JP2809648B2 - 消臭性能を有する複合繊維 - Google Patents

消臭性能を有する複合繊維

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JP2809648B2 JP63245316A JP24531688A JP2809648B2 JP 2809648 B2 JP2809648 B2 JP 2809648B2 JP 63245316 A JP63245316 A JP 63245316A JP 24531688 A JP24531688 A JP 24531688A JP 2809648 B2 JP2809648 B2 JP 2809648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、おしめ、カーペツト、カーテン、病院用シ
ーツ、その他、悪臭を嫌う用途に使用するのに適した、
優れた消臭性能を有する複合繊維に関するものである。
更に詳しくは、世の中の4大悪臭と言われる肉類等の
腐敗臭の主成分であるアンモニア、魚類等の腐敗臭の主
成分であるトリメチルアミン等の塩基性ガスに対して
も、また野菜等の腐敗臭の主成分であるメチルメルカプ
タン、卵や牛乳等の腐敗臭の主成分である硫化水素等の
酸性ガスに対しても効果を発揮する、広範囲の悪臭成分
に対して消臭性能を発現させた消臭性繊維に関するもの
である。
(従来の技術) 合成繊維の中でポリエステル繊維、ポリアミド繊維等
は、その優れた寸法安定性、耐薬品性、強度、耐久性な
どの点から、衣料素材として不可欠のものとなつてい
る。しかしながら、使用用途によつては、更に特殊機能
の付与が望まれていた。例えば、病院用シーツ、おし
め、カーペツト等悪臭を嫌う用途では、できるだけ原因
となる悪臭を軽減させる性能を保持している繊維製品が
望まれていた。従来のものは、天然の針、広葉樹からの
抽出物あるいは緑茶からの抽出物などを後加工法などに
より繊維製品表面に付着させたものなどが大部分である
が、耐久性が不十分である欠点があつた。特に、繰返し
洗濯などを実施した場合、あるいは繊維製品を染色処理
した場合などに消臭性能が極端に低下してしまう問題点
が発生した。
また、耐久性を向上させる目的で樹脂中に練込む消臭
剤タイプとしては、鉄の二価イオン化合物とL−アスコ
ルビン酸を配合させたもの等があるか、ポリエステル又
はナイロン中へ配合させるためには耐熱性が不十分であ
つたり、あるいは繊維製品となった時に悪臭物質を脱臭
した後に変色してしまい繊維素材としては特定の用途に
しか使用できないなどの問題点があつた。
このような状況から本発明者らは、この問題の解決の
ため鋭意検討した結果、本発明に至つたものである。
(発明が解決しようとしている問題点) 即ち本発明の課題は、消臭剤を繊維の表面に付着させ
る従来の後加工法等の前記欠点を根本的に解決するため
に、繊維化工程性が良好で、消臭剤を繊維内部へ含有さ
せた繊維とする場合に、洗濯耐久性などの耐久性があ
り、なおかつ広範囲な悪臭成分の消臭に効果を発揮し、
繊維製品の変色等の欠点を生じないしかも十分な繊維強
度を有した実効のある繊維とするためには、いかなる物
を用い、いかなる構成、条件としたらよいのかという点
にあり、本発明はこの点を究明したものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、すぐれた消臭性能を有する亜鉛
の無機化合物と亜鉛以外の第II族、第III族又は第IV族
から選ばれた元素の無機化合物との混合物を0.3〜20.0
重量%含有する熱可塑性ポリマー(A)成分と、融点15
0℃以上の結晶性熱可塑性ポリマー(B)成分とが複合
されていることを特徴とする繊維化工程性良好で消臭性
能に優れた複合繊維である。
本発明は、特定の無機化合物を配合することにより優
れた消臭性能を保持した熱可塑性ポリマーを用い、該熱
可塑性ポリマーを他の曳糸性の良好な結晶性熱可塑性ポ
リマーで複合させてやることにより初めて本発明がなし
どけられたものである。
本発明で用いる個々の無機化合物それ自体はいずれも
公知の化合物である。主要成分の一つである亜鉛化合物
としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リ
ン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛化合物等が
使用できるが、特に好ましいものは酸化亜鉛である。
本発明の大きな特徴は、消臭成分として上記の亜鉛化
合物と他の無機化合物を組み合わせて消臭性能の相乗効
果を発揮せしめたものを熱可塑性ポリマー中に含有さ
せ、該ポリマーを一成分として複合繊維を得ることにあ
る。
亜鉛化合物以外の無機化合物としては、第II族又は第
III族又は第IV族の金属化合物の中から1種または2種
以上が選択される。ある種のセラミツク化合物は、多孔
質物質である特徴から強い吸着性があり、防臭効果を発
揮することがわかつていたが、特に酸化亜鉛と二酸化ケ
イ素の混合焼成物が活性炭よりも大きな吸着能力をもつ
ことがわかり、本発明の目的とする消臭成分としては、
非常に好適である。また、アルミニウム化合物も好適な
組合せの一つであり、硫酸アルミニウムと酸化亜鉛の組
合せも本発明の目的とする消臭成分としては有効であ
る。亜鉛化合物と組合せるその他の無機化合物とはマグ
ネシウム無機化合物も好適である。いずれも、アンモニ
ア、アミン系の塩基性ガスに対しても、硫酸水素、メル
カプタン系の酸性ガスに対してもすぐれた消臭能力を持
つことが確認された。しかも重要なことは、ポリエステ
ルやポリアミド等の繊維化を行なう際に重要な条件とし
ては、紡糸時の耐熱性が十分あることが必要であるが、
分解等の問題点や消臭性能の低下の問題点もなくいずれ
も十分な物性を有することが確認された。
また理由は現時点では不明瞭であるが、亜鉛化合物が
消臭成分全体の50重量%以上を占めるように配合した場
合に消臭性能が顕著に発現されることがわかつた。
本発明の消臭性能を有する無機化合物は、平均粒子径
が5ミクロン以下であることが好ましい。粒径が5ミク
ロンを超えると溶融紡糸時にフイルター詰りや毛羽断糸
を起し易く使用困難である。特に各種衣料素材、寝装製
品等への応用を考えた場合は、単繊維デニールが1デニ
ール前後の細デニール糸も必要とされ、粒径が大きくな
ると延伸時の糸着れが激しくなり好ましくない。従って
本発明に用いる無機化合物は平均粒径5ミクロン以下の
ものが、更に好ましくは1ミクロン以下のものが望まし
い。
本発明の無機化合物を含有させる熱可塑性樹脂として
は、従来各種の成形物、例えば、プラスチツクフイル
ム、プラスチツクシート、プラスチツク容器、繊維等の
成形に使用されているポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフイン樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
リエステルセルロースアセテート等の合成または変性の
熱可塑性樹脂であるが、好しくは、ポリエステル、ポリ
アミドが繊維化する際の曳糸性等の点より好適である。
例えばポリエチレンテレフタレート樹脂を用いる場合、
本発明の無機化合物をモノマーであるエチレングリコー
ル中へ所定量分散させ、振動ミル又はボールミル等で1
次粒子が平均5ミクロン以下まで均一分散されたのち、
該無機化合物分散エチレングリコールを用い公知の条件
でテレフタル酸と反応させ、重合させたのちに、複合成
分の一成分として用いる方法がある。この場合には、重
合速度が遅くなつたり、所定重合度まで分子量が上昇し
ないトラブルが時々発生したり、また、エステル化工程
は重合工程で無機化合物が熱凝集しやすく、後で詳しく
説明するが紡糸、延伸工程での糸切れ等の問題が発生し
たりする問題が起る。より安全な方法は、ポリエチレン
テレフタレートポリマーと平均5ミクロン以下に微粉砕
された無機化合物を二軸混練押出機などで所定量混練し
再ペレツト化したものを用いる方法である。この場合、
無機化合物高含有量のマスターポリマーを作成し、紡糸
時にポリマープレンド方式により所定量に希釈し使用し
ても良い。
無機化合物を仮りに、溶融紡糸性が良好なポリエステ
ルやポリアミドに含有させても、それ自身での単独紡糸
は、トラブルが多発することがわかつた。具体的には、
紡糸口金の吐出側における細孔の出口の外縁に汚れによ
る付着物が堆積し、長時間紡糸していると吐出糸条が細
孔出口の堆積物にとられ、糸条が単糸切れしてしまい、
紡糸を中断して頻繁にノズル掃除をしなければならなく
なることであり、これは生産性が悪く収率が低下する大
きな原因となる。もう一つの問題点は、延伸工程で走行
糸条糸道に白粉等の汚れが激しく延伸毛羽、断糸が多発
することであつた。ポリマー中に含有している無機化合
物が延伸中に繊維表層から露出してくるためのトラブル
と考えられ、大きな問題であつた。
この問題点を解決する方法として、融点150℃以上の
結晶性熱可塑性ポリマーを繊維表面周長の60%以上を占
有するように保護層を形成させて複合紡糸することが非
常に有効な手段であることがわかつた。この保護層を形
成させるポリマーとしては、好ましくは、ポリエチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレートを主成
分とするポリエステルか、ナイロン6又はナイロン66を
主成分とするポリアミドの如き繊維形成性が良好なもの
が好ましい。
本発明に言うポリエステルとは、ポリエチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とす
るポリエステルであり、テレフター酸、イソフタール
酸、ナフタリン2,6ジカルボン酸、フタール酸、α,β
−(4−カルボキシフエノキシ)エタン、4′,4′−ジ
カルボキシジフエニル、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸、もしくはアジピン酸、
セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、またはこれらの
エステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチン
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの
ジオール化合物とから合成される繊維形成性ポリエステ
ルであり、その構成単位の80モル%以上が、特には90%
以上がポリエチレンテレフタレート単位又はポリブチレ
ンテレフタレート単位であるポリエステルが好ましく、
なおかつ融点が150℃以上であることが望ましい。融点
が低くなると耐熱性不十分等の理由により衣料用等の繊
維素材としての用途がやや限定されてくるため好ましく
ない。また、ポリエステル中には、少量の添加剤、たと
えば、酸化チタンなどの艶消し剤、酸化防止剤、蛍光増
白剤、安定剤あるいは紫外線吸収剤などを含んでいても
良い。
またポリアミドとは、ナイロン6、ナインロン66、を
主成分とするポリアミドであり、少量の3成分を含む共
重合ポリアミドでも良いが、融点は150℃以上を維持す
ることが好ましい。
また、保護層となる(B)ポリマー成分が繊維全体重
量の10重量%以上を形成している必要がある。10重量%
未満になると糸物性が低下してき、特に糸強度が低くな
り好ましくない。糸強度としては2g/dr以上を維持して
いることが後加工性から考えても必要である。
消臭成分を含有したポリマー(A)成分と、その保護
成分となる(B)ポリマー成分との複合形状は任意であ
り、公知の種々の断面形状でよい。一例を第1〜第8図
に示す。但し、保護層ポリマー層が繊維表面周長の60%
未満になつてくると前記で述べた紡糸口金汚れによる紡
糸時での単糸切れ、断糸及び延伸工程での糸道汚れによ
る毛羽、断糸が多くなり好ましくない。保護層が繊維表
面周長の60%以上を維持する必要がある。
また消臭成分含有の(A)ポリマー成分が保護層によ
り完全におおわれた、第1図のごときいわゆる芯鞘複合
構造の場合でも、本発明の消臭成分を用いる限り、消臭
性能は特にアンモニア等の塩基性ガスに対しては、十分
にあることがわかつた。しかしながら、硫化水素等の酸
性ガスの消臭能力は若干落ちてくることが認められた実
用性能上問題となるレベルではなかつた。
また、本発明の繊維は、塩基性ガス、酸性ガスも消臭
した後でも、繊維の変色等のトラブルが起こらないのが
大きな特徴である。
(A)ポリマー成分層中に添加されている消臭成分とし
ては、0.3重量%以上が効果の点から必要である。保護
層ポリマーも含めた繊維全体の重量に対しては0.2重量
%以上、消臭成分が含まれるよう設定するのが好まし
い。
本発明は、長繊維でも短繊維でも同じ効果が期待でき
ることは言うまでもない。本発明の繊維とは、織物、編
物、不織布またはその加工製品を構成する繊維を言う
が、街繊維以外の繊維、例えば、木綿、麻、羊毛などの
天然繊維、一般のポリエステル、ナイロン、アクリルな
との合成繊維およびアセテート、レーヨンなどの半合成
繊維などとの混織、混紡、交編織したものであつても良
い。この場合、本発明の繊維の含有比率は消臭効果は点
で30%以上が好ましく、より好ましくは50%以上であ
る。
本発明の繊維は、仮燃捲縮加工等の高次加工により、
5角、6角に類似した形状になつたり、紡糸時の異形断
面ノズルにより、3葉形、T形、4葉形、5葉形、6葉
形、7葉形、8葉形等多葉形や各種の断面形状をとるこ
とができ、その効果は十分に発現される。
消臭性能の測定例を第9図に示す。アンモニアの場
合、アンモニアセンサー1(東亜電波(株)製AE−23
5)とイオンメーター3(東亜電波(株)製IM−IE)と
記録計4を接続し、容器5中のアンモニアガス濃度の経
時変化を読みとる。容器5中に500ppmとなるようにアン
モニアガスを注射器で所定量入れ、その後測定試料2を
セツトし、容器中のアンモニア濃度を2時間放置後測定
する方法によつた。
硫化水素の場合、所定容器に水酸化ナトリウム、蒸留
水、高濃度塩酸を所定量加え、一定量の硫化水素ガスを
発生させ、測定試料を容器中につるし、25℃に保存後、
フラスコ内のヘツドスペースを北川式ガス検知管を用い
て24時間放置後測定した。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例1 重量比が80:20の酸化亜鉛および硫酸アルミニウムか
らなる平均粒子径5ミクロンの微粉末を日本製鋼所
(株)社製二軸混練押出機を用い、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂と混練し、ポリエチレンテレフタレート樹
脂中に上記無機化合物微粉末を3wt%含有したペレツト
を得た。
次いで、上記無機微粉末3wt%含有ペレツトを芯成
分、通常のポリエチレンテレフタレートを鞘成分とし
て、第2図に示す如く芯成分が1つ出口を持つている変
形芯鞘複合形状による繊維化を実施した。芯成分と鞘成
分の複合比率が50:50とし紡糸温度290℃、捲取り速度10
00m/minで実施した。その後、ローラープレート方式に
より延伸を実施し、75デニール24フイラメントの繊維中
消臭剤1.5wt%が有したマルチフイラメントを得た。紡
糸製、延伸性共に良好で問題なかった。その後、常法に
より筒編地を作成し、リラツクス、水洗い、乾燥、プレ
セツト処理後、消臭性能を測定した。
2リツトル容器中500ppmアンモニア濃度に保持された
雰囲気中へ測定試料10gを設置し、2時間後の容器中ア
ンモニア濃度を測定し、消臭率を算出した。初期性能
も、JIS規格10回洗濯後筒編地の性能もアンモニア消臭
率90%以上の性能が確認された。同様にして硫化水素に
ついても実施し、2リツトル容器中に100ppmに保持され
た硫化水素雰囲気中へ測定試料10gを設置し、24時間後
の容器中硫化水素濃度を特定し消臭率をもとめた。初期
性能も、JIS規格10回洗濯後筒編地の性能も硫化水素消
臭率75%の性能が確認された。
<洗濯試験法> JIS L 0217−103法に従って実施。液温40℃の水1
に2gの割合で衣料用合成洗剤を添加溶解し、洗濯液とす
る。この洗濯液に浴比が1対30になるように試料及び必
要に応じて負荷布を投入して運転を開始する。5分間処
理した後、運転を止め、試料及び負荷布を脱水機で脱水
し、次に洗濯液を常温の新しい水に替えて同一の浴比で
2分間すすぎ洗をした後脱水し、再び2分間すすぎ洗い
を行ない風乾させる。以上の操作を10回くりかえし10回
後の測定サンプルとした。
比較例1 通常のポリエチレンテレフタレート75d−24f繊維を用
いて消臭性能を測定した。アンモニアガスについては消
臭率35%、硫化水素ガスについては消臭率22%であつ
た。
実施例2〜9 第1表に示す条件で実施した。いずれも工程性が問題
なく消臭性能も十分に保持した繊維が得られた。実施例
2,3は保護ポリマー(B)層と消臭ポリマー(A)層の
複合比率を変更し、それぞれ70:30、30:70とした。実施
例4,5は、保護層(B)ポリマーをそれぞれナイロン
6、ポリブチレンテレフタレートに変更して実施した。
実施例6は消臭ポリマー(A)層のポリマーをポリエチ
レンに変更して第1図の芯鞘型複合断面により実施し
た。実施例7は消臭ポリマーとして消臭剤10wt%含有ポ
リエチレンテレフタレートを作成し、これを用いて実施
した。実施例8,9は、断面形状を変更しそれぞれ第6
図、第1図の複合形状により他は実施例1と同一条件で
実施した。
実施例10 消臭剤として重量比が80:20の炭酸亜鉛および酸化マ
グネシウムからなる平均粒子径5ミクロン以下の微粉末
を用い、他は実施例1と同様の条件で実施した。紡糸、
延伸性等の工程性は良好で問題なかつた。消臭性能も十
分であつた。
実施例11 消臭剤として重量比が80:20の酸化亜鉛および二酸化
ケイ素からなる平均粒子径5ミクロン以下の微粉末を用
い、他は実施例1と同様の条件で実施した。紡糸、延伸
性等の工程性は良好で問題なかった。消息性能も十分で
あつた。
比較例2 重量比が80:20の酸化亜鉛および硫酸アルミニウムか
らなる平均粒子径5ミクロン以下の微粉末を日本製鋼所
(株)社製二軸混練押出機を用い、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂と混練し、ポリエチレンテレフタレート樹
脂中に上記無機化合物微粉末を0.2wt%含有するペレツ
トを得た。
次いで、上記無機微粉末0.2wt%含有ペレツトを芯成
分、通常のポリエチンレンテレフタレートを鞘成分とし
て、第2図に示す如く芯成分が1つ出口を持っている変
形芯鞘複合形状による繊維化を実施した。芯成分と鞘成
分の複合比率が50:50とし紡糸温度290℃、捲取速度1000
m/minで実施した。その後ローラープレート方式により
延伸を実施し、75デニール24フイラメントの繊維中消臭
剤0.1wt%を含有したマルチフイラメントを得た。紡糸
性、延伸性共に良好で問題なかつた。その後、常法によ
り筒編地を作成し、リラツクス、水洗い、乾燥、プレセ
ツト処理後、消臭性能を測定した。
2リツトル容器中500ppmアンモニア濃度に保持された
雰囲気中へ測定試料10gを設置し、2時間後の容器中ア
ンモニア濃度を測定し、消臭率を算出した。初期性能
を、JIS規格10回洗濯後筒編地の性能もアンモニア消息
率55%以下であつた。同様にして硫化水素についても実
施し、2リツトル容器中100ppmに保持された硫化水素雰
囲気中へ測定試料10gを設置し、24時間後の容器中硫化
水素濃度を測定し、消息率をもとめた。初期性能も、JI
S規格10回洗濯後筒編地の性能も硫化水素消臭率40%で
あつた。
比較例3 保護層ポリマーと消臭ポリマー層の複合比率を5:95に
し、他の条件は実施例1と同様の条件で実施したが、紡
糸性が不安定でビス落ちによる単糸切れが多く発生し
た。
比較例4 消臭剤含有量30wt%の消臭剤含有ポリマーを用い、他
の条件は実施例1と同様の条件で実施したが、紡糸性、
延伸性が不良で特に延伸時の毛羽、断糸が多発した。
比較例5 重量比が30:70の酸化亜鉛および硫酸アルミニウムか
らなる平均粒子径5ミクロン以下の微粉末を日本製鋼所
(株)社製二軸混練押出機を用い、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂と混練し、ポリエチレンテレフタレート樹
脂中に上記無機微粉末を3wt%含有したペレツトを得
た。
次いで、上記無機微粉末3wt%含有ペレツトを芯成
分、通常のポリエチンレンテレフタレートを鞘成分とし
て、第2図に示す如く芯成分が1つ出口を持つている変
形芯鞘複合形状による繊維化を実施した。芯成分と鞘成
分の複合比率が50:50とし紡糸温度290℃、捲取り速度10
00m/minで実施した。その後ローラープレート方式によ
り延伸を実施し、75デニール24フイラメントの繊維中消
臭剤1.5wt%を含有したマルチフイラメントを得た。紡
糸性、延伸性共に良好で問題なかつた。その後、常法に
より筒編地を作成し、リラツクス、水洗い、乾燥、プレ
セツト処理後、消臭性能を測定した。
2リツトル容器中500ppmアンモニア濃度に保持された
雰囲気中へ測定試料10gを設置し、2時間後の容器中ア
ンモニア濃度を測定し、消臭率を算出した。初期性能
を、JIS規格10回洗濯後筒編地の性能もアンモニア消息
率55%以下であつた。同様にして硫化水素についても実
施し、2リツトル容器中100ppmに保持された硫化水素雰
囲気中へ測定試料10gを設置し、24時間の容器中硫化水
素濃度を測定し、消息率をもとめた。初期性能も、JIS
規格10回洗濯後筒編地の性能も硫化水素消息率41%であ
つた。
比較例6 消臭剤として平均粒子径5ミクロンの酸化亜鉛を100
%使用した以外は実施例1と同様の条件で実施した。紡
糸・延伸性などの工程性は良好であったが、初期の消臭
性能のみならず、洗濯後の消臭性能も低いものであっ
た。
比較例7 実施例1において、複合形態をサイドバイサイトの並
列型にした以外は実施例1と同様の条件で実施した。繊
維表面周長の50%も消臭剤入りのポリエステルが占めて
いるので、初期の消臭性能は高ても、消臭性能の洗濯耐
久性は劣ったものであった。
(発明の効果) 本発明の繊維は、すぐれた消臭性能を有する無機化合
物微粉末を含有するポリマーを一成分として、一方融点
150℃以上の熱可塑性ポリマーを保護層を形成するよう
にもう一方の成分として複合繊維とすることにより、特
に紡糸工程、延伸工程の繊維化工程が良好で優れた消臭
性能を有する繊維を提供するものである。しかも本発明
の繊維は、頻繁な洗濯を行なつても消臭性能が低下しな
いので、例えば耐選択性を高度に要求される病院用シー
ツ、おしめ等の分野用いても十分に消臭効果を発揮させ
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明繊維の断面形状一例を示す図、
第9図は消臭性能測定装置の一例を示す図で1はセンサ
ー、2は測定試料(消臭繊維構造物)、3はイオンメー
ター、4は記録計、5は容器である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−223318(JP,A) 特開 昭63−190018(JP,A) 特開 昭61−272054(JP,A) 特開 昭63−22084(JP,A) 特開 昭63−154178(JP,A) 特開 昭63−190013(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】50重量%以上の亜鉛の無機化合物と、10重
    量%以上のケイ素、マグネシウム、アルミニウムから選
    択された少なくとも1種類の無機化合物からなる混合物
    であって、その平均粒子径が5μm以下の微粒子を0.3
    〜20.0重量%含有するポリステルまたはポリアミド
    〔(A)成分〕と、融点が150℃以上の結晶性熱可塑性
    ポリマー〔(B)成分〕とが複合されてなり、かつ少な
    くとも該(B)成分が繊維表面周長の60%以上を含有
    し、さらに繊維全体重量の10重量%以上を占めている、
    繊維強度が2.0g/デニール以上の消臭性複合繊維。
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