JP2809386B2 - オクタメチルトリシロキサンとn−プロポキシプロパノールの共沸組成物及びこれを使用する物品表面洗浄方法 - Google Patents

オクタメチルトリシロキサンとn−プロポキシプロパノールの共沸組成物及びこれを使用する物品表面洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揮発性メチルシロキサ
ンを含有している二成分共沸混合物である、環境にやさ
しい洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一定の
化学物質の使用を制限しようとする法規のために、適当
な代替物を追求することは化学部門と産業部門が直面し
ているますます増大しつつあるジレンマである。例えば
1970年代に、米国環境保護局(EPA)は、基準又
は「危険汚染物質」として、二酸化硫黄SO2 、一酸化
炭素CO、二酸化窒素NO2 、オゾンO 3 、直径10μ
m以下の浮遊粒状物質PM10、鉛Pb、及び現在は「揮
発性有機化合物(VOC)」として知られている非メタ
ン炭化水素(NMHC)を指定した。
【0003】光化学スモッグの最もおびただしい種はオ
ゾンである。オゾンの前駆物質はVOC、窒素酸化物N
O及びNO2 である。汚染された大気中のオゾンを減ら
すために、VOC及び窒素酸化物NOx (NOやN
2 )前駆物質の低減が必要とされている。
【0004】太陽エネルギーは、地球の表面で吸収さ
れ、そして放射線として再放射される。大気中の一定の
ガスは、この再放射された放射線を吸収してそれを熱に
変える能力がある(温室効果)。その結果として、大気
温度がこれらの「温室ガス」の不存在下で得られるであ
ろう温度より高くなる(地球温暖化)。従って、二酸化
炭素CO2 、メタンCH4 、亜酸化窒素N2 O、オゾ
ン、そして種々のクロロカーボン、フルオロカーボン及
びクロロフルオロカーボン(CFC)、例えばメチルク
ロロホルムCH3 CCl3 (MCF)、四塩化炭素CC
4 、C2 HF5 (HCFC−125)、C2 2 4
(HFC−134a)、CFCl3 (CFC−11)、
CF2 Cl2 (CFC−12)、C2 ClF5 (CFC
−115)、CHClF2 (HCFC−22)、C2
Cl2 3 (HCFC−123)、C 2 HClF4 (H
CFC−124)及びC2 Cl3 3 (CFC−11
3)といったようなものを含めて、そのようなガスの放
出を減らすことも必要とされている。
【0005】成層圏のオゾンは、太陽光線中の紫外線光
の透過に対する自然の防護(シールド)である。成層圏
オゾンを涸渇させるいずれのプロセスも地球表面に到達
するuv−B放射線(293〜320nm(2930〜3
200オングストローム))の量を増加させる、という
ことが懸念されている。uv−B放射線が増加すると、
皮膚癌の発生率が上昇することになりかねない。CFC
類は対流圏(10マイル(16km)まで)を通って中成
層圏(30マイル(48km)まで)へと拡散し、そこで
紫外線によって光分解されてオゾン分子を破壊する。成
層圏オゾンの涸渇のために、1990年の清浄空気条例
修正案(1990 Clean AirAct Ame
ndments)のような命令書には、CFC類、ハロ
ン類(ブロモクロロフルオロカーボン及びブロモフルオ
ロカーボン類)、四塩化炭素及びメチルクロロホルムに
ついての段階的廃止計画が含まれている。
【0006】これらは、そのような化学物質に代わる適
当な代替物を探すのに化学及び産業部門が直面している
問題のうちのほんのわずかなものでしかない。とは言
え、特別に関心が持たれるのは、それらの問題のうちの
VOCの側面であり、また適当な代用物質の供給であ
る。その問題の解決が本発明の目的である。
【0007】例えば、「揮発性有機化合物」(VOC)
と「揮発性有機物質」(VOM)は、米国ではTitl
e 40 CFR 51.100(s)によって、一酸
化炭素、二酸化炭素、炭酸、金属炭化物、金属炭酸塩及
び炭酸アンモニウムを除く、大気中の光化学反応に関与
する炭素の任意の化合物であると定義されている。この
定義は、VOC又はVOMとして一定の化合物及び化合
物のクラスを除外している。
【0008】科学的に言えば、VOCは、20℃の温度
及び760mmHg(101.3kPa)の圧力におい
て蒸気圧が0.1mmHg(13.3Pa)より高い炭
素の任意の化合物、あるいは蒸気圧が不明の場合には炭
素原子数が12未満の化合物として定義されている。
「揮発性有機物含有量」は、EPA試験法24又は24
Aに従って測定された揮発性有機化合物(VOC)の量
であり、この方法の手順はTitle 40 CFR
Part 60,Appendix Aに詳しく記載さ
れている。
【0009】VOCの低減は、米国のいくつかの州にお
いて既に強制されており、例えばカリフォルニア州の規
則は、任意の製品1リットル当たりの大気に入り込む揮
発性物質が180g未満であることを要求している。こ
の量は、10gの製品をオーブン中で110℃で1時間
焼いて測定することができる。残留する固形物の量は、
試験した合計の10gから差し引きする。計算は、蒸発
した揮発性物質の重量を基準とし、その量は1リットル
当たりのグラム数で報告される。
【0010】EPAは、消費財中に存在する多くの揮発
性有機化合物(VOC)を明らかにしており、それらの
うちには、エタノール、イソプロピルアルコール、灯油
及びプロピレングリコールのような普通の溶剤、並びに
イソブタン、ブタン及びプロパンのような普通の炭化水
素溶剤がある。これらの後者の溶剤は、種々のエーロゾ
ルスプレー中のガス状の噴射剤としてしばしば用いられ
ている。
【0011】カリフォルニア州大気規制局(CARB)
は、家庭及び施設の消費者の用いる化学的に配合された
製品中に許される揮発性有機化合物(VOC)の量を制
限及び低減する基準を提案している。これらの規則は、
洗浄剤、掃除用コンパウンド、艶出し剤、床用製品、化
粧品、パーソナルケア製品、住宅用製品、芝生用製品、
園芸用製品、消毒剤、殺菌剤、並びに自動車専門製品の
ような製品に及んでいる。
【0012】これらのCARBの基準は、ひげそり泡、
ヘアスプレー、シャンプー、コロン水、香水、アフター
シェーブローション、防臭剤、発汗抑制剤、日焼け剤、
呼気新鮮剤及び室内脱臭剤といったような広く使用され
ている消費財に効力が及ぼう。
【0013】「不法とされた」化学物質に代わる溶媒代
替物としてある種の揮発性メチルシロキサン類(VM
S)を用いることは、実用的なアプローチである。実
際、EPAは、Federal Register第5
9巻第53号の13044−13161ページ(199
4年3月18日)において、「環式及び線状の揮発性メ
チルシロキサン類(VMS)を、金属、エレクトロニク
スの洗浄や、精清浄化(precision clea
ning)におけるクラスI化合物の代用物として使用
する検討が現在行われている。それらの化学的性質の故
に、これらの化合物は防衛及び航空宇宙産業における精
密誘導装置の洗浄のための代替物として有望であること
が明らかである。加えて、揮発性メチルシロキサン類は
高い純度を持ち、それ故、回収と再利用が比較的容易で
ある。VMSを用いる洗浄系においては、流体は完全に
囲いをしたプロセスを用いて閉じたヘッダー系で部品を
洗浄するのに用いられる。これらの部品は液体をきって
から、真空ベーキングを利用して乾かされる。」という
ことを13091ページに示している。
【0014】EPAは、更に進んで、13093〜13
094ページにおいて、EPAの重要な新代替政策(S
NAP)の下で「揮発性メチルシロキサン類であるドデ
カメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロ
キサン、オクタメチルトリシロキサン及びデカメチルテ
トラシロキサンは、CFC−113及びMCFの許容可
能な代替物である」と述べている。典型的な用途には、
金属洗浄分野、エレクトロニクス洗浄分野、そして精清
浄化分野における、閉じた系での洗浄が含まれる。
【0015】EPAは、13137ページで、二つのV
MS、すなわちオクタメチルシクロテトラシロキサン及
びデカメチルシクロペンタシロキサンに関して、「当局
はデータの検討を完了し、別の立法作業によって、会社
内で設定した暴露制限を守らなくてはならないという使
用条件をもってこれらの化学物質を許容できるものであ
ると提案するつもりである。」と特に言及している。
【0016】更に、1992年後半にEPAに提出され
た請願は、これらのVMSをVOCとしての規制から外
すことを求めている。この請願の根拠は、揮発性メチル
シロキサン類は対流圏オゾンの生成に寄与せず、場合に
よってはこれを実際に抑制するというものである。この
ように、「免除された」VOCのリスト上で最も反応性
の高い化合物であるVMSは、エタンよりもオゾンを生
成する可能性が低い。
【0017】その上、これらのVMSは大気中での寿命
が10〜30日である。その結果として、VMS化合物
類は地球温暖化に有意に寄与しない。VMSは、大気中
での寿命が短く、そのため上昇して成層圏中に蓄積する
ことはないから、成層圏のオゾンを涸渇させる可能性が
ない。VMS化合物類はまた、塩素又は臭素原子も含ま
ない。
【0018】VMSは、オゾン層を攻撃もしないし、対
流圏のオゾン生成(スモッグ)に寄与もせず、それらは
地球温暖化の可能性が最小である。従って、VMS化合
物類はこれらの三つの特性を同時に備えている点で特異
である。
【0019】このように、揮発性メチルシロキサン類
(VMS)は、これまで洗浄剤として広く使用されてき
た「不法とされた」化学物質の適当な代替物を見つける
問題に対する実行可能な解決策を提供するであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明は、
揮発性メチルシロキサンとアルコールとの新しい二成分
系共沸混合物を提供する。本発明はまた、これらの新し
いシロキサン含有共沸混合物を環境にやさしい洗浄剤と
して使用することも提案する。
【0021】洗浄剤として、これらの新しい共沸混合物
は任意の表面から汚染物質を除去するのに使用すること
ができるが、フラックスの除去や精清浄化、低圧蒸気脱
脂、並びに気相洗浄に関連する用途において特に有用で
ある。
【0022】これらの新しいシロキサン含有共沸混合物
の洗浄剤としての予期せざる利点と利益には、向上した
溶解力が含まれ、また気相洗浄、蒸留による再生及び拭
き取りによる清浄化を伴う応用の際に生じうる蒸発後に
一定した溶解力を保持することが含まれる。
【0023】本発明の洗浄剤は共沸混合物であるから、
より容易に回収し再循環させることができるという追加
の利点と利益がある。例えば、この共沸混合物は、洗浄
プロセスで使用後の汚染された洗浄浴流出液から分離す
ることができる。その再生は単純な蒸留によって容易に
され、それによりそれを新しい洗浄剤流入液として系へ
再循環させることができる。
【0024】その上、これらの共沸混合物は、シロキサ
ン流体とエタノールのようなより低分子量のアルコール
との共沸混合物よりもシロキサン流体の含有量が多く、
それに応じてアルコール含有量が少ないという予期せざ
る利点をもたらす。それによる驚くべき結果は、本発明
の共沸混合物は対流圏のオゾン及びスモッグを発生させ
る傾向がより少なくなるということである。
【0025】本発明の別の態様では、オクタメチルトリ
シロキサンとn−プロポキシプロパノールを含有してな
るある種の共沸混合物様組成物が発見された。
【0026】共沸混合物は、2又は3種以上の液体の混
合物であって、その組成は蒸留によって変化しない。例
えば、95%のエタノールと5%の水の混合物は、7
8.3℃の温度で沸騰する純粋なエタノールあるいは1
00℃の温度で沸騰する純粋な水よりも低い78.15
℃の温度で沸騰する。そのような液体混合物は、液体の
部分的蒸発で生じた蒸気がその液体と同じ組成を持つと
いう点で、単一物質のように挙動する。このように、こ
れらの混合物はそれらの組成が変化せずに一定の温度で
蒸留され、通常の蒸留方法では分離することができな
い。
【0027】共沸混合物は、二つの液体(A及びB)を
含む二成分共沸混合物と呼ばれる系で、三つの液体
(A、B及びC)を含む三成分共沸混合物と呼ばれる系
で、また四つの液体(A、B、C及びD)を含む四成分
共沸混合物と呼ばれる系で存在する。本発明の共沸混合
物は二成分共沸混合物である。
【0028】しかしながら、共沸現象は「予測できない
現象」であり、各共沸混合物は発見しなくてはならない
ものである。この「予測することが不能」の現象は、先
行技術の文献に記載されていることであり、米国特許第
4157976号明細書(第1欄、47〜51行)が一
つの例である。これを支持する文書として、米国特許第
4155865号明細書も挙げなくてはなるまい。
【0029】本発明の目的にとっては、2又は3種以上
の成分の混合物は、それが液体から蒸気の組成が変化し
ないで気化するならば、共沸混合物である。具体的に言
えば、共沸混合物は、組成を変えないで沸騰する混合物
と、組成を変えないで沸点未満の温度で蒸発する混合物
の両方を含む。従って、共沸混合物には、ある温度でお
のおの特定の割合の二成分が共沸するが、他の温度では
必ずしもそうでない、ある範囲の割合にわたる二成分の
混合物を含めることができる。
【0030】共沸混合物はそれらの組成が変化しないで
蒸発する。適用された圧力が共沸混合物の蒸気圧よりも
高い場合は、この共沸混合物は変化なしに蒸発する。適
用された圧力が共沸混合物の蒸気圧よりも低い場合は、
この共沸混合物は変化なしに沸騰しあるいは蒸留され
る。低沸点共沸混合物の蒸気圧は、個々の成分の蒸気圧
よりも高く、沸点は個々の成分の沸点よりも低い。実
際、共沸組成物は、その成分の任意の組成物のうちで最
低の沸点を有する。従って、共沸混合物は、組成が当初
は共沸混合物の組成から離れている混合物を蒸留するこ
とによって得ることができる。
【0031】構成成分の一定の組み合わせのみが共沸混
合物を形成することができるだけであるから、気液平衡
(VLE)の実験データがなければ、共沸混合物の形成
を信頼できるように予測することはできない。構成成分
の種々の混合物について一定の全圧と温度における蒸気
組成と液体組成がなければならない。
【0032】共沸混合物の中には、温度によって組成が
変化しないものがあるが、多くの場合には、共沸組成は
温度とともに変わる。温度の関数としての共沸組成は、
所定の温度での質の高いVLEデータから決定すること
ができる。そのような決定を行うために市販のソフトウ
ェアが利用可能である。米国マサチューセッツ州Cam
bridgeのAspen Technology,
Inc.のASPENPLUS(商標)プログラムは、
そのようなプログラムの一例である。実験データが与え
られれば、そのようなプログラムは、組成と蒸気圧の完
全な表を作りだすことができるパラメーターを計算する
ことができる。これは、当該系の使用者が共沸組成がど
こにあるかを決定するのを可能にする。
【0033】本発明の共沸混合物を形成するために使用
される揮発性メチルシロキサン(VMS)は、オクタメ
チルトリシロキサンとして知られる線状の短鎖シロキサ
ン流体であり、これは式(CH3 3 SiO(CH3
2 SiOSi(CH3 3 を有する。オクタメチルトリ
シロキサンは、25℃で測定して1.0センチストーク
ス(mm2/s)の粘度を有する。オクタメチルトリシロキ
サンは、文献中では時として「MDM」と称されてい
る。この省略表記は、次に示すように、分子中に一つの
二官能性「D」単位(CH3 2 SiO2/2 及び二つの
一官能性「M」単位(CH3 3 SiO1/2 が存在する
ことを示している。
【0034】
【化1】
【0035】オクタメチルトリシロキサン(MDM)は
透明な液体で、本質的に無臭であり、毒性がなく、油っ
ぽくなく、刺激性でなく、皮膚をひりひりさせない。そ
れは、開放室内雰囲気中で周縁部を支持した直径185
mmのNo.1円形ろ紙の中央に1gの液体を置いた場合
に、室温で30分後に残留物を実質的に残さない。
【0036】本発明の発明者らは、1994年7月23
日に出願した台湾特許出願第83106758号明細書
に、ヘキサメチルジシロキサンと3−メチル−3−ペン
タノール、2−ペンタノール及び1−メトキシ−2−プ
ロパノールとの二成分共沸混合物を記載している。19
94年8月11出願の米国特許出願第08/28936
0号明細書では、本発明の発明者らは、ヘキサメチルジ
シロキサンとではなくオクタメチルトリシロキサンと共
沸混合物を形成する、いく種類かのアルコール類及びエ
ステルの二成分共沸混合物を記載している。後者の米国
出願明細書においては、アルコール類は2−メチル−1
−ペンタノール、1−ヘキサノール、及びアルコキシ含
有脂肪族アルコールの1−ブトキシ−2−プロパノール
である。エステルはエチルラクテートである。
【0037】本発明の二成分共沸混合物もオクタメチル
トリシロキサンを含むが、発明者らは、オクタメチルト
リシロキサンは別のアルコールとともに共沸混合物を形
成するということを、思いも寄らぬことに且つ予測し得
ないことに見いだした。
【0038】本発明の共沸混合物におけるアルコール
は、別のアルコキシ含有脂肪族アルコールのn−プロポ
キシプロパノール(1−プロポキシ−2−プロパノー
ル)であって、式C3 7 OCH2 CH(CH3 )OH
を有する。このアルコールは、米国ミシガン州Midl
andのThe Dow Chemical Comp
anyによりDOWANOL(商標)PnPのプロピレ
ングリコールn−プロピルエーテルとして販売されてい
るように、商業的に入手可能である。
【0039】上記の二つの液体の760mmHg(101.
3kPa)の標準気圧で測定した沸点は、オクタメチル
トリシロキサンが152.6℃、そしてn−プロポキシ
プロパノールが149.8℃である。
【0040】本発明の共沸混合物を使用することから得
られる特に重要で、驚くべき、且つ意外な結果は、それ
らがオクタメチルトリシロキサンだけと比べて向上した
溶解力を持つことである。しかも、これらの新しい共沸
混合物は、洗浄する鋭敏な表面を害することなくその表
面を清浄にするのにそれらを有用なものとする穏やかな
溶解力を示す。
【0041】本発明をより詳細に説明するために、下記
の例を提供する。9〜27重量%のn−プロポキシプロ
パノールと73〜91重量%のオクタメチルトリシロキ
サンを含有する、オクタメチルトリシロキサンの新しい
均質な二成分系共沸混合物が発見された。
【0042】これらの共沸混合物は、共沸温度と、そし
てまた室温の両方で、単一の液相を有する点で均質であ
った。均質な共沸混合物は、不均質な共沸混合物のよう
な二つの相でなく一つの液相として存在するため、特に
洗浄用途に対して、不均質な共沸混合物よりも望まし
い。不均質な共沸混合物の各相はその洗浄力を異にす
る。従って、不均質共沸混合物の洗浄性能は、それがそ
れらの相の徹底した混合に依存するので、再現するのが
困難である。単一相(均質)の共沸混合物はまた、より
容易に移送することができるので、多相(不均質)の共
沸混合物よりももっと有用である。
【0043】各均質共沸混合物が、特定の温度範囲にわ
たって存在することが見いだされた。その範囲内で、共
沸組成は温度とともにいくらか変化した。これらの組成
物は0〜148℃の範囲内で共沸混合物であった。
【0044】
【実施例】
(例1)気液平衡を測定するために単一プレート蒸留装
置を用いた。液体混合物を沸騰させ、蒸気を凝縮させて
小さな受器に集めた。この受器には、沸騰する液体へ再
循環して戻すためのオーバーフロー流路が設けてあっ
た。平衡が確立されたら、沸騰している液の試料と凝縮
した蒸気の試料を別々に取り出し、ガスクロマトグラフ
ィー(GC)で定量分析した。いくつかの異なる初期組
成点で、測定温度、周囲圧力及び液体と蒸気の組成のデ
ータを得た。これらのデータを用いて共沸組成が存在す
るかどうかを決定した。定量を行うために、同じデータ
を用いて、種々の温度での共沸組成をASPENPLU
S(商標)ソフトウェアプログラムの助けを借りて決定
した。これらの共沸組成を表1に示す。
【0045】表1において、「MDM」は共沸組成にお
けるオクタメチルトリシロキサンの重量百分率を示すた
めに用いている。表1中の蒸気圧は、圧力単位torr
(1torr=0.133kPa(1mmHg))で示され
ている。これらの共沸組成を測定する際の精度は約±2
重量%である。
【0046】 表 1 温度 蒸気圧 MDM アルコール (℃) (torr) (重量%) n−プロポキシ 147.9 1000 73 プロパノール 138.6 760 74 125 493.3 76 100 203 79 75 71.3 82 50 20.9 86 25 4.7 88 0 0.8 91
【0047】本発明の共沸混合物は、金属、セラミッ
ク、ガラス又はプラスチック製の精密な物品の洗浄に特
に有用である。そのような物品の例としては、エレクト
ロニクス及び半導体部品、電気及び精密機械部品、例え
ばボールベアリングの如きもの、光学器械の部品や構成
要素、例えばレンズの如きもの、写真用及びカメラの部
品や器材、並びに軍用及び宇宙用ハードウェア、例えば
防衛及び航空宇宙産業において用いられる精密誘導装置
の如きものがある。
【0048】本発明の共沸組成物の一つの特別に有用な
用途は、印刷回路基板に電子部品を搭載及びハンダ付け
するのに用いられるフラックスを洗浄及び除去するもの
である。例を挙げると、ハンダは機械的接続、電気機械
的接続又はエレクトロニクスの接続にしばしば用いられ
る。例えば、エレクトロニクスの接続を行う際には、構
成部品をウェーブソルダリングによりプリント配線組立
品の導体通路に取り付ける。用いられるハンダは、通
常、ロジンを基剤とするフラックスの助けを借りる錫−
鉛合金である。ロジンは、異性酸の複雑な混合物であ
り、主なものはアビエチン酸である。これらのロジンフ
ラックスは、しばしばアミンハロゲン化水素酸塩及び有
機酸のような活性剤も含有している。フラックスの機能
は、表面の化合物、例えば酸化物のようなものと反応し
てこれを除去することである。それはまた、溶融したハ
ンダ合金の表面張力を低下させ、ベースメタル及びハン
ダ合金に表面被覆を施すことによって加熱サイクルの間
の酸化を防ぐ。
【0049】しかしながら、ハンダ作業の後に、通常は
組立品の最終洗浄を行う必要がある。本発明の共沸組成
物は最終洗浄剤として有用である。それらは、残ってい
るフラックスと、ハンダ付けの間フラックスによって保
護されなかった領域に形成された酸化物を除去する。こ
れらは腐食性であるか、あるいはエレクトロニクス組立
品の誤動作もしくは短絡の原因となるものである。その
ような用途において、上記の共沸混合物は冷たい洗浄剤
として、蒸気脱脂剤として、又は超音波エネルギーを伴
って使用できる。
【0050】本発明の共沸組成物は、上記の如き物品の
表面からも、また他の種々の工業物品の表面からも、炭
素質物質を除くために使用することができる。炭素質物
質の例は、ヘキサン、トルエン又は1,1,1−トリク
ロロエタンのような1又は2種以上の普通の有機溶剤に
可溶性の、任意の炭素含有化合物又は炭素含有化合物の
混合物である。
【0051】本発明を更に説明するために、ロジンを基
剤とするハンダフラックスを汚染物として用いて洗浄用
共沸混合物の使用試験を行った。これらの洗浄試験は、
共沸混合物の蒸留による再循環をせずに、開放された浴
中で22℃で行った。共沸混合物の全部がフラックスを
除去することが分かったが、とは言え共沸混合物のおの
おのが等しく有効であったわけではない。比較のため
に、オクタメチルトリシロキサンのみからなる対照組成
物をこれらの洗浄試験に含めた。この対照組成物は表2
で組成物3として示されている。
【0052】(例2)Kester No. 1544ロ
ジンフラックスに、0.05重量%の非反応性低粘度シ
リコーングリコール流展性添加剤を混合した。この混合
物を、Industry Tech Inc.製のNo.
36ドローダウンロッドを用いてアルミニウムQパネル
の2”×3”(5.1×7.6cm)の面積に均一な薄い
層として適用した。電気及び電子組立品に普通に用いら
れている活性化されたロジンを基剤とするハンダフラッ
クスを使用した。このフラックスは、米国イリノイ州D
es PlainesのLitton Industr
ies社KesterSolder部門が製造し販売し
ている製品であった。このフラックスのおよその組成
は、50重量%が変性されたロジン、25重量%がエタ
ノール、25重量%が2−ブタノール、そして1重量%
が専売の活性剤であった。上記の被膜を室温で乾燥さ
せ、そして空気炉中において100℃で10分間硬化さ
せた。このアルミニウムQパネルを、底に磁気攪拌棒が
あり、三分の一を本発明の共沸組成物で満たした大型ビ
ーカーに入れた。洗浄は、より高い温度の共沸組成物で
洗浄するときでも、室温で急速に攪拌しながら行った。
パネルを決められた時間間隔で取り出し、80℃で10
分間乾燥させ、秤量して、更に洗浄するために再び浸漬
させた。当初の被膜重量を測定し、そして重量減少を累
積洗浄時間の関数として測定した。このデータを表2に
示す。
【0053】表2において、アルコールのn−プロポキ
シプロパノールは「N−PR−P」と略記されている。
この表の「重量百分率」はアルコールの重量百分率を指
している。「温度」は共沸混合物の℃で表した共沸温度
である。「重量」はグラムで表した被膜の初期重量であ
る。表2に示した「時間」は、1分、5分、10分及び
30分の経過時に測定した累積時間である。
【0054】上述のように、表2中の組成物3は100
重量%オクタメチルトリシロキサン(MDM)からなる
対照であった。表2から、共沸組成物1と2は対照の組
成物3よりもはるかに有効な洗浄剤であったことが明ら
かになるはずである。
【0055】 表 2 室温(22℃)での洗浄の程度 重 量 除去率(%) 組成物 百分率 液体 温度 重量 1分 5分 10分 30分 1 24% N-PR-P 138.6 0.3327 75.0 99.6 99.6 99.6 2 12% N-PR-P 25.0 0.3101 76.3 85.3 87.2 89.4 3 0% 100% MDM -- 0.3460 0.7 1.5 1.9 3.2
【0056】これらの共沸混合物には、洗浄、リンス又
は乾燥についていくつかの利点がある。例えば、上記の
共沸組成物は蒸留により容易に再生することができ、そ
のため洗浄用混合物の性能をある使用期間の後に回復す
ることができる。共沸混合物の組成から影響を受けるこ
とがある性能ファクターには、浴寿命、洗浄速度、一つ
の成分のみが難燃性であるときの引火性の欠如、及び傷
みやすい部品に対する損傷がないことが含まれる。
【0057】気相脱脂装置においては、本発明の共沸混
合物は大気圧での又は減圧下での連続的蒸留によって連
続的に再生され、洗浄装置に連続的に再循環させられ
る。この装置では、洗浄又はリンスは、洗浄又はリンス
すべき部品を沸騰する液体中に浸すか、又は還流する蒸
気を冷たい部品上へ凝縮させることによって、沸点で行
われる。これに代えて、部品を、新しい凝縮物が継続し
て供給されそして汚れたオーバーフロー液が沸騰液の溜
まりへ戻される冷却浴中に浸漬してもよい。
【0058】共沸混合物を開放された系において用いる
場合には、組成と共沸混合物の性能は蒸発損失が起こる
としても一定に保たれる。そのような系は、周囲条件で
の洗浄浴において用いられる場合、又は手で拭き取る洗
浄剤として用いられる場合には室温で操作される。洗浄
浴は、沸点よりも低い高温でも操作される。とは言え、
洗浄、リンス又は乾燥は高温においてしばしばより速く
起こり、従って、洗浄すべき部品及び装置が許すならば
そうするのが望ましい。
【0059】本発明の共沸混合物は、前述の例に示した
もの以外の種々の方法で洗浄するのに使用することがで
きる。例えば、所定の共沸混合物を用いて、その共沸温
度もしくはその付近の温度で、あるいは何らかの他の温
度で、洗浄を行うことができる。
【0060】本発明の共沸混合物の他の使用方法には、
大気圧又は減圧で使用済み共沸混合物を蒸留再循環する
ことが含まれる。更に、洗浄は、当の部品を静止した又
は沸騰する液体中に浸漬して行ってもよく、沸騰液上の
蒸気凝縮領域において行ってもよい。後者の場合、部品
は連続的に更新される最大洗浄力の液体で洗浄される。
【0061】本発明を洗浄に適用する際には、共沸混合
物のみを使用してもよいが、とは言え所望ならば、共沸
混合物に少量の1又は2種以上の有機液体添加剤を組み
合わせることができる。考えられる有機液体添加剤は、
酸化安定性、腐食の抑制又は溶解力を向上させることが
できる化合物である。
【0062】酸化安定剤は、アルコールのような有機化
合物のゆっくりした酸化を抑制する。腐食抑制剤は、存
在しうる、又はアルコール中でゆっくりと生成しうる微
量の酸による金属の腐食を抑制する。溶解力向上剤は、
出発溶剤により強力な溶剤を添加することによって溶解
力を増大させる。アルコール成分は酸化による劣化に対
する耐性がオクタメチルトリシロキサンほどではないか
ら、これらの添加剤は本発明の新しい共沸混合物のアル
コール成分のいずれの望ましくない影響をも軽減するこ
とができる。
【0063】多数の添加剤が本発明の共沸混合物と組み
合わせるのに適当であり、そしてオクタメチルトリシロ
キサンは多くのそのような添加剤の少量と混和可能であ
る。しかしながらそれは、添加剤に関係なく、選択され
た添加剤と共沸混合物との、結果として得られた液体混
合物が均質であり、且つ単一相になるものでなければな
らない。
【0064】0.05〜5重量%の量で使用することが
できる酸化安定剤のなかには、フェノール類、例えばト
リメチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、チモ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、ブチルヒドロキシアニソール及びイソオイゲノール
のようなものや、アミン類、例えばヘキシルアミン、ペ
ンチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ジイソブチルアミン、トリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、シクロヘ
キシルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン及びN,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミンと
いったようなものや、トリアゾール類、例えばベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール及びクロロベンゾトリアゾ
ールの如きものがある。
【0065】0.1〜5重量%の量で使用することがで
きる腐食抑制剤のなかには、脂肪族ニトロ化合物類、例
えばニトロメタン、ニトロエタン及びニトロプロパンの
ようなものや、アセチレン系アルコール類、例えば3−
メチル−1−ブチン−3−オール及び3−メチル−1−
ペンチン−3−オールの如きものや、エポキシド類、例
えばグリシドール、メチルグリシジルエーテル、アリル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
1,2−ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド及
びエピクロロヒドリンのようなものや、エーテル類、例
えばジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、
1,4−ジオキサン及び1,3,5−トリオキサンのよ
うなものや、不飽和炭化水素類、例えばヘキセン、ヘプ
テン、オクテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテ
ン、ペンタジエン、オクタジエン、シクロヘキセン及び
シクロペンテンの如きものや、オレフィン系のアルコー
ル類、例えばアリルアルコール及び1−ブテン−3−オ
ールの如きものや、アクリル酸エステル類、例えばアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル及びアクリル酸ブチル
といったようなものがある。
【0066】0.1〜10重量%の量で使用することが
できる溶解力向上剤のなかには、炭化水素類、例えばペ
ンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン及びヘ
プタンのようなものや、ニトロアルカン類、例えばニト
ロメタン、ニトロエタン及びニトロプロパンのようなも
のや、アミン類、例えばジエチルアミン、トリエチルア
ミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン及びイソブチ
ルアミンといったようなものや、アルコール類、例えば
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール及びイソブタノ
ールのようなものや、エーテル類、例えばメチルセロソ
ルブ(「セロソルブ」は商標)、テトラヒドロフラン及
び1,4−ジオキサンのようなものや、ケトン類、例え
ばアセトン、メチルエチルケトン及びメチルブチルケト
ンのようなものや、エステル類、例えば酢酸エチル、酢
酸プロピル及び酢酸ブチルといったようなものがある。
【0067】上記のように、オクタメチルトリシロキサ
ンとn−プロポキシプロパノールを構成成分として含有
してなる他の一定の共沸混合物様組成物も発見された。
本発明の目的上、共沸混合物様というのは、共沸混合物
と同じように挙動する組成物を意味するものである。こ
のように、共沸混合物様組成物は一定した沸騰特性を持
ち、あるいは沸騰又は蒸発により分留されない傾向があ
る。共沸混合物様組成物では、沸騰又は蒸発する間に生
じる蒸気の組成は最初の液の組成と同じであるかあるい
は実質的に同じである。従って、沸騰又は蒸発中に、液
の組成は、仮にそれが変化するとしても、最小限にある
いは無視できる程度に変化するだけである。対照的に、
非共沸混合物様組成物の液組成は、沸騰又は蒸発する間
に相当の程度まで変化する。
【0068】本発明によれば、共沸混合物様組成物に
は、760torrでの極小沸点の1℃以内で沸騰する
共沸成分の全ての組成比率が含まれる。オクタメチルト
リシロキサンとn−プロポキシプロパノールの共沸混合
物様組成物は、101.3kPa(760torr)の
蒸気圧で、オクタメチルトリシロキサンの重量割合が5
4〜91%の範囲内にあるこれらの二つの成分の全ての
比率に対して存在することが分かった。全ての共沸混合
物様組成物は、138.64℃の極小値の1℃以内の標
準沸点を持っていた。
【0069】これらの共沸混合物様組成を決定するため
に使用した手順は、例1で先に概説した手順と同じであ
った。これらの共沸混合物様組成物はオクタメチルトリ
シロキサンとn−プロポキシプロパノールを含有してお
り、そしてこれらの組成物は均質であり且つ138.6
4〜139.64℃の範囲内にある温度において共沸混
合物様であった。これらの共沸混合物様組成物は、9〜
46重量%のn−プロポキシプロパノールと54〜91
重量%のオクタメチルトリシロキサンを含有していた。
このような共沸混合物様組成物には、上記の二成分共沸
混合物について先に説明したのと同じ用途がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−339275(JP,A) 特開 平8−60195(JP,A) 特開 平8−27158(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 7/50 C07C 43/04 C07F 7/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 73〜91重量%のオクタメチルトリシ
    ロキサンと9〜27重量%のn−プロポキシプロパノー
    ルとを含む共沸組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物を物品の表面へ洗
    浄剤として適用することを含む、物品表面から物質を洗
    浄除去する方法。
  3. 【請求項3】 前記表面から洗浄除去する物質が炭素質
    物質及びハンダフラックスから選ばれる、請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 54〜91重量%のオクタメチルトリシ
    ロキサンと9〜46重量%のn−プロポキシプロパノー
    ルとを含む共沸混合物様組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組成物を物品の表面へ洗
    浄剤として適用することを含む、物品表面から物質を洗
    浄除去する方法。
  6. 【請求項6】 前記表面から洗浄除去する物質が炭素質
    物質及びハンダフラックスから選ばれる、請求項5記載
    の方法。
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