JP2808732B2 - 回路遮断器の接続導体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明は、配電盤や分電盤などにおいて主幹回路遮
断器と分岐回路遮断器とを接続するための回路遮断器の
接続導体に関する。

【従来の技術】

例えば分電盤において、１台の３相主幹回路遮断器
と、その電源側に左右２列にかつ電源側同士が互いに向
かい合うようにして、横向きに配列された複数台の分岐
回路遮断器とを接続するには、従来は第６図に示すよう
に、幅方向に互いに平行に配列した３相の主導体（ブス
バー）１に主幹回路遮断器４を接続し、主導体１に直交
するようにねじ３で締め付けた分岐導体２に分岐回路遮
断器５を接続している（実開昭59−13006号公報など参
照）。

【発明が解決しようとする課題】

ところが、このような従来の接続方法には次のような
問題があった。 （１） ３相の主導体１が幅方向に配列されているため
横方向（図の左右方向）の所要スペースが大きい。 （２） 主導体１と分岐導体２とをねじ３を用いて格子
状に組み立てるため、配線に時間がかかる。 （３） 格子状の導体1,2には絶縁カバーの装着が困難
なため、盤前面に対して充電部が露出し危険である。 そこで、この発明は上記問題を解決して、配電盤、分
電盤などの省スペース化、配線工数の低減及び安全性の
向上を図った回路遮断器の接続導体を提供することを目
的とするものである。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この発明の回路遮断器の
接続導体は、一端が前記主幹回路遮断器の各相電源側端
子に接続され、他端が中央相を中にしてその上下に重な
り合う３相の縦導体及びこれら縦導体の前記他端にそれ
ぞれ直交して結合され、左右端が前記分岐回路遮断器の
各相電源側端子に接続される３相の横導体からなる中継
導体と、左右２列の前記分岐回路遮断器の電源側に沿っ
てそれぞれ延び、板厚方向に互いに平行に配列された２
組の３相の主導体と、各組の前記主導体の下側から横方
向に直角に３相分ずつ相順に導出され前記分岐回路遮断
器の各々に順次接続される分岐導体と、各組の前記主導
体に３相一括して被せられこれらの主導体の間に隔壁が
差し込まれる櫛形断面の絶縁カバーとからなり、前記中
継導体の横導体は前記分岐導体と重ねて、前記主幹回路
遮断器に最も近い前記分岐回路遮断器の電源側端子に接
続されるものである。

【作 用】

この発明においては、主導体を板厚方向に配列し、ま
た主幹回路遮断器と主導体とを接続する中継導体の縦導
体を中央相を中にしてその上下に重なり合わせるため、
横方向の所要スペースが小さくて済む。主導体から導出
する分岐導体は、主導体から一体に切り曲げするか、あ
るいはろう付けなどによって予め一体化できるので、配
線時にねじ締めする必要がない。主導体と分岐導体とは
主導体の下側でクロスするので、主導体に上面から一括
して絶縁カバーを被せることができる。その際、絶縁カ
バーの隔壁を主導体間に差し込んで相間絶縁できるの
で、主導体間の間隔を隔壁の板厚程度まで縮めることが
でき、これによっても横方向の所要スペースは一層小さ
くなる。

【実施例】

第１図は分電盤におけるこの発明の実施例を示す正面
図である。図において、４は１台の３相主幹回路遮断
器、５は主幹回路遮断器４の電源側に左右２列にかつ電
源側同士が互いに向かい合うようにして、横向きに配列
された複数台の分岐回路遮断器、６は主導体、７はこの
主導体６から導出された分岐導体で、主導体６は中継導
体８及び９を介して主幹回路遮断器４に接続されてい
る。10は主導体６に被せられた絶縁カバー、11は中継導
体９を上下から挟む絶縁物の中継箱である。 第２図は第１図における左列の主導体６（6R〜6T）及
び分岐導体７（7R〜7T）を拡大して示した斜視図で、主
導体6R〜6Tは板厚方向に互いに平行に配列され、その間
隔は後述する絶縁カバーの隔壁がやっと差し込まれる程
度に小さくなっている。これらの主導体6R〜6Tの下側か
らは、横方向に直角に３相分ずつの分岐導体7R〜7Tが相
順に、切り曲げにより一体に導出され、先端のＵ字穴7a
を通る端子ねじ5a（第１図）により複数台（図の場合は
５台）の分岐回路遮断器５に順次接続されている。 主導体６には第２図に２点鎖線で示す絶縁カバー10が
被せられるが、この絶縁カバー10は第４図の断面図に示
すように、左右の側壁10a、相間の隔壁10b及びこれらを
つなぐ上面板10cからなり、樹脂により一体に形成され
ている。この絶縁カバー10は隔壁10bを主導体6R〜6T間
に差し込むようにして、主導体６に上方から押し込んで
被せる。その際、上面板10cの内側に形成された位置決
め用の突条10d、側壁10a及び隔壁10bの対向面にそれぞ
れ形成された把持用の突条10eが弾性変形し、絶縁カバ
ー10は所定の姿勢で確実に装着される。第５図は絶縁カ
バー10が被せられた主導体６を裏面側から見た斜視図
で、12は絶縁カバー10の端末に嵌め込まれた箱蓋状のエ
ンドカバーである。 第３図は中継導体８（8R〜8T）及び９（9R〜9T）の構
成を示す斜視図である。中継導体８及び９は、３相の縦
導体8R〜8Tにそれぞれ直交するように、３相の横導体9R
〜9Tがそれぞれろう付けにより結合された構造になって
いる。一端が主幹回路遮断器４の各相電源側端子に端子
ねじ4aによりそれぞれ接続された縦導体8R〜8Tは、他端
が真直ぐな中央相8Sを中にして左右相8R及び8Tがその上
下に重なり合っている。また、横導体9R及び9Tの左右端
はそれぞれ上下に屈曲され、真直ぐな横導体9Sの左右端
と同一平面上に揃えられている。そして、同一平面上に
位置する中継導体9R〜9Tの左右端は、Ｕ字穴9aに通され
た端子ねじ5aにより、第１図のの最上部の分岐回路遮断
器５に分岐導体7R〜7Tと重ねて締め付けられている。絶
縁物の中継箱11は詳細には図示しないが上下２つ割り
で、中継導体8R〜8T及びこれにクロスする中継導体9R〜
9Tに合わせて溝が設けられ、これらの導体8R〜8T,9R〜9
Tを挟んでねじ締めされている。 図示構成によれば、縦導体8R〜8Tは左右相8R及び8Tが
中央相8Sを中にしてその上下に重なり合い、かつ主導体
６は板厚方向に平行に配列されているため横方向の寸法
が小さくなる。そして、分岐導体７は主導体６の下側で
これとクロスしているため、主導体６に絶縁カバー10を
被せることが可能となり、分電盤の前面に充電部が露出
しなくなるとともに、絶縁カバー10の隔壁10bで主導体
５間が隔てられているため、主導体６の間隔を隔壁10b
のやっと入る程度まで縮めることができ、主導体６の板
厚方向の配列とあいまって横方向の所要スペースが一層
小さくなる。また、分岐導体７は主導体６と一体構成し
たままで在庫できるので、配線時にねじ締めする必要が
なく分電盤の組立工数が低減する。 なお、図示実施例では分岐導体７は主導体６から一体
に切り曲げ形成されているが、分岐導体７をＬ形に別途
製作し、これをろう付けなどで主導体６に接合してもよ
い。

【発明の効果】

この発明によれは、主導体部分の横方向スペースが小
さくなって配電盤や分電盤の縮小化が可能となるととも
に、分岐導体のねじ締め作業がなくなって組立工数が減
り、更に絶縁カバーの装着により盤前面への充電部の露
出がなくなって安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す分電盤の正面図、第２
図は第１図における主導体及び分岐導体の拡大斜視図、
第３図は第１図における中継導体の拡大斜視図、第４図
は第２図の主導体に絶縁カバーを被せた状態を示す横断
面図、第５図は同じく裏面側から見た斜視図、第６図は
従来例を示す分電盤の正面図である。 ４……主幹回路遮断器、５……分岐回路遮断器、６（6R
〜6T）……主導体、７（7R〜7T）……分岐導体、10……
絶縁カバー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H02B 9/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１台の３相主幹回路遮断器と、その電源側
   に左右２列にかつ電源側同士が互いに向かい合うように
   して、横向きに配列された複数台の分岐回路遮断器とを
   接続する回路遮断器の接続導体において、 一端が前記主幹回路遮断器の各相電源側端子に接続さ
   れ、他端が中央相を中にしてその上下に重なり合う３相
   の縦導体及びこれら縦導体の前記他端にそれぞれ直交し
   て結合され、左右端が前記分岐回路遮断器の各相電源側
   端子に接続される３相の横導体からなる中継導体と、 左右２列の前記分岐回路遮断器の電源側に沿ってそれぞ
   れ延び、板厚方向に互いに平行に配列された２組の３相
   の主導体と、 各組の前記主導体の下側から横方向に直角に３相分ずつ
   相順に導出され前記分岐回路遮断器の各々に順次接続さ
   れる分岐導体と、 各組の前記主導体に３相一括して被せられこれらの主導
   体の間に隔壁が差し込まれる櫛形断面の絶縁カバーとか
   らなり、 前記中継導体の横導体は前記分岐導体と重ねて、前記主
   幹回路遮断器に最も近い前記分岐回路遮断器の電源側端
   子に接続されることを特徴とする回路遮断器の接続導
   体。