてしまうこととな
る。これを防止するために、往復作動の終了後に一定時
間t6 が経過して、往復作動により電磁方向切換弁58
の漏れが停止させられたか否かが判明するまでは、漏洩
の検出が行われないようにされているのであり、このこ
とによりの条件のうち、「弁往復作動処理実行後、一
定時間t6 経過」なる条件が満たされることとなる。な
お、ポンプ作動時間が基準ポンプ作動時間t2 より長い
こと、あるいはポンプ停止時間が基準ポンプ停止時間t
3 より短いことにより往復作動が行われた場合には、弁
往復作動処理の終了直後に再び漏洩検出フラグF3 ,
4 がONされることはない。
【0043】一定時間t6 が経過すれば判定の結果がY
ESとなってS65において漏洩検出フラグF
3 , 4 , F7 , 弁作動フラグF6 および弁処理中フラ
グF8 がOFFされるとともに、カウンタ156のカウ
ント値nが0にリセットされ、一回の弁往復作動処理が
終了する。
【0044】なお、一連の往復作動の実行が終了して一
定時間t6 が経過した後になおS31の判定結果がYE
Sとなった場合には(この場合にはS49の判定結果も
YESとなる)、往復作動が不十分であり、まだ電磁方
向切換弁58からブレーキ液が漏れていると判定されて
S50において漏洩検出フラグF7 がONされ、再びS
52〜S65の弁往復作動ルーチンが実行される。
【0045】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、制御装置65のCPU144,RAM14
8およびROM146のS28〜S50の漏洩検出ルー
チンを実行する部分が本発明における蓄圧漏洩検出手段
を構成し、同じくS52〜S65の弁往復作動ルーチン
を実行する部分が本発明における漏洩停止手段を構成し
ている。そして、ポンプ122,モータ120,圧力ス
イッチ130,132等と共同して、制御弁たる電磁方
向切換弁58からアキュムレータ64に蓄えられたブレ
ーキ液が漏れることを防止するブレーキ液漏洩防止装置
を構成しているのである。また、電磁液圧制御弁52や
53が液圧制御弁装置を構成し、上記CPU144,R
AM148およびROM146の前記トラクション制御
用プログラムを実行する部分がトラクション制御手段を
構成している。
【0046】次に、本発明の別の実施例を説明する。な
お、前記実施例と同様の部材には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0047】本実施例においては、図12に示すよう
に、圧力スイッチ130,132の代わりにリニア圧力
センサ200が設けられる。リニア圧力センサ200
は、図13に示すように、アキュムレータ圧に比例する
信号を出力することが可能であるので、図14の制御装
置65のROM146に上昇勾配テーブル202と漏れ
勾配テーブル204とを設けることにより、アキュムレ
ータ圧の漏洩を検出することができる。上昇勾配テーブ
ル202には、電磁方向切換弁58に僅かに漏れが生じ
ている状態でのポンプ作動時の、図15に破線で示すア
キュムレータ圧の上昇特性から決まる基準上昇勾配α´
が各時点のアキュムレータ圧と対応付けて格納されてお
り、漏れ勾配テーブル204には、ポンプ停止時にわず
かな漏れが生じている場合のアキュムレータ圧の低下特
性から決まる基準漏れ勾配β´が、各時点のアキュムレ
ータ圧と対応付けて格納されている。また、RAM14
8には図17に示すように各記憶エリアが設けられてい
る。
【0048】したがって、リニア圧力センサ200によ
りアキュムレータ圧とその上昇勾配αもしくは漏れ勾配
βとを検出し、ROM146に格納されている図16に
示すフローチャートに基づいてテーブル202,204
に格納されている基準勾配α´およびβ´と比較するこ
とにより、電磁方向切換弁58からのブレーキ液の漏れ
が検出される。本実施例においては、リニア圧力センサ
200と制御装置65のCPU144,RAM148お
よびROM146の以下に説明するフローチャートのS
68〜S88を実行する部分が漏洩検出手段を構成して
いるのである。
【0049】以下、図16のフローチャートを参照しつ
つ説明する。まず、S68およびS69の判定が行われ
る。アキュムレータ64のブレーキ液が消費されていな
い状態においてのみS70以降の判定が行われるように
されているのである。S70においてはポンプ122が
作動しているか否かが判定され、判定の結果がYESと
なればS71において漏れ検出フラグF10がONされて
いるか否かが判定される。最初の判定結果がNOとな
り、S72において検出時間Δti の経過が待たれる。
リニア圧力センサ200には、高い周波数のノイズを除
去するローパスフィルタが設けられているが、それでも
ノイズを完全に除去することは困難であり、かつ、アキ
ュムレータ圧もある程度脈動するため、それらノイズや
脈動の影響を排除してアキュムレータ圧の真の上昇勾配
を検出すべく、検出時間Δti が図16のフローチャー
トのサイクルタイムより長くされているのである。
【0050】検出時間Δti の経過後、S73において
RAM148の今回検出値エリア206に格納されてい
る今回検出値Pi が前回検出値Pi-1 として前回検出値
エリア208に格納されるとともに、S74においてア
キュムレータ圧が検出されて今回検出値Pi として今回
検出値エリア206に格納される。続いて、S75にお
いて上昇勾配αの演算が行われる。すなわち、今回検出
値Pi と前回検出値Pi-1 との差をΔti で割った値が
上昇勾配αとしてRAM148の上昇勾配エリア210
に格納されるのである。そして、S76において、上昇
勾配αが、上昇勾配テーブル202内において今回検出
値エリア206に格納されている今回検出値Pi に対応
付けられている基準上昇勾配α´と比較され、αがα´
以上であれば電磁方向切換弁58に漏れが生じていない
と判定され、漏れ検出フラグF10はONされない。一
方、αがα´より小さければアキュムレータ圧の上昇率
が正常時より低いこととなり、判定結果がYESとなっ
てS77において漏れ検出フラグF10がONされる。そ
して、S78においてブレーキスイッチ100がONで
あるか否か、S79においてトラクション制御フラグF
T がONであるか否かの判定が行われ、両方の判定結果
がNOであれば、前記実施例のフローチャートに示され
るような弁往復作動処理が行われる。
【0051】一方、S70において、ポンプ122が停
止状態にあれば判定の結果がNOとなり、S80〜S8
4において上昇勾配αと同様にして漏れ勾配βが検出さ
れ、S85において漏れ勾配テーブルに格納されていた
基準漏れ勾配β´と漏れ勾配βとが比較される。βがβ
´以下であれば漏れが生じていないため漏れ検出フラグ
11はONされない。それに対して、判定の結果がYE
S、すなわちβがβ´より大きければ、S86において
漏れ検出フラグF11がONされ、S87,S88の判定
結果がいずれもNOであれば、同様に弁往復作動処理が
行われる。
【0052】以上、本発明の2実施例について説明した
が、次のような3つの漏洩検出ルーチンから成る漏洩検
出処理を行うことも可能である。すなわち、この漏洩検
出処理は、(a)問題となる程の漏れがなければポンプ
122がアキュムレータ圧を適正範囲の上限値まで十分
上昇させ得る基準ポンプ作動時間t10(例えば240
s)を経過してもポンプ122が作動し続けていること
を検知し、ブレーキ液の漏洩が発生しているとするルー
チンと、(b)アキュムレータ圧が一度でも適正範囲の
上限値まで上昇した後、イグニッションスイッチがON
状態に保たれているのに適正範囲の下限値よりも下降し
たことを検知し、ブレーキ液が漏洩しているとするルー
チンと、(c)イグニッションスイッチがON状態とさ
れたのにアキュムレータ圧が適正範囲の上限値まで上昇
しないことを検知し、ブレーキ液が漏洩しているとする
ルーチンとから成っている。
【0053】具体的には、漏洩検出処理判定前かつ弁往
復作動処理完了後において、下記に示す(a)〜(c)
の条件のいずれかが成立することにより、漏洩を検出す
るようになっているのである。 (a)・ポンプ122が基準ポンプ作動時間t10経過後
もON (b)・圧力スイッチ132がOFF ・圧力スイッチ132の高圧記憶あり (c)・圧力スイッチ132がOFF ・イグニッションスイッチがON後、初期時間t11(例
えば80s)経過なお、「圧力スイッチ132の高圧記
憶あり」の条件は、圧力スイッチ132が一度でも一定
時間t12(例えば9s)の間ON状態となれば成立する
が、一旦イグニッションスイッチがOFFされれば解除
され、再び圧力スイッチ132が一定時間t12の間ON
状態となるまで成立しない。
【0054】上記(a)〜(c)の3条件のうちのいず
れかが成立すれば、アンチスキッド制御もしくはトラク
ション制御が実行中でないこと、およびダイアグノーシ
スで電磁方向切換弁58のソレノイド58qの異常等重
大な欠陥が発見されていないことが判定された後、前記
実施例と同様にして弁往復作動処理が実行される。
【0055】なお、上記各実施例において、イグニッシ
ョンスイッチがON状態にされてからOFF状態にされ
るまでの間における弁往復作動処理の実行回数を制御装
置65等に記憶しておき、その実行回数が設定回数を越
えた場合には、警報を発して運転者に異常を知らせるよ
うにすることも可能である。また、ダイアグノーシスの
一部に本漏洩検出・停止制御を取り入れてもよい。
【0056】以上、本発明の複数の実施例について説明
したが、本発明を電磁方向切換弁58以外の制御弁にも
適用することが可能であり、液圧ブレーキ装置以外の液
圧装置や気体圧装置に本発明を適用してもよい。その
他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である作動液漏洩防止装置を
備えた4輪自動車用アンチスキッド/トラクション制御
式液圧ブレーキ装置を示す系統図である。
【図3】図2における電磁方向切換弁を示す正面断面図
である。
【図4】図2における各圧力スイッチの特性を示すグラ
フである。
【図5】図2における制御装置を概念的に示すグラフで
ある。
【図6】上記制御装置のROMに格納されたプログラム
のうち、本発明に関連の深い部分のみを取り出して示す
フローチャートである。
【図7】同じく上記制御装置のROMに格納されたプロ
グラムのうち、本発明に関連の深い部分のみを取り出し
て示すフローチャートである。
【図8】同じく上記制御装置のROMに格納されたプロ
グラムのうち、本発明に関連の深い部分のみを取り出し
て示すフローチャートである。
【図9】同じく上記制御装置のROMに格納されたプロ
グラムのうち、本発明に関連の深い部分のみを取り出し
て示すフローチャートである。
【図10】同じくRAMの構成を概念的に示すブロック
図である。
【図11】上記液圧ブレーキ装置におけるアキュムレー
タ圧の変化を示すグラフである。
【図12】本発明の別の実施例である作動液漏洩防止装
置を備えた液圧ブレーキ装置の一部を示す系統図であ
る。
【図13】上記装置のリニア圧力センサの特性を示すグ
ラフである。
【図14】図12における制御装置を概念的に示すグラ
フである。
【図15】上記制御装置のROMに記憶されているテー
ブルを説明するためのグラフである。
【図16】上記ROMに格納されたプログラムのうち、
本発明に関連の深い部分のみを取り出して示すフローチ
ャートである。
【図17】上記RAMの構成を概念的に示す図である。
【符号の説明】
58 電磁方向切換弁 64 アキュムレータ 65 制御装置 120 モータ 122 ポンプ 130 圧力スイッチ 132 圧力スイッチ 200 リニア圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 13/14 B60T 17/00 F15B 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体を圧力下に蓄えるアキュムレー
    タと、そのアキュムレータと作動装置との連通,遮断を
    制御する制御弁とを含む流体圧装置に設けられ、遮断状
    態にある制御弁からアキュムレータの作動流体が漏洩す
    ることを防止する作動流体漏洩防止装置であって、 アキュムレータの作動流体漏洩を検出し、漏洩検出信号
    を出力する蓄圧漏洩検出手段と、 その漏洩検出信号に応じて前記制御弁を少なくとも1往
    復作動させる漏洩停止手段とを含むことを特徴とするア
    キュムレータの作動流体漏洩防止装置。
  2. 【請求項2】 作動液を圧力下に蓄えるアキュムレータ
    と、 液圧で作動するアクチュエータと、 それらアキュムレータとアクチュエータとの連通,遮断
    を制御する制御弁とを含み、前記アクチュエータの作動
    を伴って作動し、車両を制動するブレーキ装置であっ
    て、 前記制御弁が遮断状態にある状態で前記アキュムレータ
    の作動液が漏洩することを検出し、漏洩検出信号を出力
    する蓄圧漏洩検出手段と、 その漏洩検出信号に応じて前記制御弁を少なくとも1往
    復作動させる漏洩停止手段とを含むことを特徴とするブ
    レーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記アキュムレータが、ブレーキ操作部
    材の操作力を倍力する液圧ブースタの液圧源であり、か
    つ、前記アクチュエータが前記制御弁を経て前記液圧ブ
    ースタとは並列に前記アキュムレータに接続されている
    請求項2に記載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 さらに、 車輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシ
    リンダと、 そのホイールシリンダを前記制御弁を経て前記アキュム
    レータに接続して前記アクチュエータとして機能させる
    液通路と、 その液通路の前記制御弁と前記ホイールシリンダとの間
    の部分に設けられ、ホ イールシリンダの液圧を制御する
    液圧制御弁装置と、 車両の加速時に前記車輪のスリップが過大となったと
    き、前記制御弁を前記液圧制御弁装置と前記アキュムレ
    ータとを連通させる連通状態とするとともに、前記液圧
    制御弁装置を制御することによって、前記ホイールシリ
    ンダの液圧を制御し、前記車輪のスリップを適正状態と
    するトラクション制御手段とを含むことを特徴とする請
    求項2または3に記載のブレーキ装置。
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