JP2809640B2 - ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、おしめ、カーペツト、カーテン、病院用シ
ーツ、その他悪臭を嫌う用途に使用するのに適した、優
れた消臭性能を有することを特徴とすると同時に、良好
な洗濯再汚染防止性を有することを特徴とするカチオン
可染ポリエステル繊維並びにその製造法に関するもので
ある。
(従来の技術) ポリエステル繊維は、その優れた寸法安定性、耐薬品
性、強度、耐久性などの点から衣料素材として不可欠の
ものとなつている。しかしながら、使用用途によつては
更に特殊機能の付与が望まれていた。例えば、病院用シ
ーツ、おしめ、カーペツト等悪臭を嫌う用途ではできる
だけ原因となる悪臭を軽減させる性能を保持している繊
維製品が望まれていた。従来のものとしては、天然の
針、広葉樹からの抽出物あるいは緑茶からの抽出物など
を後加工法などにより繊維製品表面に付着させたものな
どが大部分であるが、耐久性が不十分である欠点があつ
た。特に繰返し洗濯などを実施した場合、あいるは繊維
製品を染色処理した場合などに消臭性能が極端に低下し
てしまう問題点が発生した。
また、耐久性を向上させる目的で樹脂中に練込む消臭
剤タイプとしては、鉄の二価イオン化合物とL−アスコ
ルビン酸を配合させたもの等があるが、ポリエステル中
へ配合させるためには耐熱性が不十分であつたり、ある
いは繊維製品となつた時に悪臭物質を脱臭した後に変色
してしまい繊維素材としては特定の用途にしか使用でき
ないなどの問題点があつた。
一方更に、現在のポリエステル繊維に要望されている
品質改良の別の点として、洗濯時の再汚染防止性の向上
が望まれていた。
特に、繰返し洗濯により黒ずみが発生し、白物、淡色
物は洗濯液で再汚染しやすい欠点を持つているため、最
近のレンタルユニフオーム白衣分野いわゆるリネンサプ
ライ分野において、ウオツシアンドウエアー性と耐久性
の面でポリエステル化あるいはエステル混用途が拡大し
つつあるが、木綿に比べ再汚染が著しく、当分野への展
開を阻害している。リネンとは本来亜麻という意味であ
るが、ホテルや病院などで扱う繊維製品、つまり寝装品
(シーツ、寝衣、テーブルクロス等)やシヤツ、ユニフ
オーム、タオル、モツプ、おむつ等を総称して呼んでお
り、リネンサプライとはこのような繊維製品を定期的に
貸付ける業務のことである。当然、取扱う製品は洗濯の
頻度の高いものが多く、従つて繰返し洗濯に対する耐久
性、汚れ洗濯性が良好なことは重要なことであつた。
従来は木綿製品がほとんどであり、汚水洗濯性に対し
ては良好であつたが、耐久性が十分でない上にコスト的
にも満足のいく状況ではなく、ポリエステル化が強く叫
ばれてきた。しかしながら、ポリエステル繊維製品の繰
返し洗濯における黒ずみ化の問題は容易に解決する手段
がなく、現在も有効な改良方法がないのが現状であつ
た。
このような状況から本発明者らは、この問題の解決の
ため鋭意検討した結果、世の中の4大悪臭と言われる中
で肉類等の腐敗臭の主成分であるアンモニア、魚類等の
腐敗臭の主成分であるトリメチルアミン等の塩基性ガス
に対して特に顕著な消臭効果を有すると同時に、今迄解
決が困難であつた洗濯時の再汚染防止性が著じるく向上
されたポリエステル繊維であり、なおかつカチオン可染
性も保持しているポリエステル繊維を見い出すに至つた
ものである。
(発明が解決しようとする課題) 即ち、本発明の課題は、従来のポリエステル繊維では
解決できなかつた洗濯時の黒ずみの欠点を根本的に解決
するためと、それと同時に従来の後加工法などの消臭剤
を繊維表面に付着させる方法に対して洗濯耐久性の消臭
性能を繊維自身に基本的に保持させるために、しかも繊
維製品の変色等の欠点を生じない、カチオン可染能を有
するポリエステル繊維とするためには、いかなる物を用
い、いかなる構成、条件としたらよいかという点にあ
り、本発明はこの点を究明したものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ポリエチレンテレフタレート又は、ポリブ
チレンテレフタレートを主成分とするポリエステルと、
水に溶解又は分散する特定の水溶性ポリエステルとを所
定の混合状態を保持させたままで、かつ繊維表面へ水溶
性ポリエステルポリマー層の一部分が露出した状態を維
持させたままで繊維化させることを特徴とするポリエス
テル繊維であり、なおかつ、カチオン染料に対して易染
性をも保持させるため特定のポリマー組成を持つた水溶
性ポリエステルを選択し、カチオン可染性を発揮させる
ことを特徴とするポリエステル繊維である。
本発明に言うポリエステルとは、例えばテレフタール
酸、イソフタール酸、ナフタリン2・6ジカルボン酸、
フタール酸、α,β−(4−カルボキシフエノキシ)エ
タン、4・4′−ジカルボキシジフエニル、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸もし
くはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、またはこれらのエステル類とエチレングリコール、
ジエチレングリコール、1・4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサン−1・4−ジメタ
ノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどのジオール化合物とから合成される繊維
形成性ポリエステルであり、構成単位の80モル%以上
が、特には90モル%以上がポリエチレンテレフタレート
単位又はポリブチレンテレフタレート単位であるポリエ
ステルが好ましい。またポリエステル中には、少量の添
加剤、たとえば酸化チタンなどの艶消し剤、酸化防止
剤、螢光増白剤、安定剤あるいは紫外線吸収剤などを含
んでいても良い。
目的とするポリエステル繊維性能を発現させる方法と
しては、特にポリエチレンテレフタレート又はポリブチ
レンテレフタレートを主成分とするポリエステル樹脂
(以下Bポリマーと略す)と、ある特定組成の水に溶解
又は分散する水溶性ポリエステル樹脂(以下Aポリマー
と略す)との2成分ポリマーが、それぞれ2成分のポリ
マーの集合状態が残る程度に不均一状態で混合されてい
る形態を維持しつつかつ、Aポリマー層の1部分が繊維
表面へ露出した状態で繊維化することが最大の重要なポ
イントである。
なぜ再汚染防止性が発揮され、しかも塩基性ガスの消
臭性能が付与されるかについては、後で詳細に説明す
る。
水に溶解又は分散する水溶性ポリエステル樹脂として
は種々の組成が考えられるが、本目的の繊維構造を発現
させるためには少なくとも1種のジカルボン酸をかつ少
くとも1種のジオール、即ち式 HOCH2CH2 nOH[式中nは2〜10までの整数]を有
するポリ(エチレングリコール)を少なくとも20モル%
含有するジオール及び芳香族核に結合した−SO3M基[式
中Mは水素又は金属イオン]を含有する二官能性単量体
が全ジカルボン酸又は全グリコール成分の5モル%以上
を構成し、かつガラス転移点が25℃以上、固有粘度が少
なくとも0.25以上の熱可塑性ポリエステルである必要が
ある。ここで述べている“水”とは熱水性溶液も当然含
んでいる。この明細書において使用する固有粘度
([η]とは、フエノール50%とテトラクロルエタン50
%からなる溶剤で、30℃で測定した粘度である。
目的とするAポリマーを製造するための20モル%以上
のジオール成分は式HOCH2CH2 nOH[nは2〜10の整
数]のポリ(エチレングリコール)であり、適当なポリ
エチレングリコールの例は、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペ
ンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、
ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコー
ル、ノナエチレングリコール及びデカエチレングリコー
ル及びそれらの混合物である。好ましくは、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール又はその混合物で
ある。ジオール成分の残りの部分は少くとも1種の脂肪
族、脂環族、又は芳香族ジオールである。これらのジオ
ールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1・3−プロパンジオール、2・4−ジメチル−2
−エチルヘキサン−1・3−ジオール、2・2−ジメチ
ル−1・3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチ
ル−1・3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソ
ブチル−1・3−プロパンジオール、1・3−ブタンジ
オール、1・4−ブタンジオール、1・5−ペンタンジ
オール、1・6−ヘキサンジオール、2・2・4−トリ
メチル−1・6−ヘキサンジオール、1・2−シクロヘ
キサンジメタノール、1・3−シクロヘキサンジメタノ
ール、1・4−シクロヘキサンジメタノール、2・2・
4・4−テトラメチル−1・3−シクロブタンジオー
ル、4・4′−チオジフエノール、4・4′−メチレン
ジフエノール、4・4′−(2−ノルボルニリデン)ジ
フエノール、4・4′−ジヒドロキシビフエノール、O
−、m−及びP−ジヒドロキシベンゼン、4.4′−イソ
プロピリデンジフエノール、4.4′−イソプロピリデン
ビス(2・6−ジクロロフエノール)、2・5−ナフタ
レンジオール及びP−キシレンジオールを含む。共重合
体は上述のジオール2種又はそれ以上から成つていても
良い。
もう一つの必須成分は、芳香族核に結合した−SO3M基
[但し、Mは水素又は金属イオン]を含有する二官能性
単量体である。この二官能性単量体成分は−SO3M基を含
有するジカルボン酸(又はその誘導体)又は−SO3M基を
含有するジオールのいずれであつてもよい。更にその混
合物であつてもかまわない−SO3M基は芳香族核に結合し
ており、該核の例はベンゼン、ナフタレン、アンスラセ
ン、ジフエニル、オキシジフエニル、スルホニルジフエ
ニル及びメチレンジフエニルを含む。スルホネート塩基
の金属イオンはNa+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+又はF
e3+である。1価のアルカリ金属イオンを使用する場
合、得られるポリエステルは冷水にわずかに溶解又は分
散し、熱水には完全に溶解又は分散する。2価又は3価
の金属イオンを用いる場合冷水には溶解しないが熱水に
は容易に溶解又は分散する。二官能性単量体がスルホイ
ソフタール酸、スルホテレフタール酸、スルホフタール
酸又は4−スルホナフタレン−2・7−ジカルボン酸
(又はこれらの誘導体)のナトリウム塩である場合に
は、特に目的のAポリマーとして好ましい。非常に好適
な単量体は5−ソジオスルホイソフタール酸又はその誘
導体、例えばソジオスルホジメチルイソフタレートであ
る。
−SO3M基を有する二官能性単量体が酸又はその誘導体
(例えばエステル)である場合、Aポリマーは全酸成分
に対して少くとも5モル%の単量体を含有していなけれ
ばならず、更に好ましくは10モル%以上が必要である。
二官能性単量体がジオールである場合、Aポリマーは全
ジオール成分に対して少くとも5モル%の単量体を含有
していなければならず、更に好ましくは10モル%以上が
必要である。二官能性単量体が酸とジオールの混合物で
ある場合は、Aポリマーの酸又はジオール成分の全含量
の10モル%以上にする必要がある。
Aポリマーにおける二官能性単量体の含有量の上限に
ついてはとくに限定はないが、後述するように、Aポリ
マーの固有粘度が0.25以上になるような含有量であるこ
とが望ましい。
他のジカルボン酸成分としては、脂肪族、脂環族又は
芳香族酸であつてよい。ジカルボン酸の例としては、蓚
酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、こはく酸、グルター
ル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン
酸、2・2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1・
3−シクロペンタンジカルボン酸、1・2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1・2−シクロヘキサンジカルボン
酸、1・4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタール
酸、テレフタール酸、イソフタール酸、2・5−ノルボ
ルナンジカルボン酸、1・4−ナフタール酸、ジフエニ
ン酸、4・4′−オキシ安息香酸、ジグリコール酸、チ
オジプロピオン、4・4′−スルホニルジ安息香酸、2
・5−ナフタレンジカルボン酸及び2・6−ナフタレン
ジカルボン酸を含む。Aポリマーのジカルボン酸成分と
してテレフタール酸を用いる場合には、上述の1種又は
他の酸を少くとも5モル%以上使用した方が好ましい。
但し、“ジカルボン酸”には上述の酸に対応する酸無水
物、エステル及び酸クロライドも当然含まれる。
Aポリマーのジカルボン酸成分を形成する種々の酸の
成分を変えることにより重合体の性質を変えることがで
きる。例えば、テレフタール酸の割合が減少するにつれ
て重合体は柔軟性が増加する。即ち、ジカルボン酸成分
として使用する種々の酸の割合を変えることにより軟化
点及び柔軟性を広範囲に変えることができる。更に、ス
ルホネート基を含有する二官能性単量体のモル%を変え
れば、ポリエステルの水に対する敏感性が変化する。こ
こで重要なことは、Aポリマーのガラス転移点が25℃以
上、更に好ましくは30℃以上になるようにポリマー組成
を選択する必要があることである。ガラス転移点が25℃
未満になるとポリマーを取り扱う上でポリマーペレツト
同士が膠着したり、溶融紡糸時に押し出し性が不良にな
つたりしてトラブルが頻発し、操業性が著しく低下し好
ましくない。また、紡糸後単糸間で膠着が発生し、延伸
時解舒不良が発生したり、単糸間バラケ不良が発生し、
毛羽、断糸が頻発するとともに、得られた繊維自体も物
性不良、形態不良を起し好ましくない。
更にAポリマーの固有粘度は0.25以上ある必要があ
り、更に好ましくは0.3以上ある事が好ましい。ポリマ
ー重合度が低くすぎると紡糸時の溶融粘度が低くなり、
特に本発明の如きポリエチレンテレフタレートとAポリ
マーの混合紡糸をする場合、紡糸温度か280℃以上の高
温にする必要があり、Aポリマーの溶融粘度が極端に低
下してしまう。ポリエチレンテレフタレートとAポリマ
ーの溶融に差がありすぎると紡糸性が不安定になり、特
にノズル孔吐出に斜向が発生したり、ビス落ちが発生し
てくるため、単糸切れ、断糸が多発してくることがわか
つた。本発明の繊維化の方法は後で詳細に説明するが、
Aポリマーの固有粘度を種々変更して検討した結果、固
有粘度が0.25以上であるならば操業性が十分あり、問題
とならないことがわかつた。好ましくは0.30以上あれば
紡糸時のA格率が95%以上の良好な紡糸工程性を示すこ
とがわかつた。
今迄述べてきた水溶性ポリエステル(Aポリマー)が
ポリエチレンテレフタレート又はポリブチルテレフタレ
ートのようなポリエステル(Bポリマー)中に不均一状
態に存在していることが再汚染防止効果を発揮するのか
推定してみると、洗濯再汚染の発生する原因としては、
現時点では明確に解明されているわけではないが、汚れ
を発生させる物質は油状の疎水性の物質が多く、Bポリ
マーのような疎水性ポリマーとの親和性が大きいと考え
られ、そのために、疎水性の汚れ成分がBポリマー繊維
中へ吸尽されていき、見かけ上黒ずみが発生するのでは
ないかと考えられる。このことから繊維を構成するBポ
リマー繊維中にある種のAポリマーのような親水性物質
が存在していると、逆に疎水性の汚れ成分が親和性が低
下しBポリマー中へ吸尽されにくくなると推定される。
水溶性ポリエステルをポリエチレンテレフタレート又は
ポリブチレンテレフタレート中へ含有させると効果が発
揮されるのは、このためと考えられる。繊維表面層へA
ポリマーが一部分露出した状態で繊維化した場合に、特
に良好な効果を示すのは、おそらく、洗濯処理条件下
で、繊維中に含有されているAポリマーが、疎水性ポリ
マーであるBポリマー中で親水性物質として非常に効果
的な性質を発揮し、疎水性の汚れ成分に対するバリヤー
効果を顕著に発揮するためと考えられる。Aポリマーの
水溶性が劣つてくると再汚染防止効果が低下してくるこ
とがわかつた。またAポリマーとBポリマーがある程度
不均一状態で混合されている方が効果があることがわか
つた。特定のAポリマー組成を選択しかつある特定の混
合状態を維持させることによつて初めて、顕著な再汚染
防止性の効果が発揮されることが本発明によりわかつた
わけである。
また、AポリマーとBポリマーがあまり均一混合に近
くなると、溶融紡糸時にAポリマーとBポリマーのエス
テル交換反応が進み粘度低下が大きくなり、著しく紡糸
性が悪化し好ましくない。
再汚性防止性の評価方法としては以下の方法により判
断した。測定試料は、サンプルの筒編地を作成し、20分
間煮沸水中でリラツクス処理をした後、乾燥し180℃で
セツトしたものを測定用サンプルとした。汚染性評価用
汚染物のモデル物質として次の混合物を用いた。
油性汚染剤として ステアリン酸 12.5倍 オレイン酸 12.5倍 硬 化 油 12.5倍 オリーブ油 12.5倍 エチルアルコール 8.5部 固形パラフイン 21.5部 コレステロール 5.0部 カーボンブラツク 15.0部 乾性汚染剤として 粘 土 55.0部 シ リ カ 17.0部 酸化第2鉄 0.5部 n−デカン 8.75部 ポルトランドセメント 17.0部 カーボンブラツク 1.75部 油性汚染剤と乾性汚染剤の混合物(3/1)の0.75g/
へ合成洗剤を1.75g/の濃度になるように加えたものを
汚染物質として使用した。測定条件は、試験片をラウン
ドオメーターのコツプに汚染物質液150mlとスチールボ
ール10ケを共に入れ40℃、20分間処理した後試験片を水
洗い乾燥した後、汚染状態を判定した。この場合、全く
汚染が認められなかつた場合を5級とし、最も悪い場合
を1級として判定した。
本発明の繊維は、もう一つ重要なこととして、塩基性
ガスに対して、顕著な消臭性能を有することである。本
発明で用いている水溶性ポリエステルに共重合されてい
るスルホン酸ソーダー基がアンモニア、アミン等の塩基
性ガスと反応して、特に塩基性ガスに対する消臭効果が
顕著に発揮されるためと考えられるが、その理由は、現
時点では明確に判断できない。水溶性ポリエステルが特
に顕著な効果を示す理由も、現時点では推定の域を出な
いが、用いられている水溶性ポリエステルが非晶性のア
モルフアスな部分が大きいことと、水分に対して敏感な
ために親水性が大きいことが、アンモニアガス等が水溶
性ポリエステル中へ容易に入り込み拡散し、トラツプさ
れやすい理由ではないかと考えられる。繊維表面へ水溶
性性ポリエステルポリマー層が一部露出していることが
更に効果的な役割を果していると思われる。例えば、単
にポリエチレンテレフタレートへ5−ソジオスルフオイ
ソフタール酸を少量共重合したポリエステル繊維より
も、本発明繊維が、はるかに消臭性能が顕著であつた理
由も、上記で述べたような水溶性ポリエステルポリマー
物性に起因しているのではないかと考えられる。
本発明によつて、初めて著しい再汚染防止性と著しい
消臭性能の両方の性能を有したポリエステル系繊維が可
能となつたわけである。しかも、カチオン染料に対して
易染である性能を保持されたポリエステル繊維は、本発
明により初めてなされたといえる。
従来のカチオン可染ポリエステル繊維はPET分子中へ
−SO3M基をもつた二官能性単量体、例えば5−スルホイ
ソフタール酸の共重合ポリマーを用いたものがほとんど
であるが、本発明のようにBポリマーとAポリマーをポ
リマー状態で不均一混合させた状態で繊維化し、見かけ
上繊維としてカチオン可染能を保持させかつ、再汚染防
止性と消臭性能を保持させたポリエステル繊維として
は、従来まつたく見い出されていないものであり、本発
明により初めて可能となつたと言える。
消臭性能の測定例を第1図に示す。アンモニアの場
合、アンモニアセンサー1(東亜電波(株)製AE−23
5)とイオンメーター3(東亜電波(株)製IM−IE)と
記録計4を接続し、容器5中のアンモニアガス濃度の経
時変化を読みとる。容器5中に500ppmとなるように調整
した水酸化アンモニア溶液を注射器で所定量入れ、その
後測定試料2をセツトし、容器中のアンモニア濃度を経
時的に測定する方法によつた。
本発明は、長繊維でも短繊維でも同じ効果が期待でき
ることは言うまでもない。
またさらに本発明は、仮撚捲縮加工等の高次加工によ
り、5角、6角に類似した形状になつたり、紡糸時の異
形断面ノズルにより3葉形、T形、4葉形、5葉形、6
葉形、7葉形、8葉形等多葉形や各種の断面形状となつ
ても要は今迄説明してきた繊維化の要件が満たされてい
れば、本発明のポリエステル繊維を得ることができる。
次に、本発明のポリエステル繊維の製造例について説
明する。本発明の再汚染防止性及び消臭性能及びカチオ
ン可染性を有するポリエステル繊維を得るためには、紡
糸時に水溶性ポリエステル(Aポリマー)とポリエチレ
ンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートとの
2成分のポリマーが、それぞれのポリマーの集合状態が
ある程度残つた、つまり不均一混合状態を維持した状態
で繊維化することが重要であるが、それの紡糸方法の一
例を第2図に示す。第2図に示したような混合紡糸口金
装置を使用して紡糸すればよい。別々の溶融押出機より
それぞれ押出されたBポリマー及びAポリマー溶融流
は、別々に計量機により所定量計量された後、導入板1
の導入孔2、3からそれぞれ導入され、ミキシングプレ
ート4、5に設けられた静止混合器11で所定条件下で混
合され、中間板6を経てサンドボツクス7のろ過部12で
ろ過された後、フイルター8、整流板9を経て口金板10
から紡出される。
ここで静止混合器11の混合素子の数を適切に選ぶこと
が非常に重要である。
現在実用化されている静止型混合器は数種類あるが、
例えばケーニクス(Kenics)社の180゜左右にねじつた
羽根を90゜ずらして配列したnエレメント通過させると
2n層分割するタイプのスタチツクミキサーを用いた場合
は、エレメント数が3〜15の範囲にする必要がある。更
に好ましくは4〜8の範囲が最適である。16エレメント
以上にすると、AポリマーとBポリマーとの混合性が良
くなりすぎて、均一混合に近くなり、期待する性能が低
下してくる。なぜこのような現象が発生してくるのか明
確にはわからないが、Aポリマーの集合状態がある程度
の大きさで存在していることが性能を発揮させるために
は不可欠のためと思われる。また、AポリマーとBポリ
マーがあまり均一混合されると粘度低下が大きくなり、
紡糸性が不安定化し好ましくない。逆にエレメント数が
少なすぎる場合もミキシング不十分となり、紡糸性が不
安定になり好ましくない。
ケーニクス社以外の静止型混合器を用いる場合も2n
分割以上に相当するエレメント数に設定した混合器を使
用する必要があることは言うまでもない。東レ社製ハイ
ミキサー(Hi−Mixer)やチヤールス・アンド・ロス(C
harless & Ross)社製のロスISGミキサーなどは、nエ
レメント通過する時の層分割数は4n層分割であるので、
エレメント数2エレメント以上、8エレメント以下にす
ることが好ましい。
BポリマーとAポリマーとの混合比率は、95対5〜70
対30重量%の範囲にする必要がある。Aポリマーの混合
比率が5重量%以下になると、十分な性能が得られなく
なり好ましくない。また、30重量%以上になると紡糸工
程性、延伸工程性が低下するのみならず、コスト的にも
かなりアツプし好ましくない。5〜30重量%の範囲で、
目的とする性能及び工程性及びコストアツプ等で総合的
に判断し、最適の混合比率を選択することが望ましい。
本発明は、特定の水に溶解あるいは分散する水溶性ポリ
エステルを用い、ポリエチレンテレフタレート又はポリ
ブチレンテレフタレートと所定の条件下である程度不均
一混合状態で繊維化することにより、初めて可能となつ
たわけである。
第3図に、本発明繊維の断面スケツチ図を模式的に示
した。AポリマーとBポリマーの存在状態がそれぞれわ
かる程度に不均一混合され、かつAポリマーの層状態の
一部が繊維表面へ露出した状態を形成している。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
によつて本発明はなんら限定されるものではない。
[実施例1] 重縮合反応装置を用い、チタニウムイソプロポキシド
を触媒として常法により260℃で重縮合反応により、イ
ソフタル酸84モル、5−ソジオスルホイソフタール酸16
モル、ジエチレングリコール58モル、1・4−シクロヘ
キサンジメタノール42モルよりなる共重合ポリエステル
を製造し、重合器底部よりストランド状に冷却ドラム上
に押し出し、ストランドカツターを用いて切断し、ペレ
ツト化した。得られたポリマーは固有粘度0.38、熱水中
での溶解性は易溶解性であつた。またガラス転移点は53
℃であつた。ガラス転移点の測定は、差動走査熱量計
(DSC)により、窒素気流中、10℃/分の昇温速度で昇
温し、ガラス転移点領域での吸熱ピークの発生してくる
温度により求めた。
得られた水溶性ポリエステルペレツト(A)とポリエ
チレンテレフタレートペレツト(B)とを別々の押出機
にて溶融押出し、A対Bの比率が12対88重量%になるよ
うにそれぞれ計量した後、紡糸パツクへ供給し、その後
第2図で示した方法により紡糸パツク内で、ケーニツク
社製の6エレメントスタチツクミキサーでそれぞれのA
ポリマー、Bポリマーの存在状態がわかる程度に不均一
混練し、その後丸孔ノズルより吐出し紡糸した。該紡糸
原糸をローラープレート方式で通常の条件により延伸
し、75dr−36fのマルチフイラメントを得た。紡糸性、
延伸性は良好で全く問題なかつた。
得られたマルチフイラメントを用い筒編地を作成した
後、再汚染性を評価したところ、通常ポリエチレンテレ
フタレート繊維が1級であつたのに対し、該筒編地は天
然木綿繊維並の4.5級程度のレベルまでいたつていた。
また、アンモニアガスの消臭性能を第1図に示す方法で
測定した結果、消臭率が通常ポリエチレンテレフタレー
ト繊維が40%であるのに対して2時間後94%、24時間後
で98%であつた。
該筒編地を以下の処法でカチオン染料で染色した後単
法により残浴比色法により分光光度計で染着率を測定し
た結果95%で発色性は十分であつた。
染色法 染料;Cathilon Blue CD−FBLH 2%owf 助剤;硫酸アンモニウム 3g/ 酢酸(48%) 1%owf 酢酸ナトリウム 1%owf 浴比;1:50 温度;120℃×60分 [実施例2〜7] 実施例1と同一ポリマー組成の水溶性ポリエステルペ
レツト(A)を作成し、第1表に示す条件で実施例1と
同様の方法により繊維化を実施した。得られた繊維につ
いて再汚染防止性、消臭性能、カチオン染料の染色性を
調べた結果、いずれも良好であつた。
[実施例8] 実施例1と同一の水溶性ポリエステルペレツト(A)
を作成した。
得られた水溶性ポリエステルペレツト(A)とポリブ
チレンテレフタレートペレツト(B)とを別々の押出機
にて溶融押出し、A対Bの比率が12対88重量%になるよ
うにそれぞれ計量した後、紡糸パツクへ供給し、その後
第2図で示した方法により紡糸パツク内で、ケーニツク
社製の6エレメントスタチツクミキサーでそれぞれのA
ポリマー、Bポリマーの存在状態がわかる程度に不均一
に混練し、その後丸孔ノズルより吐出し紡糸した。該紡
糸原糸をローラープレート方式で通常の条件により延伸
し、75dr−36fのマルチフイラメントを得た。紡糸性、
延伸性は良好で問題なかつた。再汚染紡糸性は4.5級で
あつた。またアンモニアガスの消臭性能は消臭率が2時
間後93%、24時間後で97%であつた。カチオン染料で染
色した後の染着率は92%で発色性は十分であつた。
[比較例1〜2] 実施例1と全く同様の水溶性ポリエステル(A)を用
い、ポリエチレンテレフタレート(B)との混合比率を
それぞれ3/97と35/65とし、その他の条件を全く同一で
繊維化を実施した。比較例1は、工程性は良好で問題な
かつたが、得られた繊維の性能は好ましいものが得られ
なかつた。比較例2は、紡糸性が不安定でビス落ちにな
る単糸切れが多く良好な紡糸原糸が得られなかつた。
[比較例3〜4] 実施例1と全く同様の水溶性ポリエステル(A)を用
い、A/Bポリマー比率を同様の条件にして、それぞれス
タチツクミキサーのエレメント数を25及び2エレメント
とし、その他の条件を全く同一で繊維化を実施した。比
較例3は、AポリマーとBポリマーが均一に混合しすぎ
て、紡糸時の粘度低下が進み紡糸時の糸条の落下速度が
速くなりすぎやや単糸切れが発生した。
比較例4は、比較例3とは逆に混合性が不十分なた
め、AポリマーとBポリマーの溶融粘度差が大きくなり
すぎ、紡糸性が不安定でやや単糸切れが発生した。その
ため、延伸性、製織性もやや不良であつた。
[比較例5] 実施例1と同様のポリマー組成で固有粘度0.20の水溶
性ポリエステル(A)を用い他の条件は実施例1と全く
同一の条件で繊維化を実施した。Aポリマーの粘度が低
すぎるため紡糸性がビス落ち、断糸多発で不良であつ
た。
[実施例9] 重縮合反応装置を用い、チタニウムイソプロポキシド
を触媒として、常法により260℃で重縮合反応により、
イソフタル酸25モル、テレフタル酸65モル、5−ソジオ
スルホイソフタール酸10モル、エチレングリコール60モ
ル、ジエチレングリコール25モル、トリエチレングリコ
ール15モルよりなる共重合ポリエステルを製造し、重合
器底部よりストランド状に冷却ドラム上に押し出し、ス
トランドカツターを用いて切断しペツト化した。得られ
たポリマーは、固有粘度0.50熱水中での溶解性は易溶解
性であつた。また、ガラス転移点は45℃であつた。得ら
れた該水溶性ポリエステルペレツト(A)とポリエチレ
ンテレフタレート(B)を実施例1と同様の方法により
繊維化した。紡糸性、延伸性、製織性等の工程性は良好
で問題なかつた。得られた繊維の再汚染防止性、消息性
能、カチオン可染性は良好であつた。
[実施例10] 重縮合反応装置を用い、チタニウムイソプロポキシド
を触媒として、常法により260℃で重縮合反応により、
イソフタル酸91モル、5−ソジオスルホイソフタール酸
9モル、ジエチレングリコール75モル、1・4シクロヘ
キサンジメタノール25モルよりなる共重合ポリエステル
を製造し、重合器底部よりストランド状に冷却ドラム上
に押し出し、ストランドカツターを用いて切断しペレツ
ト化した。得られたポリマーは、固有粘度0.45、熱水中
での溶解性は易溶解性であつた。またガラス転移点は37
℃であつた。得られた該水溶性ポリエステルペレツト
(A)とポリエチレンテレフタレート(B)を実施例1
と同様の方法により繊維化した。紡糸性、延伸性、製織
性等の工程性は良好で問題なかつた。得られた繊維の再
汚染防止性、消臭性能、カチオン可染性は良好であつ
た。
[比較例6] 実施例1と同様の方法により、イソフタル酸93モル、
5−ソジオスルホイソフタール酸7モル、ジエチレング
リコール75モル、トリエチレングリコール25モルよりな
り固有粘度0.40の共重合ポリエステルを重合した。重合
釜底部よりストランド状に冷却ドラム上に押し出しカツ
ターで切断したが、ポリマー間の膠着が激しくペレツト
化が不良であつた。得られたポリマーは水に易溶性でガ
ラス転移点は約22℃ぐらいであつた。
実施例1と同様の条件で繊維化したが紡糸時のカミコ
ミ不良による圧力変動が頻発し、まともな繊維が得られ
なかつた。
[比較例7] 重縮合反応装置を用いチタニウムイソプロポキシドを
触媒として、常法により260℃で重縮合反応により、イ
ソフタル酸50モル、テレフタル酸50モル、5−ソジオス
ルホイソフタール酸3モル、ジエチレングリコール100
モルよりなる共重合ポリエステルを製造し、重合器底部
よりストランド状に冷却ドラム上に押し出し、ストラン
ドカツターを用いて切断しペレツト化した。得られたポ
リマーは固有粘度0.55であつたが、熱水中での溶解性は
不良であつた。また、ガラス転移点はやや測定誤差が考
えられるが約40℃であつた。得られた該ポリエステルペ
レツト(A)とポリエチレンテレフタレート(B)を実
施例1と同様の方法により繊維化した。紡糸性、延伸性
等の工程性は良好で問題なかつた。しかし、得られた繊
維の性能は満足のいくレベルにいたつていなかつた。ま
た、カチオン染料になる染色性も不十分であつた。
[比較例8] 重縮合反応装置を用いチタニウムイソプロポキシドを
触媒として、常法により260℃で重縮合反応により、イ
ソフタル酸90モル、5−ソジオスルホイソフタール酸10
モル、エチレングリコール85モル、ジエチレングリコー
ル15モルよりなる共重合ポリエステルを製造し、重合器
底部よりストランド状に冷却ドラム上に押し出し、スト
ランドカツターを用いて切断しペレツト化した。得られ
たポリマーは固有粘度0.50、熱水中での溶解性は不良で
あつた。また、ガラス転移点はやや測定誤差が考えられ
るが約45℃であつた。得られた該水溶性ポリエステルペ
レツト(A)とポリエチレンテレフタレート(B)を実
施例1と同様の方法により繊維化した。紡糸性、延伸性
等の工程性は良好で問題なかつた。しかし、カチオン染
料による染料性は良好であつたものの、得られた繊維の
性能は満足のいくレベルにいたつていなかつた。
(発明の効果) 以上本発明は、特定の水に溶解あるいは分散する水溶
性ポリエステルを所定の条件を組合わせ、ポリエチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレート中へ特
定な分散状態とせしめることにより、従来のポリエステ
ル系繊維ではなしとげられなかつた再汚染防止性と消臭
性能を保持し、なおかつカチオン染料に易染性の複合機
能を同時に保持させることが可能となつたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、アンモニア消臭性能測定装置の一例で、1は
アンモニアセンサー、2は試料片、3はイオンメータ
ー、4は記録計、5は測定容器である。 第2図は本発明繊維の紡糸口金装置の一例を示す断面図
で、1が導入板、2、3はポリマー導入孔、4、5はミ
キシングプレート、6は中間板、7はサンドボツクス、
8はフイルター、9は整流板、10は口金板、11は静止混
合器、12はろ過部を示す。 第3図は、本発明繊維の断面のスケツチ図を模式的に示
したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭58−39926(JP,B2) 特公 昭62−19524(JP,B2) 特公 昭58−57527(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全ジオール成分中に、式HOCH2CH2nOH
    [式中、nは2〜10の整数]を有するポリエチレングリ
    コールを20モル%以上含有し、かつ芳香族核に結合した
    −SO3M基(基中、Mは水素または金属イオン)を有する
    ジカルボン酸またはジオール、もしくはいずれかのエス
    テル形成性誘導体である二官能性単量体が全ジカルボン
    酸または全ジオール成分の5モル%以上を構成する、水
    に溶解または分解する水溶性ポリエステル樹脂(A)
    と、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテ
    レフタレートを主成分とする熱可塑性ポリエステル樹脂
    (B)とが、重量比率A:B=5:95〜30:70の範囲で、それ
    ぞれの樹脂の集合状態が残る程度に不均一状態で混合さ
    れ、かつ繊維表面へ樹脂(A)の一部分が露出している
    ことを特徴とするポリエステル系繊維。
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